JPH1045688A - 光学活性アミノアルコール類の製法 - Google Patents

光学活性アミノアルコール類の製法

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JPH1045688A
JPH1045688A JP21009396A JP21009396A JPH1045688A JP H1045688 A JPH1045688 A JP H1045688A JP 21009396 A JP21009396 A JP 21009396A JP 21009396 A JP21009396 A JP 21009396A JP H1045688 A JPH1045688 A JP H1045688A
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acid
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amino
alkyl group
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JP21009396A
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Masashi Kamitamari
正史 上玉利
Yukio Komeyoshi
幸夫 米由
Takeo Suzukamo
剛夫 鈴鴨
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性アミノアルコール類〔I〕をケトオ
キシムエーテル類〔II〕から一挙にしかも効率良く製造
する方法を提供する。 【解決手段】 光学活性2-ヒドロキシエチルアミン類[I
II] と水素化ホウ素金属と酸から得られるボラン化合物及び
水素化ホウ素金属からなる混合物に、ケトオキシムエー
テル類[II] のシン体、アンチ体、又はこれらの一方が過剰である混
合物と酸とを作用させることを特徴とする光学活性アミ
ノアルコール類[I] の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性アミノア
ルコール類の製造方法に関し、詳しくは対応するケトオ
キシムエーテル類を、不斉還元することを特徴とする光
学活性アミノアルコール類の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光学活
性アミノアルコール類は、医農薬の中間体、不斉合成反
応における不斉源等として有用であり、対応するケトオ
キシム類から3段階の工程を経て製造することも知られ
ている。例えば、R1 がp-クロロフェニル基、R2 がメ
チル基に相当する光学活性な2-アミノ-1-(4-クロロフェ
ニル) プロパン-1- オ−ルは、対応するケトオキシムエ
ーテル類のオキシム基をパラジウム触媒下に接触還元
することによりアミノ基に変換し、次いでカルボニル
基を水素化ホウ素ナトリウムで還元することによりアル
コールに変換し、しかる後に得られた2-アミノ-1-(4-
クロロフェニル)プロパン-1- オ−ルのラセミ体を光学
分割することにより製造することが知られている(Journ
al of the Tennessee Academy of Science 49(4),134(1
974) )。しかしながら公知方法は、3段階の工程を経て
製造するため、多種多様の原料、製造設備を必要とする
のみならず操作が煩雑になる等の工業上の問題があっ
た。
【0003】本発明者らは、かかる工業上の問題点のな
い光学活性アミノアルコール類の製造方法を見出すべく
鋭意検討を重ねた結果、対応するケトオキシム類を不斉
還元することにより、一挙に目的とする光学活性アミノ
アルコール類が得られることを見出すとともに、さらに
種々の検討を加えて本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式〔III 〕
【0005】
【0006】(式中、R4,R5 は、水素原子、アルキル
基、又はハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ
基で置換されていても良いフェニル基を表し、R6 はア
ルキル基、又はハロゲン原子、アルキル基もしくはアル
コキシ基で置換されていても良いフェニル基を表し、*
は、不斉炭素を表す。)で示される光学活性2-ヒドロキ
シエチルアミン類と水素化ホウ素金属と酸から得られる
ボラン化合物及び水素化ホウ素金属からなる混合物に、
一般式〔II〕
【0007】
【0008】(式中、R1,R2 は、それぞれアルキル基
又はハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で
置換されていても良いフェニル基を表し、R3 は、アル
キル基、アラルキル基又はアルキルシリル基を表す。)
で示されるケトオキシムエーテル類のシン体、アンチ
体、又はこれらの一方が過剰である混合物と酸とを作用
