JPH0776025A - ポリイミド管状物の製造方法及び製造装置 - Google Patents
ポリイミド管状物の製造方法及び製造装置Info
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Abstract
の表面に、ポリイミド前駆体溶液を実質的に均一厚さに
付着させ、加熱してイミド転化反応を行わせた後、芯体
からシームレス管状物を分離することにより、製造工程
を一工程にすることができ、製品歩留まりが高く、低コ
ストで、しかも精度の高いポリイミド樹脂製の管状物を
得る。 【構成】内金型10を容器5内のポリイミド前駆体溶液4
に浸漬し、ポリイミド前駆体溶液4を付着させた後、内
金型10と一定のクリアランスを有する外金型11を配置さ
せ、内金型10を引き上げるかまたは外金型11に一定の荷
重を掛けてその自重で走行させることにより、均一厚さ
のポリイミド前駆体コーティング層3を形成し、次に乾
燥して溶媒を除去するとともに、緻密化し、次いでさら
に高温に加熱してイミド転化反応を行わせた後、芯体か
らシームレス管状物を分離する。
Description
ポリイミド系樹脂フィルムからなるシームレス管状物の
製造方法及びその製造装置に関する。
定性、機械的特性及び化学的特性を有しており、その用
途は夫々の特性をいかしフィルム状、チューブ状、ロッ
ド、または形成物、塗料などの形態で市販されており、
フレキシブルプリント基板、耐熱電線絶縁材料、磁気テ
ープなど種々の用途に使用されている。また、そのシー
ムレス管状物は種々の新しい用途が期待されている。ポ
リイミド樹脂からなる管状物の使用例としてその代表的
なものは、弱電音響機器その他の機械の回転伝達用又
は、搬送ベルト、または複写機やレーザービームプリン
ターなどの熱定着用ベルトがあげられる。
ーなどの熱定着用部材として使われているポリイミド管
状物を例に挙げて説明する。電子写真を利用した複写機
またはレーザービームプリンターにおいては、複写機や
転写紙上に形成したトナー像を定着するための定着装置
として熱ローラー方式が、一般的に使用されている。す
なわち、加熱機構を有する定着ローラーとこれに圧接し
た加圧ローラーの両ローラー間に、トナー像が形成され
た複写紙を順次に送りこみながらトナーを加熱溶融さ
せ、トナー像を定着せしめるものである。
述の熱定着ローラーに変わってポリイミド管状物の使用
が検討されている。この定着機構は、薄膜ポリイミド管
状物の内側に駆動ロールと、テンションロールと、ヒー
ターとを備え、外側にバックアップロールを備え、ヒー
ターを介してポリイミド管状物とバックアップローラー
間にトナー像を形成した複写紙を供給し、順次トナー像
を定着せしめる機構である。
薄膜ポリイミド管状物の表面で熱定着が行われるため、
熱定着ローラーのようにあらかじめ定着ローラーを予備
加熱する時間を必要とせず、電源スイッチを入れるとす
ぐに熱定着を開始できる利点がある。また、ヒーターの
容量が小さく、消費電力も少ない利点があり、注目され
ている技術である。
うに管状物の内側に設置したヒーターにより、ポリイミ
ド管状物の外表面を通過する複写紙上のトナー像を瞬時
に融着させる機構になっているため、ポリイミド管状物
の厚みにバラツキがあると均一にトナーの溶融が出来な
くなり、オフセット現象が発生する。従って管状物の厚
みのバラツキは出来るだけ小さくする必要がある。
長さ方向における内径のバラツキは、薄膜管状物を2軸
又は3軸間で回転させる場合に、管状物の長さ方向への
蛇行を発生させることになる。従って管状物を、熱定着
用シームレスベルトとして使用する用途に対しては、精
度の高い円筒度が要求される。また、駆動プリーからの
駆動力をベルトにスムーズに伝達するためには、ベルト
の内面の粗さも用途に応じて一定の粗度を必要とされ
る。
内面が平滑なガラス管やステンレス管等の成形管の内面
に、ポリイミド酸溶液を流し込んだ後、この成形管を垂
直に保持して、この内面に弾丸状体や球状体などの走行
体を自重により落下させて、一定の厚みに形成し、その
後、加熱により乾燥及びイミド化し管状物とした後、成
形管から抜き出す方法が提案されている(特開平1−1
56017号公報)。
管やステンレス管等の成形管の内面からポリイミド管状
物を抜き取る作業が非常に困難である。また、成形間の
内側にポリイミド管状物を形成させるために管状物の内
