JPH0775898B2 - シリアルプリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、印字ヘッドにメディアフォローを取り付け、
該メディアフォローを特定厚みのガイドベルトを介して
印字媒体に押しつけて、異なる厚みの印字媒体に対し印
字ヘッドの距離を一定に確保しながら印字を行うシリア
ルプリンタに関する。

〔従来の技術〕

第８図はこの種のシリアルプリンタの従来例を示す正面
図、第９図は同従来例の要部側面図である。

図において、１はプラテン、２は該プラテン１に対向し
てスペース方向に移動しながら印字媒体３上に印字を行
う印字ヘッドである。

4,5は軸6,7を支点にして回動するレバ、８は印字ヘッド
２とプラテン１間に配置したガイドベルトであり、前記
レバ4,5はそれぞれ該ガイドベルト８の両端を板ばね9,1
0により挟み込んで固定してある。

前記ガイドベルト８は、印字時に印字ヘッド２と印字媒
体３間に必要な距離に相当する特定の厚みに設定してあ
る。

レバ4,5はさらに、図示せぬ付勢手段により、常時矢印
a,a′方向に付勢されており、これにより、ガイドベル
ト８は適度な引張状態を保つと共に、プラテン１との間
に印字媒体３の通過可能な距離ｄを保持する。

第９図において、13,14は図示せぬモータにより送り方
向Ａに駆動する送りローラ、15,16は該送りローラ13,14
に当接するプレッシャローラである。

17は印字ヘッド２に取りつけたメディアフォローであ
り、該メディアフォロー17と前記ガイドベルト８は、印
字ヘッド２が下降すると当接するように対向配置してあ
る。

以下に、上記構成の従来例の動作を図面を用いて説明す
る。

第10図は上記構成の従来例の作用を示す正面図、第11図
は同要部側面図である。

まず、印字媒体３を印字位置に搬送する搬送時は、印字
ヘッド２は上昇しているので、これによりガイドベルト
８はフリーの状態となっている。

このため、レバ4,5の付勢が働いてガイドベルト８は第
８図に示す如く、プラテン１との間に印字媒体３の通過
可能な距離ｄを保持している。

この状態で、第９図に示す如く送りローラ13,14を駆動
して、印字媒体３をプラテン１とガイドベルト８を潜ら
せて矢印Ａ方向に搬送する。

こうして、印字媒体３を所定の印字位置まで搬送する
と、送りローラ13,14の駆動を停止して、印字ヘッド２
を下降する。

これにより、メディアフォロー17がガイドベルト８に当
接し、第11図に示す如くメディアフォロー17がガイドベ
ルト８を押し下げる。

すると、レバ4,5が矢印b,b′方向に回動して、ガイドベ
ルト８はＶ字型になり、その頂点が印字媒体３に押し付
けられる。

以上により、印字のために下降した印字ヘッド２は、印
字媒体３に対しガイドベルト８を介し、浮き上がった状
態となる。

したがって、印字媒体３の厚みが変わっても、印字媒体
３とメディアフォロー17の間に介在するガイドベルト８
の厚みは変わらないので、印字時の印字ヘッド２と印字
媒体３の距離は常に一定に確保される。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述した構成の従来技術によれば、印字
ヘッドがスペース方向に移動すると、メディアフォロー
がガイドベルト上を摺動するため、メディアフォローと
ガイドベルト間に摩擦が生じる。

また、ガイドベルト押し付け面とガイドベルト保持部の
高さの差によるヘッド移動のための幾何的長さの差が生
じる。

これらにより、従来の構成のシリアルプリンタにおいて
は、ガイドベルトがメディアフォローと一緒に動き、こ
のガイドベルトのスペース方向への移動によって印字媒
体がずれる。

