JPH0777546B2 - 渋皮付栗甘露煮の製造方法 - Google Patents

渋皮付栗甘露煮の製造方法

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JPH0777546B2
JPH0777546B2 JP3331123A JP33112391A JPH0777546B2 JP H0777546 B2 JPH0777546 B2 JP H0777546B2 JP 3331123 A JP3331123 A JP 3331123A JP 33112391 A JP33112391 A JP 33112391A JP H0777546 B2 JPH0777546 B2 JP H0777546B2
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chestnut
astringent skin
astringent
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pulp
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JP3331123A
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直義 米田
剛 田中
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米田青果食品株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、渋皮付栗甘露煮の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】渋皮付栗を甘露煮にする場合、加熱浸漬
する糖液の糖度が高く、栗の果肉と糖液との糖含有率に
差が生じ、栗表面の渋皮が半透膜の作用をして果肉内の
水分が糖液側に浸入する。そのため、果肉の水分が減少
し、果肉が収縮していわゆる皺栗や石栗となっていた。
この皺栗や石栗は、全く商品価値が無く、すべて廃棄し
なければならなかった。しかも、皺栗、石栗は製造過程
において手作業で除去しなければならず、必要以上に神
経を使い、製造能率の低下を招来していた。又、栗には
多量の糖分を含有しているため、廃棄は専門業者に委託
しなければならず、相当な経済的負担ともなっていた。
【0003】そこで、皺栗、石栗の防止策として、従来
糖液の浸透性を高めるために渋皮の表面に複数の刺孔を
穿設した渋皮付栗を糖液の入った二重釜にて、糖度を変
えつつ複数回加熱する製造方法や、使用糖液に分子の小
さい糖を使用する製造方法、加糖時に糖度差を少なくす
るため、糖液への浸漬回数を増加した製造方法、更には
原料栗に細心の注意をはらって品種選定を行うこと等が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の技
術において述べた防止策においても、歩留りが30〜5
0%程度と悪く、抜本的な解決策とはならなかった。
又、歩留りが原料等の諸条件に大きく左右されていたの
で、製造、販売計画が立てられないという問題点があっ
た。更に、二重釜等の設備器材及びその設置スペース等
を必要以上に要し非経済的であるという問題点があっ
た。
【0005】そこで、本発明はボイルした渋皮付栗を凍
結後解凍することにより栗の果肉に無数の孔を設け、こ
の渋皮付栗を糖液にて加熱することにより糖分子を孔内
より果肉に円滑に浸透させると共に、高圧釜を使用する
ことで更に相乗効果を発揮し、高率の歩留りが実現させ
る渋皮付栗甘露煮の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の渋皮付栗甘露煮の製造方法は、ボイルした
渋皮付栗を水に浸漬し、水と共に凍結後解凍して、果肉
に無数の微細な孔を形成するようにし、この解凍した渋
皮付栗を糖液に浸漬して加熱し、該糖液が渋皮付栗の果
肉内部まで浸透するようにし、必要に応じて該渋皮付栗
と共に糖度を調整した糖液を容器に詰め、脱気、殺菌等
の後処理をしたものである。
【0007】
【作用】渋皮付栗をボイルすると、果肉中の水分子の圧
力が容器中の水分子の圧力よりも小さいため、渋皮を通
って水が栗の果肉及び渋皮組織内に浸入する。このボイ
ルした栗を凍結すると、果肉及び渋皮の組織に入りこん
だ水分子が固体化して氷の結晶を生成する。氷の結晶は
一定の形状を呈するため、氷の結晶を生成する際に氷の
結晶が周囲の果肉及び渋皮の組織を圧迫して果肉組織内
及び渋皮に無数の微細な氷の結晶と同一形状の空洞部を
形成すると共に、該空洞部内に氷の結晶を生成する。解
凍すると果肉外に氷が溶出し、果肉組織内に無数の微細
な空洞部を、渋皮には無数の微細な開孔部を形成する。
糖液中に栗を浸漬すると、糖液が渋皮の開孔部を通過
し、果肉内部の無数の微細な空洞部内に浸入するように
作用する。
【0008】又、高圧釜で糖液中に浸漬した渋皮付栗を
加熱すると、糖液の圧力がより大きくなり、より果肉内
部に糖液が浸入しやすいという働きをする。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。鬼皮を
剥皮した渋皮付生栗を約60℃に加温した2〜25%水