面の粗度をコントロールすることは不可能である。
状物を取り出す方法であるため管状物の内径の小さいも
のを作ることが難しく、且つ長尺物を作ることも非常に
困難な方法であると言わざるを得ない。
開平3−261518号公報に開示されているごとく、
本発明者等は、芯体の外面にポリアミド酸溶液のような
ポリイミド前駆体溶液を塗布し、加熱により乾燥及びイ
ミド化した後、その管状物として芯体から分離する方法
を提案している。ところで、ポリイミド管状物を製造す
るための問題点は熱可塑性樹脂で作る管状物のように押
出成形やインフレーションまたは真空成形ができないこ
とである。従って、ポリイミド管状物の製造方法として
はその前駆体であるポリアミド酸溶液状で金型等に塗布
し加熱によりイミド化した段階で脱型する方法をとらざ
るを得ない。
して使用される樹脂であり、ポリアミド酸溶液を金型塗
布し加熱によりイミド転化すると、ポリイミド管状物は
金型に密着または接着してしまい、金型からポリイミド
管状物を取り外すことは困難である。
溶液を塗布し、加熱しイミド転化させて管状物を得よう
とする場合、芯体と管状物をスムーズに分離するために
芯体の表面を離型性樹脂で被覆し、その表面の接着エネ
ルギーを下げる方法が考えられ、また、芯体表面の接着
エネルギーを下げることによりその副作用的な現象とし
て液状のポリイミド前駆体を芯体表面に塗布した時に発
生するハジキ現象や流れ現象など多くの問題点が発生す
ることになりこれらの問題点に対して特開平3−261
518号公報ではポリイミド前駆体溶液のハジキ現象や
流れ現象を改良し管状物と芯体をスムーズに分離するこ
とが出来る方法を提案している。
型性樹脂を被覆した芯体を用い、さらにその外面に親水
性を有する薄い塗布膜を成形し、さらにその親水性膜上
にポリイミド前駆体溶液を塗布し管状物を得る方法で
は、工程が繁雑であるばかりでなく、熱硬化性樹脂であ
るポリイミド前駆体溶液を完全にイミド転化させるため
には380〜400℃の温度が必要であり、これらの高
温に耐えうる離型剤または離型性樹脂がなく、従って第
一段階として離型性樹脂を被覆した芯体の表面にポリイ
ミド前駆体溶液を塗布したのち140〜200℃の温度
でイミド化を進行させ中間体としたのちこの芯体より分
離し、第2段階として金属のみの芯体に再度管状物を挿
入し250〜400℃の温度でイミド化を完成させる必
要があった。すなわち、製造工程が繁雑であるばかりで
なく、イミド化の中間段階で管状物を取り出し、別の金
属芯体に取り付けるため、製品歩留まりが低下するとい
う問題もあった。
め、製造工程が簡略化でき、製品歩留まりが高く、低コ
ストで、しかも精度の高いポリイミド樹脂製の管状物の
製造方法とその装置を提供することを目的とする。
め、本発明のポリイミド管状物の製造方法は、実質的に
ポリイミドを主成分とするシームレス管状物の製造方法
であって、無機コーティング被膜層で覆われた金属製芯
体の表面に、ポリイミド前駆体溶液を実質的に均一厚さ
に付着させ、加熱してイミド転化反応を行わせた後、芯
体からシームレス管状物を分離することを特徴とする。
膜層の厚さが、5μm以下であり、金属芯体の線膨張係
数が、1×10-5/℃以上であることが好ましい。また
前記構成においては、無機コーティング被膜層が、無機
元素のアルコキシド化合物を原料とし、これを加熱して
焼き付けたものであることが好ましい。
コキシドが、Si,Ti,Al,Zrから選ばれる少な
くとも一つの元素のアルコキシド化合物であることが好
ましい。
ミド前駆体の粘度が、50〜10000ポイズであるこ
とが好ましい。また前記構成においては、シームレス管
状物の厚みが、3〜300μm範囲であることが好まし
い。
表面に芳香族系ポリイミド前駆体溶液を実質的に均一厚
さに付着させる手段が、まず前記芯体の外表面にポリイ
ミド前駆体溶液を浸漬法などの一般的な塗布方法で塗布
し、次いで前記金属製芯体の外側に一定のクリアランス
を有する外金型を配置させ、前記金属製芯体または前記
外金型のうち少なくとも一方を移動する方法であること
が好ましい。
は、実質的にポリイミドを主成分とするシームレス管状
物の製造装置であって、表面が無機コーティング被膜層
で覆われた金属製芯体と、前記金属製芯体の外側に一定
のクリアランスをもって配置され、かつ移動される外金
型とを少なくとも具備したことを特徴とする。
膜層が、厚さ5μm以下のSi,Ti,Al,Zrから
