JPH0817232B2 - ヘテロ接合電界効果トランジスタ - Google Patents
ヘテロ接合電界効果トランジスタInfo
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- JPH0817232B2 JPH0817232B2 JP4340062A JP34006292A JPH0817232B2 JP H0817232 B2 JPH0817232 B2 JP H0817232B2 JP 4340062 A JP4340062 A JP 4340062A JP 34006292 A JP34006292 A JP 34006292A JP H0817232 B2 JPH0817232 B2 JP H0817232B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L29/00—Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
- H01L29/66—Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
- H01L29/68—Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
- H01L29/76—Unipolar devices, e.g. field effect transistors
- H01L29/772—Field effect transistors
- H01L29/778—Field effect transistors with two-dimensional charge carrier gas channel, e.g. HEMT ; with two-dimensional charge-carrier layer formed at a heterojunction interface
- H01L29/7786—Field effect transistors with two-dimensional charge carrier gas channel, e.g. HEMT ; with two-dimensional charge-carrier layer formed at a heterojunction interface with direct single heterostructure, i.e. with wide bandgap layer formed on top of active layer, e.g. direct single heterostructure MIS-like HEMT
- H01L29/7787—Field effect transistors with two-dimensional charge carrier gas channel, e.g. HEMT ; with two-dimensional charge-carrier layer formed at a heterojunction interface with direct single heterostructure, i.e. with wide bandgap layer formed on top of active layer, e.g. direct single heterostructure MIS-like HEMT with wide bandgap charge-carrier supplying layer, e.g. direct single heterostructure MODFET
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電界効果トランジス
タ、特にHEMT,HJFETなどと称されるヘテロ構
造FETに関する。
タ、特にHEMT,HJFETなどと称されるヘテロ構
造FETに関する。
【0002】
【従来の技術】HEMT構造の電界効果トランジスタ
は、通常、半絶縁性基板に分子線エピタキシャル(MB
E)などで、順次結晶層を成長して作られる。トランジ
スタの特性を主に決定するのは、チャネル層とキャリア
供給層であり、基板とチャネルとの間のバッファ層は、
基板不純物の拡散防止、短チャネル効果の抑止など2次
的な目的しか持っていなかった。
は、通常、半絶縁性基板に分子線エピタキシャル(MB
E)などで、順次結晶層を成長して作られる。トランジ
スタの特性を主に決定するのは、チャネル層とキャリア
供給層であり、基板とチャネルとの間のバッファ層は、
基板不純物の拡散防止、短チャネル効果の抑止など2次
的な目的しか持っていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、化合物半導体
では、基板とエピタキシャル成長層との間の界面準位が
存在し、この準位の応答の時定数がマイクロ秒より大き
くトランジスタ本来の速度とくらべ遥かに遅いため、ド
レインコンダクタンスの周波数分散、ヒステリシス、ド
レインラグなどと称される寄生現象が現れる。このよう
な現象は、DCから広帯域までの動作をするデジタルI
Cでは特に不都合で、設計において大幅な動作速度の低
下を覚悟せねばならなかった。
では、基板とエピタキシャル成長層との間の界面準位が
存在し、この準位の応答の時定数がマイクロ秒より大き
くトランジスタ本来の速度とくらべ遥かに遅いため、ド
レインコンダクタンスの周波数分散、ヒステリシス、ド
レインラグなどと称される寄生現象が現れる。このよう
な現象は、DCから広帯域までの動作をするデジタルI
Cでは特に不都合で、設計において大幅な動作速度の低
下を覚悟せねばならなかった。
【0004】同様な現象は、深い準位を含む半絶縁性基
板上に直接チャネルを形成したMESFETでも存在し
ていた。MESFETの場合には、チャネル層の下にp
型層を形成することで解決していた(文献P.Canf
ield他、Buried−Channel GaAs
MESFET’s with Frequency−
Independent Output Conduc
tance“,IEEE ELECTRON DEVI
CE LETTERS,VOL.EDL−8,No.
