JPH0775638B2 - 垂直全回転かまの内かま - Google Patents

垂直全回転かまの内かま

Info

Publication number
JPH0775638B2
JPH0775638B2 JP5052554A JP5255493A JPH0775638B2 JP H0775638 B2 JPH0775638 B2 JP H0775638B2 JP 5052554 A JP5052554 A JP 5052554A JP 5255493 A JP5255493 A JP 5255493A JP H0775638 B2 JPH0775638 B2 JP H0775638B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hook
synthetic resin
rotary hook
powder
vertical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5052554A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06261989A (ja
Inventor
徳三 廣瀬
Original Assignee
株式会社廣瀬製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社廣瀬製作所 filed Critical 株式会社廣瀬製作所
Priority to JP5052554A priority Critical patent/JPH0775638B2/ja
Priority to US08/084,519 priority patent/US5351636A/en
Publication of JPH06261989A publication Critical patent/JPH06261989A/ja
Publication of JPH0775638B2 publication Critical patent/JPH0775638B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B57/00Loop takers, e.g. loopers
    • D05B57/08Loop takers, e.g. loopers for lock-stitch sewing machines
    • D05B57/10Shuttles
    • D05B57/16Shuttles with bobbin casings guided in tracks

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、本縫いミシンの垂直全
回転かまの内かまに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からのミシンの全回転かまは、鋼鉄
製であり、そのため内かまの軌条と、その軌条が嵌まり
込む外かまの軌溝との摩擦係数が大きく、そのため外か
まの回転駆動を行うに必要なトルクを低減することが要
求されており、これによって縫製品質を向上することが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、本縫
いミシンに使用され、内かまの軌条と外かまの軌溝との
摩擦係数を低減して、小さいトルクで外かまを回転駆動
することができるようにした垂直全回転かまの内かまを
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、本縫いミシン
の垂直全回転かまの内かま1において、鋼鉄製部分19
aと合成樹脂製部分17aとが一体となって構成され、
鋼鉄製部分19aは、内かま1の軸線L1を含む鉛直面
に関して周方向にほぼ左右対称な角度の範囲を占めて、
上糸ループのたるみ吸収用のフランジの一部10aを含
み、内かま1の軸線L1を含む水平面よりも上方にあ
り、針落ち穴16と内かままわり止め凹所9とが形成さ
れ、軌条8を含む鉛直面よりも内かま1の解放端側にあ
り、合成樹脂製部分17aは、軌条8の全てと、フラン
ジの残りの部分10とを含むことを特徴とする垂直全回
転かまの内かまである。また本発明の前記合成樹脂製部
分17aは、(a)合成樹脂または(b)金属粉末、炭
素繊維、ガラス粒もしくはセラミック粉末などを含む合
成樹脂から形成されていることを特徴とする。また本発
明の前記合成樹脂は、液晶ポリマーであることを特徴と
する。さらに本発明は、本縫いミシンの垂直全回転かま
の内かま1の針落ち穴16側とは反対側で軌条8の大部
分を含む部分17,17a,17bが、(a)潤滑剤を
含む高密度ポリエチレンまたは、その潤滑剤を含む高密
