JPH0776183B2 - 光学活性ボラン錯体を用いる光学活性アルコール誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性ボラン錯体を用いる光学活性アルコール誘導体の製造法

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JPH0776183B2
JPH0776183B2 JP4193835A JP19383592A JPH0776183B2 JP H0776183 B2 JPH0776183 B2 JP H0776183B2 JP 4193835 A JP4193835 A JP 4193835A JP 19383592 A JP19383592 A JP 19383592A JP H0776183 B2 JPH0776183 B2 JP H0776183B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な光学活性ボラン錯
体を用いる光学活性アルコール誘導体の製造法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は一般式(I) (式中、R1 はフェニル基を表わし、R2 はメチル基を
表わし、*は不斉炭素を表わす。)で示される光学活性
ボラン錯体を用いて非対称ケトンを還元することによる
光学活性アルコール誘導体の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】非対称ケ
トン、例えば一般式 (III) (式中、R3 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭
素数3〜8のシクロアルキル基またはハロゲン原子で置
換されていてもよい炭素数5〜8のシクロアルケニル基
を表わすか、または、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、シアノ基、
炭素数1〜4のアルコキシル基、フェノキシ基あるいは
フェニル基で置換されていてもよいフェニル基を表わ
す。R4 はイミダゾール−1−イル基または1,2,4
−トリアゾール−1−イル基を表わす。)
【0003】で示されるケトン化合物を還元して得られ
る一般式(IV) (式中、R3 ,R4 および*は前記と同じ意味を表わ
す。)
【0004】で示されるアルコール誘導体は例えば、1
−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1,2,4−
トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペ
ンテン−3−オール、1−(4−クロロフェニル)−2
−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−
ジメチル−1−ペンテン−3−オール、1−シクロヘキ
シル−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−
4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オールに代表さ
れるように、殺菌剤、植物生長調節剤または除草剤の有
効成分として有用であることが知られている(特開昭5
5−124771号公報、特開昭54−100547号
公報および特開昭55−111477号公報)。
【0005】そしてその活性においては、光学異性体の
間で顕著な差異があり、例えば、上記1−(2,4−ジ
クロロフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−
1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オ
ールおよび1−(4−クロロフェニル)−2−(1,
2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル
−1−ペンテン−3−オールにおいては、殺菌剤として
(−)体が、植物生長調節剤および除草剤として(+)
体が、強い効力を有することも知られている(特開昭5
7−99575号公報および特開昭57−106669
号公報)。このようなことから、その使用目的により
(−)体または(+)体の何れか一方の光学異性体を、
工業的に効率よく製造する方法の開発が望まれている。
【0006】従来、一般にケトン化合物のカルボニル基
を還元してアルコール化合物に導くための還元剤として
は、水素化アルミニウムリチウムや水素化ホウ素ナトリ
ウムに代表される種々の試薬が知られているが、これら
の試薬を用いた場合にはその還元生成物は光学不活性即
ちラセミ体であり、また、用いるケトン化合物に不飽和
結合を含む場合、例えばα,β−共役不飽和ケトンの還
元に用いた場合には、カルボニル基に加え二重結合部位
の還元も起こり易く、さらには、二重結合に関する立体
配置の異性化の可能性も生じてくる。
【0007】これまでにボラン錯体によるケトン化合物
の還元反応としては、光学活性フェネチルアミン・ボラ
ン錯体によるアセトフェノンの還元反応が知られている
が〔Broch ら、J.Org.Chem.,37
2347(1972)〕、該反応では光学収率が極めて
低い。また、式 で示されるボラン錯体が報告されているが〔T.Man
cilla ら、Tetrahedron Lette
r,23,1561(1982)〕、該ボラン錯体はラ
セミ体であり、本願のような光学活性アルコール誘導体
の製造法には利用できない。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような状況の下に、
本発明者らは非対称ケトン化合物を不斉還元して光学活
性アルコール誘導体を得る方法につき鋭意検討を重ねた
結果、前記一般式(I)で示される化合物を使用するこ
とにより、光学活性アルコール誘導体が良好な光学収率
で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、一般式(I) (式中、R1 はフェニル基を表わし、R2 はメチル基を
表わし、*は不斉炭素を表わす。)で示される光学活性
ボラン錯体で非対称ケトンを還元することを特徴とする
光学活性アルコール誘導体の製造法を提供するものであ
る。
【0010】以下に本発明について詳細に説明する。前
記一般式(I)で示される本発明化合物は、例えば一般
式(II) (式中、R1 ,R2 は前記と同じ意味を表わす。)で示
される光学活性アミノアルコールと酸類の塩に水素化ホ
ウ素金属を反応させた後、加水分解することによって得
られる。
【0011】一般式(II)で示される光学活性アミノア
ルコールと酸類との塩としては、例えば塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸等との鉱酸塩、酢酸などとのカルボン酸塩ま
たはp−トルエンスルホン酸等との有機スルホン酸塩な
どが挙げられる。該塩は塩そのものとして用いるか、あ
るいは製造に際し、予め系内で光学活性アミノアルコー
ルと酸より生成させてもよい。上述の水素化ホウ素金属
としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛
等が挙げられるが、通常入手の容易な水素化ホウ素ナト
リウムを用いることにより本発明の目的を充分に達成す
ることができる。
【0012】本発明化合物の製造において、水素化ホウ
素金属と光学活性アミノアルコールのモル比はホウ素換
算で0.7:1〜2:1、好ましくは0.7:1〜1.
