JP2005000646A - 生分解性ファスナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 通常使用しているときは劣化や熱変形することなくファスナーとして十分な強度、堅牢度および耐久性を持ち、使用後は埋め立て、コンポストによる堆肥化による廃棄が可能な生分解性樹脂ファスナーを提供すること。
【解決手段】 テープ、エレメントおよびスライダーを有する生分解性樹脂ファスナーにおいて、少なくともエレメントおよびスライダーを構成している樹脂がポリ乳酸樹脂100質量部に対して安定剤を3〜40質量部含有していることを特徴とする生分解性樹脂ファスナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性樹脂ファスナーに関するものであり、より詳細には通常使用しているときは劣化や熱変形することなくファスナーとして十分な強度、摩擦堅牢度および耐久性を持ち、使用後は埋め立て、コンポスト処理での堆肥化による廃棄が可能であるエコロジーな生分解性樹脂ファスナーに関する。
従来から、樹脂ファスナーを構成するテープ、コードおよび縫い糸がポリエチレンテレフタレート(以下PETと略すこともある)またはナイロン(以下Nyと略すこともある)からなり、エレメントがPET、Ny、ポリアセタール(以下POMと略すこともある)からなり、スライダーがニッケル、銅、真鍮、POM、NyまたはPETからなるものが多かった。そして、一部に綿で代表されるような生分解性を有する材料が使用されていたが、ファスナーを構成する材料全てが生分解性を有するものはなかった。特にテープ、エレメント、スライダーの部分は十分な物性や耐久性が必要なため生分解性以外の素材を使用するしかなかった。また、ファスナーは近年あらゆる繊維製品、資材に使用されているが、ファスナー以外の本体部分が生分解素材や天然素材で構成されていてもファスナーは生分解や焼却できるものはなかった。そこで、最近になって生分解性樹脂成形品をスライドファスナーや面ファスナーに用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、これらのファスナーは実用強度や熱変形性等の問題から全ての材料が生分解性樹脂から構成されていない場合があった。また、上記樹脂ファスナーはファスナーの形態に加工した後に製品染めすることから、耐光および摩擦堅牢度が低いといった問題があった。
特開平11−172091号公報
本発明の目的は、使用中は劣化や熱変形することなく十分な強度や耐久性を持ち、さらに、摩擦堅牢度に優れ、使用後は埋め立てやコンポスト処理による堆肥化、焼却処理などによる廃棄が可能な生分解樹脂ファスナーを提供することにある。
上記課題を達成すべく、本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、生分解性ファスナーにおいて、ただ構成する部材を単純に生分解樹脂に置き換えるだけでは強度および耐熱性の必要な各部材の強度、耐摩耗性、耐熱性をクリアするためには十分でなく、特定のポリ乳酸樹脂を用いることにより上記課題を達成することを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち本発明は、テープ、エレメントおよびスライダーを有する生分解性樹脂ファスナーにおいて、少なくともエレメントおよびスライダーを構成している樹脂がポリ乳酸樹脂100質量部に対して安定剤を3〜40質量部含有していることを特徴とする生分解性樹脂ファスナーである。
なお、本発明の樹脂ファスナーはスライドファスナーやコイルファスナーを含み、それらを総称したものである。
また本発明の生分解性樹脂ファスナーは、エレメントおよびスライダーを構成している樹脂がポリ乳酸樹脂100質量部に対して安定剤を5〜40質量部、結晶化促進剤を0.1〜30質量部含有していることが好ましく、安定剤がポリエチレングリコールジベンゾエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンアジペート・テレフタレートおよびポリエチレンサクシネートからなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
さらに、原着されたポリ乳酸樹脂を用いた生分解性樹脂ファスナーが好ましい。
