JPH0774095B2 - 焼結体の製造方法 - Google Patents
焼結体の製造方法Info
- Publication number
- JPH0774095B2 JPH0774095B2 JP61296785A JP29678586A JPH0774095B2 JP H0774095 B2 JPH0774095 B2 JP H0774095B2 JP 61296785 A JP61296785 A JP 61296785A JP 29678586 A JP29678586 A JP 29678586A JP H0774095 B2 JPH0774095 B2 JP H0774095B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sintered body
- mullite
- strength
- creep
- phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、優れた高温強度及び耐クリープ特性を有する
ムライト質焼結体の製造方法に関するものである。
ムライト質焼結体の製造方法に関するものである。
[従来の技術および発明が解決しようとする問題点] ムライトは、アルミナとシリカからなる複合酸化物であ
り、その化学量論的な組成はアルミナが71.8重量%、シ
リカが28.2重量%からなる。この様な組成からなる緻密
なムライト焼結体は、例えば1000℃以上の高温で、従来
から知られている酸化物焼結体に比べて、その強度及び
耐クリープ特性が極めて優れていると考えられていた。
しかし、これまでの窯業的手法の技術では、カオリンと
アルミナ粉末やアルミナ粉末とシリカ粉末の混合物を固
相反応させて合成したムライト粉末を使用するために、
完全にムライト単相からなる焼結体は得られず、シリカ
を主体とするガラス相とアルミナ相の混在したムライト
であった。そのため、高温ではガラス相の軟化のために
強度の低下や特にクリープ特性の低下が著しいものであ
った。
り、その化学量論的な組成はアルミナが71.8重量%、シ
リカが28.2重量%からなる。この様な組成からなる緻密
なムライト焼結体は、例えば1000℃以上の高温で、従来
から知られている酸化物焼結体に比べて、その強度及び
耐クリープ特性が極めて優れていると考えられていた。
しかし、これまでの窯業的手法の技術では、カオリンと
アルミナ粉末やアルミナ粉末とシリカ粉末の混合物を固
相反応させて合成したムライト粉末を使用するために、
完全にムライト単相からなる焼結体は得られず、シリカ
を主体とするガラス相とアルミナ相の混在したムライト
であった。そのため、高温ではガラス相の軟化のために
強度の低下や特にクリープ特性の低下が著しいものであ
った。
そこで、これらの欠点を克服したムライト単相からなる
焼結体を得るために、化学的手法で合成したムライト粉
末を用いて、ムライト焼結体を得ることが検討された。
その代表的な合成方法として、アルコキシド法や噴霧熱
分解法などがある。この様な方法で合成した粉末を使用
して得られたムライト焼結体は、優れた高温機械的特性
を示すことが知られている。
焼結体を得るために、化学的手法で合成したムライト粉
末を用いて、ムライト焼結体を得ることが検討された。
その代表的な合成方法として、アルコキシド法や噴霧熱
分解法などがある。この様な方法で合成した粉末を使用
して得られたムライト焼結体は、優れた高温機械的特性
を示すことが知られている。
しかしながら、ムライト焼結体を高温構造材料として使
用する為には、その強度特性以外に耐クリープ特性が重
要となる。なぜならば、セラミックの強度は、JIS R 16
02に規定されている様に曲げ試験によって測定される。
そのときの曲げて行く速度(0.5mm/min)がクリープ速
度に比較して非常に速く、このため強度測定の結果でク
リープ特性を評価することは不可能である。そこで、ク
リープ特性の測定は(1)破壊強度以下の小さな荷重で
サンプルを長時間引張り、又は曲げの状態で保持し、そ
の歪量を測定する方法(一定応力下でのクリープ)や、
(2)強度試験に比較して非常にゆっくりとした一定の
変形速度で変形させながら、曲げ応力を測定する方法
(一定歪速度下でのクリープ)がある。これらの方法を
用いてクリープ特性を評価すると、その材料が試験温度
で使用可能であるかどうか判断することが出来る。本発
明では、(2)の方法でクリープ特性を評価した。そし
て、これまでに知られているムライト焼結体についてク
リープ特性を評価したところ、次ぎのような問題点が明
らかになった。従来から使用されていたムライト磁器
