JPH07144082A - 全回転かま - Google Patents
全回転かまInfo
- Publication number
- JPH07144082A JPH07144082A JP29219793A JP29219793A JPH07144082A JP H07144082 A JPH07144082 A JP H07144082A JP 29219793 A JP29219793 A JP 29219793A JP 29219793 A JP29219793 A JP 29219793A JP H07144082 A JPH07144082 A JP H07144082A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hook
- rail
- thread
- bobbin
- upper thread
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 縫製動作時における上糸の張力の大きな変化
をなくし縫い質の低下を防止することができる全回転か
まを提供する。 【構成】 内かま2の軌条8が外かまの軌溝に嵌まり込
み、前記内かま2の回転が阻止された状態で、前記外か
まが回転駆動する全回転かまにおいて、前記軌条8の全
体または少なくとも外表面は、糸抜け部13から外かま
回転方向5とは逆方向に予め定める範囲L1にわたって
摩擦係数の小さい材料、合成樹脂たとえばポリテトラフ
ルオロエチレンまたは液晶ポリマから成ることを特徴と
する。
をなくし縫い質の低下を防止することができる全回転か
まを提供する。 【構成】 内かま2の軌条8が外かまの軌溝に嵌まり込
み、前記内かま2の回転が阻止された状態で、前記外か
まが回転駆動する全回転かまにおいて、前記軌条8の全
体または少なくとも外表面は、糸抜け部13から外かま
回転方向5とは逆方向に予め定める範囲L1にわたって
摩擦係数の小さい材料、合成樹脂たとえばポリテトラフ
ルオロエチレンまたは液晶ポリマから成ることを特徴と
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば本縫ミシンに
備えられる垂直全回転かまおよび水平全回転かまなどの
全回転かまに関する。
備えられる垂直全回転かまおよび水平全回転かまなどの
全回転かまに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、たとえば、ほぼ水平な回転軸
線を有する垂直全回転かまの内かまおよび外かまは、ス
テンレス鋼または鋼鉄などが鍛造加工されて構成され、
内かまに形成された軌条が外かまの軌溝に嵌まり込み、
外かまが高速度で回転されて縫い目が形成される。すな
わち、外かまの回転に同期して上下に往復駆動される縫
い針によってもたらされた上糸は、外かまの剣先によっ
て捕らえられ、外かまが回転方向下流側に回転するにつ
れて、前記剣先によって捕らえられた上糸は、内かまの
外周面に沿って拡開しながら上糸ループを形成する。前
記上糸ループが内かまの最下部付近を越えたとき、天秤
の上昇動作によって上糸が剣先から離脱して引上げられ
る。このような上糸の引上げ動作時において、前記上糸
ループは縮径しながら内かまの外表面に沿って、その内
かまの前記最下部から外かま回転方向下流側に向かって
上昇していくけれども、この上昇動作が剣先の上昇動作
よりも速いために、内かまの軌条の外かま回転方向下流
側端部に形成される糸抜け部付近が外かまから露出した
状態となって、この糸抜け部から一定の範囲にわたっ
て、上昇中の前記上糸ループが大きな接触圧で接触する
ことになる。したがって、前述したように内かまがステ
ンレス鋼または鋼鉄製であるので、前記糸抜け部付近に
上糸が接触した際に、その上糸に大きな摩擦力が作用
し、前記剣先によって捕捉された状態で糸越し中の上糸
の張力は、上糸が軌条の糸抜け部付近と接触した際に大
きく変化してしまう。このように、上糸の張力が大きく
変化すると、糸玉および糸切れの発生の原因、または上
糸が布の表面に引出されて一直線状に延び、下糸が布の
上に出てしまい縫い目じわができる原因となり、縫い質
が低下してしまうという問題を生じる。
線を有する垂直全回転かまの内かまおよび外かまは、ス
テンレス鋼または鋼鉄などが鍛造加工されて構成され、
内かまに形成された軌条が外かまの軌溝に嵌まり込み、
外かまが高速度で回転されて縫い目が形成される。すな
わち、外かまの回転に同期して上下に往復駆動される縫
い針によってもたらされた上糸は、外かまの剣先によっ
て捕らえられ、外かまが回転方向下流側に回転するにつ
れて、前記剣先によって捕らえられた上糸は、内かまの
外周面に沿って拡開しながら上糸ループを形成する。前
記上糸ループが内かまの最下部付近を越えたとき、天秤
の上昇動作によって上糸が剣先から離脱して引上げられ
る。このような上糸の引上げ動作時において、前記上糸
ループは縮径しながら内かまの外表面に沿って、その内
かまの前記最下部から外かま回転方向下流側に向かって
上昇していくけれども、この上昇動作が剣先の上昇動作
よりも速いために、内かまの軌条の外かま回転方向下流
側端部に形成される糸抜け部付近が外かまから露出した
状態となって、この糸抜け部から一定の範囲にわたっ
て、上昇中の前記上糸ループが大きな接触圧で接触する
ことになる。したがって、前述したように内かまがステ
ンレス鋼または鋼鉄製であるので、前記糸抜け部付近に
上糸が接触した際に、その上糸に大きな摩擦力が作用
し、前記剣先によって捕捉された状態で糸越し中の上糸
の張力は、上糸が軌条の糸抜け部付近と接触した際に大
きく変化してしまう。このように、上糸の張力が大きく
変化すると、糸玉および糸切れの発生の原因、または上
