JP2792076B2 - 光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性アルコールの製造方法

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JP2792076B2 JP1022243A JP2224389A JP2792076B2 JP 2792076 B2 JP2792076 B2 JP 2792076B2 JP 1022243 A JP1022243 A JP 1022243A JP 2224389 A JP2224389 A JP 2224389A JP 2792076 B2 JP2792076 B2 JP 2792076B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は一般式(I) 〔式中、R1は炭素数3〜8のシクロアルキル基または炭
素数5〜8のシクロアルケニル基を表わすか、または、
ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のハロアルキル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコ
キシル基、フェノキシ基あるいはフェニル基で置換され
ていてもよいフェニル基を表わす。R2はイミダゾール−
1−イル基または1,2,4−トリアゾールー−1−イル基
を表わす。〕 で示されるケトン化合物を不斉還元することによる一般
式(III) 〔式中、R1,R2は前記と同じ意味を、*は不斉炭素を表
わす。〕 で示される光学活性アルコールの製造方法に関するもの
である。
<従来の技術、発明が解決しようとする課題> 上記一般式(III)で示される光学活性アルコール
は、殺菌剤、植物生長調節剤または除草剤の有効成分と
して有用であることが知られている(特開昭55−124771
号公報、特開昭56−25105号公報、特開昭55−111477号
公報およびIUPAC PESTICIDECHEMISTRY,Human Welfare a
nd the Environment P.309(1983))。そしてその活性
においては、光学異性体の間で顕著な差違があり、例え
ば、1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1,2,4−ト
リアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテ
ン−3−オールおよび1−(4−クロロフェニル)−2
−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル
−1−ペンテン−3−オールにおいては、殺菌剤として
(−)体が、植物生長調節剤および除草剤として(+)
体が、強い効力を有することも知られている(特開昭57
−99575号公報および特開昭57−106669号公報)。この
ようなことから、その使用目的により(−)体または
(+)体の何れか一方の光学異性体を、効率よく製造す
る還元方法の開発が望まれている。
従来より、ケトン化合物のカルボニル基を還元してア
ルコール化合物に導くための還元剤として、水素化アル
ミニウムリチウムや水素化ホウ素ナトリウムに代表され
る種々の試薬が知られているが、これらの試薬を用いた
場合にはその還元生成物は光学不活性即ちラセミ体であ
り、また、用いるケトン化合物に不飽和結合を含む場
合、殊に本発明方法の原料物質のようなα,β−共役不
飽和ケトン還元に用いた場合には、カルボニル基に加え
二重結合部位の還元も起こり易く、さらには、二重結合
に関する立体配置の異性化の可能性も生じてくる。
これまでに、一般式(I)で示されるα,β−不飽和
ケトンを不斉還元する方法としては、R1が4−クロロフ
ェニル、2,4−ジクロロフェニルに相当する化合物を、
不斉修飾した水素化リチウムアルミニウム系還元剤で還
元して、対応する光学活性アルコール化合物を得る方法
が知られている(特開昭57−99575号および同57−10666
9号)。
しかしながら該方法は、(1)水素化アルミニウムリ
チウムを用いることから、水分との接触による発火など
の危険性や(2)より光学純度の高いアルコール化合物
を得るためには、N−置換アニリンのような添加物を必
要とするなどの点で、工業的には必ずしも充分な方法と
は言い難い。
このような状況の下に、本発明者らは、前記一般式
(I)で示されるα,β−不飽和ケトンを不斉還元して
一般式(III)で示されるα,β−不飽和アルコールを
得る方法につき検討を重ねた結果、カルボニル基を選択
的に還元し、しかもN−アルキルアニリンの添加なしで
効率良く、かつより安全に目的物を得る方法として、一
般式(II) 〔式中、R3はアルコール基を表わし、R4は低級アルキル
基、R5は水素もしくは低級アルキル基を表わし、*は不
斉炭素を表わす。〕 で示される光学活性アミノアルコールで修飾した水素化
ホウ素系還元剤を用いる方法を見出し、既に提案してい
る(特開昭59−184168、同61−68471、同61−18772、同
62−10024号公報)。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、その後光学活性アミノアルコール(I
I)で修飾した水素化ホウ素系還元剤を用いる上記の方
法について、更に詳細に検討を重ねた結果、水の存在下
でケトン化合物(I)に光学活性アミノアルコール(I
I)と酸類との塩と、水素化ホウ素金属とを作用させる
ことにより、光学活性アミノアルコール(II)の使用量
を削減し得るのみならず反応時間も短縮し得ることを見
出すとともに、種々の検討を加え本発明を完成した。
すなわち本発明は一般式(I) 〔式中、R1は炭素数3〜8のシクロアルキル基または炭
素数5〜8のシクロアルケニル基を表わすか、または、
ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のハロアルキル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコ
キシル基、フェノキシ基あるいはフェニル基で置換され
ていてもよいフェニル基を表わす。R2はイミダゾール−
1−イル基または1,2,4−トリアゾール−1−イル基を
表わす。〕 で示されるケトン化合物を、一般式(II) 〔式中、R3はアリール基を表わし、R4は低級アルキル
基、R5は水素もしくは低級アルキル基を表わし、*は不
斉炭素を表わす。〕 で示される光学活性アミノアルコールで修飾した水素化
ホウ素系還元剤で還元して、一般式(III) 〔式中、R1,R2および*は前記と同じ意味を表わす。〕 で示される光学活性アルコールを製造する方法におい
て、水の存在下、上記ケトン化合物に上記光学活性アミ
ノアルコールと酸類との塩と、水素化ホウ素金属とを作
用させることを特徴とする前記光学活性アルコールの工
業的に優れた製造方法を提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、一般式(I)で示されるケトン化合物を不
斉還元するものであるが、置換基R1としては例えば、シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等の炭素数
3〜8のシクロアルキル基、シクロペンテニル、シクロ
ヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニ
ル、シクロオクテニル等の炭素数3〜8のシクロアルケ
ニル基、フェニル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など
のハロゲン原子で置換されたフェニル基、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチルなどの低級アルキル基で置換され
たフェニル基、トリフルオロメチル、トリクロロメチ
ル、トリブロモメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、
2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリプロモエチル、
クロロメチル、フルオロメチル、プロモメチル、ジクロ
ロメチル、ジフルオメチル、ジブロモメチル、2−クロ
ロエチル、2−フルオロエチル、2−ブロモエチル、2,
2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロエチル、2,2−ジ
ブロモエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、3,3,3−
トリクロロプロピル、3,3,3−トリブロモプロピル、4,
4,4−トリフルオロブチル、4,4,4−トリクロロブチル、
4,4,4−トリブロモブチルなどの炭素数1〜4のハロア
ルキル基が置換したフェニル基、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜4の低級アルコ
キシ基が置換したアルコキシフェニル基、フェノキシフ
ェニル基、シアノフェニル基、ビフェニル基などが挙げ
られる。より具体的な化合物としては、例えば、1−シ
クロヘキシル−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オン、1−
シクロヘキセニル−2−(1,2,4−トリアゾール−1−
イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オン、1
−フェニル−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)
−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オン、1−フェ
ニル−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−
ジメチル−1−ペンテン−3−オン、1−(4−フルオ
ロフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オン、1−
(4−クロロフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール
−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オ
ン、1−(3−ブロモフェニル)−2−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン
−3−オン、1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル−
1−ペンテン−3−オン、1−(4−メチルフェニル)
−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメ
チル−1−ペンテン−3−オン、1−(4−ブトキシフ
ェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−
4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オン、1−(4−
フェノキシフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−
1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オ
ン、1−(4−シアノフェニル)−2−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン
−3−オン、1−ビフェニル−2−(1,2,4−トリアゾ