本発明により、生分解性を有し、通常使用しているときは劣化や熱変形することなくファスナーとして十分な強度や耐久性を有し、使用後は埋め立て、コンポストによる堆肥化、焼却処理による廃棄が可能なファスナーを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
一般的に樹脂ファスナーは、テープ、コード、エレメント、縫い糸、スライダー等で構成されている。樹脂ファスナーの一つであるコイルファスナーのコイルエレメントは太いモノフィラメントをコイル状に加工し側面を変形させ噛み合わせ部分を作っている。またファスナーとして機能する場合、エレメントはスライダーにより強制的に噛み合わされるので柔軟性が必要である。このエレメントをポリ乳酸樹脂を用いて作製するとエレメントに成型する場合、固すぎて成型性が悪く折れ曲がったりすることから工程通過性が低い。また製品にした場合、開け閉めを繰り返すと耐摩耗性が悪く、割れが生じ破損する場合がある。従って、エレメントを構成するポリ乳酸樹脂100質量部に対して安定剤を3〜40質量部添加して柔軟性を付与する必要がある。
本発明で使用する安定剤としては、生分解性樹脂に添加することによりガラス転移温度の低下や剛性の低下を導くものであればよい。例えば、エーテルエステル誘導体、グリセリン誘導体、フタル酸誘導体、グリコール酸誘導体、クエン酸誘導体、アジピン酸誘導体、エポキシ系可塑剤や、生分解性を有するポリエチレングリコールジベンゾエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンアジペート・テレフタレートおよびポリエチレンサクシネートから選ばれ少なくとも一つの化合物が挙げられる。かかる安定剤の中でも、ポリエチレングリコールジベンゾエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンアジペート・テレフタレートおよびポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも一つの化合物が生分解性を有する点から好ましい。
該安定剤のポリ乳酸樹脂に対する添加範囲は、ポリ乳酸樹脂100質量部に対して3〜40質量部である必要がある。3質量部未満の場合には、安定剤の効果が得られ難く柔軟性不足となり、40質量部を越えた場合には耐摩耗性、耐熱性および形態安定性が低下し、また表面にブリードしてくる。そして、硬さや柔軟性の点で5〜30重量部が好ましく、10〜30質量部の範囲がより好ましい。
また、エレメントがコイルエレメントの場合には、コイルエレメントに使用されるモノフィラメントは延伸配向結晶化して熱セットすることが熱変形や収縮を抑える点で好ましい。また結晶化しているので、長期使用でも加水分解され難く、工業製品としての実用的な耐久性を備えることができる。
さらに結晶化促進剤をポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部添加することが好ましい。結晶化促進剤を添加したポリ乳酸樹脂を用いてコイルエレメントとすることによって結晶化度を高め、耐摩耗性をさらに向上させるとともに加水分解を抑制することが可能である。ここで、結晶化促進剤とは、廃棄されても土壌を汚染することのないタルク、ガラス繊維等の無機フィラー、マイカ、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド、トリメシン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、トリメシン酸トリス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)等が挙げられる。
結晶化促進剤が0.1質量部未満の場合には、延伸処理しただけでは結晶化が十分行われ難く、コイルエレメントが強度や熱変形を受け易く、自動車の車内に放置した時に想定される80℃の温度では変形しやすく、開閉ができなくなることがある。また、ポリ乳酸樹脂が非結晶状態なので長期の使用で加水分解されやすい傾向がある。30質量部を越えた場合にはエレメントの強度が低下する傾向がある。そして、分散性、結晶促進効果、成型物の強度の点で0.2〜5質量部の範囲が好ましい。
また、コイルエレメントに使用されるモノフィラメントの好ましい延伸倍率は、1.1倍以上であり、より好ましくは1.2〜4.0倍である。
該コイルエレメントは、耐摩耗性を緩和することができる点で単糸繊度6〜50dtex以上が好ましく、5〜30dtexがより好ましい。単糸繊度が6dtex未満の場合には、長期使用により擦り切れ易く、単糸繊度が50dtexを越えた場合には、嵩が増すことによってスライダーに接触する負荷が強くなり毛羽や断糸の原因となり易い。
