JP3667661B2 - ポリイミドスリーブの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機などの熱定着部での使用に適したポリイミドスリーブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタなどの複写・印刷機器においては、電子写真、静電記録、磁気記録などの画像形成プロセスにより、加熱溶融性の樹脂などからなるトナーの画像を記録紙上に形成し、これを熱により定着させる熱定着方式が一般に採用されている。
【0003】
このような熱定着方式で使用される定着装置としては、従来、加熱ヒータを内蔵した熱定着ローラと加圧ローラの2つのローラ間にトナー像が形成された記録紙を送り込んで定着させるヒートローラ方式が一般的であったが、近年、熱定着ローラに代えて、ポリイミドやポリアミドイミド等からなるフィルム状のシームレススリーブ(ポリイミドスリーブ)、あるいは、その外周面にフッ素樹脂などを被覆したスリーブを使用するフィルム定着方式が開発され、広く用いられつつある。
【0004】
すなわち、この方式による定着装置は、ポリイミドスリーブの内側に加熱ヒータを配置し、加熱ヒータにポリイミドスリーブを圧接するとともに、加熱ヒータに圧接した部分の外側に加圧ローラを圧接させ、これらの加熱ヒータに圧接した部分のポリイミドスリーブと加圧ローラとの間に、トナー像を形成した記録紙を通過させ、記録紙をポリイミドスリーブを介して加熱することにより、未定着のトナー像を記録紙上に熱定着させるものである。
【0005】
この方式では、薄いフィルムからなるポリイミドスリーブの熱容量が小さいため、電源を入れるとほぼ同時に熱定着ができるとともに、加熱に要するエネルギーも小さくすることができるという特徴を有している。
【0006】
また、最近では、加圧ローラに代えて、上記のようなポリイミドスリーブを用いる定着装置も開発されている。
【0007】
すなわち、この定着装置は、加熱ヒータを内蔵した熱定着ローラの外側表面に、複数のローラ間に懸架したポリイミドスリーブを圧接させ、これらの熱定着ローラとポリイミドスリーブとを回転させながら、それらの間にトナー像を形成した記録紙を通過させて熱定着させるものである。
【0008】
この方式では、記録紙の搬送速度を大きくしても十分な定着時間を確保することができ、機器の高速化を図ることができるなどの特徴を有している。
【0009】
ところで、このような定着方式に用いられるシームレスのポリイミドスリーブの製造方法としては、円筒状の金属芯体の外周面に、ポリアミド酸溶液のようなポリイミド前駆体溶液を塗布し、加熱により乾燥およびイミド化した後、スリーブ状物を芯体から離型する方法が、代表的な方法として知られている。
【0010】
しかしながら、ポリイミドは接着剤として使用される樹脂であり、ポリイミド前駆体溶液を塗布し、加熱によりイミド化すると、ポリイミドスリーブは収縮して芯体に強く密着または接着してしまい、容易に芯体から取り外すことはできない。
【0011】
そこで、このような芯体からの離型を容易にするため、(1)ポリイミド前駆体溶液を芯体に塗布し、少なくともスリーブ状物として強度を保持できるまで加熱して一旦芯体から離型した後、再度芯体に挿入し焼成する方法、(2)芯体に小孔を設けておき、芯体にポリイミド前駆体溶液を塗布し、加熱焼成後、芯体の内側から小孔を通して空気を圧送し、芯体からスリーブを離型する方法、(3)芯体の表面にシリコーンオイルのような離型性材料を塗布する方法などが、さらに提案されている。
【0012】
しかしながら、(1)の熱処理工程を2度繰り返す方法では、工程が煩雑で、生産性が低くなるうえ、イミド化の途中でスリーブの離型と再挿入を行うため、製品の歩留まりも低下するという難点があった。
【0013】
また、(2)の芯体に小孔を設ける方法では、芯体の製造コストが高くなるうえ、スリーブの収縮力に逆らって空気を圧送することになるため、膜の剥がれや折れ曲がりが生じやすくなり、品質が低下し歩留まりも低下するという難点があった。
【0014】
さらに、(3)の離型性材料を被覆する方法では、芯体からのスリーブの分離は容易になるものの、芯体表面自体はぬれ難くなるため、ポリイミド前駆体溶液を塗布する際に、はじき現象や流れ現象が生じ、所望の厚さにむらなく塗布することが困難になるという新たな問題を生じた。
【0015】
なお、この問題については、例えば特開平3‐261518号公報では、芯体表面に接触角が小さい耐熱性樹脂で被覆することにより、また、特開平7‐76025号公報では、芯体表面に無機コーティング層を設けることにより、それぞれ芯体からのスリーブの分離を容易にするとともにはじき現象などの発生を起き難くする方法も提案されているが、いずれも被覆層の表面強度や芯体との接着強度が十分とはいえず、傷が付いたり剥がれたりしやすいという難点があった。わずかでも傷が付いたりすると、ポリイミドスリーブにピンホールや傷痕が生じ、品質の低下を招く。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ポリイミドスリーブを芯体から容易に離型させるため、従来より様々な改良が試みられているが、それぞれ難点があり、未だ高品質のポリイミドスリーブを簡便にかつ歩留まりよく製造する技術は確立されていない。