3:1、より好ましくは1:1である。本発明化合物の
製造に用いられる溶媒は、反応に関与しないものであれ
ば特に限定されるものではないが、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水
素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素あるいはこれ
らの混合溶媒である。また、水素化ホウ素金属を溶解す
るために、通常例えばジメチルスルホキシド、ジグライ
ム、ジメチルホルムアミドまたは1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノンなどを併用することもできる。
【0013】また、反応温度は通常−78〜100℃の
範囲であり、好ましくは−40〜100℃の範囲であ
る。なお、反応は通常窒素やアルゴンなどの不活性ガス
の雰囲気下で行なわれる。
【0014】このようにして反応させた後、反応液に水
を加えて加水分解することによって本発明化合物を得る
ことができる。加水分解反応時に加える水は、中性でも
苛性ソーダ水等の塩基性でもよい。反応温度は通常0〜
60℃の範囲であり、好ましくは0〜30℃の範囲であ
る。このようにして得られた本発明化合物はカラムクロ
マトグラフィーのような通常の操作で精製することがで
きる。
【0015】次に本発明化合物を用いて非対称ケトンを
還元する方法について述べる。非対称ケトンとしては、
例えば前記一般式(III) で示されるケトン化合物が挙げ
られる。還元反応において用いる本発明化合物の量はケ
トン化合物1モルに対し、ホウ素換算で0.3モル以上
であり、通常0.3〜2モルの範囲であり、0.5〜1
モルの範囲でも充分に目的を達成することができる。ま
た、還元反応の溶媒は不活性溶媒であれば特に限定され
るものではないが、好適には、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、塩化メ
チレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩
化炭素などのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライムのような
エーテル類などの有機溶媒またはこれらの混合溶媒が用
いられる。還元反応の温度は通常−30〜100℃の範
囲であるが、工業的には−10〜50℃の範囲で行なわ
れる。還元反応は前述のような不活性ガスの雰囲気下で
行なわれる。
【0016】このようにして還元反応を行った後、通常
反応液に例えば塩酸および硫酸のような鉱酸の水溶液を
加え、有機層と水層に分液し、有機層を水洗、乾燥した
後、有機溶媒を留去することにより容易に目的とする光
学活性アルコール誘導体が得られる。光学収率は生成物
の旋光度を測定することにより、あるいは光学活性充填
剤を用いた高速液体クロマトグラフィーで直接エナンチ
オマー比を測定することにより求められる。
【0017】なお、使用した光学活性アミノアルコール
は上記反応後の水層にアルカリ水溶液を加え、有機溶媒
で抽出することにより立体配置を保持したまま容易に回
収され、再使用することができる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば光学活性ボラン錯体
(I)を用いることにより、効率良く、非対称ケトンか
ら光学活性アルコールを製造し得る。
【0019】
【実施例】 以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 参考例1 窒素雰囲気下、(+)−ノルエフエドリン塩酸塩0.3
38gを重クロロホルム5mlに懸濁させ−30℃に冷
却し水素化ホウ素ナトリウム0.0681gのジメチル
ホルムアミド1ml溶液を加え、−30℃より2時間を
要して室温とすると87mlの水素ガスが発生した。次
に、この溶液を2.5N水酸化ナトリウム水溶液で分解
した。有機層を水洗したのち、n−ヘキサン−酢酸エチ
ル(1/1)を展開液としてシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製すると、0.112gの結晶が得られ
た。11B核磁気共鳴スペクトル−20.5ppm(BF
3 ・OEt2 基準)m.p.93〜95℃(分解)この
結晶はX線回折により下記の構造を有する水素化ホウ素
化合物と同定された。
【0020】実施例1 参考例1 で得られた本発明化合物88mg(0.53m
mol)を1,2−ジクロロエタン2mlに溶解し、
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2−(1,2,
4−トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル−1
−ペンテン−3−オン290mg(1.0mmol)の
1,2−ジクロロエタン溶液2mlを滴下した。室温で
24時間反応後、2%塩酸を加え分液した。有機層を濃
縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して
180mgの1−(4−クロロフェニル)−2−(1,
2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル
−1−ペンテン−3−オールを得た。E体アルコール:
Z体アルコール=95.6:4.4であり、E体アルコ
ールのエナンチオマー比は(+)体:(−)体=19:
81であった。
【0021】実施例2 参考例1 で得られた本発明化合物166mg(1.02
mmol)を1,2−ジクロロエタン/ジメチルホルム
アミド=27ml/0.5mlの混合溶媒に溶解し、
(E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−ジ
メチル−1−ペンテン−3−オン975mg(3.0m
mol)の1,2−ジクロロエタン溶液5mlを滴下し
た。室温で16.5時間反応後、2%塩酸を加え分液し
た。有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製して624mgの1−(2,4−ジクロロフ
ェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オールを
得た。E体アルコール:Z体アルコール=93.8:
6.2であり、E体アルコールのエナンチオマー比は
(+)体:(−)体=18:82であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 5/02 D 7457−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R1 はフェニル基を表わし、R2 はメチル基を
    表わし、*は不斉炭素を表わす。)で示される光学活性
    ボラン錯体で非対称ケトンを還元することを特徴とする
    光学活性アルコール誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】非対称ケトンが一般式 (III) (式中、R3 はハロゲン原子で置換されていてもよい炭
    素数3〜8のシクロアルキル基またはハロゲン原子で置
    換されていてもよい炭素数5〜8のシクロアルケニル基
    を表わすか、または、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、シアノ基、
    炭素数1〜4のアルコキシル基、フェノキシ基あるいは
    フェニル基で置換されていてもよいフェニル基を表わ
    す。R4 はイミダゾール−1−イル基または1,2,4
    −トリアゾール−1−イル基を表わす。)で示される化
    合物である特許請求の範囲第1項に記載の製造法。
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