JPH0776297B2 - レゾール型フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

レゾール型フェノール樹脂成形材料

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JPH0776297B2
JPH0776297B2 JP62329562A JP32956287A JPH0776297B2 JP H0776297 B2 JPH0776297 B2 JP H0776297B2 JP 62329562 A JP62329562 A JP 62329562A JP 32956287 A JP32956287 A JP 32956287A JP H0776297 B2 JPH0776297 B2 JP H0776297B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レゾール型フェノール樹脂成形材料に関する
ものである。
〔従来技術〕
最近、自動車部品の小型高性能化、高機能化、合理化
(コストダウン)に伴い材料の見直しが盛んに行われて
いる中で、ガラス繊維を高充填したフェノール樹脂成形
材料が機構部品に数多く使用されてきている。
これは、ガラス繊維を高充填にしたフェノール樹脂成形
材料が耐熱性、寸法安定性、強度、応力緩和特性等に優
れているからに他ならない。
しかし、ガラス繊維を主フィラーにした成形材料は摺動
あるいは、振動摩耗特性等に欠点があることは周知の事
実であり、部品によっては問題となるケースも少なくな
い。この点を鑑みて特開昭58−231414号公報にガラス繊
維、有機天然繊維及びシリカ粉末をある範囲で配合する
ことにより耐熱性、強度をそれ程損わずに摺動摩耗特性
を大幅に改良した特許が開示されているが、その特許請
求の範囲に記載されているように有機天然繊維の配合量
が全量に対し8〜24%と多い関係より、本来のガラス高
充填のフェノール樹脂成形材料の特徴である耐熱性、寸
法安定性、応力緩和特性等が低下し、また材料の嵩密度
が小さくなるため、成形時のホッパーブリッジによる計
量安定性等に問題があった。
また、ガラス繊維を主フィラーとしたフェノール樹脂成
形材料は数多く上市されているが、いずれも摩耗特性に
問題があるものである。
〔発明の目的〕
本発明はこの点を改良すべく、即ちガラス高充填のフェ
ノール樹脂成形材料の特徴をできるだけ損うことなく耐
振動摩耗特性及び成形性に優れた材料を提供せんことを
目的として、鋭意研究を重ねる中で、ガラス繊維に平均
粒径5μ以下のシリカ微粉末と有機天然繊維を少量添加
することにより、ガラス高充填のフェノール樹脂成形材
料の特徴を損わずに振動摩耗量が著しく減少することを
見出し、本発明に至ったものである。
〔発明の構成〕
本発明は、ガラス繊維、有機天然繊維及び平均粒径5μ
以下のシリカ粉末の含有量が全量に対し55〜65重量%
で、三成分の組成比が90〜95/2〜5/3〜5重量%になる
ように配合して成ることを特徴とするレゾール型フェノ
ール樹脂成形材料に係わるものである。
ここでは用いられるレゾール型フェノール樹脂はメチロ
ール型、ジメチレンエーテル型いずれも又この併用も可
能であり、特にジメチレンエーテル型のものを使用すれ
ば硬化性と熱安定性に優れた成形材料とすることが可能
である。
ここで、レゾール型フェノール樹脂に限定しているの
は、部品の小型化に伴うコイルの銅巻線の微細化、ある
いは銅、銅合金接点の腐食問題がクローズアップしてき
ていること、ハンダ接合時の耐熱性問題等を考慮しての
ことである。
次に充填剤であるが、ここで用いるガラス繊維は、通常
成形材料に用いられているチョップドストランドであれ
ば何でも良いが、材料化した時の均一分散性より繊維長
は1〜6mmのものが良好である。又、有機天然繊維は、
解綿パルプ、粉末パルプ、粉砕布等を使用することがで
きるが、材料化した際の解繊度、分散性、材料の嵩ばり
等より、繊維長は1mm以下の細かいものが望ましい。
シリカ微粉末は平均粒径5μ以下のものであればいずれ
も耐振動摩耗性を向上させる効果があるが、特に日本エ
アロジル(株)のエアロジル(超微粒子無水シリカ)、
日本シリカ工業(株)のニップシール、塩野義製薬
(株)カープレックス(超微粒子ケイ酸)が望ましい。
充填剤の組成は、全量に対し65重量%以上であると材料
化が難しく、材料化できても流動性が乏しくなり成形上