は、1000℃以上でクリープ特性及び強度が急激に低下す
る。これは、粒界に存在するガラス相と不純物の影響と
考えられる。また、先に述べた合成粉末を使用したムラ
イト焼結体は、1300℃の高温でも50kg/mm2の強度を示す
ことが報告されているが、ゆっくりと変形させるクリー
プ試験の場合、そのクリープ破断強度は通常の強度に比
較して、低い値となってしまう。また、応力−歪曲線上
でも大きな塑性変形を観察でき、クリープ特性が充分で
ない。この原因は、高純度ではあるが粒界にガラス相が
存在するという焼結体組織に基因している。この高純度
のガラス相は、1300℃付近では未だ粘度が大きい為、速
い曲げ速度で測定する場合は強度の向上に寄与しうる
が、クリープ試験では、曲げ速度が遅いために粒界のガ
ラス相は塑性変形が可能であり、その結果、クリープ特
性を低下させる。
用する為には、その強度特性以外に耐クリープ特性が重
要となる。なぜならば、セラミックの強度は、JIS R 16
02に規定されている様に曲げ試験によって測定される。
そのときの曲げて行く速度(0.5mm/min)がクリープ速
度に比較して非常に速く、このため強度測定の結果でク
リープ特性を評価することは不可能である。そこで、ク
リープ特性の測定は(1)破壊強度以下の小さな荷重で
サンプルを長時間引張り、又は曲げの状態で保持し、そ
の歪量を測定する方法(一定応力下でのクリープ)や、
(2)強度試験に比較して非常にゆっくりとした一定の
変形速度で変形させながら、曲げ応力を測定する方法
(一定歪速度下でのクリープ)がある。これらの方法を
用いてクリープ特性を評価すると、その材料が試験温度
で使用可能であるかどうか判断することが出来る。本発
明では、(2)の方法でクリープ特性を評価した。そし
て、これまでに知られているムライト焼結体についてク
リープ特性を評価したところ、次ぎのような問題点が明
らかになった。従来から使用されていたムライト磁器
は、1000℃以上でクリープ特性及び強度が急激に低下す
る。これは、粒界に存在するガラス相と不純物の影響と
考えられる。また、先に述べた合成粉末を使用したムラ
イト焼結体は、1300℃の高温でも50kg/mm2の強度を示す
ことが報告されているが、ゆっくりと変形させるクリー
プ試験の場合、そのクリープ破断強度は通常の強度に比
較して、低い値となってしまう。また、応力−歪曲線上
でも大きな塑性変形を観察でき、クリープ特性が充分で
ない。この原因は、高純度ではあるが粒界にガラス相が
存在するという焼結体組織に基因している。この高純度
のガラス相は、1300℃付近では未だ粘度が大きい為、速
い曲げ速度で測定する場合は強度の向上に寄与しうる
が、クリープ試験では、曲げ速度が遅いために粒界のガ
ラス相は塑性変形が可能であり、その結果、クリープ特
性を低下させる。
(発明の目的) 本発明の目的は、高温強度及び耐クリープ特性に優れた
ムライト焼結体の製造方法を提供することにある。
ムライト焼結体の製造方法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明は、ムライト焼結体の組成とガラス相及びアルミ
ナ相の量を制御し、組成に応じた条件で熱間ガス圧成形
(以下、HIPという)処理することによって、先に述べ
たムライト焼結体の欠点を克服し、優れた高温強度と耐
クリープ特性を備えたムライト焼結体を製造する方法を
提供するものである。
ナ相の量を制御し、組成に応じた条件で熱間ガス圧成形
(以下、HIPという)処理することによって、先に述べ
たムライト焼結体の欠点を克服し、優れた高温強度と耐
クリープ特性を備えたムライト焼結体を製造する方法を
提供するものである。
すなわち、本発明は、酸化物で表示した組成が Al2O3/SiO2重量比 65/35〜78/22 であり、不純物相含有量が ガラス相 10重量%以下 アルミナ相 15重量%以下 である、主としてムライト質からなる予備焼結体を図1
に示した各々の点A(65/35,1400)、B(78/22,140
0)、C(78/22,1850)、D(75/25,1850)、E(65/3
5,1500)で囲まれた領域内の温度で、熱間ガス圧成形処
理することによる焼結体の製造方法を要旨とする。この
処理によって、焼結体のクラックや空隙等が消滅し、さ
らにクリープ特性に影響を与えるガラス相とアルミナ相
の量を減少させ、ないしは消滅させ高温強度と耐クリー
プ特性を向上させるものである。また、粒界にガラス相
が残存していても、HIPの効果によって粒界のガラス相
の厚さが非常に薄くなるため、耐クリープ特性が向上す
る。