3,p88−89(1987))。MESFETではp
型層の導入によるスレシュホールド電圧の上昇には、チ
ャネルの不純物を増大することで対応していた。ところ
が、キャリア供給層からの電荷を用いるヘテロ接合電界
効果トランジスタ(HJFET)では、キャリア供給層
の電子へのアフィニティの大きさに制限があるため、も
ともとチャネル電子の濃度が限られており、MESFE
Tと同様にp型層を導入すると、スレシュホールド電圧
の上昇、ソース,ドレイン電極での抵抗の増大などを招
き、高速性を損なってしまっていた。また、チャネル層
をn型層にすると不純物散乱が発生して、高移動度の特
性が失われてしまう問題があった。
板上に直接チャネルを形成したMESFETでも存在し
ていた。MESFETの場合には、チャネル層の下にp
型層を形成することで解決していた(文献P.Canf
ield他、Buried−Channel GaAs
MESFET’s with Frequency−
Independent Output Conduc
tance“,IEEE ELECTRON DEVI
CE LETTERS,VOL.EDL−8,No.
3,p88−89(1987))。MESFETではp
型層の導入によるスレシュホールド電圧の上昇には、チ
ャネルの不純物を増大することで対応していた。ところ
が、キャリア供給層からの電荷を用いるヘテロ接合電界
効果トランジスタ(HJFET)では、キャリア供給層
の電子へのアフィニティの大きさに制限があるため、も
ともとチャネル電子の濃度が限られており、MESFE
Tと同様にp型層を導入すると、スレシュホールド電圧
の上昇、ソース,ドレイン電極での抵抗の増大などを招
き、高速性を損なってしまっていた。また、チャネル層
をn型層にすると不純物散乱が発生して、高移動度の特
性が失われてしまう問題があった。
【0005】本発明の目的は、上述した問題点を解決
し、p型層を導入して周波数特性を改善し、かつチャネ
ル電荷濃度の低下や移動度の低下を引き起こさないバッ
ファ層をもつヘテロ接合型電界効果トランジスタを提供
することにある。
し、p型層を導入して周波数特性を改善し、かつチャネ
ル電荷濃度の低下や移動度の低下を引き起こさないバッ
ファ層をもつヘテロ接合型電界効果トランジスタを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に順に
積層されたバッファ層,チャネル層,キャリア供給層か
らなる第1の導電型のヘテロ接合電界効果トランジスタ
において、前記バッファ層が同一の半導体よりなり、基
板より順に、第2の導電型不純物ドープ層,アンドープ
層,第1の導電型不純物ドープ層の構造を含み、前記2
つのドープ層は単位面積あたりの不純物濃度がほぼ同じ
であり、かつ熱平衡状態でバッファ層全体で第2の導電
型のキャリアが空乏化していることを特徴とする。
積層されたバッファ層,チャネル層,キャリア供給層か
らなる第1の導電型のヘテロ接合電界効果トランジスタ
において、前記バッファ層が同一の半導体よりなり、基
板より順に、第2の導電型不純物ドープ層,アンドープ
層,第1の導電型不純物ドープ層の構造を含み、前記2
つのドープ層は単位面積あたりの不純物濃度がほぼ同じ
であり、かつ熱平衡状態でバッファ層全体で第2の導電
型のキャリアが空乏化していることを特徴とする。
【0007】
【作用】このように、バッファ層を設定すれば第2の導
電型不純物ドープ層、nチャネル電界効果トランジスタ
ではp型層を導入することにより、バッファ層や基板で
のエネルギーバンドを高くすると同時に、第2の導電型
不純物ドープ層を導入することにより低下するチャネル
電荷を、第1の導電型不純物ドープ層の電荷により補償
することにより、チャネル電荷の低下を防止することが
できる。しかも、p層とn層との不純物濃度を適当にと
れば、キャリアはn層を流れずに高移動度のチャネル層
を流れるように設定できる。
電型不純物ドープ層、nチャネル電界効果トランジスタ
ではp型層を導入することにより、バッファ層や基板で
のエネルギーバンドを高くすると同時に、第2の導電型
不純物ドープ層を導入することにより低下するチャネル
電荷を、第1の導電型不純物ドープ層の電荷により補償
することにより、チャネル電荷の低下を防止することが
できる。しかも、p層とn層との不純物濃度を適当にと
れば、キャリアはn層を流れずに高移動度のチャネル層
を流れるように設定できる。
【0008】この効果は、両型不純物の単位面積あたり
の電荷密度が同じであることから達成される。第1の導
電型の不純物密度の方が大きい場合にはキャリアはn型
層を流れ、移動度の低下を招いてしまうという問題が起
こる。また、チャネル電荷がバッファ層にまでしみだす
ため、短チャネル効果の増大や、ピンチオフ特性の劣化
に結びつく。一方、第2の導電型不純物が多い場合に
は、チャネルのキャリア密度の低下を招く。あるいは、
第2の導電型のキャリアの発生が起こり、ソース,ドレ
