JPS63206455A - 高強度、耐摩耗性Al合金粉末成形部材の熱処理方法 - Google Patents
高強度、耐摩耗性Al合金粉末成形部材の熱処理方法Info
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- JPS63206455A JPS63206455A JP3727587A JP3727587A JPS63206455A JP S63206455 A JPS63206455 A JP S63206455A JP 3727587 A JP3727587 A JP 3727587A JP 3727587 A JP3727587 A JP 3727587A JP S63206455 A JPS63206455 A JP S63206455A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明はAl合金粉末の成形部材の製造に係り。
より詳細には、Al合金粉末又はAl合金粉末を主体と
する粉末の熱間押出し材の熱処理方法に関するものであ
る。 (従来の技術及び解決しようとする問題点)Al−8L
系粉末合金は、A2合金の軽量性を備えていると共に、
高強度、高剛性、高耐摩耗性などの優れた性能を備えて
いることがら、自動車、ロボット、航空機等々の広い分
野において、軽量且つ機械的性質に優れた材料を必要と
する部材に利用されている。 これらの材料を部材として利用する場合、室温付近での
強度の向上を図る目的で、通常は、Cu、Mgなどの時
効硬化元素を添加し、T6処理によって強度を向上させ
ている。しかし、このT6処理による強度の向上は、そ
の反面、延性を著しく低下させ、材料の靭性を低下させ
てしまうという欠点を有している。 特に、Al−5i系粉末合金については、耐熱性、耐摩
耗性、低熱膨張係数、高剛性などの性能を向上させるた
めに、Si量を過共晶組成である10〜30%添加し、
必要に応じてFe、 Mn。 Niなどの遷移元素が添加されている。そして、このよ
うな組成のAl2−Si系合金の溶湯をアトマイズ法に
より急冷凝固粉末とし、それを熱間押出し等の熱間成形
法により成形することにより、Si結晶や金属間化合物
相などの硬くて脆い結晶を微細分散させて性能を向上さ
せている。また。 場合によっては、SiCやSL、N、に代表されるセラ
ミックス粒子を分散させ、同様に性能の向上が図られて
いる。 しかし、このように硬質相の微細分散による強化は、基
地の変形を拘束し、強度、特に高温強度の向上には有効
であるが、室温強度に対してはその効果は小さく、むし
ろ、硬質相の存在が応力集中を招く結果、伸び若しくは
延性を低下させる原因となっている。 一方、上記Al粉末合金の部品への適用については、自
動車や航空機などの分野では軽量化部材として、使用温
度が室温から300℃までの温度域においてFe合金や
Ti合金の代替材として検討されている。 その場合、かかる部材に要求される特性としては、高温
強度は当然のこととしても、エンジンを例に考えても自
明なとおり、部材の使用温度が室温から使用最高温度ま
での広範囲で運転のサイクルによって変化するため、十
分な室温強度も必要とされている。つまり、室温から使
用温度まで、絶対値として高いレベルの強度を有し、且
つ温度による強度低下が小さいことが必要となる。 An−8i系粉末合金が以上の要件を満たすためには、
熱的に安定な析出相の微細分散が望ましい。しかし、A
l展伸材の例にあるように1時−効析出によって強化し
たものは、時効温度以上では析出相の粗大化によって強
度が著しく低下してしまうという問題がある。また、前
述の如く、高温強度の向上を目的としてSi、金属間化
