JPH07664A - ミシンの部品 - Google Patents

ミシンの部品

Info

Publication number
JPH07664A
JPH07664A JP14232693A JP14232693A JPH07664A JP H07664 A JPH07664 A JP H07664A JP 14232693 A JP14232693 A JP 14232693A JP 14232693 A JP14232693 A JP 14232693A JP H07664 A JPH07664 A JP H07664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hook
skin
sewing machine
rotating hook
case holder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14232693A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokuzo Hirose
徳三 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hirose Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Hirose Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hirose Manufacturing Co Ltd filed Critical Hirose Manufacturing Co Ltd
Priority to JP14232693A priority Critical patent/JPH07664A/ja
Publication of JPH07664A publication Critical patent/JPH07664A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05DINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES D05B AND D05C, RELATING TO SEWING, EMBROIDERING AND TUFTING
    • D05D2209/00Use of special materials
    • D05D2209/10Particular use of plastics
    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05DINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES D05B AND D05C, RELATING TO SEWING, EMBROIDERING AND TUFTING
    • D05D2209/00Use of special materials
    • D05D2209/12Metals or metal coatings

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 縫い性能の向上を図り、騒音を防止すること
ができるミシンの部品を提供する。 【構成】 たとえば内かま1、外かま2などのミシンの
部品の表面に厚みが少なくとも50μm以上の合成樹脂
を含む材料から成る表皮36が形成されるので、ミシン
の各部品の相互に当接または摺動する部位では、振動が
充分に吸収され、騒音の発生を防ぐことができるととも
に、摩擦が低減され、縫い性能が向上する。また長期間
にわたって高速で縫製動作を行ってもミシンの各部品の
摩耗はきわめて少なく耐久性が向上される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はミシンの部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、全回転かまの内かまおよび外
かまは、ステンレス鋼または鋼鉄などが鍛造加工されて
構成され、内かまに形成された軌条が外かまの軌溝に嵌
まり込み、外かまが高速度で回転されて縫い目が形成さ
れる。したがって内かまの軌条と外かまの軌溝とが摩擦
接触して摩耗しやすく、そのような摩耗が生じるとがた
つきを生じ、縫い性能が低下し、また騒音が発生する。
【0003】また内かまの軌条と外かまの軌溝との摩擦
が大きいので、上糸が内かま回り止め凹所とそれに嵌ま
り込んでいるミシン機体に取付けられている内かま回り
止め部材との当接面を通り抜けるときに上糸に大きな張
力が発生し、縫い性能が低下し、また糸切れを生じやす