このため、ずれた印字媒体上に印字が行われ、端部の不
揃い印字や、はみ出し印字が生じるという問題があっ
た。

本発明は、以上の問題点に鑑み、メディアフォローとガ
イドベルト間の摩擦がガイドベルトに何ら影響しない構
成を得て、印字ヘッドの移動による印字媒体のスペース
方向への位置ずれを防止し、端部の不揃い印字や、はみ
出し印字を防止することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本発明は、プラテンと、該プ
ラテンに対して接近，離間可能に設けられ、プラテンに
沿ってスペース移動しながら印字動作を行う印字ヘッド
と、該印字ヘッドに搭載されたメディアフォローと、前
記印字ヘッドと前記プラテンとの間にスペース方向に平
行に配置したガイドベルトとを備え、前記メディアフォ
ローを前記ガイドベルトを介して前記プラテン上の印字
媒体に押しつけて、異なる厚みの印字媒体に対し印字ヘ
ッドの距離を前記ガイドベルトにより一定に確保しなが
ら印字を行うシリアルプリンタにおいて、前記プラテン
に対する印字ヘッドの接近，離間動作に同調して回動す
る左右一対のアップダウンレバにそれぞれ支持レバを前
記プラテンの面と平行な方向に回動し得るように取付
け、該両支持レバに前記ガイドベルトの両端を支持する
とともに、各々の支持レバを介して前記ガイドベルトに
張力を与える付勢手段を設け、かつ、該両付勢手段の張
力の差をガイドベルトとメディアフォローの摩擦力以上
に設定することを特徴とする。

〔作用〕

以上の構成の本発明によれば、まず、印字媒体を印字位
置に搬送する搬送時は、印字ヘッドはプラテンに対して
離間しているので、アップダウンレバも同様の方向に回
動した状態となっている。

このため、アップダウンレバの支持するガイドベルトは
プラテンとの間に印字媒体の通過可能な距離を保持する
位置に待機していることとなる。

こうして、印字媒体を所定の印字位置まで搬送すると、
印字のために印字ヘッドをプラテンに対して接近させ
る。

これにより、アップダウンレバも同方向に回動して、ガ
イドベルトがプラテンに平行に接近していき、ついには
メディアフォローが該ガイドベルトを介して印字媒体に
押し付けられる。

以上により、印字のためにプラテンに接近した印字ヘッ
ドは、印字媒体に対しガイドベルトの厚み分、浮き上が
った状態となる。

印字媒体の厚みが変わっても、印字媒体とメディアフォ
ローの間に介在するガイドベルトの厚みは変わらないの
で、印字時の印字ヘッドと印字媒体の距離は常に一定に
確保される。

この状態で印字ヘッドがスペース方向に移動しながら印
字を行う。

このとき、ガイドベルトはプラテンに対し平行であり、
印字ヘッドの移動により生じるメディアフォローの摩擦
力は一定である。

ここで、ガイドベルトを付勢している左右の付勢手段の
張力の差をガイドベルトとメディアフォローの摩擦力以
上に設定してあるので、ガイドベルトの固定力が前記メ
ディアフォローの一定の摩擦力に打ち勝って、ガイドベ
ルトのスペース方向への移動を防止するよう働く。

〔実 施 例〕

以下図面に従って実施例を説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す平面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線断面
図、第４図は同正面図、第５図は同要部側断面図であ
る。

なお、従来と同様の構成のものについては説明を省略
し、符号も同一のものを用いる。

図において、18,19はサイドフレーム11,12に固定したブ
ラケット、20,21は該ブラケット18,19に突出形成したリ
ミッタである。

22,23は前記ブラケット18,19に固設した軸24,25に回動
自在に嵌合したアップダウンレバであり、該アップダウ
ンレバ22,23はスプリング26,27により常に上方向に付勢
され、かつリミッタ20,21により所定の高さ以上回動し
ないように規制されている。

28,29はアップダウンレバ22,23の先端に固設した軸30,3
1を支点として左右（プラテン１の面と平行な方向）に
回動自在なレバ（支持レバ）であり、該レバ28,29の先
端にガイドベルト８の端部を固定クギ32,33で固定して
ある。

34,35は軸30,31に巻き掛けたスプリングであり、該スプ
リング34,35の一端を固定クギ32,33に引っ掛けてガイド
ベルト８の両端を左右方向に引っ張りガイドベルト８に
適度な張力を与える。

以上により、ガイドベルト８は適度な引張状態を保つと
共に、プラテン１との間に印字媒体３の通過可能な距離
ｄを保持する。

さらに、スプリング34,35、ガイドベルト８、メディア
フォロー17および印字媒体３の関係は、 スプリング35の張力−スプリング34の張力＞ガイドベル
ト８とメディアフォロー17の摩擦力−ガイドベルト８と
印字媒体３の摩擦力 および、 スプリング34の張力＞ガイドベルト８とメディアフォロ
ー17の摩擦力−ガイドベルト８と印字媒体３の摩擦力 とし、そして、レバ29を図示せぬリミッタに突き当てる
ようにして、ガイドベルト８を引っ張るとレバ28,及び
レバ29が内側に回動するように構成している。