糸が布の表面に引出されて一直線状に延び、下糸が布の
上に出てしまい縫い目じわができる原因となり、縫い質
が低下してしまうという問題を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、縫製
動作時における上糸の張力の大きな変化をなくし、縫い
質の低下を防止することができる全回転かまを提供する
ことである。
動作時における上糸の張力の大きな変化をなくし、縫い
質の低下を防止することができる全回転かまを提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、内かまの軌条
が外かまの軌溝に嵌まり込み、前記内かまの回転が阻止
された状態で、前記外かまが回転駆動する全回転かまに
おいて、前記軌条の全体または少なくとも外表面は、糸
抜け部から外かま回転方向とは逆方向に予め定める範囲
にわたって摩擦係数の小さい材料によって形成すること
を特徴とする全回転かまである。
が外かまの軌溝に嵌まり込み、前記内かまの回転が阻止
された状態で、前記外かまが回転駆動する全回転かまに
おいて、前記軌条の全体または少なくとも外表面は、糸
抜け部から外かま回転方向とは逆方向に予め定める範囲
にわたって摩擦係数の小さい材料によって形成すること
を特徴とする全回転かまである。
【0005】また本発明は、前記予め定める範囲は、前
記軌条の周方向全長の長さの1/2〜1/10に選ばれ
ることを特徴とする。
記軌条の周方向全長の長さの1/2〜1/10に選ばれ
ることを特徴とする。
【0006】また本発明は、前記摩擦係数の小さい材料
は、合成樹脂であることを特徴とする。
は、合成樹脂であることを特徴とする。
【0007】また本発明は、前記摩擦係数の小さい材料
は、液晶ポリマであることを特徴とする。
は、液晶ポリマであることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明に従えば、全回転かまは、内かまの軌条
が外かまの軌溝に嵌まり込み、内かまの回転が阻止され
た状態で外かまが回転駆動する。前記内かまの軌条の全
体または少なくとも外表面は、糸抜け部から外かま回転
方向とは逆方向に予め定める範囲にわたって、摩擦係数
の小さい材料から成り、縫製動作時における上糸が前記
糸抜け部に接触する際に、前記上糸に作用する摩擦力が
小さくなって、上糸の張力は大きく変化しない。したが
って、糸玉、糸切れおよび縫い目じわが発生することな
しに円滑でかつ安定した縫製によって、縫い質の向上を
図ることができる。
が外かまの軌溝に嵌まり込み、内かまの回転が阻止され
た状態で外かまが回転駆動する。前記内かまの軌条の全
体または少なくとも外表面は、糸抜け部から外かま回転
方向とは逆方向に予め定める範囲にわたって、摩擦係数
の小さい材料から成り、縫製動作時における上糸が前記
糸抜け部に接触する際に、前記上糸に作用する摩擦力が
小さくなって、上糸の張力は大きく変化しない。したが
って、糸玉、糸切れおよび縫い目じわが発生することな
しに円滑でかつ安定した縫製によって、縫い質の向上を
図ることができる。
【0009】また、本発明に従えば、前記軌条は、糸抜
け部から外かまの回転方向とは逆方向に前記軌条の周方
向全長の1/2〜1/10にわたって、摩擦係数の小さ
い材料から成り、上糸が軌条に接触する部分の滑り性が
高くなり、円滑でかつ安定した縫製を行うことができ
る。
け部から外かまの回転方向とは逆方向に前記軌条の周方
向全長の1/2〜1/10にわたって、摩擦係数の小さ
い材料から成り、上糸が軌条に接触する部分の滑り性が
高くなり、円滑でかつ安定した縫製を行うことができ
る。
【0010】また本発明に従えば、前記摩擦力の小さい
材料として、合成樹脂、たとえばポリテトラフルオロエ
チレンを用い、前記軌条の糸抜け部付近と上糸との摩擦
を低減して縫い質の向上を図ることができる。
材料として、合成樹脂、たとえばポリテトラフルオロエ
チレンを用い、前記軌条の糸抜け部付近と上糸との摩擦
を低減して縫い質の向上を図ることができる。
【0011】また本発明に従えば、前記摩擦力の小さい
材料として液晶ポリマを用い、より一層前記軌条の糸抜
け部付近と上糸との摩擦を低減して縫い質の向上を図る
ことができる。
材料として液晶ポリマを用い、より一層前記軌条の糸抜
け部付近と上糸との摩擦を低減して縫い質の向上を図る
ことができる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例の垂直全回転かま1
の内かま2を背後から見た正面図であり、図2は切断面
線II−IIから見た一部の拡大断面図であり、図3は
前記内かま2の斜視図であり、図4は垂直全回転かま1
の断面図である。これらの図面を参照して、垂直全回転
かま1は、内周面に軌溝6が形成された外かま3と、外
周面に軌条8が形成された内かま2とを含み、内かま2
内には下糸が巻回されたボビン21を収納したボビンケ
ース23が着脱可能に装着される。
の内かま2を背後から見た正面図であり、図2は切断面
線II−IIから見た一部の拡大断面図であり、図3は
前記内かま2の斜視図であり、図4は垂直全回転かま1
の断面図である。これらの図面を参照して、垂直全回転
かま1は、内周面に軌溝6が形成された外かま3と、外
周面に軌条8が形成された内かま2とを含み、内かま2
内には下糸が巻回されたボビン21を収納したボビンケ
ース23が着脱可能に装着される。
【0013】前記外かま3は、水平な回転軸線まわりに
回転駆動される下軸14に固定されており、ミシンの機
体に固定された図示しない内かま回り止め部材によって
内かま2が回り止めされた状態で、前記下軸14の回転
によって外かま3が矢符5方向に回転駆動され、縫製動