させて不斉還元することを特徴とする一般式〔I〕
【0009】
【0010】(式中、R1,R2,*は、前記と同じ意味を
表す。)で示される光学活性アミノアルコ−ル類の工業
的に優れた製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、一般式〔II〕で示されるケトオキシムエーテ
ル類を原料とするものであるが、置換基R1,R2 として
は、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、
n-ブチル, i-ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキ
シル、シクロヘキシル等の炭素数1〜6のアルキル基、
フェニル、o-,m-,p-クロロフェニル、o-,m-,p-ブロモフ
ェニル、o-,m-,p-メチルフェニル、o-,m-,p-エチルフェ
ニル、o-,m-,p-プロピルフェニル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6
- ジメチルフェニル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6- ジエチルフ
ェニル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6- ジプロピルフェニル、o
-,m-,p-メトキシフェニル、o-,m-,p-エトキシフェニ
ル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6- ジメトキシフェニル、2,3-,
2,4-,2,5-,2,6- ジエトキシフェニル等のハロゲン原
子、炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数1〜4の
アルコキシ基で置換されていても良いフェニル基などが
挙げられる。
【0012】またR3 としては、例えばメチル、エチ
ル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル, i-ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等の炭素数1〜
8のアルキル基、ベンジル、β−フェネチル、ナフチル
メチル等の炭素数7〜11のアラルキル基、トリメチル
シリル、ジメチル-t- ブチルシリル、トリ-n- プロピル
シリル、トリ-n- ブチルシリル等の炭素数3〜12のア
ルキルシリル基などが挙げられる。
【0013】ケトオキシムエーテル類〔II〕の代表的化
合物としては、例えば1-メチル-1,2- プロパンジオン-2
- オキシムエ−テル、1-メチル-1,2- ブタンジオン-2-
オキシムエ−テル、1-エチル-1,2- プロパンジオン-2-
オキシムエ−テル、1-エチル-1,2- ブタンジオン-2- オ
キシムエ−テル、1-フェニル-1,2- プロパンジオン-2-
オキシムエ−テル、1-(2- メチルフェニル)-1,2-プロパ
ンジオン-2- オキシムエ−テル、1-(2,5- ジメチル)-1,
2-プロパンジオン-2- オキシムエ−テル、1-(2,5- ジメ
トキシ)-1,2-プロパンジオン-2- オキシムエ−テル、1-
プロピル-1,2-ペンタンジオン-2- オキシムエ−テル、
1,2-ジフェニル-1,2- プロパンジオン-2- オキシムエー
テルなどのO−メチル体、O−ベンジル体およびO−ト
リメチルシリル体等が挙げられる。
【0014】ケトオキシムエーテル類〔II〕は、例えば
J.Org.Chem.,7,408(1942).等に記載の方法に準拠して、
ケトン類と亜硝酸n-ブチルを反応させてケトオキシム類
を得、次いでハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ル、ハロゲン化アルキルシリル等を反応させることによ
り製造し得る。
【0015】本発明は、上記のようなケトオキシムエー
テル類〔II〕を不斉還元するものであるが、不斉還元は
光学活性2-ヒドロキシエチルアミン類〔III 〕と水素化
ホウ素金属と酸から得られるボラン化合物及び水素化ホ
ウ素金属からなる混合物に、ケトオキシムエーテル類
〔II] のシン体、アンチ体、又はこれらの一方が過剰で
ある混合物と酸とを作用させることにより実施される。
【0016】ここで、光学活性2-ヒドロキシエチルアミ
ン類〔III 〕における置換基R4,R 5 としては、例えば
水素原子、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、
n-ブチル, i-ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキ
シル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル等の炭素数
1〜8のアルキル基、フェニル、o-,m-,p-クロロフェニ
ル、o-,m-,p-ブロモフェニル、o-,m-,p-メチルフェニ