いという問題がある。
【0004】また先行技術では、上糸または下糸と内か
まなどのミシンの部品との接触時の摩擦が大きく、それ
らの上糸または下糸に作用する張力が大きくなって縫い
性能が低下するという問題がある。
【0005】また、ミシンの部品は、ステンレス鋼また
は鋼鉄製であるので、各部品が相互に当接または摺動す
る部位では、騒音が発生するという問題がある。
【0006】このような問題点を解決するために、ステ
ンレス鋼または鋼鉄製のミシンの部品の表面に、10〜
30μmのたとえばポリテトラフルオロエチレンから成
る被覆層を形成したものがあるが、被覆層が薄く耐久性
に問題がある。また各部位が相互に当接または摺動する
部位では、振動が充分に吸収されず騒音を緩和すること
ができないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、内か
まの軌条と外かまの軌溝との摩擦を低減し、また摩耗を
低減して長寿命とすることができ、かつ上糸または下糸
と内かまなどのミシンの部品とが接触するときの摩擦を
低減し、縫い性能の向上を図ることができ、さらに騒音
を防止することができるミシンの部品を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に厚みが
少なくとも50μm以上の合成樹脂を含む材料から成る
表皮が形成されることを特徴とするミシンの部品であ
る。
【0009】また本発明は、前記表皮の厚みは、100
μm以上に選ばれることを特徴とする。
【0010】また本発明は、外かま、内かま、環縫ミシ
ンのルーパ、天びん、押え金、三つ巻、全回転かまおよ
び半回転かまから成るグループから選ばれた1つである
ことを特徴とする。
【0011】また本発明は、前記表皮は、合成樹脂に金
属粉末または炭素繊維を散りばめた材料から成ることを
特徴とする。
【0012】また本発明は、前記表皮は、潤滑剤を含む
高密度ポリエチレンから成ることを特徴とする。
【0013】また本発明は、前記表皮は、液晶ポリマー
から成ることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明に従えば、外かま、内かま、環縫ミシン
のルーパ、天びん、押え金、三つ巻その他のミシンの部
品の表面に形成される表皮の厚みを50μm以上とし、
前記表皮は合成樹脂から成るので、表皮に振動が充分吸
収され、騒音が発生することを防ぐことができるととも
に、内かまの軌条の外周面と外かまの軌溝の内周面との
摩擦が低減され、したがって摩耗が低減されることによ
って、内かまの軌条と外かまの軌溝とのがたつきを防い
で縫い性能の向上を図るとともに、上糸または下糸と内
かまなどのミシンの部品との接触するときの摩擦を低減
して縫い質の向上を図り、長期間にわたって使用するこ
とができるミシンの部品が実現される。
【0015】また、前記表皮は合成樹脂に金属粉末また
は炭素繊維を散りばめた材料から成るので、同様の作用
が得られるとともに、耐久性がさらに向上する。
【0016】また、前記表皮は潤滑油を含む高密度ポリ
エチレンから成るので、ミシンの部品、特に前記内かま
の軌条と外かまの軌溝との摺接による摩耗で、高密度ポ
リエチレン中の潤滑油が出てきて、潤滑される。
【0017】また、前記表皮は液晶ポリマーから成るの
で、耐熱性に優れ、振動を減衰する特性を有する。
【0018】また、前記表皮の厚みを100μm以上と
するので、さらなる騒音の低減や縫い質の向上が図られ
る。
【0019】
【実施例】図1は本発明の一実施例の垂直全回転かまに
用いられる内かま1の正面図であり、図2はその内かま
1を外かま2に装着し、後述のボビン19(図11参
照)およびボビンケース3(図10参照)を収納した状
態を示す斜視図であり、図3はその垂直全回転かまの縦
断面図であり、図4は前記内かま1の斜視図であり、図
5はその内かま1の背面図である。
【0020】これらの図面を参照して、外かま2の下軸
である回転軸4は水平軸線L1まわりに矢符5の方向に
回転駆動される。内かま1は基本的には、筒部7と、こ
の筒部7の外周に形成された軌条8と、筒部7の開放側
の端部に形成された内かま回り止め凹所9を有するフラ
ンジ部10と、筒部7の他端部に形成された底部11と
を有する。軌条8は、内かま回り止め凹所9に関して外
かま2の回転方向5の下流側に糸掛け部12が形成さ
れ、上流側に糸抜け部13が形成される。内かま1の底
面11には、スタッド17が立設され、このスタッド1
7はボビン19の中央孔28を挿通し、そのスタッド1
7の先端部の切欠き29は、操作レバー30によって軸
線L1に垂直方向に変位する係止片31に係止してボビ
ンケース3の抜け止めが達成される。レバー30はピン
32によって角変位可能にボビンケース3に設けられ、
