JPH077895Y2 - ボビン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はミシンに使用されるボビンに関し、特には一対
の鍔部の一方を見分けることのできるボビンに関する。

［従来技術］ 従来のボビンにおいては、そのボビンを内釜等に収容す
る際、そのボビンの軸部に巻かれた下糸の巻方向を確認
し、その巻方向が特定方向になるように内釜に収容する
必要があり、間違った巻方向にて内釜に収容された場
合、下糸に与えられる糸調子が狂い美麗な縫目を形成す
ることができなかった。

そこで、実開昭63−136590号公報に記載されたミシンに
おいては内釜の底部に下糸の巻方向を示す渦巻模様によ
って、作業者にその巻方向を教示するようにしている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、上述のミシンにおいても作業者はその渦
巻模様の渦巻方向と下糸の巻方向とを見比べて、その両
方の巻方向が一致することを確認しなくてはならず、そ
の確認作業は特に初心者にとっては繁雑な作業であり、
その確認作業を行うことなく、内釜にボビンを収容して
しまうという問題点がある。

本考案は、上述の問題点を解決するために為されたもの
で、その目的は、下糸の巻方向が特定方向であるか否か
を下糸を見ることによって確認することなく、下糸が巻
かれたボビンを見ただけで、下糸の巻方向が特定方向に
なるように正しい方向で内釜に収容することのできるボ
ビンを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上述の目的を達成するために、本考案のボビンは、その
ボビンがミシンの内釜へ収容される時にその収容方向が
正しい上下方向で収容されるように、前記鍔部の一方に
は上方鍔部であることを視覚的に表示するための記号を
設けると共に、その他方には下方鍔部であることを視覚
的に表示するための記号を設けている。

［作用］ 以上のように構成されたボビンにおいては、作業者は下
糸の巻方向を確認することなく、各々の鍔部の識別印を
目視することによって巻方向が特定方向になるようにボ
ビンを正しい方向にて内釜に収容できる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例で図面を参照して説明する。

本実施例のボビンＢは第１図乃至第３図に示すように、
軸部10の軸方向の一端には、その軸方向と直交する平面
方向に延びる円形の上方鍔部12が設けられ、軸部10の他
端には上方鍔部12と同様に形成された下方鍔部14が設け
られている。また、ボビンＢには上方鍔部12から軸部10
を通って下方鍔部14へ抜ける貫通孔16が穿設されてい
る。尚、軸部10と両鍔部12,14とは透明の合成樹脂材料
によって一体に形成されている。

そして、上方鍔部12には、上方鍔部12であることを視覚
的に表示するための「上にしてください」という文字記
号18が描かれていると共に、後述する糸巻時に下糸Ｔを
通すための糸通孔20が穿設されている。また、下方鍔部
14には下方鍔部14であることを視覚的に表示するための
「下にしてください」という文字記号22が描かれてい
る。そして、これら両文字記号18,22と糸通孔20とが識
別印を構成している。

以上のように構成されたボビンＢを水平釜24を備えたミ
シンに使用する方法について以下に説明する。

まず、ボビンＢの軸部10に下糸Ｔを巻くために第４図に
示すように、作業者は、上方鍔部12が上側になるように
ミシン機枠26の上面に設けられた糸巻軸28に貫通孔16を
挿嵌する。そして、図示しない糸駒から繰出された下糸
Ｔを糸通孔20に軸部10側から通す。そして、図示しない
ミシンモータを駆動させればボビンＢの軸部10には上方
から見て特定方向である左巻き方向に巻付けられる。
尚、この糸巻時において、作業者が間違えて下方鍔部14
を上側にして糸巻軸28にボビンＢを取付けると、「下に
してください」という文字記号22によって、取付けられ
たボビンＢの方向が間違いであることが表示されると共
に、下糸Ｔを通す糸通孔20が下方鍔部14には穿設されて
いないためにその間違いを確認して、正しい方向にボビ
ンＢを取付けることができる。

このようにして下糸Ｔが巻付けられたボビンＢを第５図
に示すように水平釜24の内釜30に装着する時には、作業
者は両鍔部12,16の文字記号18,22を目視することによっ
て上方鍔部12が上側になるようにボビンＢを内釜30に装
着する。従って、下糸Ｔの巻方向が特定方向である左巻
方向になるように正しくボビンＢを内釜30に装着するこ
とができる。また、作業者がボビンＢを間違えて内釜30
に装着すると、「下にしてください」という文字記号22
が表示されるため、その間違いを確実に確認し得、正し
い方向にボビンＢを装着することができる。

［考案の効果］ 以上詳述したように本考案のボビンにおいては、内釜等
に装着されたボビンを目視するだけで、ボビンに巻付け
られた下糸が特定方向になっているかを確認することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１図は本実
施例のボビンの平面図、第２図は上記ボビンの側面図、
第３図は上記ボビンの底面図、第４図は上記ボビンに下
糸を巻付ける状態を示すミシンの一部斜視図、第５図は
上記ボビンを内釜に装着した状態を示す水平釜の平面図
である。 図中、10は軸部、12は上方鍔部、14は下方鍔部、18は文
字記号、20は糸通孔、22は文字記号、Ｔは下糸である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下糸（Ｔ）が巻かれるための軸部（10）
   と、その軸部（10）の軸方向における両端部に設けられ
   ると共にその軸方向と直交する平面方向に延びるように
   形成された一対の鍔部（12,14）とを有するボビンにお
   いて、 そのボビンがミシンの内釜（24）へ収容される時にその
   収容方向が正しい上下方向で収容されるように、前記鍔
   部（12,14）の一方には上方鍔部（12）であることを視
   覚的に表示するための記号（18）を設けると共に、その
   他方には下方鍔部（14）であることを視覚的に表示する
   ための記号（22）を設けたことを特徴とするボビン。