JPH0772272A - ストップウォッチ - Google Patents

ストップウォッチ

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JPH0772272A
JPH0772272A JP3106519A JP10651991A JPH0772272A JP H0772272 A JPH0772272 A JP H0772272A JP 3106519 A JP3106519 A JP 3106519A JP 10651991 A JP10651991 A JP 10651991A JP H0772272 A JPH0772272 A JP H0772272A
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cams
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ストップウォッチ機構の部材を時計の表面全
体に適切に分散させることである。 【構成】 本発明は、始動/停止カム(48)とゼロリセッ
トカム(49)とを有しており、これらの両カムは時計ムー
ブメントの周縁部に互いに重ね合わせて同心的に配置さ
れたリングで構成され、これらの両カム(48、49)の外周
にそれぞれラチェット歯(97)及びノッチ(98a.98b)を形
成して、それらに2つのレバー(100、101)が作用するこ
とによってカム(48、49)を回転駆動することができ、ま
たそれらの内周には、ストップウォッチ機構を形成して
いる歯車機構のための制御レバーに作用する歯(96)及び
ノッチ(99)がそれぞれ形成されていることを特徴として
いるストップウォッチによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3つの標準的機能、す
なわち始動、停止及びゼロリセットのための制御構造を
備えたストップウォッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】標準的ストップウォッチの大部分では、
これらの3つの機能はコラム歯車で制御されている。図
1に示されているように、コラム歯車1は、下部に三角
歯2を、上部にコラム3を備えた回転部材である。大レ
バー5の端部4に圧力を加えると、大レバー5が矢印F
の方向へ回動して、それの他端部がコラム歯車の三角歯
2と協働することによってコラム歯車を回転駆動する。
コラム歯車が回転することによって、ハンマ6の端部が
押されて移動するため、中央歯車8のハート形部材7が
解放されると共に、中間レバー9も押されて移動するた
め、中間レバー9が中間歯車10に作用して、中間歯車10
が中央歯車8と接触して噛み合う。これによって、スト
ップウォッチが始動する。第2圧力を端部4に加える
と、これまではコラム3aで保持されて初期位置にあった
ブレーキ11の突起が2つの隣接したコラム3aと3bとの間
を搖動し、ブレーキ11の円弧部分12が移動して中央歯車
8を停止させる。これによって、ストップウォッチの停
止機能が得られる。最後に第3圧力を大レバー5に加え
ると、中間歯車10が解放されて、ハンマ6がハート形部
材7に当接する位置へ移動することによって歯車8をゼ
ロ位置へ戻すため、ゼロリセットが実施される。
【0003】図1からわかるように、図示の例のコラム
歯車には6つのコラムと18の歯が設けられている。こ
のため、先のコラムを次のコラムに代えるためには、大
レバー5を3回押す必要があり、これはストップウォッ
チの3つの機能に相当する。
【0004】コラム歯車を用いると、ストップウォッチ
の構造が複雑になり、機能を制御するハンマ及びレバー
の端部を1カ所に集中させなければならない。コラム歯
車を用いないで構造を簡単にすることを狙った構造のス
トップウォッチもすでに知られている。
【0005】これを目的として、スイス特許CH-466,152
は、一端部が始動押しボタンで、他端部が第2停止押し
ボタンで作動される第1レバーと、第3のゼロリセット
押しボタンによって作動される第2レバーとを有するス
トップウォッチを記載している。同様に、スイス特許CH
-579,794は、コラム歯車に代えて、3段階で3つのスト
