JP4244754B2 - 管状物および定着装置 - Google Patents

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本発明は、例えば電子写真方式、静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置に用いられる定着装置およびその定着装置に用いられる無端ベルト状の管状物に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等により電子写真画像を形成するには、記録紙等の記録媒体上に未定着トナー像を形成した後、未定着トナー像を担持した記録媒体を定着装置で加熱加圧処理することにより、記録媒体表面にトナー像を定着させる必要がある。
従来、この定着装置として種々の方式の装置が提案されているが、その一つに、加熱部材と無端ベルトとの間に記録媒体を挟んで加熱・加圧することにより未定着トナー像を定着する方式の定着装置が知られている。
従来、この無端ベルトとして、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの耐熱性樹脂からなる管状物の表面に、フッ素樹脂をコーティングして無端ベルトとしたもの(例えば、特許文献1参照)、PBI(ポリベンゾイミダゾール)樹脂コート層で無端ベルトを構成したもの(例えば、特許文献2参照)、厚み10μm〜35μmの金属製薄肉無端ベルトの外周面に離型性を有するコーティング層を有し、内周面に樹脂層を有する定着ベルト(例えば、特許文献3参照)、ポリイミド系樹脂を主体とする層を2層以上積層して複層無端ベルトとしたもの(例えば、特許文献4参照)、ポリイミド樹脂中にカーボンブラックなどの無機粉体を含有させて外周面の抵抗率を内周面の抵抗率よりも大きくしたもの(例えば、特許文献5参照)などが開示されている。
また、これらの無端ベルトを記録媒体の画像形成面に接触する側の定着ベルトとして、また加圧側のベルトとして用いた定着装置が開示されている。
特開平7−9634号公報(第2頁、第1図) 特開平7−160135号公報(第2頁、第1図) 特開平6−222695号公報(第2頁、第1図) 特開平2001−159851号公報(第2頁、第1図) 特開2002−283368号公報(第2〜3頁、第1図)
しかしながら、上記の無端ベルトあるいは無端ベルトを用いた定着装置には、以下に示すような種々の問題がある。
先ず、定着装置用の無端ベルトに用いられる管状物として十分な強度を有している必要がある。管状物としての強度が不十分な場合は、無端ベルトの端縁部に当接するガイド部材により無端ベルトの端縁部が磨耗あるいは挫屈することによって用紙ジャムなどの障害が発生することがある。
特に、高い定着速度が要求される場合には、高い強度を有し、かつ管状物内における強度分布が均一であることが必要である。ところが、従来広く用いられているポリイミド樹脂からなる管状物の場合、捩れ強度の低い樹脂のみで形成されているため、ベルトの高速化に十分適応した強度を得ることができない。
また、この無端ベルトを用いた定着装置では、ベルト自身に適度な強度を持たせることにより、ベルトのしわやつぶれのないスムーズな回転が可能となるが、従来のポリイミド製ベルトでは、定着速度を高めた場合にはベルトのしわやつぶれが起こり易いという問題がある。
また、この無端ベルトは加熱部材と接する部分で変形を繰り返しながら回転するものであるため、十分高い可撓性を有することが要求される。特に、ベルトの両端縁部では非回転部との接触によりベルトが破れる恐れがあるため、強度と可撓性がともに高くなければならない。
また、この無端ベルトは加熱部材に接しながら使用されるものであるため、熱伝導性および耐熱性が十分高いことも要求される。例えば、強度を向上させるためにベルトの肉厚を厚くするという方法が考えられるが、ベルトを単に厚肉化しただけでは熱伝導性が低下してしまう。
このように、従来の技術では、上記の要求特性すべてを十分に満たす定着用ベルトは得られていない。
本発明は、上記事情に鑑み、強度および可撓性に優れた、定着装置用の無端ベルトに用いられる管状物および定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の管状物は、
耐熱性樹脂中に有機溶剤で膨潤したクレイを分散させてなることを特徴とする。
本発明の管状物によれば、管状物を構成する耐熱性樹脂中に有機溶剤で膨潤したクレイを含有させることにより、クレイを耐熱性樹脂内に均一に分散させることが可能となり、例えば定着装置用の無端ベルトに好適な、強度および可撓性に優れた管状物を得ることができる。
