JP4261042B2 - 定着ベルト及び定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ(レーザープリンタ等)、ファクシミリ等の画像形成装置に採用できる定着装置、及びそれに使用される定着ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記の複写機等において、記録シート上に形成したトナー像を定着させる方法として、現在最もよく用いられる方法は、熱ローラによるものである。この定着方法はトナー像を形成した記録シートを一定のニップ幅をもって圧接したローラの間を通し、かつローラの一方または双方から加熱することによって、トナー像を記録シート上に定着させる方式である。この定着方法には、熱効率が高い点、及び高速化が容易である点など、多くの利点がある。
【0003】
そして、定着ローラとしては、定着したトナーの離型とオフセット防止のために、金属ローラの表面にシリコーンゴムあるいはフッ素樹脂が被覆されたものが従来使用されていた。また、最近では、シリコーンゴム製の弾性層の上にフッ素樹脂を塗布・焼成したもの等が提案されている。
【0004】
一方、ニップ長の改善や待ち時間の短縮などの観点から、定着ベルトを使用した種々の定着方法が提案されており、当該定着ベルトとしては、耐熱性や機械強度に優れたポリイミド樹脂からなる単層の管状体、あるいはポリイミド樹脂製の内層とフッ素樹脂製の外層からなる複合管状体(特開平3−130149号公報)や、ポリイミド樹脂製の内層の外周面に、シリコーンゴム又はフッ素ゴム製の外層を設けた複合管状体(特開平5−154963号公報)が提案されている。しかし、この複合管状体では、ベルト全体が絶縁性のため、定着ベルトと加圧ローラーの間にトナー付き記録シートを送る際、これらの摩擦によって静電荷が発生し易く、その結果、当該静電荷が定着されるトナー画像に影響してトナー画像が乱れ易いという問題(いわゆる剥離オフセット)があった。
【0005】
そこで、特開平10−305500号公報には、ポリイミド樹脂製管状内層とシリコーンゴム又はフッ素ゴム製管状外層の両層に導電性物質を添加した複合管状体が提案されている。しかし、この複合管状体では、ベルトの摩擦帯電が生じにくくなるものの、外層がカーボンブラック等の導電性物質を含有するため、その表面形状やトナーの付着力等の影響により、トナーが定着ベルトに残存して異なる部分に定着されるというオフセット現象(通常のオフセット)が生じ易くなることが判明した。
【0006】
他方、特開平10−3224号公報には、加熱ローラとこれより小径の剥離用ローラ間にエンドレスベルトを張設し、このベルトを介して、下方から加熱ローラを押圧する加圧ローラを設けてベルトと加圧ローラ間にニップ部を構成した定着装置であって、記録シート上に形成された未定着トナー画像をニップ部で定着した後、ベルト表層の離型層と剥離用ローラの曲率半径により、記録シートの離型を容易にしたものが開示されている。この装置では、加熱溶融されたトナーがある程度冷却された後に、ベルトから記録シートが剥離されるため、熱ローラ定着方式より耐オフセット性に優れ、しかも一般のベルト定着方式に比べて剥離時の曲率半径を小さくとることができるため、この点からも耐オフセット性に有利になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の定着装置に従来のエンドレスベルトを使用した場合、いわゆる剥離オフセットが生じたり、また、上記のような耐オフセット性の低下が生じることが判明した。また、剥離用ローラが小径であるため、一般的なベルト定着方式に比べて内部応力が生じ易くなり、ベルトの耐久性が問題となり易い。