ップウォッチ機能を実施するカムを用いたストップウォ
ッチを記載している。しかし、これらの構造では機構の
部材をストップウォッチの表面全体に適切に分散配置す
ることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、これらの問題点を解決することである。すなわち、
具体的にはコラム歯車を用いないでストップウォッチの
機構の部材を分散配置し得るストップウォッチを提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は始動
/停止レバーに作用して始動及び停止を制御する第1押
しボタンと、ゼロリセットレバーに作用してゼロリセッ
トを制御する第2押しボタンとを設けたストップウォッ
チ機構を有するストップウォッチを提供するものであ
る。本発明によるストップウォッチは、始動/停止カム
と、ゼロリセットカムとを有しており、両カムは時計ム
ーブメントの周縁部に互いに重ねて同心的に配置された
リングによって構成されている。両カムの外周にはそれ
ぞれラチェット歯及びノッチが設けられて、それらに対
して2つのレバーが作用してカムを回転駆動するように
なっており、また両カムの内周には、ストップウォッチ
機構を構成する歯車機構のための制御レバーに作用する
歯及びノッチがそれぞれ設けられている。
【0008】これらの環状の制御カムを用いることによ
って、制御レバー、すなわちハンマ及びレバーは、それ
らの端部を環状カムの内周部に接触させるようにして、
時計ムーブメントの表面全体に分散させることができ
る。このため、制御レバーを従来のコラム歯車のように
1カ所に集中させる必要がなくなる。本発明は、添付の
図面を参照した非制限的な好適な実施例についての以下
の説明からさらに明らかになるであろう。
【0009】
【実施例】以下の説明において、3時、6時、9時、1
2時、高低、上方及び下方は、ストップウォッチを上か
ら見た、すなわち文字盤側から見た位置を表すように用
いられる。
【0010】図2、3、4及び特に図11に示されている
ように、一般的にストップウォッチは、中心にハート形
部材21及び駆動フィンガ22を備えたクロノグラフ歯車20
を有しており、それの周囲の3時と6時の位置には、ハ
ート形部材24を備えた分計測歯車23と、ハート形部材26
を備えた時間計測歯車25とがそれぞれ配置されている。
図面を簡略化するため、これらの各計測器の針及びスト
ップウォッチの秒針は図示されていない。図6及び7か
らわかるように、ハート形部材21はクロノグラフ歯車20
の上に配置されており、垂直方向に延出している駆動フ
ィンガ22は、ハート形部材21の上方に設けられている。
ハート形部材24は分計測歯車23の上側に配置されている
が、ハート形部材26は反対に時間計測歯車25の下側に配
置されている。
【0011】ストップウォッチには中央秒表示部が設け
られておらず、実時間の秒表示は、文字盤の9時の位置
に小型秒歯車27(図12)を介して設けられた偏心目盛り
で行われる。
【0012】図5からわかるように、小型秒歯車27は秒
心棒28から補助歯車29及び心棒30a回りに回転自在の中
間秒歯車30を介して駆動される。補助歯車29は、クロノ
グラフ歯車20の下方位置において秒心棒28に直接的に取
り付けられている。ストップウォッチを作動させると、
歯車29、30及び27が、例えばクォーツ時計の場合には1
秒に1段階ずつ回転して、実時間を表示するようになっ
ている。
【0013】本発明によるストップウォッチの歯車及び
ハート形部材は、ストップウォッチにおける標準的な使
用方法で用いられているので、当業者であれば、さらに
説明を加えなくてもそれらを容易に製造組み立てできる
であろう。
【0014】さらに、中間秒歯車30の上方にはそれと同
軸的にクラッチ歯車31が設けられ、心棒30aに沿って摺
動して、係合位置及び離脱位置の2つの位置を取ること
ができるようになっており、クラッチ歯車31は係合位置
では歯車30と接触してそれを摩擦力で回転させると共
に、クロノグラフ歯車20と噛み合っており(図5Bに示さ
れている下方位置)、離脱位置では中間秒歯車30とは接
触しないが、歯車20とは噛み合い続けている(図5Aに示
