JPH0777155A - 回転運動装置 - Google Patents

回転運動装置

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JPH0777155A
JPH0777155A JP5161110A JP16111093A JPH0777155A JP H0777155 A JPH0777155 A JP H0777155A JP 5161110 A JP5161110 A JP 5161110A JP 16111093 A JP16111093 A JP 16111093A JP H0777155 A JPH0777155 A JP H0777155A
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hydraulic
displacement
rotary motion
motor
control valve
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JP5161110A
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Hirotoshi Nakao
裕利 中尾
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Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧源やその配管を不要にして取り扱いに便
利にすると共に、消費エネルギの節約を計る。 【構成】 主軸1上に電動モータ7と可変容量形油圧モ
ータ及びポンプの機能を持つ油圧容量装置2とを同期回
転運動をするように拘束して配設する。さらに、油圧容
量装置2の容量を変化させるための斜板10及びシリン
ダ13,14と、それを制御する制御弁30と、その制
御弁30及び電動モータ7に操作指令を送る制御手段と
しての電動モータドライバ19及びコントローラ20を
設け、油圧容量装置2の高圧ポートに連通する蓄圧タン
ク8及び低圧ポートに連通する作動油貯蔵タンク9をケ
ーシング3bに固設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車輌や産業機械等に
用いられる回転運動装置、特に慣性運動によって回転す
る負荷装置の加速又は減速及び等速回転維持を行なうの
に適した回転運動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】負荷装置を回転駆動するための動力源と
しては、電動モータや油圧モータ、あるいは内燃機関等
を使用するのが一般的であるが、慣性重量を含む負荷装
置の速度もしくは位置を高精度に制御するのに適した動
力源として、電気−油圧パルスモータがある。
【0003】これは、電気パルスの指令に従って油圧モ
ータの出力を出す機構であり、種々の形式のものがある
がその代表的な例として、図7に示すように、電気パル
スモータ100及びそのモータ軸100aの回転を減速
するネジ・ナット機構101と、その減速された回転に
よってスプール102が駆動されるスプール弁103及
びそれを介して圧油が供給される油圧モータ104から
なる油圧サーボ機構部とによって構成され、上記スプー
ル弁103のスプール軸102aと油圧モータ104の
出力軸104aとがネジ・ナット機構105によって連
結された電気−油圧パルスモータがある。
【0004】この電気−油圧パルスモータは、パルス信
号によって電気パルスモータ100がそのパルス数に応
じた角度だけ回転すると、それに応じてサーボ弁103
のスプール102が減速回転され、その回転角度と油圧
モータ104の回転角度が等しくなるまで油圧モータ1
04が出力軸104aを回転させる。
【0005】すなわち、電気パルスモータ100のモー
タ軸100aと油圧モータ104の出力軸104aとの
間に回転位相差が生じると、スプール弁103のスプー
ル102が変位し、油圧モータ104に油圧源(ポン
プ)106からの作動油を導入し、油圧モータ104を
増速して、やがて各々の軸100aと104aは等速で
