JP2903875B2 - 化合物半導体トランジスタ用ウェハ及び化合物半導体トランジスタ - Google Patents
化合物半導体トランジスタ用ウェハ及び化合物半導体トランジスタInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基板にInPを用いたn
型InAlAs/InGaAs系HEMT構造の化合物
半導体トランジスタ用エピタキシャルウェハ及びそのウ
ェハから構成される化合物半導体トランジスタに関する
ものである。
型InAlAs/InGaAs系HEMT構造の化合物
半導体トランジスタ用エピタキシャルウェハ及びそのウ
ェハから構成される化合物半導体トランジスタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】基板に設けたバッファ層上に、不純物を
含まないキャリア走行層と、n型不純物(キャリアの走
行に障害となる)を含むキャリア供給層と、ショットキ
ゲートを積んだ構造はHEMT(高電子移動度トランジ
スタ)として広く知られている。これはキャリア走行層
とキャリア供給層とをヘテロ接合によって空間的に切り
離すことで、雑音特性、高周波特性を上げることに成功
しているものである。このHEMTの種類には、主にG
aAs基板を用いたn型AlGaAs/GaAs系HE
MTと、InP基板を用いたn型InAlAs/InG
aAs系とがあるが、このうち特に20GHz以上の高
周波を極めて低雑音で増幅できるn型In0.52Al0.48
As/InGaAs系HEMTが注目されている。
含まないキャリア走行層と、n型不純物(キャリアの走
行に障害となる)を含むキャリア供給層と、ショットキ
ゲートを積んだ構造はHEMT(高電子移動度トランジ
スタ)として広く知られている。これはキャリア走行層
とキャリア供給層とをヘテロ接合によって空間的に切り
離すことで、雑音特性、高周波特性を上げることに成功
しているものである。このHEMTの種類には、主にG
aAs基板を用いたn型AlGaAs/GaAs系HE
MTと、InP基板を用いたn型InAlAs/InG
aAs系とがあるが、このうち特に20GHz以上の高
周波を極めて低雑音で増幅できるn型In0.52Al0.48
As/InGaAs系HEMTが注目されている。
【0003】図3に従来のn型In0.52Al0.48As/
InGaAs系HEMT構造のエピタキシャルウェハを
示す。半絶縁性InP基板38上にアンドープのIn
0.53Ga0.47Asバッファ層37(0.5μm厚)、I
n0.52Al0.48Asバッファ層36(100nm厚)を
設け、その上にアンドープのIn0.53Ga0.47Asキャ
リア走行層35(50nm厚)を設け、さらにアンドー
プIn0.52Al0.48As層34(2nm厚)を介してn
型In0.52Al0.48Asキャリア供給層33(53nm
厚)を設け、その上にリセス構造とするためn+ In
0.53Ga0.47Asオーミックコンタクト層31(10n
m厚)を設けたものである。
InGaAs系HEMT構造のエピタキシャルウェハを
示す。半絶縁性InP基板38上にアンドープのIn
0.53Ga0.47Asバッファ層37(0.5μm厚)、I
n0.52Al0.48Asバッファ層36(100nm厚)を
設け、その上にアンドープのIn0.53Ga0.47Asキャ
リア走行層35(50nm厚)を設け、さらにアンドー
プIn0.52Al0.48As層34(2nm厚)を介してn
型In0.52Al0.48Asキャリア供給層33(53nm
厚)を設け、その上にリセス構造とするためn+ In
0.53Ga0.47Asオーミックコンタクト層31(10n
m厚)を設けたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のn型In0.52Al0.48As/InGaAs系HEMT
構造のエピタキシャルウェハを用いたHEMTの製作プ
ロセスには未解決の課題が多く、特に次の点が実用化へ
の大きな障害となっていた。
のn型In0.52Al0.48As/InGaAs系HEMT
構造のエピタキシャルウェハを用いたHEMTの製作プ
ロセスには未解決の課題が多く、特に次の点が実用化へ