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ベルトの摩擦帯電を効果的に防止しつつ、オフセット現象を生じ難くすることができ、ベルトの耐久性に優れる定着ベルト及び定着装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意研究したところ、意外にも外層に導電性物質を添加しない場合でも、内層の表面抵抗率を特定の範囲に設定することで、ベルトの摩擦帯電を効果的に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の定着ベルトは、表面抵抗率が1010 13 Ω/□の耐熱性樹脂層と、その外面側に設けられたシリコーンゴム製の弾性体層と、最外層に設けられた耐熱性離型層とを備え、前記弾性体層は、前記耐熱性樹脂層の表面にシリコーンゴム溶液を塗布し、該塗布膜を硬化させて形成されたものであり、前記硬化させた塗布膜の外面がプライマー処理され、その表面にフッ素樹脂を含む塗料を塗布することにより厚さ1〜50μmの前記フッ素樹脂よりなる前記耐熱性離型層が被覆されており、前記耐熱性樹脂層以外の層には、導電性物質が添加されていないことを特徴とする。
【0012】
また、前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン樹脂(以下PTFEと略す)、テトラフルオロエチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体(以下PFAと略す)、及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体(FEPと略す)からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0013】
一方、本発明の定着装置は、少なくとも加熱ローラとそれより小径の剥離用ローラとの間にエンドレスベルトを張設し、このエンドレスベルトを介して加熱ローラを押圧する加圧ローラを設けて、前記エンドレスベルトと前記加圧ローラ間にニップ部を形成した定着装置において、前記エンドレスベルトとして、上記いずれかに記載の定着ベルトを用いることを特徴とする。
【0014】
[作用効果]
本発明の定着ベルトによると、耐熱性樹脂層の表面抵抗率を上記の範囲に設定することで、最外層等で生じる静電荷を耐熱性樹脂層にて除電することができるため、最外層等への導電性物質の添加を不要又は極少量にすることができる。このため、定着ベルトの最外層等が平滑でトナーが付着しにくく、また摩擦帯電も生じにくいため、オフセット現象を起こしにくくなる。しかも、ベルトの耐久性も高いものとなる。
【0015】
前記弾性体層の外面がプライマー処理され、その表面に厚さ1〜50μmのフッ素樹脂よりなる耐熱性離型層が被覆されている場合、プライマー処理によりシリコーンゴムとフッ素樹脂との接着性が高まるとともに、適度な厚みのフッ素樹脂により、トナー定着後の離型性とトナー定着時の柔軟性とを良好にすることができる。
【0016】
また、前記フッ素樹脂が、PTFE、PFA、及びFEPからなる群より選ばれる1種以上である場合、耐熱性、耐久性、製造性等が良好になる。
【0017】
一方、本発明の定着装置によると、上記のような定着装置のエンドレスベルトとして、上記いずれかに記載の定着ベルトを用いるため、上記の如き作用効果により、ベルトの摩擦帯電を効果的に防止しつつ、オフセット現象を生じ難くすることができ、ベルトの耐久性に優れるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の定着ベルトの一例を断面図にて示すものである。
【0019】
この図では、本発明の定着ベルトは、円筒状の基材である耐熱性樹脂層1と、その外面に設けられたシリコーンゴム製の弾性体層2と、その外面がプライマー処理されてなるプライマー層3と、最外層に設けられた耐熱性離型層4とを備えるエンドレスベルトとして例示されている。
【0020】
耐熱性樹脂層1としては、高耐熱性、高強度、高弾性率、可撓性、寸法安定性などの理由からポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール等の樹脂が使用される。なかでも、芳香族ポリイミドが特に好ましい。これらの樹脂を樹脂成分とするエンドレスベルトは、当該樹脂又はその原料を用いて、周知の方法で形成することができる。
【0021】
