JP2002137962A - ムライト質焼結体からなる熱処理用部材 - Google Patents

ムライト質焼結体からなる熱処理用部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱衝撃抵抗性および耐食性にすぐれ、高温
下での変形が少ないムライト質焼結体からなる熱処理用
部材の提供。 【解決手段】 結晶相としてムライト結晶を80容積%
以上含有するムライト質焼結体であって、(a)ガラス
相が10容積%以下であり、(b)焼結体に存在する気
孔は主として密閉したものであり、(c)その平均密閉
気孔径が2〜50μm、(d)焼結体の平均結晶粒径が
2〜30μm、(e)焼結体の平均密閉気孔径/平均結
晶粒径が0.1〜6、(f)焼結体の相対密度が70〜
95%であることを特徴とするムライト質焼結体よりな
る熱処理用部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱衝撃抵抗性、耐
食性および高温下での変形にすぐれたムライト質焼結体
からなる熱処理用部材に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】熱処理用部材としては耐熱性
および耐食性にすぐれていることに加え、被熱処理材料
を汚染しない材質であり、かつ被熱処理材料の含有する
成分が炉内雰囲気中へ拡散することを防ぎ得ることが要
望されている。古くから熱処理用部材としてアルミナ、
マグネシア、石英、炭化けい素、ジルコニア等の材質が
熱処理用部材として知られている。アルミナ、マグネシ
ア、ジルコニア等の熱処理用部材は耐熱性にすぐれてお
り、1800℃程度の温度まで使用できる利点はある
が、耐熱衝撃抵抗性に劣り、急速な加熱、冷却ができな
いという欠点がある。石英は高価であり、加工性が悪
く、高温状態において軟化やアルカリ元素の透過などが
生じ、さらに失透に伴う劣化や破損が生じやすいという
欠点がある。炭化けい素は耐熱衝撃抵抗性にすぐれるも
のの、酸化雰囲気下や開放雰囲気下では酸化による劣化
や表面にガラス相を形成し、被処理材料と反応しやすい
という欠点を有している。
【0003】一方、前記の欠点を解決する方法として特
公平5−77627号公報には緻密なムライト質からな
る熱処理用容器が開示されている。しかしながら、この
熱処理用容器を用いても、アルミナやマグネシアなどに
比べて耐熱衝撃抵抗性の点ではすぐれるものの、まだ十
分満足できていないのが現状である。
【0004】さらに、最近のリチウム2次電池用正極材
料をはじめとする電子材料および蛍光体材料の熱処理に
おいては、蒸発成分を極力少なくして組成の変動を少な
くするため、および生産効率を高めるために急速昇温、
降温処理がなされている。緻密質の焼結体からなる熱処
理用部材は多孔質からなる熱処理用部材に比べて耐食性
にはすぐれているものの急速昇温、降温では熱衝撃によ
る割れが発生する危険性を有している。一方、多孔質か
らなる熱処理用部材は前記のように耐熱衝撃抵抗性では
緻密質からなる熱処理用部材に比べてすぐれているもの
の気密性に劣り、熱処理用部材中の成分が被熱処理材料
中に不純物として混入したり、また被熱処理材料と反応
したりして被熱処理材料の組成変化が起こったり、また
熱処理により被熱処理材料から蒸発する成分の被熱処理
材料への吸着や反応がおこり、耐食性の低下、機械的特
性の低下などの問題が生じている。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は、前記のような
現状を鑑み、鋭意研究を重ねてきた結果、ムライト質焼
結体において、ある特定の相対密度を有し、丸みをもっ
た密閉気孔を有し、その密閉気孔径および焼結体の結晶
粒径を制御することおよびその密閉気孔径と結晶粒径と
の比を制御することによりすぐれた耐熱衝撃抵抗性およ
び耐食性を有し、高温での変形が少ないムライト質焼結