されている上方位置)。その結果、歯車20は、クラッチ
歯車31が係合位置にある時の歯車30と同じ速度で回転す
る。
【0015】クラッチ歯車31の上方にはそれからわずか
な間隔をおいてカラー32が設けられており、その間には
後述のクラッチ制御部34が係合する係合溝33が形成され
ている。このクラッチ歯車31は、心棒30aにはめ付けら
れたプレート35aに留め付けられたワッシャ34によって
歯車30と係合した状態に保持されており、ワッシャはカ
ラー32に対して歯車31及び30を係合させる方向の圧力を
加えている。クラッチ歯車31は、互いに協働する2つの
部材36及び37で形成されている(図12を参照)。
【0016】部材36は、ほぼ矩形のアームであって、一
方の端部は二股部38になっており、他端部には2つの脚
39及び40が設けられている。部材36は2つのスタッド41
及び42によって位置決めされており、図示しないブリッ
ジで保持されている。また、アーム36の中央部分に傾斜
面43が設けられている。図5に示されているように、二
股部38が係合溝33にはまっており、カラー32を介してク
ラッチ歯車31を上昇させることができるようになってい
る。離脱位置(図5A)にある時、歯車31はワッシャ35の
反作用を受ける。係合位置(図5B)にある時、アーム36
はスタッド41、42回りにほぼ自由である。
【0017】部材37は、ピボット44回りに搖動可能なレ
バーであって、ピボット44から延出した3つの枝部分
を、すなわち端部が傾斜面43に直接的に作用するクラッ
チ枝部分45と、ばねとして作用して時計のベースプレー
トに押し付けられる弾性枝部分46と、以下に説明する2
つの制御カム48、49と接触する制御枝部分47とを有して
いる。クラッチ枝部分45と、バネとして作用する枝部分
46とは、これらの2つの枝部分45及び46を拡散または接
近させることによって、すなわちバネとして作用する枝
部分46のたわみを増減することによって開閉するU字形
を形成している。
【0018】このため、図2に示されている場合のよう
に内向きの力が制御枝部分47に加えられると、レバー37
及びクラッチ枝部分45がばね46に逆らってピボット44回
りに時計ムーブメントの外側に向かって回転する。反対
に、制御枝部分47が解放されると(図3を参照)、ばね
46がレバー37を反対方向へ移動させようとし、これによ
ってクラッチ枝部分45が時計の中心に向かって回転し
て、傾斜面43と接触するため、アーム36をわずかに持ち
上げる結果、クラッチ歯車31が離脱する。このように、
図5A及び5Bにおいて、枝部分45が右方向へ移動すると、
その結果として傾斜面43を介して二股部38が持ち上げら
れ、歯車31が離脱することが理解されるであろう。
【0019】図2、6、7及び11からわかるように、分
計測歯車23と、時間計測歯車25と、クロノグラフ歯車20
との間にスライダアセンブリ50が配置されており、この
スライダアセンブリ50は、軸方向に一定の間隔をおいて
設けられた軸受51a、51b内に回動可能に取り付けられた
心棒51と、心棒51にはめ付けられたハブ52とを有してお
り、ハブの端部に設けられた環状の肩部の一方に滑り歯
車53aが支持され、他方に駆動フィンガ53bが支持されて
いる。さらに、ハブ52には環状の切り込み53cが付けら
れており、これと駆動歯車53aとによって溝が形成され
るが、それの機能については以下に説明する(図6及び
7を参照)。
【0020】図6及び7に示されているように、クラッ
チ歯車31について前述した仕組みとまったく同様にして
滑り歯車53aは2つの位置を取ることができ、その一方
である離脱位置(点線で示されている上方位置)では、
歯車53aはクロノグラフ歯車20のハート形部材21の駆動
フィンガ22と噛み合わず、また駆動フィンガ53bは時間
計測歯車25と噛み合わないのに対して、係合位置(実線
で示されている下方位置)では、歯車53aはの駆動フィ
ンガ22と噛み合い、また駆動フィンガ53bは時間計測歯
車25と噛み合う。スライダアセンブリの2つの位置、す
なわち係合及び離脱位置において、歯車53aは常に分計
測歯車23と噛み合っている(図6を参照)ことがわかる
であろう。