合物の分散強化を図ったものは、その微細分散に限界が
あるため、高温では有効な強化となっても1.室温付近
では強化への寄与が小さく、展伸材であるジュラルミン
と比べても、その強度レベルが低い。 そこで、従来は、上記の2つの強化機構を組合わせるこ
とにより、室温から高温までの強度レベルの向上が図ら
れているのである。具体的には、An−5i系粉末合金
にCu、Mgなどの時効硬化元素を添加し、室温強度の
向上が図られている。 しかし乍ら、一般に時効硬化の活用は伸びの低下を招き
、また、Al粉末合金の場合には、硬くて脆いSi晶や
金属間化合物を含むため、組織の中に応力集中部分が存
在し、伸びを低下させる原因となっている。この応力集
中による延性の低下に関しては、Afi基地を時効硬化
させると、その相乗効果によって伸び若しくは延性を一
層低下させる原因となっている。この延性の低下は、靭
性の低下を意味し、部材に使用する場合の安全性、信頼
性の面からみて、重要な問題となっている。 本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになさ
れたものであって、A塁粉末合金の熱間押出し材の強度
を向上させ、且つ延性を確保できる方法を提供すること
を目的とするものである。 (問題点を解決する手段) 上記目的を達成するため、本発明者らは、従来のへΩ−
8i系粉末合金に種々の熱処理を施すことにより効果的
な方策を見い出すべく鋭意研究を重ねた結果、従来採用
されていたT6処理よりも、溶体化後水冷処理する熱処
理の方が、得られる強度、延性のバランスが優れている
ことが判明し、ここに本発明をなしたものである。 すなわち、本発明は、Siを10〜30%含むAl金合
金主体とする粉末につき、その熱間押出し材を470〜
520℃の温度範囲で1〜4時間加熱後、水冷すること
を特徴とする高強度、耐摩耗性AΩ合金粉末成形部材の
熱処理方法を要旨とするものである。 以下に本発明の詳細な説明する。 まず、本発明の熱処理による強化機構について説明する
。 本発明は上記条件の溶体化後水冷により硬化処理するも
のであるが、この種の硬化処理は、Al展伸材のT4処
理として周知の事実ではあるものの、本発明者らの研究
によれば1本発明が対象とするAl粉末合金への適用に
おいてその挙動が異なっていることが判明したものであ
る。 すなわち、通常のAn展伸材、例えば代表的な合金とし
ての2014合金にT4処理を施す場合は、Cu1Mg
、Si、Znなどの時効硬化元素を単独又は複合で添加
し、それらを溶体化して過飽和固溶体となし、これを常
温で時効することにより、最高強度には達しないものの
、ある程度の強度向上と十分な延性を得ることを狙いと
している。 一方、本発明が対象とするAl粉末合金においては、そ
の強化機構は、Si晶や金属間化合物の分散強化と上記
時効硬化による強化とが組み合わされた機構となってい
る。したがって、T6処理によってAl基地を最高硬度
に高めなくとも、T4処処理炭の処理により、前記分散
強化機構との相乗効果が作用するので、延性を維持しつ
つ十分強度を向上させることが可能となる。 更に、Al粉末合金は、その急冷凝固粉末を熱間押出し
により成形すると、従来のAl合金とは異なる挙動を示
す。つまり、Al−3i系合金は、Cu、Mgなどの時
効硬化元素が含まなくとも、溶体化後の水冷によって強
度の向上が認められ、しかもCu、Mgを添加したとき
はその強度の上昇が著しくなる。そして、その後の室温
時効によっては強度の上昇がtfiさいなど、A(1−
5i系粉末合金特有の熱処理挙動が現われる。これは、
溶体化時の加熱により急冷凝固組織が分解、相変化する
ことと密接に関係しており、具体的には、Si結晶の粗