の大きな障害となっていた。
【0005】(1)トランジスタ作製にあたり、HEM
T構造エピタキシャルウェハのn型InAlAsキャリ
ア供給層上にショットキゲートを設けた時、ゲートのリ
ーク電流が有効に抑えられない。この原因はよくわかっ
ていないのであるが、多分、ゲートに使用する金属とI
nAlAsの間に形成されるショットキ障壁が、AlG
aAs、GaAsと比べ低くなっているためであると考
えれる。
T構造エピタキシャルウェハのn型InAlAsキャリ
ア供給層上にショットキゲートを設けた時、ゲートのリ
ーク電流が有効に抑えられない。この原因はよくわかっ
ていないのであるが、多分、ゲートに使用する金属とI
nAlAsの間に形成されるショットキ障壁が、AlG
aAs、GaAsと比べ低くなっているためであると考
えれる。
【0006】(2)n型InAlAsキャリア供給層の
上にさらにオーミックコンタクト層としてn+ 型InG
aAs層を設けた場合、ゲートを設ける前にゲート部分
のオーミックコンタクト層をリセスエッチングするが、
うまくリセスエッチングできないことがある。リセスエ
ッチングがうまくできない理由として、エッチングがI
nAlAsキャリア供給層で正確に停止せず、必要以上
にInAlAsを掘り込んでしまうという現象がある。
このため、リセスエッチングを簡便かつ安定に行うこと
ができない。
上にさらにオーミックコンタクト層としてn+ 型InG
aAs層を設けた場合、ゲートを設ける前にゲート部分
のオーミックコンタクト層をリセスエッチングするが、
うまくリセスエッチングできないことがある。リセスエ
ッチングがうまくできない理由として、エッチングがI
nAlAsキャリア供給層で正確に停止せず、必要以上
にInAlAsを掘り込んでしまうという現象がある。
このため、リセスエッチングを簡便かつ安定に行うこと
ができない。
【0007】(3)従って、このようなウェハを用いて
HEMTを作製すると歩留りが非常に悪い。
HEMTを作製すると歩留りが非常に悪い。
【0008】本発明の目的は、前記した従来技術の欠点
を解消し、リーク電流を大幅に抑制でき、n+ 型InG
aAsオーミックコンタクト層のリセスエッチングを簡
便かつ安定に行うことができる新規な化合物半導体トラ
ンジスタ用エピタキシャルウェハを提供し、またこれを
用いた特性が良好なトランジスタを提供することにあ
る。
を解消し、リーク電流を大幅に抑制でき、n+ 型InG
aAsオーミックコンタクト層のリセスエッチングを簡
便かつ安定に行うことができる新規な化合物半導体トラ
ンジスタ用エピタキシャルウェハを提供し、またこれを
用いた特性が良好なトランジスタを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物半導体ト
ランジスタ用ウェハは、図2に示すように、半絶縁性I
nP基板28上にIn0.53Ga0.47Asバッファ層27
及び、In0.52Al0.48Asバッファ層26を設ける。
その上にアンドープIny Ga1-y Asキャリア走行層
25を設け、さらにその上にn型In0.52Al0.48As
キャリア供給層23を設けたn型InAlAs/InG
aAs系HEMT構造の化合物半導体トランジスタ用ウ
ェハにおいて、n型In0.52Al0.48Asキャリア供給
層23上に膜厚d=3nm以下の薄いn型Alx Ga
1-x As層22を設けたものである。
ランジスタ用ウェハは、図2に示すように、半絶縁性I
nP基板28上にIn0.53Ga0.47Asバッファ層27
及び、In0.52Al0.48Asバッファ層26を設ける。
その上にアンドープIny Ga1-y Asキャリア走行層
25を設け、さらにその上にn型In0.52Al0.48As
キャリア供給層23を設けたn型InAlAs/InG
aAs系HEMT構造の化合物半導体トランジスタ用ウ
ェハにおいて、n型In0.52Al0.48Asキャリア供給
層23上に膜厚d=3nm以下の薄いn型Alx Ga
1-x As層22を設けたものである。
【0010】また、本発明の化合物半導体トランジスタ
用ウェハは、上記薄いn型Alx Ga1-x As層上にさ
らにn+ 型InGaAsオーミックコンタクト層を設け