体からなる熱処理用部材を見出した。なお、本発明で
は、耐熱衝撃抵抗性は急熱・急冷によるクラックの発生
や割れに対する抵抗性だけでなく、加熱・冷却の繰り返
しによる耐久性を意味する。
【0006】即ち、本発明は、結晶相としてムライト結
晶を80容積%以上含有するムライト質焼結体であっ
て、(a)ガラス相が10容積%以下であり、(b)焼
結体に存在する気孔は主として密閉したものであり、
(c)その平均密閉気孔径が2〜50μm、(d)焼結
体の平均結晶粒径が2〜30μm、(e)焼結体の平均
密閉気孔径/平均結晶粒径が0.1〜6、(f)焼結体
の相対密度が70〜95%であることを特徴とするムラ
イト質焼結体よりなる熱処理用部材に関するものであ
り、この熱処理用部材は耐熱衝撃抵抗性および耐食性に
すぐれ、高温下での変形が少ないという特性を発揮す
る。
【0007】なお、本発明でいう熱処理用部材とは圧電
体、誘電体などの電子部品材料、リチウムイオン2次電
池正極材料、蛍光体材料およびセラミック材料の熱処理
用容器、単結晶育成用ルツボ、金属溶解用ルツボ、各種
熱処理用炉芯管、ローラハースキルン用ローラ、サポー
トチューブ、ラジアントチューブ、ガス吹込管、ガス採
取管、測温用熱電対および各種機器用の保護管、サポー
ト用治具材などがある。
【0008】以下に本発明の耐熱衝撃抵抗性および耐食
性にすぐれ、高温下での変形が少ないムライト質焼結体
からなる熱処理用部材が充足すべき各要件について詳細
に述べる。
【0009】本発明における密閉気孔の形成には、粉砕
・分散スラリーに所定の相対密度および気孔径になるよ
うに気孔形成剤としてアクリル系樹脂球状粒子や多糖類
球状粒子などの有機質球状粒子のような有機質で丸味を
帯びた粒子を使用する。この気孔形成剤をセラミック粉
体に添加、混合して成形し、これを焼成すると、有機質
の気孔形成剤は消失し、跡形としての密閉気孔が残るの
で、密閉気孔の形状は本質的には気孔形成剤の形状に基
因した形状となり、前記請求項1の(b)で規定し、図
1(A)、(B)に示すように気孔は丸味を帯びた密閉
したものとなり、また密閉気孔は実質的に独立したもの
となる。気孔形状が丸味を帯びていない場合には、焼結
体に応力が負荷されると気孔に応力集中がおこりやすく
なって、強度や耐熱衝撃抵抗性の低下および高温での変
形がおこりやすくなるので好ましくない。なお、本発明
でいう密閉気孔とは外部へ通じていない内部気孔のこと
を指すものである。
【0010】(a)結晶相としてムライト結晶が80容
積%以上含有するムライト質焼結体である。 本発明においてムライト質焼結体は、結晶相としてムラ
イト結晶が80容積%以上、より好ましくは90容積%
以上からなることが必要である。ムライト結晶が80容
積%未満の場合は、ムライト結晶以外の結晶がムライト
結晶粒界および粒内に存在し、耐熱衝撃抵抗性、耐食性
の低下や高温での変形が大きくなるので好ましくない。
【0011】また、本発明においてα−Al結晶
が10容積%以下まで許容できる。より好ましくは8容
積%以下である。α−Al結晶が10容積%を上
回る場合は、被熱処理材料や炉壁などの耐火物から高温
で揮発するアルカリ成分や熱源の燃料などに含まれてい
るアルカリ成分等がα−Al結晶と反応して、焼
結体内部にβ−Al結晶を形成させ、組織の変質
やα−Al結晶とムライト結晶との熱膨張の差に
よる歪みが増大や残存膨張の増大等により耐熱衝撃抵抗
性が低下するので好ましくない。ここで言うムライト結
晶とは化学式3Al・2SiO(Al
71.8重量%、SiO 28.2重量%)で表され
るムライト結晶だけでなく、ムライト固溶体も含むもの
とする。
【0012】本発明において、α−Al結晶相の
容積割合は以下の方法により得られる値である。即ち、
まず試料の任意の位置から切り出した小片を粉砕し、得
られた粉末についてX線回折を行う。その結果、得られ
るムライト結晶の(210)面の回折強度〔I(21