大化とそれに伴うマトリックス中のSL濃度の変化や金
属間化合物の相変化など、複雑な現象のからみ合いの中
から、上述した熱処理挙動が現われるものと考えられる
。 本発明は、以上の点を考慮に入れ、Al−8i系粉末合
金につき、Si、金属間化合物相の分散強化と、その強
度−延性バランスとを十分引き出し得る熱処理条件とし
て、前述の如く最適な条件を見い出したものである。 具体的には、本発明における熱処理条件として、まず、
加熱温度を470〜520℃とするのは、十分な強度を
得るには470℃以上の加熱が必要であり、しかし52
0℃を超えると材料中に含まれている水素ガスが原因で
ブリスターが発生したり、更に高温では一部液相が生成
し始めるからである。 加熱時間を1〜4時間とするのは、1〜4時間で最高強
度に達するためである。それよりも短時間では強度が不
十分となり、長時間では組織の粗大化が進行し、強度が
低下してしまうので、上記加熱温度にて1〜4時間とす
る。 上記加熱後は、水冷することが必須条件である。 徐冷、空冷などのゆっくりとした冷却では、強度の向上
を期待できない。 なお、本発明による上記熱処理は、Al粉末合金、すな
わち、Al−3i系合金粉末、又はこれにCu、Mg又
はFa、Mn、Ni或いはセラミックス粒子等々を適宜
添加してなる粉末につき、常法により、成形、熱間押出
を行った成形体に対して施すものである。その場合、成
形、熱間押出等の条件は特に制限されない。 次に、上記熱処理を適用するAl粉末合金の化学成分に
ついて説明する。 本発明法を適用するA2粉末合金は、AΩ−8i系粉末
合金で、少なくともSi量が10〜30%含まれている
ものである必要があり、該合金をエアーアトマイズして
得られる粉末を熱間押出した成形体を上記熱処理の対象
とするものである。 勿論、Siが上記範囲で含まれていればよいので、後述
の如く、他の添加元素や、場合によっては該合金粉末に
セラミックス粒子を添加、混合して得られる成形体も含
まれる。 Si量は耐摩耗性の向上のために10%以上必要である
が、30%を超えると現状の急冷技術では微細分散が難
しく、粗大な初晶Si相の存在によって延性を十分得る
には至らないので、10〜30%の範囲とする。 該Al−8i系合金には、必要に応じて、時効硬化元素
であるCu及びMgを添加することができ、その場合に
はCu:0.5〜5.0%、 Mg:0.2〜3.0%
の範囲で添加する。添加量が下限未満では強度の向上が
不十分であり、添加量を増加させれば強度の向上は増す
が、上限を超えて添加し、でもそれ程強度の上昇が期待
できず、却って延性を低下させる結果となる。なお、A
l−8i系粉末合金は急冷凝固粉であると前述の如く析
出挙動が異なるので、これらのCu、Mgを無添加にし
ても強度の上昇は認められるが、強度向上のためにはC
u、Mgを添加することが好ましいことであり、本発明
の強化効果を十分に引き出す役割をする重要な元素と云
える。 また、必要に応じて、耐熱性の向上のためにFe、Mn
及びNiのうちの1種又は2種以上を合計で1.0%以
上添加することができる。しかし、10.0%を超える
と、Siと同様、粗大な晶出が起こり、本発明法の効果
が乏しくなるので、10゜0%以下に制限される。 また、セラミックス粒子は、剛性、耐摩耗性の向上のた
めに有効な成分であり、必要に応じて適量添加すること
ができる。添加する場合、現状技術での加工性、切削性
、経済性等を考慮し、添加量は0.5〜10.0%とし
、粒径は十分な分散性を得るために分散可能な5〜50
μmの平均粒径のものとし、望ましくは、微細分散を考
慮して5〜30μmとする。なお、添加するセラミック
ス粒子としては、 S iC−S xl N 4.