たものである。
用ウェハは、上記薄いn型Alx Ga1-x As層上にさ
らにn+ 型InGaAsオーミックコンタクト層を設け
たものである。
【0011】これらの場合において、上記n型Alx G
a1-x As層のドーパントを変更し、p型または半絶縁
性とすることも可能である。というのは、実質的にAl
GaAs層を電流はトンネル電流として流れるため、A
lGaAsがn型であってもp型であっても同じことで
あるからである。しかし、上下層がn型であることか
ら、敢えてp型または半絶縁性とする理由はなく、n型
とするのが妥当であると考えられる。
a1-x As層のドーパントを変更し、p型または半絶縁
性とすることも可能である。というのは、実質的にAl
GaAs層を電流はトンネル電流として流れるため、A
lGaAsがn型であってもp型であっても同じことで
あるからである。しかし、上下層がn型であることか
ら、敢えてp型または半絶縁性とする理由はなく、n型
とするのが妥当であると考えられる。
【0012】また、本発明の化合物半導体トランジスタ
は、上記の化合物半導体トランジスタ用ウェハを用い、
そのn+ 型InGaAsオーミックコンタクト層の一部
をエッチングして露出させたn型Alx Ga1-x As層
上にショットキゲートを設けると共に、残るオーミック
コンタクト層上にソース、ドレインを設けたものであ
る。
は、上記の化合物半導体トランジスタ用ウェハを用い、
そのn+ 型InGaAsオーミックコンタクト層の一部
をエッチングして露出させたn型Alx Ga1-x As層
上にショットキゲートを設けると共に、残るオーミック
コンタクト層上にソース、ドレインを設けたものであ
る。
【0013】ここで、Alx Ga1-x As層のAl組成
xは任意であるが、その膜厚を3nm以下としたのはシ
ュードモフィック状態の接合を実現するためで、3nm
を超えるとAlx Ga1-x As層とIn0.52Al0.48A
sキャリア供給層との格子定数差によって、Alx Ga
1-x As層に転位が入り、良好なデバイスができなくな
るためである。
xは任意であるが、その膜厚を3nm以下としたのはシ
ュードモフィック状態の接合を実現するためで、3nm
を超えるとAlx Ga1-x As層とIn0.52Al0.48A
sキャリア供給層との格子定数差によって、Alx Ga
1-x As層に転位が入り、良好なデバイスができなくな
るためである。
【0014】また、Iny Ga1-y Asキャリア走行層
のIn組成yは任意である。そして、n型In0.52Al
0.48Asキャリア供給層のドーピング方法も任意であ
り、例えば、アンドープのInAlAsの組み合わせ、
及びプレーナドーピング技術との組み合わせなどが適用
できる。ここで、上記ドーピング方法及びプレーナドー
ピングについて説明する。HEMTの増幅率を上げ雑音
を低減するためキャリア供給層の高濃度(ドーピング)
薄層化が進んでおり、n型InAlAsのドーピング濃
度を上げると、その分薄くすることができ、増幅率が上
がる。しかし、ドーピング濃度を増すとゲートリーク電
流の増大、ゲート耐圧の低下などの重大な困難が生じる
ことがわかっている。そこでn型InAlAsとゲート
電極の間にドーピングの低い層、またはアンドープの層
を薄く設けることにより、そのような欠点を改善するこ
とが考えられている。また、プレーナドープ(またはデ
ルタドープとも呼ばれている。)というドーピング層を
1原子層(または成長上避けられない熱拡散により数原
子層)としてしまう技術を用いて、高濃度ドーピングを
行い、それ以外の部分は上記同様アンドープまたは低濃
度ドープするという方法も考えられる。これらの方法が
本発明に適用できる。
のIn組成yは任意である。そして、n型In0.52Al
0.48Asキャリア供給層のドーピング方法も任意であ
り、例えば、アンドープのInAlAsの組み合わせ、
及びプレーナドーピング技術との組み合わせなどが適用
できる。ここで、上記ドーピング方法及びプレーナドー
ピングについて説明する。HEMTの増幅率を上げ雑音
を低減するためキャリア供給層の高濃度(ドーピング)
薄層化が進んでおり、n型InAlAsのドーピング濃
度を上げると、その分薄くすることができ、増幅率が上
