JPH0771564B2 - レジン義歯床の製造方法 - Google Patents

レジン義歯床の製造方法

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JPH0771564B2
JPH0771564B2 JP63276088A JP27608888A JPH0771564B2 JP H0771564 B2 JPH0771564 B2 JP H0771564B2 JP 63276088 A JP63276088 A JP 63276088A JP 27608888 A JP27608888 A JP 27608888A JP H0771564 B2 JPH0771564 B2 JP H0771564B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマイクロウエーブ透過可能な素材で形成された
義歯床製造用フラスコを用い、マイクロウエーブ照射を
利用して全部床又は部分床のレジン義歯床を製造する方
法を提供するものである。
〔従来の技術〕
マイクロウエーブ照射を利用してレジン義歯床を製造す
る際に使用するフラスコとしては、義歯床として加熱重
合レジンを用い石膏モールドに繊維強化プラスチツク製
フラスコを用いる義歯床の製造方法(特開昭61−76149
号)の実施に好適な繊維強化合成樹脂(FRP)製フラス
コ(特開昭61−263447号)や、このFRP製フラスコでは
強度面において問題があるとしてステンレス鋼などの金
属製,セラミック製又はその両者を組み合わせたもの
(特開昭63−220861号)などがあり、このような素材で
製造されたフラスコはその内部に配した石膏により形成
された義歯床間隙に餅状化したレジンを注入するために
実公昭61−10655号に開示されているように天蓋又は下
蓋の中央にスプルー口が穿設されているのが通例であつ
た。
前述したFRP製フラスコの強度面における問題とは、餅
状化したレジンをフラスコ内部に配した石膏により形成
された義歯床間隙に注入する際にスプルー口として開口
している位置がフラスコの天蓋又は下蓋の中央であるの
で、義歯床空隙の隅々にまで餅状化したレジンを行き渡
らせるためには注入する餅状化したレジンの流路を様々
に分岐させたりする必要があるため必然的にスプルー長
さが長くなり、その結果餅状化したレジンの填入圧力を
強くする必要があるために負荷が大きくなつてFRP製フ
ラスコでは安全性において問題があつてレジン注入式の
フラスコとしては使用し得なかつたのである。そこでフ
ラスコの素材を金属製やセラミツクス製にすることも提
案されているのであるが、フラスコの素材が金属製の場
合には金属はマイクロウエーブを反射するためにレジン
の重合硬化において好しくない影響(未重合部分が残つ
てしまうなど)が生じ、またフラスコの素材がセラミツ
クス製の場合には落としたり衝撃が加わつたりすると割
れや欠けが生じ易いと共に高価である難点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
マイクロウエーブ照射を利用して全部床又は部分床のレ
ジン義歯床を製造する場合に上記した如く従来は種々の
問題点があつたので、本発明はこれら従来の問題点を一
挙に解決し且つ従来と同様なFRP製(エンジニアリング
プラスチツク製でも可)のフラスコでマイロウエーブ照
射を利用して全部床又は部分床のレジン義歯床を最も効
率良く製造する方法を提供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、フラ
スコ本体を構成する素材がマイクロウエーブの透過が可
能な従来と同様な素材であるFRP製やエンジニアリング
プラスチツク製であつても、平面形状(広さ)に比べて
高さが低くその結果強度的に問題が生じない側部にレジ
ン注入孔を有する注入アタツチメントを設ければこの注
入アタツチメントのレジン注入孔と仮義歯床とを短いス
プルーで連結することが可能となりしかもこの注入アタ
ツチメントのレジン注入孔はレジンの注入後に硬質の素
材より成るスプルー孔閉鎖部材で閉鎖すれば、マイクロ
ウエーブを利用したレジンの短時間重合による利点を何
