JPH0786572A - 電界効果トランジスタ - Google Patents

電界効果トランジスタ

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JPH0786572A
JPH0786572A JP22529993A JP22529993A JPH0786572A JP H0786572 A JPH0786572 A JP H0786572A JP 22529993 A JP22529993 A JP 22529993A JP 22529993 A JP22529993 A JP 22529993A JP H0786572 A JPH0786572 A JP H0786572A
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buffer layer
concentration
layer
doped
inp
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JP22529993A
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Takao Noda
隆夫 野田
Akira Wagai
晶 和賀井
Yasuo Ashizawa
康夫 芦沢
Shinobu Fujita
忍 藤田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】半絶縁姓InP基板上にバッファ層とチャネル
層が形成された電界効果トランジスタにおいて、バッフ
ァ層が、高濃度FeドープInP層102、低濃度Fe
ドープInP層103、ノンドープInP層104を順
次成長することによって形成されている。 【効果】バッファ層を高抵抗化すると同時に、バッファ
層中のFeのチャネル層への拡散を防止することがで
き、電界効果トランジスタの特性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体基板上に形成され
た電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】半絶縁性InP基板上にチャネル層が形
成された電界効果トランジスタ(FET)が知られてい
る。その一例であるInGaAs/InAlAs系高電
子移動度トランジスタ(HEMT)を図4に示す。この
製造工程は、先ず有機金属気相成長法(MOCVD法)
によって、半絶縁性InP基板401上に、ノンドープ
InPバッファ層402、ノンドープInGaAsチャ
ネル層403、ノンドープInAlAsスペーサ層40
4、n型InAlAs電子供給層405、ノンドープI
nAlAsショットキーコンタクト層406、n型In
GaAsオーミックコンタクト層407を順次格子整合
成長する。その後、ソース電極408、ドレイン電極4
09を形成する。その後、n型InGaAsオーミック
コンタクト層407の一部をエッチングしてノンドープ
InAlAsショットキーコンタクト層406を露出さ
せ、ゲート電極410を形成する。
【0003】このような従来のHEMTのウエハをMO
CVD法によって成長する際に、InPバッファ層40
2が高抵抗にならないために、デバイス動作時にピンチ
オフしないという問題点があった。InPバッファ層4
02が高抵抗にならない原因は2つある。まず、成長前
のInP基板401表面に付着していたCやSiなどの
不純物がInP基板401と成長層であるInPバッフ
ァ層402との界面に混入しドナーになることである。
このドナーがキャリアーを供給しデバイスがピンチオフ
しない原因となっていた。また、InPバッファ層40
2中の残留ドナー濃度が一般的に1×1014cm-3以上
1×1016cm-3以下の範囲にあり、抵抗率としては1
0Ωcm以下と高抵抗ではなくこれもデバイスがピンチ
オフしない原因となっていた。
【0004】この問題点を解決する手段として、InP
中に深いアクセプタ準位を作るFeを添加(ドーピン
グ)することによってInPバッファ層402を高抵抗
化するという方法がある。しかし、この方法には次のよ