回転する。
【0006】モータ軸100aが停止すると上記位相差
が減少し、同位相になったところでスプール弁103の
スプール102が中立位置に戻り、油圧モータ104の
出力軸104aも停止する。このように、油圧モータの
軸速度の制御を電気パルスモータの軸速度を制御するこ
とによって行う電気−油圧パルスモータが実用化されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電気−油圧パルスモータを用いた回転運動装
置にあっては、別に油圧源が必要であり、その油圧源と
スプール弁及び油圧モータとの油路の配管も必要である
ため、装置が大型になるばかりか油洩れなどの問題もあ
り、取り扱いに便利とはいえなかった。。また、このよ
うな従来の回転運動装置では、慣性負荷を加速するのに
用いたエネルギを、負荷の減速時には圧力損失による熱
エネルギとして無駄に放散していた。
【0008】この発明は上記の点に着目してなされたも
のであり、慣性重量を含む負荷装置を駆動する回転運動
装置において、別の油圧源やその配管を不要にして取り
扱いに便利にすると共に、減速行程における慣性エネル
ギを回収して次の加速行程でそれを放出して利用できる
ようにして、消費エネルギの節約を計ることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、電動モータと、可変容量形油圧モータ及
びポンプの機能を持つ油圧容量装置と、その油圧容量装
置の容量を変化させる容量変化装置と、その容量変化装
置を制御する制御弁と、その制御弁及び上記電動モータ
に操作指令を送る制御手段と、上記油圧容量装置の高圧
ポートに連通する蓄圧タンク及び低圧ポートに連通する
作動油貯蔵タンクとからなり、上記電動モータと油圧容
量装置とを同一回転軸線上に配置し、且つ同期回転運動
をするように拘束してなる回転運動装置を提供する。
【0010】また、上記回転運動装置における電動モー
タを内燃機関等の原動機に代えてこの発明による回転運
動装置を構成してもよい。さらに、上記蓄圧タンク及び
作動油貯蔵タンクを上記油圧容量装置のケーシングに固
設するとよい。
【0011】
【作用】この発明による回転運動装置は、制御手段から
の操作指令によって慣性負荷装置を減速回転させる際に
は、油圧容量装置を油圧ポンプとして機能させ、負荷装
置の慣性エネルギをそのポンプ出力に変換して蓄圧タン
クにに蓄積し、慣性負荷装置を加速回転させる際には、
油圧容量装置を油圧モータとして機能させ、得圧たタン
クに蓄積した油圧エネルギをその油圧モータ出力に変換
して負荷を加速する。
【0012】それ故、仮に負荷装置が慣性のみで摩擦等
の損失を無視でき、かつ油圧容量装置及び蓄圧タンクと
その制御の動力損失が無視できれば、この回転運動装置
に電動モータは不用であり、永久機関となる。しかし、
摩擦等による慣性エネルギの損失及び上記動力損失等が
必ず存在するので、電動モータあるいは原動機によって
この損失を補償するだけの回転トルクを発生させるので
ある。
【0013】したがって、エネルギの消費はわずかで済
み、しかも他に油圧源を必要としない。蓄圧タンク及び
作動油貯蔵タンクを油圧容量装置のケーシングに固設す
るようにすれば、電動モータを用いるものではケーシン
グ外に一切の配管が不要になる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図1はこの発明の一実施例を示す電気
油圧式回転運動装置の斜板の回動軸に直交する方向の断
面図にその制御手段のブロックも示している。図2は図
1のZ−Z線に沿う矢示方向の断面図である。
【0015】これらの図において、1はこの電気油圧式
回転運動装置であるパワーパッケージの出力軸すなわち
主軸であり、可変容量形油圧モータ及びポンプの機能を
持つ油圧容量装置2のケーシング3a,3b1に軸受
4,5,6によって回転自在に支持されている。この主
軸1のケーシング3b内の端部に電動モータ7を設けて
おり、そのロータ7aを主軸1に、ステータ7bをケー
シング3bにそれぞれ固定している。この主軸1の図示