このピン32の軸線は前記軸線L1に垂直である。ボビ
ン19には下糸が巻回される。内かま回り止め凹所9に
は、本縫ミシンの機体に固定された回り止め部材33の
突起34が嵌まり込み、外かま2の回転中における内か
ま1の回転を阻止する。
【0021】内かま1の筒部7に形成された軌条8は、
外かま2の外周面に形成された軌溝6に嵌まり込む。
【0022】針14は、昇降往復駆動され、上糸15は
針14に挿通される。内かま1には針落ち穴16が形成
されている。参照符35は上糸15を捉える剣先であ
る。
【0023】図6は内かま1の一部の拡大断面図であ
る。この内かま1は、ステンレス鋼または鋼鉄などの材
料から成り、かつ鍛造されて形成された内かま本体35
の表面に表皮36が形成されて構成される。内かま本体
35は、ハイス鋼、または超硬合金であってもよい。表
皮36の厚みd1は、たとえば50μm以上であり、好
ましくは100μm以上に選ばれる。
【0024】表皮36は、フッ素樹脂たとえばポリテト
ラフルオロエチレン(略称「PTFE」)から成る。P
TFEは、テトラフルオロエチレンの共重合体であり、
耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性に優れており、摺動する部
分における摩擦を低減し、これによって摩耗が低減され
長期間にわたって使用することができるミシンの部品が
実現される。通常、PTFEの表皮は、10〜30μm
であるが、本実施例では、10〜30μmの表皮をもつ
部品にPTFEをさらに蒸着させて前述の厚みを達成す
る。
【0025】また、耐久性を向上させるために、前記P
TFEにたとえばアルミニウムなどの金属粉末または炭
素繊維を散りばめた材料を用いて表皮36を形成しても
よい。
【0026】本件発明者の実験結果を述べる。図7は、
垂直全回転かまの直上に配置される針板から上方に50
mm離れた位置に、たとえば、マイクロフォンなどの音
圧検出手段を設けて測定したときの、外かま2の回転数
[rpm]と音圧[dB]との関係を示している。内か
ま1および外かま2が鋼鉄製である従来の垂直全回転か
まを用いたときの音圧がラインAによって表わされ、内
かま1の全表面に50μmの厚みを有するPTFEの表
皮を形成し、外かま2は鋼鉄製である本発明に従う垂直
全回転かまを用いたときの音圧がラインBによって表わ
されている。
【0027】該グラフから明らかなように、外かま2の
回転数をたとえば4000rpmとしたときは、従来の
垂直全回転かまでは音圧が90dBであるのに対し、本
実施例に従う垂直全回転かまでは音圧が87dBであ
り、同様に回転数4500rpmとしたとき従来では9
2.5dBであるのに対し、本実施例では90dBであ
り、回転数5000rpmとしたとき従来では93.5
dBであるのに対し、本実施例では92dBと、従来の
垂直全回転かまに比べて本発明に従うかまは、1.5〜
3dB音圧が低いことが本件発明者の実験によって確か
められている。この1.5〜3dBの音圧の差によっ
て、実際上顕著に音の大きさが小さくなったことが本件
発明者によって体感されている。
【0028】しかも、上述のように騒音を低減するため
だけではなく、摩耗に対する耐久性をも向上するために
は、前記表皮36の厚みは少なくとも50μm以上とす
る必要があり、好ましくは100μm以上に選ばれる、
換言すれば、前記表皮36の厚みが50μm未満であれ
ば、使用を開始してから僅かな期間で前記表皮36が摩
耗してしまい、耐久性に劣るため、事実上、長期の使用
に耐えないという問題がある。けれども、少なくとも5
0μm以上にすることによってこの問題を解決すること
ができる。
【0029】また、特に、内かま1の軌条8と外かま2
の軌溝6とは当接し、摺動しているので、表皮36が5
0μm未満であれば剥離が生じ易いという問題がある
が、表皮36を50μm以上とすることによって、前記
剥離に充分対応することができ、好ましくは100μm
以上の表皮36を形成することによって長期間にわたっ
て剥離に抗することができる。
【0030】本発明の他の実施例として、表皮36は潤
滑剤であるたとえばグリースを含む高密度ポリエチレン
から成る。前記グリースを含む高密度ポリエチレンは、
ポリエチレンから成る合成樹脂粉末とグリースとを混合
し、150℃程度に加熱し、樹脂状に固められて形成さ
れる。前記高密度ポリエチレンは比重0.94〜0.9
6、結晶化度85〜95%であり、硬さはHs=75で
あり、5700Gを1時間作用させたときの離油度は5
%であり、約30kgf/cm2 の圧縮強度を有する。
また、前記グリースにおいては、耐熱性の高いリチウム
セッケングリース、またはメチルシリコーン油にシリカ
ゲルを混ぜたゼリー状のシリコーングリースであっても