0)〕およびα−Al結晶の(113)面の回折
強度〔I(113)〕から次式によりムライト結晶お
よびα−Al結晶の割合を算出する。
【数1】α−Al結晶容積(%)=I(11
3)/〔I(210)+I(113)〕 ムライト結晶容積(%)=100−(α−Al
【0013】(b)ガラス相が10容積%以下である。 本発明ではガラス相が10容積%以下である。含有して
いるガラス相が10容積%を越える場合には、ガラス相
と被熱処理材料とが反応して、被熱処理材料を汚染した
り、熱処理用部材とひっつきを起こしたりするので好ま
しくない。また、ムライト結晶とガラス相との熱膨張差
によって、高温において気密性、強度の低下や変形が大
きくなり、耐久性に劣るので好ましくない。より好まし
くは5容積%以下とする。本発明においてガラス相含有
率の測定は以下の方法によって行う。
【0014】熱処理用部材の任意の部分から板状試片を
切り出し、鏡面仕上げする。鏡面仕上げした試料を0〜
5℃の1%HF水溶液に24時間浸漬した後、洗浄、乾
燥し、ガラス相含有率測定用試料とする。HF処理前後
の試料を走査電子顕微鏡により1000〜5000倍で
観察する。HF処理によってガラス相が存在していた跡
はくさび状の空隙として観察される。観察した面積を
S、HF処理前の試料で観察した試料で気孔および空隙
が占める面積をBSpとし、HF処理後の試料で観察し
た試料で気孔、空隙およびガラス相の跡が占める面積
(ASp)からガラス相含有率を下式により求める。
【数2】ガラス相含有率(%)=〔(ASp−BSp)
/S〕×100
【0015】(c)平均密閉気孔径が2〜50μmであ
る。 本発明においては平均密閉気孔径が2〜50μm、好ま
しくは5〜30μm、より好ましくは5〜25μm以下
であることが必要である。平均密閉気孔径が2μm未満
の場合は気孔形成による耐熱衝撃抵抗性や変形に対する
抵抗性の向上の効果が少なく、50μmを越える場合に
は密閉気孔が連続状態になったり、強度低下をきたすた
め好ましくない。
【0016】平均密閉気孔径は、焼結体を鏡面仕上げ
し、走査電子顕微鏡にて観察し、100個の気孔径を測
定し、平均値(P)を求め、これから下記式により平均
密閉気孔径を算出する。
【数3】平均密閉気孔径=1.5×P
【0017】(d)平均結晶粒径が2〜30μmであ
る。 本発明において平均結晶粒径は2〜30μmであること
が必要であり、好ましくは2〜20μmであることが必
要である。平均結晶粒径が2μm未満の場合は、耐久性
および耐食性の低下や変形に対する抵抗性が低下するの
で好ましくない。一方、30μmを越える場合には耐熱
衝撃抵抗性が低下するので好ましくない。平均結晶粒径
は焼結体を鏡面仕上げし、熱エッチングを施し、走査電
子顕微鏡にて観察し、インターセプト法により10点平
均から求める。算出式は下記のとおりである。
【数4】D=1.5×L/n D:平均結晶粒径(μm)、L:測定長さ(μm)、
n:長さL当たりの結晶数を用いる。
【0018】なお、本発明において(e)平均密閉気孔
径/平均結晶粒径が0.1〜6、好ましくは0.5〜5
であることが必要である。平均密閉気孔径/平均結晶粒
径が0.1未満の場合には、密閉気孔の存在による耐熱
衝撃抵抗性に対する効果が少なくなるので好ましくな
い。一方、平均密閉気孔径/平均結晶粒径が6を越える
場合には、密閉気孔径が結晶粒径に比べて大きくなりす
ぎて強度低下をきたし、耐熱衝撃抵抗性が低下するだけ
でなく、被熱処理材料の浸食が大きくなって耐食性の低
下をきたすので好ましくない。
【0019】(f)相対密度が70〜95%である。こ
の相対密度とは式
【数5】(焼結体かさ密度/理論密度)×100(%) で求めたものである。本発明において相対密度は70〜
95%であることが必要であり、より好ましくは75〜
90%であることが必要である。相対密度が70%未満
の場合は気孔量が多くなり、各々の気孔がつながって密
