JP3568907B2 - 停止レバーを備えたクロノグラフ時計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロノグラフ時計に関するもので、特に、「時」、「分」、「秒」を計測して、それぞれの計測結果をクロノグラフ時針、クロノグラフ分針、クロノグラフ秒針で表示するクロノグラフ時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
図32を参照すると、従来のクロノグラフ時計においては、香箱車110が表輪列312を回転させる。ぜんまい(図示せず)が香箱車110内に配置され、クロノグラフ時計の動力源を構成する。香箱かな912が香箱車スリップ機構910を介して香箱車110に取付けられている。時クロノグラフ中間車914が香箱かな912の回転により回転するように組み込まれる。時クロノグラフ歯車916が時クロノグラフ中間車914の回転により回転するように組み込まれる。時クロノグラフ車真920が時クロノグラフスリップ機構918を介して時クロノグラフ歯車916に取付けられ、時クロノグラフ車真920に取付けられたクロノグラフ時針128により、1時間経過のような「時」の経過時間の計測結果を表示する。
【0003】
秒クロノグラフ輪列316が表輪列312の回転により回転するように組み込まれる。秒クロノグラフ車真934が、秒クロノグラフスリップ機構932を介して秒クロノグラフ輪列316に連結される。秒クロノグラフ車真934に取付けられたクロノグラフ秒針118により、1秒経過のような「秒」の経過時間の計測結果を表示する。
分クロノグラフ輪列940が秒クロノグラフ輪列316の回転により回転するように組み込まれる。分クロノグラフ車真944が、分クロノグラフスリップ機構942を介して分クロノグラフ輪列940に連結される。分クロノグラフ真944に取付けられたクロノグラフ分針124により、1分経過のような「分」の経過時間の計測結果を表示する。秒クロノグラフ輪列316から分クロノグラフ輪列322への回転の伝達は、揺動車(図示せず)を介して行うように構成されている。
【0004】
このような従来のクロノグラフ時計においては、時クロノグラフスリップ機構918、秒クロノグラフスリップ機構932及び分クロノグラフスリップ機構942は、クラッチばねを含むように構成されている。そして、このクラッチばねを作動させて、クロノグラフ輪列の作動を制御するように構成されている。
また、従来のクロノグラフ時計においては、クロノグラフ時計をスタート/ストップさせるボタンを押すときに、このボタンによって作動する作動レバーを用いている。そして、この作動レバーを位置決めするのに線ばねを用い、作動レバーの一部を曲げて、この曲げ部に線ばねを引っ掛けている。
また、従来のクロノグラフ時計においては、リセットボタンを押してクロノグラフ針を復針させるときに、復針レバーを板ばねによって作動させている。
【0005】
また、従来のクロノグラフ時計においては、クロノグラフの動作開始および停止、帰零を制御するかんぬきの作用下に置かれるカムを有し、このカムがクロノグラフの種々の機能を制御するように構成されていた。
例えば、特開昭50−9463号公報及び特開昭50−9464号公報に、従来のクロノグラフ時計の構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のクロノグラフ時計では、下記の課題があった。
(1)時クロノグラフスリップ機構、秒クロノグラフスリップ機構及び分クロノグラフスリップ機構は、クラッチばねを含むように構成されているので、クロノグラフ機構を構成する部品数が多く、時計の構造が複雑であった。
(2)クロノグラフ時計を発進/停止させるスタート・ストップボタンを押すときに、このボタンによって作動する作動レバーの位置決め及び組立が困難であった。特に、作動レバーの位置決めに線ばねを用いているので、線ばねの曲げ具合を調整するのが難しかった。
(3)復針レバーの作動量が大きいクロノグラフ時計では、復針レバーを作動させるためのばねのたわみ量を大きくしなければならない。このため、復針レバーを作動させるためのばねが大きくかつ長くなり、ムーブメントのサイズを大きくする必要があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、クロノグラフ時計の発停作動をさせるのに適したレバー装置を備えた小型のクロノグラフ時計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のクロノグラフ時計は、クロノグラフ時計の基板を構成する地板と、クロノグラフ計測モードにおいて、香箱車の回転に基づいて秒の経過時間を計測するための秒クロノグラフ車を備える。
【0009】
更に、本発明のクロノグラフ時計は、クロノグラフ計測モードにおいて、香箱車の回転に基づいて分の経過時間を計測するための分クロノグラフ輪列を備える。
【0010】
更に、本発明のクロノグラフ時計は、クロノグラフ計測モードにおいて、香箱車の回転に基づいて時の経過時間を計測するための時クロノグラフ輪列を備える。
【0011】
更に、本発明のクロノグラフ時計は、秒クロノグラフ車の回転により秒の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ秒表示部材と、分クロノグラフ輪列の回転により分の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ分表示部材と、時クロノグラフ輪列の回転により時の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ時表示部材とを備える。
【0012】
更に、本発明のクロノグラフ時計は、地板に対して移動可能に設けられた作動レバーと、作動レバーの摺動移動に基づいて1つの方向に回転する作動カムとを備える。
【0013】
本発明のクロノグラフ時計では、作動カムはラチェット歯及び駆動歯を有し、ラチェット歯の歯数は駆動歯の歯数の2倍であり、作動レバーはラチェット歯に係合可能に設けられ、クロノグラフ計測を行わないモードにおいて、駆動歯の回転により、秒クロノグラフ車の回転を停止させることができるように構成された停止レバーを備えるように構成される。
【0014】
さらに、本発明のクロノグラフ時計は、香箱車の回転に基づいて回転する秒クロノグラフ中間車と、クロノグラフ計測モードにおいて、秒クロノグラフ中間車の回転に基づいて回転する秒クロノグラフ車と、秒クロノグラフ車の回転に基づいて秒の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ秒表示部材と、クロノグラフ計測を行わないモードにおいて、秒クロノグラフ中間車の回転を秒クロノグラフ車に伝達させず、クロノグラフ計測モードにおいて、秒クロノグラフ中間車の回転を前記秒クロノグラフ車に伝達させるための発停レバーとを更に備え、停止レバーの作動により、発停レバーが作動するように構成される。さらに、本発明のクロノグラフ時計では、秒クロノグラフ中間車の上軸部を回転可能に案内するための案内枠が発停レバーに設けられ、案内枠の外周部が、秒クロノグラフ車の上軸部を回転可能に案内する部材の当接部に当たることにより、クロノグラフ計測モードにおいて、発停レバーの位置を規正するように構成されている。それによって、本発明のクロノグラフ時計では、秒クロノグラフ中間車のかなと秒クロノグラフ車の歯車との噛み合いの状態を確実に維持することができる。
【0015】
更にまた、本発明のクロノグラフ時計は、停止レバーの回転により回転する時発停伝えレバーと、時発停伝えレバーの回転により回転する時発停レバーを更に備え、クロノグラフ計測を行わないモードにおいて、時発停レバーが時クロノグラフ輪列を構成する歯車の回転を規正し、クロノグラフ計測モードにおいて、時発停レバーが時クロノグラフ輪列を構成する歯車の回転を許容するように構成されているのが好ましい。
【0016】
このように構成することにより、クロノグラフ時計の発停作動を少ない部品で確実に行うことができる。しかも、本発明のクロノグラフ機構に用いられる各レバーは線ばねを必要としない。
【0017】
そして、本発明のクロノグラフ時計では、時発停伝えレバーが地板の一方の側に配置され、時発停レバーが地板の他方の側に配置され、地板の一方の側から地板の他方の側に貫通するようにもうけられ、かつ、時発停伝えレバーに設けられた時発停伝えレバー作動ピンを備え、時発停伝えレバー作動ピンの移動により、時発停伝えレバーの作動を時発停レバーに伝達させるように構成されるのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
なお、説明を明瞭にするために、それぞれの図面においては、本発明の構成と関連が薄い部分の構造の記載を省略してある。従って、従来のクロノグラフ時計と同様な構造を利用することができる切り換え装置、針合わせ装置、自動巻き装置、手巻き装置、カレンダ装置、カレンダ修正装置等に関する説明は省略する。