よい。前記内かま1の軌条8を、このような樹脂で構成
することによって、前記軌条8と軌溝6との摺接による
摩耗で、高密度ポリエチレン中のグリースが出てきて、
潤滑される。
【0031】本発明のさらに他の実施例として、厚み1
00μm以上のものとして、表皮36は液晶ポリマーが
用いられる。高分子の主鎖に棒状の剛直成分をもつ前記
液晶ポリマーは、剛直鎖成分間の分子間力が大きく、か
つ成形時によく配向して結晶化するので、その耐熱性は
極めて優れており、高速度で回転駆動される外かま2に
よる摩擦で温度が高くなっても、熱変形温度は極めて高
いので変形することはない。また前記液晶ポリマーは、
剛直な分子鎖から成り、成形するときに流動方向に高度
に配向するので高強度、高弾性率であり、また分子鎖は
配向方向に関しては伸びきった状態で配列しているた
め、引張力が加ってもそれ以上伸びることはほとんどな
い優れたクリープ特性を示す。また線膨張係数はきわめ
て小さく、特に流動方向の線膨張係数は1×10- 5
m/cm/℃程度である。このような線膨張係数は他の
合成樹脂より1桁低い値であり、金属と同等の寸法安定
性を得ることが可能となる。このことから夏と冬などの
環境温度差および湿度差による寸法変化はほとんど零で
ある。またこの液晶ポリマーは、耐候性も高いので長い
使用が可能となる。また液晶ポリマーは、溶融状態と固
化状態の構造が似通っているため相変化がわずかであ
り、固化するときの体積変化も少ない。
【0032】また前記液晶ポリマーの非常に興味ある特
性として、振動を減衰する特性がある。一般に振動を減
衰する特性はゴムのような柔らかい材料が優れている
が、液晶ポリマーは高弾性率を持ちながら大きな振動減
衰特性を兼ね備えている。耐摩耗性を向上するために
は、前記液晶ポリマーに比摩耗量を小さくし、かつ動摩
擦係数を小さくするためにカーボン繊維を30%混合す
るようにしてもよい。また前記液晶ポリマーは、パラヒ
ドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸と
の共重合体から成る。その他の材料として、2種もしく
は3種以上のナフタレン基を主鎖結合の一構成成分と
し、他の構成成分との共重合体から成ってもよい。前記
ナフタレン基は、1.2位、1.4位、1.5位、1.
8位、2.3位、2.6位、2.7位より選ばれる2以
上の置換位置に官能基を有する化合物であり、官能基は
ポリエステルおよび/またはポリエステルアミドを形成
することが可能な官能基であればよい。すなわち、官能
基はヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エステ
ル基等より選ばれる。
【0033】また前記ナフタレン基は、ヒドロキシナフ
トエ酸、ジヒドロキシナフタレンおよび/またはナフタ
レンカルボン酸であってもよい。
【0034】ナフタレン基以外の構成成分は、p位フェ
ニル基、4,4′−ビフェニル基および/または化1の
一般式、すなわち
【0035】
【化1】
【0036】(ただし、Xはアルキレン(炭素数1〜
4)アルキリデン(炭素数1〜4)、−O−、−S−、
−SO−、−SO2 −、−CO−より選ばれる基、R,
R′はヒドロキシ基、カルボキシル基等の反応性基また
はそれらのエステルである。)で表される化合物および
それらの置換誘導体より形成される。またポリマーの結
合単位はエステルおよび/またはエステルアミドが好ま
しく、それらを形成する官能基はヒドロキシ基、カルボ
キシル基、アミノ基、エステル基等より選ばれ、また好
ましくは、テレフタル酸、ハイドロキノン、p−ジアセ
トキシフェニレン、p−ヒドロキシ安息香酸およびそれ
らのエステル類、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、
4,4′−ジカルボキシビフェニル、4−ヒドロキシ−
4′−カルボキシビフェニルおよびそれらのエステル
類、化1の一般式のXがメチレン、プロペニルまたは−
SO2 −である各ジヒドロキシ体、ジカルボキシル体、
ヒドロキシカルボキシ体およびそれらのエステル類が選
ばれ、さらに好ましくは、テレフタル酸、ヒドロキシ安
息香酸、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′
−カルボキシビフェニルおよびそれらのエステル類が選
ばれる。
【0037】このような液晶ポリマーから成る外かま2
と内かま1とを用いて長期間にわたって高速で縫製動作
を行っても、軌溝6の表面の摩耗はきわめて少なく、耐
久性を格段に向上することができる。しかも前記外かま
2も同様な材料製にすると、軽量であるので、回転軸4
から伝達される回転トルクは小さくてすみ、これによっ
て回転軸4を回転駆動するためのモータを小形化するこ