閉気孔径が大きくなり、強度低下や耐食性の低下をきた
すので好ましくない。また、相対密度が95%を越える
場合には耐熱衝撃抵抗性の低下をきたすので好ましくな
い。
【0020】本発明においては、ジルコニアを5容積%
以下含有していることが好ましい。ジルコニアの結晶相
は正方晶であることが好ましいが、立方晶および単斜晶
のいずれでも良い。ジルコニア原料粉末はジルコニア粉
末だけでなく、ジルコニアゾルや焼成によりジルコニア
となるジルコニウム化合物(ジルコンなど)を用いるこ
ともできる。また、ジルコニアにイットリアが1〜5モ
ル%含有していることがより好ましい。ジルコニア添加
量が5容積%を越える場合は、熱処理用部材の昇温・降
温の繰り返しにより、焼結体にマイクロクラックが発生
し、耐熱衝撃抵抗性の低下や耐久性に劣るので好ましく
ない。
【0021】本発明のムライト質焼結体からなる熱処理
用部材は種々の方法で作製できるが、その一例を以下に
示す。
【0022】原料粉末はAl+SiOの合計量
が99%以上、平均粒子径が2μm以下であることが好
ましく、より好ましくは1.5μm以下である。平均粒
子径が2μmを越える場合には、焼結体内部の欠陥が多
く存在するため、耐熱衝撃抵抗性をはじめとする機械的
特性の低下をきたすので好ましくない。原料粉末は共沈
法、ゾル−ゲル法等の液状原料から作製したムライト原
料はもちろんのこと、アルミニウム化合物とシリカ化合
物を均一に混合し、仮焼合成した原料粉末などが使用で
きる。
【0023】なお、焼結体に含有するTiO、Fe
、CaO、NaOおよびKOの合計含有量は2
重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重
量%以下である。不純物量が2重量%越えると結晶粒界
に第2相およびガラス相を多く形成し、高温特性の低下
をきたすので好ましくない。ジルコニアを添加する場合
はジルコニア含有量が所定量となるように各原料粉末に
配合し、溶媒として水または有機溶媒を用いて、ポット
ミル、アトリッションミル等の粉砕機により粉砕・分散
・混合する。
【0024】前記のようにして得られた粉体の平均粒子
径は1.5μm以下であることが必要で、より好ましく
は1.0μm以下である。粒度がこれらの範囲外の場合
は、成形性が低下し、得られた焼結体に欠陥が多く存在
するだけでなく、本発明の微構造を有した焼結体が得ら
れず、耐熱衝撃抵抗性が低下するだけでなく、その他の
機械的特性および耐食性も低下するので好ましくない。
【0025】成形方法としてはプレス成形、ラバープレ
ス成形等の方法を採用する場合には、粉砕・分散スラリ
ーに必要により公知の成形助剤(例えばワックスエマル
ジョン、PVA、アクリル系樹脂等)を加え、スプレー
ドライヤー等の公知の方法で乾燥させて成形粉体を作製
し、これを用いて成形する。また、鋳込成形法を採用す
る場合には、粉砕・分散スラリーに必要により公知のバ
インダー(例えばワックスエマルジョン、アクリル系樹
脂等)を加え、石膏型あるいは樹脂型を用いて排泥鋳
込、充填鋳込、加圧鋳込法により成形する。さらに、押
出成形法を採用する場合には、粉砕・分散したスラリー
を乾燥させ、整粒し、混合機を用いて水、バインダー
(例えばメチルセルロース等)を混合して坏土を作製
し、押出成形する。
【0026】以上のようにして得た成形体を1500〜
1800℃、より好ましくは1550〜1750℃で焼
成することによって焼結体を得る。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を説明するが、
本発明はこれにより何ら限定されるものでない。
【0028】実施例1 所定のAl/SiO重量比からなり、平均粒子
径1.5μmからなるムライト原料粉末にジルコニアを
添加する場合は、所定量のジルコニア粉末を配合し、ポ
ットミルで溶媒に水あるいはエタノールを用いて粉砕・
分散・混合し、スラリーを作製した。気孔形成剤として