度ポリエチレンにさらに(b)金属粉末、炭素繊維、ガ
ラス粒もしくはセラミック粉末などを含むことを特徴と
する垂直全回転かまの内かまである。また本発明は、前
記内かま1の他の部分19,19a,19bが、(c)
金属、(d)金属粉末もしくはセラミック粉末を含む合
成樹脂または(e)無機材料から成り、前記一部分1
7,17a,17bと一体となって形成されていること
を特徴とする。また本発明の前記無機材料は、アルミニ
ウム合金粉末の中にアルミナ粉末を散りばめた材料であ
ることを特徴とする。
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【作用】本発明に従えば、内かま1の軌条8の全てを含
む部分17aが合成樹脂製であるので、一般に鋼鉄製の
外かまの軌溝との間の摩擦抵抗を低減して、小さいトル
クで外かまを回転駆動することができる。針落ち穴16
および内かままわり止め凹所9は、鋼鉄製部分19aに
形成されるので、摩耗や疵が付きにくく、安定した縫い
性能を維持することができる。鋼鉄製部分19aは、内
かま1の軸線L1を含む水平面よりも上方で、軌条8を
含む鉛直面よりも解放端側にあり、他の部分は合成樹脂
製部分17aであるので、内かま1を軽量化することが
でき、外かまの回転駆動を円滑に行うことができる。
【0011】さらに本発明に従えば、内かま1の軌条8
の大部分をふくむ部分17,17a,17bが潤滑剤を
含む高密度ポリエチレン、またはこれに金属粉末、炭素
繊維、ガラス粒もしくはセラミック粉末などを含むの
で、一般に鋼鉄製である外かまの軌溝との間に潤滑剤を
滲み出させて、摩擦抵抗を充分に小さくして、外かまを
円滑に回転駆動することができる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の前提となる技術による垂直全
回転かまに用いられる内かま1の正面図であり、図2は
その内かま1を外かま2に装着し、ボビンおよびボビン
ケース3を収納した状態を示す斜視図であり、図3は内
かま1の斜視図であり、図4はその内かま1の背面図で
ある。これらの図面を参照して、外かま2の回転軸4は
水平軸線L1まわりに矢符5の方向に回転駆動される。
内かま1は基本的には筒部7とこの筒部7の外周に形成
された軌条8と、筒部7の端部に形成された内かままわ
り止め凹所9を有するフランジ部10と、筒部7の他端
部に形成された底部11とを有する。軌条8は、内かま
まわり止め凹所9に関して外かま2の回転方向5の下流
側に糸分け部12が形成され、上流側に糸抜け部13が
形成される。内かま1の底面11にはスタッド22が立
設され、このスタッド22はボビンを挿通し、その先端
部がボビンケース3に係止される。軌条8は、外かま2
に形成された軌溝に嵌まり込み、外かま2は高速度で回
転駆動される。針14は昇降往復駆動され、上糸15は
針14に挿通される。内かま1には針落ち穴16が形成
されており、この針落ち側とは反対側の一部分17は、
内かま1の軸線L1に平行な水平な切断面18によって
他の部分19と分けられる。前記一部分17は、(a)
合成樹脂、または(b)金属粉末、炭素繊維、ガラス
粒、セラミック粉末などを含む合成樹脂より形成されて
いる。
【0013】前記合成樹脂aは、たとえば液晶ポリマー
から成る。高分子の主鎖に棒状の剛直成分をもつ前記液
晶ポリマーは、剛直鎖成分間の分子間力が大きく、かつ
成形時によく配向して結晶化するので、その耐熱性は極
めて優れており、高速度で回転駆動される外かま12に
よる摩擦で温度が高くなっても、熱変形温度は極めて高
いので変形することはない。また前記液晶ポリマーは、
剛直な分子鎖から成り、成形するときに流動方向に高度
に配向するので高強度、高弾性率であり、また分子鎖は
配向方向に関しては伸びきった状態で配列しているた
め、引張力が加わってもそれ以上伸びることはほとんど
ない優れたクリープ特性を示す。また線膨張係数はきわ
めて小さく、特に流動方向の線膨張係数は1×10-5
m/cm/℃程度である。このような線膨張係数は他の
合成樹脂より1桁低い値であり、金属と同等の寸法安定
性を得ることが可能となる。このことから夏と冬などの
環境温度差および湿度差による寸法変化はほとんど零で
ある。またこの液晶ポリマーは、耐候性も高いので長い
使用が可能となる。また液晶ポリマーは、溶融状態と固
化状態の構造が似通っているため相変化がわずかであ
り、固化するときの体積変化も少ない。
【0014】また前記液晶ポリマーの非常に興味ある特
性として、振動を減衰する特性がある。一般に振動を減
衰する特性はゴムのような柔らかい材料が優れている
が、液晶ポリマーは高弾性率を持ちながら大きな振動減
衰特性を兼ね備えている。耐摩耗性を向上するために