【0021】図8、11及び12からわかるように、制御レ
バー54がスライダアセンブリ50を作動させており、この
制御レバー54は時間計測ハンマ55によって移動される。
制御レバー54は、一端部が2つのスタッド56、57によっ
てベースプレートに取り付けられた弾性ブレードであ
る。他端部58は溝53cにはまって、ブレードの固有弾性
に逆らってアセンブリを降下させることができるように
なっている。また、ブレード54の6時の方向を向いた縁
部には、ハンマ55と協働できるように下向きに6時の方
向へ延出した傾斜面60が設けられている。
【0022】ハンマ55は、一端部61がピボット62(図12
を参照)回りに回動可能に取り付けられたレバーを有し
ている。この端部61には、以下に説明する制御カム48、
49と協働して作動する突起63も設けられている。レバー
の他端部はハンマヘッド64になっている。ヘッド64に
は、時間計測歯車25のハート形部材26と協働する傾斜部
65と、制御レバー54の傾斜面60と協働する制御脚66とが
設けられている。
【0023】また、ばねプレート67が制御レバー54の下
側に設けられて、時間計測歯車25のハンマ55をハート形
部材26を押し付けることができるようになっている。こ
のプレートは、やはりスタッド56及び57で固定された部
分68を備えており、ばねブレード69が側方へ延出してい
る。ばねブレード69の自由端部は、時間計測歯車25のハ
ンマ55のボス70に当接している。
【0024】突起63の作動によってハンマ55が図2及び
3に示されている第1位置へ回動している時、ハンマヘ
ッド64の制御脚66は傾斜面60を通過して、制御レバー54
の上表面に載っており、このため制御レバー54の端部58
が下げられるため、スライダアセンブリ50は計測歯車2
3、25及びクロノグラフ歯車20の駆動フィンガ22と噛み
合う位置を取る。図4に示されている第2位置では、ハ
ンマヘッド64が時間計測歯車25のハート形部材26に当接
している。この第2位置では、レバー54はそれ自身の弾
性によって上向きに曲がって、スライダアセンブリ50を
持ち上げる。プレート67のばねブレード69がさらにハン
マ55をこの第2位置に維持している。ハンマ55によって
時間計測歯車25がゼロにリセットされる。これらの2つ
の位置は、図8A及び8B図にも示されている。
【0025】同様にして、クロノグラフ歯車20及び分計
測歯車23は、クロノグラフハンマ71が作用するそれぞれ
のハート形部材21及び24を介してゼロに戻される(図13
を参照)。
【0026】クロノグラフハンマ71は、2つの部材から
なるアセンブリを有している。第1部材72はV字形に配
置された2つの枝部分からなり、一方の枝部分はばねを
形成して、その端部はムーブメントの周縁部に設けられ
た当接部74に当接しており、他方は制御枝部分75であっ
て、その自由端部はピボット76の回りに回動可能に取り
付けられており、突起77が設けられている。第2部材78
も2つの枝部分を有しており、一方の短い枝部分79の終
端部には、クロノグラフ歯車20のハート形部材21と協働
する傾斜部80が形成されており、他方の長い枝部分81の
終端部には、分計測歯車23のハート形部材24と協働する
傾斜部82が形成されている。第2部材78は第1部材72の
上方にリベット83で組み付けられて、それを中心に回転
可能に取り付けられている。さらに、第1部材72には楕
円形のオリフィス84が設けられているのに対して、第2
部材78には下向きの突起85が設けられて、2つの部材72
及び78を組み合わせた時、その突起85が楕円形のオリフ
ィス84にはまるようになっている。突起85の幅を楕円形
オリフィス84の幅よりも小さくして、部材72と78との間
にわずかな横方向の遊びjを形成することによって、そ
れらに小さい相対回転隙間を与えている。
【0027】クロノグラフハンマ71は2つの位置を取る
ことができる。図4に示されている第1位置では、傾斜
部80及び82がばね73の作用によってそれぞれハート形部
材24及び21に当接している。休止位置を示している図4
では、それらはハート形部材の平坦部分に当接している
が、ストップウォッチのゼロリセット時には円弧部に当