ら損ねることなく享受し得ることを確認して本発明を完
成したのである。
第1図は本発明方法を実施する際の主要構成要素の配置
状態を説明するための縦断面説明図、第2図は本発明方
法を実施するための義歯床製造用フラスコの1実施例を
示す斜視図、第3図は第2図に示した義歯床製造用フラ
スコに装着している注入アタツチメントの斜視図、第4
図は第3図に示した注入アツチメントの外側にスプルー
孔閉鎖部材を装着した状態を示す断面説明図、第5図は
本発明方法により製造されて石膏型から取り出されたば
かりの状態のスプルー及びベントを残しているレジン義
歯床の斜視図、第6図は本発明方法にて義歯床製造用フ
ラスコに注入装置により餅状化したレジンを注入してい
る状態を示す斜視図である。
図面中、1はそれぞれマイクロウエーブが透過可能なFR
Pやエンジニアリングプラスチツクなどの素材で形成さ
れた天蓋部1aとぼん部1bと下蓋部1bとから成るフラスコ
本体であつて、同じくマイクロウエーブが透過可能な合
成樹脂で製作されているボルト10aとナツト10bから成る
締め具10により締め付けられて一体となるようにその側
縁部近傍に締め具10のボルト10aを通すための貫通孔1d
が少なくとも2箇所(図示した実施例では3箇所)穿設
されている。そしてこのフラスコ本体1はその側部すな
わちぼん部1bと下蓋部1cとの間に、レジン義歯床を構成
するための餅状化したレジンを注入するために次に説明
する注入アタツチメント2を装着するための装着口1eと
この装着口1eより餅状化したレジン5が注入された際に
その注入部位に存在している空気を排出させるために必
要に応じて設けられるベント口1fとを有していると共
に、天蓋部1aには下蓋部1c内に位置固定された仮義歯床
を配した石膏模型を埋没させる二次石膏を溢れ出させる
ために通常2つの石膏溢出孔1gが穿設されている。この
フラスコ本体1の側部の装着口1eとしては、注入アタツ
チメント2を着脱自在とするためにぼん部1bと下蓋部1c
とにそれぞれ切欠き部を設け、これら切欠き部を丁度合
わせると注入アタツチメント2を装着するための装着口
1eが形成されるのである。また、このフラスコ本体1に
必要に応じて設けられるベント口1fは内側が広いテーパ
状とし、このテーパと同一のテーパを有するベント封止
部材9を細い方の先端を外にしてこのベント口1f内に配
備しておき、注入アタツチメント2のレジン注入孔2aか
ら注入されたレジンがベント封止部材9の位置まで充填
されるとそのベント封止部材9が押圧されてベント口1f
と密着して自動的に注入レジンの流出を防止させる構造
であることが好ましい。
2はフラスコ本体1の側部に設けられている装着口1eに
着脱自在に取り付けられる注入アタツチメントであり、
その中心にはフラスコ本体1の装着口1eに取り付けられ
た時にフラスコ本体1の内外を連通させるレジン注入孔
2aが穿設されており、またその両側にはフラスコ本体1
の側部の壁部を挾持するように位置する互いに向き合う
ように配備されている内側及び外側の抜け止め部材2b,2
cが設けられていて、外側の抜け止め部材2cはこの注入
アタツチメント2のレジン注入孔2aを経てフラスコ本体
1内に餅状化したレジン5を注入するために餅状化した
レジン5を投入されているシリンダ4の先端に形成され
ている窪み4bと嵌合されてシリンダ4の先端に穿設され
ているレジン押出孔4aと注入アタツチメント2のレジン
注入孔2aとが自動的に連通する形状に形成されているこ
とが好ましい。そしてこの注入アタッチメント2はフラ
スコ本体1と同様にマイクロウエーブが透過可能なFRP
やエンジニアリングプラスチック等の硬質の素材で形成
されているものである。更に、この注入アタッチメント
2はその大きさがフラスコ本体1に比べて小さいために
マイクロウエーブを反射する金属等の硬質の素材で形成
されていても支障がない。このような注入アタッチメン
ト2が装着されているフラスコ本体1は、その側部を注
入装置のシリンダ4に面するように位置され、シリンダ
4の先端を注入アタッチメント2に接合させてシリンダ
4内の餅状化したレジン5をプランジヤー4cによりレジ