作を行うように構成されている。
回転駆動される下軸14に固定されており、ミシンの機
体に固定された図示しない内かま回り止め部材によって
内かま2が回り止めされた状態で、前記下軸14の回転
によって外かま3が矢符5方向に回転駆動され、縫製動
作を行うように構成されている。
【0014】また、内かま2は、基本的には内かま本体
4と、この内かま本体4の外周に形成された軌条8とか
ら成り、内かま本体4は筒部7と底部11とに分けられ
る。筒部7の一端部には、内かま回り止め凹所9を有す
るフランジ部10が形成される。軌条8は、内かま回り
止め凹所9に関して外かまの回転方向5の下流側に糸分
け部12が形成され、上流側に糸抜け部13が形成され
る。前記底部11にはスタッド22が立設され、このス
タッド22はボビン21を挿通し、その先端部にボビン
ケース23が係止される。軌条8は、鋼鉄から成る外か
ま3に形成された軌溝6に嵌まり込み、外かま3は10
000〜12000rpm程度の高速度で回転される。
針15は、内かま2に形成されている針落ち穴16を通
過して昇降往復駆動される。
4と、この内かま本体4の外周に形成された軌条8とか
ら成り、内かま本体4は筒部7と底部11とに分けられ
る。筒部7の一端部には、内かま回り止め凹所9を有す
るフランジ部10が形成される。軌条8は、内かま回り
止め凹所9に関して外かまの回転方向5の下流側に糸分
け部12が形成され、上流側に糸抜け部13が形成され
る。前記底部11にはスタッド22が立設され、このス
タッド22はボビン21を挿通し、その先端部にボビン
ケース23が係止される。軌条8は、鋼鉄から成る外か
ま3に形成された軌溝6に嵌まり込み、外かま3は10
000〜12000rpm程度の高速度で回転される。
針15は、内かま2に形成されている針落ち穴16を通
過して昇降往復駆動される。
【0015】外かま3が回転駆動されると、上糸17
は、外かま3に備えられている剣先18に捕らえられ、
内かま2の外周面に沿って拡開しながら上糸ループを形
成する。この上糸ループが内かま2の最下部2a付近を
越えたとき、天秤(図示せず)の上昇動作によって上糸
17が剣先18から離脱して引上げられ、ボビン21か
ら引出される下糸19に係合して被縫製物に一つの縫い
目を形成する。このような縫製動作を繰返すことによっ
て連続した縫い目を形成することができる。
は、外かま3に備えられている剣先18に捕らえられ、
内かま2の外周面に沿って拡開しながら上糸ループを形
成する。この上糸ループが内かま2の最下部2a付近を
越えたとき、天秤(図示せず)の上昇動作によって上糸
17が剣先18から離脱して引上げられ、ボビン21か
ら引出される下糸19に係合して被縫製物に一つの縫い
目を形成する。このような縫製動作を繰返すことによっ
て連続した縫い目を形成することができる。
【0016】以上のような構成を有する垂直全回転かま
1において、内かま本体4は鋼鉄から成り、軌条8の周
方向全長の中で最も摩耗量が大きい糸抜け部13から外
かま回転方向5とは逆方向に、前記軌条8の周方向全長
の長さLの約3分の1である長さL1を有する一部分2
5は、摩擦係数が小さい材料として合成樹脂から成る。
前記合成樹脂としては、フッ素樹脂たとえばポリテトラ
フルオロエチレン(略称「PTFE」)が好適に用いら
れる。PTFEは、テトラフルオロエチレンの共重合体
であり、耐熱性、耐薬品性および耐衝撃性に優れてい
る。
1において、内かま本体4は鋼鉄から成り、軌条8の周
方向全長の中で最も摩耗量が大きい糸抜け部13から外
かま回転方向5とは逆方向に、前記軌条8の周方向全長
の長さLの約3分の1である長さL1を有する一部分2
5は、摩擦係数が小さい材料として合成樹脂から成る。
前記合成樹脂としては、フッ素樹脂たとえばポリテトラ
フルオロエチレン(略称「PTFE」)が好適に用いら
れる。PTFEは、テトラフルオロエチレンの共重合体
であり、耐熱性、耐薬品性および耐衝撃性に優れてい
る。
【0017】また、軌条8の前記一部分25を除く長さ
L2を有する残余の部分26は、内かま本体4と一体的
に形成され、鋼鉄製である。
L2を有する残余の部分26は、内かま本体4と一体的
に形成され、鋼鉄製である。
【0018】前述したように、縫製動作時において形成
される上糸ループは、図5に示すように、上糸17の引
上げ動作時において、縮径しながら上昇していくけれど
も、前記上糸17の上昇動作は、剣先18が回転方向5
に回転する上昇動作よりも速いために、内かま2の軌条
8の前記一部分25に大きな接触圧で接触しながら上昇
する。なお、図解を容易にするため、図5において外か
ま3は剣先18付近だけを示す。
される上糸ループは、図5に示すように、上糸17の引
上げ動作時において、縮径しながら上昇していくけれど
も、前記上糸17の上昇動作は、剣先18が回転方向5
に回転する上昇動作よりも速いために、内かま2の軌条
8の前記一部分25に大きな接触圧で接触しながら上昇
する。なお、図解を容易にするため、図5において外か
ま3は剣先18付近だけを示す。
【0019】上糸17が大きな接触圧で接触する一部分
25を摩擦係数の小さい合成樹脂、本実施例ではPTF
Eによって形成したので、前記上糸17に作用する摩擦
力が小さく、糸越し中の張力が大きく変化しない。その
ため糸玉および糸切れなどの発生を防止し、縫い質の向
上を図ることができる。また、PTFEは、耐摩耗性に
優れており、前記一部分25の摩耗を抑えることができ
るので、長期にわたって、内かま2と外かま3とのがた
つきを防止し、縫い質を向上することができる。
25を摩擦係数の小さい合成樹脂、本実施例ではPTF
Eによって形成したので、前記上糸17に作用する摩擦
力が小さく、糸越し中の張力が大きく変化しない。その