に示した各々の点A(65/35,1400)、B(78/22,140
0)、C(78/22,1850)、D(75/25,1850)、E(65/3
5,1500)で囲まれた領域内の温度で、熱間ガス圧成形処
理することによる焼結体の製造方法を要旨とする。この
処理によって、焼結体のクラックや空隙等が消滅し、さ
らにクリープ特性に影響を与えるガラス相とアルミナ相
の量を減少させ、ないしは消滅させ高温強度と耐クリー
プ特性を向上させるものである。また、粒界にガラス相
が残存していても、HIPの効果によって粒界のガラス相
の厚さが非常に薄くなるため、耐クリープ特性が向上す
る。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、予備焼結体のアルミナ成分とシリカ成分の重量比
(Al2O3/SiO2)が65/35〜78/28でなければならない。
その比が65/35を下まわると製品焼結体中のガラス相含
有量を、いっぽう78/22をこえるとアルミナ相を小さく
することができず、いずれの場合も強度および耐クリー
プ特性の優れた焼結体をうることができないからであ
る。また、予備焼結体中のガラス相およびアルミナ相
は、それぞれ10重量%以下および15重量%以下でなけれ
ばならないが、これはそれぞれの相が上記の範囲をこえ
るとHIP処理で充分に減少させることが困難になるから
である。また、その密度が2.95g/cc以上であることが望
ましい。これらの条件を満たしたムライト予備焼結体
は、後のHIP処理によってほぼムライト単相からなる焼
結体となる。
(Al2O3/SiO2)が65/35〜78/28でなければならない。
その比が65/35を下まわると製品焼結体中のガラス相含
有量を、いっぽう78/22をこえるとアルミナ相を小さく
することができず、いずれの場合も強度および耐クリー
プ特性の優れた焼結体をうることができないからであ
る。また、予備焼結体中のガラス相およびアルミナ相
は、それぞれ10重量%以下および15重量%以下でなけれ
ばならないが、これはそれぞれの相が上記の範囲をこえ
るとHIP処理で充分に減少させることが困難になるから
である。また、その密度が2.95g/cc以上であることが望
ましい。これらの条件を満たしたムライト予備焼結体
は、後のHIP処理によってほぼムライト単相からなる焼
結体となる。
そこで、この条件を満たしたムライト予備焼結体を得る
ためには、以下の様な合成法を用いた粉末を使用するこ
とが好ましい。
ためには、以下の様な合成法を用いた粉末を使用するこ
とが好ましい。
ムライト粉末の原料として、アルミナ源とシリカ源を含
んだ水溶液、もしくは有機溶媒の溶液から粉末を合成す
る、湿式法を用いるのが望ましい。このアルミナ源とし
ては、水溶性アルミニウム塩、アルミナゾル、アルキル
アルミニウム、アルミニウムアルコキシド等が用いら
れ、またシリカ源としては、シリカゾルや;四塩化ケイ
素、トリクロロシラン、エチルシリケートなどの有機ケ
イ素化合物等が使用される。この様な湿式法では、加水
分解、共沈、蒸発乾固、噴霧熱分解などの方法で沈澱ま
たは固形物を得たのち、800℃から1600℃の温度で固形
物を焼成して原料粉末を得る。この原料粉末中に含まれ
る不純物の含有量は、焼結体の特性を支配する重要な因
子である。これは、焼結体中にガラス相が存在すると
き、不純物がガラス相に溶解し、高温での粘度を著しく
低下させ、強度,耐クリープ性などの高温特性を低下さ
せる為である。Na、Kなどのアルカリ金属が特に良くな
く、不純物の総量としては、酸化物として通常0.5重量
%以下、好ましくは、0.3重量%以下とする。
んだ水溶液、もしくは有機溶媒の溶液から粉末を合成す
る、湿式法を用いるのが望ましい。このアルミナ源とし
ては、水溶性アルミニウム塩、アルミナゾル、アルキル
アルミニウム、アルミニウムアルコキシド等が用いら
れ、またシリカ源としては、シリカゾルや;四塩化ケイ
素、トリクロロシラン、エチルシリケートなどの有機ケ
イ素化合物等が使用される。この様な湿式法では、加水
分解、共沈、蒸発乾固、噴霧熱分解などの方法で沈澱ま
たは固形物を得たのち、800℃から1600℃の温度で固形
物を焼成して原料粉末を得る。この原料粉末中に含まれ
る不純物の含有量は、焼結体の特性を支配する重要な因
子である。これは、焼結体中にガラス相が存在すると
き、不純物がガラス相に溶解し、高温での粘度を著しく
低下させ、強度,耐クリープ性などの高温特性を低下さ
せる為である。Na、Kなどのアルカリ金属が特に良くな
く、不純物の総量としては、酸化物として通常0.5重量
%以下、好ましくは、0.3重量%以下とする。