また、クレイを有機溶剤で膨潤化処理することにより耐熱性樹脂溶液への親和性が高まり、かつ、膨潤したクレイが耐熱性樹脂溶液中で層間剥離してクレイの厚さが樹脂ポリマーレベルにまで減少するので樹脂ポリマーレベルの分散性が得られ、管状物内の強度均一性と樹脂本来の性能を損なわずに無端ベルトとして必要な耐磨耗性、弾性をも付与することができる。
ここで、上記耐熱性樹脂が、ポリイミドであることが好ましい。
本発明を上記のように構成した場合は、定着装置用の無端ベルトとして一層好適な物性を有する管状物を得ることができる。
また、上記耐熱性樹脂が、上記クレイを1.0重量部以上20.0重量部以下含有したものであることが好ましい。
本発明を上記のように構成した場合は、定着装置用の無端ベルトとして一層好適な物性を有する管状物を得ることができる。
また、上記クレイが、長径方向において1.0μm以上20.0μm以下の平均粒径を有するものであることが好ましい。
本発明を上記のように構成した場合は、定着装置用の無端ベルトとして一層好適な物性を有する管状物を得ることができる。
また、上記クレイが、マイカであることが好ましい。
本発明を上記のように構成した場合は、定着装置用の無端ベルトとして一層好適な物性を有する管状物を得ることができる。
さらに、この管状物が、上記耐熱性樹脂からなる基材層と、該基材層の外側に形成されたフッ素樹脂からなる表面層とからなるものであることが好ましい。
本発明を上記のように構成した場合は、定着装置用の無端ベルトとして一層好適な物性を有する管状物を得ることができる。
また、上記基材層と上記表面層との間にエラストマからなる中間弾性層を介在させたことが好ましい。
本発明を上記のように構成した場合は、定着装置用の無端ベルトとして一層好適な物性を有する管状物を得ることができる。
また、上記目的を達成する本発明の定着装置は、
内部に加熱源を有し、所定の方向に移動する加熱部材と、該加熱部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を挟んで該加熱部材と対向して配置され、該加熱部材と対向する部分が該加熱部材の移動方向と同じ方向に移動する無端ベルトとを備え、該加熱部材からの熱により上記記録媒体上の未定着トナー像を加熱定着する定着装置において、
上記無端ベルトが、上記管状物からなるものであることが好ましい。
本発明の定着装置によれば、強度、可撓性、熱伝導性、耐熱性に優れた、定着装置を実現することができる。
以上、説明したように、本発明の管状物および定着装置によれば、耐熱性樹脂中に有機溶剤で膨潤したクレイを分散させたことにより、例えば、この管状物を、定着装置の無端ベルトとして用いた場合に、挫屈の発生、端縁部磨耗、走行不良などの発生が防止され、長期の使用に耐え得る、強度および可撓性に優れた無端ベルトおよび定着装置を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の管状物は、耐熱性樹脂溶液中に有機溶剤で膨潤した長径方向における平均粒径が1.0μm〜20.0μmのクレイを0.5重量部〜20.0重量部配合し、分散させ後に、塗布により管状の基材を作成し、その管状の基材の上にトナーとの離型性を高めるためにフッ素樹脂等の低表面エネルギー物質層を形成することにより得られる。
このように、耐熱性樹脂中に有機溶剤で膨潤したクレイを分散させることにより、ポリイミドなどの耐熱性樹脂を単体で用いた場合と比較して、定着用ベルトの耐磨耗性、強度、熱伝導性、およびそれらの各特性の管状物内の均一性が顕著に改善される。
耐熱性樹脂中のクレイの含有量は、1.0重量部以上20.0重量部以下、好ましくは1.0重量部以上15.0重量部以下、より好ましくは1.0重量部以上1〜10重量部以下である。耐熱性樹脂中のクレイの含有量をこの範囲内とすることにより、定着用ベルトとしての十分な可撓性を確保した上で、ポリイミドの熱伝導性および強度を向上させることができる。この含有量が1.0重量部未満であると、前述の特性の十分な向上効果が得られず、逆に、20.0重量部を越えると、可撓性が不十分となり、定着装置のベルトとして使用した場合に比較的短期間でベルトに割れを生じる。
耐熱性樹脂としては、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエンゾイミダゾール(PBI)などを用いることができるが、これらのうち、特に、ポリイミドを用いることが好ましい。ポリイミドは、通常、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを有機極性溶媒中で反応させることにより製造されるが、一般にポリイミドのワニスとして市販されているものが使用できる。