しない他端部は慣性回転する負荷装置に連結している。
【0016】油圧容量装置2は、シリンダブロック21
をその中心を貫通する主軸1に固定し、その回転中心軸
線(Z−Z線)を中心とする円周上に所定の角度間隔で
多数シリンダ穴22を形成して、そこにそれぞれピスト
ン23を軸線方向に摺動可能に嵌入させている。その各
シリンダ穴22は、シリンダブロック21の透孔21a
及び弁板24の透孔24aを介して、ケーシング3aの
高圧ポートHPに連設した蓄圧タンク8又は低圧ポート
LPに連設した作動油貯蔵タンク9に、その回転位置に
応じてそれぞれ連通する。
【0017】ケーシング3aには、斜板10が図2に示
す一対の軸受11,11によって、図1の点Qを中心に
所定角度範囲内で回動可能に装着されており、その斜板
10のシリンダブロック21に対向する面に、各ピスト
ン23の球形先端部を緩嵌して球関節軸受を構成するシ
ューリング12を摺動回転自在に圧接させている。
【0018】この斜板10の図1で両端部付近には、さ
らに容量変化装置を構成する一対のシリンダ13,14
の各スリーブ状のピストン13a,14aの半球状先端
部が当接している。こり各シリンダ13,14は、シリ
ンダブロック21の外側でケーシング3bに主軸1と平
行に固設されており、比例電磁式四方向制御弁(以下単
に「制御弁」という)30から、それぞれケーシング3
b内に形成された油路を通して作動油が流入又は流出す
る。
【0019】この制御弁30のボデイ31はケーシング
3aまたは3bの外周に固着され、その内部にスプール
32をスプリング33によって付勢して摺動自在に有
し、そのスプリング33と反対側に電磁アクチュエータ
34を連結している。そして、この制御弁30のPポー
トを図2に示す蓄圧タンク9へ、Tポートを作動油貯蔵
タンク9へ、それぞれケーシング3b内の油路を通して
連通させている。
【0020】この制御弁30におけるスプリング33に
よる図1で右方への付勢力をFs、電磁アクチュエータ
34による左方への付勢力をFaとしたとき、Fa=F
sであれば、スプール32は中立位置となり、シリンダ
13,14への流路をブロックするため、ピストン13
a,14aは固定状態になり、斜板10の傾斜角度は変
化しない。
【0021】Fa<Fsになると、スプール32が右方
へ移動して、シリンダ13をPポートに、シリンダ14
をTポートにそれぞれ連通させるので、ピストン13a
が前進してピストン14aは後退し、斜板10が図1に
示すように右旋回動する。これを「斜板正傾転」とい
う。
【0022】Fa>Fsになると、スプール32が左方
へ移動して、シリンダ14をPポートに、シリンダ13
をTポートにそれぞれ連通させるので、ピストン14a
が前進してピストン13aは後退し、斜板10が図1で
図示と反対に左旋回動する。これを「斜板負傾転」とい
う。
【0023】また、ケーシング3bには、初期にチェッ
ク弁15を介して作動油を充填するための圧油供給ポー
ト16を設けている。さらに、蓄圧タンク8内には高圧
ガスを封入した中空弾性体による蓄圧器(アキュムレー
タ)17を備え、作動油貯蔵タンク9内には大気に開放
した開口18aを有する中空弾性体18を備えている。
これらの機能については後述する。
【0024】図1において、19は電動モータドライバ
であり、電源25から給電され、主軸角速度指令を入力
して、トルク操作量に応じた駆動電流を電動モータ7に
流して駆動トルクを発生させると共に、そのトルク操作
量に相当する信号をコントローラ(傾転角制御回路)2
0へ出力する。コントローラ20は、その入力信号に応
じて制御弁30の電磁アクチュエータ34に励磁電流を
流してスプール32を+又は−方向へ変位させる。
【0025】この実施例において、電動モータ7をDC
モータとすると、例えば電機子電流がトルク操作量相当
となるため、これを信号としてコントローラ20に入力
させる。コントローラ20は、図3に示すようにこの入
力信号を微分器20a(Td:微分定数)を用いて受け
取り、その後段に損失(定常負荷を含む)補償関数によ
る補償部20bを設け、その補償出力を操作量として制
御弁30を制御する。