うな問題点がある。InP基板401とInPバッファ
層402との界面のドナーは、基板表面の不純物に起因
するために、基板のロットや成長前の基板処理によって
濃度が大きく変動し、高いときには5×1017cm-3
で達することがある。そのため、界面付近を高抵抗化す
るためにはInPバッファ層402は1×1018cm-3
程度のFeをドーピングする必要がある。ところがIn
Pバッファ層402中のFeの濃度が5×1016cm-3
以上の高濃度の場合、InGaAsチャネル層403へ
Feが拡散し、2次元電子ガス(2DEG)のシート電
子濃度や電子移動度を低下させ、デバイス特性が劣化す
るという問題があった。
【0005】これを解決する方法として特開平1−22
3773号公報にFeの拡散を防ぐためにノンドープI
nP層をFeドープInPバッファ層402上に成長さ
せ2層構造のバッファ層とする方法がある。しかしなが
ら下層のバッファ層に1×1017cm-3を越える濃度の
Feをドーピングした場合、チャネル層へのFeの拡散
を完全に防ぐためには上層のバッファ層としては100
nm以上のノンドープInP層が必要となる。ところが
ノンドープInP層の膜厚が100nmを越えた場合ノ
ンドープInP層中の残留ドナーのためにこの層が高抵
抗化せず、チャネル層に電流が流れないオフ状態におい
ても前記ノンドープInP層にリーク電流が流れてしま
いデバイスの雑音の原因となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
電界効果トランジスターでは、バッファ層を高抵抗化す
るためにFeをドーピングすると、Feがチャネル層に
拡散しチャネル層の電子移動度の低下を招いていた。ま
た、Feをチャネル層に拡散させないためにバッファ層
をFeドープ層とノンドープ層の2層構造にした場合ノ
ンドープ層を100nm以上形成する必要が生ずる。ノ
ンドープ層を100nm以上の膜厚で形成すると、この
ノンドープ層にリーク電流が流れてしまい装置の雑音の
原因となっていた。本発明は上記問題点を解決し、良好
なピンチオフ特性、半導体装置の低雑音を達成できる電
界効果トランジスタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明による電界効果トランジスターは、半導体基板
と、前記半導体基板上に形成され前記基板表面の不純物
ドナー濃度よりも高い濃度のFeが添加された第1のバ
ッファ層と、前記第1のバッファ層上に形成され前記第
1のバッファ層のFe濃度よりも低くかつ膜中に含まれ
る残留不純物ドナー濃度よりも高い濃度でFeが添加さ
れた第2のバッファ層と、前記第2のバッファ層上に形
成されFeが添加されていない第3のバッファ層と、前
記第3のバッファ層上に形成されたチャネル層とを具備
することを特徴とするものである。
【0008】また、本発明による電界効果トランジスタ
ーは、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され前記
基板表面の不純物ドナー濃度よりも高い濃度のFeが添
加され該濃度が5×1016cm-3以上1×1019cm-3
以下の第1のバッファ層と、前記第1のバッファ層上に
形成され膜中に含まれる不純物ドナー濃度よりも高い濃
度のFeが添加され該濃度が1×1015cm-3以上2×
1016cm-3以下の第2のバッファ層と、前記第2のバ
ッファ層上に形成されFeが添加されていない第3のバ
ッファ層と、前記第3のバッファ層上に形成されたチャ
ネル層とを具備することを特徴とするものである。
【0009】上記第1及び第2のバッファー層はFeを
添加することによって高抵抗化する半導体であれば良く
InP、InAlAsが挙げられる。上記チャネル層は
InGaAs系、GaAs系、InGaP系、InP系
が挙げられる。
【0010】上記基板は半絶縁性InP基板、半絶縁性
GaAs基板、Si基板を用いることができる。この場
合第1のバッファ層と格子整合させるために別のバッフ
ァ層を第1のバッファ層と基板の間に介在させることが
できる。該バッファ層としては、組成を変化させながら
格子整合させるもの、低温成長バッファー層、超格子バ