ン押出孔4aより注入アタツチメント2のレジン注入孔2a
を経てフラスコ本体1内に注入した後は、この注入アタ
ツチメント2は取り外すことなくマイクロウエーブを照
射する工程にフラスコを移行することになるので、この
注入アタツチメント2はマイクロウエーブ照射工程でそ
のレジン注入孔2a内に存在する餅状化したレジン5が重
合硬化して再使用できないことがあるため、フラスコ本
体1とは別体であつて容易に交換できることが好まし
い。
3は餅状化したレジン5をフラスコ本体1内に注入した
後に注入アタツチメント2のレジン注入孔2aを閉鎖する
スプルー孔閉鎖部材である。
このスプルー孔閉鎖部材3及びベント封止部材9も、注
入アタッチメント2と同様にマイクロウエーブが透過可
能なFRPやエンジニアリングプラスチック等の硬質の素
材で形成されているものである。更に、このスプルー孔
閉鎖部材3及びベント封止部材9はその大きさがフラス
コ本体1に比べて小さいためにマイクロウエーブを反射
する金属等の硬質の素材で形成されていても支障がな
い。
〔作 用〕
かかる構成において本発明方法を実施するには、先ずそ
れぞれマイクロウエーブが透過可能な素材で形成されて
いる天蓋部1aとぼん部1bと下蓋部1cとから成る分割可能
なフラスコ本体1と、このフラスコ本体1の側部であっ
てぼん部1bと下蓋部1cとにより挟持されるようにして装
着口1eに装着されるレジン注入孔2aを有する硬質の素材
より成る注入アタッチメント2と、この注入アタツチメ
ント2のレジン注入孔2aを閉鎖する硬質の素材より成る
スプルー孔閉鎖部材3とから成る分割可能なフラスコを
準備する。次にこのフラスコ本体1の下蓋部1c内にワツ
クスアツプされた仮義歯床7を配した石膏模型を通法に
より一次石膏により位置固定し、この石膏模型及び固定
一次石膏の表面に石膏分離剤を塗布する。この際、予め
スプルーとベントとを確保する場合には、市販されてい
る定径の棒状ワツクスから成るスプルー部材6により仮
義歯床7と注入アタツチメント2のレジン注入孔2aとを
連結すると共に、ベント口1fと仮義歯床7とを同じく若
干細い定径の棒状ワツクスから成るベント部材8により
連結する。そしてフラスコ本体1に注入アタツチメント
2を装着後、フラスコを組み立てると共にその仮義歯床
7を二次石膏で埋没させ、この二次石膏が硬化した後に
フラスコをぼん部1bと下蓋部1cとの境界位置で分割し、
仮義歯床7を除去して義歯床空隙を形成すると共に注入
アタツチメント2のレジン注入孔2aと形成した義歯床空
隙とを連通させるスプルー及びベントを確保する。この
操作は、仮義歯床7を構成するワツクスを流蝋する際に
スプルー部材6とベント部材8とを流蝋すれば良いので
あるが、ワツクス製のスプルー部材6やベント部材8を
使用していない時は、硬化した二次石膏の所定位置を切
削することにより行えば良く、特にベントの形成は必要
に応じて実施すれば良い。これはわざわざベント口1fや
ベント封止部材8を設けなくともぼん部1bと下蓋部1cと
のわずかに残る隙き間を利用することもできるからであ
る。
かかる操作の後、フラスコ本体1の側部に注入アタツチ
メント2を装着し、フラスコ本体1の側部にベント口1f
が存在する場合にはそのベント口1f内にベント封止部材
9を配置した後、フラスコを再度組み立て、その先端に
レジン押出孔4aが穿設されておりポリエチレン等の袋に
詰められていた予め餅状化した状態のレジン5が投入さ
れているシリンダ4の該先端をフラスコ本体1の側部に
装着された注入アタツチメント2の外側の抜け止め部2c
に接合させて、プランジヤー4cを用いてシリンダ4の先
端のレジン押出孔4aから餅状化したレジン5を注入アタ
ツチメント2のレジン注入孔2a及びスプルーを通じて義
歯床間隙に充分注入した後に注入アタツチメント2のレ
ジン注入孔2aをスプルー孔閉鎖部材3で閉鎖した上で、
フラスコ全部をマイクロウエーブ照射空間内に位置させ
所定時間マイクロウエーブを照射して注入したレジンを
重合硬化させるものである。
このように注入アタツチメント2のレジン注入孔2aがス
プルー孔閉鎖部材3で閉鎖され、更に好ましくはベント
口1fもベント封止部材9により密閉された圧力を加えら