がる。しかし、ドーピング濃度を増すとゲートリーク電
流の増大、ゲート耐圧の低下などの重大な困難が生じる
ことがわかっている。そこでn型InAlAsとゲート
電極の間にドーピングの低い層、またはアンドープの層
を薄く設けることにより、そのような欠点を改善するこ
とが考えられている。また、プレーナドープ(またはデ
ルタドープとも呼ばれている。)というドーピング層を
1原子層(または成長上避けられない熱拡散により数原
子層)としてしまう技術を用いて、高濃度ドーピングを
行い、それ以外の部分は上記同様アンドープまたは低濃
度ドープするという方法も考えられる。これらの方法が
本発明に適用できる。
【0015】
【作用】Alx Ga1-x As層上でのショットキゲート
の作製は、既にn型AlGaAs/GaAs系HEMT
作製技術で確立している。従って、本発明のように、n
型In0.52Al0.48Asキャリア供給層上にAlx Ga
1-x Asからなる超薄膜層を設けると、n型In0.52A
l0.48Asキャリア供給層上ではなく、Alx Ga1-x
As層上にショットキーゲートが設けられることになる
ので、リーク電流の低減が容易に図れる。
の作製は、既にn型AlGaAs/GaAs系HEMT
作製技術で確立している。従って、本発明のように、n
型In0.52Al0.48Asキャリア供給層上にAlx Ga
1-x Asからなる超薄膜層を設けると、n型In0.52A
l0.48Asキャリア供給層上ではなく、Alx Ga1-x
As層上にショットキーゲートが設けられることになる
ので、リーク電流の低減が容易に図れる。
【0016】また、Alx Ga1-x Asで必ず停止する
リセスエッチング技術は、上述したHEMT作製技術で
確立している。従って、Alx Ga1-x As層が挿入さ
れていると、ゲートを設ける前にゲート部分のn+ 型I
nGaAsオーミックコンタクト層をリセスエッチング
するとき、キャリア供給層の上に設けたAlx Ga1-x
As層でエッチングが正確に停止するので、In0.52A
l0.48Asキャリア供給層を掘り込んでしまうという現
象がなくなり、リセスエッチングを簡便かつ安定にに行
うことができるようになる。その結果、トランジスタ素
子作製において良好な特性と大幅な歩留まりの向上が実
現できる。特に、ハイビジョン22GHzに対応したI
nP系HEMTへの貢献は大きい。
リセスエッチング技術は、上述したHEMT作製技術で
確立している。従って、Alx Ga1-x As層が挿入さ
れていると、ゲートを設ける前にゲート部分のn+ 型I
nGaAsオーミックコンタクト層をリセスエッチング
するとき、キャリア供給層の上に設けたAlx Ga1-x
As層でエッチングが正確に停止するので、In0.52A
l0.48Asキャリア供給層を掘り込んでしまうという現
象がなくなり、リセスエッチングを簡便かつ安定にに行
うことができるようになる。その結果、トランジスタ素
子作製において良好な特性と大幅な歩留まりの向上が実
現できる。特に、ハイビジョン22GHzに対応したI
nP系HEMTへの貢献は大きい。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0018】実施例1 図1(A)にAl組成0.3、AlGaAs膜厚3nm
として作成したn型In0.52Al0.48As/In0.53G
a0.47As系HEMTエピタキシャルウェハの構造を示
す。
として作成したn型In0.52Al0.48As/In0.53G
a0.47As系HEMTエピタキシャルウェハの構造を示
す。
【0019】半絶縁性InP基板18上に、原子レベル
で微細な成長制御が可能なMOVPE(有機金属気相エ
ピタキシー)法により、次のエピタキシャル層を順次形
成していく。まず、アンドープのIn0.53Ga0.47As
バッファ層17を0.5μm、In0.52Al0.48Asバ
ッファ層16を100nm設ける。その上にアンドープ
のIn0.53Ga0.47Asキャリア走行層15を50nm
設け、さらに膜厚2nmのアンドープIn0.52Al0.48
Asスペーサ層14を介してn型In0.52Al0.48As
キャリア供給層13を50nm設ける。その上に膜厚3