なお、コイルファスナーは構造上、テープにコードを通し成型したコイルエレメントを縫い付けているが、ポリ乳酸繊維や天然繊維等の縫い糸では耐摩耗性が悪く擦り切れ易い場合がある。
そこで、強度や耐摩耗性が必要な場合には、縫い糸としてポリビニルアルコール繊維を用いることが縫製性や生分解性を損なわない点から好ましい。
一方、本発明の生分解性樹脂ファスナーにおいて、コイルファスナータイプ以外の樹脂ファスナーの場合には、公知の方法でポリ乳酸樹脂からなるテープに直接エレメントを成型することが可能である。テープの上に直接成型する場合、ポリ乳酸単独の樹脂では成型性が悪く、冷却時間を90秒程度取らなければならず通常40秒ほどの成型時間からすると大きく生産性が劣る。また、ポリ乳酸樹脂単独の組成では耐摩耗性が悪く、固くて脆いためエレメントが破損しやすい。
以上の問題点を解決するために、本発明のコイルファスナータイプと同じように樹脂エレメントの配合をポリ乳酸樹脂100質量部に対して安定剤を3〜40質量部添加することで耐摩耗性、耐熱性および成形性を向上することができる。
そして、さらに結晶化促進剤をポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部添加することが好ましい。結晶化促進剤を添加したポリ乳酸樹脂を用いてエレメントを射出成型することによって結晶化度を上げ、耐摩耗性をさらに向上させるとともに加水分解を抑制することが可能である。ここで、結晶化促進剤とは、廃棄されても土壌を汚染することのないタルク、ガラス繊維等の無機フィラー、マイカ、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド、トリメシン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、トリメシン酸トリス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)等が挙げられる。
結晶化促進剤が0.1質量部未満の場合には、射出成型しただけでは結晶化が十分行われず、エレメントが強度や熱変形を受け易く、自動車の車内に放置した時に想定される80℃の温度では変形されやすく開閉ができなくなることがある。また、ポリ乳酸が非結晶状態なので長期の使用で加水分解されやすい傾向がある。30質量部を越えた場合にはエレメントの強度が低下する傾向がある。そして、分散性、結晶促進効果、成型物の強度の点で0.2〜5質量部の範囲が好ましい。
また、スライダーも同様に射出成型により作製できる。スライダーを構成するポリ乳酸樹脂に対してもエレメントを構成する樹脂と同様にポリ乳酸樹脂100質量部に対して安定剤を3〜40質量部添加することで耐摩耗性、耐熱性、成形性、耐久性を向上することができる。さらに結晶化促進剤をポリ乳酸樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部添加することが、熱変形を抑制し、硬度も上昇し良好な射出成型品のスライダーを作製することができることから好ましい。そして、分散性、結晶促進効果、成型物の強度の点で0.2〜5質量部の範囲がより好ましい。
結晶化促進剤の添加量が0.1質量部未満の場合、熱変形を受け易くファスナーが開閉しにくい傾向がある。また、スライダーはコの字状の土台部分と引き手部分からなり、コの字状の部分がエレメントを上下に押さえ込んで噛み合わせている。そのため長期間の使用や熱によりコ状の部分が開いて変形してしまうためエレメントを押さえ込みはめ込むことができ難くなる。
本発明の生分解性樹脂ファスナーは、テープ、エレメント、スライダー以外の縫い糸、コード、上下の止め具、蝶棒、箱棒等のファスナーを構成する全ての部材においてもポリ乳酸樹脂から構成することが好ましい。また、必要に応じて、テープ、エレメント、スライダー以外の部材においても本発明に用いる安定剤や結晶促進剤を添加してもかまわない。
ファスナーは成型ファスナーの場合、テープ部分を染色し、顔料を添加した樹脂で成型するか、テープに樹脂成型し製品とした後に染めるか、コイルファスナーであれば製品を後染めして着色する場合が多い。しかしながら、生分解樹脂の場合、融点が低いポリマーが多いため、後染による着色は可能であるが実用的な堅牢度を達成することは困難であった。例えば、ポリ乳酸樹脂は染料の吸尽率が40〜70%とPETよりも低いため、染色バッチ間の色割れが発生し易く、色直しを繰り返すと加熱処理等により更に分子量が低下し、強度、摩耗性が低下していく傾向がある。また、テープ、エレメントの収縮が大きく噛み合わせが低下する傾向がある。例えば黒系の分散染料で染色したところ、上記のごとく染料吸尽率が悪く発色し難く、発色性を上げるために染料濃度を上げて染色するため、堅牢度が悪くなる傾向がある。