【0026】例えば、電動モータ7を加速しようとした
とき、負荷に慣性重量が存在すると必要トルクを発生す
るために電流値が急激に上昇する。この微分値を制御弁
の操作量とする。このとき、油圧モータとして機能する
油圧容量装置2の容量を変化させる容量変化装置として
のシリンダ13,14は、弁の開度に対しほぼ積分器と
して動作するので、あたかも単一の電動モータを加速す
るように振る舞う。しかし、補償部20bの補償関数に
よっては必ずしも微分器20aは必要ではない。
【0027】ここで、図1及び図2に示したパワーパッ
ケージの作用をもう少し詳細に説明する。先ず、主軸1
に連結する電動モータ7を除いて考えるものとする。斜
板10の傾転角がゼロのとき、油圧容量装置(ポンプ又
はモータ)2は、トルクを出力しない状態である。
【0028】次に、制御弁30のスプール32を+方向
に変位させて、図1に示すように斜板10を正方向に傾
転させると、油圧容量装置2は蓄圧タンク(高圧ポー
ト)8の圧油が作用するために、油圧モータとして機能
して主軸1に対してトルクを発生し、図示しない負荷装
置を加速する。このときの動力は蓄圧タンク8のディス
チャージによって発生する。
【0029】そして、所望の軸速度に近付くとき、制御
弁30のスプール32を逆方向に変位させることによっ
て、斜板10の傾転角をゼロに戻すと、主軸1は慣性で
等速運動するようになる。このとき、斜板10の傾転角
がゼロなので動力を必要としない。
【0030】次に、主軸1の回転を停止させるすると
き、再度制御弁30のスプールを−方向に変位させて、
斜板を10を負方向に傾転させると、蓄圧タンク8の圧
油が作用して制動トルクが得られる。このとき、油圧容
量装置2は油圧ポンプとして機能し、負荷の慣性動力は
そのポンプ出力により蓄圧タンク8に回収されて蓄わえ
られる。
【0031】すなわち、加速トルクは高圧ポートから低
圧ポートへの流れで発生し、制動トルクは、この反対の
流れで発生する。従って、これらのエネルギ収支に損失
がなければ、この装置は永久機関となる。しかしなが
ら、負荷装置及びこの回転運動装置には回転摺動摩擦や
作動油の漏れ等による動力損失が発生する。
【0032】これを補償する目的で電動モータ7があ
る。従って、油圧容量装置2の軸に対して電動モータ7
の軸トルクが伝達される必要があり、そのため両者を回
転方向に拘束する。さて、電動モータドライバ19とコ
ントローラ20は、上記動力損失を補償するように電動
モータ7を回転させ、且つ油圧容量装置2の軸回転を制
御する必要がある。
【0033】この摩擦によるトルクの補償のために、電
動モータ7のトルクの発生によって油圧容量装置2に斜
板傾転角を発生させるように制御するコントローラ20
を設けている。一方、作動油の漏れを補償するために、
本来なら斜板10がゼロ傾斜の状態で出力軸1が回転す
るはずの慣性動作時に、ごく少量の負傾転を発生させる
様にし、油圧容量装置2が油圧ポンプとして動作するよ
うにする。すなわち、その油圧ポンプを電動モータ7が
回転させていることになる。
【0034】このように、永久機関となり得ない損失分
のみを負担する電動モータ7を油圧容量装置2に組合せ
てパワーパッケージを構成することによって、見掛け上
永久機関のように振舞うのである。また、上述のように
負荷装置が慣性のみであれば、蓄圧タンク8の蓄圧量で
充分であるが、そうでないとき、定常負荷トルクを電動
モータが負担するようにもできるが、その場合には大型
の電動モータを用いる必要がある。
【0035】図4は、この実施例の電気油圧式回転運動
装置及び負荷装置の全体の制御系を伝達関数で示す図で
ある。この図において、C(s)は補償関数,Tdは微分
定数,kmは電動モータ7のトルク定数であり、kθ/
Sについては後述する。負荷装置において、Iは慣性モ
ーメント,Cは粘性抵抗等である。1/(IS+C)の
伝達関数は、角速度をω,トルクをTとすると、数1の
運動方程式に依存する。
【0036】
【数1】
【0037】ここで、上記伝達関数kθ/Sについて説
明する。図1において、制御弁30のスプール32の変
位量をx(+,−がある),制御弁30からシリンダ1
