JPH077194A - ホール素子 - Google Patents

ホール素子

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JPH077194A
JPH077194A JP5147894A JP14789493A JPH077194A JP H077194 A JPH077194 A JP H077194A JP 5147894 A JP5147894 A JP 5147894A JP 14789493 A JP14789493 A JP 14789493A JP H077194 A JPH077194 A JP H077194A
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Takashi Udagawa
隆 宇田川
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動作電流の漏れを防止し、GaInAsホー
ル素子の高性能化を果たす。 【構成】 感磁部とするGaInAsとバンドギャップ
の差が大きいAlInAsをバッファ層とし、当該Al
InAs層よりも大きな層厚、キャリア濃度を有するG
aInAsとでヘテロ接合を設けてホール素子となす。 【効果】 低リークで不平衡率の小さなGaInAsホ
ール素子を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化合物半導体のヘテロ接
合を用いた磁電変換素子(ホール素子)の高感度化に関
する。
【0002】
【従来の技術】磁界を検知しその強度を電気信号に変換
する、いわゆる磁電変換素子の一つとしてホール(Ha
ll)素子が知られている。 ホール素子には通常シリ
コン(Si)、ゲルマニウム(Ge)など元素周期律の
第IV族に属する単体(元素)半導体や、ヒ化ガリウム
(GaAs)、ヒ化インジウム(InAs)などの周期
律の第 III族と第V族元素を化合してなる III−V族2
元化合物半導体、或はまたそれらを混合させた混晶半導
体が利用されている。いずれの半導体材料を用いた場合
に於いても、ホール素子はそれを構成する半導体材料に
磁場を印加した際に、これら半導体内の電子の運動によ
って発生するホール(Hall)電圧を利用した一種の
センサーであり、回転センサー、位置センサーなどとし
て産業界で広く利用されている。
【0003】ホール素子には上述の如くSi単体半導体
の他、アンチモン化インジウム(InSb)、InAs
やGaAs等の III−V族化合物半導体も使用されてい
るが、実際のホール素子にあっては例えばInSbホー
ル素子に見られる様に、InSbバルク結晶そのものを
ホール素子の磁気を検出する機能を有する部位(感磁
部)として利用する場合も有る。多くはGaAsホール
素子の如く高抵抗の半導体単結晶基板等へのイオン注入
により、或はまた同様の単結晶基板上にVPE(Vapor
Phase Epitaxy )、MOVPE(Metal-Organiic Vapor
Phase Epitaxy、MOCVD、OMVPEとも称され
る。)、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法等の気相
エピタキシャル成長法や液相エピタキシャル成長(LP
E)法により形成された半導体層が感磁部として利用さ
れている。
【0004】これら半導体層からなる感磁部はホール素
子の諸特性を担う重要な部位である。特に、高い磁界検
出能力を有する、いわゆる高感度(高い積感度)のホー
ル素子にあっては、この感磁部に半導体の物性の一つで
あるホール(Hall)係数の大きな半導体材料を選択
する必要がある。ホール係数はまた半導体材料の有する
電子移動度に比例し、電子移動度が大きい程大きなホー
ル係数が得られ、ひいては高感度のホール素子の実現を
促す。
【0005】このため、最近では従来の2つの元素から
なるGaAsやInSbの様な2元化合物半導体材料を
感磁部とするホール素子ではなく、異なる3つ或は4つ
の元素から構成される III−V族化合物半導体多元素混
晶を用いヘテロ(異種)接合を形成し、これにより高い
電子移動度を保有させ、もって高感度ホール素子のため
の新たな材料とする試みもなされている。この様なヘテ
ロ接合を設けることによって、ヘテロ接合を構成する各
単一半導体材料には見られない新たな物性が得られ、電
子移動度の向上がもたらされる場合があるからである。
【0006】周期律表の第 III族元素であるガリウム
(Ga)とインジウム(In)並びに第族のヒ素(A
s)からなるGaX In1-X As(Xはガリウムの混晶
比を示す。)も III−V族化合物半導体混晶の一つであ
り、InPとヘテロ接合の形成により高電子移動度化が
果たされることから(例えば、小沼 賢二郎他、199
2年秋季第53回応用物理学会学術講演会講演予稿集N