ール−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3
−オン等が挙げられる。
また不斉配位子である光学活性アミノアルコール(I
I)における置換基R3としては、例えばハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアル
キル基、シアノ基、炭素数1〜5のアルコキシル基、炭
素数7〜11のアラルキルオキシル基、炭素数6〜10のア
リールオキシル基あるいはアルコキシカルボニル基など
の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはハロ
ゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、シアノ基、炭素
数1〜5のアルコキシル基あるいはアルコキシカルボニ
ル基で置換されていてもよいナフチル基が挙げられ、さ
らに具体的な例としては、例えばフェニル基、p−トリ
ル基、m−トリル基、o−トリル基、1−ナフチル基、
2,5−ジメチルフェニル基、2,5−ジエチルフェニル基、
2,4,6−トリメチルフェニル基、2−メトキシフェニル
基、2−エトキシフェニル基、2−プロポキシフェニル
基、2−iso−プロポキシフェニル基、2−n−ブトキ
シフェニル基、2−sec−ブトキシフェニル基、2−シ
クロペンチルオキシフェニル基、2−シクロヘキシルオ
キシフェニル基、2−ベンジルオキシフェニル基、2−
フェノキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、
2,4−ジプロポキシフェニル基、2,4−ジブトキシフェニ
ル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,5−ジエトキシフ
ェニル基、2,5−ジプロポキシフェニル基、2,5−ジイソ
プロポキシフェニル基、2,5−ジブトキシフェニル基、
2,4,6−トリメトキシフェニル基、2−メトキシ−5−
メチルフェニル基、2−メトキシ−5−エチルフェニル
基、2−メトキシ−5−イソプロピルフェニル基、2−
メトキシ−5−t−ブチルフェニル基、2−エトキシ−
5−メチルフェニル基、2−エトキシ−5−エチルフェ
ニル基、2−エトキシ−5−プロピルフェニル基、2−
エトキシ−5−イソプロピルフェニル基、2−エトキシ
−5−t−ブチルフェニル基、2−プロポキシ−5−メ
チルフェニル基、2−プロポキシ−5−エチルフェニル
基、2−イソプロポキシ−5−メチルフェニル基、2−
イソプロポキシ−5−エチルフェニル基、2−イソプロ
ポキシ−5−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピ
ル−5−t−ブチルフェニル基、5−クロロ−2−メト
キシフェニル基、5−クロロ−2−エトキシフェニル
基、5−クロロ−2−プロポキシフェニル基、5−クロ
ロ−2−イソプロポキシフェニル基、2−メトキシカル
ボニルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基
等が挙げられる。また、置換基R4としては例えば、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基等の低級ア
ルキル基が挙げられ、置換基R5としては、例えば水素の
他にR4と同様の低級アルキル基が挙げられる。
より具体的には一般式(II)で示される光学活性アミ
ノアルコールとしては例えば、光学活性な2−アミノ−
1−フェニル−1−プロパノール、2−アミノ−1−
(2,5−ジメチルフェニル)−1−プロパノール、2−
アミノ−1−(2−メトキシフェニル)−1−プロパノ
ール、2−アミノ−1−(2,5−ジメトキシフェニル)
−1−プロパノール、2−アミノ−1−(2,5−ジエト
キシフェニル)−1−プロパノール、2−アミノ−1−
(2−エトキシフェニル)−1−プロパノール、2−ア
ミノ−1−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1
−プロパノール、2−アミノ−1−(α−ナフチル)−
1−プロパノール、2−アミノ−1−(2−フェノキシ
フェニル)−1−プロパノール、2−アミノ−1−(2
−iso−プロポキシフェニル)−1−プロパノール、2
−アミノ−1−(2−プロポキシフェニル)−1−プロ
パノール、2−アミノ−1−(2−ベンジルオキシフェ
ニル)−1−プロパノール、2−アミノ−1−(2,4−
ジメトキシフェニル)−1−プロパノール、2−アミノ
−1−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−プ
ロパノール、2−アミノ−1−(2,5−ジプロポキシフ
ェニル)−1−プロパノール、エフェドリンなどが挙げ
られる。
光学活性アミノアルコール(II)の酸類との塩として
は、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等との鉱酸塩、酢
酸などとのカルボン酸塩またはベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸等との有機スルホン酸塩などが挙
げられる。該塩は塩そのものとして用いるか、あるいは
製造に際し、予め系内で光学活性アミノアルコールと酸
より生成させてもよい。該塩の使用量はケトン化合物
(I)に対して0.2モル倍以上、通常0.2〜5モル倍の範
囲であり、0.3〜1倍でも充分目的を達成することがで
きる。
また水素化ホウ素金属としては、例えば水素化ホウ素
ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチ
ウム、水素化ホウ素亜鉛等が挙げられるが、通常入手の
容易な水素化ホウ素ナトリウムが用いられる。その使用
量はホウ素換算で、ケトン化合物(I)に対してホウ素
換算で0.5モル以上、通常0.5〜2モル倍、好ましくは0.