(1)表輪列及びクロノグラフ輪列の構成
(1−1)クロノグラフ機構を作動させていない状態
図1〜図5を参照すると、本発明のクロノグラフ時計のムーブメント(機械体)100は、地板102と、二番受120と、三番受122とを備えている。
【0019】
地板102の両側のうちで、文字板104のある方の側をムーブメントの「裏側」と称し、文字板104のある方の側と反対側をムーブメントの「表側」と称する。ムーブメントの「表側」に組み込まれる輪列を「表輪列」と称し、ムーブメントの「裏側」に組み込まれる輪列を「裏輪列」と称している。
文字板受リング106が地板102と文字板104との間に配置されている。文字板受リング106は、文字板104の裏面を受ける。
文字板104の表面の外周部分には、通常、1から12の数字又はこれに対応する略字等が設けられている。従って、時計の外周部分に沿う各方向をこの数字を用いて表現することができる。
【0020】
例えば、腕時計の場合には、
▲1▼ 腕時計の上方向、上側をそれぞれ「12時方向」、「12時側」と称し、
▲2▼ 腕時計の右方向、右側をそれぞれ「3時方向」、「3時側」と称し、
▲3▼ 腕時計の下方向、下側をそれぞれ「6時方向」、「6時側」と称し、
▲4▼ 腕時計の左方向、左側をそれぞれ「9時方向」、「9時側」と称する。
同様に、
▲5▼ 文字板の2時目盛に対応する方向、位置を「2時方向」、「2時位置」と称し、
▲6▼ 文字板の4時目盛に対応する方向、位置を「4時方向」、「4時位置」と称する。
例えば、図5において、ムーブメントの「12時方向」、「3時方向」、「6時方向」、「9時方向」を示す。この場合に、ムーブメントの「3時方向」には、巻真108が配置されている。
図3から図6を参照すると、香箱車110が三番受122及び地板102に回転可能に組み込まれる。香箱車110の中に設けられたぜんまい(図示せず)がクロノグラフ時計の動力源を構成する。二番車130が香箱車110の回転に基づいて回転するように設けられる。分伝えかな114が二番車130の回転に基づいて回転するように設けられる。分車132が分伝えかな114の回転に基づいて回転するように設けられる。この構造では、分伝えかな114はアイドラを構成する。分車132に取付けられた分針134が「分」の表示を行うように構成されている。
【0021】
図3を参照すると、三番車136が二番車130の回転に基づいて回転するように設けられる。三番車136は三番受122及び地板102に、回転可能に支持される。秒車154が三番車136の回転に基づいて回転するように設けられる。秒車154は三番受122及び地板102に、回転可能に支持される。秒車154は1分間に1回転、回転するように設けられる。秒車154に取付けられた秒針156が「秒」の表示を行うように構成されている。秒車154の回転中心は分車132の回転中心とは異なる。すなわち、秒針156はいわゆる「小秒針」を構成する。
てんぷ140が時計の調速装置を構成し、アンクル142及びがんぎ車144が時計の脱進装置を構成する。秒車154の回転は、てんぷ140、アンクル142及びがんぎ車144によって制御される。分車132は1時間に1回転するように設けられている。
【0022】
図4を参照すると、日の裏車146が分車132の回転に基づいて回転するように設けられる。筒車148が、日の裏車146の回転に基づいて12時間に1回転するように設けられる。筒車148の歯車部分148aは、地板102と日車押さえ272との間に配置される。筒車148に取付けられた時針150が「時」の表示を行うように構成されている。本発明のこの構成では、分車132の回転中心と、筒車148の回転中心は同一である。
図5を参照すると、香箱車110の回転中心は、ムーブメントの「3時方向」と「6時方向」との間に位置している。てんぷ140の回転中心は、ムーブメントの「9時方向」と「12時方向」との間に位置している。秒車154の回転中心は、ムーブメントのほぼ「9時方向」に位置している。二番車130の回転中心、分車132の回転中心、及び三番車136の回転中心は、ムーブメントの「6時方向」と「9時方向」との間に位置している。
【0023】
図1を参照すると、クロノグラフ機構を作動させていない状態では、秒クロノグラフ中間車212が、発停レバー442及び地板102に回転可能に組み込まれる。秒クロノグラフ中間車212は、秒クロノグラフ中間かな212a及び秒クロノグラフ伝えかな212bを備える。秒クロノグラフ中間かな212aは秒車154と噛み合っている。秒クロノグラフ中間車212は秒車154の回転に基づいて回転するように設けられる。
秒クロノグラフ車214が、クロノグラフ受202及び二番受120に回転可能に組み込まれる。秒クロノグラフ車214の回転中心と、分車132及び筒車148の回転中心とは同一である。針座170が、秒クロノグラフ車214をクロノグラフ受202に押し付けるように、秒クロノグラフ車214の太軸部gと二番受120との間に組み込まれる。針座170を使用することにより、秒クロノグラフ車214の回転時のクロノグラフ秒針118の作動を安定させることができる。
【0024】
図1及び図7を参照すると、クロノグラフ機構を作動させない状態では、発停レバー442がクロノグラフ機構を作動させないように、回転中心442tを中心として矢印442uの方向に回転移動する。その結果、秒クロノグラフ伝えかな212bは秒クロノグラフ車214と噛み合わないように構成されている。
これに対して、クロノグラフ機構を作動させている状態では、後述するように、発停レバー442がクロノグラフ機構を作動させるように、回転中心442tを中心として矢印442vの方向に回転移動する。その結果、秒クロノグラフ伝えかな212bが秒クロノグラフ車214と噛み合うように構成されている。このような秒クロノグラフ伝えかな212bと秒クロノグラフ車214とが噛み合っている状態では、秒クロノグラフ車214は1分間に1回転するように構成されている。
【0025】
クロノグラフ秒針118が秒クロノグラフ車214に取付けられ、秒の経過時間の計測結果を表示するように構成されている。クロノグラフ秒針118はクロノグラフ秒表示部材であり、時計針であってもよいし、円板や、キャラクターの手又は足や、花又は星等の形態であってもよい。
本発明のクロノグラフ時計を自動巻時計として構成する場合には、回転錘(図示せず)をクロノグラフ受202に回転可能に組み込む。自動巻時計は、回転錘の回転により自動巻機構(図示せず)を介してぜんまい(図示せず)を巻き上げるように構成するのがよい。
秒ハートカム220が秒クロノグラフ車214に固定され、秒クロノグラフ車214と一体に回転するように構成される。
【0026】
図1に示すように、クロノグラフ機構が作動していない状態では、発停レバー442は、秒クロノグラフ伝えかな212bが秒クロノグラフ車214から離れるように、秒クロノグラフ伝えかな212bを位置決めする。
図2を参照すると、分クロノグラフ中間車258がクロノグラフ受202及び三番受122に回転可能に組み込まれる。分回しつめ256が秒クロノグラフ車214に固定される。
図8及び図9を参照すると、秒クロノグラフ車214は秒クロノグラフ歯車214aと、秒クロノグラフ真214bと、秒ハートカム220と、分回しつめ256とを有するように構成されている。分回しつめ256は、ばね性を有するように、弾性材料で構成されている。分回し部分256aが分回しつめ256に設けられ、分クロノグラフ中間車258の歯車部分に当たる。
【0027】
秒クロノグラフ車214が1回転すると、分回しつめ256が分クロノグラフ中間車258の歯車部分を送ることにより、分クロノグラフ中間車258を1歯分だけ回転させる。
分クロノグラフ車260がクロノグラフ受202及び地板102に回転可能に組み込まれる。分クロノグラフ車260は、分クロノグラフ中間車258の回転に基づいて回転するように構成されている。分ジャンパ264が分クロノグラフ車260の回転を弾性力により規正する。分ハートカム262が分クロノグラフ車260に固定される。
クロノグラフ分針124が分クロノグラフ車260に取付けられ、クロノグラフ機構の作動中、例えば、「1分間」のような「分」の経過時間の計測結果を表示するように構成される。
【0028】
クロノグラフ分針124はクロノグラフ分表示部材であり、時計針であってもよいし、円板や、キャラクターの手又は足や、花又は星等の形態であってもよい。
図10及び図11を参照すると、時クロノグラフ伝え車(A)246が地板102及び三番受122に回転可能に組み込まれ、香箱車110の回転に基づいて回転するように構成されている。時クロノグラフ伝え車(A)246の上案内軸部は、三番受122に案内されるように構成してもよいし、クロノグラフ受202に案内されるように構成してもよい。
時クロノグラフ伝え車(B)244が歯車部分244aと、案内軸部分244bと、嵌め合い部分244cを有する。時クロノグラフ伝え車(B)244は、その歯車部分244aを地板102の文字板側に配置して、案内軸部分244bを地板102に回転可能に組み込まれる。時クロノグラフ伝え車(C)242が時クロノグラフ伝え車(B)244の嵌め合い部分244cに組み込まれる。