なお、ガイドベルト８の端部をアップダウンレバ22,23
に直接固定しないで、上述のように常時引張する方向に
付勢する構成とするのは、同一行内で媒体厚さの変化が
ある場合、媒体厚さの違いによるガイドベルト長さの変
化をレバ28またはレバ29の回転により補正するためであ
る。

また、ガイドベルト８の両方の端部を回動自在なレバ2
8,29に固定することで、レバ28,29の回動によりガイド
ベルト８が常にスペース方向に平行に支持される。

また、ガイドベルト８の一端を例えばアップダウンレバ
23に固定し、他端を回動自在なレバ28に固定してスプリ
ングにより張力を与えんとすると、同一行内で媒体厚さ
の変化する場合で、アップダウンレバ23側が厚い場合、
媒体厚さの違いによるガイドベルト長さの変化を補正す
る際、レバ28しか動かないため、レバ28が動き、ガイド
ベルト８がメディアフォロー17と同時に動き媒体を動か
し媒体曲りとなる。

張力の強弱によってレバ28の位置が変動し、ガイドベル
ト８はアップダウンレバ23に固定した方の端部を支点と
して、角度が可変してしまう。

36はプラテン１に対し水平な状態でアップダウンレバ2
2,23に端部を固定したリンクであり、該リンク36によ
り、アップダウンレバ22,23を一体として動作させる。

第４図において、37,38は印字ヘッド２を搭載するキャ
リッジ39に回転自在に取りつけたローラであり該ローラ
37,38は印字ヘッド２が下降するとリンク36に当接する
位置に対向配置してある。

以上の構成による本実施例の作用を説明する。

第６図は本実施例の作用を示す正面図、第７図は同要部
側面図である。

まず、印字媒体３を印字位置に搬送する搬送時は、印字
ヘッド２は上昇しているので、これによりリンク36はフ
リーの状態となっている。

このため、スプリング26,27の付勢が働いてアプダウン
レバ22,23はリミッタ20,21に突き当たる位置まで上方向
に回転しており、これにより先端に支持したレバ28,29
も上方向に回転して、その先端に引っ掛けたガイドベル
ト８は第４図に示す如く、プラテン１との間に印字媒体
３の通過可能な距離ｄを保持する位置に上昇しているこ
ととなる。

この状態で、第５図に示す如く送りローラ13,14を駆動
して、印字媒体３をプラテン１とガイドベルト８を潜ら
せて矢印Ａ方向に搬送する。

こうして、印字媒体２を所定の印字位置まで搬送する
と、送りローラ13,14の駆動を停止して、印字ヘッド２
を下降する。

これにより、メディアフォロー17がガイドベルト８に当
接するとともに、ローラ37,38がリンク36に当接し、第
６図に示す如くローラ37,38がリンク36を押し下げる。

これにより、アップダウンレバ22,23が下方向に回動し
て、これにより先端に支持したレバ28,29も下方向に回
動して、その先端に引っ掛けたガイドベルト８はメディ
アフォロー17に当接したまま、リンク36と共にプラテン
１に平行に接近していき、ついには印字媒体３に押し付
けられれる。

以上により、印字のために下降した印字ヘッド２は、印
字媒体３に対しガイドベルト８の厚み分浮き上がった状
態となる。

印字媒体３の厚みが変わっても、印字媒体３とメディア
フォロー17の間に介在するガイドベルト８の厚みは変わ
らないので、印字時の印字ヘッド２と印字媒体３の距離
は常に一定に確保される。

この状態で印字ヘッド２がスペース方向に移動しながら
印字を行う。

このとき、ガイドベルト８はプラテン１に対し平行であ
り、印字ヘッド２の移動により生じるメディアフォロー
17の摩擦力は一定である。

前述したように、ガイドベルト８に張力を与えているス
プリング34と35の張力の差をガイドベルト８とメディア
フォロー17の摩擦力以上に設定しておくことにより、ガ
イドベルト８の固定力が前記メディアフォロー17の一定
の摩擦力に打ち勝って、ガイドベルト８のスペース方向
への移動を防止することができる。