3(又は14)への作動油の流量をkq,シリンダ13
(又は14)のピストン13a(又は14a)の変位量
をX,変位速度をXv,斜板10の回動中心からピスト
ン13a(又は14a)との当接点までの距離をL,ピ
ストン13a(又は14a)の内径による面積をApと
する。
【0038】そして、変位速度Xvは制御弁スプールの
変位量xに対して数2の(a)式で表わせるものとすれ
ば、Xv=dX/dtであるから数2の(b)式とな
り、これをラプラス変換して数2の(c)式が得られ
る。
【0039】
【数2】
【0040】また、X=Lsinθ であるから sinθ=X
/L であり、θが小さいのでθ=X/L と近似でき、
X=θL となる。これを数2の(c)式のXに代入て
して整理すると数3の式となる。ここで、kθ=kq/
Ap・L として図4に示した伝達関数 kθ/S を得
る。
【0041】
【数3】
【0042】次に、この実施例において図2に示される
蓄圧タンク8と作動油貯蔵タンク9の機能について詳述
する。
【0043】蓄圧タンク8内には作動油が導入される
が、中空弾性体による蓄圧器17内には高圧の気体(ガ
ス)を導入して密封されている。したがって、蓄圧タン
ク8内の作動油の圧力が上昇すると、蓄圧器17内の気
体を圧縮して、その気体圧力と作動油圧力が釣り合うよ
うに弾性体の隔壁が変位する。このとき、気体の体積弾
性係数は作動油のそれよりも格段に低いので、気体が圧
縮される量が非常に多く、そのため畜圧器として用いら
れる。
【0044】また、蓄圧タンク8内の作動油が導入され
る部位の圧力が低下すれば、上記釣り合いがくずれ、蓄
圧器17内の蓄圧していた気体が膨張して隔壁を拡張す
るため、作動油はただちに放出される。この放出作用を
油圧源として用いることができるのである。
【0045】一方、作動油貯蔵タンク9内にも同様な中
空弾性体18を備えているが、これは気体導入部を大気
に開放しているため蓄圧作用は殆んど発生せず、この作
動油貯蔵タンク9の機能は、一般的になりサーバタンク
と何等変わりはない。しかし、外気を隔離することによ
って、コンタミネーションや気泡の混入又は油漏れなど
を抑える効果が期待できる。
【0046】これらの蓄圧器がどのように動作するかに
ついて図5を参照して説明する。 (a)に示す状態では、主軸1の回転にも拘らず畜圧タ
ンク8の収支はない。
【0047】(b)に示す状態では、主軸1に正転トル
クが発生する。 このとき、この正転トルクと同一方向に主軸1が回転
(加速)すれば、蓄圧タンク8に畜圧された作動油は放
出されて作動油貯蔵タンク9に流入し、油圧容量装置2
は油圧モータとして機能する。 正転トルクと反対方向に主軸1が回転(減速)すれ
ば、作動油貯蔵タンク9から作動油を吸い上げて蓄圧タ
ンク8に蓄圧され、油圧容量装置2は油圧ポンプとして
機能する。
【0048】(c)に示す状態では、主軸1に反転トル
クが発生する。 このとき、この反転トルクと同一方向に主軸が回転
(加速)すれば、蓄圧タンク8に畜圧された作動油は放
出されて作動油貯蔵タンク9に流入し、油圧容量装置2
は油圧モータとして機能する。 反転トルクと反対方向に主軸1が回転(減圧)すれ
ば、作動油貯蔵タンク9から作動油を吸い上げて蓄圧タ
ンク8に蓄圧され、油圧容量装置2は油圧ポンプとして
機能する。
【0049】一般的に、主軸1の動作は上記のいずれか
の組み合わせで行われる。一例として、この主軸1に慣
性モーメントのみの負荷を設けるとしたときの動作を考
える。次のA〜Dの場合の作動油の流れは右側に示すよ
うになる(×は作動油の流れがないことを示す)。
【0050】 A.(b)−で負荷を加速(モータ) 高→低 B.(a)で慣性のみによる定常回転 × C.(b)−で負荷を減速(ポンプ) 高←低 D.(a)で停止 ×
【0051】このとき、各部の動力ロスを無視すれば、
A.行程で放出した圧油を、C.行程でそのまま回収す
るものとなる。従って、この装置を用いたとき、慣性の
みの負荷は外部からの動作は全く不要とし得る。しかし
ながら、前述のロスは無視できないため、その分を外部
から補う手段として電動モータ7を主軸1に取り付け、