従って、本発明の生分解性樹脂ファスナーを構成する部分は全て原着されていることが好ましい。そして、生分解性の原着糸および原着樹脂を使用することで後染する必要がなく、且つ堅牢度に優れたファスナーを得ることが可能になる。原着剤としては、公知のカーボンブラック等で代表される無機顔料、有機顔料が好ましい。原着剤の添加量としては、樹脂100質量部に対して0.5〜20質量部が好ましい。例えば、黒に原着されたポリ乳酸樹脂からなる生分解性ファスナーは乾湿摩擦堅牢度が4級以上となり、原着化されていない生分解性ファスナーを105℃の浴温で分散染料にて染色した場合には、乾湿摩擦堅牢度が乾燥3級、湿2〜3級と悪くなる傾向がある。さらに、エレメントをNyでテープをPETで構成するファスナーを分散染料で染色した場合に比べて、分子量が10%程度低下する傾向があり、また強度が5〜8%低下する傾向がある。
本発明の生分解性樹脂ファスナーに用いる樹脂は、優れた強度、摩擦堅牢度および耐久性を有することからファスナー以外のボタン、バックル等の部材に用いることができる。
以下に、実施例および比較例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに実施例に限定されるものではない。
カーボンブラックをポリ乳酸樹脂100質量部に対し1質量部含有したポリ乳酸繊維(株式会社クラレ製「プラスターチ」330dtex/96fil)で織られたテープ、カーボンブラックをポリ乳酸樹脂100質量部に対し1質量部含有したポリ乳酸繊維(株式会社クラレ製「プラスターチ」5500dtex)に合糸されたコード、カーボンブラックをポリ乳酸樹脂100質量部に対し1質量部含有したポリ乳酸繊維(株式会社クラレ製「プラスターチ」330dtex/12fil)とカーボンブラックをポリ乳酸樹脂100質量部に対し1質量部含有したポリ乳酸繊維(株式会社クラレ製「プラスターチ」660dtex/24fil)の縫い糸、ポリ乳酸樹脂(株式会社クラレ製「PLA」)100質量部に対しカーボンブラックを1質量部含有し、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子株式会社製「ビオノーレ」)を20質量部混合した樹脂を紡糸し、1.3倍に延伸、80℃で熱セットされた単糸繊度4500dtex(繊径0.78mmφ)のコイル用のモノフィラメント、ポリ乳酸樹脂100質量部に対しカーボンブラックを1質量部含有し、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子株式会社製「ビオノーレ」)を20質量部および結晶促進剤としてトリメシン酸トリシクロヘキシルアミド(新日本理化株式会社製)を0.5質量部添加した樹脂で成型されたスライダーで構成した生分解樹脂(コイル)ファスナーを作製した。
得られた生分解樹脂(コイル)ファスナーは、エレメントをNyでスライダーをPET(以下、Ny/PETと略すこともある)で構成するファスナーに比べ80%の強度(以下、強度測定方法はJIS S3015の測定方法に基づく)を有し実用上問題ない強度であった。また、自動車内に放置された場合に想定される80℃の温度に1時間曝しても問題なく開閉した。加水分解による経時変化においても40℃、90%RHで1週間放置した後の初期強度からの強度変化は10%程度低下しただけであり、実用上問題なく開閉も可能であった。また、作製したファスナーはコンポストにて処理したところ3週間で形状崩壊した。
比較例1
ポリ乳樹脂(株式会社クラレ製「PLA」)100質量部に対しカーボンブラック1質量部含有しただけで安定剤および結晶化促進剤を添加しないスライダーを作製したこと以外は実施例1と同様にして、生分解性樹脂(コイル)ファスナーを作製した。得られた生分解性樹脂(コイル)ファスナーはNy/PETで構成されたファスナーに比べ耐衝撃性不足となり割れやすいなど実用的な強度を確保することができなかった。
また、得られたファスナーを80℃の温度で1時間放置したがスライダー部分が変形し開閉することができなくなった。さらに、加水分解による経時変化においても40℃90%RHで1週間放置した後の初期強度からの強度変化は初期強度から40%低下した。作製したファスナーはコンポストにて処理したところ3週間で形状崩壊した。