支障をきたすことになる。また、55重量%以下であると
成形物の耐熱性、強度、寸法安定性等に問題を生じるこ
とより充填材の組成は55〜65重量%が望ましい。又、三
成分の組成比で、ガラス繊維の組成が三成分の中で95重
量%を越えると振動摩耗量が急激に多くなり、90重量%
より少ないと応力緩和特性、耐熱性、寸法安定性等が損
われてくる。有機天然繊維は三成分の中で5重量%を越
えると、材料の耐熱性、寸法安定性が損われてくるし、
又、2重量%より少ないと振動摩耗量が多くなる。平均
粒径5μ以下のシリカ微粉末は三成分の中で5重量%を
越えると、応力緩和特性が悪くなるし、3重量%以下で
は振動摩耗量が急激に多くなる。従って三成分の組成比
は上記組成のものが望ましい。
材料化の方法は、樹脂、充填材、添加材等の混合物をロ
ール、コニーダ、押出し機等を利用して加熱溶融混練し
た後、ペレット化あるいはシートを冷却後粉砕して材料
化する方法、あるいは充填材、添加剤にワニスを加え、
ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を利用し、撹
拌することにより樹脂を充填材に含浸させた後溶剤を除
去して材料化する方法がある。いずれの製造方法でも、
特許請求の範囲の組成であれば、振動摩耗特性に優れた
材料が得られるが、耐熱性、寸法安定性、応力緩和特性
等の点から、残存する揮発分の少ない材料が得られるロ
ール、コニーダ、押出し機で製造するのが望ましい。
〔発明の効果〕
上述の如き得た成形材料を通常の成形方法で加熱、加圧
し硬化させて得た成形品は、充填材を所定のものを使用
し、所定量に配合されてあるので、ガラス繊維高充填フ
ェノール樹脂成形材料の特長である耐熱性、寸法安定
性、強度、応力緩和特性に優れ、振動摩耗特性にも優れ
た成形品を得ることができる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例及び比較例に基づき説明する。
表1のような配合処方についてロール又は押出し機によ
って加熱混練し、各成形材料を得、各特性を測定し表1
に示した。充填剤がガラス繊維のみの比較例1は振動摩
耗量が非常に大きく、更にシリカを添加した比較例2で
もまだ大きい。充填剤が3成分の比較例3で本発明の範
囲外のものも他の特性が悪い。本発明の実施例1〜3は
特性が全て良好なものが得られた。
注1)樹脂A、Bはそれぞれ住友デュレズ(株)のレゾ
ール樹脂PR−51650、PR−53235、ガラス繊維A、Bはそ
れぞれ旭ファイバーグラス(株)、日本電気硝子(株)
の3mm長のチョップドストランド、有機天然繊維A、B
はそれぞれ山陽国策パルプ(株)パルプフロックW−
1、(株)川人商店80Meパス粉砕布、又シリカ微粉末
A、Bはそれぞれ日本シリカ工業(株)ニップシールE2
00(平均粒径2.5μ)、日本エアロジル(株)エアロジ
ル130(平均粒径16mμ)を用いた。
又、硬化助剤、離型剤はそれぞれ水酸化カルシウム、ス
テアリン酸を用いた。
注2)応力保持率はASTM F38B法による。条件は下記の
通り。
試験片厚み:6mm 締付け圧力:1.5kgf/mm2 前処理:150℃、4hrs 試験条件:200℃、8hrs 注3)振動摩耗量は住友ベークライト(株)作製、振動
摩耗試験機により測定。データは成形品の摩耗量(最大
摩耗深さ)。条件は下記の通り。
相手材:桐片 試験片/相手材の距離:0.5mm 振動回数:100回/秒 試験時間:2hrs 注4)寸法安定性はJISK6911の収縮試験片を前処理(E
−8/180)した後、230℃、500hrs処理した後の成形品基
準の変化率。
注5)曲げ強さ、熱変形温度(18.6kgf/mm2)はJISK691
1の試験片による。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス繊維、有機天然繊維及び平均粒径5
    μm以下のシリカ粉末を全量に対し55〜65重量%で、三
    成分の組成比が90〜95/2〜5/3〜5重量%になるように
    配合して成ることを特徴とするレゾール型フェノール樹
    脂成形材料。
JP62329562A 1987-12-28 1987-12-28 レゾール型フェノール樹脂成形材料 Expired - Fee Related JPH0776297B2 (ja)

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