ッファー層等挙げることができる。
【0011】本発明において第1のバッファー層は、前
記半導体基板と第2のバッファー層との界面にFeをプ
レーナードープすることにより形成できる。これは、特
に前記半導体基板表面に存在するCやSi等の不純物ド
ナーからのキャリアーを効果的に不活性化させバッファ
ー層を効果的に高抵抗化させることが可能となる。ま
た、上記プレーナドープはFeのシート濃度が1×10
11cm-2以上1×1012cm-2以下が好ましい。
【0012】
【作用】本発明の電界効果トランジスタでは、バッファ
層が高濃度(5×1016cm-3以上1×1019cm-3
下)Feドープの第1のバッファ層、第1のバッファ層
よりは低濃度(1×1015cm-3以上2×1016cm-3
以下)Feドープの第2のバッファ層、Feノンドープ
の第3のバッファ層の3層構造となっている。
【0013】基板表面の不純物ドナー濃度は、基板のロ
ット、成長前の基板処理、成膜装置の清浄度などによっ
て大きく変わるが、第1のバッファ層はこの不純物ドナ
ー濃度よりも少なくともFe濃度を高い濃度にする。一
般に基板界面での不純物ドナー濃度は5×1015cm-3
以上5×1017cm-3以下であるので、成長の際基板表
面の不純物ドナー濃度を計り、この濃度よりも高い濃度
でFeをドーピングする必要がある。Fe濃度は前記不
純物ドナー濃度の2倍から5倍であればよく5×1016
cm-3以上1×1019cm-3以下にドーピングすれば基
板と成長層の界面付近を充分高抵抗化することができ
る。
【0014】第2のバッファ層は、残留不純物ドナー濃
度が基板表面よりも低い濃度(1×1014cm-3から1
×1016cm-3程度)であるので、第2のバッファ層の
Fe濃度は第1のバッファ層よりも低く形成できる。こ
の場合、第2のバッファ層のFe濃度は残留不純物ドナ
ー濃度よりも高い濃度でドーピングする必要がある。F
e濃度は前記残留不純物ドナー濃度の2倍から5倍であ
ればよく1×1015cm-3以上2×1016cm-3以下に
すれば良い。この濃度範囲にあれば第1のバッファ層か
らのFeがチャネル層に拡散することを防ぐことができ
また、充分に高抵抗化できる。
【0015】第3のバッファ層は、Feをドーピングせ
ずに成長させる。従ってこの層上のチャネル層に下層の
第2のバッファ層からFeが拡散してくるのを防ぐこと
ができる。また、第2のバッファー層のFe濃度が1×
1015cm-3以上2×1016cm-3であるので第3のバ
ッファー層は100nm未満の厚さで構成できる。した
がって、チャネル層に電流が流れていないオフ時におい
て、この層にリーク電流が流れるのを防ぐことが可能と
なる。第3のバッファー層の膜厚はリーク電流、Feの
拡散を考慮して100nm未満で良好の特性を期待でき
るが、10nmから50nm程度の厚さにするとさらに
効果的である。この膜厚であれば、Feの拡散は抑えら
れ、リーク電流も防ぐことができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図1は、
本発明の第1の実施例に係る電界効果トランジスタであ
るHEMTの断面図である。
【0017】この製造工程は、MOCVD法によって行
った。先ず、半絶縁性InP基板101上に、第1のバ
ッファ層であるFeドープInPバッファ層102をF
e濃度5×1017cm-3、膜厚10nm成長させる。
【0018】次に第2のバッファ層であるFeドープI
nPバッファ層103をFe濃度5×1015cm-3、膜
厚200nm成長させる。次に第3のバッファー層であ
るノンドープInPバッファ層104(膜厚10n
m)、ノンドープInGaAsチャネル層105(膜厚
20nm)、ノンドープInAlAsスペーサ層106
(膜厚3nm)を順次成長させる。
【0019】次にn型InAlAs電子供給層107
(ドナー濃度3×1018cm-3、膜厚20nm)、ノン
ドープInAlAsショットキーコンタクト層108
(膜厚20nm)、n型InGaAsオーミックコンタ
クト層109(ドナー濃度5×1018cm-3、膜厚20
nm)を順次格子整合成長する。
【0020】上記各成長の成長条件は、基板温度650