ル、o-,m-,p-エチルフェニル、o-,m-,p-プロピルフェニ
ル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6- ジメチルフェニル、2,3-,2,4
-,2,5-,2,6- ジエチルフェニル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6-
ジプロピルフェニル、o-,m-,p-メトキシフェニル、o-,m
-,p-エトキシフェニル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6- ジメトキ
シフェニル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6- ジエトキシフェニル
等のハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基もしくは
炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていても良いフ
ェニル基が挙げられ、R6 としては、メチル、エチル、
n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル, i-ブチル、ペンチ
ル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプ
チル、オクチル等の炭素数1〜8のアルキル基、
【0017】フェニル、o-,m-,p-クロロフェニル、o-,m
-,p-ブロモフェニル、o-,m-,p-メチルフェニル、o-,m-,
p-エチルフェニル、o-,m-,p-プロピルフェニル、2,3-,
2,4-,2,5-,2,6- ジメチルフェニル、2,3-,2,4-,2,5-,2,
6- ジエチルフェニル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6- ジプロピ
ルフェニル、o-,m-,p-メトキシフェニル、o-,m-,p-エト
キシフェニル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6- ジメトキシフェニ
ル、2,3-,2,4-,2,5-,2,6-ジエトキシフェニル等のハロ
ゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1
〜4のアルコキシ基で置換されていても良いフェニル基
が挙げられる。
【0018】光学活性2-ヒドロキシエチルアミン類〔II
I 〕の具体的化合物としては、例えば光学活性なノルエ
フェドリン、エフェドリン、2-アミノ-1-(2,5-ジメチル
フェニル)-1-プロパノール、2-アミノ-1-(2,5-ジメトキ
シフェニル)-1-プロパノール、2-アミノ-1-(2,5-ジエト
キシフェニル)-1-プロパノール、2-アミノ-1-(2,5-ジプ
ロポキシフェニル)-1-プロパノール、2-アミノ-1-(2-メ
トキシフェニル)-1-プロパノール、2-アミノ-1-(2-エト
キシフェニル)-1-プロパノール、2-アミノ-1-(2-プロポ
キシフェニル)-1-プロパノール、2-アミノ-1-(2-メチル
フェニル)-1-プロパノール、2-アミノ-1-(2-メトキシ-5
- メチルフェニル)-1-プロパノール、2-アミノ-1-(4-メ
トキシ-2- メチルフェニル)-1-プロパノール、2-アミノ
-1-(2-エトキシ-5- メチルフェニル)-1-プロパノール、
2-アミノ-1-(2,4-ジメチルフェニル)-1-プロパノール、
2-アミノ-1-(2,4,6-トリメチルフェニル)-1-プロパノー
ル、2-アミノ-1-(1-ナフチル)-1-プロパノール、2-アミ
ノ-1-(2-ナフチル)-1-プロパノール、2-アミノ-1,2- ジ
フェニルエタノール、
【0019】2-アミノ-1,1- ジフェニル-1- プロパノー
ル、2-アミノ-1,1- ジフェニル-3- メチル-1- ブタノー
ル、2-アミノ-1,1- ジフェニル-4- メチル-1- ペンタノ
ール、2-アミノ-1,1- ジフェニル-1- ブタノール、2-ア
ミノ-1,1,3- トリフェニル-1-プロパノール、2-アミノ-
1,1,2- トリフェニル-1- エタノール、2-アミノ-3- メ
チル-1- ブタノール、2-アミノ-4- メチル-1- ペンタノ
ール、2-アミノ-1- プロパノール、2-アミノ-3- フェニ
ル-1- プロパノール、2-アミノ-2- フェニル-1-エタノ
ール等が挙げられる。 光学活性2-ヒドロキシエチルア
ミン類〔III 〕は、ケトオキシムエーテル類〔II〕に対
して、通常0.05〜2モル倍、好ましくは0.1 〜1モル倍
使用される。
【0020】水素化ホウ素金属としては、例えば水素化
ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素カリウム、水素化ホウ素亜鉛等が挙げられるが、水素
化ホウ素ナトリウムが好ましく使用される。ボラン化合