れたままの状態で、餅状化したレジン5が電子レンジ
(図示なし)などのマイクロウエーブ照射空間内で所定
時間マイクロウエーブを照射されると、餅状化したレジ
ン5は重合硬化を完遂せしめられるのである。
かくして製造されたレジン義歯床は、第5図に示した取
り出された義歯床7aの1実施例においても示したよう
に、スプルー6aは比較的に短く簡単な形状で済ますこと
が可能であり、またベント8aも床例毎にその太さを考慮
すれば、わざわざベント口1fやベント封止部材8を設け
なくともぼん部1eと下蓋部1fとのわずかに残る隙き間を
利用することもできるのである。
〔実施例〕 第6図に示した注入装置は本発明方法を実施するのに適
した機能を有するものとして特に開発したものであり、
本発明方法を実施するにはこの装置を用いるまでもなく
従来から市販されている圧力ゲージ付のプレス機を用い
て行うことも可能であるが、以下にレジン義歯床を第6
図に示した注入装置を用いて製造する場合について説明
する。
ハンドル11はプランジヤー4cを取り付けたプランジヤー
支持体12を軸13に沿つて上下に移動させるためのもので
あり、内部に餅状化したレジン5を投入されたシリンダ
4の先端のレジン押出孔4aをフラスコ支持台14に載置さ
れたフラスコ本体1の注入アタツチメント2のレジン注
入孔2aとを連通するようにして配置し、その後ハンドル
11を回してプランジヤー4cがシリンダ4内の餅状化した
レジン5を軽く押圧する位置まで下げる。この時、フラ
スコ本体1の締め具10は仮締めされておりフラスコ支持
台14に設けられているノブ15を回してプランジヤー4cの
芯とシリンダ4の芯及び注入アタツチメント2の芯がほ
ぼ一致するようにしてからノブ15の反対端に取り付けら
れているフラスコ押圧体16を用いてフラスコ本体1をフ
ラスコ支持台14に固定する。このようにしてから締め具
10を本締めすると片寄ることなくフラスコ本体1の天蓋
部1a,ぼん部1b,下蓋部1cとを組み付けることができるの
である。従つてフラスコ支持台14の側方には締め具10を
本締めする際に工具(図示なし)の邪魔とならないよう
に切り欠き部14aを設けておくと都合が良い。また、フ
ラスコ支持台14の振れ止めとして軸13には縦方向に溝が
設けられていて、この溝内に嵌まるようにフラスコ支持
台14の軸13側の側面に突起部が設けられていると好まし
い。
このような構造のフラスコ支持台14の底部には油圧ジヤ
ツキ17のジヤツキ軸17bが固定されており、前述したそ
れぞれのセツトを完了した後にジヤツキレバー18を用い
て油圧ジヤツキ17を動作させフラスコ本体1が載置され
たフラスコ支持台14を押し上げるのである。この時、圧
力ゲージ19の値を注意しながら行うと餅状化したレジン
5の填入不足や過多が防ぐことが出来るのである。フラ
スコ支持台14を下げるには圧力ドレイン17aを回してジ
ヤツキ内の圧力を解放してやれば良い。
〔発明の効果〕
以上詳述した本発明に係るレジン義歯床の製造方法は、
電子レンジなどを利用してマイクロウエーブによりレン
ジ義歯床を重合効果させるに際し、餅状化したレジンの
フラスコ内の義歯床間隙への充填は1回で済ますことが
できるので一連の作業を極めて短時間で成し得るので、
従来の圧迫整形法により約3回の圧迫が省略でき、しか
もこの圧迫整形法に必ず行わなければならなかつたバリ
取りなどの作業が不要となり、従つて餅状化したレジン
からモノマーが揮発してしまつて作業環境を悪くしたり
製品の価値の面からもモノマーの揮発によるレジン義歯
床の粘膜面の適合性が悪化するなどという欠陥が完全に
無くなるばかりでなく、フラスコ本体及び締め具などが
すべて合成樹脂系の物質で構成した義歯床製造用フラス
コを使用し得るのでマイクロウエーブの未照射部分が存
在しないためレジン義歯床の重合硬化を完全に行うこと
ができる利点を有しているのである。
そしてフラスコ内に餅状化したレジンを注入した後に、
硬質の素材より成る注入アタツチメントのレジン注入孔
を、硬質の素材より成るスプルー孔閉鎖部材で閉鎖して
からマイクロウエーブを照射するのでレジンを注入した
際の圧力が注入孔より逃げることがないので内部圧が維
持された状態でレジンの重合硬化が行われるためレジン