この様にして合成した粉末を成形し、ムライト予備焼結
体を得る場合、図2に示した各々の点F(65/35,155
0)、G(72/28,1550)、H(74/26,1600)、I(78/2
2,1600)、J(78/22,1855)、K(73/27,1850)、L
(65/35,1650)に囲まれた範囲内で予備焼結することが
好ましい。この範囲外で予備焼結した場合、ガラス相が
多量に生成し、HIPによる効果が生じなかったり、焼結
体密度が充分に上がらなかったりする。
体を得る場合、図2に示した各々の点F(65/35,155
0)、G(72/28,1550)、H(74/26,1600)、I(78/2
2,1600)、J(78/22,1855)、K(73/27,1850)、L
(65/35,1650)に囲まれた範囲内で予備焼結することが
好ましい。この範囲外で予備焼結した場合、ガラス相が
多量に生成し、HIPによる効果が生じなかったり、焼結
体密度が充分に上がらなかったりする。
このようにして、ガラス相10重量%以下、アルミナ相15
重量%以下、密度2.95g/cc以上、開気孔 0の予備焼結
体がえられる。
重量%以下、密度2.95g/cc以上、開気孔 0の予備焼結
体がえられる。
次に、この様にして得られた予備焼結体にHIP処理を行
う。この時のHIP処理温度は、図1に示された予備焼結
体の組成に対応した温度範囲で行う。この範囲をこえる
温度でHI1P処理した場合は、予備焼結体中のガラス相の
量を減少させることが出来ず、また、それより低い温度
では、クラックや空隙さらにアルミナ相の量を減少させ
ることが出来ないために、高温特性を改善することが不
可能である。
う。この時のHIP処理温度は、図1に示された予備焼結
体の組成に対応した温度範囲で行う。この範囲をこえる
温度でHI1P処理した場合は、予備焼結体中のガラス相の
量を減少させることが出来ず、また、それより低い温度
では、クラックや空隙さらにアルミナ相の量を減少させ
ることが出来ないために、高温特性を改善することが不
可能である。
HIP処理におけるガス圧力は、100気圧以上であることが
好ましい。100気圧未満では、高温特性の改善が不充分
である。また、使用するガスの種類は、アルゴン、ヘリ
ウムなどの不活性ガスや窒素、さらには酸素を混合した
酸化性のガス等が用いられる。
好ましい。100気圧未満では、高温特性の改善が不充分
である。また、使用するガスの種類は、アルゴン、ヘリ
ウムなどの不活性ガスや窒素、さらには酸素を混合した
酸化性のガス等が用いられる。
HIPの処理時間は、最高温度で30分以上保持すれば充分
である。
である。
この様にしてHIP処理されたムライト焼結体は、ガラス
相が消滅または減少しているため、1300℃付近での強度
の増加は少なくなる。しかしながら、低速で変形させて
測定されるクリープ強度は増加し、クリープ特性が向上
する。
相が消滅または減少しているため、1300℃付近での強度
の増加は少なくなる。しかしながら、低速で変形させて
測定されるクリープ強度は増加し、クリープ特性が向上
する。
ここで述べたムライトの組成分析は、通常の重量分析な
どの手法で可能である。また、焼結体中のガラス相の量
は、焼結体を0.1mm程度に粉砕し、濃度1重量%のフッ
酸に0℃で24時間浸けてガラス相を溶解し、その重量減
少から求めるか、または、焼結体の研磨面をフッ酸でエ
ッチングし、走査型電子顕微鏡でエッチングされたガラ
ス相の面積を求めることによって得られる。一方、焼結
体中のアルミナの含有量は、X線回析でえた測定結果
を、次の計算式と予め作成した検量線からもとまる。
どの手法で可能である。また、焼結体中のガラス相の量
は、焼結体を0.1mm程度に粉砕し、濃度1重量%のフッ
酸に0℃で24時間浸けてガラス相を溶解し、その重量減
少から求めるか、または、焼結体の研磨面をフッ酸でエ
ッチングし、走査型電子顕微鏡でエッチングされたガラ
ス相の面積を求めることによって得られる。一方、焼結
体中のアルミナの含有量は、X線回析でえた測定結果
を、次の計算式と予め作成した検量線からもとまる。
I(A/A+M)= Ia(024)/{Ia(024)+Im(321,420)} I(A/A+M);回析強度で表したアルミナの含有量 Ia(024);α−アルミナの(024)面の積分強度 Im(321,420);ムライトの(321)面と(420)面の積
分強度の和 上式から求めたムライト焼結体のI(A/A+M)の値と
検量線と比較することによってアルミナの含有量は求ま
る。
分強度の和 上式から求めたムライト焼結体のI(A/A+M)の値と
検量線と比較することによってアルミナの含有量は求ま