ため糸玉および糸切れなどの発生を防止し、縫い質の向
上を図ることができる。また、PTFEは、耐摩耗性に
優れており、前記一部分25の摩耗を抑えることができ
るので、長期にわたって、内かま2と外かま3とのがた
つきを防止し、縫い質を向上することができる。
【0020】また、本発明の他の実施例として、前記軌
条8の残余の部分26は、セラミック製または合成樹脂
製であってもよい。
条8の残余の部分26は、セラミック製または合成樹脂
製であってもよい。
【0021】本発明のさらに他の実施例として、前記一
部分25を液晶ポリマを用いて形成してもよい。高分子
の主鎖に棒状の剛直成分をもつ前記液晶ポリマは、剛直
鎖成分間の分子間力が大きく、かつ成形時によく配向し
て結晶化するので、その耐熱性は極めて優れており、高
速度で回転駆動される外かま3による摩擦で温度が高く
なっても、熱変形温度は極めて高いので変形することは
ない。また前記液晶ポリマは、剛直な分子鎖から成り、
成形するときに流動方向に高度に配向するので高強度、
高弾性率であり、また分子鎖は配向方向に関しては伸び
きった状態で配列しているため、引張力が加わってもそ
れ以上伸びることはほとんどない優れたクリープ特性を
示す。また線膨張係数はきわめて小さく、特に流動方向
の線膨張係数は1×10-5cm/cm/℃程度である。
このような線膨張係数は他の合成樹脂より1桁低い値で
あり、金属と同等の寸法安定性を得ることが可能とな
る。このことから夏と冬などの環境温度差および湿度差
による寸法変化はほとんど零である。またこの液晶ポリ
マは、耐候性も高いので長い使用が可能となる。また液
晶ポリマは、溶融状態と固化状態の構造が似通っている
ため相変化がわずかであり、固化するときの体積変化も
少ない。
部分25を液晶ポリマを用いて形成してもよい。高分子
の主鎖に棒状の剛直成分をもつ前記液晶ポリマは、剛直
鎖成分間の分子間力が大きく、かつ成形時によく配向し
て結晶化するので、その耐熱性は極めて優れており、高
速度で回転駆動される外かま3による摩擦で温度が高く
なっても、熱変形温度は極めて高いので変形することは
ない。また前記液晶ポリマは、剛直な分子鎖から成り、
成形するときに流動方向に高度に配向するので高強度、
高弾性率であり、また分子鎖は配向方向に関しては伸び
きった状態で配列しているため、引張力が加わってもそ
れ以上伸びることはほとんどない優れたクリープ特性を
示す。また線膨張係数はきわめて小さく、特に流動方向
の線膨張係数は1×10-5cm/cm/℃程度である。
このような線膨張係数は他の合成樹脂より1桁低い値で
あり、金属と同等の寸法安定性を得ることが可能とな
る。このことから夏と冬などの環境温度差および湿度差
による寸法変化はほとんど零である。またこの液晶ポリ
マは、耐候性も高いので長い使用が可能となる。また液
晶ポリマは、溶融状態と固化状態の構造が似通っている
ため相変化がわずかであり、固化するときの体積変化も
少ない。
【0022】また前記液晶ポリマの非常に興味ある特性
として、振動を減衰する特性がある。一般に振動を減衰
する特性はゴムのような柔らかい材料が優れているが、
液晶ポリマは高弾性率を持ちながら大きな振動減衰特性
を兼ね備えている。耐摩耗性を向上するためには、前記
液晶ポリマに比摩耗量を小さくし、かつ動摩擦係数を小
さくするためにカーボン繊維を30%混合するようにし
てもよい。また前記液晶ポリマは、パラヒドロキシ安息
香酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸との共重合体
から成る。その他の材料として、2種もしくは3種以上
のナフタレン基を主鎖結合の一構成成分とし、他の構成
成分との共重合体から成ってもよい。前記ナフタレン基
は、1.2位、1.4位、1.5位、1.8位、2.3
位、2.6位、2.7位より選ばれる2以上の置換位置
に官能基を有する化合物であり、官能基はポリエステル
および/またはポリエステルアミドを形成することが可
能な官能基であればよい。すなわち官能基はヒドロキシ
基、カルボキシル基、アミノ基、エステル基などより選
ばれる。
として、振動を減衰する特性がある。一般に振動を減衰
する特性はゴムのような柔らかい材料が優れているが、
液晶ポリマは高弾性率を持ちながら大きな振動減衰特性
を兼ね備えている。耐摩耗性を向上するためには、前記
液晶ポリマに比摩耗量を小さくし、かつ動摩擦係数を小
さくするためにカーボン繊維を30%混合するようにし
てもよい。また前記液晶ポリマは、パラヒドロキシ安息
香酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸との共重合体
から成る。その他の材料として、2種もしくは3種以上
のナフタレン基を主鎖結合の一構成成分とし、他の構成
成分との共重合体から成ってもよい。前記ナフタレン基
は、1.2位、1.4位、1.5位、1.8位、2.3
位、2.6位、2.7位より選ばれる2以上の置換位置
に官能基を有する化合物であり、官能基はポリエステル
および/またはポリエステルアミドを形成することが可
能な官能基であればよい。すなわち官能基はヒドロキシ
基、カルボキシル基、アミノ基、エステル基などより選
ばれる。
【0023】また前記ナフタレン基は、ヒドロキシナフ
トエ酸、ジヒドロキシナフタレンおよび/またはナフタ
レンカルボン酸であってもよい。
トエ酸、ジヒドロキシナフタレンおよび/またはナフタ
レンカルボン酸であってもよい。
【0024】ナフタレン基以外の構成成分は、p位フェ
ニル基、4,4′−ビフェニル基および/または化1の
一般式、すなわち
ニル基、4,4′−ビフェニル基および/または化1の
一般式、すなわち
【0025】
【化1】