接する。図2及び3に示されている第2位置では、クロ
ノグラフハンマ71がハート形部材24及び21から離れて、
ばねを形成している枝部分73を大きくひずませている。
2つの部材間のわずかな横方向の遊びjによって、ハン
マ71がハート形部材21及び24に当接する時に2つの傾斜
部80及び82がそれぞれハート形部材に接触することがで
きるが、ハンマ71が単一の部材で形成されている場合に
は必ずしもそのようにはならない。
【0028】ストップウォッチの作動時には歯車20が回
転し、停止機能へ進めたい場合、ブレーキレバー86(図
13)を介してクロノグラフ歯車20を停止させることがで
きる。ブレーキレバー86はV字形をしており、一方の枝
部分に設けられた屈曲端部87が、ブレーキレバー86用の
制御レバー88と直接的に係合しており、他方の枝部分は
ほぼ矩形であって、クロノグラフ歯車20と接触してそれ
を停止させるブレーキ面89が一方の側面に形成されてい
る。制御レバー88はそれのほぼ中間部分で軸90の回りに
回動可能に取り付けられており、ブレーキレバー86の端
部87に作用するエルボー形制御アーム91と、自由端部に
前突起92及び後突起93を設けた第2アームとを備えてい
る。
【0029】これらの2つの突起は、以下に作動につい
て説明する制御カム48及び49によって作動されて、制御
レバー88を回動させ、それによってブレーキレバー86を
回動させる。さらに、分計測歯車23及び時間計測歯車25
はそれぞれジャンパ94及び95によって位置決めされる。
それらの構造は標準的なものであるから、詳細な説明は
行わない(図11を参照)。
【0030】本発明による3つのストップウォッチ機能
の制御構造体は、特に始動/停止カム48と、ゼロリセッ
トカム49とを有している。理解を助けるため、それらの
カムが図9及び10に別々に示されている。それらは、外
周で案内されて互いに重ねられた2つの同心リングで構
成されており、カム49がカム48の下側に配置されている
(図2、3及び4を参照)。これらのカムは、標準的時
計ムーブメントにおける日付ディスクと同様に、ムーブ
メントのベースプレートに設けられたギザ付き部分(図
示せず)によって案内される。
【0031】クロノグラフカム48は反時計回り方向(矢
印F’)へ単一方向移動可能である。それの内周全体に
一連の同一の台形の歯96が付けられており、外周全体に
一連の同一の三角ラチェット歯97が付けられている。ス
トップウォッチの作動をわかりやすくするため、図2、
3及び4ではそれらの歯96及び97の一部が文字記号を付
けて区別されている。
【0032】ゼロリセットカム49は、時計回り方向(矢
印F1)または反時計回り方向(矢印F2)のいずれか
に1段階ずつ進むようにして両方向へ移動可能である。
それの外周のほぼ5時半の位置にノッチ98aが、またほ
ぼ12時半の位置にノッチ98bが設けられている。それ
の内周には、間隙99aが外側ノッチ98bの位置から延在し
ており、また内側ノッチ99fが2時の位置に設けられて
いる。さらに、内側ノッチ99b,99c,99d及び99eがそれぞ
れ9時、7〜8時の間、7時及び4時の位置に設けられ
ている。図14に示されてるように、カム48及び49は始動
/停止レバー100とゼロリセットレバー101とによって作
動させられ、これらの両レバーはほとんど同じ形状をし
ている。始動/停止レバー100は一端部でピボット102の
回りに移動可能である一方、ゼロリセットレバー101は
一端部でピボット103の回りに移動可能である。始動/
停止レバー100にはそら豆形の開口104が設けられてお
り、これはレバーの3つの特定位置を定める、すなわち
ピボット103が開口の丸形内端部と接触している休止位
置と、同ピボット103が開口の他方の丸形外端部106と接
触している不安定位置と、開口104の側縁部によって形
成されてキャッチ104aを形成している尖端部からの中間
移行位置とを定める。
【0033】さらに、レバー100の外表面上の開口104に
近接した位置に、直角に曲げられたブレードまたはパレ
ット107が設けられており、これに対してほぼ2時の位
置に設けられた押しボタン2Hが作用するようになってい
る。また、それの自由端部の外側に突起108が、内側に