選ばれる少なくとも一つの酸化物層であることが好まし
い。
ィング被膜層で覆われた金属製芯体の表面に、ポリイミ
ド前駆体溶液を実質的に均一厚さに付着させ、加熱して
イミド転化反応を行わせた後、芯体からシームレス管状
物を分離することにより、製造工程を一工程にすること
ができ、製品歩留まりが高く、低コストで、しかも精度
の高いポリイミド樹脂製の管状物を得ることができる。
すなわち、金属製芯体の表面の無機コーティング被膜層
は、耐熱性に優れ、加熱イミド転化反応工程の高温にも
耐えることができる。またポリイミド前駆体溶液をその
表面に液状成形させる工程においてもポリイミド前駆体
溶液のハジキ現象や、流れ現象も発生しないため、特開
平3−261518号公報と比較して製造工程を簡略化
することが出来るとともに、溶液状での成形工程からス
タートして完成品のポリイミド管状物を得るまで芯体に
保持させたまま、一工程で製造することができる。ま
た、加熱工程(ポリミド前駆体溶液の溶媒乾燥とイミド
転化反応を含む)における金属製芯体の熱膨張とその後
の冷却時の金属製芯体の収縮、及び金属製芯体の表面に
無機コーティング被膜層が存在することによる離型作用
により、最終製品のポリイミドシームレス管状物を傷付
けること無く得ることができる。したがって、製品歩留
まりが高く、低コストで、しかも精度の高いポリイミド
樹脂製の管状物の製造方法とすることができる。
層が、無機元素のアルコキシド化合物を原料とし、ゾル
−ゲル法によって得られた無機コーティング液は、金属
芯体表面に薄膜で均一なコーティングができ、低温で焼
付が可能である。また、Si,Ti,Al,Zrから選
ばれる少なくとも一つの元素のアルコキシド化合物を用
いて焼き付けると、ポリイミド前駆体溶液との相容性に
すぐれ、ハジキ現象もなく又前駆体溶液中の有機極性溶
媒の影響も全く受けないため、芯体と最終製品のポリイ
ミドシームレス管状物との分離性に優れる。
層の表面状態は最終製品のポリイミドシームレス管状物
の内表面に転写されるため、管状物の使用目的に合わせ
て対応することができる。
層の厚さが5μm以下であると、加熱−冷却を繰り返し
ても被膜層にひび割れなどが入らず、長期間繰り返し使
用できるので好ましい。
0-5/℃以上であると、前記無機コーティング被膜層の
表面特性と相俟って、金属芯体の膨脹−収縮による分離
作用も大きくなることから好ましい。具体的にはアルミ
ニウム、ステンレスパイプ、鉄または合金などからなる
パイプ、ロッドなどを使用できる。
〜10000ポイズであると、均一膜厚の成形に都合が
良く好ましい。また前記シームレス管状物の厚みが、3
〜300μm範囲であると、強度的に優れて好ましい。
前駆体溶液を実質的に均一厚さに付着させる手段が、ま
ず前記芯体の外表面にポリイミド前駆体溶液を浸漬法な
どの一般的な方法でまたは塗布し、次いで前記金属製芯
体の外側に一定のクリアランスを有する外金型を配置さ
せ、前記金属製芯体または前記外金型のうち少なくとも
一方を移動する方法であると、効率よく合理的にポリイ
ミドシームレスフィルム管状物を得ることができ好まし
い。
の構成によれば、外表面が無機コーティング被膜層で覆
われた金属製芯体と、前記金属製芯体の外側に一定のク
リアランスをもって配置され、かつ移動される外金型と
を少なくとも具備したことにより、効率よく合理的にポ
リイミドシームレスフィルム管状物を得ることができ
る。
が、厚さ5μm以下のSi,Ti,Al,Zrから選ば
れる少なくとも一つの酸化物層であるという好ましい構
成によれば、とくにポリイミド前駆体溶液との相容性に
すぐれ、ハジキ現象もなくまた前駆体溶液中の有機極性
溶媒の影響も全く受けないため、芯体と最終製品のポリ
イミドシームレス管状物との分離性に優れる。
説明する。図1は本発明の一実施例の、主成分が無機コ
ーティング被膜層2を表面に形成したアルミニウム製芯
体1(以下内金型10)の断面図である。この無機コー
ティング被膜層2は、例えばSi(OCH3 )4 ,Si
(OC2 H5 )4 ,Si(n-OC3 H7 )4 ,Si(is
o-OC3 H7 )4 ,Si(n-OC4 H9 )4 ,Si(is
o-OC4 H9 )4 ,Si(tert- OC4 H9 )4 ,Ti
(OCH3 )4 ,Ti(OC2 H5 )4 ,Ti(OC2
H5 )4 ,Ti(n-OC3 H7 )4 ,Ti(iso-OC3