【0017】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、高品質のポリイミドスリーブを簡便にかつ歩留まりよく製造することができるポリイミドスリーブの製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載したように、少なくとも外周面が離型性樹脂からなる芯体上に、離型性樹脂スリーブを装着し、その外面にポリイミド前駆体溶液を塗布し、次いで、加熱により前記ポリイミド前駆体をほぼ完全にイミド化してポリイミドを主体とするスリーブを形成した後、このポリイミドスリーブを前記離型性樹脂スリーブとともに前記芯体から離型し、さらに、前記離型性樹脂スリーブを前記ポリイミドスリーブから分離除去することを特徴とする定着部用ポリイミドスリーブの製造方法である。
【0019】
上記構成のポリイミドスリーブの製造方法においては、少なくとも外周面が離型性樹脂からなる芯体を用いるとともに、芯体上に離型性樹脂スリーブを装着し、この離型性樹脂スリーブとともにポリイミドスリーブを離型させるようにしたことにより、ポリイミドスリーブを傷付けたりすることなく芯体から容易に離型させることが可能となる。しかも、従来のように、離型および熱処理を2度繰り返す必要がないため、工程が煩雑化することはなく、また、成形過程でのポリイミドスリーブの損傷のおそれもない。さらに、芯体の作製にあたって困難な加工技術を要することもないため、芯体の作製コストが大幅に上昇することもない。加えて、ポリイミド前駆体溶液を塗布する際にはじき現象や流れ現象が生じることもない。したがって、高品質の定着部用ポリイミドスリーブを簡便に生産性よくかつ歩留まりよく製造することができる。
【0020】
本発明において、芯体外周面の離型性樹脂および離型性樹脂スリーブは、請求項2に記載したように、いずれも上記ポリイミド前駆体のイミド化温度に耐え得るものであることが好ましい。
【0021】
また、芯体外周面の離型性樹脂は、請求項3に記載したように、離型性樹脂スリーブより高融点の離型性樹脂からなることが好ましい。
【0022】
本発明において、芯体外周面の離型性樹脂としては、請求項4に記載したように、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とするフッ素樹脂を例示することができ、また、離型性樹脂スリーブとしては、請求項5に記載したように、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を主成分とするフッ素樹脂からなるものを例示することができる。
【0023】
本発明において、離型性樹脂スリーブは、請求項6に記載したように、厚さが0.01mm〜0.2mmであることが好ましい。
【0024】
本発明は、請求項7に記載したように、厚さが0.01mm〜0.2mmのポリイミドスリーブの製造に適用した場合に特に顕著な効果が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るポリイミドスリーブの製造工程を示す図である。
【0027】
図1に示すように、本発明においては、まず、芯体の外周に離型性樹脂スリーブを装着する。
ここで使用する芯体は、アルミやステンレスなどの金属材料からなる円筒状もしくは円柱状の芯材の表面を研磨するなどして鏡面処理を施したもの、同様の芯材の外周面に離型性樹脂の層を設けたもの、セラミックスや耐熱性樹脂からなる円筒状もしくは円柱状の芯材の外周面に離型性樹脂の層を設けたものなどである。芯体全体が離型性樹脂で構成されているものも使用可能である。
【0028】
上記離型性樹脂としては、ポリイミド前駆体のイミド化温度に耐え得る、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などのフッ素樹脂が好適である。
【0029】
このようなフッ素樹脂を用いて芯材の外周面に離型性樹脂層を形成するにあたっては、フッ素樹脂ディスパージョンを塗布し焼成する方法、フッ素樹脂粉体を静電塗装し焼成する方法、フッ素樹脂フィルムやスリーブを装着する方法などを用いるようにすればよい。離型性樹脂層の層厚は、5μm〜50μmの範囲が適当であり、層厚が5μm未満では、平滑な離型性樹脂層を得ることが困難になり、また、50μmを超えると、均一な層を得ることが困難になる。
【0030】
また、このような芯体上に装着する離型性樹脂スリーブとしては、上記の離型性樹脂の場合と同様、ポリイミド前駆体のイミド化温度に耐え得るフッ素樹脂からなるものが好ましく、特に、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)からなるスリーブの使用が好ましい。
【0031】