とができる。
【0038】図8は、液晶ポリマーの射出成形品38の
一部を切欠いた断面図である。前記液晶ポリマーは、流
動方向に分子鎖が高度に配向した外側スキン層39と、
内側スキン層40と、配向が明瞭でないコア層41とを
含む。前記スキン層39,40の厚さは成形品の厚さに
拘わらず0.3〜0.2mmとほぼ一定している。
【0039】このような液晶ポリマーから成る表皮36
は、一体成形して形成される。
【0040】前記液晶ポリマーは、各スキン層39,4
0が流動方向に強く配向しているので、高強度、高弾性
率の優れた機械的特性をもつ。しかし配向しやすいこと
から異方性を生じやすいので、この異方性を減じるため
に剛直性骨格に補強剤を導入するのが好ましい。また配
向しやすいことから各スキン層39,40から剥離され
たフィブリルを生じやすい。マクロフィブリル42は5
μm、フィブリル43は0.5μm、ミクロフィブリル
44は0.05μmである。前記液晶ポリマーは外側ス
キン層39、内側スキン層40、コア層41などの多層
構造をもつものであり、高弾性率であるにも拘わらず、
大きな振動減衰特性を示す。
【0041】図9は外かま2の開放端側から見た正面図
である。その外かま2の全表面にもまた、前述と同様な
表皮36が形成される。そのため軌条8と軌溝6との接
触時の摩擦が低減され、また軌条8と軌溝6との摩耗が
防がれ、円滑な外かま2の回転が達成され、こうして縫
い性能を向上することができる。外かま2は、それに収
納される内かま1が外かま2から外れてしまうことを防
ぐ内かま押え片2aを含み、この内かま押え片2aもま
た外かま2の残余の部分と同様に表皮36を有する。
【0042】図10はボビンケース3の斜視図である。
このボビンケース3の全表面にもまた前述のように表皮
36が形成される。これによって糸のボビンケース3と
の接触時の摩擦が低減され、糸に不必要に大きい張力が
作用することが防がれる。すなわちボビンケース3の内
かま開放端側に配置される表面51に、上糸15が摺動
したとき、その摺動抵抗を少なくし、上糸張力の変化を
防ぐことができる。
【0043】図11はボビン19の斜視図である。この
ボビン19もまた、前述と同様に表皮が形成される。
【0044】さらに図12に示される天びん20および
クランク軸21は、前述と同様に表皮が形成される。こ
のような振動が作用する天びん20およびクランク軸2
1などの部品を、ステンレス鋼、鋼鉄およびその他の金
属から成る母材上に前述の表皮を形成することによっ
て、摩擦係数を小さくして駆動力を少なくすることがで
きるようになる。
【0045】図13に示される環縫ミシンのルーパ22
もまた、前述と同様な構成を有し、表皮36を形成する
ことによって耐久性を向上する。
【0046】さらに図14に示される押え金24、図1
5に示される三つ巻と呼ばれるラッチハマー(Latch Hem
mer)25、および図16に示されるラッチハマー26も
また、前述と同様な構成を有して表皮36が形成され
る。これらの押え金24およびラッチハマー25,26
などのような布などの被縫製物に比較的大きい押圧力で
接触するミシンの部品を、前述のような構成として表皮
36を形成するようにしたので、被縫製物の滑りがよ
く、布などの送り動作に対して不所望に大きな抵抗力が
生じることを防ぐことができる。
【0047】本発明は前述のミシンの部品だけでなく、
図17に示されるような水平全回転かま27、半回転か
ま、それを構成するドライバおよび中かま、その他のミ
シンの部品に関連して本発明を好適に実施することがで
きる。
【0048】以上のように表皮36は、フッ素樹脂、フ
ッ素樹脂に金属粉末または炭素繊維を散りばめた材料、
潤滑剤を含む高密度ポリエチレン、または液晶ポリマー
から成り、前記表皮36の厚みは50μm以上であるの
で、以下の効果を達成することができる。
【0049】(a)表皮は振動を充分吸収して騒音を緩
和することができ、「カチンカチン」・「コチンコチ
ン」・「ジー」などの大きなかま音が生じない。
【0050】(b)さらに表皮36は摩擦係数が小さい
ので、外かま2を円滑に、回転駆動することができる。
【0051】(c)さらに前述のように摩擦係数が小さ
いことによって、内かま1の回り止め凹所9とその回り
止め凹所9に嵌まり込む内かま回り止め部材33との間
の圧力を小さくし、上糸15が通り抜けるときにおける
上糸15に作用する張力の変化を低減し、これによって
縫い質を向上することができる。
【0052】(d)さらに摩擦係数が小さいことによっ
て、表皮36に対する上糸15および下糸の摩擦の低減
によって滑りがよくなり、上糸15および下糸に作用す
る張力の変化を低減することができる。
【0053】(e)また表皮36の厚みが50μm以