Al201.3An、03・2Si○2(ムライト)な
どの硬質粒子を用いるのが好ましく、これにより耐熱性
、耐摩耗性、剛性を高めることができる。また、場合に
よっては、自己潤滑性を有するBNやグラファイトなど
を添加すると耐摩耗性を向上させることが可能である。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す組成の過共晶An−Si系粉末合金の溶湯
を各々エアーアトマイズし、−48メツシユの粉末に分
級した。次いで、これらの粉末を250℃に加熱した後
、同温度に予熱した金型中に充填して圧縮成形し、直径
200mm、長さ300mmのビレットを得た。引き続
いて、このビレットを480X2hr、Ar雰囲気中で
脱ガスした後、430℃で押出した。なお、押出比は1
5であった。 このようにして得られた押出材について、それぞれ第2
表に示す条件の熱処理を施し、特性の評価を行った。そ
の結果は第3表及び第4表に示すとおりである6なお、
特性評価は、ロックウェル硬度(HRB)の測定と一部
につき引張試験(室温)の実施により行った。試験片は
8mmφX50GLの寸法とした。
する粉末の熱間押出し材の熱処理方法に関するものであ
る。 (従来の技術及び解決しようとする問題点)Al−8L
系粉末合金は、A2合金の軽量性を備えていると共に、
高強度、高剛性、高耐摩耗性などの優れた性能を備えて
いることがら、自動車、ロボット、航空機等々の広い分
野において、軽量且つ機械的性質に優れた材料を必要と
する部材に利用されている。 これらの材料を部材として利用する場合、室温付近での
強度の向上を図る目的で、通常は、Cu、Mgなどの時
効硬化元素を添加し、T6処理によって強度を向上させ
ている。しかし、このT6処理による強度の向上は、そ
の反面、延性を著しく低下させ、材料の靭性を低下させ
てしまうという欠点を有している。 特に、Al−5i系粉末合金については、耐熱性、耐摩
耗性、低熱膨張係数、高剛性などの性能を向上させるた
めに、Si量を過共晶組成である10〜30%添加し、
必要に応じてFe、 Mn。 Niなどの遷移元素が添加されている。そして、このよ
うな組成のAl2−Si系合金の溶湯をアトマイズ法に
より急冷凝固粉末とし、それを熱間押出し等の熱間成形
法により成形することにより、Si結晶や金属間化合物
相などの硬くて脆い結晶を微細分散させて性能を向上さ
せている。また。 場合によっては、SiCやSL、N、に代表されるセラ
ミックス粒子を分散させ、同様に性能の向上が図られて
いる。 しかし、このように硬質相の微細分散による強化は、基
地の変形を拘束し、強度、特に高温強度の向上には有効
であるが、室温強度に対してはその効果は小さく、むし
ろ、硬質相の存在が応力集中を招く結果、伸び若しくは
延性を低下させる原因となっている。 一方、上記Al粉末合金の部品への適用については、自
動車や航空機などの分野では軽量化部材として、使用温
度が室温から300℃までの温度域においてFe合金や
Ti合金の代替材として検討されている。 その場合、かかる部材に要求される特性としては、高温
強度は当然のこととしても、エンジンを例に考えても自
明なとおり、部材の使用温度が室温から使用最高温度ま
での広範囲で運転のサイクルによって変化するため、十
分な室温強度も必要とされている。つまり、室温から使
用温度まで、絶対値として高いレベルの強度を有し、且
つ温度による強度低下が小さいことが必要となる。 An−8i系粉末合金が以上の要件を満たすためには、
熱的に安定な析出相の微細分散が望ましい。しかし、A
l展伸材の例にあるように1時−効析出によって強化し
たものは、時効温度以上では析出相の粗大化によって強
度が著しく低下してしまうという問題がある。また、前
述の如く、高温強度の向上を目的としてSi、金属間化
合物の分散強化を図ったものは、その微細分散に限界が
あるため、高温では有効な強化となっても1.室温付近
では強化への寄与が小さく、展伸材であるジュラルミン
と比べても、その強度レベルが低い。 そこで、従来は、上記の2つの強化機構を組合わせるこ
とにより、室温から高温までの強度レベルの向上が図ら
れているのである。具体的には、An−5i系粉末合金
にCu、Mgなどの時効硬化元素を添加し、室温強度の
向上が図られている。 しかし乍ら、一般に時効硬化の活用は伸びの低下を招き
、また、Al粉末合金の場合には、硬くて脆いSi晶や
金属間化合物を含むため、組織の中に応力集中部分が存
在し、伸びを低下させる原因となっている。この応力集
中による延性の低下に関しては、Afi基地を時効硬化
させると、その相乗効果によって伸び若しくは延性を一
層低下させる原因となっている。この延性の低下は、靭