【0029】
図12を参照すると、時クロノグラフ伝え車(C)242は、弾性変形可能なばね部242aと、当接部242bと、案内部242cとを有する。当接部242bはばね部242aの先端側の部分に設けられる。当接部242bと案内部242cが時クロノグラフ伝え車(B)244の嵌め合い部分244cに組み込まれる。従って、時クロノグラフ伝え車(C)242は、時クロノグラフ伝え車(B)244に対して、所定のスリップトルクを超えるとスリップすることができる。本発明の実施の形態では、このスリップトルクが、例えば、約0.2g・cmになるように構成されている。
この構成では、香箱車110の回転により時クロノグラフ伝え車(A)246が回転し、時クロノグラフ伝え車(A)246の回転により、時クロノグラフ伝え車(C)242及び時クロノグラフ伝え車(B)244が一体となって回転するように構成されている。
【0030】
時クロノグラフ車250が地板102及び日車押さえ272に回転可能に組み込まれ、時クロノグラフ伝え車(B)244の回転に基づいて回転するように構成されている。時クロノグラフ車250は時クロノグラフ歯車250a、時クロノグラフ真250b及び時ハートカム252を有し、時クロノグラフ真250bと時ハートカム252とは、一体に回転することができるように構成されている。
図11において、ムーブメントの「12時方向」、「3時方向」、「6時方向」、「9時方向」を示す。
時クロノグラフ車250の回転中心は、ムーブメントのほぼ「6時方向」に位置している。切換装置290が、ムーブメントの「3時方向」と「12時方向」との間に位置している。切換装置290は、おしどり、かんぬき、おしどり押さえ等を含む。
【0031】
クロノグラフ時針128が時クロノグラフ真250bに取付けられ、クロノグラフ機構の作動中、例えば、「1時間」のような「時」の経過時間の計測結果を表示するように構成される。
クロノグラフ時針128はクロノグラフ時表示部材であり、時計針であってもよいし、円板や、キャラクターの手又は足や、花又は星等の形態であってもよい。
本発明のクロノグラフ時計をカレンダ付き時計として構成する場合には、日車(図示せず)が地板102に回転可能に組み込まれる。このような構成では、日車に印刷された日文字により、「日」の表示を行うことができる。日車は、表輪列(香箱車から分車)の回転に基づいて、カレンダ送り機構(図示せず)によって作動される。
【0032】
図13を参照すると、以上に説明した本発明のクロノグラフ時計では、表輪列312が香箱車110の回転により回転する。表輪列312は、二番車130と、分伝えかな114と、分車132と、三番車136と、秒車154とを含む。
この表輪列312の回転により、秒クロノグラフ中間車212が回転する。クロノグラフ機構を作動させていない状態では、秒クロノグラフ中間車212は秒クロノグラフ車214と噛み合わない。
クロノグラフ機構を作動させている状態では、秒クロノグラフ中間車212は秒クロノグラフ車214と噛み合う。従って、秒クロノグラフ車214の取付けられたクロノグラフ秒針118により、クロノグラフの「秒」の計測結果を表示することができる。
【0033】
分クロノグラフ輪列322が秒クロノグラフ車214の回転により回転する。分クロノグラフ輪列322は分クロノグラフ中間車258と、分クロノグラフ車260とを含む。従って、分クロノグラフ車260に取付けられたクロノグラフ分針124により、クロノグラフの「分」の計測結果を表示することができる。
第1時クロノグラフ輪列332が香箱車110の回転により回転する。第1時クロノグラフ輪列332は 時クロノグラフ伝え車(A)246と、時クロノグラフ伝え車(C)242とを含む。時クロノグラフスリップ機構334が、第1時クロノグラフ輪列332と第2時クロノグラフ輪列336との間に設けられる。時クロノグラフスリップ機構334は、時クロノグラフ伝え車(C)242の当接部242b及びと案内部242cと、時クロノグラフ伝え車(B)244の嵌め合い部分244cとによって構成されている。
【0034】
第2時クロノグラフ輪列336は時クロノグラフ伝え車(B)244と、時クロノグラフ車250とを含む。第2時クロノグラフ輪列336は、第1時クロノグラフ輪列332の回転により回転する。従って、時クロノグラフ車250に取付けられたクロノグラフ時針128により、クロノグラフの「時」の計測結果を表示することができる。
第2時クロノグラフ輪列336の回転が規正されるときには、時クロノグラフスリップ機構334のスリップ作用により、第1時クロノグラフ輪列332は第2時クロノグラフ輪列336に対してスリップしながら回転する。
(1−2)クロノグラフ機構を作動させている状態
図14及び図15を参照すると、本発明のクロノグラフ時計においてクロノグラフ機構を作動させている状態では、発停レバー442がクロノグラフ機構を作動させるように、回転中心442tを中心として矢印442vの方向に回転移動する。その結果、秒クロノグラフ伝えかな212bが秒クロノグラフ車214と噛み合うように構成されている。このような秒クロノグラフ伝えかな212bと秒クロノグラフ車214とが噛み合っている状態では、秒クロノグラフ車214は1分間に1回転するように構成されている。
【0035】
案内枠442dが発停レバー442に設けられる。上枠442eが案内枠442dに取付けられている。上枠442eは秒クロノグラフ中間車212の上軸部を回転可能に案内する。案内枠442dの外周部442fがクロノグラフ受202の当接部202dに当たることにより、発停レバー442の矢印442vの方向への回転は規正される。従って、この構成により、秒クロノグラフ伝えかな212bと秒クロノグラフ車214との噛み合いの状態を確実に維持することができる。
クロノグラフ秒針118が秒クロノグラフ車214に取付けられ、秒の経過時間の計測結果を表示するように構成されている。
以上説明した構成により、本発明のクロノグラフ時計では、クロノグラフ秒表示部材を構成するクロノグラフ秒針118が「秒」の経過時間の計測結果を表示し、クロノグラフ分表示部材を構成するクロノグラフ分針124が「分」の経過時間の計測結果を表示し、クロノグラフ時表示部材を構成するクロノグラフ時針128が「時」の経過時間の計測結果を表示する。
【0036】
(2)クロノグラフ作動機構の構造と作動
(2−1)クロノグラフ計測が作動する前の各部品の構成
図17及び図18を参照して、本発明のクロノグラフ時計の実施の形態のムーブメント100の表側のクロノグラフ作動機構の構造を説明する。
ムーブメントの2時方向には、スタート・ストップボタン830が設けられ、このスタート・ストップボタンを矢印410で指示する方向に押すことにより、作動レバー414を移動させることができるように構成されている。
また、ムーブメントの4時方向には、リセットボタン840が設けられ、このリセットボタン840を矢印412で指示する方向に押すことにより、時復針伝達レバー510を移動させることができるように構成されている。
ここで、本明細書では、説明の都合上、平面図において、部材を止める止めねじを図示して、部材の回転中心又は案内となるピンを図示できない場合には、その止めねじの中心位置を図面内にクロスで示し、そのクロスにピンの参照符号を付けることにより、ピンの位置を表示するものとする。
【0037】
作動レバー414は、作動レバー案内ピン416(中心位置を図17に416で示す)に案内されて移動可能に設けられる。
作動レバーばね418が、作動レバー414をスタート・ストップボタン830に押し付けるように付勢している。従って、スタート・ストップボタン830を押した後、スタート・ストップボタン830から指を離すと、作動レバーばね418のばね力により、作動レバー414はムーブメントの外方に向かって移動して、スタート・ストップボタン830は元の位置に戻る。
同様な作動が、復針伝達レバーばね522を用いることにより、リセットボタン840についてもあてはまるように構成されており、リセットボタン840を押した後、リセットボタン840から指を離すと、復針伝達レバーばね522のばね力により、復針伝達レバー520はムーブメントの外方に向かって移動して、リセットボタン840は元の位置に戻る。
【0038】
作動カム420は駆動歯422と、ラチェット歯424を有し、回転可能に設けられる。ラチェット歯424は、歯数が16枚である。駆動歯422は歯数が8枚であり、これは、ラチェット歯424の歯数の1/2である。従って、ラチェット歯424が1ピッチ送られると、駆動歯422は1/2ピッチ送られる。駆動歯422の外周に対応する一箇所について見ると、ラチェット歯424が1ピッチ送られるごとに、駆動歯422の頂部424tと谷部424uが交互に位置するように回転される。
ラチェット歯424の歯数は、駆動歯422の歯数の2倍であるかぎり、ラチェット歯424の歯数は16枚でなくてもよい。ただし、ラチェット歯424の歯数は偶数である。