ポリイミドのワニスを使用して定着用ベルトのようなフィルム状のものを成形する場合には、通常のフィラー等を加えると、フィルム表面に凹凸が生じることがある。そこで、本実施形態では、1.0μm以上20.0μm以下の平均粒径を有する膨潤性クレイをフィラーとして用いることにより、凹凸のない、表面状態の良好な薄肉ベルトを得ている。
クレイとしては、有機溶剤に対して膨潤性のあるもの、例えば、マイカ、モンモリナイト、サポナイト、スメクタイトが用いられるが、アスペクト比および熱伝導性の観点からマイカを用いることが好ましい。ベルト管状物の両端縁部は、ガイド部材などの非回転部との接触により破れ易いため、特に引裂強度の高いことが要求される。ところが、通常、ポリイミドにフィラーを添加すると、ポリイミド製ベルトの引裂強度が低下する傾向がある。
しかし、本発明においては、有機溶剤で膨潤処理したクレイがポリイミドポリマーの分子レベルで分散され、インターカレートな分散状態を形成するため、従来のように引裂強度の低下を招くことがない。
なお、フィラーの長径方向における平均粒径が1μm未満であると、強度、耐磨耗性および熱伝導性の向上効果が小さく、20μmを越えると、ベルトに凹凸を生じ易い。従って、膨潤処理されたクレイの長径方向における平均粒径を1.0μm以上20.0μm以下とすることにより、ベルト表面に凹凸がなく、かつ、強度、耐磨耗性、および熱伝導性の優れた定着ベルト用管状物を得ることができる。
このようにして作成した管状物の基材層の外側に、フッ素樹脂からなる表面層を形成することが好ましい。フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられ、特に耐熱性、機械特性等の面からポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル(EFA)共重合体が好適に用いられる。
次に、上記の管状物からなる無端ベルトを備えた定着装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明の定着装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1に示すように、この定着装置100は、加熱ロール10と、無端ベルト20とを備え、加熱ロール10からの熱により記録媒体P上の未定着トナー像を加熱定着するものであり、無端ベルト20として上記の管状物が用いられる。
加熱ロール10は、内部に加熱源14を有し、矢印A方向に回転する。なお、本実施形態における加熱ロール10は、本発明にいう加熱部材に相当するものである。加熱部材としては、ロール状のものに限定されるものではなく、ベルト状のもであってもよいが、ロール状であることが好ましく、ロールの内側に加熱源を備えた加熱加熱ロールであることがより好ましい。
無端ベルト20は、加熱ロール10との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体Pを挟んで加熱ロール10と対向して配置されており、加熱ロール10と対向する部分が加熱ロール10の移動する方向と同じ矢印B方向に移動する。
無端ベルト20は、ポリイミド中に有機溶剤で膨潤したクレイを分散させた基材層21と、基材層21の外側に形成されたフッ素樹脂からなる表面層22とからなる。
さらに、この定着装置100には、加熱ロール10を回転させる駆動部材と、無端ベルト20を記録媒体Pを介して加熱ロール10に押圧し、加熱ロール10との間にニップ部16を形成するように無端ベルト20内周面に配置された押圧部材30と、無端ベルト20を内側から支持する支持部材34とが備えられている。押圧部材30は、加熱ロール10に対して無端ベルト20を押圧する押圧パッド32および押圧パッド32を支持する支持体31からなる。
また、上記の構成のほかに、必要に応じて適宜選択されたその他の装置・部材、例えば、離型剤供給装置等を備えていてもよい。
なお、本実施形態では、無端ベルト20は、加熱ロール10の回転に伴い従動回転するように構成されており、この定着装置100を用いた定着処理では、ニップ部16に、未定着トナー像をその表面に担持する記録媒体Pを挿通させることにより実施される。
以下に、この定着装置の、無端ベルト20以外の各部の詳細な構成について説明する。
[加熱ロール]
加熱ロールとしては、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、周知のもののうちから適宜選択して使用することができる。
本実施形態の加熱ロール10は、円筒状のコア11と、コア11の表面に形成された弾性層12とを有し、コア11の内部に加熱源14を備えてなるものである。
コア11の材質としては、機械的強度に優れ、伝熱性が良好である材質ならば特に制限はないが、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅等の金属、合金、セラミックス、FRMなどが挙げられる。