ガイドヘッド108aが設けられており、ガイドヘッド108a
は図示しない支持体上を摺動して、突起108をカム48、4
9に平行に案内する。レバー100は2つのカム48、49の下
方に配置されているが、上向きに延出している突起108
は、押しボタン2Hが押される毎に、両カムを反時計回り
方向へ半段階ずつ移動さすることができる十分な長さに
なっている。
【0034】同様に、ゼロリセットレバー101には、キ
ャッチ109aと2つの丸形部分110及び111とを備えた開口
109と、パレットブレード112と、突起113とガイドヘッ
ド113aとが設けられている。このレバーは、ほぼ4時の
位置に設けられた押しボタン4Hによって作動される。突
起113はゼロリセットカム49に対してだけ作用する。ゼ
ロリセットレバー101は、始動/停止レバー110の下方
に、先端部と末端部とが逆になるようにして配置されて
いるため、レバー101の回動中心であるピボット103がレ
バー100の開口104に挿通されており、反対側も同様にな
っている。このため、レバー100の回動中心であるピボ
ット102がレバー101の開口109に挿通されている。
【0035】さらに、ノッチ99f及び99eによって、ゼロ
リセットカム49はそれぞれのピボット103及び102によっ
て妨害されることなく前後移動できるが、その移動が1
段階に制限されていることがわかるであろう。ばねワイ
ヤ114が両端部でレバー100及び101に当接して、それら
と共に押しボタン2H及び4Hを休止位置へ移動させること
ができるようになっており、ばねワイヤ114は、本ムー
ブメントが取り付けられている時計のベースプレートP
(図14だけに示されている)の内壁上に支持されてる。
さらに、ムーブメントのベースプレート内に取り付けら
れたジャンパばね115の自由端部に、カム48の外歯97の
背面と協働する作動脚115aが設けられている。
【0036】次に、以上に説明したストップウォッチの
作用を説明する。ストップウォッチの1回の作用中に、
カム48は矢印F’の方向へ1つの歯96だけ進む。そのよ
うな移動は、2つの半段階で実施される。すなわち休止
位置(図4)から作動位置(図2)へ進むための半段階
と、作動位置(図2)から停止位置(図3)へ進むため
の半段階である。説明をわかりやすくするため図4に示
されている休止位置から移動する時に活動する歯が96に
文字記号を付けて表されている。この文字記号はカムに
よって制御される様々な機構の突起に対して1回の作動
で対応する歯を表している。すなわち突起47(歯96
a)、突起63(歯96b)、突起77(歯96c)、突起92(歯9
6d)及び突起93(歯96e)となっていることは理解され
るであろう。1回の作動の完了後は、図示されている歯
の次の歯が働いて次回の作動を実施することは理解され
るであろう。カム48の各半段階は、カム48の外周の1つ
の三角歯97を通過することに対応する。
【0037】ストップウォッチの始動 ユーザが押しボタン2Hに圧力を加えた時に始動する。図
4に示されている位置にある各部材は、図2に示されて
いる位置へ移動する。ユーザが押しボタン2Hに圧力を加
えると、その結果として始動/停止レバー100が回動し
て、丸形部分105がピボット103から離脱して、丸形部分
106がそれに当接する。この時、尖端部を強引に越える
感覚がキャッチ104aで得られ、それをユーザは感じ取る
ことができる。このレバーの突起108は、クロノグラフ
カム48及びゼロリセットカム49をF’及びF2の方向へ
半段階だけ押して、三角歯97の1つ及びノッチ98bに作
用する。クロノグラフカム48の歯96aがレバー37の制御
枝部分47を押す。枝部分45がアーム36を解放するため、
アーム36は降下して、図5Bに示されている位置を取る。
最初は上昇していたクラッチ歯車31が中間秒歯車30と接
触する。そして、クラッチ歯車31がクロノグラフ歯車20
及びクロノグラフ針(図示せず)を駆動する。
【0038】カム48の歯96b及びカム49のノッチ99cの面
が同時にハンマ55の突起63を上昇させ、その結果として
ハンマ55が回動して時間計測歯車25を解放する。その移
動の最後で、ハンマ55が制御レバー54の傾斜面60を押