本発明では、剥離オフセット防止のため、耐熱性樹脂層1の表面抵抗率が101 〜1014Ω/□であることが必要であり、102 〜1013Ω/□が好ましい。該表面抵抗率を得るためには金属、カーボン、金属酸化物に代表される導電性フィラーを分散させる方法が有効であるが、これに限定するものではない。表面抵抗率は、導電性フィラーの種類、添加量、粒径等によって調整することができる。
【0022】
表面抵抗率が1014Ω/□を超えると、摩擦帯電を有効に防止できず、剥離オフセット防止に効果がない。また101 Ω/□未満では、導電性フィラーの配合量を多くなり、もろく、高強度が得ず、耐久性が低下する。
【0023】
なお、本発明における耐熱性樹脂層1の厚みは、1〜50μmが好ましい。また、耐熱性樹脂層1は、上記の必須成分以外に、その物性を損なわない程度に、シリコーン系又はフッ素系の各有機化合物、カップリング剤、滑剤、酸化防止剤、その他の添加剤を含有してもよい。また、前記樹脂には、その物性を損なわない程度に、他のポリマー成分が共重合されたり、ブレンドされたものであってもよい。
【0024】
弾性体層2はシリコーンゴムを主成分として成形され、当該シリコーンゴムとしては、ゴム硬度が20〜50度程度あれば、汎用のものが使用でき、たとえば、メチルシリコーンゴム、ビニルメチルシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴムをそれぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせても使用することができる。但し、フッ素樹脂等の耐熱性離型層4を形成するための焼結温度に耐える必要から、耐熱性の高いものが好ましい。特に、シリカ、酸化チタン、等のフィラーの配合や顔料等の配合により補強され、耐熱性が向上するので好適である。弾性体層2の厚さは、適度な弾性を発現してトナーを好適に定着する上で、5〜500μmが好ましく、10〜400μmがより好ましい。
【0025】
弾性体層2の形成は、シリコーンゴム溶液等をスプレーコート、ディッピング等で一定の厚みに塗布した後、温度20〜200℃で0.1〜24時間放置して硬化させることにより行うことができる。なお、弾性体層2を形成する際に、その接着強度を向上させるため、耐熱性樹脂層1の表面に公知の接着処理、例えばアルカリ処理、プライマ処理、超音波処理、エッチング処理等のウェット処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線(UV)照射処理、電子線照射処理、レーザー処理等のドライ処理を施してもよい。
【0026】
耐熱性離型層4としては非粘着性に優れたフッ素樹脂が好ましく、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂が好ましい。耐熱性離型層4の厚さは、1〜50μmが好ましく、5〜40μmがより好ましい。
【0027】
また、プライマー層3はシリコーンゴムとフッ素樹脂層を結合するために形成され、それらの層間に介装したものである。たとえば、三井デュポンフロロケミカル社製のPRM−027−3などのフッ素化シリコーンのプライマーにより、シリコーンゴムとフッ素樹脂を強固に接着できる。
【0028】
次に、本発明の定着装置について説明する。本発明の定着装置は、図2に示すように、少なくとも加熱ローラ11とそれより小径の剥離用ローラ12との間にエンドレスベルト10を張設し、このエンドレスベルト10を介して加熱ローラ11を押圧する加圧ローラ13を設けて、エンドレスベルト10と加圧ローラ13間にニップ部を形成したものである。本発明では、このエンドレスベルト10として、本発明の定着ベルトを用いることを特徴とする。
【0029】
この定着装置では、記録シート14上に形成された未定着トナー画像は、ニップ部nで加熱・加圧により定着され、その後、エンドレスベルト10の耐熱性離型層4と剥離用ローラ12の曲率半径とにより、記録シート14の離型とオフセット防止とが好適に行われる。
【0030】
本発明の定着ベルトは総厚が比較的薄いので熱容量が小さく設定でき、記録シート14に形成された未定着トナーを定着ベルト10を介して、加熱ローラ11から効率よく伝達できる。ニップ部nで加熱溶融されたトナーは剥離用ローラ12に移動するまでに、十分に冷却され固化する。定着されたトナー画像15は、曲率半径が小さい(例えば直径10〜30mm)剥離用ローラ12によって、容易にトナー画像15と定着ベルト10を離型できるようになる。