酸化ナトリウム溶液中に約5〜10分間浸漬後、水に晒
し、更に約40℃に加温した約1.5〜2.0%食用塩
酸溶液中に約2〜4分間浸漬後、水に晒す。このアルカ
リ処理は渋皮表面の産毛を除去するために行う。酸処理
及び水晒は、栗表面のpHを中性にし、薬品を除去する
ために行う。このアルカリ、酸処理を施した渋皮付栗を
二重釜に投入し、約90℃の温湯で約20分間ボイル
し、果肉を軟化させ、筋や残っている鬼皮を取りやすく
し、ピンセット等で渋皮付栗表面の掃除整形を行う。以
上の前処理を施した渋皮付栗を常圧釜の二重釜に投入
し、100℃の温湯中で約120〜180分程度加熱し
て果肉を極軟にする。この極軟にボイルした渋皮付栗を
水で洗浄後、10kg毎各別の容器に入れると共に栗が
被る程度の水を該容器内に注入して、−23℃の冷凍室
内に入れ、約24時間程度渋皮付栗を水と共に凍結す
る。水に浸漬した状態で渋皮付栗を凍結するので、渋皮
付栗表面に氷衣を作り、乾燥を防止する作用をする。極
軟にボイルした際に渋皮付栗の果肉及び渋皮の組織には
多量に水分が浸入しており、この水分が組織内で凍結
し、無数の氷の結晶を生成する。次に、凍結した渋皮付
栗を解凍する。解凍は、急速解凍、高温解凍等のいずれ
であってもよいが、自然解凍が最も好適である。解凍水
を容器より完全に除去後、ソルビトール50に対しグラ
ニュー糖50の割合で調合した糖度65°の糖液を注入
し、該糖液に解凍した渋皮付栗を浸漬し、布帛を容器の
上面に被せる。この糖液と栗の入った容器を高圧釜内に
入れ、約115℃で50〜70分間程度加熱する。渋皮
付栗は解凍すると、組織中の氷が外部へ水となって溶出
する。果肉組織中には氷の結晶が形成した無数の微細孔
が残存し、渋皮組織には無数の開孔が穿設される。糖液
は、渋皮の開孔部を通過して、果肉組織の微細孔に浸入
し、果肉組織に均等かつ迅速に浸透する。高圧釜内に容
器ごと入れ加熱すると、糖液の圧力が高まり、より早く
果肉に糖液が浸透する作用をする。加熱後、放冷し、等
級別に選別後、缶若しくは瓶等の容器内に詰め、糖度5
8°±2°に調整した糖液及びこれに必要に応じて黒糖
等を添加した糖液を注入し、中心温度が80℃以上にな
るように脱気、殺菌等の後処理を施して製品化をするも
のである。
【0010】本実施例により得られた渋皮付栗の甘露煮
は、皺栗、石栗が少なく、歩留まり75%以上という結
果がでた。
【0011】
【発明の効果】本発明においては、渋皮付栗を凍結させ
て、果肉、渋皮の組織に微細孔を形成することにより、
この孔内に糖液を浸透させるので、糖液の浸透が早く、
且つ果肉内部にまで均等に甘味付けできるという効果が
ある。
【0012】又、果肉及び渋皮に無数の微細孔が形成さ
れているので、従来のように渋皮が半透膜の作用をせ
ず、糖液を果肉に円滑に浸透させるので、いわゆる皺栗
や石栗の製造割合が従来の製造方法より減少し、歩留ま
りが良くなるので経済的である。
【0013】又、針で果肉に刺孔を穿設せず、凍結とい
う手段を用いているので設備が少くて済み、経済的であ
る。
【0014】更に、果肉内部にまで孔を設け得るので、
従来のように複数回、二重釜でボイルする必要が無く、
経済的且つ手間を要しないという効果がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイルした渋皮付栗を水と共に凍結後解
    凍して、果肉及び渋皮に無数の微細な孔を形成するよう
    にし、該解凍渋皮付栗を糖液に浸漬して加熱し、該糖液
    が渋皮付栗の果肉内部まで浸透するようにし、必要に応
    じて該渋皮付栗と共に糖度を調整した糖液を容器に詰め
    た後、脱気、殺菌等の後処理を施したことを特徴とする
    渋皮付栗甘露煮の製造方法。
JP3331123A 1991-10-15 1991-10-15 渋皮付栗甘露煮の製造方法 Expired - Lifetime JPH0777546B2 (ja)

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JPH05103642A JPH05103642A (ja) 1993-04-27
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3796128B2 (ja) * 2001-04-02 2006-07-12 株式会社上野忠 新規な菓子の製造方法
JP5074833B2 (ja) * 2007-06-19 2012-11-14 古河電気工業株式会社 光計測装置及び検体識別分注装置
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CN102273671B (zh) * 2011-06-02 2012-10-31 河北栗源食品有限公司 甘栗仁恒定口感的加工方法
JP2015177779A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 康弘 入江 加工栗の製造方法及び加工栗
JP5729710B1 (ja) * 2014-08-26 2015-06-03 株式会社王樹製薬 びわ種甘露煮の製造方法

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