る。
[実施例] 本発明を以下実施例に従って具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 組成が、Al2O3/SiO2重量比で71/29になるように、硝酸
アルミニウム水溶液(Al2O3換算含有量9.0重量%)789
gとシリカゾル水溶液(SiO2含有量20.0重量%)145gを
混合し、5に希釈した。この水溶液に撹拌しながらア
ンモニア水を加え、pHを7.0にし、生成した沈澱を濾過
した後、エチルアルコールで洗浄した。この沈澱を80℃
で乾燥した後、1400℃で1時間焼成し、95gのムライト
粉末をえた。この粉末をエチルアルコールを溶媒とし
て、50時間ボールミル粉砕を行った。この粉末を2t/cm2
の圧力で静水圧成形し、50mm×40mm×6mmの板を得た。
この板を1650℃で4時間予備焼結した。この予備焼結体
の密度は、3.10g/ccであった。この予備焼結体を熱間ガ
ス圧成形装置を用いてHIP処理した。処理条件は、アル
アゴンガス圧1000気圧,加熱温度1500℃,加熱時間1時
間に設定した。えられてムライト焼結体の密度は、3.15
g/ccであった。HIP処理前後での特性の比較を行うた
め、室温,1300℃,1400℃の各温度で、予備焼結体と処理
後のムライト焼結体の3点曲げ強度(曲げ速度0.5mm/mi
n)を測定した。結果を表1に示す。さらに、1300℃と1
400℃では、一定歪速度によるクリープ特性の比較を行
なった。その結果を図3に応力−歪曲線として示す。一
定歪速度のクリープ試験は、強度測定と同じ装置を使用
して、曲げ速度を強度測定の100分の1の0.005mm/minに
して行った。これらの結果から明らかなように、この組
成のムライト焼結体では、HIP処理によってガラス相の
量が減少するため、高温強度は多少低下するが、図3に
示したようにクリープ特性が著しく向上する。また、高
温強度自体も従来のムライトに比較すると、2倍以上の
値を示すものである。
アルミニウム水溶液(Al2O3換算含有量9.0重量%)789
gとシリカゾル水溶液(SiO2含有量20.0重量%)145gを
混合し、5に希釈した。この水溶液に撹拌しながらア
ンモニア水を加え、pHを7.0にし、生成した沈澱を濾過
した後、エチルアルコールで洗浄した。この沈澱を80℃
で乾燥した後、1400℃で1時間焼成し、95gのムライト
粉末をえた。この粉末をエチルアルコールを溶媒とし
て、50時間ボールミル粉砕を行った。この粉末を2t/cm2
の圧力で静水圧成形し、50mm×40mm×6mmの板を得た。
この板を1650℃で4時間予備焼結した。この予備焼結体
の密度は、3.10g/ccであった。この予備焼結体を熱間ガ
ス圧成形装置を用いてHIP処理した。処理条件は、アル
アゴンガス圧1000気圧,加熱温度1500℃,加熱時間1時
間に設定した。えられてムライト焼結体の密度は、3.15
g/ccであった。HIP処理前後での特性の比較を行うた
め、室温,1300℃,1400℃の各温度で、予備焼結体と処理
後のムライト焼結体の3点曲げ強度(曲げ速度0.5mm/mi
n)を測定した。結果を表1に示す。さらに、1300℃と1
400℃では、一定歪速度によるクリープ特性の比較を行
なった。その結果を図3に応力−歪曲線として示す。一
定歪速度のクリープ試験は、強度測定と同じ装置を使用
して、曲げ速度を強度測定の100分の1の0.005mm/minに
して行った。これらの結果から明らかなように、この組
成のムライト焼結体では、HIP処理によってガラス相の
量が減少するため、高温強度は多少低下するが、図3に
示したようにクリープ特性が著しく向上する。また、高
温強度自体も従来のムライトに比較すると、2倍以上の
値を示すものである。
実施例2〜7 実施例1と同様にして、異なった組成とHIP条件で焼結
体を製造し、予備焼結体とHIP処理後のムライト焼結体
の特性を比較した。その結果を表2に示す。HIP処理等
のガス圧力は、いずれも1000atm、処理時間は1時間で
あった。また、表2のクリープ特性は、0.005mm/minの
曲げ速度で曲げ試験を行った時得られる、応力−歪曲線
上の最大応力で表現した。また、上段が予備焼結体の特
性、下段がHIP処理後の特性である。これらの結果から
明らかなように、実施例2から4で見られるとおり、HI
P処理後の1300℃と1400℃の強度は低下しているが、プ
リープ強度では向上している。また、実施例5から7で
は、強度及びクリープ強度の両方で向上が明らかであ
る。
体を製造し、予備焼結体とHIP処理後のムライト焼結体