上、特に100μm以上であるので長期間にわたって摩
耗および剥離に耐えることができ、耐久性が格段に向上
される。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ミシンの
各部品の相互に当接または摺動する部分では、振動が充
分に吸収され、長期間にわたって摩耗および剥離に耐え
ることができるので、騒音の発生を防ぐことができる。
特に、内かまの軌条と外かまの軌溝との摩擦が低減さ
れ、円滑に外かまを高速回転させることができる。また
上糸および下糸に作用する張力の変化を低減し、縫い質
を向上することができる。また外かまおよび内かまのが
たつきを防いで縫い性能を向上し、かつ騒音の発生を抑
制することができるようになる。また表皮によって部品
が酸化することが防がれ、長寿命とすることができ、長
期間にわたって高い縫い性能を維持することができるよ
うになる。
【0055】さらに上糸および下糸と前記表皮との間の
摩擦が低減され、円滑に縫い動作を行うことができ、上
糸および下糸の張力が不所望に高くなることを防ぎ、こ
のことによってもまた縫い性能を向上することができ
る。また上糸または下糸が切断されてしまうという事故
を防ぎ、このことによってもまた縫い性能を向上するこ
とができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の内かま1の正面図である。
【図2】内かま1と外かま2などを備える垂直全回転か
まの斜視図である。
【図3】図1および図2に示される垂直全回転かまの縦
断面図である。
【図4】内かま1の斜視図である。
【図5】内かま1の背面図である。
【図6】内かま1の一部を拡大して示す断面図である。
【図7】垂直全回転かまの騒音を測定したグラフであ
る。
【図8】液晶ポリマーの射出成形品38の一部を切欠い
た断面図である。
【図9】外かま2の開放端側から見た正面図である。
【図10】ボビンケース3の斜視図である。
【図11】ボビン19の斜視図である。
【図12】天びん20およびクランク軸21を示す斜視
図である。
【図13】ルーパ22の斜視図である。
【図14】本発明の他の実施例の押え金24の斜視図で
ある。
【図15】三つ巻と呼ばれるラッチハマー25の斜視図
である。
【図16】本発明のさらに他の実施例のラッチハマー2
6の斜視図である。
【図17】水平全回転かまの側面図である。
【符号の説明】
1 内かま 2 外かま 3 ボビンケース 4 回転軸 6 軌溝 8 軌条 36 表皮

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に厚みが少なくとも50μm以上の
    合成樹脂を含む材料から成る表皮が形成されることを特
    徴とするミシンの部品。
  2. 【請求項2】 前記表皮の厚みは、100μm以上に選
    ばれることを特徴とする請求項1記載のミシンの部品。
  3. 【請求項3】 外かま、内かま、環縫ミシンのルーパ、
    天びん、押え金、三つ巻、全回転かまおよび半回転かま
    から成るグループから選ばれた1つであることを特徴と
    する請求項1記載のミシンの部品。
  4. 【請求項4】 前記表皮は、合成樹脂に金属粉末または
    炭素繊維を散りばめた材料から成ることを特徴とする請
    求項1記載のミシンの部品。
  5. 【請求項5】 前記表皮は、潤滑剤を含む高密度ポリエ
    チレンから成ることを特徴とする請求項1記載のミシン
    の部品。
  6. 【請求項6】 前記表皮は、液晶ポリマーから成ること
    を特徴とする請求項1記載のミシンの部品。
JP14232693A 1993-06-14 1993-06-14 ミシンの部品 Pending JPH07664A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14232693A JPH07664A (ja) 1993-06-14 1993-06-14 ミシンの部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14232693A JPH07664A (ja) 1993-06-14 1993-06-14 ミシンの部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07664A true JPH07664A (ja) 1995-01-06

Family