弾性層12の材質としては、周知の弾性材料の中から適宜選択することができるが、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。本発明においては、これらの弾性材料の中でも、表面張力が小さく、弾性に優れる点でシリコーンゴムが特に好ましい。このシリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。
弾性層12の厚みは、通常3mm以下であり、好ましくは0.1mm以上1.5mm以下の範囲内である。
弾性層12をコア11の表面に形成する方法としては特に制限はなく、例えば、周知のコーティング法、成型などが採用できる。
なお、本実施形態では、弾性層12の外周面に離型層13が形成されているが、このように加熱ロール10の最外周に離型層13を形成することにより、トナー像のオフセットを効果的に防止でき、安定した状態で定着装置を稼動させることができる。
離型層13の材質としては、トナー像に対して適度な離型性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの材質の中でもフッ素樹脂が特に好適である。フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂挙げられ、特に、耐熱性、機械特性等の面からポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル(EFA)共重合体が好適に用いられる。
離型層13の厚みとしては、通常、10μm以上50μm以下の範囲内であり、好ましくは、10μm以上30μm以下の範囲内である。
離型層13をコア11の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、上述したコーティング法などが挙げられる。また、押出し成型によって形成されたチューブをコア11に被覆する方法が挙げられる。
[押圧パッド]
押圧パッド32は、無端ベルト20を介して加熱ロール10表面を押圧し、ニップ部16を形成するように無端ベルト20の内周面に配置される。このように、押圧パッド32を無端ベルト20内周面に配置することにより、安定したニップ部16が形成される。従って、加熱ロール10を回転させた状態で、未定着トナー像を担持する記録媒体Pがニップ部16に挿通された際に、記録媒体Pの表面に均一に圧力が加えられつつニップ部16を通過させることができる。
押圧パッド32としては、上記の機能を発揮できるものであれば特に限定されず、目的に応じて適宜周知のものの中から選択できるが、特に硬度の点からJIS−A硬度が10°以上40°以下のシリコーンゴムが好適に用いられる。
押圧パッド32の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、押圧パッドは、単一の部材からなる構造のものであってもよいし、異なる機能を有する複数の部材からなる構造のものであってもよい。押圧パッド32が複数の部材からなる場合には、少なくとも押圧パッド32の無端ベルト20の内周面と接する部分には、無端ベルト20が回転した際に無端ベルト20の内周面との摩擦力を低下させるために、低摩擦シートを設けることが好ましい。
[低摩擦シート]
低摩擦シートとしては、無端ベルト20の内周面との摩擦力を小さくすることができるものであれば特に限定されないが、少なくともフッ素樹脂を含む材料で構成されていることが好ましく、特に、加工性、摩擦特性の観点からポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)からなるものであることが好ましい。
また、低摩擦シートの形状としては、成型シート(SOLID)状、織布状、不織布状、多孔質状、あるいはこれらの積層体のような形態であることが望ましい。
また、ガラスクロス上に含浸法やラミネート法でフッ素樹脂層を形成したものも好ましい。
[潤滑剤]
潤滑剤としては、合成潤滑油グリース、ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩添加ジメチルシリコーンオイル、ヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩およびヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、有機金属塩添加アミノ変性シリコーンオイル、ヒンダードアミン添加アミノ変性シリコーンオイル、パーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイル含有パーフルオロポリエーテルオイルの中から選ばれれぱよく、耐熱性の観点から有機金属塩添加アミノ変性シリコーンオイル、パーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイル含有パーフルオロポリエーテルオイルの中から選ばれることが好ましい。