ロスに相当するトルクをこの電動モータが発生するトル
クで補助するようにしている。
【0052】勿論、油圧容量装置2と電動モータ7の分
担は任意に設定できるが、蓄圧タンク8の容量には制限
があるので、上記慣性のみの分担とすることが望まし
い。このときの最大蓄圧容量は、慣性モーメントの最大
速度エネルギに相当する量が必要となる。
【0053】また、正,反いずれかのトルクを発生する
ために斜板10が正または負の傾転となっていても、主
軸1が停止していれば、蓄圧タンク8に作動油の収支は
ない。このため、クランプトルク等を発生しても動力消
費がない。なお、油圧容量装置とその容量変化装置とし
て斜板式のものを用いた例について説明したが、これに
代えてラジアルピストンタイプやベーンタイプ等のもの
をを用いてもよい。
【0054】次に、この発明の他の実施例として、上述
の実施例における電動モータに代えて内燃機関(ガソリ
ンエンジン)等の原動機を用いて構成した原動機油圧式
回転運動装置について図6によって説明する。なお、こ
の図6において、図1及び図2と対応する部分には同一
符号を付してあり、それらの説明は省略する。但し、本
図では制御弁30は三方向制御弁であるが、その動作は
概略1図の場合と同様である。
【0055】この実施例は、斜板式の油圧容量装置2の
出力軸である主軸と内燃機関40のクランク軸40aと
を連結して一体的に構成したものであり、アクセルペダ
ル41の踏込量に応じて燃料噴射器(又はスロットル
弁)43を制御して、内燃機関41のクランク軸40a
の回転を制御する。
【0056】また、そのアクセルペダル41の踏込速度
に比例した信号を速度検出器45によって発生させ、そ
れによって制御弁30のスプール32を図で上方に変位
させるための操作量信号を発生し、ブレーキペダル42
の踏込速度に比例した信号を速度検出器46によって発
生させ、それによって上記スプール32を図で下方に変
位させるための操作量信号をを発生して、それぞれ電磁
アクチュエータ34に駆動電流を流すようにコントロー
ラ44を構成する。
【0057】一般に内燃機関の出力軸回転速度はアクセ
ルペダルの踏込によって発生する加速度によって回転速
度を増加するものであるが、この実施例では油圧容量装
置2に対し、アクセルペダル41の踏込速度に比例して
斜板10を正傾転させ、その傾転角に比例した補助トル
クを得る。このとき、斜板10の傾転速度はスプール3
2の変位すなわち、アクセルペダル41の踏込速度に比
例するものであるから、油圧容量装置2によって発生す
るトルク量はアクセルペダル41の踏込量に比例するも
のと言える。
【0058】一方、ブレーキペダル42はアクセルペダ
ル41の作用に対し反対向きの斜板傾転角を得るもの
で、油圧容量装置2に制動トルクを発生させる制御手段
となる。その際、主軸1の慣性によるエネルギが回収さ
れ、蓄圧タンク8に作動油のエネルギとして蓄えられ
る。この様に、この実施例の回転運動装置は、従来の内
燃機関と同様の取り扱いが可能になる。
【0059】これに対して、他の制御方法として、斜板
10の傾転傾角を角度センサによって検出して、その検
出信号をコントローラ44にフィードバックするように
し、コントローラ44は入力信号に対し、それに比例し
て斜板10の傾転角を制御するものとし、アクセルペー
ダル41の踏込量によって正の信号を、ブレーキ踏込量
によって負の信号を発生し、これをコントローラ44に
入力することによって制御弁30を制御して油圧容量装
置2の容量を変化させることもできる。
【0060】この方法を採用すると、その作用は前例と
ほぼ同様であるが、前例で問題となる中立位置の変動が
改善される。すなわち、アクセルを一度踏んで直ちに離
したとき、前例では斜板が中立に戻る保証がない(例え
ば、速度検出器45,46の正負出力にずれがあるなど
のため)が、後例によればそれが保証される。
【0061】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の回
転運動装置によれば以下に列挙する効果が得られる。 (1) 慣性負荷の加減速に動力を消費しないため省エネル
ギ効果がある。 (2) 慣性負荷の加減速に可変容量形油圧モータ及びポン