また、離型性樹脂スリーブの厚さは、0.01mm〜0.2mmの範囲が適当であり、0.02mm〜0.1mmであるとさらに好ましい。厚さが0.01mm未満では、強度不足により離型が困難になるおそれがあり、また、厚さが0.2mmを超えると、価格が上昇し経済性が低下するようになる。
【0032】
さらに、その内径は、芯体の外径よりやや小径であることが好ましい。このようなやや小径の離型性樹脂スリーブを径方向に拡張しながら芯体に装着することにより、芯体への密着性を高め、内径のバラツキの少ない製品を得ることができる。
【0033】
なお、本発明において、芯体として外周面もしくは全体が離型性樹脂からなるものを使用する場合には、離型性樹脂スリーブと芯体との融着によって離型性樹脂スリーブの芯体からの離型が困難になるのを防止するため、芯体の離型性樹脂は離型性樹脂スリーブより高融点のものを使用することが好ましい。具体的には、芯体の離型性樹脂にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用し、離型性樹脂スリーブにテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)からなるスリーブを使用する組合せが例示される。
【0034】
次に、上記離型性樹脂スリーブの外面にポリイミド前駆体溶液を塗布する。
【0035】
ポリイミド前駆体としては、例えば3,3′-ジメチル-4,4′-ジアミノビフェニル、3,3′-ジアミノジフェニルエーテル、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、p-フェニレンジアミンなどの芳香族ジアミンと、3,3′,4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン-3,3′,4,4′-テトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸とを、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの有機極性溶剤中で反応させて得られるものなどが挙げられる。これらは溶剤に溶解され芯体に塗布しやすい粘度に調製されて使用される。
【0036】
このように調製されたポリイミド前駆体溶液の離型性樹脂スリーブ外面への塗布方法は、特に限定されるものではないが、図2に示すように、ポリイミド前駆体溶液10を収容するとともに、上部に余剰の溶液10を除去するためのダイス11を装着した浸漬槽12内に、離型性樹脂スリーブ13を装着した芯体14を直立に保持して浸漬させ、芯体14をダイス11に通して上方に引き上げる、いわゆる引上げ法により行うことが望ましく、ポリイミド前駆体溶液10を離型性樹脂スリーブ13の外面に均一な所望の厚さに容易に塗布することができる。
【0037】
このようにポリイミド前駆体溶液を離型性樹脂スリーブ13の外周面に塗布した後、これを加熱炉に入れるなどして加熱し、ポリイミド前駆体をイミド化させる。ここで、イミド化とは、ポリイミド前駆体が加熱により脱水閉環してポリイミドとなる縮合反応をいい、イミド化は、常温付近ではほとんど進行せず、通常ポリイミドのガラス転移温度付近にまで段階的に加熱することにより完結するとされている。
【0038】
本発明においては、まず、溶剤を揮発させてポリイミド前駆体からなる膜を形成した後、ポリイミド前駆体がイミド化する温度にまで昇温して加熱する、いわゆるステップ加熱法を用いることが望ましい。このような方法を採ることによって、緻密で均一な厚さのポリイミドスリーブの成型が可能となる。
【0039】
このようにして、芯体上に離型性樹脂スリーブを介してポリイミドを主体とするスリーブを形成した後、芯体を加熱炉から取り出し、ほぼ室温にまで冷却したところで、表面に形成されたポリイミドを主体とするスリーブを離型性樹脂スリーブとともに芯体から離型し、さらに、その後、離型性樹脂スリーブを分離除去する。ポリイミドを主体とするスリーブは、離型性樹脂スリーブとともに、かつ、鏡面処理や離型性樹脂層などによって離型性を高めた芯体から離型するので、芯体から容易に除去することができる。
【0040】
本発明のポリイミドスリーブの製造方法は、厚さが0.01mm〜0.2mmのポリイミドスリーブの製造に適している。
【0041】
また、本発明の製造方法は、ポリイミドスリーブの上に、例えばフッ素樹脂層を有する、あるいは、シリコーンゴム層およびフッ素樹脂層を順に有するような複合構造のスリーブの製造にも適用可能である。この場合には、芯体外周にポリイミドを主体とするスリーブを形成した後、常法によりフッ素樹脂層またはシリコーンゴム層およびフッ素樹脂層を形成し、次いで芯体から離型性樹脂スリーブとともに離型し、さらに、離型性樹脂スリーブを分離除去するようにすればよい。
【0042】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
実施例1
内径50mm、長さ400mm、肉厚0.5mmのステンレス鋼(SUS 304)管の外表面にPTFEディスパージョン(ダイキン工業社製 商品名ポリフロンPTFEエナメル)を20μm厚に塗付し焼成してPTFE層を形成し、芯体を作製した。
【0044】