℃、反応管圧力70Torrで行なった。成長に用いた
原料は、III族がIn(CH33 、Ga(CH3
3 、Al(CH33 、V族がPH3 、AsH3 、n型
ドーパントがSi26 、FeドーパントがFe(C5
52 である。
【0021】第1のバッファ層102と第2のバッファ
層103のFe濃度は2桁も異なるため、一本のソース
から供給するのは難しい。そこでFe(C552
ースを2本用意し、第1のバッファ層102は18℃に
保ったソースから50ccm、第2のバッファ層は−3
℃に保ったソースから5ccm供給した。
【0022】上記成長がすべて終了した後、ソース電極
110、ドレイン電極111を蒸着およびアロイ処理に
よって形成する。その後、n型InGaAsオーミック
コンタクト層109の一部をエッチングしてノンドープ
InAlAsショットキーコンタクト層108を露出さ
せ、ゲート電極112を形成する。第1、第2、第3の
バッファ層の合計の膜厚が200nm以上であればチャ
ネル層の結晶性を良好にすることができる。
【0023】第1から第3のバッファ層が設計通り形成
されていることを確かめるために電極形成前のHEMT
ウエハのFe濃度の深さ方向分布二次イオン質量分析
(SIMS)によって測定した。合わせて不純物ドナー
であるC(炭素)及びSi(シリコン)の濃度も測定し
た。図2はその結果である。Fe、C及びSiのバック
グラウンドレベルは、それぞれ2×1015cm-3、2×
1016cm-3、1×1016cm-3であり、第3のバッフ
ァー層のFe濃度はこの値以下の不純物濃度である。
【0024】図2から、バッファー層のFe濃度がほぼ
設計通りであることが分かる。すなわち、第1のバッフ
ァー層のFe濃度は不純物ドナーであるC濃度(1×1
17cm-3)及びSi濃度(2×1017cm-3)よりも
高い5×1017cm-3、第2のバッファ層は不純物ドナ
ーであるC濃度(2×1016cm-3)及びSi濃度(1
×1016cm-3)よりも高い5×1015cm-3、第3の
バッファー層は検出限界以下のFe濃度である。また、
Feがチャネル層へ拡散していないことも確かめられ
た。
【0025】本実施例において用いたMOCVD装置で
は基板表面の不純物ドナーは3×1016cm-3から3×
1017cm-3である。第1のバッファ層のFe濃度を5
×1016cm-3から1×1018cm-3の間で変えて一枚
のウエハにデバイス50個作り第1のバッファ層が完全
に高抵抗化しているかどうか調べた。この結果を以下に
示す。
【0026】 Fe濃度(cm-3) 第1のバッファ層が高抵抗かどうか yes no 5×1016 3個 47個 1×1017 27個 23個 5×1017 50個 0個 1×1018 50個 0個 以上の結果の内Fe濃度が5×1016cm-3でバッファ
層が高抵抗化したもの3個について第1のバッファ層と
基板との界面での不純物ドナー濃度を測定した結果、い
ずれも3×1016cm-3以上4×1016cm-3以下であ
り、第1のバッファ層のFe濃度である5×1016cm
-3よりも低い値であることが分かった。また、高抵抗化
しなかった47個のものについて同様に不純物ドナー濃
度を測定した結果、いずれも5×1016cm-3以上3×
1017cm-3以下であり、第1のバッファ層のFe濃度
よりも高い値であることが分かった。ここで、界面での
不純物ドナー濃度は、InP基板の場合ドナーになり得
る不純物は、ほとんどがSiとCであり、その活性化率
はほぼ100%であるので、SIMS分析によって、S
iとCの濃度を求めることによって不純物ドナー濃度を
測定することができる。
【0027】また、Fe濃度が1×1017cm-3でバッ
ファ層が高抵抗化したもの27個について同様に不純物
ドナー濃度を測定した結果、いずれも5×1015cm-3
以上5×1016cm-3以下の範囲にあり、Fe濃度1×
1017cm-3よりも低い値であることが分かった。ま
た、高抵抗化しなかった23個について同様に不純物ド
ナー濃度を測定した結果、いずれも1×1017cm-3
上3×1017cm-3以下の範囲にあり第1のバッファ層
のFe濃度よりも高い値であることが分かった。