物を調製する場合と、ケトオキシムエーテル類〔II〕を
還元する場合とでは、異なる水素化ホウ素金属を用いて
も良いが、通常は同じものが用いられる。また酸として
は、例えば硫酸、酢酸、リン酸、メタンスルホン酸、p-
トルエンフルホン酸、塩化水素等のブレンステッド酸、
塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化シルミニウム、臭化ア
ルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、三塩化スズ、
ヨウ素等のルイス酸等が挙げられる。ボラン化合物を調
製する場合と、ケトオキシムエーテル類〔II〕を還元す
る場合とでは、異なる酸を用いても良いが、通常は同じ
ものが用いられる。
【0021】ボラン化合物を調製する場合、ケトオキシ
ムエーテル類〔II〕を還元する場合、いづれの場合も、
溶媒が通常用いられる。前者と後者では用いる溶媒が異
なっても良いが、通常は同じものが用いられる。溶媒と
しては、反応を阻害しないものであれば特に制限はない
が、例えばジエテルエーテル、ジオキサン、1,3-ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライ
ム、t-ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、クロロ
ベンゼン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化
炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。溶媒は、光学
活性2-ヒドロキシエチルアミン類〔III 〕に対して、通
常2〜50倍程度、好ましくは10〜25倍程度使用される。
【0022】ボラン化合物を調製するにあたっては、溶
媒と光学活性2-ヒドロキシエチルアミン類〔III 〕と水
素化ホウ素金属の混合物に、酸を加えることにより通常
実施される。ここで、水素化ホウ素金属は、ケトオキシ
ムエーテル類〔II〕に対して、ホウ素換算で通常0.5 〜
10モル倍程度、好ましくは1〜5モル倍程度使用され
る。ケトオキシムエーテル類〔II〕を還元するのに要す
る量を含めて使用することもできる。酸は、水素化ホウ
素金属に対して、通常0.8 〜1.1 当量程度である。酸を
加えるときの温度は、通常−20〜100 ℃程度、好ましく
は0〜80℃程度であり、加えた後に0.1 〜20時間程度、
同温度で保温攪拌するのが好ましい。
【0023】かくしてボラン化合物が調製されるが、水
素化ホウ素金属を、ケトオキシムエーテル類〔II〕を還
元するのに要する量を含めて使用した場合は、そのま
ま、使用しなかった場合は、その量を追加して、ケトオ
キシムエーテル類〔II〕の還元に供される。ここで、水
素化ホウ素金属を追加する場合は、ケトオキシムエーテ
ル類〔II〕に対して、ホウ素換算で、通常0.3 〜3倍モ
ル、好ましくは0.5 〜3モル倍である。0.5 〜1モル倍
程度でも還元反応は充分進行する。
【0024】ケトオキシムエーテル類〔II〕の還元は、
ボラン化合物と水素化ホウ素金属からなる混合物に、ケ
トオキシムエーテル類〔II] と酸とを作用させることに
より実施されが、ボラン化合物と水素化ホウ素金属から
なる混合物に、ケトオキシムエーテル類〔II] と酸を滴
下するのが好ましい。この場合、両者を混合して滴下し
ても良いし、別々に滴下しても良い。また両者は溶媒と
混合して滴下することもできる。還元反応は、通常150
℃以下、好ましくは−20〜110 ℃程度、より好ましくは
0〜100 ℃程度である。 滴下時間は、通常0.1 〜20時
間程度であり、滴下後1〜20時間程度、攪拌を続けるこ
とが好ましい。反応の進行は、例えばガスクロマトグラ
フィー等の分析手段により確認することができる。
【0025】かくして生成した光学活性アミノアルコー
ル類〔I〕は、反応マスに塩酸等の鉱酸を加えて還元剤
を失活させた後、苛性ソ−ダ等で中和し、トルエン等の
有機溶媒で抽出することにより取出すことができる。ま
た光学活性2-ヒドロキシエチルアミン類〔III 〕とは、
溶媒に対する溶解度差を利用することにより、又は蒸
留、カラムクロマトグラフィー等の分離操作により分離
することができる。分離して得られた光学活性アミノア
ルコール類〔I〕は、蒸留、カラムクロマトグラフィ−
等の手段により、さらに精製することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ケトオキシムエーテル
類〔II〕から一挙にしかも効率良く目的とする光学活性
アミノアルコール類〔I〕を製造し得る。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0028】実施例1 窒素雰囲気下、(S)-2-アミノ-1,1- ジフェニルプロパノ
ール4mmol(0.909g) とテトラヒドロフラン(THF)5ml、ト