インと基板間の寄生容量の増大につながる。
の電荷密度が同じであることから達成される。第1の導
電型の不純物密度の方が大きい場合にはキャリアはn型
層を流れ、移動度の低下を招いてしまうという問題が起
こる。また、チャネル電荷がバッファ層にまでしみだす
ため、短チャネル効果の増大や、ピンチオフ特性の劣化
に結びつく。一方、第2の導電型不純物が多い場合に
は、チャネルのキャリア密度の低下を招く。あるいは、
第2の導電型のキャリアの発生が起こり、ソース,ドレ
インと基板間の寄生容量の増大につながる。
【0009】本発明のアンドープ層は、バッファ層での
バンドの高さを制御するために挿入したもので、薄い場
合にはバッファ層下部のバンドが高くならずに周波数分
散特性の効果が減るが、大きくしすぎると第2の導電型
のキャリアが発生し、寄生容量の増大、周波数分散特性
の劣化を引き起こすので正確な数値計算による設計と、
エピタキシャル成長において膜厚,不純物濃度の高度の
制御性を要するが、現在のシミュレーション技術、MB
E技術で十分可能である。
バンドの高さを制御するために挿入したもので、薄い場
合にはバッファ層下部のバンドが高くならずに周波数分
散特性の効果が減るが、大きくしすぎると第2の導電型
のキャリアが発生し、寄生容量の増大、周波数分散特性
の劣化を引き起こすので正確な数値計算による設計と、
エピタキシャル成長において膜厚,不純物濃度の高度の
制御性を要するが、現在のシミュレーション技術、MB
E技術で十分可能である。
【0010】
【実施例】以下の例ではnチャネルの電界効果トランジ
スタ(FET)で説明を行うが、pチャネルFETで
も、キャリアや不純物の種類を入れ替えれば機構,効果
は同じである。ここでは主に計算機シミュレーションに
よる結果を用いて判りやすく説明するが、実際の素子に
おいても同様な効果が得られている。
スタ(FET)で説明を行うが、pチャネルFETで
も、キャリアや不純物の種類を入れ替えれば機構,効果
は同じである。ここでは主に計算機シミュレーションに
よる結果を用いて判りやすく説明するが、実際の素子に
おいても同様な効果が得られている。
【0011】図1は本発明の電界効果トランジスタの結
晶構造を示す断面模式図で、1はゲート電極、2はソー
ス,ドレイン電極のためのn+ GaAsキャップ層、3
はn型AlGaAsキャリア供給層、4はアンドープチ
ャネルGaAs層、5はn型GaAs層、6はアンドー
プGaAs層、7はp型GaAs層、8はアンドープG
aAs層、9は半絶縁性基板、10はチャネルの2次元
電子ガスである。
晶構造を示す断面模式図で、1はゲート電極、2はソー
ス,ドレイン電極のためのn+ GaAsキャップ層、3
はn型AlGaAsキャリア供給層、4はアンドープチ
ャネルGaAs層、5はn型GaAs層、6はアンドー
プGaAs層、7はp型GaAs層、8はアンドープG
aAs層、9は半絶縁性基板、10はチャネルの2次元
電子ガスである。
【0012】比較のために、図2に従来のp型層バッフ
ァを持つFETの断面模式図を、図3はアンドープ層バ
ッファを持つFETのそれぞれ断面模式図を示す。な
お、図2および図3において、図1の部材と同一の部材
には、同一の参照番号を付して示している。
ァを持つFETの断面模式図を、図3はアンドープ層バ
ッファを持つFETのそれぞれ断面模式図を示す。な
お、図2および図3において、図1の部材と同一の部材
には、同一の参照番号を付して示している。
【0013】図1,図2,図3の各FETの結晶構造を
表1に示す。n型の不純物はシリコン、p型の不純物は
ベリリウムを用いた。
表1に示す。n型の不純物はシリコン、p型の不純物は
ベリリウムを用いた。
【0014】
【表1】
【0015】図4は、実験に用いた各種バッファ層を持
つ電界効果トランジスタのVg=0Vでの熱平衡ポテン
シャル図で、11,14は本発明のバッファ層を持つF
ETの伝導帯と充満帯のエネルギー、12,15は従来
型のp層バッファを持つFETの伝導帯と充満帯のエネ
ルギ−、13,16はアンドープ層バッファを持つFE
Tの伝導帯と充満帯のエネルギーである。
つ電界効果トランジスタのVg=0Vでの熱平衡ポテン
シャル図で、11,14は本発明のバッファ層を持つF
ETの伝導帯と充満帯のエネルギー、12,15は従来
型のp層バッファを持つFETの伝導帯と充満帯のエネ
ルギ−、13,16はアンドープ層バッファを持つFE
Tの伝導帯と充満帯のエネルギーである。
【0016】図5は、同じく図1,図2,図3に示した
構造を持つFETのVg=0Vでの熱平衡電子濃度図
で、17は本発明のバッファ層を持つFETの、18は
従来型のp層バッファを持つFETの、19はアンドー
プ層バッファを持つFETのそれぞれ電子分布である。
構造を持つFETのVg=0Vでの熱平衡電子濃度図
で、17は本発明のバッファ層を持つFETの、18は
従来型のp層バッファを持つFETの、19はアンドー