H7 )4 ,Ti(n-OC4 H9 )4 ,Ti(iso-OC4
H9 )4 ,Ti(tert- OC4 H9 ) 4 ,Al(OCH
3 )4 ,Al(OC2 H5 )4 ,Al(OC
2 H5 )4 ,Al(n-OC3 H7 )4 ,Al(iso-OC
3 H7 )4 ,Al(n-OC4 H9 )4 ,Al(iso-OC
4 H9 )4 ,Al(tert- OC4 H9 )4 ,Zr(OC
H3 )4 ,Zr(OC2 H5 )4 ,Zr(n-OC
3 H7 )4 ,Zr(iso-OC3 H7 )4 ,Zr(n-OC
4 H9 )4 ,Zr(iso-OC4 H9 )4 ,Zr(tert-
OC4 H9)4 などから選ばれる少なくとも一つの金属
アルコキシドを原料とするゾル−ゲル法の塗膜液(コー
ティング液)をコーティングして加熱焼き付けることに
より形成できる。加熱焼き付けた後は、例えばSi
O2 ,TiO2 ,Al2 O3 ,ZrO2 などの酸化物層
になる。前記コーティング液は、溶媒としてメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレング
リコール、アセトンなどを使用できる。加水分解を促進
する添加物として、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸などの酸を
添加してもよい。前記化合物以外にも、たとえばB(O
CH3 )3 ,BaTiO3 ,Fe2 O3 ,GeO2 −S
iO2 なども使用できる。またシリコンオイルやフッ素
樹脂などを添加してコーティング被膜に撥水性を付与す
ることもできる。
本発明の一実施例の製造方法を示す断面図である。内金
型10を容器5内のポリイミド前駆体溶液4に浸漬し、
ポリイミド前駆体溶液4を付着させた後、内金型10と
一定のクリアランスを有する外金型11を配置させ、内
金型10を引き上げるかまたは外金型11に一定の荷重
を掛けてその自重で落下させることにより、実質的に均
一厚さのポリイミド前駆体コーティング層3を形成し、
次に乾燥して溶媒を除去するとともに、緻密化し、次い
でさらに高温に加熱してイミド転化反応を行わせた後、
芯体からシームレス管状物を分離する。得られたシーム
レス管状物13の断面図を図3(a),(b)に示す。
156017号公報、特開昭62−19437号公報な
どで提案されているシリンダー内周面にポリイミド前駆
体溶液を付着させ、内部に球状体を落下させて均一膜厚
のポリイミドシームレスフィルム管状物を得る方法に応
用することもできる。また同様に、特開昭62−263
228号公報、特開昭60−166424号公報等に提
案されている遠心成形法によるポリイミドシームレスフ
ィルム管状物の製法にも応用できる。
ィルム管状物は、例えば図4に示す電子写真の定着装置
に使用できる。すなわち、薄膜ポリイミド管状物(2
1)の内側に駆動ロール(22)と、テンションロール
(23)と、ヒーター(24)とを備え、外側にバック
アップロール(25)を備えた定着装置であり、ヒータ
ー(24)を介してポリイミド管状物(21)とバック
アップローラー(25)間にトナー像(27)を形成し
た複写紙(26)を供給し、加熱により順次トナー像を
定着して定着像(28)を得る機構である。
例えば芳香族テトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン
成分とを有機極性溶媒中で反応させて得られるものであ
る。芳香族テトラカルボン酸成分としては特に制限はな
く、例えば、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,3´,4,4´−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物
などがあり、これらのテトラカルボン酸類の混合物でも
よい。前記の芳香族ジアミン成分としては、特に制限は
なく、例えば3,3´−ジアミノフェニルエーテル、
3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4´−ジアミノフェニルエーテルなどの
ジフェニルエーテル系ジアミン、3,3´−ジフェニル
チオエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルチオエー
テなどのジフェニチオエーテル系ジアミン、4,4´−
ジアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系ジアミ
ン、その他ジフェニルメタン系ジアミン、パラフェニレ
ンジアミン、メタフェニレンジアミンなどを挙げること
が出来る。又、有機極性溶媒としては、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、ジメチルオキシド等が挙げられる
が、これらにとくに限定されるものではない。
する。 (実施例1)外径45mm、長さ700mmのアルミニ
ウム製芯体の表面に、テトラエトキシシラン[Si(O
C2 H5 )4 ]を主成分(固形分で20重量%)とし、
溶媒としてイソプロピルアルコールを用いた無機コーテ
ィング液をディッピング法によりコーティングし、15
0℃で30分、350℃で30分加熱して焼き付け、こ
の操作を2回繰り返して、酸化ケイ素被覆芯体(内金
型)を作製した。酸化ケイ素被膜の厚みは2μmであ
り、JIS−B0601による表面粗度は(Rz)で
0.8μmであった。次にポリイミド前駆体として、粘
度1000ポイズの3,3´,4,4´−ビフェニルテ
トラカルボン酸2無水物とパラフェニレンジアミンを、
N−メチル−2−ピロリドン中で反応させて得られたポ
リイミド前駆体溶液を用意した。このポリイミド前駆体
溶液が入った容器に、内金型を長さ600mmまで浸漬
して引き上げ、その後、内金型上部のポリイミド前駆体
溶液の最上付着部に、内径45.5mm,重さ665
g,接液部角度が45゜のアルミニウム製リング状外金
型を載置し、その自重によって落下させ、内金型の表面
に0.25mmの厚みにポリイミド前駆体溶液の被膜を
成形した。その後、このポリイミド前駆体溶液を被覆し
た内金型を、120℃の温度で40分及び200℃の温
度で18分間加熱し、さらに220℃の温度で40分及
び400℃の温度で50分加熱した。その後、常温まで
冷却し、内金型から管状物を取り外し、完全にイミド化
したポリイミド管状物を得た。この管状物の厚みは20
μmであり、その厚みのバラツキは±1μであった。ま
た、この管状物の外表面粗度Rzは0.2μmであり、
内表面粗度Rzは1.0μmであった。
-5/℃で、外径20mm、長さ1000mmのステンレ
ス製芯体の表面に、Si(iso-OC3 H7 )4 とAl
(iso-OC3 H7 ) 4 をiso-OC3 H7 )4 アルコール
に溶解させた混合物塗料(Al−Si型アルコキド)を
被覆し、145℃で30分間硬化させ、これを内金型と
した。Al2O3 −SiO2 系の無機コーティング層の
厚みは2μmであり、JIS−B0601による表面粗
度は(Rz)で0.9μmであった。次に、粘度500
ポイズの3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボ
ン酸2無水物とパラフェニレンジアミンをN−メチル−
2−ピロリドン中で反応させて得られたポリイミド前駆
体溶液を用意し、このポリイミド前駆体溶液が入った容
器に、内金型を長さ900mmまで浸漬し、その後内金
型上部のポリイミド付着部に、内径20.2mm,重さ
800g,アルミニウム製リング上外金型を内金型上部
のポリイミド前駆体溶液上に載置し、その自重で落下さ
せ、内金型の表面に0.1mmの厚みにポリイミド前駆
体溶液を被膜成形した。
した内金型を90℃の温度で60分及び150℃の温度
で10分間加熱し、さらに220℃の温度で30分及び
400℃の温度で50分加熱しその後、常温まで冷却し
て内金型から管状物を取り外し、完全にイミド化したポ
リイミド管状物を得た。この管状物の厚みは10μmで
あり、その厚みのバラツキは±1.5μmであった。
分とし(固形分で20.3重量%)、イソプロピルアル
コールと水を希釈剤とするAl−Si型アルコキドから
なる無機コーティング剤を、外径32mmのアルミニウ
ム製の芯体にコーティングし、150℃の温度で40分
間加熱し、内金型を作成した。この芯体を用い、ポリイ
ミド前駆体溶液としてピロメリット酸2無水物と4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルをN−メチル−2−
ピロリドン中で反応させて得られた粘度2000ポイズ
のポリイミド前駆体溶液を用意した。この溶液が入った