【0026】(ただし、Xはアルキレン(炭素数1〜
4)アルキリデン(炭素数1〜4)、−O−、−S−、
−SO−、−SO2 −、−CO−より選ばれる基、R,
R′はヒドロキシ基、カルボキシル基などの反応性基ま
たはそれらのエステルである。)で表される化合物およ
びそれらの置換誘導体より形成される。またポリマの結
合単位はエステルおよび/またはエステルアミドが好ま
しく、それらを形成する官能基はヒドロキシ基、カルボ
キシル基、アミノ基、エステル基などより選ばれ、また
好ましくは、テレフタル酸、ハイドロキノン、p−ジア
セトキシフェニレン、p−ヒドロキシ安息香酸およびそ
れらのエステル類、4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4′−ジカルボキシビフェニル、4−ヒドロキ
シ−4′−カルボキシビフェニルおよびそれらのエステ
ル類、化1の一般式のXがメチレン、プロペニルまたは
−SO2−である各ジヒドロキシ体、ジカルボキシル
体、ヒドロキシカルボキシ体およびそれらのエステル類
が選ばれ、さらに好ましくは、テレフタル酸、ヒドロキ
シ安息香酸、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,
4′−ジヒドロキシビフェニルおよびそれらのエステル
類が選ばれる。
4)アルキリデン(炭素数1〜4)、−O−、−S−、
−SO−、−SO2 −、−CO−より選ばれる基、R,
R′はヒドロキシ基、カルボキシル基などの反応性基ま
たはそれらのエステルである。)で表される化合物およ
びそれらの置換誘導体より形成される。またポリマの結
合単位はエステルおよび/またはエステルアミドが好ま
しく、それらを形成する官能基はヒドロキシ基、カルボ
キシル基、アミノ基、エステル基などより選ばれ、また
好ましくは、テレフタル酸、ハイドロキノン、p−ジア
セトキシフェニレン、p−ヒドロキシ安息香酸およびそ
れらのエステル類、4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4′−ジカルボキシビフェニル、4−ヒドロキ
シ−4′−カルボキシビフェニルおよびそれらのエステ
ル類、化1の一般式のXがメチレン、プロペニルまたは
−SO2−である各ジヒドロキシ体、ジカルボキシル
体、ヒドロキシカルボキシ体およびそれらのエステル類
が選ばれ、さらに好ましくは、テレフタル酸、ヒドロキ
シ安息香酸、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,
4′−ジヒドロキシビフェニルおよびそれらのエステル
類が選ばれる。
【0027】図6は、液晶ポリマの射出成形品28の一
部を切欠いた断面図である。前記液晶ポリマは、流動方
向に分子鎖が高度に配向した外側スキン層29と、内側
スキン層30と、配向が明瞭でないコア層31とを含
む。前記スキン層29,30の厚さは成形品の厚さに拘
わらず0.3〜0.2mmとほぼ一定している。前記液
晶ポリマは、加熱により可塑化され閉じられた金型に押
込められ、冷却、固化されてから金型を開いて取出され
る。このように液晶ポリマを金型成形して軌条8の前記
一部分25を製造することができるので、製造が容易で
あり、生産性が向上される。
部を切欠いた断面図である。前記液晶ポリマは、流動方
向に分子鎖が高度に配向した外側スキン層29と、内側
スキン層30と、配向が明瞭でないコア層31とを含
む。前記スキン層29,30の厚さは成形品の厚さに拘
わらず0.3〜0.2mmとほぼ一定している。前記液
晶ポリマは、加熱により可塑化され閉じられた金型に押
込められ、冷却、固化されてから金型を開いて取出され
る。このように液晶ポリマを金型成形して軌条8の前記
一部分25を製造することができるので、製造が容易で
あり、生産性が向上される。
【0028】前記液晶ポリマは、各スキン層29,30
が流動方向に強く配向しているので、高強度、高弾性率
の優れた機械的特性をもつ。しかし配向しやすいことか
ら異方性を生じやすいので、この異方性を減じるために
剛直性骨格に補強剤を導入するのが好ましい。また配向
しやすいことから各スキン層29,30から剥離された
フィブリルを生じやすい。マクロフィブリル32は5μ
m、フィブリル33は0.5μm、ミクロフィブリル3
4は0.05μmである。前記液晶ポリマは外側スキン
層29、内側スキン層30、コア層31などの多層構造
を持つものであり、高弾性率であるにも拘わらず、大き
な振動減衰特性を示す。
が流動方向に強く配向しているので、高強度、高弾性率
の優れた機械的特性をもつ。しかし配向しやすいことか
ら異方性を生じやすいので、この異方性を減じるために
剛直性骨格に補強剤を導入するのが好ましい。また配向
しやすいことから各スキン層29,30から剥離された
フィブリルを生じやすい。マクロフィブリル32は5μ
m、フィブリル33は0.5μm、ミクロフィブリル3
4は0.05μmである。前記液晶ポリマは外側スキン
層29、内側スキン層30、コア層31などの多層構造
を持つものであり、高弾性率であるにも拘わらず、大き
な振動減衰特性を示す。
【0029】以上のように前記一部分25を液晶ポリマ
を用いて形成したので、上糸17に作用する摩擦力が小
さくなり、前述の実施例と同様の効果が得られるととも
に、耐摩耗性、耐候性が大きく、長期間にわたって垂直
全回転かま1を好適に用いることができる。
を用いて形成したので、上糸17に作用する摩擦力が小
さくなり、前述の実施例と同様の効果が得られるととも
に、耐摩耗性、耐候性が大きく、長期間にわたって垂直
全回転かま1を好適に用いることができる。
【0030】図7は、本発明のさらに他の実施例の内か