【0039】
ばね部を有する作動カムジャンパ426が設けられ、規正部426aがラチェット歯424を規正して、作動カム420の回転方向に関する位置を定める。従って、ラチェット歯424と作動カムジャンパ426により、作動カム420は360/16度ずつ回転して、その位置に確実に位置決めされる。
復針規正レバー430が復針規正レバー回転案内ピン428(中心位置を図17に428で示す)を中心に回転可能に設けられる。復針規正レバー430の規正部430aが駆動歯422の2枚の歯の間に位置決めされる。
復針レバー432が、作動レバー案内ピン416(中心位置を図17に416で示す)を中心に回転可能に設けられる。復針レバーばね434が、復針レバー432を時計周り方向に回転させるように、復針レバー432を付勢する。復針レバー432の分帰零作動部432aは、分クロノグラフ車260の分ハートカム262に当接して、分ハートカム262を帰零させる。従って、この状態では、クロノグラフ分針124は、「ゼロ位置」を指示する。
【0040】
分ジャンパ264が規正部264aを有し、この規正部264aが分クロノグラフ車260の歯車部を規正する。従って、分クロノグラフ車260回転方向の位置は、分ジャンパ264により規正されている。
復針レバー432の秒帰零作動部432bは、秒クロノグラフ車214の秒ハートカム220に当接して、秒ハートカム220を帰零させる。従って、この状態では、クロノグラフ秒針118は、「ゼロ位置」を指示する。
停止レバー440が、停止レバー回転案内ピン438(中心位置を図17に438で示す)を中心に回転可能に設けられる。停止レバー440は、秒クロノグラフ車当接部440aと、時発停レバーピン作動部440bと、発停レバー当接部440cと、規正部440dとを有する。停止レバー440の規正部440dが駆動歯422の2枚の歯の間に位置決めされる。
【0041】
停止レバーばね部444aと、発停レバーばね部444bとを有する発停レバーばね444が設けられる。発停レバーばね部444bは停止レバー440を反時計周り方向に付勢し、秒クロノグラフ車当接部440aは秒クロノグラフ車214の歯車に当接する。
発停レバー442は、発停レバー回転案内ピン446(中心位置を図17に446で示す)を中心に回転可能に設けられる。前述したように、案内枠442dが発停レバー442に設けられ、上枠442eが案内枠442dに取付けられている。上枠442eは秒クロノグラフ中間車212の上軸部を回転可能に案内している。発停レバーばね部444bのばね力により、発停レバー442は反時計周り方向に回転するように付勢されている。発停レバー442の当接部442aが停止レバー440の発停レバー当接部440cに当接することにより、発停レバー442の回転方向の位置が定められる。図17に示す状態では、秒クロノグラフ中間車212の秒クロノグラフ伝えかな212bは、秒クロノグラフ車214と噛み合わない。
【0042】
時発停伝えレバー452が、時発停伝えレバー回転案内ピン456(中心位置を図17に456で示す)を中心に回転可能に設けられる。時発停伝えレバー作動ピン450と、時発停レバー作動ピン454とが時発停伝えレバー452に設けられる。時発停伝えレバー作動ピン450は、停止レバー440の時発停レバーピン作動部440bと係合する。従って、時発停伝えレバー452の回転方向の位置は、停止レバー440により定められる。
図17において、分クロノグラフ車260の回転中心は、ムーブメントのほぼ「12時方向」に位置している。分クロノグラフ中間車258の回転中心は、ムーブメントの「12時方向」と「3時方向」との間に位置している。作動カム420の回転中心は、ムーブメントのほぼ「3時方向」に位置している。秒クロノグラフ中間車212の回転中心は、ムーブメントのほぼ「9時方向」に位置している。発停レバー442の当接部442aは、ムーブメントのほぼ「6時方向」に位置している。発停レバー442及び時発停伝えレバー452は、ムーブメントの「6時方向」と「9時方向」との間に位置している。復針レバー432、ムーブメントの「12時方向」と「3時方向」との間に位置している。
【0043】
図18を参照すると、時発停レバー作動ピン454はムーブメントの表側からムーブメントの裏側に、地板102の一部分を貫通するように配置されている。時発停レバー作動ピン454は、時発停レバー作動部454aを有する。時発停レバー作動部454aは、時発停レバー254と係合することができるように構成されている。時発停レバー作動ピン454は、ムーブメントのほぼ「9時方向」に位置している。
図19を参照すると、時発停レバー254が、時発停レバー回転案内ピン280(中心位置を図19に280で示す)を中心に回転可能に設けられる。時発停レバー254は時発停レバーばね部254aと、時復針伝達レバー作動部254bと、時クロノグラフ車当接部254cと、第1ピン係合部254dと、第2ピン係合部254eとを有する。第1ピン係合部254dは、第2ピン係合部254eよりも、ムーブメントの内側に近い方に位置している。
【0044】
時発停レバーばね部254aのばね力により、時発停レバー254は反時計周り方向に回転するように付勢されている。図19に示す状態では、時クロノグラフ車当接部254cは時クロノグラフ車250の歯車部に当接している。
時復針伝達レバー510が、時復針伝達レバー回転案内ピン512(中心位置を図19に512で示す)を中心に回転可能に設けられる。時復針伝達レバー510は、時復針レバー作動ピン514と、時発停レバー係合部510aとを有する。時復針レバー540が、時復針レバー回転案内ピン448(中心位置を図19に448で示す)を中心に回転可能に設けられる。
時復針レバー540は、時復針レバー作動ピン係合部540aと、時帰零作動部540bとを有する。時復針伝達レバー510の時復針レバー作動ピン514が時復針レバー作動ピン係合部540aと係合し、時復針レバー540の回転方向の位置が定められる。時復針レバー作動ピン係合部540aを、長穴の形状で構成するのがよい。
【0045】
リセットボタン840を作動させることにより、時復針レバー540の時帰零作動部540bは、時クロノグラフ車248の時ハートカム252に当接して、時ハートカム252を帰零させる。従って、この状態では、クロノグラフ時針128は、「ゼロ位置」を指示する。図19に示す状態では、時復針レバー540の時帰零作動部540bは、時ハートカム252から離れて位置している。
【0046】
(2−2)クロノグラフ計測時の作動
次に、図20を参照すると、ムーブメントの2時方向にあるスタート・ストップボタン830を矢印410の方向に押す。クロノグラフ時計をクロノグラフ計測モードに設定したときには、作動レバー414は、作動レバー案内ピン416に案内されて、作動レバーばね418のばね力に抗して、ムーブメントの中側に向かって摺動移動する。
作動レバー414の摺動移動により、作動レバー414の作動端部414fが作動カム420のラチェット歯424を1歯だけ、時計周り方向に回転させる。ラチェット歯424の回転方向の位置は、作動カムジャンパ426の規正部426aにより位置決めされる。
ラチェット歯424は歯数が16枚であり、駆動歯422は歯数が8枚であるので、ラチェット歯424が1歯回転すると、駆動歯422も時計周り方向に1/2ピッチだけ回転される。従って、駆動歯422の回転により、復針規正レバー430が復針規正レバー回転案内ピン428を中心にして反時計周り方向に回転して、復針規正レバー430の位置決め部430fが復針レバー432の規正部432fに係合する。その結果、復針規正レバー430は、駆動歯422の頂部424tの外周面に載り、図20に示す状態に保持される。
【0047】
このような復針規正レバー430の回転により、復針レバー432の規正部432fが押され、復針レバー432は作動レバー案内ピン416を中心にして、反時計周り方向に回転される。その結果、復針レバー432の分帰零作動部432aは、分クロノグラフ車260の分ハートカム262から離れる。従って、この状態では、クロノグラフ分針124は回転して、クロノグラフの計測結果の「分」を表示することができる。
また、復針レバー432が反時計周り方向に回転されるので、復針レバー432の秒帰零作動部432bは、秒クロノグラフ車214の秒ハートカム220から離れる。
駆動歯422の回転により、停止レバー440が停止レバー回転案内ピン438を中心にして時計周り方向に回転する。そして、図14で前述したように、案内枠442dの外周部442fがクロノグラフ受202の当接部202dに当たることにより、発停レバー442の回転方向の位置は規正される。この状態では、停止レバー440は発停レバー442から離れて保持されている。
【0048】
停止レバー440は、駆動歯422の頂部424tの外周面に載り、図20に示す状態に保持される。従って、秒クロノグラフ車当接部440aは秒クロノグラフ車214の歯車から離れる。従って、この状態では、クロノグラフ秒針118は回転して、クロノグラフの計測結果の「秒」を表示することができる。