8〜1.5モル倍であり、また光学活性アミノアルコール
(II)に対して通常1.25〜5モル倍、好ましくは、1.4
〜3.5モル倍である。
本発明は水の共存下に、上記のようなケトン化合物
(I)に、光学活性アミノアルコール(II)と酸類との
塩と、水素化ホウ素金属とを作用させることを特徴とす
るものであるが、水の使用量は光学活性アミノアルコー
ル(II)に対して、通常1〜20モル倍である。
反応は、通常溶媒の存在下に実施される。かかる溶媒
としては、反応に関与しないものであれば特に限定され
るものではないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素、塩化メチレ
ン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素
等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジグライム、ジオキサン等のエーテル類な
ど、もしくはこれらの混合物などが挙げられる。その使
用量はケトン化合物(I)に対し、通常1〜50wt倍であ
る。
またこれ等の溶媒にアルコール類を共存させることも
できる。特に第二級あるいは第三級アルコールを共存さ
せることは、光学収率を向上せしめる等の利点をもたら
すので好ましい。かかる第二級アルコールとしては、例
えばイソプロパノール、sec−ブタノール、シクロペン
タノール、シクロヘキサノール、メントール、メチルプ
ロピルアルコール、メチルイソブチルアルコール、2−
オクタール等が、第三級アルコールとしては例えば、t
−ブタノール、t−アミルアルコール、1,1,2,2−テト
ラメチルプロパノール、1,1,2−トリメチルプロパノー
ル、2,2,3−トリメチル−3−ペンタノール、2,2,3,4−
テトラメチル−3−ペンタノール、2,2,3,4,4−ペンタ
メチル−3−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノ
ール、3−メチル−3−ヘキサノール、1−エチル−1
−メチルプロパノール、1,1−ジエチルプロパノール、
1,1−ジメチルブタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタ
ノール、2,3,4−トリメチル−3−ペンタノール等が挙
げられる。その使用量は光学活性アミノアルコール(I
I)に対して、通常0.5モル倍以上、好ましくは1〜30モ
ル倍、より好ましくは3〜15モル倍である。
反応は通常、溶媒、水素化ホウ素金属、光学活性アミ
ノコール(II)と酸類との塩、ケトン化合物(I)から
なる混合物に水を加えることによって実施される。また
溶媒、光学活性アミノアルコール(II)と酸類との塩、
ケトン化合物(I)からなる混合物に、水素化ホウ素金
属の水溶液を加えて行うこともできる。
反応温度は通常0〜100℃の範囲であり、好ましくは
0〜50℃の範囲である。反応は通常、窒素やアルゴンな
どの不活性ガス雰囲気下で行なわれる。
このようにして反応を行なった後、通常反応液に例え
ば、塩酸、硫酸のような鉱酸の水溶液を加え、有機層と
水層とを分液し、有機層を水洗、乾燥した後、有機溶媒
を留去することにより容易に目的とする光学活性アルコ
ール(III)が得られる。
光学収率は生成物の施光度を測定することにより、あ
るいは光学活性充填剤を用いた高速液体クロマトグラフ
ィーで直接エナンチオマー比を測定することにより求め
られる。
なお、使用した光学活性アミノアルコールは上記分液
後の水層にアルカリ水溶液を加え、有機溶媒で抽出する
ことにより立体配置を保持したまま容易に回収され、再
使用することができる。
<発明の効果> かくして、目的とする光学活性アルコール(III)が
得られるが、本発明によれば、反応時間を著しく短縮し
得るのみならず、還元剤の調製と還元反応を同時にしか
もワンポットで実施し得、そのうえ配位子である光学活
性アミノアルコール(II)の使用量を削減し得るなどか
ら、殊に工業的な実施時において有利になる。
<実施例> 次に、実施例によって本発明を説明するが、本発明は
これらのみに限定されるものではない。
実施例1 窒素雰囲気下で(+)−ノルエフェドリン塩酸塩12.7
ミリモル(2.384g)と水素化ホウ素ナトリウム0.9612g
(25.41ミリモル)を(E)−1−(2,4−ジクロロフェ
ニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4
−ジメチル−1−ペンテン−3−オン(E/Z=99.7/0.