印字終了後、印字ヘッド２を上昇すると、ローラ37,38
によるリンク36押し下げが解除され、アップダウンレバ
22,23はスプリング26,27の付勢力によりリミッタ20,21
に当接するまで上方向に回動する。

これにより、再びガイドベルト８は第４図に示す如く、
プラテン１との間に印字媒体２の通過可能な距離ｄを保
持する位置に上昇する。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、プラテンと、該プラテン
に対して接近，離間可能に設けられ、プラテンに沿って
スペース移動しながら印字動作を行う印字ヘッドと、該
印字ヘッドに搭載されたメディアフォローと、前記印字
ヘッドと前記プラテンとの間にスペース方向に平行に配
置したガイドベルトとを備え、前記メディアフォローを
前記ガイドベルトを介して前記プラテン上の印字媒体に
押しつけて、異なる厚みの印字媒体に対し印字ヘッドの
距離を前記ガイドベルトにより一定に確保しながら印字
を行うシリアルプリンタにおいて、前記プラテンに対す
る印字ヘッドの接近，離間動作に同調して回動する左右
一対のアップダウンレバにそれぞれ支持レバを前記プラ
テンの面と平行な方向に回動し得るように取付け、該両
支持レバに前記ガイドベルトの両端を支持するととも
に、各々の支持レバを介して前記ガイドベルトに張力を
与える付勢手段を設け、かつ、該両付勢手段の張力の差
をガイドベルトとメディアフォローの摩擦力以上に設定
する構成としている。

そのため、印字の際印字ヘッドのスペース移動に伴って
メディアフォローがガイドベルト上を移動しても、ガイ
ドベルトの張力がガイドベルトとメディアフォローとの
摩擦力に打ち勝って、ガイドベルトの固定状態を保持す
ることができ、これによりメディアフォローとガイドベ
ルトとの摩擦力がガイドベルトに影響しなくなるので、
印字ヘッドの移動による印字媒体のずれを防止して、短
部の不揃い印字や、はみ出し印字を防止できるという効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す平面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線断面
図、第４図は同正面図、第５図は同要部側断面図、第６
図は本実施例の作用を示す正面図、第７図は同要部側面
図、第８図はシリアルプリンタの従来例を示す正面図、
第９図は同従来例の要部側面図、第10図は従来例の作用
を示す正面図、第11図は同要部側面図である。 １……プラテン ２……印字ヘッド ３……印字媒体 ８……ガイドベルト 18,19……ブラケット 20,21……リミッタ 22,23……アップダウンレバ 26,27……スプリング 28,29……レバ 34,35……スプリング、 36……リンク 37,38……ローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺見 雅和 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 武川 達也 神奈川県横浜市港北区網島東４丁目３番１ 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 玉山 克己 岩手県花巻市城内４番３号 株式会社新興 製作所内 (72)発明者 鵜飼 由隆 静岡県三島市南町６番78号 東京電気株式 会社三島工場内 (56)参考文献 実開 昭57−189858（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プラテンと、 該プラテンに対して接近，離間可能に設けられ、プラテ
   ンに沿ってスペース移動しながら印字動作を行う印字ヘ
   ッドと、 該印字ヘッドに搭載されたメディアフォローと、 前記印字ヘッドと前記プラテンとの間にスペース方向に
   平行に配置したガイドベルトとを備え、 前記メディアフォローを前記ガイドベルトを介して前記
   プラテン上の印字媒体に押しつけて、異なる厚みの印字
   媒体に対し印字ヘッドの距離を前記ガイドベルトにより
   一定に確保しながら印字を行うシリアルプリンタにおい
   て、 前記プラテンに対する印字ヘッドの接近，離間動作に同
   調して回動する左右一対のアップダウンレバにそれぞれ
   支持レバを前記プラテンの面と平行な方向に回動し得る
   ように取付け、 該両支持レバに前記ガイドベルトの両端を支持するとと
   もに、各々の支持レバを介して前記ガイドベルトに張力
   を与える付勢手段を設け、 かつ、該両付勢手段の張力の差をガイドベルトとメディ
   アフォローの摩擦力以上に設定することを特徴とするシ
   リアルプリンタ。