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。
なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例および比較例における性能評価のための試験装置は、次の通りである。

[実施例1]
図1に示した定着装置100と同様な構成の評価装置(カラープリンタDCC400富士ゼロックス(株)製)を用い、フルカラーのパターン画像をJ紙に出力したものものについて評価を行った。
評価装置の具体的構成は次の通りである。
加熱ロール10(図1参照)は、外径26mm、肉厚1.8mm、長さ360mmの円筒状アルミニウム製のコア11の外周面に、弾性層12としてシリコーンHTVゴム(ゴム硬度33度:JIS−A)を600μmの厚みに被覆し、弾性層12の表面に離型層13として25μmの厚さのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)のチューブを被覆してあり、鏡面状態に近い表面に仕上げられている。
コア11の内部には、加熱源14として600Wのハロゲンランプが配設されている。
加熱ロール10の表面温度は、加熱ロール10の表面に当接した状態で配置された感温素子の温度センサと、図示しない温度コントローラとにより175℃に制御した。
無端ベルト20は、周長94mm、肉厚80μm、長さ344mmの熱硬化性ポリイミドを主成分とする管状体の外周面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルピニルエーテル共重合体(PFA)を30μmの厚みにコーティングして離型層を形成したものを用いている。
ここで、無端ベルト20の作製方法について説明する。
ポリイミドは、通常、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを有機極性溶媒中で反応させることにより作製される。本実施例においては、この溶液中に、有機溶剤で膨潤させた、長径方向における平均粒径10.0μmの合成マイカ(4COE−TS:TOPY工業社製)をポリイミド固形分に対して5.0重量部添加し、遠心分散機にて充分に分散させた。その後、分散溶液を硬化後の厚さが80μmとなるようにコーティングし、その上にPFAフッ素樹脂層を30μm形成し、焼結させ、所望の無端ベルト20を得た。
押圧部材30は、支持体31と、支持体31の上に配置された弾性体からなる押圧パッド32と、押圧パッド32と無端ベルト20との接触面に張られた低摩擦シート状部材(図示せず)と、無端ベルト20がスムーズに回転するように設けられたベルト走行ガイド(図示せず)とから構成されている。
弾性体32は、幅10mm、肉厚5mm、長さ340mmのシリコーンゴムであり、ベルト走行ガイドの表面には、ベルト回転方向のリブが設けられており、ベルト管状物20の内周面との接触面積を少なくしている。
支持部材30は、薄膜状の管状体である無端ベルト20を介して圧縮コイルスプリング(図示せず)により加熱ロール10を34.5kgの荷重で押圧している。
加熱ロール10への無端ベルト20の巻き付け角度は、約40°であり、この時ニップ部16の幅は約10mmであった。モーターからの駆動力は加熱ロール10に伝達され、加熱ロール10および無端ベルト20は、194mm/sec.の速度で回転した。
押圧部材30表面には、低摩擦シート状部材としてポリテトラフルオロエチレン樹脂(三井デュポンフロロケミカル社製PTFE樹脂:テフロン(R)モールディングパウダ)100重量部にポリイミドパウダ(宇部興産社製:UIP−R)を10重量部配合し、フッ素樹脂が溶融した状態にて混合分散し、ペレットを作製し、圧縮成型機を用いて基体を作製し、これを100μmの厚みにスカイビングして低摩擦シートとしたものが被覆されている。
また、低摩擦シート状部材表面と無端ベルト20の内面との間には、潤滑剤としてパーフルオロポリエーテルオイル(S100;ダイキン工業社製)を介在させてある。
この状態で評価装置を稼動させ、初期と経時(200,000枚プリント後)でプリントした際の駆動トルクとプリントの画質および無端ベルトの走行状態について評価を行った。
その結果、初期と経時で駆動トルクに変動がなく、画質も極めて良好であり、無端ベルトの挫屈は発生せず、無端ベルト端縁部の磨耗などは実用上問題ないレベルであった。
[実施例2]