o.1(応用物理学会発行)、講演番号18a−ZE−
3、283頁)、最近では当該GaInAs/InPヘ
テロ接合材料を利用して従来になく高い感度の化合物半
導体ホール素子を得ようとする試みもなされている(奥
山 忍他、1992年秋季第53回応用物理学会学術講
演会講演予稿集No.3(応用物理学会発行)、講演番
号16a−SZC−16、1078頁)。
【0007】上記ヘテロ接合は具体的にはFeを添加し
てなる高抵抗の半絶縁性InP単結晶基板上に堆積させ
たInPバッファ層とGaInAs層から構成されてい
る(奥山 忍他、1992年秋季第53回応用物理学会
学術講演会講演予稿集No.3(応用物理学会発行)、
講演番号16a−SZC−16、1078頁)。この様
に従来例としてはn型の伝導を呈するInP結晶層をバ
ッファ層として利用している場合が多いが、本来、ホー
ル素子用のバッファ層としてはGaInAs感磁部層か
らInPバッファ層への動作電流の漏れを防ぐためにも
高抵抗であることが望ましい。しかし、この様な2元系
のInP結晶層をバッファ層として利用する場合、多元
混晶の成長に見受けられる如くの混晶比の制御の煩わし
さが回避できるなどの利点はあるものの、通常、InP
は不純物を故意にドーピング(doping)しないいわゆる
アンドープ(undope)の状態でもn型の伝導を呈し高抵
抗とはなり難く、且つまたGaInAsとInP半導体
相互のバンドギャップ(band gap)の差が小さいためバ
ッファ層への漏れ(リーク;leak)電流が発生すること
も懸念される。
【0008】この様なInP結晶層をバッファ層とする
従来のGaInAsホール素子の構成に対し、感磁部を
構成するGaInAsよりバンドギャップの差が大き
く、且つ高抵抗となり易い半導体材料をバッファ層とす
る試みも試験的にはなされてはいるものの、未だ実現さ
れるには至ってはいない。これはバンドギャップの観点
からすれば例えばAlInAs等の混晶を利用する方法
も考えられるが、GaInAsホール素子の高感度化に
とってバッファ層としてのAlInAs結晶層が備える
べき要件が明確となっていないことも一因に挙げられ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来の
欠点に鑑み、感磁部となすGaInAsとヘテロ接合さ
せるバッファ層として適する新たな半導体材料を見いだ
すと共に、従来に無く高感度を有するGaInAsホー
ル素子の安定的な実現を可能ならしめるためになされた
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明はGaIn
As感磁部層とヘテロ接合させるバッファ層の材質とし
てAlInAsを新たに選択し、当該AlInAsのキ
ャリア濃度並びに層厚の各々を、感磁部となすGaIn
As層のそれらよりも小さく設定することにより、漏れ
電流の極めて少なく、ホール素子の特性の一つである不
平衡率の増大を抑制する手段を採用した。
【0011】通常、上記のホール素子への応用を考慮し
たGaInAsとAlInAsから成るヘテロ接合の形
成に当たっては、格子整合性と電気的な絶縁の必要性な
どの観点から半絶縁性の高抵抗InP単結晶基板が使用
される。実用上は比抵抗が104 〜108 Ω・cm程度
のInP基板を用いるのが一般的であり、これらは液体
カプセル引上げ法(Liquid Encapsulated Czochralski
;LEC法)やVB(Vertical Bridgman )法などと
称される垂直ブリッジマン法などにより容易に製作で
き、本発明の実施にあたって材料の入手に困難が伴うこ
とはない。
【0012】この様な高抵抗InP基板上に上記のヘテ
ロ接合を構成するAlx In1-x As並びにGaY In
1-Y As(X、Yはいずれも混晶比を示し、通常は格子
整合度の観点から≒0.4≦X、Y≦≒0.6が望まし
い。)を成長させるに際しては、それらの成長方法に特
に制限はなく液相エピタキシャル成長法(Liquid Phase
Epitaxial;LPE法)に依っても、また分子線エピタ
キシャル成長法(Molecular BeamEpitaxial ;MBE
法)や有機金属熱分解気相成長法、いわゆるMOVPE
(Meal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCV
D、OMCVDやOMVPE法とも呼ばれる)法、MB
E法とMOCVD法双方を複合させたMO・MBE法な
どに依っても良い。しかし、現状では基板として蒸気圧
が比較的高いリン(P)を含むInP結晶を用いてるこ
とから、結晶層の成長前に加熱されたInP基板からの
Pの蒸発、離散を低減するのに都合の良いMOVPE法
が多用されており、特にInの出発原料として結合価が
1価のシクロペンタジエニルインジウム(C55
n)を使用する常圧MOCVD法では高品位のInP並
びにGaInAsなどを得ることが出来る。