nmのn型Al0.3 Ga0.7 As層12を設け、さらに
その上にn+ In0.53Ga0.47Asオーミックコンタク
ト層11を10nm設けたものである。
で微細な成長制御が可能なMOVPE(有機金属気相エ
ピタキシー)法により、次のエピタキシャル層を順次形
成していく。まず、アンドープのIn0.53Ga0.47As
バッファ層17を0.5μm、In0.52Al0.48Asバ
ッファ層16を100nm設ける。その上にアンドープ
のIn0.53Ga0.47Asキャリア走行層15を50nm
設け、さらに膜厚2nmのアンドープIn0.52Al0.48
Asスペーサ層14を介してn型In0.52Al0.48As
キャリア供給層13を50nm設ける。その上に膜厚3
nmのn型Al0.3 Ga0.7 As層12を設け、さらに
その上にn+ In0.53Ga0.47Asオーミックコンタク
ト層11を10nm設けたものである。
【0020】なお、キャリア走行層15とキャリア供給
層13との間に設けたスペーサ層14はキャリア供給層
13からのクーロン散乱を抑え、電子移動度を向上する
ため必要に応じて挿入するものであり、HEMTとして
の動作上必須のものではない。
層13との間に設けたスペーサ層14はキャリア供給層
13からのクーロン散乱を抑え、電子移動度を向上する
ため必要に応じて挿入するものであり、HEMTとして
の動作上必須のものではない。
【0021】このようにオーミックコンタクト層11と
キャリア供給層13との間にn型AlGaAsの薄層1
2を設けたエピタキシャルウェハ上に、ショットキゲー
トを設けるために、図1(B)に示すように、ゲート部
分のn+ 型In0.53Ga0.47Asオーミックコンタクト
層11をリセスエッチングし、そこにゲート電極7を設
けた。また、オーミックコンタクト層11上にソース電
極8、ドレイン電極9を設けてHEMTを作製した。表
1に、後述する比較例と共に、このHEMTの特性を評
価した結果を示す。
キャリア供給層13との間にn型AlGaAsの薄層1
2を設けたエピタキシャルウェハ上に、ショットキゲー
トを設けるために、図1(B)に示すように、ゲート部
分のn+ 型In0.53Ga0.47Asオーミックコンタクト
層11をリセスエッチングし、そこにゲート電極7を設
けた。また、オーミックコンタクト層11上にソース電
極8、ドレイン電極9を設けてHEMTを作製した。表
1に、後述する比較例と共に、このHEMTの特性を評
価した結果を示す。
【0022】
【表1】
【0023】本実施例によるものは、ゲート耐圧が増加
し、リーク電流が低減している。また、ソース抵抗もほ
とんど増加せず、超薄膜のAlGaAs層を挿入したこ
とにより予想されるソース抵抗の増加も無視できること
がわかった。また、ピンチオフ電圧も設計通り得られて
おり、かなり粗いリセスエッチングでも素子製作が可能
であることが分かった。
し、リーク電流が低減している。また、ソース抵抗もほ
とんど増加せず、超薄膜のAlGaAs層を挿入したこ
とにより予想されるソース抵抗の増加も無視できること
がわかった。また、ピンチオフ電圧も設計通り得られて
おり、かなり粗いリセスエッチングでも素子製作が可能
であることが分かった。
【0024】比較例1 AlGaAsの膜厚を4nmとした以外は実施例1と同
じ条件でHEMTを作製した。AlGaAs膜厚4nm
のウェハでは、高抵抗化してしまい、特性を計測できな
かった。
じ条件でHEMTを作製した。AlGaAs膜厚4nm
のウェハでは、高抵抗化してしまい、特性を計測できな
かった。
【0025】比較例2 図3に示した従来例のエピタキシャルウェハからHEM
Tを作製した。ゲート耐圧が低く、リーク電流が大き
い。また、ピンチオフ電圧は設計通り得られず、低い値
となっている。精度の高いリセスエッチングでなければ
素子製作が不可能であった。
Tを作製した。ゲート耐圧が低く、リーク電流が大き
い。また、ピンチオフ電圧は設計通り得られず、低い値
となっている。精度の高いリセスエッチングでなければ
素子製作が不可能であった。
【0026】実施例2 オーミックコンタクト層11とキャリア供給層13との
間に挿入するn型AlGaAs層12のAl組成を0.