プの機能を持つ油圧容量装置を用いるため、瞬時トルク
に対する動力密度が高く、電動モータあるいは原動機の
みに対し小型化できる上、電動モータの場合は配線が細
くて済み、起動機も小型でよい。
【0062】(3) 別に油圧源やその配管などを設ける必
要がないので小型化でき、取り扱いにも便利である。 (4) 作動油の量が少なくてよい。 (5) トルク(推力)を制御するとき、昇圧ボリウムの影
響がないので高応答である。 (6) 作動油が外昇と隔離されているため、コンタミネー
ションの問題が起きにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す電気油圧式回転運動
装置の斜板の回動軸に直交する方向の断面をその制御手
段と共に示す断面図である。
【図2】図1のZ−Z線に沿う断面図である。
【図3】図1及び図2に示す実施例における油圧容量装
置の制御系を示すブロック図である。
【図4】同じくその回転運動装置及び負荷装置の全体の
制御系を伝達関数で示す図である。
【図5】図2における蓄圧タンク8及び作動油貯蔵タン
ク9の機能を説明するための説明図である。
【図6】この発明の他の実施例を示す原動機油圧式回転
運動装置の斜板の回動軸に直交する方向の断面をその制
御手段と共に示す断面図である。
【図7】従来の回転運動装置の一例として電気−油圧パ
ルスモータの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1:主軸 2:油圧容量装置 4,5,6:主軸の
軸受 3a,3b:ケーシング 7:電動モータ
8:蓄圧タンク 9:作動油貯蔵タンク 10:斜板 11:斜板の軸受 12:シューリン
グ 13,14:シリンダ 13a,14a:ピス
トン 17:中空弾性体による蓄圧器 18:中空
弾性体 19:電動モータドライバ 20:コント
ローラ 21:シリンダブロック 22:シリンダ
穴 23:ピストン 24:弁板 25:電源 30:比例電磁式三方向制御弁 3
2:スプール 33:スプリング 34:電磁アク
チュエータ 40:内燃機関(原動機) 41:ア
クセルペダル 42:ブレーキペダル 43:燃料
噴射器(スロットル弁) 44:コントローラ 4
5,46:速度検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // F15B 11/02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータと、可変容量形油圧モータ及
    びポンプの機能を持つ油圧容量装置と、該油圧容量装置
    の容量を変化させる容量変化装置と、該容量変化装置を
    制御する制御弁と、該制御弁及び前記電動モータに操作
    指令を送る制御手段と、前記油圧容量装置の高圧ポート
    に連通する蓄圧タンク及び低圧ポートに連通する作動油
    貯蔵タンクとからなり、 前記電動モータと前記油圧容量装置とを同一回転軸線上
    に配置し、且つ同期回転運動をするように拘束してなる
    ことを特徴とする回転運動装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関等の原動機と、可変容量形油圧
    モータ及びポンプの機能を持つ油圧容量装置と、該油圧
    容量装置の容量を変化させる容量変化装置と、該容量変
    化装置を制御する制御弁と、該制御弁及び前記原動機に
    操作指令を送る制御手段と、前記油圧容量装置の高圧ポ
    ートに連通する蓄圧タンク及び低圧ポートに連通する作
    動油貯蔵タンクとからなり、 前記原動機と前記油圧容量装置とを同一回転軸線上に配
    置し、且つ同期回転運動をするように拘束してなること
    を特徴とする回転運動装置。
  3. 【請求項3】 前記蓄圧タンク及び作動油貯蔵タンクを
    前記油圧容量装置のケーシングに固設したことを特徴と
    する請求項1又は2記載の回転運動装置。
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