【0013】また、感磁部とする高品質のGaY In
1-Y As層を得るためのヘテロ接合を形成する際には、
InP基板上に先ず、AlX In1-X As層をバッファ
層として堆積せしめ、然る後にGaY In1-Y As層を
成長させるのが一般的である。この様なヘテロ接合を設
けることにより、例えば、高い電子移動度を有すること
が要求されるGaY In1-Y Asエピタキシャル成長層
へのInP基板結晶からの不純物の拡散を抑制出来るな
どの効果が得られる。且つまた、基板に存在する結晶欠
陥等のエピタキシャル成長層への伝幡を抑制するなどの
効果を生じるため、電子移動度の向上をもたらし、もっ
てホール素子の感度の上昇を招くなどの利点が生まれ
る。
【0014】AlX In1-X AsとGaY In1-Y As
とのヘテロ接合からなる材料にあっては、GaY In
1-Y As層のキャリア濃度(C2)及び層厚(t2)の
各々をAlX In1-X As層キャリア濃度(C1)及び
厚さ(t1)よりも大きくすることが、当該ヘテロ接合
材料により高い電子移動度を得る上で重要である。ま
た、GaY In1-Y As層の膜厚(t2)については5
μm以下とすることにより、ホール素子の製作上必要と
されるメサエッチングによるエッチング形状の差異に主
に起因する不平衡電圧の増大を防ぎ、ひいては素子特性
に於る不平衡率の増大を抑制できる利点が生まれる。し
かし、逆にGaY In1-Y As層の膜厚(t2)があま
り薄過ぎるとオーミック性電極の形成等に支障を来すこ
ともあり、少なくともこれとヘテロ接合を形成するAl
X In1-X As層の層厚(t1)以上にするのが好都合
である。通常、AlX In1-X As層の層厚(t1)は
数百オングストローム(Å)から数千Åに設定されるこ
とから、GaY In1-Y As層の膜厚(t2)はこのA
X In1-X As層の層厚(t1)以上であれば良い。
【0015】また、GaY In1-Y As層のキャリア濃
度(C2)については高抵抗AlXIn1-X Asバッフ
ァ層のキャリア濃度(C1)以上に設定する。実際に
は、本来高抵抗が要求されるAlX In1-X Asバッフ
ァ層のキャリア濃度(C1)は通常1014cm-3未満と
し、感磁部とするGaY In1-Y As層のキャリア濃度
(C2)は1015cm-3〜1017cm-3の範囲内で、所
望のシート抵抗に応じて適宣制御するのが得策である。
【0016】この様なヘテロ接合材料からホール素子を
製作するわけであるが、製作に際しては、別段、特殊な
工夫は必要とせず、公知のフォトリソグラフィー技術、
エッチング技術等による加工技術を駆使して所望の形状
に加工し、然る後に素子の動作電流を入力するための入
力電極及びホール電圧を出力するための出力電極となる
オーミック電極を形成し、最終的にはダイシング工程を
経て個々の素子に分離すれば良い。このオーミック性電
極の形成について工程を追って若干の説明を加えるに、
先ず感磁部材料の表面に各々一対の入力及び出力電極と
なす金属膜を真空蒸着法などに依り被着させる。一般に
ホール素子では移動度の観点から感磁部層としてn型の
伝導を呈する層を用いていることに対応して、n型層に
対しオーミック性電極を形成し得る金(Au)・ゲルマ
ニウム(Ge)合金などの金属電極材料がもっぱら使用
される。本発明に係わる高感度GaInAsホール素子
に於ても、通常の電極形成方法に従い入・出力電極を形
成すれば良く、オ−ミック電極の形成上、本発明の材料
に係わる特異な技術上の問題点、課題等はない。尚、オ
ーミック電極用の金属材料として上記のAu・Ge合金
を用いるのが一般的であるものの、電極材料は特にこれ
に限定する必要はないのは勿論である。然る後被着せし
めた金属電極をオーミック電極となすべく熱処理を施
す。この熱処理は一般にアロイング(alloyin
g)処理と称され、通常Au・Ge合金のアロイングは
温度400℃前後で適宣時間を設定して実施される。
【0017】上記のアロイング工程は、オーミック電極
の直下にキャリア濃度の高い層を設けることによって省
くことができる。例えば、本発明に係わるヘテロ接合材
料の場合には、感磁部とするGaInAs層の上部に1
19〜1020cm-3程度の高キャリア濃度の低抵抗Ga
InAs層をエピタキシャル成長法により設け、当該低
抵抗層にAu・Ge合金を被着させれば、アロイングを
施さずともオーミック電極と成すことが出来る。この方
法をノンアロイコンタクト(non−alloy co
ntact)と言う。或はまた、エピタキシャル成長法
ではなくイオン注入法に依り、GaInAsに対しn型
不純物として働くシリコン(Si)等を電極形成領域に
選択的に注入し、高キャリア濃度の低抵抗層を形成して
も良い。また、選択的な領域にイオン注入するいわゆる
選択イオン注入に限らず、感磁部層の表面全面に亘りS
i等を注入して高キャリア濃度層を形成し、然る後、電