06とすることにより、このn型Al0.06Ga0.94As
層12とn型In0.52Al0.48Asキャリア供給層13
とのバンドギャップエネルギを等しくした以外は、実施
例1と同じにしてHEMTを作製した。挿入したn型A
lGaAs層をキャリア供給層のバンドギャップエネル
ギに等しくしたので、ソース抵抗がさらに低減でき、H
EMTの特性が改善された。
間に挿入するn型AlGaAs層12のAl組成を0.
06とすることにより、このn型Al0.06Ga0.94As
層12とn型In0.52Al0.48Asキャリア供給層13
とのバンドギャップエネルギを等しくした以外は、実施
例1と同じにしてHEMTを作製した。挿入したn型A
lGaAs層をキャリア供給層のバンドギャップエネル
ギに等しくしたので、ソース抵抗がさらに低減でき、H
EMTの特性が改善された。
【0027】本実施例では、ソース抵抗がどの程度低減
できたかは正確には分からない。ただ、電流は主として
トンネル現象で抜けていることから、ソース抵抗は1.
90〜1.97Ω・mmの範囲に低減していると推量さ
れる。というのは、AlGaAsのAl組成を0.06
とすると、InGaAs/AlGaAs/InAlAs
のAlGaAsポテンシャル障壁高さが低くなるので、
トンネルしやすくなる。従って、ソース抵抗は下がる。
しかし、AlGaAsがない場合よりはソース抵抗は、
当然高くなる。しかも、ソース抵抗はこの部分だけで決
っているわけではないので、どの位下がるか明確にはわ
からないが、1.90Ω・mmぐらいにはなるのではな
いかと思われる。
できたかは正確には分からない。ただ、電流は主として
トンネル現象で抜けていることから、ソース抵抗は1.