3)7.49g(23.1ミリモル)、モノクロルベンゼン22.5
g、ter−ブタノール14.6gからなる溶液に懸濁させた。
次いで15℃に冷却した後、同温度、撹拌下、これに水
2.0g(111.1ミリモル)を3.25時間かけて滴下し、更に2
5℃で1時間撹拌した。
次いで、これに10%塩酸20mlを加えて、50℃で1時間
撹拌後、有機層を分液した。この有機層を10%塩酸で洗
浄、水洗、乾燥した後、溶媒を留去することにより7.50
gの結晶を得た。ガスクロマトグラフィーで分析した結
果、E−アルコール体である(E)−1−(2,4−ジク
ロロフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オール97.7
%、Z−体アルコールである(Z)−1−(2,4−ジク
ロロフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オール2.1
%、飽和アルコール体である1−(2,4−ジクロロフェ
ニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4
−ジメチルペンタン−3−オール0.2%であり、反応率
は99.8%であった。
E−体アルコールのエナンチオマー比は、光学活性カ
ラムを有する高速液体クロマトグラフィーで分析した。
(−)−体86%、(+)−体14%であった。
実施例2〜12 実施例1において、表1に示す溶媒に代える以外は、
実施例1に準拠して実施した。結果を表1に示した。
実施例13 実施例1において、水を1.25g(69.4ミリモル)使用
し、水滴下後の温度および撹拌時間をそれぞれ15℃、3
時間とする以外は実施例1に準じて実施した。
反応率は99.9%、E−体アルコール97.5%、Z−体ア
ルコール2.3%、飽和アルコール体0.2%であり、E−体
アルコールのエナンチオマー比は(−)−体82.5%、
(+)−体17.5%であった。
実施例14 実施例1において、モノクロルベンゼン35.2g、
(+)−ノルエフェドリン塩酸塩1.3g(6.93ミリモル)
を用い、10℃で水を1.75時間で加えた後、25℃で3.5時
間撹拌する以外は、実施例1に準じて実施した。
反応率は99.9%、E−体アルコール98.3%、Z−体ア
ルコール0.8%、飽和アルコール体0.9%であり、E−体
アルコールのエナンチオマー比は(−)−体77.4%、
(+)−体22.6%であった。
実施例15 実施例1において、ノルエフェドリン塩酸塩の代わり
に(−)−2−アミノ−1−(2,5−ジメトキシフェニ
ル)−1−プロパノールの塩酸塩を用いる以外は、実施
例1に準じて実施した。結果を表2に示した。
実施例16 実施例1において、ノルエフェドリン塩酸塩の代わり
に(+)−2−アミノ−1−(2,5−ジメチルフェニ
ル)−1−プロパノール塩酸塩を用いる以外は実施例1
に準じて実施した。結果を表2に示した。
実施例17 実施例1において、ノルエフェドリン塩酸塩の代わり
に(−)−エフェドリン塩酸塩を用いた以外は実施例1
に準じて実施した。結果を表2に示した。
実施例18 実施例1において、(E)−1−(2,4−ジクロロフ
ェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−
4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オンの代わりに
(E)−1−(4−クロロフェニル)−2−(1,2,4−
トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペン
テン−3−オン(E/Z=97/3)19.53ミリモル(5.66g)
を用い、モノクロルベンゼン18.7g、ter−、ブタノール
17.5gを用い、水を10℃で滴下し、水滴下後の撹拌時間
を2時間とする以外は実施例1に準じて実施し5.61gの
結晶を得た。
反応率94%、E−体アルコールである(E)−1−
(4−クロロフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール
−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オ
ール93.3%、Z−体アルコールである(Z)−1−(4
−クロロフェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1
−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オール
5.6%、飽和アルコール体である1−(4−クロロフェ
ニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4
−ジメチルペンタン−3−オール1.1%であり、E−体
アルコールのエナンチオマー比は(−)−体83.5%、
(+)−体16.5%であった。
実施例19 実施例1において、(E)−1−(2,4−ジクロロフ
ェニル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−
4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オンの代わりに
(E)−1−シクロヘキシル−2−(1,2,4−トリアゾ
ール−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3
−オン(E/Z=99.9/0.1)を用い、水の滴下を1時間と
する以外は実施例1に準じて実施した。
反応率は100%、E−体アルコールである(E)−1
−シクロヘキシル−2−(1,2,4−トリアゾール−1−
イル)−4,4−ジメチル−1−ペンテン−3−オール95.