の特性を比較した。その結果を表2に示す。HIP処理等
のガス圧力は、いずれも1000atm、処理時間は1時間で
あった。また、表2のクリープ特性は、0.005mm/minの
曲げ速度で曲げ試験を行った時得られる、応力−歪曲線
上の最大応力で表現した。また、上段が予備焼結体の特
性、下段がHIP処理後の特性である。これらの結果から
明らかなように、実施例2から4で見られるとおり、HI
P処理後の1300℃と1400℃の強度は低下しているが、プ
リープ強度では向上している。また、実施例5から7で
は、強度及びクリープ強度の両方で向上が明らかであ
る。
[発明の効果] 本発明は、以上説明したように、優れた特性を持つムラ
イト焼結体をあたえる製造方法である。この発明の効果
を以下に説明する。
イト焼結体をあたえる製造方法である。この発明の効果
を以下に説明する。
実施例でも明らかなように、室温から高温迄の強度が向
上し、さらに高温でのクリープ特性が著しく改善され
た。このため、ムライト焼結体を高温構造材料として使
用することが可能となった。このほかムライト焼結体
は、耐熱衝撃性、耐薬品性などに優れているため、以下
の用途への利用が可能である。ガスタービンエンジンな
どの燃焼室やケーシング及びタービン翼等の部材、レシ
プロエンジン部材、例えば副燃焼室、ピストンヘッド
等、その他炉材や高温で使用する治具など。ただしこれ
らの例は、本発明の用途範囲を限定したものではないこ
とは言うまでもない。
上し、さらに高温でのクリープ特性が著しく改善され
た。このため、ムライト焼結体を高温構造材料として使
用することが可能となった。このほかムライト焼結体
は、耐熱衝撃性、耐薬品性などに優れているため、以下
の用途への利用が可能である。ガスタービンエンジンな
どの燃焼室やケーシング及びタービン翼等の部材、レシ
プロエンジン部材、例えば副燃焼室、ピストンヘッド
等、その他炉材や高温で使用する治具など。ただしこれ
らの例は、本発明の用途範囲を限定したものではないこ
とは言うまでもない。
図1は、本発明における予備焼結体のAl2O3/SiO2重量
比に対する熱間ガス圧成形処理温度範囲を示す図であ
る。図2は、本発明に適用するのに適した予備焼結体を
製造する際の原料成形体のAl2O3/SiO2重量比に対応す
る焼結温度を示す図である。図3は、実施例1において
えた予備焼結体およびHIP処理でえられた焼結体の耐ク
リープ性を示す図である。
比に対する熱間ガス圧成形処理温度範囲を示す図であ
る。図2は、本発明に適用するのに適した予備焼結体を
製造する際の原料成形体のAl2O3/SiO2重量比に対応す
る焼結温度を示す図である。図3は、実施例1において
えた予備焼結体およびHIP処理でえられた焼結体の耐ク
リープ性を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】酸化物で表示した組成が Al2O3/SiO2重量比 65/35〜78/22 であり、不純物相含有量が ガラス相 10重量%以下 アルミナ相 15重量%以下 である、主としてムライト質からなる予備焼結体を図1
に示した各々の点A(65/35,1400)、B(78/22,140
0)、C(78/22,1850)、D(75/25,1850)、E(65/3
5,1500)で囲まれた領域内の温度で、熱間ガス圧成形処
理することを特徴とする焼結体の製造方法。 - 【請求項2】予備焼結体密度が、2.95g/cc以上である、
特許請求の範囲第1項に記載の焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61296785A JPH0774095B2 (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 | 焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61296785A JPH0774095B2 (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 | 焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63151664A JPS63151664A (ja) | 1988-06-24 |
JPH0774095B2 true JPH0774095B2 (ja) | 1995-08-09 |
Family