ルエン 5mlからなる混合物に、水素化ホウ素ナトリウム
10mmol(0.378g) を懸濁させ、10℃下これに100 %硫酸
2mmol(0.196g)とTHF 0.5ml とトルエン 0.5mlからなる
混合物を30分かけて加えた後、50℃で1時間攪拌を続け
ることにより、ボラン化合物を調製した。次いで、同温
度下これに 100%硫酸 3mmol(0.294g)とアンチプロピオ
フェノン-2-O- メチルオキシム 5mmol(0.886g)とTHF1ml
とトルエン 1mlからなる混合物を30分間かけて滴下した
後、同温度で20時間、80℃で9時間攪拌を続けた。
【0029】室温まで冷却後、塩酸を加えて還元剤を分
解した後、苛性ソーダ水を加えてpHを7.06に調整してト
ルエンで抽出、分液し、有機層と水層を得た。有機層に
苛性ソーダ水を加えて、塩基性にした後分液し、得られ
た有機層から低沸分を留去することにより、(S)-2-アミ
ノ-1,1- ジフェニルプロパノール 0.87gを回収した。前
記の水層を苛性ソーダ水で塩基性にした後、トルエンで
抽出、分液し、得られた有機層から低沸分を留去するこ
とにより、1-フェニル-2- アミノプロパノール 0.64gを
得た。ガスクロマトグラフィーにより反応率を、光学活
性カラムを有する高速液体クロマトグラフィーによりエ
リスロ/スレオと光学純度を求めた。反応率 100%、エ
リスロ/スレオ=93.0/7.0 、エリスロ体の光学純度=
79.8%ee(-) 、スレオ体の光学純度= 71.2%ee(-) であ
った。
【0030】実施例2 実施例1において、(S)-2-アミノ-1,1- ジフェニルプロ
パノールの代わりに、(1R,2S)-ノルエフェドリン 4mmol
(0.605g)、水素化ホウ素ナトリウム 9mmolを用いる以外
は、実施例1に準拠して実施した。反応率 100%、エリ
スロ/スレオ=92.4/7.6 、エリスロ体の光学純度= 6
5.8%ee(-) であった。
【0031】実施例3 実施例1において、(S)-2-アミノ-1,1- ジフェニルプロ
パノールの代わりに、(S)-(+)-ロイシノール 2.5mmol
(0.568g)、水素化ホウ素ナトリウム 9mmolを用いる以外
は、実施例1に準拠して実施した。反応率 100%、エリ
スロ/スレオ=86.0/14.0、エリスロ体の光学純度= 3
3.0%ee(-) 、スレオ体の光学純度= 28.0%ee(-) であ
った。
【0032】実施例4 実施例1において、アンチプロピオフェノン-2-O- メチ
ルオキシムの代わりに、アンチ 1-(2-i-プロポキシフェ
ニル-1,2- プロパン-2-O- メチルオキシム 3mmol(0.728
g)を用いる以外は、実施例1に準拠して実施した。反応
率 100%、エリスロ/スレオ=87.7/12.3、エリスロ体
の光学純度= 35.6%ee(-) であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔III 〕 (式中、R4,R5 は、水素原子、アルキル基、又はハロ
    ゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換され
    ていても良いフェニル基を表し、R6 はアルキル基、又
    はハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置
    換されていても良いフェニル基を表し、*は、不斉炭素
    を表す。)で示される光学活性2-ヒドロキシエチルアミ
    ン類と水素化ホウ素金属と酸から得られるボラン化合物
    及び水素化ホウ素金属からなる混合物に、一般式〔II〕 (式中、R1,R2 は、それぞれアルキル基又はハロゲン
    原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されてい
    ても良いフェニル基を表し、R3 は、アルキル基、アラ
    ルキル基又はアルキルシリル基を表す。)で示されるケ
    トオキシムエーテル類のシン体、アンチ体、又はこれら
    の一方が過剰である混合物と酸とを作用させて不斉還元
    することを特徴とする一般式〔I〕 (式中、R1,R2,*は、前記と同じ意味を表す。)で示
    される光学活性アミノアルコール類の製法。
  2. 【請求項2】ボラン化合物及び水素化ホウ素金属からな
    る混合物に、ケトオキシムエーテル類〔II〕のシン体、
    アンチ体、又はこれらの一方が過剰である混合物と酸と
    を併注することを特徴とする請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】酸がブレンステッド酸、ルイス酸から選ば
    れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜
    2の製造方法。
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