性の低下を意味し、部材に使用する場合の安全性、信頼
性の面からみて、重要な問題となっている。 本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになさ
れたものであって、A塁粉末合金の熱間押出し材の強度
を向上させ、且つ延性を確保できる方法を提供すること
を目的とするものである。 (問題点を解決する手段) 上記目的を達成するため、本発明者らは、従来のへΩ−
8i系粉末合金に種々の熱処理を施すことにより効果的
な方策を見い出すべく鋭意研究を重ねた結果、従来採用
されていたT6処理よりも、溶体化後水冷処理する熱処
理の方が、得られる強度、延性のバランスが優れている
ことが判明し、ここに本発明をなしたものである。 すなわち、本発明は、Siを10〜30%含むAl金合
金主体とする粉末につき、その熱間押出し材を470〜
520℃の温度範囲で1〜4時間加熱後、水冷すること
を特徴とする高強度、耐摩耗性AΩ合金粉末成形部材の
熱処理方法を要旨とするものである。 以下に本発明の詳細な説明する。 まず、本発明の熱処理による強化機構について説明する
。 本発明は上記条件の溶体化後水冷により硬化処理するも
のであるが、この種の硬化処理は、Al展伸材のT4処
理として周知の事実ではあるものの、本発明者らの研究
によれば1本発明が対象とするAl粉末合金への適用に
おいてその挙動が異なっていることが判明したものであ
る。 すなわち、通常のAn展伸材、例えば代表的な合金とし
ての2014合金にT4処理を施す場合は、Cu1Mg
、Si、Znなどの時効硬化元素を単独又は複合で添加
し、それらを溶体化して過飽和固溶体となし、これを常
温で時効することにより、最高強度には達しないものの
、ある程度の強度向上と十分な延性を得ることを狙いと
している。 一方、本発明が対象とするAl粉末合金においては、そ
の強化機構は、Si晶や金属間化合物の分散強化と上記
時効硬化による強化とが組み合わされた機構となってい
る。したがって、T6処理によってAl基地を最高硬度
に高めなくとも、T4処処理炭の処理により、前記分散
強化機構との相乗効果が作用するので、延性を維持しつ
つ十分強度を向上させることが可能となる。 更に、Al粉末合金は、その急冷凝固粉末を熱間押出し
により成形すると、従来のAl合金とは異なる挙動を示
す。つまり、Al−3i系合金は、Cu、Mgなどの時
効硬化元素が含まなくとも、溶体化後の水冷によって強
度の向上が認められ、しかもCu、Mgを添加したとき
はその強度の上昇が著しくなる。そして、その後の室温
時効によっては強度の上昇がtfiさいなど、A(1−
5i系粉末合金特有の熱処理挙動が現われる。これは、
溶体化時の加熱により急冷凝固組織が分解、相変化する
ことと密接に関係しており、具体的には、Si結晶の粗
大化とそれに伴うマトリックス中のSL濃度の変化や金
属間化合物の相変化など、複雑な現象のからみ合いの中
から、上述した熱処理挙動が現われるものと考えられる
。 本発明は、以上の点を考慮に入れ、Al−8i系粉末合
金につき、Si、金属間化合物相の分散強化と、その強
度−延性バランスとを十分引き出し得る熱処理条件とし
て、前述の如く最適な条件を見い出したものである。 具体的には、本発明における熱処理条件として、まず、
加熱温度を470〜520℃とするのは、十分な強度を
得るには470℃以上の加熱が必要であり、しかし52
0℃を超えると材料中に含まれている水素ガスが原因で
ブリスターが発生したり、更に高温では一部液相が生成
し始めるからである。 加熱時間を1〜4時間とするのは、1〜4時間で最高強
度に達するためである。それよりも短時間では強度が不
十分となり、長時間では組織の粗大化が進行し、強度が
低下してしまうので、上記加熱温度にて1〜4時間とす
る。 上記加熱後は、水冷することが必須条件である。 徐冷、空冷などのゆっくりとした冷却では、強度の向上
を期待できない。 なお、本発明による上記熱処理は、Al粉末合金、すな
わち、Al−3i系合金粉末、又はこれにCu、Mg又
はFa、Mn、Ni或いはセラミックス粒子等々を適宜
添加してなる粉末につき、常法により、成形、熱間押出
を行った成形体に対して施すものである。その場合、成
形、熱間押出等の条件は特に制限されない。 次に、上記熱処理を適用するAl粉末合金の化学成分に
ついて説明する。 本発明法を適用するA2粉末合金は、AΩ−8i系粉末
合金で、少なくともSi量が10〜30%含まれている
ものである必要があり、該合金をエアーアトマイズして
得られる粉末を熱間押出した成形体を上記熱処理の対象
とするものである。 勿論、Siが上記範囲で含まれていればよいので、後述
の如く、他の添加元素や、場合によっては該合金粉末に