90〜1.97Ω・mmの範囲に低減していると推量さ
れる。というのは、AlGaAsのAl組成を0.06
とすると、InGaAs/AlGaAs/InAlAs
のAlGaAsポテンシャル障壁高さが低くなるので、
トンネルしやすくなる。従って、ソース抵抗は下がる。
しかし、AlGaAsがない場合よりはソース抵抗は、
当然高くなる。しかも、ソース抵抗はこの部分だけで決
っているわけではないので、どの位下がるか明確にはわ
からないが、1.90Ω・mmぐらいにはなるのではな
いかと思われる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、n+ 型InGaAsオ
ーミックコンタクト層のリセスエッチングが簡便かつ安
定するため、リーク電流を大幅に抑制でき、特性の良好
なエピタキシャルウェハが得られる。また、本発明のエ
ピタキシャルウェハを用いることにより、リーク電流の
少ない特性の良好な高速のトランジスタを製造できる。
ーミックコンタクト層のリセスエッチングが簡便かつ安
定するため、リーク電流を大幅に抑制でき、特性の良好
なエピタキシャルウェハが得られる。また、本発明のエ
ピタキシャルウェハを用いることにより、リーク電流の
少ない特性の良好な高速のトランジスタを製造できる。
【図1】本実施例により試作したエピタキシャルウェハ
の構造を示す断面図、及びそのウェハを用いて作製した
HEMTの構造を示す要部断面図。
の構造を示す断面図、及びそのウェハを用いて作製した
HEMTの構造を示す要部断面図。
【図2】本発明によるn型Alx Ga1-x As/n型I
n0.52Al0.48As/アンドープIny Ga1-y As系
HEMT構造のエピタキシャルウェハの断面図。
n0.52Al0.48As/アンドープIny Ga1-y As系
HEMT構造のエピタキシャルウェハの断面図。
【図3】従来より作製されているn型InAlAs/ア
ンドープInGaAs系HEMT構造のエピタキシャル
ウェハの断面図。
ンドープInGaAs系HEMT構造のエピタキシャル
ウェハの断面図。
7 ゲート電極 8 ソース電極 9 ドレイン電極 11 n+ 型In0.53Ga0.47Asオーミックコンタク
ト層 12 n型Al0.3 Ga0.7 As層 13 n型In0.52Al0.48Asキャリア供給層 14 アンドープIn0.52Al0.48Asスペーサ層 15 アンドープIn0.53Ga0.47Asキャリア走行層 16 アンドープIn0.52Al0.48Asバッファ層 17 アンドープIn0.53Ga0.47Asバッファ層 18 半絶縁性InP基板
ト層 12 n型Al0.3 Ga0.7 As層 13 n型In0.52Al0.48Asキャリア供給層 14 アンドープIn0.52Al0.48Asスペーサ層 15 アンドープIn0.53Ga0.47Asキャリア走行層 16 アンドープIn0.52Al0.48Asバッファ層 17 アンドープIn0.53Ga0.47Asバッファ層 18 半絶縁性InP基板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/337 - 21/338 H01L 27/095 H01L 27/098 H01L 29/775 - 29/778 H01L 29/80 - 29/812
Claims (4)
- 【請求項1】半絶縁性InP基板上のアンドープIny
Ga1-y Asキャリア走行層上に、n型In0.52Al
0.48Asキャリア供給層を設けたn型InAlAs/I
nGaAs系HEMT構造の化合物半導体トランジスタ
用ウェハにおいて、上記n型In0.52Al0.48Asキャ
リア供給層上に3nm以下の薄いn型Alx Ga1-x A
s層を設けたことを特徴とする化合物半導体トランジス
タ用エピタキシャルウェハ。 - 【請求項2】上記薄いn型Alx Ga1-x As層上にさ
らにn+ 型InGaAsオーミックコンタクト層を設け
た請求項1に記載の化合物半導体トランジスタ用ウェ
ハ。 - 【請求項3】上記n型Alx Ga1-x As層のドーパン
トを変更し、半絶縁性またはp型とした請求項1または
2に記載の化合物半導体トランジスタ用ウェハ。 - 【請求項4】上記請求項2または3に記載の化合物半導
体トランジスタ用ウェハを用い、そのn+ 型InGaA
sオーミックコンタクト層の一部をエッチングして露出
させたn型Alx Ga1-x As層上にゲートを設けると
共に、オーミックコンタクト層上にソース、ドレインを
設けたことを特徴とする化合物半導体トランジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17552892A JP2903875B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 化合物半導体トランジスタ用ウェハ及び化合物半導体トランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17552892A JP2903875B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 化合物半導体トランジスタ用ウェハ及び化合物半導体トランジスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0621104A JPH0621104A (ja) | 1994-01-28 |
JP2903875B2 true JP2903875B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=15997644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17552892A Expired - Fee Related JP2903875B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 化合物半導体トランジスタ用ウェハ及び化合物半導体トランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2903875B2 (ja) |
-
1992
- 1992-07-02 JP JP17552892A patent/JP2903875B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0621104A (ja) | 1994-01-28 |
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