停止レバー440の回転により、発停レバー442は発停レバー回転案内ピン446を中心にして反時計周り方向に回転される。前述したように、発停レバーばね部444bのばね力により、発停レバー442は、常に、反時計周り方向に回転するように付勢されている。
従って、この状態では、秒クロノグラフ伝えかな212bと秒クロノグラフ車214との噛み合いの状態は確実に維持されている。
【0049】
従って、秒クロノグラフ車214が回転することができ、クロノグラフの「秒」及び「分」の計測が開始される。
香箱車110の回転に基づいて、二番車130、三番車136、秒車154、秒クロノグラフ中間車212の回転を介して、秒クロノグラフ車214が回転する。秒クロノグラフ車214は1分間に1回転するように、輪列の歯数を設定されている。
秒クロノグラフ車214が1回転するごとに、分回しつめ256により分クロノグラフ中間車258を1歯だけ回転させる。分クロノグラフ中間車258の回転により分クロノグラフ車260が回転し、1分経過すると、分クロノグラフ目盛りの1分に対応する角度だけ、クロノグラフ分針124が回転する。分クロノグラフ車260の回転方向の位置は、分ジャンパ264により規正されている。
【0050】
更に、停止レバー440が回転することにより、時発停レバーピン作動部440bと係合している時発停伝えレバー作動ピン450が回転され、時発停伝えレバー452が、時発停伝えレバー回転案内ピン456を中心にして反時計周り方向に回転される。その結果、時発停レバー作動ピン454も反時計周り方向に回転される。
図18で前述したように、時発停レバー作動ピン454はムーブメントの表側からムーブメントの裏側に、地板102の一部分を貫通している。
図21を参照すると、時発停レバー作動ピン454が回転すると、第1係合部254dが押される。従って、時発停レバー254が、時発停レバー回転案内ピン280を中心にして、時発停レバーばね部254aのばね力に抗して時計周り方向に回転される。その結果、時クロノグラフ車当接部254cは時クロノグラフ車250の歯車部から離れる。従って、この状態では、時クロノグラフ車250が回転することができ、クロノグラフ時針128は回転して、クロノグラフの計測結果の「時」を表示することができる。
【0051】
図22を参照すると、時クロノグラフ伝え車(A)246が香箱車110の回転に基づいて回転する。時クロノグラフ伝え車(C)242が時クロノグラフ伝え車(A)246の回転に基づいて回転する。時クロノグラフ伝え車(B)244は、時クロノグラフ伝え車(C)242と一体になって回転する。時クロノグラフ伝え車(B)244の回転により、時クロノグラフ車250が回転する。従って、1時間経過すると、時クロノグラフ目盛りの1時間に対応する角度だけ、クロノグラフ時針128が回転する。
【0052】
(2−3)クロノグラフ計測を停止させるときの作動
図23を参照すると、クロノグラフ計測の作動状態中に、ムーブメントの2時方向にあるスタート・ストップボタンを矢印410の方向に押す。
この操作により、作動レバー414は、作動レバー案内ピン416に案内されて、作動レバーばね418のばね力に抗して、ムーブメントの中側に向かって摺動移動する。
作動レバー414の摺動移動により、作動レバー414の作動端部414fが作動カム420のラチェット歯424を更に1歯だけ、時計周り方向に回転させる。ラチェット歯424の回転方向の位置は、作動カムジャンパ426の規正部426aにより位置決めされる。
ラチェット歯424が1歯回転すると、駆動歯422も時計周り方向に更に1/2ピッチだけ回転される。
この状態でも、復針規正レバー430の位置決め部430fは復針レバー432の規正部432fに係合したままである。その結果、復針規正レバー430は、図20に示す状態と同じ位置で保持される。
【0053】
復針規正レバー430が回転しないので、復針レバー432の分帰零作動部432aは、分クロノグラフ車260の分ハートカム262から離れたままである。また、復針レバー432の秒帰零作動部432bは、秒クロノグラフ車214の秒ハートカム220から離れたままである。
駆動歯422が1/2ピッチ回転されるので、停止レバー440の規正部440dが駆動歯422の2枚の歯の間に位置決めされる。発停レバーばね部444bにより、停止レバー440は常に反時計周り方向に付勢されているので、停止レバー440が停止レバー回転案内ピン438を中心にして反時計周り方向に回転する。停止レバー440の回転により、発停レバー442が反時計周り方向に回転する。従って、案内枠442dの外周部442fがクロノグラフ受202の当接部202dから離れる。この状態では、秒クロノグラフ伝えかな212bと秒クロノグラフ車214との噛み合いが外れる。
【0054】
同時に、停止レバー440の秒クロノグラフ車当接部440aは秒クロノグラフ車214の歯車と当接する。従って、この状態では、秒クロノグラフ車214の回転は規正される。その結果、クロノグラフ秒針118は停止して、その時点におけるクロノグラフの計測結果の「秒」の表示が維持される。また、クロノグラフ分針128も同時に停止して、その時点におけるクロノグラフの計測結果の「分」の表示が維持される。
前述したように、ムーブメントの表側において、停止レバー440の回転により、発停レバー442は発停レバー回転案内ピン446を中心にして反時計周り方向に回転される。その結果、ムーブメントの裏側において、時発停レバー作動ピン454はムーブメントの外側に向かって反時計周り方向に回転される。
【0055】
図24を参照すると、時発停レバー作動ピン454の回転移動により、時発停レバー254が、時発停レバー回転案内ピン280を中心にして反時計周り方向に回転される。従って、時クロノグラフ車当接部254cは時クロノグラフ車250の歯車部に当接する。
時クロノグラフ車250の回転が規正されると、時クロノグラフ伝え車(B)244も回転することができない。一方、香箱車110の回転により、時クロノグラフ伝え車(A)246が回転し、時クロノグラフ伝え車(A)246の回転により、時クロノグラフ伝え車(C)242は回転する。
従って、時クロノグラフ伝え車(C)242の嵌め合い部分244cは、時クロノグラフ伝え車(B)244の嵌め合い部分244cに対してスリップする。この構成により、香箱車110の回転を維持しながら、時クロノグラフ車250の回転を停止させることができる。
【0056】
従って、この状態では、クロノグラフ秒針118、クロノグラフ分針124、クロノグラフ時針128は、スタート時点からの経過時間の「秒」、「分」、「時」をそれぞれ表示した状態で停止する。
そして、香箱車110の回転により、表輪列は作動を続けるので、時針150、分針134、秒針156により、現在の時刻の「時」、「分」、「秒」を表示することができる。
【0057】
(2−4)クロノグラフの計測を再開する場合
図23及び図24に示すクロノグラフ計測の停止状態において、更にスタート・ストップボタン830を矢印410の方向に押すことにより、クロノグラフ時計を再びクロノグラフ計測モードに設定することができる。
作動レバー414の摺動移動により、作動レバー414の作動端部414fが作動カム420のラチェット歯424を1歯だけ、時計周り方向に回転させる。駆動歯422の回転により、復針規正レバー430が復針規正レバー回転案内ピン428を中心にして反時計周り方向に回転して、復針規正レバー430は、駆動歯422の頂部424tの外周面に載り、図20に示す状態に保持される。
このような復針規正レバー430の回転により、復針レバー432の分帰零作動部432aは、分クロノグラフ車260の分ハートカム262から離れる。従って、この状態では、クロノグラフ分針124は再び回転することができる。
また、復針レバー432が反時計周り方向に回転されるので、復針レバー432の秒帰零作動部432bは、秒クロノグラフ車214の秒ハートカム220から離れる。
駆動歯422の回転により、停止レバー440が停止レバー回転案内ピン438を中心にして時計周り方向に回転して、停止レバー440は、駆動歯422の頂部424tの外周面に載り、図20に示す状態に保持される。従って、秒クロノグラフ車当接部440aは秒クロノグラフ車214の歯車から離れる。従って、この状態では、クロノグラフ秒針118は再び回転することができる。
更に、停止レバー440が回転することにより、時発停レバー作動ピン454が回転して、時クロノグラフ車当接部254cは時クロノグラフ車250の歯車部から離れる。従って、時クロノグラフ車250は再び回転することができる。
【0058】
(2−5)リセット作動
図25から図27を参照すると、クロノグラフの計測を停止させた状態において、ムーブメントの4時方向にあるリセットボタン840を矢印412で指示する方向に押すことにより、リセット作動を行うことができる。
【0059】