は、前記液晶ポリマーに比摩耗量を小さくし、かつ動摩
擦係数を小さくするためにカーボン繊維を30%混合す
るようにしてもよい。また前記液晶ポリマーは、パラヒ
ドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸と
の共重合体から成る。その他の材料として、2種もしく
は3種以上のナフタレン基を主鎖結合の一構成成分と
し、他の構成成分との共重合体から成ってもよい。前記
ナフタレン基は、1.2位、1.4位、1.5位、1.
8位、2.3位、2.6位、2.7位より選ばれる2以
上の置換位置に官能基を有する化合物であり、官能基は
ポリエステルおよび/またはポリエステルアミドを形成
することが可能な官能基であればよい。すなわち、官能
基はヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エステ
ル基等より選ばれる。
【0015】また前記ナフタレン基は、ヒドロキシナフ
トエ酸、ジヒドロキシナフタレンおよび/またはナフタ
レンカルボン酸であってもよい。
【0016】ナフタレン基以外の構成成分は、p位フェ
ニル基、4,4′−ビフェニル基および/または化1の
一般式、すなわち
【0017】
【化1】
【0018】(ただし、Xはアルキレン(炭素数1〜
4)アルキリデン(炭素数1〜4)、−O−、−S−、
−SO−、−SO2 −、−CO−より選ばれる基、R,
R′はヒドロキシ基、カルボキシル基等の反応性基また
はそれらのエステルである。)で表される化合物および
それらの置換誘導体より形成される。またポリマーの結
合単位はエステルおよび/またはエステルアミドが好ま
しく、それらを形成する官能基はヒドロキシ基、カルボ
キシル基、アミノ基、エステル基等より選ばれ、また好
ましくは、テレフタル酸、ハイドロキノン、p−ジアセ
トキシフエニレン、p−ヒドロキシ安息香酸およびそれ
らのエステル類、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、
4,4′−ジカルボキシビフェニル、4−ヒドロキシ−
4′−カルボキシビフェニルおよびそれらのエステル
類、化1の一般式のXがメチレン、プロペニルまたは−
SO2−である各ジヒドロキシ体、ジカルボキシル体、
ヒドロキシカルボキシ体およびそれらのエステル類が選
ばれ、さらに好ましくは、テレフタル酸、ヒドロキシ安
息香酸、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′
−ジヒドロキシビフェニルおよびそけらのエステル類が
選ばれる。
【0019】このような液晶ポリマーから成る前記一部
分17を用いることによって、長期間にわたって高速で
縫製動作を行っても、軌条8の表面の摩耗はきわめて少
なく、耐久性を格段に向上することができる。しかも軽
量となり、下軸4の回転トルクが小さくてすみ、これに
よって軸4を回転駆動するためのモータを小形化するこ
とができる。
【0020】図13は、液晶ポリマーの射出成形品28
の一部を切欠いた断面図である。前記液晶ポリマーは、
流動方向に分子鎖が高度に配向した外側スキン層29
と、内側スキン層30と、配向が明瞭でないコア層31
とを含む。前記スキン層29,30の厚さは成形品の厚
さに拘わらず0.3〜0.2mmとほぼ一定している。
前記液晶ポリマーは、加熱により可塑化され閉じられた
金型に押し込められ、冷却、固化されてから金型を開い
て取出される。このように液晶ポリマーを金型成形して
内かま1の部分17、特に軌条部分8aを製造すること
ができるので、製造が容易であり、生産性が向上され。
【0021】前記液晶ポリマーは、各スキン層29,3
0が流動方向に強く配向しているので、高強度、高弾性
率の優れた機械的特性をもつ。しかし配向しやすいこと
から異方性を生じやすいので、この異方性を減じるため
に剛直性骨格に補強剤を導入するのが好ましい。また配
向しやすいことから各スキン層29,30から剥離され
たフイブリルを生じやすい。マクロフイブリル32は5
μm、フィブリル33は0.5μm、ミクロフイブリル
34は0.05μmである。前記液晶ポリマーは外側ス
キン層29、内側スキン層30、コア層31などの多層
構造をもつものであり、高弾性率であるにも拘わらず、
大きな振動減衰特性を示す。
【0022】また前述の金属粉末、炭素繊維、ガラス
粒、セラミック粉末などを含む合成樹脂bとしては、た
とえば合成樹脂と金属との複合体であってもよい。前記
合成樹脂と金属との複合体は、たとえばエポキシ樹脂に
アルミニウムまたは黄銅などの金属繊維を充填して形成
される。前記金属繊維の太さは0.01mm程度のもの
を使用する。これによって引張り強さ、圧縮強さなどの
機械的強さが向上され、金属繊維35%を加えることに