容器に、内金型を浸漬して引きあげ、その後、内金型上
部のポリイミド前駆体溶液が付着している最上部に内径
34mmのアルミニウム製リング状外型を載置しその自
重のみで走行させ、内金型の表面に1.0mmの厚みに
ポリイミド前駆体溶液を被膜成形した。その後、このポ
リイミド前駆体溶液を成型した芯体を100℃の温度で
60分、180℃の温度で10分間加熱し、さらに25
0℃の温度で30分及び350℃の温度で50分加熱
し、その後、常温まで冷却し芯体から管状物を取り外
し、イミド化したポリイミド管状物を得た。この管状物
の厚みは108μmであり、その厚みのバラツキは±3
μmであった。
のアルミニウム製芯体の表面をバフ研磨により鏡面仕上
し内金型とした。粘度1000ポイズの3,3´,4,
4´−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物と芳香族ジ
アミンをN−メチル−2−ピロリドン中で反応させて得
られポリイミド前駆体溶液を用意し、このポリイミド前
駆体溶液が入った容器に、内金型を長さ600mmまで
浸漬し、その後、上部のポリイミド付着部に内径45.
5mm,重さ665gのアルミニウム製リング状外金型
をその自重で落下させ、内金型の表面に0.2mmの厚
みにポリイミド前駆体溶液を被覆成形した。
した内金型を120℃の温度で40分及び200℃の温
度で18分間加熱し、さらに220℃の温度で40分及
び400℃の温度で50分加熱し、加熱器からとりだす
と内金型表面のポリイミド被膜は局部的に膨れたりまた
は、内金型と接触している部分は強固に接着がおこり管
状物として内金型から分離することは困難であった。
mのステンレス製芯体の表面ポリテトラフロロエチレン
樹脂をコーティングしこれを芯体とした。粘度500ポ
イズの3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン
酸2無水物と芳香族ジアミンをN−メチル−2−ピロリ
ドン中で反応させて得られたポリイミド前駆体溶液を用
意し、このポリイミド前駆体溶液が入った容器に、芯体
の長さ400mmまで浸漬しその後、芯体上部のポリイ
ミド付着部に内径45.2mm,重さ800g,アルミ
ニウム製リング状外型を芯体上部のポリイミド前駆体溶
液上に載置し、その自重のみで通過させ、芯体の表面に
0.1mmの厚みにポリイミド前駆体溶液を被膜成形し
た。
した芯体を120℃の温度で40分及び200℃の温度
で18分間加熱し、さらに220℃の温度で40分及び
380℃の温度で50分加熱しその後、常温まで冷却し
芯体から管状物を取り外ずそうとしたが芯体表面のポリ
イミド被膜は局部的に膨れた部分が多発し正常なポリイ
ミド管状物をえることができなかった。また管状物を芯
体から分離することは可能であったが、この芯体で数回
おなじ実験を繰り返すとポリテトラフロロエチレン樹脂
のコーティング層の表面が荒れてきて、ポリイミド管状
物の内面が荒れてくると同時に管状物の内面にポリテト
ラフロロエチレン樹脂の粉末が付着し芯体が使用不能に
なった。
/℃で、外径30mm、長さ300mmのパイレックス
ガラスパイプ単体を内金型として用意した。粘度100
0ポイズの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸2無水物と芳香族ジアミンをN−メチル−2−ピ
ロリドン中で、反応させて得られたポリイミド前駆体溶
液を用意し、このポリイミド前駆体溶液が入った容器
に、前記パイレックス内金型を浸漬し、その後、芯体上
部のポリイミド付着部に内径30.5mm,のアルミニ
ウム製リング状外型を載置し、その自重のみで通過さ
せ、芯体の表面に0.25mmの厚みにポリイミド前駆
体溶液を被膜形成した。その後、このポリイミド前駆体
溶液を被覆した芯体を120℃の温度で40分及び20
0℃の温度で18分間加熱し、さらに220℃の温度で
40分及び400℃の温度で50分加熱しその後、常温
まで冷却した。しかるのち、このガラス管芯体よりポリ
イミド管状物を分離しようと試みたが管状物として分離
することができなかった。
ィング被膜層で覆われた金属芯体の表面にポリイミド前
駆体溶液をコーティングしその後加熱により溶媒を除却
しイミド転化し芯体と管状物を分離してポリイミド管状
物を製造する方法であり、厚み、円筒度または内外面の
表面の粗度等の精度が非常に高い管状物を製造すること