図25及び図27を参照すると、リセットボタン840を押すと、ムーブメントの裏側において、時復針伝達レバー510が、反時計周り方向に回転して、時復針レバー作動ピン514により、時復針レバー540を時計周り方向に回転させる。すると、時復針レバー540の時帰零作動部540bは、時クロノグラフ車248の時ハートカム252に当接して、時クロノグラフ車248を帰零させる。
同時に、時復針伝達レバー510の回転により、時復針伝達レバー510の時発停レバー係合部510aが時発停レバー254の時復針伝達レバー作動部254bと係合して、時発停レバー254を時計周り方向に回転させる。すると、時クロノグラフ車当接部254cは時クロノグラフ車250の歯車部から離れる。
【0060】
従って、このようなリセット作動の結果、クロノグラフ時針128は、クロノグラフ機構の作動開始前の「零位置」に戻って停止する。
図28を参照すると、時クロノグラフ車250の回転が規正されると、時クロノグラフ伝え車(B)244も回転することができない。一方、香箱車110の回転により、時クロノグラフ伝え車(A)246が回転し、時クロノグラフ伝え車(A)246の回転により、時クロノグラフ伝え車(C)242は回転する。
従って、時クロノグラフ伝え車(C)242の嵌め合い部分244cは、時クロノグラフ伝え車(B)244の嵌め合い部分244cに対してスリップする。
更に、図27を参照すると、時発停レバー254が時計周り方向に回転すると、時発停レバー254の第2当接部254eが時計周り方向に回転することにより、時発停レバー作動ピンはムーブメントの内側に向かって移動される。すると、図26を参照すると、時発停伝えレバー452は、反時計周り方向に回転される。すると、時発停伝えレバー452に設けられている時発停伝えレバー伝えピン450も反時計周り方向に回転され、時発停伝えレバー伝えピン450は停止レバー440を時計周り方向に回転させる。その結果、秒クロノグラフ車当接部440aは秒クロノグラフ車214の歯車から離れる。この状態では、秒クロノグラフ伝えかな212bは秒クロノグラフ車214と噛み合っていないので、秒クロノグラフ車214が回転することはない。
【0061】
図25及び図26を参照すると、ムーブメントの表側において、復針伝達レバー520が、復針伝達レバー回転案内ピン508を中心に回転可能に設けられる。復針伝達レバー520は、復針規正レバー係合部520aを有する。復針伝達レバーばね522は、復針伝達レバー520を反時計周りに回転するように付勢する。
リセットボタン840を押すと、復針伝達レバー520は、時復針伝達レバー510の作動を介して時計周り方向に回転し、復針規正レバー係合部520aが復針規正レバー430を押す。すると、復針規正レバー430は時計周り方向に回転し、復針規正レバー430の位置決め部430fが復針レバー432の規正部432fから離れる。すると、復針レバーばね434のばね力により、復針規正レバー430は、時計周り方向に回転する。すると、復針レバー432の分帰零作動部432aは、分クロノグラフ車260の分ハートカム262に当接して、分クロノグラフ車260を帰零させ、同時に、復針レバー432の秒帰零作動部432bは、秒クロノグラフ車214の秒ハートカム220に当接して、秒クロノグラフ車214を帰零させる。
【0062】
上述したリセットの作動においては、「停止レバー440の秒クロノグラフ車当接部440aが秒クロノグラフ車214の歯車から離れる」作動が、「秒クロノグラフ車214を帰零させる」作動よりも先に完了するように、関連する部品の寸法及び形状が決められている。
すなわち、リセットボタン840を押すストロークに対応して、時復針伝達レバー510、時発停レバー254、時発停伝えレバー452が作動して、停止レバー440を回転させ、秒クロノグラフ車当接部440aは秒クロノグラフ車214の歯車から離す。その後に、復針伝達レバー520、復針規正レバー430及び復針規正レバー430の作動により、復針レバー432の分帰零作動部432aは、分クロノグラフ車260を帰零させ、復針レバー432の秒帰零作動部432bは、秒クロノグラフ車214を帰零させるように構成されている。
【0063】
従って、秒クロノグラフ車214及び分クロノグラフ車260を帰零させる作動は、停止レバー440の停止力と緩衝することなく確実に達成される。
以上の作動は、クロノグラフの計測中の停止状態に関するものである。クロノグラフの計測中には、復針規正レバー430が駆動歯422の外周面に載っているため、クロノグラフ時計がリセットされることはない。
(3)クロノグラフ時計の作動の説明
(3−1)クロノグラフ機構を作動させていない状態
図29を参照すると、クロノグラフ機構を作動させていない状態においては、時針150は、現在の時刻のうちの「時」を示し、分針134は、現在の時刻のうちの「分」を示し、秒針156(いわゆる小秒針)は、現在の時刻のうちの「秒」を示している。図29に示すクロノグラフ時計は、「10時8分12秒」から「10時8分13秒」の中間の時刻を表示している。
【0064】
この状態で、クロノグラフ時針128は、「12」を指示した位置で停止し、クロノグラフ分針124は、「30」を指示した位置で停止し、クロノグラフ秒針118は、時計の12時方向、即ち、「60」を指示した位置で停止している。
クロノグラフ秒針118は、1分間に1回転するように構成され、クロノグラフ秒針118に対応するクロノグラフ秒目盛810は、時計の外周に沿って、即ち、クロノグラフ秒針118の先端の回転軌跡に沿って、「5」、「10」、「15」・・・「50」、「55」及び「60」が設けられている。
一例として、本発明のクロノグラフ時計の実施の形態は、いわゆる「8振動」の時計となるように構成されている。「8振動」とは、てんぷが1時間に28800振りするような構成をいう。
【0065】
ここで、「振り」とは、てんぷが1つの方向に回転する状態を示し、てんぷは「2振り」でもとの位置に戻る。
すなわち、「8振動」の時計では、てんぷは1秒間に8振りし、1秒間で4往復するように振動する。
クロノグラフ時計を、いわゆる「10振動」の時計となるように構成してもよい。「10振動」とは、てんぷが1時間に36000振りするような構成をいう。「10振動」の時計では、てんぷは1秒間に10振りし、1秒間で5往復するように振動する。
このように構成することにより、「1/10秒」単位でクロノグラフ計測をすることができるクロノグラフ時計を実現することができる。この構成では、クロノグラフ秒目盛810を、「1/10秒」ごとに設けるか、或いは、クロノグラフ秒目盛810を、「1/5秒」ごとに設けるのがよい。
【0066】
このように構成することにより、高い精度のクロノグラフ時計を実現することができる。
クロノグラフ時計を、いわゆる「5.5振動」又は「6振動」の時計となるように構成してもよい。これらの構成では、クロノグラフ秒目盛810を、振動の数に合わせて設定し、輪列の歯数も振動の数に合わせて設定する。
クロノグラフ分針124は、30分間に1回転するように構成され、クロノグラフ分針124に対応するクロノグラフ分目盛812は、クロノグラフ分針124の先端の回転軌跡に沿って、「5」、「10」、「15」、「20」、「25」及び「30」が設けられている。クロノグラフ分針124は、60分間に1回転するように構成してもよい。
【0067】
クロノグラフ時針128は、12時間に1回転するように構成され、クロノグラフ時針128に対応するクロノグラフ時目盛814は、クロノグラフ時針128の先端の回転軌跡に沿って、「1」、「2」、「3」・・・「11」及び「12」が設けられている。クロノグラフ時針128は、24時間に1回転するように構成してもよい。
日車270の日文字820が現在の日付を表示している。図29に示すクロノグラフ時計は、「5日」を表示している。
本発明のクロノグラフ時計では、時針150の回転中心、分針134の回転中心、及びクロノグラフ秒針118の回転中心を時計のほぼ中心に配置し、秒針156(いわゆる小秒針)の回転中心を時計の9時側に配置し、クロノグラフ分針124の回転中心を時計の12時側に配置し、クロノグラフ時針128の回転中心を時計の6時側に配置してある。従って、本発明のクロノグラフ時計では、それぞれの指針の表示が非常にわかりやすい。
【0068】
(3−2)クロノグラフ機構を作動させている状態
図30を参照すると、クロノグラフ時計の2時方向にあるスタート・ストップボタン830を押して、クロノグラフの計測を開始させる。
図30に示す状態では、クロノグラフ時針128は、クロノグラフ時目盛814の「1」と「2」の間を指示しつつ回転を続け、クロノグラフ分針124は、クロノグラフ分目盛812の「22」を指示しつつ回転を続け、クロノグラフ秒針118は、クロノグラフ秒目盛810の「16」と「17」の間を指示しつつ回転を続けている。
すなわち、クロノグラフ時計の計測は、この瞬間に、「1時間22分16秒7」を経過している状態である。
そして、この状態においても、時針150は、現在の時刻のうちの「時」を示し、分針134は、現在の時刻のうちの「分」を示し、秒針156は、現在の時刻のうちの「秒」を示している。