【0031】
加熱ローラ11は、例えば直径40mmのアルミニウムを主成分とした合金の芯金に厚さ3mmのシリコーンゴムよる耐熱弾性体被覆層を設けて構成される。加熱ローラ11の温度は、トナーの種類に応じて適宜設定される。
【0032】
剥離用ローラ12は、例えば直径15mmのアルミニウムを主成分とした合金の芯金に厚さ200μmのPFAチューブを収縮被覆させたローラで構成される。
【0033】
また、加圧ローラ13は、例えば直径40mmのアルミニウムを主成分とした合金の芯金に厚さ3mmのシリコーンゴムによる耐熱弾性体被覆層を設けて構成される。エンドレスベルト10を介して、下方から加熱ローラ11を例えば圧力2kgf/cm2 でに押し圧するように設定されている。ニップ部nのニップ幅は約10mmに設定されている。このニップ部nのニップ幅はシリコーンゴムの硬度と加圧ローラの押圧で調整できる。
【0034】
なお、加圧ローラ13の代わりに、弾性体の表面に摺動性層を有する押圧部材を設けることも可能であり、これにより加圧ローラ13と同様にニップ部nを形成することができる。本発明の定着ベルトは、当該定着装置にも使用することができる。
【0035】
上記の定着装置の定着ベルト10の線速は100〜300mm/sec程度であり、例えば加熱ローラ11が駆動されて、他のローラおよび定着ベルト10が、同じ速度で従動れさる。また、他のローラを駆動させることも可能である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0037】
製造例1(ポリイミドベルトの製造)
NMPにポリアミド酸溶液の固形分に対して10wt%になるようカーボン(ライオン(株)製,ケェッチェンブラック)を添加し、ボールミルで12時間分散させたNMP溶液中に3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンの略等モルを添加し(モノマー濃度20重量%)、温度20℃で5時間反応させて2600ポアズのポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液を円筒状金型の内面に供給した後、弾丸状走行体を自重により落下させ、塗膜中の気泡を除く脱泡を行い均一な塗膜面を得た。次いで該金型を150℃から段階的に370℃まで加熱して溶媒の除去、閉環水の除去、イミド転化の完結反応を行い、内径60mm、長さ380mm、厚み75μmのポリイミドベルトを製造した。
【0038】
実施例1
製造例1で得られた、カーボン(ケェッチェンブラック)を10wt%配合した厚さ75μmのポリイミドベルトの外周面に、メチルシリコ−ンゴム(東レ・ダウコ−ニング社製、DX 35−2083)をスプレー塗布し、180℃の熱風循環式炉で、30分加熱硬化させて、均一な厚さ150μmの弾性体層を形成した。次に、弾性体層の上にプライマー(三井デュポンフロロケミカル社製、PRM−027−3)をスプレー塗布し、120℃の熱風循環式炉で、10分加熱乾燥させて、厚さ5μmのプライマー層を形成した。さらに、その上にFEP分散塗料(三井デュポンフロロケミカル製、ENA−020−45)をスプレー塗布し、320℃の熱風循環式炉で、30分加熱乾燥させて、厚さ20μmのフッ素離型層を形成する。総厚として250μmの定着ベルトが得られた。またポリイミドベルトの表面抵抗率は2. 3×105 Ω/□であった。
【0039】
実施例2
製造例1と同様にして得られた、カーボン(ケェッチェンブラック)を15wt%配合した厚さ75μmのポリイミドベルトを用い、またフッ素離型層にPFA水性塗料(ダイキン工業製、AW−5000)をスプレー塗布し、320℃の熱風循環式炉で、30分加熱乾燥させて、厚さ20μmのフッ素離型層を形成した他は実施例1と同様に行った。総厚とし250μmの定着ベルトが得られた。また表面抵抗は4.6×103 Ω/□であった。
【0040】
実施例3
製造例1と同様にして得られた、カーボン(ケェッチェンブラック)を25wt%配合した厚さ75μmのポリイミドベルトを用いた他は実施例と同様に実施した。総厚とし250μmの定着ベルトが得られた。また表面抵抗は1. 1×101 Ω/□であった。
【0042】
比較例1
製造例1と同様にして得られた、カーボン(ケェッチェンブラック)を30wt%配合した厚さ75μmのポリイミドベルトを用いた他は実施例と同様に実施した。総厚とし250μmの定着ベルトが得られたが、ベルトとしては可撓性がないフィルムであった。また、表面抵抗は0.8×101 Ω/□であった。
【0043】
比較例2
製造例1と同様にして得られた、カーボン(ケェッチェンブラック)を1wt%配合した厚さ75μmのポリイミドベルトを用いた他は実施例と同様に実施した。総厚とし250μmの定着ベルトが得られた。また表面抵抗は1.5×1015Ω/□であった。
【0044】
試験例
図2に示す定着装置において、加熱ローラ11を直径40mmのアルミニウムを主成分とした合金の芯金に厚さ3mmのシリコーンゴムよる耐熱弾性体被覆層を設けて構成し、剥離用ローラ12を直径15mmのアルミニウムを主成分とした合金の芯金に厚さ200μmのPFAチューブを収縮被覆させたローラで構成した。また、加圧ローラ13を直径40mmのアルミニウムを主成分とした合金の芯金に厚さ3mmのシリコーンゴムによる耐熱弾性体被覆層を設けて構成し、押圧力を2kgf/cm2 に設定し、ニップ幅を約10mmに設定した。
【0045】
実施例等で得られた定着ベルトをこの定着装置に装着して、トナーの定着性、離型性、およびオフセットの発生、剥離オフセットの発生の有り無し及び防止性及び耐久性を見るために、下記の条件で評価をおこなった。即ち、カラートナーを用いて、記録シートとして、A4板の用紙を用いた。加熱ローラ温度170℃、定着ベルトの線速は120mm/sec、加圧ローラの圧力2kgf/cm2 とし、50000枚の複写後の定着ベルトの表面状態やオフセットの異常を見た。その結果を表1〜表2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004261042
【表2】
Figure 0004261042
表1〜表2の結果が示すように、本発明の定着ベルトは、定着性、耐オフセット性、耐久性の何れにも優れていた。これに対し、耐熱性樹脂層の表面抵抗率が小さ過ぎる比較例1では耐久性が劣り、耐熱性樹脂層の表面抵抗率が大き過ぎる比較例2では剥離オフセットが発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着ベルトの一例を示す断面図
【図2】本発明の定着装置の一例を示す概略構成図
【符号の説明】
1 耐熱性樹脂層
2 弾性体層
3 プライマー層
4 耐熱性離型層
10 定着ベルト(エンドレスベルト)
11 加熱ローラ
12 剥離用ローラ
13 加圧ローラ

Claims (3)

  1. 表面抵抗率が1010 13 Ω/□の耐熱性樹脂層と、その外面側に設けられたシリコーンゴム製の弾性体層と、最外層に設けられた耐熱性離型層とを備え、
    前記弾性体層は、前記耐熱性樹脂層の表面にシリコーンゴム溶液を塗布し、該塗布膜を硬化させて形成されたものであり、
    前記硬化させた塗布膜の外面がプライマー処理され、その表面にフッ素樹脂を含む塗料を塗布することにより厚さ1〜50μmの前記フッ素樹脂よりなる前記耐熱性離型層が被覆されており、
    前記耐熱性樹脂層以外の層には、導電性物質が添加されていないことを特徴とする定着ベルト。
  2. 前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体からなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の定着ベルト。
  3. 少なくとも加熱ローラとそれより小径の剥離用ローラとの間にエンドレスベルトを張設し、このエンドレスベルトを介して加熱ローラを押圧する加圧ローラを設けて、前記エンドレスベルトと前記加圧ローラ間にニップ部を形成した定着装置において、前記エンドレスベルトとして、請求項1又は2に記載の定着ベルトを用いることを特徴とする定着装置。
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