より、引張り強さは約5倍に増す。
【0023】またアルミニウム粉末または鉄粉末をエポ
キシ樹脂に充填したエポキシ注入成形樹脂も好ましく、
これによって機械強さが強くなる。
【0024】また本実施例の他の実施例として、合成樹
脂と金属との複合体における前記金属に代えて、合成樹
脂に炭素粉末または炭素繊維を加えてもよい。
【0025】さらにガラス粉末が混合されて強化されて
いる合成樹脂によって前記一部分17を形成してもよ
い。その表面にはセラミック製の被覆層を形成してもよ
い。
【0026】このセラミックは、一般的に、酸化アルミ
ニウム(Al23)あるいはこれに少量の他の金属酸化
物や結合材を添加してプレス成形して焼結したものであ
り、約1100℃程度までその硬さが変化しない。比熱
は超硬合金の約4倍であり、また熱伝導率は超硬合金の
約2分の1であり、熱膨張が少ない。しかも超硬合金は
約1000℃以上でかなり酸化変質するけれども、セラ
ミックは約2000℃まで安定であり、大部分の金属に
対して親和性が低いために他の物体との溶着が起こりに
くく摩耗に強いという特性を有している。
【0027】このようなセラミック製の被覆層が形成さ
れる内かま1の部分17は、射出成形によって製造され
る。
【0028】前記部分17は、射出成形によって製造さ
れるため、したがって複雑な形状を有する内かま1を容
易に製造することができ、先行技術における鉄などの材
料から成るかまに比べて、製造が極めて容易である。さ
らに精度を向上するために、被覆層を切削加工しても
い。被覆層を複数個で構成し、下の層は切削加工などを
施し、その後に、さらに上の層を形成し、被覆層の外周
面を円滑な、すなわち凹凸のない表面とすることができ
る。このようにして前記一部分17は、合成樹脂にガラ
ス粉末を混合した材料から成るので、前記本体を金型を
用いた射出成形によって製造することができ、生産性を
格段に向上することができる。しかも本体はガラス粉末
が混合されているので、合成樹脂だけのものに比べて強
度を向上することができるとともに、金属製の部品に比
べて軽量化を図ることができ、したがって、この部品が
備えられるミシン全体の重量を低減して軽量化すること
ができる。
【0029】しかも合成樹脂製本体の表面には被覆層が
形成され、複数種類の材料から部品が構成されるので、
共振などの異常現象を防ぐことができ、騒音の低減を図
ることができる。
【0030】さらに前記被覆層はセラミック製であるの
で、耐熱性および耐摩耗性に優れており、相互に摺動す
る部分における焼付きなどの発生を防ぐことができる。
しかも、セラミック製の被覆層は摩擦係数が小さいの
で、たとえば内かまの外表面などの糸が摺動する部分で
は糸滑りが円滑に行われ、その糸の摺動時における張力
がむやみに変化してしまうことを防止することができ
る。このようにして焼付きを防止して摩耗量が少なくな
ることによって、部品の寿命を長くすることが可能とな
り、耐久性が向上される。
【0031】また前記被覆層は、本体の表面に第1被覆
層を形成して切削加工した後、この第1被覆層の表面に
セラミック製の第2被覆層を形成して構成されるように
してもよく、そうすればすでにほぼ平坦状に切削加工さ
れた第1被覆層上の第2被覆層は、ほとんど大きな凹凸
がなくなり、そのため研磨量が少なくてすみ、材料の無
駄を可及的に少なくして、所定の厚みを薄い第1および
第2被覆層の層厚で確実に得ることができる。前記他の
部分19は、(c)金属、(d)金属粉末またはセラミ
ック粉末を含む合成樹脂または(e)無機材料から成
り、この前記他の部分19は、前記一部分17と接着剤
を用いて、または部分的な嵌め込みなどの機械的構成に
よって一体となって内かま1が形成される。
【0032】前記金属cは、鋼鉄などであってもよく、
さらにTiAlNまたはTiCNの2〜5μm厚の被覆
層が形成されてもよい。
【0033】金属粉末またはセラミック粉末を含む合成
樹脂dは、前述の一部分17に関連して述べた材料と同
様であってもよい。
【0034】前記無機材料eとしては、たとえばアルミ
ニウム合金粉末の中にアルミナ粉末を散りばめた材料か
ら成り、耐摩耗性が高く、かつ高い温度であっても強度
の低下が少なく、さらに加工性がきわめて良好であると
いう特性を有している。前記アルミニウム合金粉末は、
鋼、マグネシウム、ニッケル、および鉄を含むA200
0系と呼ばれるアルミニウム合金を粉末化し、これに粒
径5ミクロン前後のアルミナ粉末を2〜5%加えて混合
したものをプレス成形した後、400℃で熱間押し出し
して棒状体のビレットを形成し、こうして得られたアル
ミニウム合金のビレットを、たとえば冷間鋳造によって
所定の形状に容易に成形して、その後、研磨加工などの