プ層バッファを持つFETのそれぞれ電子分布である。
【0017】図6は、図1,図2,図3に示した構造を
持つFETの低ドレイン電界での相互コンダクタンスG
mのVg依存性で、20は本発明のバッファ層を持つF
ETの、21は従来型のp層バッファを持つFETの、
22はアンドープ層バッファを持つFETのそれぞれの
特性である。
持つFETの低ドレイン電界での相互コンダクタンスG
mのVg依存性で、20は本発明のバッファ層を持つF
ETの、21は従来型のp層バッファを持つFETの、
22はアンドープ層バッファを持つFETのそれぞれの
特性である。
【0018】図4において、p型層を導入したバッファ
では11,12で示すようにチャネル下50〜400n
m付近で、バンドが持ち上がり、図5の17,18に示
すように電子濃度が低下していることがわかる。電子濃
度が低下することにより、基板電位変動による電子トラ
ップでの帯電量変化が減少し、トラップの応答に起因す
るトランジスタ特性変動が防止できるというのがp層バ
ッファの原理である。
では11,12で示すようにチャネル下50〜400n
m付近で、バンドが持ち上がり、図5の17,18に示
すように電子濃度が低下していることがわかる。電子濃
度が低下することにより、基板電位変動による電子トラ
ップでの帯電量変化が減少し、トラップの応答に起因す
るトランジスタ特性変動が防止できるというのがp層バ
ッファの原理である。
【0019】ところが、図6の低電界での相互コンダク
タンスに示すように、ドレイン電流の立ち上がりである
スレシュホールド電圧は21で示すようにp層のみのバ
ッファで上昇している。20で示される本発明のバッフ
ァ層を持つFETは、22で示されるi層バッファとほ
ぼ同じスレシュホールド電圧を持ち、電流の低下はな
い。ここで用いたスレシュホールド電圧は、DXセンタ
の影響の無いAl0.2 Ga0.8 Asのキャリア供給層と
してはほぼ最大のキャリア濃度を持つように設計されて
おり、キャリア濃度の低下はバッファ層の設計以外では
補償できない。
タンスに示すように、ドレイン電流の立ち上がりである
スレシュホールド電圧は21で示すようにp層のみのバ
ッファで上昇している。20で示される本発明のバッフ
ァ層を持つFETは、22で示されるi層バッファとほ
ぼ同じスレシュホールド電圧を持ち、電流の低下はな
い。ここで用いたスレシュホールド電圧は、DXセンタ
の影響の無いAl0.2 Ga0.8 Asのキャリア供給層と
してはほぼ最大のキャリア濃度を持つように設計されて
おり、キャリア濃度の低下はバッファ層の設計以外では
補償できない。
【0020】また、これらいずれのバッファ層でもホー
ルの蓄積はない。しかも、電子はほぼすべてチャネル層
を流れ移動度の低下も無い。
ルの蓄積はない。しかも、電子はほぼすべてチャネル層
を流れ移動度の低下も無い。
【0021】このようにバッファ層のp型不純物とn型
不純物の面密度が同じことがチャネルの高移動度を維持
し、ホールの蓄積を防ぎ、かつチャネル電荷密度の低下
を防げることになる。以上の議論から判るように、面密
度がほぼ同じということは、電荷の面密度が特に問題と
ならない範囲での一致で、具体的には±5×1011/c
m2 の範囲の差の範囲ならよい。本実施例では厚さ10
0オングストローム、濃度1×1018/cm3 を用いて
いたので面密度は1012/cm2 であり、ほぼ±50%
の範囲である。厚さ500オングストローム、濃度1×
1017/cm3を用いていた場合には面密度は5×10
11/cm2 であり、ほぼ±100%の範囲である。
不純物の面密度が同じことがチャネルの高移動度を維持
し、ホールの蓄積を防ぎ、かつチャネル電荷密度の低下
を防げることになる。以上の議論から判るように、面密
度がほぼ同じということは、電荷の面密度が特に問題と
ならない範囲での一致で、具体的には±5×1011/c
m2 の範囲の差の範囲ならよい。本実施例では厚さ10
0オングストローム、濃度1×1018/cm3 を用いて
いたので面密度は1012/cm2 であり、ほぼ±50%
の範囲である。厚さ500オングストローム、濃度1×
1017/cm3を用いていた場合には面密度は5×10
11/cm2 であり、ほぼ±100%の範囲である。
【0022】また、ホールの蓄積を防ぐためには両不純
物濃度の制御だけではなく、n層とp層との間のi層の
厚さの制御も重要で、これが大きすぎればホールが溜
り、少なければ電子濃度が増大し、深い準位の影響が現
れやすくなる。この設定にはn−i−p層でのポテンシ
ャルのステップがバンド間隔の半分程度になるように決
めれば良い。
物濃度の制御だけではなく、n層とp層との間のi層の
厚さの制御も重要で、これが大きすぎればホールが溜
り、少なければ電子濃度が増大し、深い準位の影響が現
れやすくなる。この設定にはn−i−p層でのポテンシ
ャルのステップがバンド間隔の半分程度になるように決
めれば良い。