し、その結果としてスライダアセンブリ50が降下して、
スライダアセンブリ50の歯車53aがクロノグラフ歯車20
の駆動フィンガ22と同じ高さへ移動する。同時に、駆動
フィンガ53bは時間計測歯車25と同じ高さになる。この
ため、両計測歯車は同時に駆動され、その作動力は、ム
ーブメントの実時間作動のための時計機構に属する心棒
28及び補助歯車29を介して与えられる。クロノグラフ歯
車20が1回転すると、それの駆動フィンガ22はスライダ
アセンブリ50を1段階だけ前進させ、その結果として分
計測歯車23が1段階だけ前進する。30分後、スライダ
アセンブリ50は1回転して、時間計測歯車25を1段階だ
け前進させる。
【0039】同時に、カム48の歯96c及びカム49のノッ
チ99bの面がクロノグラフハンマ71の突起77を押す。こ
れによって、傾斜部80及び82がハート形部材21及び24か
ら離脱するため、クロノグラフ歯車20及び分計測歯車23
が解放される。この移動中、カム48の歯96d及び96eも自
然に半段階だけ移動するが、カム48の歯96eがレバー88
の突起93を上昇させるまでは、レバー88の前突起92がカ
ム49の内周に形成された突出表面によって内部に維持さ
れているため、それらはブレーキ86のレバー88に作用す
ることができない。従って、ブレーキ86はクロノグラフ
歯車20から離れたままになっている。以上に説明した動
作はすべてほとんど同時に発生することは明らかであ
る。
【0040】ストップウォッチの停止 ここでも、説明する動作はほとんど同時に発生する。ス
トップウォッチの各部材は、図2に示されている作動位
置にある。ユーザが2度目の圧力を押しボタン2Hに加え
ると、ストップウォッチの各部材は移動して、図3に示
されている位置を取る。始動/停止レバー100は、ボタ
ン2Hに加えられた最初の圧力の後、図14だけに示されて
いるばねワイヤ114によって初期位置(図4)へ戻され
ている。このワイヤ114は十分に硬くして、レバー100の
戻り移動に対してキャッチ104aによって加えられる抵抗
に勝つことができるようにすると共に、突起108が押し
戻した歯に先行する歯97の上部を通過して、再びカム48
に作用できるようにしなければならない。また、始動/
停止レバー100の戻り移動中、カム48はジャンパばね115
によって保持されている。
【0041】押しボタン2Hの作用を受けて、始動/停止
レバー100は先の場合と同様に移動して、突起108がカム
48だけをF’の方向へ半段階前進させる。カム49には1
つのノッチ98bが設けられているだけであり、ストップ
ウォッチの始動時にすでに移動しているので、カム49は
回転しない。ブレーキ86の制御レバー88の前突起92は、
カム48の歯96dと96eとの間に、またカム49の間隙99aに
はまる。ブレーキ86の制御レバー88の後突起93は、カム
48の歯96eと次の歯との間にはまる。その結果、ブレー
キ86の制御レバー88が回動して、ブレーキ86のブレーキ
表面89がクロノグラフ歯車20と接触するため、それの回
転が停止される。現実的に、クロノグラフ歯車20に以下
に説明するような駆動が加えられない場合でも、歯車20
が不意に移動することによって経過時間の表示が失われ
ることがないように、それを停止させることが重要であ
る。クロノグラフハンマ71はカム49によって図2の位置
に保持されたままであるから、カム48の歯96cの移動は
クロノグラフハンマ71に影響を与えない。同じ理由か
ら、ハンマ55は移動しない。
【0042】レバー37の制御枝部分47は、カム48の歯96
aと次の歯との間の隙間に、またカム49のノッチ99dには
まる。アーム36が作動してクラッチ歯車31を上昇させ、
それを中間秒歯車30から離脱させる。このため、クロノ
グラフ歯車20は駆動されなくなる。ノッチ99dは、枝部
分47の移動を阻止しないようにするための間隙として設
けられているだけであることはわかるであろう。
【0043】ストップウォッチのゼロリセット この作動中に、ストップウォッチ部材は図3の位置から
図4の位置へ移動する。ゼロリセットは、ゼロリセット
レバー101に作用する押しボタン4Hを押圧して行われ
る。このゼロリセットレバー101は、レバー100で説明し