ま42の一部を拡大した断面図である。内かま42は、
図1〜図5に示す内かま2とほぼ同様の構成を有し、対
応する部分には同一の参照符号を付す。特筆すべきは、
内かま42の軌条43の糸抜け部13から外かま回転方
向5とは逆方向に約3分の1にわたる一部分25が、鋼
鉄製の軌条本体34と合成樹脂、たとえばPTFEから
成る被覆層35とを有していることである。前記被覆層
35は、いわゆるライニングまたはコーティングによっ
て形成することができる。これらのライニングまたはコ
ーティングは、たとえば積層法、流動浸漬法あるいは静
電粉体気相法などの加工方法によって実現することがで
き、その他の方法によって被覆層35を形成するように
してもよい。
ま42の一部を拡大した断面図である。内かま42は、
図1〜図5に示す内かま2とほぼ同様の構成を有し、対
応する部分には同一の参照符号を付す。特筆すべきは、
内かま42の軌条43の糸抜け部13から外かま回転方
向5とは逆方向に約3分の1にわたる一部分25が、鋼
鉄製の軌条本体34と合成樹脂、たとえばPTFEから
成る被覆層35とを有していることである。前記被覆層
35は、いわゆるライニングまたはコーティングによっ
て形成することができる。これらのライニングまたはコ
ーティングは、たとえば積層法、流動浸漬法あるいは静
電粉体気相法などの加工方法によって実現することがで
き、その他の方法によって被覆層35を形成するように
してもよい。
【0031】このような被覆層35を形成することによ
って、外かま回転時に剣先18によって捕らえられた上
糸17が、外かま回転方向5下流側に臨む摺動面に沿っ
て移動していき、上糸ループを形成し、この上糸ループ
が内かま2の底面11に沿って摺動しながら糸越しし、
針の上昇動作に伴って引上げられて縫い目を形成する縫
製動作時において、剣先17が内かま2の下方に配置さ
れたとき、前記上糸17は剣先18付近の軌条8に摺接
するけれども、前記被覆層35上を円滑に移動すること
ができるので、上糸17と被覆層35との摩擦は小さ
く、したがって上糸17にむやみに大きな張力が生じる
ことがない。これによって上糸17は外かま3の回転に
追従して円滑に移動することができるようになり、外か
ま3を安定して回転することが可能となり、縫い質の向
上を図ることができる。
って、外かま回転時に剣先18によって捕らえられた上
糸17が、外かま回転方向5下流側に臨む摺動面に沿っ
て移動していき、上糸ループを形成し、この上糸ループ
が内かま2の底面11に沿って摺動しながら糸越しし、
針の上昇動作に伴って引上げられて縫い目を形成する縫
製動作時において、剣先17が内かま2の下方に配置さ
れたとき、前記上糸17は剣先18付近の軌条8に摺接
するけれども、前記被覆層35上を円滑に移動すること
ができるので、上糸17と被覆層35との摩擦は小さ
く、したがって上糸17にむやみに大きな張力が生じる
ことがない。これによって上糸17は外かま3の回転に
追従して円滑に移動することができるようになり、外か
ま3を安定して回転することが可能となり、縫い質の向
上を図ることができる。
【0032】また、前記被覆層35を液晶ポリマを用い
て一体成形、たとえばアウトサートして形成してもよ
い。
て一体成形、たとえばアウトサートして形成してもよ
い。
【0033】図8は本発明のさらに他の実施例の内かま
45を背後から見た正面図であり、図9は内かま45の
分解斜視図である。内かま45は、前述の図1〜図5に
示す内かま2とほぼ同様の構成を有し、対応する部分は
同一の参照符号を付す。特筆すべきは、内かま45の針
落ち穴16が形成される針落ち側である一部分37は、
内かま45の回転軸線に平行な切断面20aによって他
の部分39と分けられる。前記一部分37は、金属、ま
たは、金属粉末、セラミック粉末もしくはその他の高硬
度および耐摩耗性を有する材料から成る粉末を含む合成
樹脂から成り、他の部分39は、合成樹脂、または、金
属粉末、セラミック粉末もしくはその他の高硬度および
耐摩耗性を有する材料から成る粉末を含む合成樹脂から
成る。
45を背後から見た正面図であり、図9は内かま45の
分解斜視図である。内かま45は、前述の図1〜図5に
示す内かま2とほぼ同様の構成を有し、対応する部分は
同一の参照符号を付す。特筆すべきは、内かま45の針
落ち穴16が形成される針落ち側である一部分37は、
内かま45の回転軸線に平行な切断面20aによって他
の部分39と分けられる。前記一部分37は、金属、ま
たは、金属粉末、セラミック粉末もしくはその他の高硬
度および耐摩耗性を有する材料から成る粉末を含む合成
樹脂から成り、他の部分39は、合成樹脂、または、金
属粉末、セラミック粉末もしくはその他の高硬度および
耐摩耗性を有する材料から成る粉末を含む合成樹脂から
成る。
【0034】図8および図9に示す実施例において、軌
条8の糸抜け部13から外かま回転方向5とは逆方向に
約3分の1にわたる一部分25が、(i)合成樹脂、た
とえばPTFE、もしくは(ii)液晶ポリマから形成
される構造、または(iii)合成樹脂、たとえばPT
FEから成る被覆層を有する構造、もしくは(iv)液
晶ポリマから成る被覆層を有する構造であり、残余の部
分26は、鋼鉄製またはセラミック製であってもよい。
条8の糸抜け部13から外かま回転方向5とは逆方向に
約3分の1にわたる一部分25が、(i)合成樹脂、た
とえばPTFE、もしくは(ii)液晶ポリマから形成
される構造、または(iii)合成樹脂、たとえばPT
FEから成る被覆層を有する構造、もしくは(iv)液
晶ポリマから成る被覆層を有する構造であり、残余の部
分26は、鋼鉄製またはセラミック製であってもよい。
【0035】図10は、本発明のさらに他の実施例の内
かま46を示す分解斜視図である。この実施例の図8お