仕上げ作業を行って製造することができる。このような
アルミニウム合金材料から成る内かまの部分19は、た
とえば冷間鋳造後に焼入れおよび焼戻し処理したもの
で、炭素鋼の約100倍の耐摩耗性を有している。また
引張り強度は、150℃で36kg/cm2であり、こ
のような強度は室温下の炭素鋼と同等か、純アルミニウ
ムの約5倍に相当している。
【0035】このような内かま1を用いて長期間にわた
って高速で縫製動作を行っても、軌条8の表面の摩耗は
きわめて少なく、耐久性を格段に向上することができ
る。
【0036】前述の軌条8は、前記一部分17の軌条部
分8aと、前記他の部分19の軌条部分8b,8cとか
ら成り、針落ち穴16とその付近は、前記他の部分19
に形成されている。
【0037】本発明の一実施例は、図6〜図9に示され
る。本実施例で前述の構成に対応する部分には同一の参
照符を付す。注目すべきは本実施例の内かま1は、合成
樹脂製部分であるその一部分17aと鋼鉄製部分である
他の部分19aとから成り、前記他の部分19aは、針
落ち穴16とその付近だけを含み、切断面線20に沿っ
て両部分17a,19aが固着されている。
【0038】合成樹脂としてはまた潤滑剤を含む高密度
ポリエチレンを用いることもできる。この場合、図1〜
図5の構成も実施例として充分な摩擦係数低減の効果を
達成することができる。また、図10〜図12に示すよ
うな構成も他の実施例として、充分な摩擦係数低減の効
果を達成することができる。すなわち、前述の構成に対
応する部分には同一の参照符を付し、一部分17bと他
の部分19bとは切断面線21において固定される構成
である。他の部分19bは針落ち穴16とその付近、さ
らにフランジ部10とを含む。
【0039】図6〜図9の実施例の構成をさらに詳しく
述べると、本縫いミシンの垂直全回転かまの内かま1に
おいて、鋼鉄製部分19aと合成樹脂製部分17aとが
一体となって構成される。鋼鉄製部分19aは、内かま
1の軸線L1を含む鉛直面に関して周方向にほぼ左右対
称な角度の範囲を占めて、上糸ループのたるみ吸収用の
フランジの一部10aを含み、内かま1の軸線L1を含
む水平面よりも上方にあり、針落ち穴16と内かままわ
り止め凹所9とが形成され、図9に示す間隔Lだけ軌条
8を含む鉛直面よりも内かま1の解放端側にある。合成
樹脂製部分17aは、軌条8の全てと、フランジの残り
の部分10とを含む。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、軌条と軌
溝との摩擦係数を低減し、外かまの回転駆動に必要なト
ルクを低減し、外かまを高速度で安定に円滑に回転駆動
し、縫製品質の向上を図ることができるようになる。
【0041】また本発明によれば、内かまを軽量化する
ことができ、また前述のように無給油で外かまの円滑な
高速回転を可能とし、縫製の品質を向上することができ
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる構成による内かま1の正面
図である。
【図2】図1に示される内かま1を備える垂直全回転か
まの全体の構成を示す斜視図である。
【図3】内かま1の斜視図である。
【図4】内かま1の平面図である。
【図5】図1〜図4に示される構成の内かま1の分解斜
視図である。
【図6】本発明の一実施例の内かま1の正面図である。
【図7】図6に示される実施例の内かま1の正面図であ
る。
【図8】図6および図7に示される実施例の内かま1の
背面図である。
【図9】図6〜図8に示される実施例の内かま1の分解
斜視図である。
【図10】本発明の他の実施例の内かま1の斜視図であ
る。
【図11】図10に示される実施例の内かま1の正面図
である。
【図12】図10および図11に示される実施例の内か
ま1の背面図である。
【図13】液晶ポリマーの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 内かま 2 外かま 3 ボビンケース 4 回転軸 5 外かま2の回転方向 8 軌条 9 内かままわり止め凹所 16 針落ち穴 17,17a,17b 一部分 19,19a,19b 他の部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−169340(JP,A) 特開 平4−21735(JP,A) 特開 昭63−227735(JP,A) 特開 昭63−206455(JP,A) 小出直之、坂本国輔著 高分子学会編 高分子新素材ONEPOINT−10「液晶 ポリマー」 初版 (昭63−5−20) 共 立出版株式会社 P.59〜60 飯村一賀、浅田忠裕、安部明広編 「液 晶高分子」 初版 (昭63−2−8) 株 式会社シグマ出版 P.240〜244