ができる。
体を使用することにより、ポリイミド前駆体の溶液成形
からイミド転化し管状物を分離するまで同一芯体で処理
が可能になりコストの低減がはかれる。
写機やレーザービームプリンター、ファクシミリ等の熱
定着ベルトまたは精密な伝達搬送ベルトに使用した場
合、常に正常で安定した伝達回転が維持できる利点を有
する。
を表面に形成したアルミニウム製芯体(内金型)の断面
図である。
造方法を示す断面図である。
ポリイミド管状物の断面図である。
管状物を使用した電子写真装置の定着機構の断面図であ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 実質的にポリイミドを主成分とするシー
ムレス管状物の製造方法であって、無機コーティング被
膜層で覆われた金属製芯体の表面に、芳香族系ポリイミ
ド前駆体溶液を実質的に均一厚さに付着させ、加熱して
イミド転化反応を行わせた後、芯体からシームレス管状
物を分離することを特徴とするポリイミド管状物の製造
方法。 - 【請求項2】 無機コーティング被膜層の厚さが、5μ
m以下であり、金属芯体の線膨張係数が、1×10-5/
℃以上である請求項1に記載のポリイミド管状物の製造
方法。 - 【請求項3】 無機コーティング被膜層が、無機元素の
アルコキシド化合物を原料とし、これを加熱して焼き付
けたものである請求項1に記載のポリイミド管状物の製
造方法。 - 【請求項4】 無機元素のアルコキシドが、Si,T
i,Al,Zrから選ばれる少なくとも一つの元素のア
ルコキシド化合物である請求項3に記載のポリイミド管
状物の製造方法。 - 【請求項5】 芳香族系ポリイミド前駆体の粘度が、5
0〜10000ポイズである請求項1に記載のポリイミ
ド管状物の製造方法。 - 【請求項6】 シームレス管状物の厚みが、3〜300
μm範囲である請求項1に記載のポリイミド管状物の製
造方法。 - 【請求項7】 金属製芯体の外表面に芳香族系ポリイミ
ド前駆体溶液を実質的に均一厚さに付着させる手段が、
まず前記芯体の外表面にポリイミド前駆体溶液を浸漬塗
布し、次いで前記金属製芯体の外側に一定のクリアラン
スを有する外金型を配置させ、前記金属製芯体または前
記外金型のうち少なくとも一方を移動する方法である請
求項1に記載のポリイミド管状物の製造方法。 - 【請求項8】 実質的にポリイミドを主成分とするシー
ムレス管状物の製造装置であって、表面が無機コーティ
ング被膜層で覆われた金属製芯体と、前記金属製芯体の
外側に一定のクリアランスをもって配置され、かつ移動
される外金型とを少なくとも具備したことを特徴とする
ポリイミド管状物の製造装置。 - 【請求項9】 無機コーティング被膜層が、厚さ5μm
以下のSi,Ti,Al,Zrから選ばれる少なくとも
一つの酸化物層である請求項8に記載のポリイミド管状
物の製造装置。
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JP2000158555A (ja) * | 1998-11-30 | 2000-06-13 | Ricoh Co Ltd | 無端状ベルトの製造方法 |
US6984353B2 (en) | 2001-06-05 | 2006-01-10 | Showa Electric Wire & Cable Co., Ltd. | Method for manufacturing a polyimide sleeve |
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US8401451B2 (en) | 2008-06-09 | 2013-03-19 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Heating fixing roller and process for producing the heating fixing roller |
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-
1994
- 1994-07-04 JP JP15196394A patent/JP3305121B2/ja not_active Expired - Fee Related
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