よび図9に示す前述の実施例と対応する部分には同一の
参照符号を付す。注目すべきはこの実施例の内かま46
はその一部分37aと他の部分39aとから成り、前記
一部分37aは、針落ち穴16とその付近だけを含み、
切断面20bによって両部分37a,39aが固着され
ている。
かま46を示す分解斜視図である。この実施例の図8お
よび図9に示す前述の実施例と対応する部分には同一の
参照符号を付す。注目すべきはこの実施例の内かま46
はその一部分37aと他の部分39aとから成り、前記
一部分37aは、針落ち穴16とその付近だけを含み、
切断面20bによって両部分37a,39aが固着され
ている。
【0036】また、本発明のさらに他の実施例として、
前述の全ての実施例において、軌条8の一部分25は、
糸抜け部13から外かま回転方向5とは逆方向に約3分
の1にわたっているが、上糸17の引上げ動作時におけ
る軌条8と大きな接触圧で接触する範囲は、被縫製物の
種類、上糸の張力および外かま3の回転速度などによっ
て異なるので、前記一部分25を縫製の種類に適した範
囲、すなわち軌条の全長Lの1/2〜1/10にわたる
範囲としてもよい。前記一部分25が1/2Lを越える
と、上糸が全く接触しない範囲にまでわたって、摩擦係
数の小さい材料を用いて形成することとなり無駄が多
く、また1/10L未満であれば、上糸の引上げ動作に
よって、上糸が一部分25にほとんど接触することがな
い。したがって、一部分25の長さL1は1/2〜1/
10の範囲に選ばれ、好ましくは図1〜図5に示される
実施例で述べたように約1/3Lに選ばれる。
前述の全ての実施例において、軌条8の一部分25は、
糸抜け部13から外かま回転方向5とは逆方向に約3分
の1にわたっているが、上糸17の引上げ動作時におけ
る軌条8と大きな接触圧で接触する範囲は、被縫製物の
種類、上糸の張力および外かま3の回転速度などによっ
て異なるので、前記一部分25を縫製の種類に適した範
囲、すなわち軌条の全長Lの1/2〜1/10にわたる
範囲としてもよい。前記一部分25が1/2Lを越える
と、上糸が全く接触しない範囲にまでわたって、摩擦係
数の小さい材料を用いて形成することとなり無駄が多
く、また1/10L未満であれば、上糸の引上げ動作に
よって、上糸が一部分25にほとんど接触することがな
い。したがって、一部分25の長さL1は1/2〜1/
10の範囲に選ばれ、好ましくは図1〜図5に示される
実施例で述べたように約1/3Lに選ばれる。
【0037】また本発明は、垂直全回転かまだけではな
く、水平全回転かまに対しても好適に実施することがで
きる。
く、水平全回転かまに対しても好適に実施することがで
きる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、内かまの軌条は、糸抜
け部から外かま回転方向とは逆方向に予め定める範囲に
わたって摩擦係数の小さい材料から成るので、縫製動作
時において、上糸が前記予め定める範囲にわたる軌条の
一部分と接触する際の摩擦を低減することができ、これ
によって上糸の張力が前記一部分と接触しても大きく変
化しないので、糸玉および糸切れなどを防止し、縫い質
の向上を図ることができる。また本発明によれば、軌条
の周方向全長の長さの約2分の1ないし10分の1にわ
って、摩擦係数の小さい材料から形成したので、ミシン
のかまの用途によって上糸が軌条と大きな接触圧で接触
する範囲が異なっても、その用途に応じ必要な部分だけ
を摩擦係数の小さい材料から形成し、縫い質の向上を図
ることができる。
け部から外かま回転方向とは逆方向に予め定める範囲に
わたって摩擦係数の小さい材料から成るので、縫製動作
時において、上糸が前記予め定める範囲にわたる軌条の
一部分と接触する際の摩擦を低減することができ、これ
によって上糸の張力が前記一部分と接触しても大きく変
化しないので、糸玉および糸切れなどを防止し、縫い質
の向上を図ることができる。また本発明によれば、軌条
の周方向全長の長さの約2分の1ないし10分の1にわ
って、摩擦係数の小さい材料から形成したので、ミシン
のかまの用途によって上糸が軌条と大きな接触圧で接触
する範囲が異なっても、その用途に応じ必要な部分だけ
を摩擦係数の小さい材料から形成し、縫い質の向上を図
ることができる。
【0039】また本発明によれば、前記軌条の一部分
を、合成樹脂によって形成したので、前記一部分の摩擦
係数を低減し、同様の効果を得ることができる。
を、合成樹脂によって形成したので、前記一部分の摩擦
係数を低減し、同様の効果を得ることができる。
【0040】また本発明によれば、前記軌条の一部分を
液晶ポリマによって形成したので、前記一部分の摩擦係
数を低減し、同様の効果を得るとともに、前記一部分に
耐摩耗性を与え、長期間にわたって安定した縫製を提供
することができる。
液晶ポリマによって形成したので、前記一部分の摩擦係
数を低減し、同様の効果を得るとともに、前記一部分に
耐摩耗性を与え、長期間にわたって安定した縫製を提供
することができる。
【図1】本発明の一実施例の垂直全回転かま1の内かま
2を背後から見た正面図である。
2を背後から見た正面図である。
【図2】図1に示す切断面線II−IIから見た一部の
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図3】図1に示す内かま2の斜視図である。
【図4】垂直全回転かま1の断面図である。
【図5】縫製動作時における上糸17の引上げ動作を示
す図である。
す図である。
【図6】液晶ポリマの射出成型品28の一部を切欠いた
断面図である。
断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例の内かま42の一部