た回転移動と同様にして回転するが、それの突起113は
カム49だけに作用する。突起113はカム49のノッチ98aに
当接している。これが時計まわり方向(F1)に半段階
だけ回転して、以下に説明する順序で次の機能を実施す
る。
【0044】カム49の間隙99aの面が、レバー88の前突
起92を上昇させると、これによってブレーキ86が移動し
て、クロノグラフ歯車20を解放する。時間計測ハンマ55
の突起63がカム49のノッチ99cにはまって、クラッチレ
バー54を解放し、これによってスライダアセンブリ50が
上昇する。このため、スライダアセンブリ50はクロノグ
ラフ歯車20の駆動フィンガ22及び時間計測歯車25から離
脱する。次に、ハンマヘッド64がハート形部材26に当接
して、ハート形部材26は最初のゼロ位置へ戻る。同様に
して、クロノグラフハンマ71の突起77がカム49のノッチ
99bにはまって、傾斜部分80及び82がハート形部材24及
び21を回転させて、クロノグラフ歯車の針と共に分計測
歯車を初期位置へ移動させる。
【0045】可動部材のゼロへの戻り移動は、ハンマの
ばね(時間計測歯車25に対してはばね69、分計測歯車23
及びクロノグラフ歯車20に対してはばね73)の力で実施
される。カム49のノッチ99dは、ゼロリセット中にカム4
9が突起47に作用しないようすることができる十分な幅
に設けられている。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明ではコラム歯車を用
いずにストップウォッチを構成させることができ、しか
も各構成部材を分散させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストップウォッチの3つの機能を制御するコラ
ム歯車を備えた標準的ストップウォッチの上面図であ
る。
【図2】本発明によるストップウォッチの始動位置にお
ける上面図である。
【図3】本発明によるストップウォッチの停止位置にお
ける上面図である。
【図4】本発明によるストップウォッチのゼロリセット
位置における上面図である。
【図5】図2のV−V線に沿った断面図であって、クラ
ッチ歯車が取る2つの端部位置を示している。
【図6】図11のVIーVI線に沿った断面図である。
【図7】図11のVIIーVII線に沿った断面図である。
【図8】図12のVIIIーVIII線に沿った断面図である。
【図9】本発明による始動/停止カムの上面図である。
【図10】本発明によるゼロリセットカムの上面図であ
る。
【図11】図4の拡大詳細図であって、ストップウォッ
チの部材を示している。
【図12】図4の拡大詳細図であって、ストップウォッ
チの部材を示している。
【図13】図4の拡大詳細図であって、ストップウォッ
チの部材を示している。
【図14】図4の拡大詳細図であって、ストップウォッ
チの部材を示している。
【符号の説明】
2H、4H 押しボタン 48 始動/停止カム 49 ゼロリセットカム 96、97 歯 98、99 ノッチ 100 始動/停止レバー 101 ゼロリセットレバー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯車を設けたストップウォッチ機構と、始
    動/停止レバーに作用してストップウォッチ機構の始動
    及び停止を制御する第1押しボタンと、ゼロリセットレ
    バーに作用してストップウォッチ機構のゼロリセットを
    制御する第2押しボタンと、始動/停止カムと、ゼロリ
    セットカムとを有しており、両カムは時計ムーブメント
    の周縁部に互いに重ねて同心的に配置されたリングによ
    って構成されており、両カムの外周にはそれぞれラチェ
    ット歯及びノッチが設けられて、それらに対して2つの
    レバーが作用してカムを回転駆動するよう構成され、ま
    た両カムの内周には、ストップウォッチ機構を構成する
    歯車機構のための制御レバーに作用する歯及びノッチが
    それぞれ設けられていることを特徴とするストップウォ
    ッチ。
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