【0028】以上の結果より、第1のバッファ層が完全
に高抵抗化するためには基板表面の不純物ドナー濃度よ
りもFe濃度を高く設定する必要があることが分かる。
すなわち基板表面の不純物ドナー濃度を測定し、これよ
りも高くなるようにFe濃度を決定する必要がある。し
かしながら基板表面の不純物ドナー濃度は成長装置、原
料純度等によってばらつくので第1のバッファ層のFe
濃度は最適にはこの場合5×1017cm-3以上である。
【0029】また、これらの電界効果トランジスタのn
−InGaAsキャップ層をエッチングで除去した後チ
ャネル層の電子移動度を測定したところ、いずれも11
000cm2 /Vs以上で、Fe濃度の依存性はなかっ
た。したがって第1のバッファ層からチャネル層へのF
eの拡散を防ぐことができた。
【0030】次に第1のバッファ層の濃度を5×1017
cm-3に固定し、第2のバッファ層の濃度を変えて上述
したものと同様の評価を行った。ノンドープInP中の
残留不純物ドナー濃度は約1×1015cm-3である。以
下にその結果を示す。
【0031】 Fe濃度(cm-3) 移動度(cm2/Vs) 第1のバッファ層が高抵抗かどうか yes no 1×1015 11200 33個 17個 5×1015 11000 50個 0個 1×1016 11200 50個 0個 2×1016 11000 50個 0個 5×1016 10000 50個 0個 1×1017 9600 50個 0個 以上の結果よりFe濃度5×1016cm-3以上で電子移
動度の低下がみられる。これは第2のバッファ層からチ
ャネル層へのFeの拡散によるものである。これを防ぐ
ためにはFe濃度を2×1016cm-3以下に設定する必
要がある。
【0032】また、第2のバッファ層が完全に高抵抗化
するためには膜中の残留不純物ドナー濃度よりもFe濃
度を高く設定する必要がある。すなわち基板表面の不純
物ドナー濃度を測定し、これよりも高くなるようにFe
濃度を決定する必要がある。しかしながら基板表面の不
純物ドナー濃度は成長装置、原料純度等によって異なる
ので第2のバッファ層のFe濃度は最適にはこの場合5
×1015cm-3以上であればよい。
【0033】膜厚については第1のバッファ層からのF
eがチャネル層に拡散するのを防ぐために200nm以
上であることが望ましい。次に、第1のバッファ層のF
e濃度を5×1017cm-3、第2のバッファ層のFe濃
度を5×1015cm-3に固定し、第3のバッファ層の膜
厚を変えて電子移動度、この層にリーク電流が流れるか
どうかの評価を行った。以下にその結果を示す。
【0034】 膜厚(nm) 電子移動度(cm2 /Vs) リーク電流の有無 0 10600 無 10 11000 無 50 11200 無 100 11000 有 以上の結果より、第3のバッファ層がない場合(膜厚0
nm)電子移動度は低くなっていることが分かる。これ
は第2のバッファ層のFeがチャネル層に拡散した結果
である。
【0035】また、第1のバッファ層が100nmにな
ると第3のバッファ層にリーク電流が流れてしまうこと
が分かる。これは装置の雑音につながり、装置の特性を
著しく損なう要因となる。
【0036】したがって第3のバッファ層の膜厚は好ま
しくは10nm以上100nm未満がよい。最適には1
0nm以上50nm以下であればよい。図3は本発明の
第2の実施例に係る電界効果トランジスタであるHEM
Tの断面図である。
【0037】この製造工程は第1の実施例と同様に、M
OCVD法によって行った。半絶縁性InP基板301
上に、第1のバッファ層であるFeのシート濃度5×1
12cm-2のFeプレーナードープ層からなるバッファ
層302、第2のバッファ層であるFeドープInPバ
ッファ層303(Fe濃度5×1015cm-3、膜厚30
0nm)、第3のバッファ層であるノンドープInPバ
ッファ層304(膜厚10nm)、ノンドープInAl
Asバッファ層305(膜厚20nm)、ノンドープI
nGaAsチャネル層306(膜厚20nm)、ノンド
ープInAlAsスペーサ層307(膜厚3nm)、n
型InAlAs電子供給層308(ドナー濃度3×10
18cm-3、膜厚20nm)、ノンドープInAlAsシ