ID=17838101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61296785A Expired - Lifetime JPH0774095B2 (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 | 焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0774095B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0674178B2 (ja) * | 1989-08-30 | 1994-09-21 | 菊水化学工業株式会社 | 多孔質耐火物 |
DE102009052686A1 (de) * | 2009-11-11 | 2011-05-12 | Dekema Dental-Keramiköfen GmbH | Brennhilfsmittel |
-
1986
- 1986-12-15 JP JP61296785A patent/JPH0774095B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63151664A (ja) | 1988-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR920007020B1 (ko) | 고강도 산화지르코늄형 소결체 및 그의 제조방법 | |
JPH07277814A (ja) | アルミナ基セラミックス焼結体 | |
Koyama et al. | Microstructure and mechanical properties of mullite/zirconia composites prepared from alumina and zircon under various firing conditions | |
Larker | Reaction sintering and properties of silicon oxynitride densified by hot isostatic pressing | |
Groen et al. | Preparation, microstructure and properties of MgSiN2 ceramics | |
US4690911A (en) | Zirconia ceramics and process for producing the same | |
JPH1171168A (ja) | アルミナ基セラミックス焼結体及びその製造方法 | |
YUAN et al. | Processing and Microstructure of Mullite‐Zirconia Composites Prepared from Sol‐Gel Powders | |
JPS63260857A (ja) | ジルコニア・イツトリア物品に耐時効性を賦与する方法 | |
JP3038047B2 (ja) | 高純度ムライトの製造方法 | |
JPH0774095B2 (ja) | 焼結体の製造方法 | |
Wei et al. | Phase transformation and grain coarsening of zirconia/mullite composites | |
JP3013372B2 (ja) | ジルコン焼結体及びその製造方法 | |
JP2697759B2 (ja) | 窒化珪素焼結体およびその製造法 | |
JP2002137962A (ja) | ムライト質焼結体からなる熱処理用部材 | |
JPS61132510A (ja) | 耐熱性複合酸化物粉末の製造方法 | |
JP2533336B2 (ja) | 部分安定化された酸化ジルコニウムからなる焼結成形体およびその製造法 | |
SE459494B (sv) | Saett vid framstaellning av keramiska kompositer innehaallande kiseloxynitrid och zirkoniumoxid | |
JP2517253B2 (ja) | 高強度ジルコニア系焼結体の製造法 | |
JP3322033B2 (ja) | 結晶質窒化珪素粉末 | |
JPS62291539A (ja) | 機械的特性測定用治具 | |
KR101442634B1 (ko) | 고온 강도가 우수한 알루미늄티타네이트의 제조방법 | |
JPH0818875B2 (ja) | 窒化珪素焼結体の製造方法 | |
JP2581128B2 (ja) | アルミナ−サイアロン複合焼結体 | |
JPH05117030A (ja) | 複合セラミツクスおよびその製造法 |