はアクリル系樹脂球状粒子または多糖類球状粒子を所定
の気孔率および気孔径になるように添加、混合した。前
記ジルコニア粉末はYを0〜5モル%含有してお
り、比表面積が15m/gである粉末を用いた。得ら
れたスラリーを石膏型を用いて鋳込成形し、1450〜
1800℃で焼成して、一辺が100mmの正方形で、
高さが50mmの角型熱処理用容器を作製した。得られ
た熱処理用容器の耐熱衝撃抵抗性を調べるため、得られ
た熱処理用容器の中に40メッシュの電融ジルコニア粉
末を500g入れ、フタをして、所定の温度に保持した
電気炉に入れ、30分加熱保持し、炉外へ即座に取り出
し、室温下で急冷し、割れの有無により耐熱衝撃抵抗性
を評価した。また、上記と同条件で580℃で繰り返し
によるクラック発生に有無について評価した。試料N
o.1〜9は本発明のスピネル質焼結体からなる熱処理
用部材であり、試料No.10〜18は本発明の要件を
少なくとも1つ以上満足しない試料である。すなわち、
試料No.10は、ムライト結晶相が77容量%と少な
く、試料No.11は、(平均密閉気孔径)/(平均結
晶粒径)が高すぎ、試料No.12は、相対密度が97
%と高すぎ、試料No.13は、相対密度が67%と低
すぎ、試料No.14は、平均結晶粒径が1.3μmと
小さすぎ、試料No.15は、平均密閉気孔径が61μ
mと大きすぎ、試料No.16は、ガラス相含有率が1
6容量%と多すぎ、試料No.17は、ジルコニア含有
量が多すぎ、試料No.18は、平均結晶粒径が1.6
μmと小さすぎ、また密閉気孔ではない点で本発明外の
ものである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明は耐熱衝撃抵抗性、耐食性および
高温下での変形にすぐれるため、熱処理用部材として圧
電体、誘電体などの電子部品材料、リチウムイオン2次
電池正極材料、蛍光体材料およびセラミック材料の熱処
理用容器、単結晶育成用ルツボ、金属溶解用ルツボ、各
種熱処理用炉芯管、ローラハースキルン用ローラ、サポ
ートチューブ、ラジアントチューブ、ガス吹込管、ガス
採取管、測温用熱電対および各種機器用の保護管、サポ
ート用治具材などに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明のムライト質焼結体の1つの
サンプルの微構造写真であり、(B)は、本発明のムラ
イト質焼結体の1つのサンプルの気孔分布状態を示す。
フロントページの続き (72)発明者 谷 和哉 大阪府堺市遠里小野町3丁2番24号 株式 会社ニッカトー内 (72)発明者 河波 利夫 大阪府堺市遠里小野町3丁2番24号 株式 会社ニッカトー内 Fターム(参考) 4G030 AA36 AA37 BA01 BA09 BA10 BA23 BA28 BA33 CA04 HA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶相としてムライト結晶を80容積%
    以上含有するムライト質焼結体であって、(a)ガラス
    相が10容積%以下であり、(b)焼結体に存在する気
    孔は主として密閉したものであり、(c)その平均密閉
    気孔径が2〜50μm、(d)焼結体の平均結晶粒径が
    2〜30μm、(e)焼結体の平均密閉気孔径/平均結
    晶粒径が0.1〜6、(f)焼結体の相対密度が70〜
    95%であることを特徴とするムライト質焼結体よりな
    る熱処理用部材。
  2. 【請求項2】 α−Al結晶が10容積%以下で
    ある請求項第1項記載のムライト質焼結体からなる熱処
    理用部材。
  3. 【請求項3】 ジルコニアを5容積%以下含有している
    ものである請求項1または2記載のムライト質焼結体か
    らなる熱処理用部材。
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