極部となる領域以外の当該高キャリア濃度層を除去して
もノンアロイコンタクトは形成される。
【0018】上述の如くのプロセスを経て製作したホー
ル素子を電気的な特性の評価に供した。また、従来の単
純なGaInAs/InPヘテロ接合を設けてなるホー
ル素子の特性も併せて評価した。ここで、従来の単純な
ヘテロ接合を有するホール素子とは本発明に係る様なキ
ャリア濃度及び層厚を有して無いヘテロ接合材料から構
成されたホール素子を指す。この特性の比較により、本
発明に依る材料では、メサエッチングによる隣接素子相
互間の絶縁分離以前の状態に於いて隣接する入力電極相
互間のリーク電流が低減され、絶縁分離の完全化が果た
されるばかりかバッファ層への漏れる動作電流が削減さ
れるため、不平衡率の極めて低い新たなGaInAsホ
ール素子が顕現されていることが如実に示された。
【0019】
【作用】キャリア濃度と膜厚を制御することにより、シ
−ト抵抗を最適範囲に設定し、動作電流の不要な漏れを
防止し、不平衡率の極めて低い高性能のホール素子を提
供する。
【0020】
【実施例】本発明を実施例を基に詳細に説明する。図1
は本発明に係わるGaInAs/AlInAsヘテロ接
合を設けてなるホール素子を模式的に示した平面図であ
る。また、図2は図1に示した平面模式図の線A−A’
の方向に沿った垂直断面の概略図である。上記ヘテロ接
合の形成に当たっては、先ず鉄(Fe)を添加してなる
比抵抗が約107 Ω・cmの面方位(100)の半絶縁
性高抵抗InP単結晶基板(101)に、ヘテロ接合を
形成する第一の層として混晶比XがX=0.48の不純
物(ドーパント)を故意に添加していないアンドープA
X In1-X As層(102)を約1000Åの厚さで
成長させた。当該AlInAs層(102)のキャリア
濃度をホール(Hall)効果法により測定した結果1
14cm-3であり、シート抵抗は104 Ω・cm以上で
あった。然る後、この高抵抗AlInAs(102)と
ヘテロ接合を形成する層としてキャリア濃度は2×10
16cm-3で混晶比YをY=0.47としたアンドープn
型Ga0.47In0.53As(103)を4000Åの厚さ
に堆積し、GaInAsとAlInAsとからなるヘテ
ロ接合を形成した。本実施例に於いてはAlInAs層
(102)及びGaInAs層(103)の双方共に、
結合価が一価のシクロペンタジエニルインジウム(C5
5 In)をIn源とする常圧MOVPE法で成長させ
た。
【0021】次に、最表層のGaInAs層(103)
を通常の有機フォトレジスト材で全面を被覆し、その
後、公知のフォトリソグラフィー技術とエッチング技術
を駆使し、入・出力電極を形成すべき領域並びに感磁部
となす領域(105)をメサ(mesa)形状に加工し
た。本実施例ではメサエッチング加工には無機酸を使用
したがエッチング溶剤は別段、これに限定されることは
ない。但し、GaInAs層の膜厚が厚過ぎると前述し
た様にメサエッチングによる結晶層の剥離、除去が進行
するに伴い、結晶の方位(結晶軸)の違いに起因するメ
サ形状の差異が顕著となり、このことがしいてはホール
素子の特性の一つである不平衡率の増大を招くこととな
る。その後、GaInAs層(103)の表面を再び有
機レジスト材で全面に亘り被覆した。次に、各々、一対
をなす入力電極(106)と出力電極(107)を形成
すべき領域に存在する上記レジスト材のみを公知のフォ
トリソグラフィ技術を利用して除去し、GaInAs層
(103)の表面を露出せしめた。然る後、Geを重量
で約13%程度含むAu・Ge合金を真空蒸着した。そ
の後、当該ヘテロ接合材料を有機溶剤混合液に浸し、レ
ジストを剥離すると同時に蒸着によってレジスト材上に
被着した素子の製作上、不要となる合金膜をいわゆるリ
フトオフ(lift-off)法で除去した。次に、電極となる
合金膜を被着させたウエハを温度420℃で数分間、オ
ーミック性電極を得るために熱処理(アロイング;al
loying)した。
【0022】更に、上記工程を経たヘテロ接合材料の表
面をプラズマCVD法により二酸化珪素(SiO2 )膜
(108)により上記の入・出力電極部以外の領域を被
覆せしめた。次に、酸化膜(108)上に一般的なフォ
トレジスト材を塗布し、公知のフォトリソグラフィー法
に依って素子を個別に分離させるための直線上の溝(1
09)(通常、ダイシングライン(dicing li
ne)に相当する部分のフォトレジスト材を剥離しGa
InAs(103)の表面を選択的に露出せしめた。然
る後、ダイシングライン(109)に相当する露出した
GaInAs(103)を無機酸によりエッチングし、
素子を個別に分離するのに適する深さ迄、当該GaIn
As層(103)を除去した。
【0023】かくの如く製作した新たなホール素子の電
気的特性、特に隣接するホール素子間に於ける入力電極
間のリーク電流の大小を比較した。その結果、本発明に