義歯床に気泡が生じることがなく緻密で物性の優れた重
合体が得られると共に得られたレジン義歯は重合時の収
縮による変形が抑制されるため適合性が非常に優れたも
のになるのである。
また、作業性の面においても従来の煮沸によるレジンの
重合硬化方法ではレジンの重合硬化に2時間を必要とし
ていたものを約3分間で済ますことが可能であり、レジ
ン義歯床の製造過程においても餅状化したレジンの注入
口がフラスコ側部に設けられているのでスプルーを単純
な形状且つ短く設定できるため、義歯床を構成するレジ
ンの重合硬化にマイクロウエーブを利用した最大の利点
である重合時間の短縮と短時間重合による適合性の良い
義歯床を得ることが出来るばかりでなく、作業性をより
一層向上させた上に従来から術者が所有している非金属
性のフラスコやプレス機をそのまま活用できるのでムダ
もないのである。
そして本発明方法において使用するフラスコは従来の総
てが合成樹脂性のフラスコをそのまま流用出来るので安
価且つ容易に出来る利点を有している。
更に本発明に係る方法によれば、スプルーが短く単純な
形状で且つ横方向から餅状レジンの注入を成し得るか
ら、餅状レジンの注入圧を高くしなくても充分に石膏で
形成された義歯床間隙内に注入出来るし、しかも硬質の
素材より成る注入アタッチメントとスプルー孔閉鎖部材
とを組合せて用いることにより注入された餅状レジンの
内部圧を維持出来るものとなっている。この内部圧が維
持された状態で重合硬化して得られたレジン義歯床は、
気胞が無く緻密で物性の優れた重合体となり、しかもレ
ジン重合時の収縮による変形が抑制されるための適合性
が非常に優れたものになるという顕著な効果が得られる
のである。
このように本発明方法は、従来の総てが合成樹脂製のフ
ラスコを利用しながらもこれを破損する恐れがなく、ま
た石膏で形成された間隙をも破損しない方法でありなが
ら、スプルーやベント用として効果的に切除され無駄と
なる部分のレジン材料の使用量は少なくて済むから歯科
技工コストを削減した上、更に仕上がりの良好なレジン
義歯床が得られるなど、レジン義歯床を効率良く且つ簡
便に製造出来る画期的な方法であり、その歯科界の発展
に寄与する処の非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施する際の主要構成要素の配置
状態を説明するための縦断面説明図、第2図は本発明方
法を実施するための義歯床製造用フラスコの1実施例を
示す斜視図、第3図は第2図に示した義歯床製造用フラ
スコに装着している注入アタツチメントの斜視図、第4
図は第3図に示した注入アツチメントの外側にスプルー
孔閉鎖部材を装着した状態を示す断面説明図、第5図は
本発明方法により製造されて石膏型から取り出されたば
かりの状態のスプルー及びベントを残しているレジン義
歯床の斜視図、第6図は本発明方法にて義歯床製造用フ
ラスコに注入装置により餅状化したレジンを注入してい
る状態を示す斜視図である。 図面中 1……フラスコ本体 1a……天蓋部 1b……ぼん部 1c……下蓋部 1d……貫通孔 1e……装着口 1f……ベント口 1g……石膏溢出孔 2……注入アタツチメント 2a……レジン注入孔 2b……内側の抜け止め部材 2c……外側の抜け止め部材 3……スプルー孔閉鎖部材 4……シリンダ 4a……レジン押出孔 4b……窪み 4c……プランジヤー 5……餅状化したレジン 6……スプルー部材 6a……スプルー 7……仮義歯床 7a……義歯床 8……ベント部材 8a……ベント 9……ベント封止部材 10……締め具 10a……ボルト 10b……ナツト 11……ハンドル 12……プランジヤー支持体 13……軸 14……フラスコ支持台 14a……切り欠き部 15……ノブ 16……フラスコ押圧体 17……油圧ジヤツキ 17a……圧力ドレン 17b……ジヤツキ軸 18……ジヤツキレバー 19……圧力ゲージ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれマイクロウエーブが透過可能な素
    材で形成されている天蓋部(1a)とぼん部(1b)と下蓋
    部(1c)とから成る分割可能なフラスコ本体(1)、該