カーボンブラックをポリ乳酸樹脂100質量部に対し1質量部含有したポリ乳酸繊維(株式会社クラレ製「プラスターチ」330dtex/96fil)で織られたテープ、ポリ乳酸樹脂(株式会社クラレ製「PLA」)100質量部に対してカーボンブラックを1質量部、ポリエチレングリコール(平均分子量:200)のジベンゾエート10質量部および結晶促進剤としてトリメシン酸トリシクロヘキシルアミドを1質量部混合した樹脂にて射出成型したエレメント、ポリ乳樹脂(株式会社クラレ製「PLA」)100質量部に対してカーボンブラック1質量部含有し、ポリエチレングリコールジベンゾエート5質量部および結晶促進剤としてトリメシン酸トリシクロヘキシルアミド(新日本理化株式会社製)0.5質量部を混合した樹脂で成型されたスライダーで構成された生分解樹脂ファスナーを作製した。
得られた樹脂ファスナーはエレメントをPOMでスライダーをPET(以下、POM/PETと略すこともある。)で構成した樹脂ファスナーに比べ80%の強度を有し実用上問題ない強度であった。また、自動車内に放置された場合に想定される80℃の温度に1時間曝しても問題なく開閉した。加水分解による経時変化においても40℃、90%RHで1週間放置した後の初期強度からの強度変化は10%程度低下しただけであり、実用上問題なく開閉も可能であった。作製したファスナーはコンポストにて処理したところ3週間で形状崩壊した。
比較例2
ポリ乳樹脂(株式会社クラレ製「PLA」)100質量部に対しカーボンブラック1質量部含有しただけで安定剤および結晶化促進剤を共に添加しないエレメントおよびスライダーを作製したこと以外は、実施例2と同様にして生分解性樹脂ファスナーを作製した。得られた生分解性樹脂ファスナーは通常のPOM/PETで構成した樹脂ファスナーに比べ50%以下の強度となり実用的な強度を確保することができなかった。
また、得られたファスナーを80℃の温度で1時間放置したがスライダー部分が変形し開閉することができなくなった。さらに、加水分解による経時変化においても40℃、90%RHで1週間放置した後の初期強度からの強度変化は初期強度から40%低下した。作製したファスナーはコンポストにて処理したところ3週間で形状崩壊した。

Claims (6)

  1. テープ、エレメントおよびスライダーを有する生分解性樹脂ファスナーであって、少なくともエレメントおよびスライダーを構成している樹脂がポリ乳酸樹脂100質量部に対して安定剤を3〜40質量部含有していることを特徴とする生分解性樹脂ファスナー。
  2. エレメントおよびスライダーを構成している樹脂がポリ乳酸樹脂100質量部に対して安定剤を5〜40質量部、結晶化促進剤を0.1〜30質量部含有している請求項1記載の生分解性樹脂ファスナー。
  3. 安定剤が、ポリエチレングリコールジベンゾエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンアジペート・テレフタレートおよびポリエチレンサクシネートからなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1または2記載の生分解性樹脂ファスナー。
  4. 結晶化促進剤が、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド、トリメシン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、トリメシン酸トリス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)、タルク、マイカおよびガラス繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項2に記載の生分解性樹脂ファスナー。
  5. ポリ乳酸樹脂が原着されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の生分解性樹脂ファスナー。
  6. エレメントとテープを固定する縫い糸がポリ乳酸繊維またはポリビニルアルコール繊維からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の生分解性樹脂ファスナー。
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