【0023】本発明のp層,i層,n層の位置は、一般
的にはバッファ層中のどこの位置にあっても効果がある
ので、エピタキシャル成長の状況により、この層の前後
に、i型GaAs層、i型ヘテロ成長層等を挿入するこ
とができる。ただし、ポテンシャルを上げる効果は電位
の基準であるチャネルに近いほど大きいし、深い準位の
影響を除くためには、p型層と界面準位の存在する場所
に近いほど良く、状況により最適な位置は異なる。
的にはバッファ層中のどこの位置にあっても効果がある
ので、エピタキシャル成長の状況により、この層の前後
に、i型GaAs層、i型ヘテロ成長層等を挿入するこ
とができる。ただし、ポテンシャルを上げる効果は電位
の基準であるチャネルに近いほど大きいし、深い準位の
影響を除くためには、p型層と界面準位の存在する場所
に近いほど良く、状況により最適な位置は異なる。
【0024】本発明の構造は、pチャネルFETでもn
型層,p型層を反転した構造で全く同様に実現できる。
型層,p型層を反転した構造で全く同様に実現できる。
【0025】また、本発明のp型層,アンドープ層,n
型層は必ずしも基板と同一結晶である必要はなく、Al
GaAsのようなバンド間隔の広い材料を用いれば、ヘ
テロバッファと同様なキャリア濃度の低減の効果がさら
に追加される。
型層は必ずしも基板と同一結晶である必要はなく、Al
GaAsのようなバンド間隔の広い材料を用いれば、ヘ
テロバッファと同様なキャリア濃度の低減の効果がさら
に追加される。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のバッファ層
を持つヘテロ接合電界効果トランジスタでは基板や、エ
ピタキシャル成長層での深い準位の影響が無くなり、周
波数分散のないドレインコンダクタンスや、ヒステリシ
スのない電流電圧特性が得られる。しかも、チャネル電
荷が減少しないことからFETの電流値や相互コンダク
タンス、寄生抵抗はi層バッファを持つものと同等であ
る。また、バッファ層は空乏化しているので寄生容量の
増加も無く、高速性が維持されている。
を持つヘテロ接合電界効果トランジスタでは基板や、エ
ピタキシャル成長層での深い準位の影響が無くなり、周
波数分散のないドレインコンダクタンスや、ヒステリシ
スのない電流電圧特性が得られる。しかも、チャネル電
荷が減少しないことからFETの電流値や相互コンダク
タンス、寄生抵抗はi層バッファを持つものと同等であ
る。また、バッファ層は空乏化しているので寄生容量の
増加も無く、高速性が維持されている。
【図1】本発明の電界効果トランジスタの結晶構造を示
す断面模式図である。
す断面模式図である。
【図2】従来のp型層バッファを持つFETの断面模式
図である。
図である。
【図3】アンドープ層バッファを持つFETのそれぞれ
断面模式図である。
断面模式図である。
【図4】図1,図2,図3に示した構造を持つFETの
Vg=0Vでの熱平衡ポテンシャル図である。
Vg=0Vでの熱平衡ポテンシャル図である。
【図5】図1,図2,図3に示した構造を持つFETの
Vg=0Vでの熱平衡電子濃度図である。
Vg=0Vでの熱平衡電子濃度図である。
【図6】図1,図2,図3に示した構造を持つFETの
低ドレイン電界での相互コンダクタンスのVg依存性を
示す図である。
低ドレイン電界での相互コンダクタンスのVg依存性を
示す図である。
1 ゲート電極 2 ソース,ドレイン電極のためのn+ GaAsキャッ
プ層 3 n型AlGaAsキャリア供給層 4 アンドープチャネルGaAs層 5 n型GaAs層 6 アンドープGaAs層 7 p型GaAs層 8 アンドープGaAs層 9 半絶縁性基板 10 チャネルの2次元電子ガス
プ層 3 n型AlGaAsキャリア供給層 4 アンドープチャネルGaAs層 5 n型GaAs層 6 アンドープGaAs層 7 p型GaAs層 8 アンドープGaAs層 9 半絶縁性基板 10 チャネルの2次元電子ガス
Claims (2)
- 【請求項1】基板上に順に積層されたバッファ層,チャ
ネル層,キャリア供給層からなる第1の導電型のヘテロ
接合電界効果トランジスタにおいて、前記バッファ層が同一の半導体よりなり、 基板より順
に、第2の導電型不純物ドープ層,アンドープ層,第1
の導電型不純物ドープ層の構造を含み、前記2つのドー
プ層は単位面積あたりの不純物濃度がほぼ同じであり、
かつ熱平衡状態でバッファ層全体で第2の導電型のキャ
リアが空乏化していることを特徴とするヘテロ接合電界
効果トランジスタ。 - 【請求項2】前記第1の導電型はn型であり、前記第2
の導電型不純物ドープ層はp型GaAs層であり、前記
アンドープ層はアンドープGaAs層であり、前記第1
の導電型不純物ドープ層はn型GaAs層であることを
特徴とする請求項1記載のヘテロ接合電界効果トランジ