ョットキーコンタクト層309(膜厚20nm)、n型
InGaAsオーミックコンタクト層310(ドナー濃
度5×1018cm-3、膜厚20nm)を順次格子整合成
長する。その後、ソース電極311、ドレイン電極31
2、ゲート電極313を形成する。成長に用いた原料は
第1の実施例と同じである。
【0038】このHEMTのバッファ層の高抵抗化は素
子分離工程で確認でき、Feをプレーナードープした場
合も、高抵抗化についてInP中にドーピングした場合
と同様の効果があることが分かった。また、n−InG
aAsオーミックコンタクト層をエッチングによって除
去した後、室温でHall測定を行ったところ、電子移
動度は12000cm2 /Vsであった。第1の実施例
に比べて電子移動度が高くなっているのは、第3のバッ
ファ層の上部をInAlAsにしたことによって、In
GaAsチャネル層との電子伝導帯不連続がInPバッ
ファ層の場合より大きくなったため、電子のチャネル層
への閉じ込め効果が高まった結果である。
【0039】本発明において第1のバッファ層、第2の
バッファ層にFeを添加することによってそれぞれの膜
を高抵抗化したがFeの替わりにCdを添加することに
よっても同様の効果を期待できるものである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明による電界効
果トランジスタは、バッファ層をFe濃度の高い第1の
バッファ層、第1のバッファ層よりもFe濃度の低い第
2のバッファ層、Feを添加していない第3のバッファ
層の3層構造とすることによって、チャネル層にFeが
拡散することを防ぎかつ第3のバッファ層にリーク電流
が流れるのを防ぐことができる。従ってピンチオフ特性
が良好であり、ノイズが低い電界効果トランジスタを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る電界効果トラン
ジスタの断面図
【図2】 本発明の第1の実施例に係る電界効果トラン
ジスタのFeおよびC濃度の深さ方向分布をSIMS分
析によって測定した結果を示す図
【図3】 本発明の第2の実施例に係る電界効果トラン
ジスタの断面図
【図4】 従来の電界効果トランジスタの断面図
【符号の説明】 101 半絶縁性InP基板 102 第1のバッファ層であるFeドープInPバッ
ファ層 103 第2のバッファ層であるFeドープInPバッ
ファ層 104 第3のバッファ層であるノンドープInPバッ
ファ層 105 InGaAsチャネル層 106 InAlAsスペーサ層 107 n型InAlAs電子供給層 108 InAlAsショットキーコンタクト層 109 n型InGaAsオーミックコンタクト層 110 ソース電極 111 ドレイン電極 112 ゲート電極
フロントページの続き (72)発明者 藤田 忍 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板と、 前記半導体基板上に形成され前記基板表面の不純物ドナ
    ー濃度よりも高い濃度のFeが添加された第1のバッフ
    ァ層と、 前記第1のバッファ層上に形成され前記第1のバッファ
    層のFe濃度よりも低くかつ膜中に含まれる残留不純物
    ドナー濃度よりも高い濃度でFeが添加された第2のバ
    ッファ層と、 前記第2のバッファ層上に形成されFeが添加されてい
    ない第3のバッファ層と、 前記第3のバッファ層上に形成されたチャネル層とを具
    備することを特徴とする電界効果トランジスタ。
JP22529993A 1993-09-10 1993-09-10 電界効果トランジスタ Pending JPH0786572A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22529993A JPH0786572A (ja) 1993-09-10 1993-09-10 電界効果トランジスタ

Applications Claiming Priority (1)

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