【0069】
(3−3)クロノグラフ機構を停止させた状態
図30に示す状態で、クロノグラフ時計の2時方向にあるスタート・ストップボタン830を、もう1回押すと、クロノグラフ時計の計測を停止させることができる。従って、クロノグラフ時計は、「1時間22分16秒7」を表示して停止した状態になる。
そして、この状態においても、時針150は、現在の時刻のうちの「時」を示し、分針134は、現在の時刻のうちの「分」を示し、秒針156は、現在の時刻のうちの「秒」を示している。
(3−4)リセットの作動
図31を参照すると、リセットボタン840を押すと、クロノグラフ秒針118、クロノグラフ分針124、クロノグラフ時針128は、クロノグラフ機構の作動開始前の「零位置」に戻って停止する。
そして、この状態においても、時針150は、現在の時刻のうちの「時」を示し、分針134は、現在の時刻のうちの「分」を示し、秒針156は、現在の時刻のうちの「秒」を示している。
【0070】
【発明の効果】
本発明のクロノグラフ時計は、発停機構を構成するレバー装置の構造が簡単であり、クロノグラフ時計の組み立てが容易である。
また、本発明のクロノグラフ時計は、クロノグラフ時計の発停に用いられるばねのばね特性が良いので、確実に発停機構を作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を作動させていない状態における、クロノグラフ機構の発停部(秒クロノグラフ車〜秒クロノグラフ中間車〜秒車)を示す概略部分断面図である。
【図2】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、分クロノグラフ輪列(分クロノグラフ中間車〜分クロノグラフ車)を示す概略部分断面図である。
【図3】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、表輪列、脱進装置、調速装置を示す概略部分断面図である。
【図4】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、分伝えかなの部分を示す概略部分断面図である。
【図5】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、表輪列、脱進装置、調速装置を示す概略部分平面図である。
【図6】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態の輪列構成を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を作動させていない状態における、クロノグラフ機構の発停部(秒クロノグラフ車〜秒クロノグラフ中間車)の部分を示す概略部分平面図である。
【図8】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態における、秒クロノグラフ車の拡大平面図である。
【図9】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態における、秒クロノグラフ車の拡大正面図である。
【図10】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、時クロノグラフ輪列(時クロノグラフ伝え車〜時クロノグラフ車)を示す概略部分断面図である。
【図11】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、時クロノグラフ輪列(時クロノグラフ伝え車〜時クロノグラフ車)を示す概略部分平面図である。
【図12】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、時クロノグラフ伝え車(C)を示す拡大平面図である。
【図13】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態の輪列構成を示す機能ブロック図である。
【図14】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を作動させている状態における、クロノグラフ機構の発停部を示す概略部分断面図である。
【図15】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を作動させている状態における、クロノグラフ機構の発停部を示す概略部分拡大平面図である。
【図16】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を作動させていない状態における、発停機構の構成を示す機能ブロック図である。
【図17】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を作動させていない状態における、ムーブメントの表側を示す概略平面図である。
【図18】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、時発停レバー、時発停伝えレバー、時発停レバー作動ピンを示す概略部分断面図である。
【図19】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を作動させていない状態における、ムーブメントの裏側を示す概略部分平面図である。
【図20】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構をスタートさせた状態における、ムーブメントの表側を示す概略部分平面図である。
【図21】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構をスタートさせた状態における、ムーブメントの裏側を示す概略部分平面図である
【図22】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構をスタートさせた状態における、時クロノグラフ輪列を示す概略部分平面図である。
【図23】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を停止させた状態における、ムーブメントの表側を示す概略平面図である。
【図24】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を停止させた状態における、ムーブメントの裏側を示す概略部分平面図である。
【図25】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、リセット機構の構成を示す機能ブロック図である。
【図26】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構をリセットさせた状態における、ムーブメントの表側を示す概略平面図である。
【図27】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構をリセットさせた状態における、ムーブメントの裏側を示す概略部分平面図である
【図28】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構の作動をリセットさせた状態における、時クロノグラフ輪列を示す概略部分平面図である。
【図29】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構を作動させていない状態における、クロノグラフ時計の外観を示す平面図である。
【図30】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構をスタートさせた状態における、クロノグラフ時計の外観を示す平面図である。
【図31】本発明のクロノグラフ時計の実施の形態において、クロノグラフ機構の作動をリセットさせた状態における、クロノグラフ時計の外観を示す平面図である。
【図32】従来のクロノグラフ時計の機能ブロック図である。
【符号の説明】
100 ムーブメント(機械体)
102 地板
104 文字板
108 巻真
110 香箱車
114 分伝えかな
118 クロノグラフ秒針
120 二番受
122 三番受
124 クロノグラフ分針
128 クロノグラフ時針
130 二番車
132 分車
134 分針
136 三番車
140 てんぷ
142 アンクル
144 がんぎ車
146 日の裏車
148 筒車
150 時針
154 秒車
156 秒針
170 針座
202 クロノグラフ受
210 回転錘
212 秒クロノグラフ中間車
214 秒クロノグラフ車
220 秒ハートカム
242 時クロノグラフ伝え車(C)
244 時クロノグラフ伝え車(B)
246 時クロノグラフ伝え車(A)
250 時クロノグラフ車
250a 時クロノグラフ歯車
250b 時クロノグラフ真
252 時ハートカム
254 時発停レバー
256 分回しつめ
258 分クロノグラフ中間車