セラミックス粒子を添加、混合して得られる成形体も含
まれる。 Si量は耐摩耗性の向上のために10%以上必要である
が、30%を超えると現状の急冷技術では微細分散が難
しく、粗大な初晶Si相の存在によって延性を十分得る
には至らないので、10〜30%の範囲とする。 該Al−8i系合金には、必要に応じて、時効硬化元素
であるCu及びMgを添加することができ、その場合に
はCu:0.5〜5.0%、 Mg:0.2〜3.0%
の範囲で添加する。添加量が下限未満では強度の向上が
不十分であり、添加量を増加させれば強度の向上は増す
が、上限を超えて添加し、でもそれ程強度の上昇が期待
できず、却って延性を低下させる結果となる。なお、A
l−8i系粉末合金は急冷凝固粉であると前述の如く析
出挙動が異なるので、これらのCu、Mgを無添加にし
ても強度の上昇は認められるが、強度向上のためにはC
u、Mgを添加することが好ましいことであり、本発明
の強化効果を十分に引き出す役割をする重要な元素と云
える。 また、必要に応じて、耐熱性の向上のためにFe、Mn
及びNiのうちの1種又は2種以上を合計で1.0%以
上添加することができる。しかし、10.0%を超える
と、Siと同様、粗大な晶出が起こり、本発明法の効果
が乏しくなるので、10゜0%以下に制限される。 また、セラミックス粒子は、剛性、耐摩耗性の向上のた
めに有効な成分であり、必要に応じて適量添加すること
ができる。添加する場合、現状技術での加工性、切削性
、経済性等を考慮し、添加量は0.5〜10.0%とし
、粒径は十分な分散性を得るために分散可能な5〜50
μmの平均粒径のものとし、望ましくは、微細分散を考
慮して5〜30μmとする。なお、添加するセラミック
ス粒子としては、 S iC−S xl N 4.
Al201.3An、03・2Si○2(ムライト)な
どの硬質粒子を用いるのが好ましく、これにより耐熱性
、耐摩耗性、剛性を高めることができる。また、場合に
よっては、自己潤滑性を有するBNやグラファイトなど
を添加すると耐摩耗性を向上させることが可能である。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す組成の過共晶An−Si系粉末合金の溶湯
を各々エアーアトマイズし、−48メツシユの粉末に分
級した。次いで、これらの粉末を250℃に加熱した後
、同温度に予熱した金型中に充填して圧縮成形し、直径
200mm、長さ300mmのビレットを得た。引き続
いて、このビレットを480X2hr、Ar雰囲気中で
脱ガスした後、430℃で押出した。なお、押出比は1
5であった。 このようにして得られた押出材について、それぞれ第2
表に示す条件の熱処理を施し、特性の評価を行った。そ
の結果は第3表及び第4表に示すとおりである6なお、
特性評価は、ロックウェル硬度(HRB)の測定と一部
につき引張試験(室温)の実施により行った。試験片は
8mmφX50GLの寸法とした。
第3表及び第4表より明らかなとおり、本発明例の熱処
理Aを施したものは1強度は熱処理Cを施したT6処理
材には及ばないものの、押出まま材(熱処理B)に比べ
て十分向上しており、しかもT6処理材に比べて大きな
伸びの低下は起こしておらず、強度の向上への寄与が大
きいことが認められる。 (発明の効果) 以上詳述したように1本発明によれば、Al−8i系粉
末合金の熱間押出し材を特定条件の溶体化機水冷処理を
施すので、十分な延性を維持しつつ、室温付近の強度を
向上させることが可能となり、高強度の要求される各種
部材に十分な安全性と信頼性を付与することができ、各
分野への一層の利用拡大を図ることが可能となる。
理Aを施したものは1強度は熱処理Cを施したT6処理
材には及ばないものの、押出まま材(熱処理B)に比べ
て十分向上しており、しかもT6処理材に比べて大きな
伸びの低下は起こしておらず、強度の向上への寄与が大
きいことが認められる。 (発明の効果) 以上詳述したように1本発明によれば、Al−8i系粉
末合金の熱間押出し材を特定条件の溶体化機水冷処理を
施すので、十分な延性を維持しつつ、室温付近の強度を
向上させることが可能となり、高強度の要求される各種
部材に十分な安全性と信頼性を付与することができ、各
分野への一層の利用拡大を図ることが可能となる。
Claims (5)
- (1)重量%で(以下、同じ)、Siを10〜30%含
むAl合金を主体とする粉末につき、その熱間押出し材
を470〜520℃の温度範囲で1〜4時間加熱後、水
冷することを特徴とする高強度、耐摩耗性Al合金粉末
成形部材の熱処理方法。 - (2)前記粉末は、Si:10〜30%を含み、必要に
応じてCu:0.5〜5.0%及びMg:0.2〜3.