スタ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4340062A JPH0817232B2 (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | ヘテロ接合電界効果トランジスタ |
US08/170,868 US5389802A (en) | 1992-12-21 | 1993-12-21 | Heterojunction field effect transistor (HJFET) having an improved frequency characteristic |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4340062A JPH0817232B2 (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | ヘテロ接合電界効果トランジスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06188272A JPH06188272A (ja) | 1994-07-08 |
JPH0817232B2 true JPH0817232B2 (ja) | 1996-02-21 |
Family
ID=18333362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4340062A Expired - Fee Related JPH0817232B2 (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | ヘテロ接合電界効果トランジスタ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5389802A (ja) |
JP (1) | JPH0817232B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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TW468229B (en) * | 1998-08-05 | 2001-12-11 | Nat Science Council | High barrier gate field effect transistor structure |
JP2001111038A (ja) * | 1999-10-12 | 2001-04-20 | Murata Mfg Co Ltd | 半導体装置 |
JP2003142492A (ja) * | 2001-10-30 | 2003-05-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | 3−5族化合物半導体および半導体装置 |
JP2005340417A (ja) * | 2004-05-26 | 2005-12-08 | Mitsubishi Electric Corp | ヘテロ接合電界効果型半導体装置 |
GB2427070A (en) * | 2005-05-09 | 2006-12-13 | Filtronic Plc | Electronic device |
Family Cites Families (4)
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---|---|---|---|---|
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JPS63170A (ja) * | 1986-06-19 | 1988-01-05 | Fujitsu Ltd | 半導体装置 |
JPH01173760A (ja) * | 1987-12-28 | 1989-07-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ヘテロ接合電界効果トランジスタ |
JP2650411B2 (ja) * | 1989-04-17 | 1997-09-03 | 日立電線株式会社 | 電界効果トランジスタ |
-
1992
- 1992-12-21 JP JP4340062A patent/JPH0817232B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-12-21 US US08/170,868 patent/US5389802A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06188272A (ja) | 1994-07-08 |
US5389802A (en) | 1995-02-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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