ID=15312748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14232693A Pending JPH07664A (ja) 1993-06-14 1993-06-14 ミシンの部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07664A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101422548B1 (ko) * 2006-10-31 2014-07-24 엔바이로-쿨, 인코포레이티드. 대형 트럭 후드 하부 열 조절을 위한 공기 제어 시스템

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63262180A (ja) * 1987-04-20 1988-10-28 株式会社廣瀬製作所 ミシンの部品
JPH01268591A (ja) * 1988-04-19 1989-10-26 Hirose Mfg Co Ltd ミシンのかまおよびボビンケース
JPH03149088A (ja) * 1989-11-06 1991-06-25 Hirose Mfg Co Ltd 全回転かま
JPH04210123A (ja) * 1990-11-30 1992-07-31 Taiho Kogyo Co Ltd 樹脂軸受材料
JPH04345667A (ja) * 1991-05-23 1992-12-01 Iseki & Co Ltd 摺動材料

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63262180A (ja) * 1987-04-20 1988-10-28 株式会社廣瀬製作所 ミシンの部品
JPH01268591A (ja) * 1988-04-19 1989-10-26 Hirose Mfg Co Ltd ミシンのかまおよびボビンケース
JPH03149088A (ja) * 1989-11-06 1991-06-25 Hirose Mfg Co Ltd 全回転かま
JPH04210123A (ja) * 1990-11-30 1992-07-31 Taiho Kogyo Co Ltd 樹脂軸受材料
JPH04345667A (ja) * 1991-05-23 1992-12-01 Iseki & Co Ltd 摺動材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101422548B1 (ko) * 2006-10-31 2014-07-24 엔바이로-쿨, 인코포레이티드. 대형 트럭 후드 하부 열 조절을 위한 공기 제어 시스템

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07664A (ja) ミシンの部品
US5216566A (en) Floppy disk unit with liner of fibers containing inorganic oxide powder
US5351636A (en) Fully rotating hook for a lockstitch sewing machine
JP2622060B2 (ja) 全回転かまの内かま
US5651323A (en) Hook assembly with coated surfaces for sewing machine
JP3014021B2 (ja) 工業用ミシンの無給油全回転かまの内かま
JP2974272B2 (ja) 工業用ミシンの無給油全回転かまの内かま
US20090081402A1 (en) Composite gear
JPH06238084A (ja) ミシンの内かま
JPH05317559A (ja) ミシンの部品
JPH07144082A (ja) 全回転かま
JPH08117472A (ja) 全回転かまの外かま
JPH06327873A (ja) 本縫ミシンの内かま押え
JPH0439278B2 (ja)
US5413058A (en) Inner bobbin case holder of a fully rotating hook
JPH07665A (ja) ミシンの部品
JPS63262180A (ja) ミシンの部品
JP2001178979A (ja) ミシンの回転釜装置
JPH07231992A (ja) 全回転かま
JPH11191234A (ja) 光学式ピックアップのレンズホルダおよびそのアクチュエータ
EP0669415A1 (en) Hook assembly and sewing process
JP2613007B2 (ja) ミシンの内かま
JP2001124127A (ja) 衝撃エネルギー吸収デバイスおよび方法
EP0283273A2 (en) Film for high density magnetic recording medium
JPH10272274A (ja) ミシンの釜