得られた芯体に、内面に化学エッチング処理を施した内径48mm、厚さ50μmのPFAスリーブを径方向に拡張しながら装着し、その外周面上に、ポリイミド樹脂ワニス(宇部興産社製 商品名Uワニス-S;固形分20% 溶剤NMP)を、図2に示したような引上げ法により160μm厚に塗付し、150℃で1時間、220℃で1時間、および290℃で1時間の熱処理を施した。その後、室温にまで冷却し、芯体からポリイミドスリーブをPFAスリーブとともに離型し、さらにPFAスリーブをポリイミドスリーブから分離除去した。ポリイミドスリーブの芯体からの離型は容易で、芯体とPFAスリーブの間にエアガンにより圧搾空気を吹き込みつつ軸方向に軽く圧力を加えるだけで容易に離型することができた。
【0045】
得られたポリイミドスリーブは、内径50.1mm、肉厚約30μmで、傷やシワ、うねりなども認められなかった。
【0046】
実施例2
芯体として、外表面を鏡面処理した内径50mm、長さ400mm、肉厚0.5mmのステンレス鋼(SUS 304)管を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリイミドスリーブを製造した。実施例1と同様、ポリイミドスリーブは、芯体とPFAスリーブの間にエアガンにより圧搾空気を吹き込みつつ軸方向に軽く圧力を加えるだけで容易に芯体から離型することができた。
【0047】
得られたポリイミドスリーブは、内径50mm、肉厚約30μmで、傷やシワ、うねりなども認められなかった。
【0048】
比較例
実施例1と同様にして作製した芯体の外周面上に、ポリイミド樹脂ワニス(宇部興産社製 商品名Uワニス-S;固形分20% 溶剤NMP)を、図2に示したような引上げ法により160μm厚に塗付し、150℃で1時間、220℃で1時間、および290℃で1時間の熱処理を施した。その後、室温にまで冷却し、芯体からポリイミドスリーブの離型を試みたが、ポリイミドスリーブは芯体に強固に密着しており、離型することができなかった。
【0049】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明のポリイミドスリーブの製造方法によれば、少なくとも外周面が離型性樹脂からなる芯体を用いるとともに、芯体上に離型性樹脂スリーブを装着し、この離型性樹脂スリーブとともにポリイミドスリーブを離型させるようにしたので、ポリイミドスリーブの芯体からの離型が容易で、高品質の定着部用ポリイミドスリーブを簡便にかつ歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリイミドスリーブの製造工程を示す図。
【図2】本発明に係るポリイミド前駆体溶液の芯体への塗布方法の一例を示す概略図。
【符号の説明】
10………ポリイミド前駆体溶液
13………離型性樹脂スリーブ
14………芯体

Claims (7)

  1. 少なくとも外周面が離型性樹脂からなる芯体上に、離型性樹脂スリーブを装着し、その外面にポリイミド前駆体溶液を塗布し、次いで、加熱により前記ポリイミド前駆体をほぼ完全にイミド化してポリイミドを主体とするスリーブを形成した後、このポリイミドスリーブを前記離型性樹脂スリーブとともに前記芯体から離型し、さらに、前記離型性樹脂スリーブを前記ポリイミドスリーブから分離除去することを特徴とする定着部用ポリイミドスリーブの製造方法。
  2. 芯体外周面の離型性樹脂および離型性樹脂スリーブは、いずれも前記ポリイミド前駆体のイミド化温度に耐え得るものであることを特徴とする請求項1記載の定着部用ポリイミドスリーブの製造方法。
  3. 芯体外周面の離型性樹脂は、離型性樹脂スリーブより高融点の離型性樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載のポリイミドスリーブの製造方法。
  4. 芯体外周面の離型性樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とするフッ素樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の定着部用ポリイミドスリーブの製造方法。
  5. 離型性樹脂スリーブは、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を主成分とするフッ素樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の定着部用ポリイミドスリーブの製造方法。
  6. 離型性樹脂スリーブは、厚さが0.01mm〜0.2mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の定着部用ポリイミドスリーブの製造方法。
  7. ポリイミドスリーブは、厚さが0.01mm〜0.2mmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の定着部用ポリイミドスリーブの製造方法。
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