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本縫いミシンの垂直全回転かまの内かま
    1において、 鋼鉄製部分19aと合成樹脂製部分17aとが一体とな
    って構成され、 鋼鉄製部分19aは、 内かま1の軸線L1を含む鉛直面に関して周方向にほぼ
    左右対称な角度の範囲を占めて、上糸ループのたるみ吸
    収用のフランジの一部10aを含み、 内かま1の軸線L1を含む水平面よりも上方にあり、針
    落ち穴16と内かままわり止め凹所9とが形成され、 軌条8を含む鉛直面よりも内かま1の解放端側にあり、 合成樹脂製部分17aは、 軌条8の全てと、 フランジの残りの部分10とを含むことを特徴とする垂
    直全回転かまの内かま。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂製部分17aは、(a)合
    成樹脂または(b)金属粉末、炭素繊維、ガラス粒もし
    くはセラミック粉末などを含む合成樹脂から形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の垂直全回転かまの
    内かま。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂は、液晶ポリマーであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の垂直全回転か
    まの内かま。
  4. 【請求項4】 本縫いミシンの垂直全回転かまの内かま
    1の針落ち穴16側とは反対側で軌条8の大部分を含む
    部分17,17a,17bが、(a)潤滑剤を含む高密
    度ポリエチレンまたは、その潤滑剤を含む高密度ポリエ
    チレンにさらに(b)金属粉末、炭素繊維、ガラス粒も
    しくはセラミック粉末などを含むことを特徴とする垂直
    全回転かまの内かま。
  5. 【請求項5】 前記内かま1の他の部分19,19a,
    19bが、(c)金属、(d)金属粉末もしくはセラミ
    ック粉末を含む合成樹脂または(e)無機材料から成
    り、前記一部分17,17a,17bと一体となって形
    成されていることを特徴とする請求項4記載の垂直全回
    転かまの内かま。
  6. 【請求項6】 前記無機材料は、アルミニウム合金粉末
    の中にアルミナ粉末を散りばめた材料であることを特徴
    とする請求項5記載の垂直全回転かまの内かま。
JP5052554A 1993-03-12 1993-03-12 垂直全回転かまの内かま Expired - Fee Related JPH0775638B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5052554A JPH0775638B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 垂直全回転かまの内かま
US08/084,519 US5351636A (en) 1993-03-12 1993-07-01 Fully rotating hook for a lockstitch sewing machine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5052554A JPH0775638B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 垂直全回転かまの内かま