ポリイミド中に分散させるクレイとして、有機溶剤で膨潤したマイカを20.0重量部添加したこと以外は(実施例1では、5.0重量部)、実施例1と同様の条件で評価を実施した。
その結果、初期と経時で駆動トルクに変動がなく、画質も極めて良好であり、無端ベルトの挫屈は発生せず、無端ベルト端縁部の磨耗などは実用上問題ないレベルであった。
[実施例3]
ポリイミド中に分散させるクレイとして、有機溶剤で膨潤したマイカを1.0重量部添加したこと以外は(実施例1では、5.0重量部)、実施例1と同様の条件で評価を実施した。
その結果、初期と経時で駆動トルクに変動がなく、画質も極めて良好であり、無端ベルトの挫屈は発生せず、無端ベルト端縁部の磨耗などは実用上問題ないレベルであった。
[実施例4]
ポリイミド中に分散させるクレイとして、有機溶剤で膨潤した、長径方向における平均粒径5.0μmのマイカ(ソマシフMEE:コープケミカル社製)を用いたこと以外は(実施例1では、有機溶剤で膨潤した、平均粒径10.0μmのマイカ(4COE−TS:TOPY工業社製)を用いた)、実施例1と同様の条件で評価を実施した。
その結果、初期と経時で駆動トルクに変動がなく、画質も極めて良好であり、無端ベルトの挫屈は発生せず、無端ベルト端縁部の磨耗などは実用上問題ないレペルであった。
[実施例5]
実施例1として示した定着装置100において、無端ベルト20の基材層21と、表面層22との間に、中間弾性層として、厚さ300μmの液状シリコーンゴム(東ダウコーニング社製)をコーティングによって形成したこと以外は実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、初期と経時で駆動トルクに変動がなく、画質も極めて良好であり、無端ベルトの挫屈は発生せず、無端ベルト端縁部の磨耗などは実用上問題ないレベルであった。
[比較例1]
ポリイミド中に電気化学工業製窒化硼素(ボロンナイトライド)BN−GPを20重量部含有させて無端ベルトを作製した以外は実施例1同様の条件で無端ベルトを作製し、評価を実施した。
その結果、初期では問題はないものの、100,000枚通紙時点においてベルトの端縁部より変形が発生し、挫屈が発生した。また、ベルト端縁部は局所的に磨耗していた。
[比較例2]
無端ベルトの基材として強度の異なるポリイミドワニスである、UワニスS(宇部興産社製)、UワニスA(宇部興産社製)を二層にて形成したこと以外は実施例1と同様の条件で評価を行った。
その結果、初期では問題はないものの、80,000枚通紙時点においてベルトの端縁部より変形が発生し、挫屈が発生した。また、ベルト端縁部は全体的に激しく磨耗していた。
本発明の定着装置の一実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
10 加熱ロール
11 コア
12 弾性層
13 離型層
14 加熱源
16 ニップ部
20 無端ベルト
21 基材層
22 表面層
30 押圧部材
31 支持体
32 押圧パッド
34 支持部材
100 定着装置
P 記録媒体

Claims (8)

  1. ポリイミド中に有機溶剤で膨潤したクレイを分散させてなることを特徴とする管状物。
  2. 前記ポリイミドが、前記クレイを1.0重量部以上20.0重量部以下含有したものであることを特徴とする請求項1記載の管状物。
  3. 耐熱性樹脂中に有機溶剤で膨潤したクレイを分散させてなる管状物が、前記耐熱性樹脂からなる基材層と、該基材層の外側に形成されたフッ素樹脂からなる表面層とからなるものであることを特徴とする管状物。
  4. 前記耐熱性樹脂が、前記クレイを1.0重量部以上20.0重量部以下含有したものであることを特徴とする請求項記載の管状物。
  5. 前記基材層と前記表面層との間にエラストマからなる中間弾性層を介在させたことを特徴とする請求項記載の管状物。
  6. 前記クレイが、長径方向における1.0μm以上20.0μm以下の平均粒径を有するものであることを特徴とする請求項1または3記載の管状物。
  7. 前記クレイが、マイカであることを特徴とする請求項1または3記載の管状物。
  8. 内部に加熱源を有し、所定の方向に移動する加熱部材と、該加熱部材との間に、未定着トナー像を担持する記録媒体を挟んで該加熱部材と対向して配置され、該加熱部材と対向する部分が該加熱部材の移動方向と同じ方向に移動する無端ベルトとを備え、該加熱部材からの熱により前記記録媒体上の未定着トナー像を加熱定着する定着装置において、
    前記無端ベルトが、請求項1から7までのいずれか1項記載の管状物からなるものであることを特徴とする定着装置。
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