依る新たなGaInAsホール素子ではダイシングライ
ンを挟む最近接の入力電極間に10Vの電圧を印加した
際に測定されるリーク電流は従来例に比較し約1桁以上
低減され数百pAから数nAとなった。ここで、従来例
とはキャリア濃度が1015cm-3程度のn型のInPを
バッファ層として採用し、これとGao.47In0.53As
感磁部層とからなるヘテロ接合を設けてなるGaInA
sホール素子を指す。また、本発明に係わるホール素子
では不平衡率が約6%と従来のホールの8〜10%の不
平衡率に比べ低減されていることが確認された。
【0024】
【発明の効果】動作電流のリークを防止でき、不平衡率
の低い新たなGaInAsホール素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるGaInAsホール素子の概略
を示す平面図である。
【図2】図1に掲げる本発明に係わるホール素子の直線
A−A’の方向に沿った垂直断面の模式図である。
【符号の説明】
101 Fe添加高抵抗InP単結晶基板 102 AlInAsバッファ層 103 GaInAs感磁部層 104 GaInAs/AlInAsヘテロ接合界面 105 メサ領域 106 入力電極 107 出力電極 108 酸化膜 109 ダイシングライン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 III−V族化合物半導体結晶のヘテロ接
    合を有するホール素子において、感磁部層のキャリア濃
    度と層厚の積が、緩衝層のキャリア濃度と層厚の積より
    も大きいことを特徴とするホール素子。
  2. 【請求項2】 ヘテロ接合を構成する感磁部層のキャリ
    ア濃度が1×1015cm-3以上5×1017cm-3以下
    で、厚さが2μm以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のホール素子。
  3. 【請求項3】 ヘテロ接合を構成する緩衝層のキャリア
    濃度が1×1015cm-3未満で厚さが3μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のホール素子。
  4. 【請求項4】 ヘテロ接合がヒ化ガリウム・インジウム
    結晶層と、これと異なる III−V族化合物半導体結晶層
    とから形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    のホール素子。
  5. 【請求項5】 緩衝層となる III−V族化合物半導体結
    晶層がリン化インジウム(InP)結晶であることを特
    徴とする請求項1ないし請求項4に記載のホール素子。
  6. 【請求項6】 緩衝層となる III−V族化合物半導体結
    晶層がヒ化アルミニウムインジウム(AlInAs)結
    晶であることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記
    載のホール素子。
  7. 【請求項7】 キャリア濃度が1×1015cm-3以上1
    ×1017cm-3以下で厚さが2μm以下のヒ化ガリウム
    ・インジウム結晶層と、キャリア濃度が1×1015cm
    -3未満で厚さが3μm以下のリン化インジウム結晶層と
    から形成されるヘテロ接合を具備してなることを特徴と
    する請求項1ないし請求項4に記載のホール素子。
  8. 【請求項8】 キャリア濃度が1×1015cm-3以上1
    ×1017cm-3以下で厚さが2μm以下のヒ化ガリウム
    ・インジウム結晶層と、キャリア濃度が1×1015cm
    -3未満で厚さが3μm以下のヒ化アルミニウム・インジ
    ウム結晶層とから形成されるヘテロ接合を具備してなる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のホー
    ル素子。
  9. 【請求項9】 III−V族化合物半導体結晶のヘテロ接
    合を有するホール素子において、ヘテロ接合部のシ−ト
    抵抗が300Ω/□以下であることを特徴とするホール
    素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9126231B2 (en) * 2010-05-28 2015-09-08 Jsr Corporation Insulation pattern-forming method and insulation pattern-forming material
CN107316937A (zh) * 2017-06-28 2017-11-03 吉林省贝林电子技术有限责任公司 一种车用传感器芯片的制备方法

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