0%を含み、残部が実質的にAlからなるAl合金をア
トマイズ法により製造した粉末である特許請求の範囲第
1項記載の方法。 - (3)前記粉末は、遷移元素であるFe、Mn及びNi
のうちの1種又は2種以上を合計で1.0〜10.0%
含有したAl合金である特許請求の範囲第1項又は第2
項記載の方法。 - (4)前記粉末は、Al合金にセラミックス粒子を0.
5〜10.0%添加、混合したものである特許請求の範
囲第1項記載の方法。 - (5)前記セラミックス粒子は、Si_3N_4、Si
C、Al_2O_3及び3Al_2O_3・2SiO_
2のうちの1種又は2種以上からなる硬質粒子であり、
かつ、その粒径が平均で5〜50μmである特許請求の
範囲第4項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3727587A JPS63206455A (ja) | 1987-02-20 | 1987-02-20 | 高強度、耐摩耗性Al合金粉末成形部材の熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3727587A JPS63206455A (ja) | 1987-02-20 | 1987-02-20 | 高強度、耐摩耗性Al合金粉末成形部材の熱処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63206455A true JPS63206455A (ja) | 1988-08-25 |
Family
ID=12493137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3727587A Pending JPS63206455A (ja) | 1987-02-20 | 1987-02-20 | 高強度、耐摩耗性Al合金粉末成形部材の熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63206455A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05300989A (ja) * | 1992-04-28 | 1993-11-16 | Hirose Mfg Co Ltd | ミシンの部品 |
JPH06238084A (ja) * | 1993-02-19 | 1994-08-30 | Hirose Mfg Co Ltd | ミシンの内かま |
JPH06261989A (ja) * | 1993-03-12 | 1994-09-20 | Hirose Mfg Co Ltd | 本縫ミシンの全回転かま |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61179858A (ja) * | 1985-02-04 | 1986-08-12 | Sumitomo Electric Ind Ltd | アルミニウム合金粉末押出材の直接熱処理法 |
JPS61199003A (ja) * | 1985-02-28 | 1986-09-03 | Sumitomo Electric Ind Ltd | アルミニウム合金粉末押出材の熱処理方法 |
-
1987
- 1987-02-20 JP JP3727587A patent/JPS63206455A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61179858A (ja) * | 1985-02-04 | 1986-08-12 | Sumitomo Electric Ind Ltd | アルミニウム合金粉末押出材の直接熱処理法 |
JPS61199003A (ja) * | 1985-02-28 | 1986-09-03 | Sumitomo Electric Ind Ltd | アルミニウム合金粉末押出材の熱処理方法 |
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JPH05300989A (ja) * | 1992-04-28 | 1993-11-16 | Hirose Mfg Co Ltd | ミシンの部品 |
JPH06238084A (ja) * | 1993-02-19 | 1994-08-30 | Hirose Mfg Co Ltd | ミシンの内かま |
JPH06261989A (ja) * | 1993-03-12 | 1994-09-20 | Hirose Mfg Co Ltd | 本縫ミシンの全回転かま |
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