    フラスコ本体(1)の側部であってぼん部(1b)と下蓋
    部(1c)とにより挟持されるようにして装着口(1e)に
    装着されるレジン注入孔(2a)を有する硬質の素材より
    成る注入アタッチメント(2)及び該注入アタッチメン
    ト(2)のレジン注入孔(2a)を閉鎖する硬質の素材よ
    り成るスプルー孔閉鎖部材(3)から成る分割可能なフ
    ラスコに準備し、このフラスコの前記下蓋部(1c)内に
    仮義歯床(7)を配した石膏模型型を一次石膏で位置固
    定させた後、この石膏模型及び固定一次石膏の表面に石
    膏分離材を塗布した後に前記フラスコを組み立てると共
    にこの仮義歯床(7)を二次石膏で埋没させ、該二次石
    膏が硬化した後に前記フラスコをぼん部(1b)と下蓋部
    (1c)との境界位置で分割し前記仮義歯床(7)を除去
    して義歯床空隙を形成すると共に前記レジン注入孔(2
    a)と形成した義歯床空隙とを連通させるスプルーを確
    保した後に前記フラスコを再度組み立てた後、注入アタ
    ッチメント(2)が装着されているフラスコの側部が注
    入装置のシリンダ(4)に面するようにして該注入装置
    に配置し、その先端にレジン押出孔(4a)が穿設されて
    おり予め餅状化した状態のレジン(5)が投入されてい
    る前記シリンダ(4)の該先端を前記注入アタッチメン
    ト(2)に接合させてプランジャー(4c)を用いて前記
    レジン(5)をスプルーを通じて義歯床間隙に充分注入
    した後に前記注入アタッチメント(2)のレジン注入孔
    (2a)をスプルー孔閉鎖部材(3)で閉鎖した上で、フ
    ラスコ全部をマイクロウエーブ照射空間内に位置させ所
    定時間マイクロウエーブを照射して注入したレジン
    (5)を重合硬化させることを特徴とするレジン義歯床
    の製造方法。
  2. 【請求項2】二次石膏が硬化した後にフラスコを分割し
    仮義歯床(7)を除去して形成した義歯床空隙と注入ア
    タッチメント(2)のレジン注入孔(2a)とを連通させ
    るスプルーの確保を、二次石膏投入前に仮義歯床(7)
    の所定位置と注入アタッチメント(2)のレジン注入孔
    (2a)とを連結する位置に位置せしめておいた所定太さ
    のスプルー部材(6)の除去により行う請求項1に記載
    のレジン義歯床の製造方法。
  3. 【請求項3】二次石膏が硬化した後にフラスコを分割し
    仮義歯床(7)を除去して形成した義歯床空隙と注入ア
    タッチメント(2)のレジン注入孔(2a)とを連通させ
    るスプルーの確保を、硬化した二次石膏の所定位置を切
    除することにより行う請求項1に記載のレジン義歯床の
    製造方法。
  4. 【請求項4】二次石膏が硬化した後にフラスコを分割し
    仮義歯床(7)を除去して形成した義歯床空隙と注入ア
    タッチメント(2)のレジン注入孔(2a)とを連通させ
    るスプルーを確保する際に、フラスコの側部に穿設され
    ているベント口(1f)と仮義歯床(7)を除去して形成
    した義歯床空隙とを連結するベントも合わせて確保する
    請求項1から3までのいずれか1項に記載のレジン義歯
    床の製造方法。
  5. 【請求項5】フラスコの側部に穿設されているベント口
    (1f)を内側が広いテーパ状とし、このテーパと同一の
    テーパを有するベント封止部材(9)を細い方の先端を
    外にして前記ベント口(1f)内に配備しておき、注入ア
    タッチメント(2)のレジン注入孔(2a)から注入され
    たレジン(5)が前記ベント封止部材(9)の位置まで
    充填されると前記ベント封止部材(9)がレジン(5)
    により押圧されて前記ベント口(1f)と密着して自動的
    に注入レジン(5)の流出を防止させる請求項4に記載
    のレジン義歯床の製造方法。
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