2%、Z−体アルコールである(Z)−1−シクロヘキ
シル−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−
ジメチル−1−ペンテン−3−オール4.3%、飽和アル
コール体である1−シクロヘキシル−2−(1,2,4−ト
リアゾール−1−イル)−4,4−ジメチルペンタン−3
−オール0.5%であり、E−体のエナンチオマー比は
(−)−体14%、(+)−体86%であった。
実施例20 実施例1において、(+)−ノルエフェドリン塩酸塩
の代りに(−)−ノルエフェドリンの塩酸塩を用い、水
素化ホウ素ナトリウムを懸濁させ、水を滴下する代り
に、あらかじめ水素化ホウ素ナトリウム0.961gと水2.0g
とカセイソーダ7mgから調製した溶液を2時間かけて滴
下する以外は実施例1に準じて実施した。
反応率は99.5%、E−体アルコール93.3%、Z−体ア
ルコール6.4%、飽和アルコール体0.3%であり、E−体
アルコールのエナンチオマー比は(+)−体84%、
(−)−体16%であった。
比較例1 窒素雰囲気下で、(+)−ノルエフェドリン塩酸塩6.
49gを1,2−ジクロロエタン96mlに懸濁させ−25℃に冷却
し、水素化ホウ素ナトリウム1.31gのジメチルホルムア
ミド19ml溶液を加え、−25℃より2時間を要して25℃と
した。次に、撹拌下、この懸濁液に実施例1で用いたと
同じ(E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル−
1−ペンテン−3−オン7.49gの1,2−ジクロロエタン78
ml溶液を同温度で加え、1時間後、3時間後、6時間後
に少量サンプリングした後、合計25時間撹拌した。次い
で、実施例1に準じて後処理、分析を行った。反応率97
%、E−体アルコール98.1%、Z−体アルコール1.7
%、飽和アルコール体0.2%であり、E−体アルコール
のエナンチオマー比は(−)−体85%、(+)−体15%
であった。尚、反応率は1,3,6時間でそれぞれ23%、52
%、77%であった。
比較例2 窒素雰囲気下で、(+)−ノルエフェドリン塩酸塩2.
384gをモノクロルベンゼン13.7gに懸濁させ、−25℃に
冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム0.961gとジメチル
ホルムアミド10mlからなる溶液を加え、その後2時間を
要して25℃とした。
次いで、15℃撹拌下、これに実施例1で用いたと同じ
(E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1,2,4
−トリアゾール−1−イル)−4,4−ジメチル−1−ペ
ンテン−3−オン7.48gとクロルベンゼン16.4gからなる
溶液を加えて同温度で4時間撹拌を続けた後、実施例1
に準じて後処理、分析を行った。
反応率は98.2%、E−体アルコール63.9%、Z−体ア
ルコール25.2%、飽和アルコール体38.7%であり、E−
体アルコールのエナンチオマー比は(−)−体70.3%、
(+)−体29.7%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−10024(JP,A) 特開 昭59−186964(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 233/60 C07D 249/08 524

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、R1は炭素数3〜8のシクロアルキル基または炭
    素数5〜8のシクロアルケニル基を表わすか、または、
    ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
    4のハロアルキル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコ
    キシル基、フェノキシ基あるいはフェニル基で置換され
    ていてもよいフェニル基を表わす。R2はイミダゾール−
    1−イル基または1,2,4−トリアゾール−1−イル基を
    表わす。〕 で示されるケトン化合物を、一般式(II) 〔式中、R3はアリール基を表わし、R4は低級アルキル
    基、R5は水素もしくは低級アルキル基を表わし、*は不
    斉炭素を表わす。〕 で示される光学活性アミノアルコールで修飾した水素化
    ホウ素還元剤で還元して、一般式(III) 〔式中、R1,R2および*は前記と同じ意味を表わす。〕 で示される光学活性アルコールを製造する方法におい
    て、水の存在下、上記ケトン化合物に上記光学活性アミ
    ノアルコールと酸類との塩と、水素化ホウ素金属とを作
    用させることを特徴とする前記光学活性アルコールの製
    造方法。
  2. 【請求項2】第2級または第3級アルコールの共存下に
    実施する請求項第1項の製造方法。
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