を拡大した断面図である。
を拡大した断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例の内かま45を背後
から見た正面図である。
から見た正面図である。
【図9】図8に示す内かま45の分解斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の実施例の内かま46を示
す分解斜視図である。
す分解斜視図である。
2,42,45,46 内かま 3 外かま 5 回転方向 6 軌溝 8,43 軌条 13 糸抜け部 25 一部分 26 残余の部分
Claims (4)
- 【請求項1】 内かまの軌条が外かまの軌溝に嵌まり込
み、前記内かまの回転が阻止された状態で、前記外かま
が回転駆動される全回転かまにおいて、 前記軌条の全体またはその少なくとも外表面は、糸抜け
部から外かま回転方向とは逆方向に予め定める範囲にわ
たって摩擦係数の小さい材料によって形成することを特
徴とする全回転かま。 - 【請求項2】 前記予め定める範囲は、前記軌条の周方
向全長の長さの1/2〜1/10に選ばれることを特徴
とする請求項1記載の全回転かま。 - 【請求項3】 前記摩擦係数の小さい材料は、合成樹脂
であることを特徴とする請求項1または2記載の全回転
かま。 - 【請求項4】 前記摩擦係数の小さい材料は、液晶ポリ
マであることを特徴とする請求項1または2記載の全回
転かま。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29219793A JPH07144082A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 全回転かま |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29219793A JPH07144082A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 全回転かま |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07144082A true JPH07144082A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=17778793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29219793A Pending JPH07144082A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 全回転かま |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07144082A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58158508A (ja) * | 1982-03-16 | 1983-09-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 高温ひずみ計測方法 |
JPS6023674A (ja) * | 1983-07-19 | 1985-02-06 | Kiyoshi Okumura | 多段式軸封軸受装置 |
JPS6064777A (ja) * | 1983-09-16 | 1985-04-13 | Daihatsu Motor Co Ltd | アルミダイカスト製部材にアルミ展伸材製部材を溶接する方法 |
JPH01268591A (ja) * | 1988-04-19 | 1989-10-26 | Hirose Mfg Co Ltd | ミシンのかまおよびボビンケース |
JPH044320A (ja) * | 1990-04-23 | 1992-01-08 | I N R Kenkyusho:Kk | 軸受 |
JPH04345667A (ja) * | 1991-05-23 | 1992-12-01 | Iseki & Co Ltd | 摺動材料 |
-
1993
- 1993-11-22 JP JP29219793A patent/JPH07144082A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58158508A (ja) * | 1982-03-16 | 1983-09-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 高温ひずみ計測方法 |
JPS6023674A (ja) * | 1983-07-19 | 1985-02-06 | Kiyoshi Okumura | 多段式軸封軸受装置 |
JPS6064777A (ja) * | 1983-09-16 | 1985-04-13 | Daihatsu Motor Co Ltd | アルミダイカスト製部材にアルミ展伸材製部材を溶接する方法 |
JPH01268591A (ja) * | 1988-04-19 | 1989-10-26 | Hirose Mfg Co Ltd | ミシンのかまおよびボビンケース |
JPH044320A (ja) * | 1990-04-23 | 1992-01-08 | I N R Kenkyusho:Kk | 軸受 |
JPH04345667A (ja) * | 1991-05-23 | 1992-12-01 | Iseki & Co Ltd | 摺動材料 |
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