260 分クロノグラフ車
260a 分クロノグラフ歯車
260b 分クロノグラフ真
262 分ハートカム
270 日車
272 日車押さえ
290 切換装置
312 表輪列
322 分クロノグラフ輪列
332 第1時クロノグラフ輪列
334 時クロノグラフスリップ機構
336 第2時クロノグラフ輪列
414 作動レバー
420 作動カム
422 駆動歯
424 ラチェット歯
426 作動カムジャンパ
430 復針規正レバー
432 復針レバー
434 復針レバーばね
440 停止レバー
442 発停レバー
444 発停レバーばね
450 時発停伝えレバーピン
452 時発停伝えレバー
454 時発停レバー作動ピン
510 時復針伝達レバー
512 時復針伝達レバーピン
514 復針レバー作動ピン
520 復針伝達レバー
522 復針伝達レバーばね
524 復針規正レバー
530 復針レバー
532 復針レバーばね
810 クロノグラフ秒目盛
812 クロノグラフ分目盛
814 クロノグラフ時目盛
820 日文字
830 スタート・ストップボタン
840 リセットボタン

Claims (3)

  1. クロノグラフ計測モードにおいて、秒、分及び時の経過時間を計測することができるクロノグラフ時計において、
    クロノグラフ時計の基板を構成する地板(102)と、
    クロノグラフ計測モードにおいて、香箱車(110)の回転に基づいて秒の経過時間を計測するための秒クロノグラフ車(214)と、
    クロノグラフ計測モードにおいて、香箱車(110)の回転に基づいて分の経過時間を計測するための分クロノグラフ輪列(322)と、
    クロノグラフ計測モードにおいて、香箱車(110)の回転に基づいて時の経過時間を計測するための時クロノグラフ輪列(332、336)と、
    前記秒クロノグラフ車(214)の回転により秒の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ秒表示部材(118)と、
    前記分クロノグラフ輪列(322)の回転により分の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ分表示部材(124)と、
    前記時クロノグラフ輪列(326)の回転により時の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ時表示部材(128)と、
    前記地板(102)に対して移動可能に設けられた作動レバー(414)と、
    前記作動レバー(414)の摺動移動に基づいて1つの方向に回転する作動カム(420)とを備え、
    前記作動カム(420)はラチェット歯(424)及び駆動歯(422)を有し、前記ラチェット歯(424)の歯数は前記駆動歯(422)の歯数の2倍であり、前記作動レバー(424)は前記ラチェット歯(424)に係合可能に設けられ、
    クロノグラフ計測を行わないモードにおいて、前記駆動歯(422)の回転により、前記秒クロノグラフ車(214)の回転を停止させることができるように構成された停止レバー(440)を備えており、
    さらに、前記香箱車(110)の回転に基づいて回転する秒クロノグラフ中間車(212)と、
    クロノグラフ計測モードにおいて、前記秒クロノグラフ中間車(212)の回転に基づいて回転する秒クロノグラフ車(214)と、
    前記秒クロノグラフ車(214)の回転に基づいて秒の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ秒表示部材(118)と、
    クロノグラフ計測を行わないモードにおいて、前記秒クロノグラフ中間車(212)の回転を前記秒クロノグラフ車(214)に伝達させず、クロノグラフ計測モードにおいて、前記秒クロノグラフ中間車(212)の回転を前記秒クロノグラフ車(214)に伝達させるための発停レバー(442)とを更に備え、
    前記停止レバー(440)の作動により、前記発停レバー(442)が作動するように構成されており、
    さらに、前記秒クロノグラフ中間車(212)の上軸部を回転可能に案内するための案内枠(442d)が前記発停レバー(442)に設けられており、
    前記案内枠(442d)の外周部(442f)が、前記秒クロノグラフ車(214)の上軸部を回転可能に案内する部材(202)の当接部(202d)に当たることにより、クロノグラフ計測モードにおいて、前記発停レバー(442)の位置を規正し、それによって、前記秒クロノグラフ中間車(212)のかな(212b)と前記秒クロノグラフ車(214)の歯車との噛み合いの状態を確実に維持することができるように構成される、
    ことを特徴とするクロノグラフ時計。
  2. クロノグラフ計測モードにおいて、秒、分及び時の経過時間を計測することができるクロノグラフ時計において、
    クロノグラフ時計の基板を構成する地板(102)と、
    クロノグラフ計測モードにおいて、香箱車(110)の回転に基づいて秒の経過時間を計測するための秒クロノグラフ車(214)と、
    クロノグラフ計測モードにおいて、香箱車(110)の回転に基づいて分の経過時間を計測するための分クロノグラフ輪列(322)と、
    クロノグラフ計測モードにおいて、香箱車(110)の回転に基づいて時の経過時間を計測するための時クロノグラフ輪列(332、336)と、
    前記秒クロノグラフ車(214)の回転により秒の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ秒表示部材(118)と、
    前記分クロノグラフ輪列(322)の回転により分の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ分表示部材(124)と、
    前記時クロノグラフ輪列(326)の回転により時の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ時表示部材(128)と、
    前記地板(102)に対して移動可能に設けられた作動レバー(414)と、 前記作動レバー(414)の摺動移動に基づいて1つの方向に回転する作動カム(420)とを備え、
    前記作動カム(420)はラチェット歯(424)及び駆動歯(422)を有し、前記ラチェット歯(424)の歯数は前記駆動歯(422)の歯数の2倍であり、前記作動レバー(424)は前記ラチェット歯(424)に係合可能に設けられ、
    クロノグラフ計測を行わないモードにおいて、前記駆動歯(422)の回転により、前記秒クロノグラフ車(214)の回転を停止させることができるように構成された停止レバー(440)を備えており、
    さらに、前記香箱車(110)の回転に基づいて回転する秒クロノグラフ中間車(212)と、
    クロノグラフ計測モードにおいて、前記秒クロノグラフ中間車(212)の回転に基づいて回転する秒クロノグラフ車(214)と、
    前記秒クロノグラフ車(214)の回転に基づいて秒の経過時間の計測結果を表示するクロノグラフ秒表示部材(118)と、
    クロノグラフ計測を行わないモードにおいて、前記秒クロノグラフ中間車(212)の回転を前記秒クロノグラフ車(214)に伝達させず、クロノグラフ計測モードにおいて、前記秒クロノグラフ中間車(212)の回転を前記秒クロノグラフ車(214)に伝達させるための発停レバー(442)とを更に備え、
    前記停止レバー(440)の作動により、前記発停レバー(442)が作動するように構成されており、
    さらに、前記クロノグラフ時計は、前記停止レバー(440)の回転により回転する時発停伝えレバー(452)と、
    前記時発停伝えレバー(452)の回転により回転する時発停レバー(254)を更に備え、
    クロノグラフ計測を行わないモードにおいて、前記時発停レバー(254)が前記時クロノグラフ輪列(326)を構成する歯車の回転を規正し、クロノグラフ計測モードにおいて、前記時発停レバー(254)が前記時クロノグラフ輪列(326)を構成する歯車の回転を許容するように構成されている、
    ことを特徴とするクロノグラフ時計。
  3. 前記時発停伝えレバー(452)が前記地板(102)の一方の側に配置され、
    前記時発停レバー(254)が前記地板(102)の他方の側に配置され、
    前記地板(102)の一方の側から前記地板(102)の他方の側に貫通するように設けられ、かつ、前記時発停伝えレバー(452)に設けられた時発停伝えレバー作動ピン(454)を備え、
    前記時発停伝えレバー作動ピン(454)の移動により、前記時発停伝えレバー(452)の作動を前記時発停レバー(254)に伝達させるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のクロノグラフ時計。
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