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06261989A JPH06261989A (ja) 1994-09-20
JPH0775638B2 true JPH0775638B2 (ja) 1995-08-16

Family

ID=12918038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5052554A Expired - Fee Related JPH0775638B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 垂直全回転かまの内かま

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5351636A (ja)
JP (1) JPH0775638B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07665A (ja) * 1993-06-21 1995-01-06 Hirose Mfg Co Ltd ミシンの部品
JP2719316B2 (ja) * 1995-06-05 1998-02-25 株式会社廣瀬製作所 かまおよびそれを用いたミシン
US5921192A (en) * 1998-01-22 1999-07-13 Bakron Corporation Bobbin assembly with structure for severing improperly routed thread
US6076477A (en) * 1999-05-21 2000-06-20 Badillo; Paul Hook system for sewing machine
KR100356041B1 (ko) * 2000-07-12 2002-10-18 코베스트 주식회사 재봉틀용 회전 북 장치
ITMI20130324A1 (it) 2013-03-04 2014-09-05 Cm Cerliani S R L Crochet rotativo con capsula per macchina per cucire a punto annodato comprendente mezzi per ridurre i giochi tra capsula e cestello e ridurne la rumorosita'
CN108642746B (zh) * 2018-05-24 2021-01-12 东阳市太极精密制造有限公司 一种含有耐磨陶瓷部件的缝纫绣花机旋梭及其制备方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB728247A (en) * 1952-11-22 1955-04-13 Jones Sewing Machine Company L Improvements in or relating to bobbin case carriers for sewing machines
JPS60147384U (ja) * 1984-03-09 1985-09-30 ジャガー株式会社 ミシンの全回転釜
US4700643A (en) * 1985-02-21 1987-10-20 Hirose Manufacturing Company, Ltd. Rotary hook
JP2546660B2 (ja) * 1986-12-30 1996-10-23 昭和電工株式会社 セラミックス分散強化型アルミニウム合金の製造方法
JPS63206455A (ja) * 1987-02-20 1988-08-25 Showa Denko Kk 高強度、耐摩耗性Al合金粉末成形部材の熱処理方法
US4966088A (en) * 1987-03-13 1990-10-30 Bakron Corp. Composite rotary loop taker for lock-stitch sewing machine
JPS63227735A (ja) * 1987-03-17 1988-09-22 Showa Alum Corp 耐摩耗性に優れた複合材料及びその製造方法
US4858543A (en) * 1988-03-07 1989-08-22 Bakron Corp. Plastic bobbin basket with needle guard plate
JPH0421735A (ja) * 1990-05-16 1992-01-24 Nissan Motor Co Ltd アルミニウム系軸受合金
US5188046A (en) * 1991-01-29 1993-02-23 Bakron Corp. Plastic bobbin basket with damage resistant members

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
小出直之、坂本国輔著高分子学会編高分子新素材ONEPOINT−10「液晶ポリマー」初版(昭63−5−20)共立出版株式会社P.59〜60
飯村一賀、浅田忠裕、安部明広編「液晶高分子」初版(昭63−2−8)株式会社シグマ出版P.240〜244

Also Published As

Publication number Publication date
US5351636A (en) 1994-10-04
JPH06261989A (ja) 1994-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5863622A (en) Polarizer laminates comprising coextruded liquid crystal polymer moieties and integral thermoplastic cover layers
KR910009217B1 (ko) 고밀도 자기 기록 매체용 폴리에틸렌 나프탈레이트 필름
JP4945097B2 (ja) 全芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物および光ピックアップレンズホルダー
JPH0775638B2 (ja) 垂直全回転かまの内かま
US5216092A (en) Blends of liquid crystalline polymers of hydroquinone poly(isoterephthalates) p-hydroxybenzoic acid polymers and another LCP containing oxybisbenzene and naphthalene derivatives
TWI449750B (zh) 全芳香族液晶聚酯組合物及其光拾取透鏡夾具
JPH0739534B2 (ja) 表面特性の良好な液晶性ポリエステル樹脂組成物
CA2230528A1 (en) A polyester film and a production process thereof
JPH06238084A (ja) ミシンの内かま
JPH07665A (ja) ミシンの部品
JPH06327873A (ja) 本縫ミシンの内かま押え
JP2622060B2 (ja) 全回転かまの内かま
JP2636223B2 (ja) キャリッジ装置
Mithal et al. In situ composite fibers: Blends of liquid crystalline polymer and poly (ethylene terephthalate)
JP4989918B2 (ja) 全芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物および光ピックアップレンズホルダー
JPH0562158A (ja) 磁気記録媒体用積層ポリエステルフイルム
JPS63262180A (ja) ミシンの部品
Chung et al. Liquid crystal polymers and their applications
JP2974272B2 (ja) 工業用ミシンの無給油全回転かまの内かま
JP2001124127A (ja) 衝撃エネルギー吸収デバイスおよび方法
JPH05317559A (ja) ミシンの部品
JPH07664A (ja) ミシンの部品
JP3014021B2 (ja) 工業用ミシンの無給油全回転かまの内かま
US20030198834A1 (en) High modulus and high damping plastic composite disc substrate for improved servo control by injection and co-injection molding
JPS63286425A (ja) 共重合ポリエステル、その成形品、その複合構造体および共重合ポリエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080816

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080816

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090816

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100816

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees