JPH0770974B2 - 比較回路 - Google Patents

比較回路

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JPH0770974B2
JPH0770974B2 JP63066167A JP6616788A JPH0770974B2 JP H0770974 B2 JPH0770974 B2 JP H0770974B2 JP 63066167 A JP63066167 A JP 63066167A JP 6616788 A JP6616788 A JP 6616788A JP H0770974 B2 JPH0770974 B2 JP H0770974B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は比較回路に関し、さらに詳しくは二つの互いに
異なる弁別レベルに挟まれたレベル領域に不感帯を設け
た比較回路に関する。
従来の技術 たとえば温度制御装置において、加熱器と冷却器とを用
いて温度制御を行う場合、単一の温度を境にして上記加
熱器と冷却器を切換え、常時いずれかが動作するのは不
経済であり、保守管理の面からも問題があった。このた
め相互に異なる2種の温度の範囲内では、両者とも動作
断となる休止領域を設けることが好ましいが、このよう
な目的を実現するために、従来は上記2種の各温度に関
してレベル弁別する比較回路、いわゆるコンパレータが
少なくとも二つ必要であった。
発明が解決しようとする課題 しかしながらコンパレータを二つも使用するのは回路構
成が複雑化し、使いにくいものであった。このため簡単
な回路構成で目的が実現される比較回路が所望されてい
た。
本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、簡単な構
成でレベル弁別が行われ、二つのレベルに挟まれた領域
に不感帯を設け、しかも一体化された比較回路を提供す
ることである。
課題を解決するための手段 本発明は、第1および第2の入力信号が個別にベースに
入力される一対の第1および第2のトランジスタQ1,Q2
と、 前記第1トランジスタおよび第2トランジスタQ1,Q2に
それぞれ直列に接続され、各ベースは共通に接続されて
いる一対の第3および第4のトランジスタC5b,C6bと、 予め定められる第1の利得G1(G1>1)をもち、第1電
流と、そのG1倍の第2電流とを前記第1および第2のト
ランジスタQ1,Q2に対して個別に供給する第1カレント
ミラー回路7と、 予め定められる第2の利得G2(G2>1)をもち、第4電
流と、そのG2倍の第3電流とを前記第4および第3のト
ランジスタC6b,C5bに対して個別に供給する第2カレン
トミラー回路8と、 前記ベースが共通に接続されている第3トランジスタお
よび第4トランジスタQ5,Q6に、バイアス電圧を与える
バイアス電圧発生回路C5a,C6a,5と、 互いに逆の導電形式を有する第1および第2のスイッチ
ングトランジスタQ9,Q10が直列接続されて直列回路が構
成され、第1スイッチングトランジスタQ9のベースは前
記第1カレントミラー回路7の第2電流の出力端子に接
続され、第2スイッチングトランジスタQ10のベースは
前記第2カレントミラー回路8の第3電流の出力端子に
接続され、この直列回路の両端が電源の両電位間Vcc,GN
Dに接続されるスイッチ回路と、 前記第1スイッチングトランジスタQ9と第2スイッチン
グトランジスタQ10の接続点に接続される出力端子4と
を含み、 前記第1入力信号と第2入力信号のレベル差が、前記第
1の利得G1と前記バイアス電圧とによって定まる第1の
レベルよりも大きいときには、前記第1スイッチングト
ランジスタQ9を導通させ、 前記第1入力信号と第2入力信号のレベル差が、前記第
2の利得G2と前記バイアス電圧とによって定まる第2の
レベルよりも大きいときには、前記第2スイッチングト
ランジスタQ10を導通させ、 前記第1入力信号と第2入力信号のレベル差の絶対値
が、前記第1のレベルと第2のレベルの範囲内のとき
は、前記第1および第2のスイッチングトランジスタQ
9,Q10はともに遮断されることを特徴とする比較回路で
ある。
作 用 本発明による比較回路は、直列に接続されている2つの
スイッチングトランジスタQ9,Q10のいずれか一方を導通
させ、または両方を同時に遮断して、前記2つのスイッ
チングトランジスタQ9,Q10の接続点に接続されている出
力端子4に、3種類の出力態様を現出させるものであ
る。前記3つの出力態様は、入力される2つの入力信号
のレベルの差を本件比較回路が判断することによって決
定される。
比較回路は、第1トランジスタQ1と第3トランジスタC5
b、および第2トランジスタQ2と第4トランジスタC6bと
が直列に接続され、さらに第1の利得G1をもつ第1カレ
ントミラー回路7および第2の利得G2をもつ第2カレン
トミラー回路8と、バイアス電圧発生回路C5a,C6a,5
と、前記2つのスイッチングトランジスタQ9,Q10から成
るスイッチ回路と、出力端子4とから構成される。前記
第1および第2のトランジスタQ1,Q2の各ベースには、
第1および第2の入力信号がそれぞれ個別に与えられ
る。また前記第3の第4のトランジスタC5b,C6bのベー
スは前記バイアス電圧発生回路C5a,C6a,5に共通に接続
され、一定のバイアス電圧が与えられる。さらに前記第
1カレントミラー回路7は、第1電流とそのG1倍の第2
電流を前記第1トランジスタQ1と第2トランジスタQ2に
それぞれ個別に供給する。前記第2カレントミラー回路
8は、第4電流とそのG2倍の第3電流を前記第4トラン
ジスタC6bと第3トランジスタC5bにそれぞれ個別に供給
する。
前記第1の利得G1および第2の利得G2と、バイアス電圧
とに基づいて2つの一定レベルが設定され、前記第1入
力信号と第2入力信号のレベルの差が前記第1の一定レ
ベルより大きいときには、前記第2トランジスタQ2は前
記第1カレントミラー回路7から第1電流のG1倍の第2
電流を出力させるとともに、前記第1スイッチングトラ
ンジスタQ9にベース電流を流して導通させる。これによ
って出力端子4に電源の一方の電位Vccが与えられて、
一定の出力態様が現出される。
前記第1入力信号と第2入力信号のレベル差が、前記第
2の一定レベルよりも大きいときには、前記第3トラン
ジスタQ10は前記第2カレントミラー回路8から第4電
流のG2倍の第3電流を出力させるとともに、前記第2ス
イッチングトランジスタQ10にベース電流を流して導通
させる。これによって出力端子4に電源の他方の電位GN
Dが与えられて、第2の出力態様が現出される。
第1入力信号と第2入力信号のレベル差の絶対値が、前
記2つの一定レベルの範囲内のときは、第1カレントミ
ラー回路7と第2カレントミラー回路8からは、前記G1
倍の第2電流およびG2倍の第3電流は出力されず、第1
と第2のスイッチングトランジスタQ9,Q10にはベース電
流が供給されずにともに遮断状態となる。これによって
出力端子4はハイインピーダンスとなる第3の出力態様
が現出される。
実施例 図面は本発明の一実施例の比較回路の電気回路図であ
る。比較回路1は、2つの入力信号Vb1,Vb2が個別に入
力される一対の信号入力端子2,3と、出力端子4と、定
電流回路5と、差動回路6と、複数のカレントミラー回
路7,8と、PNP導電形式のスイッチングトランジスタQ9と
NPN導電形式のスイッチングトランジスタQ10とで実現さ
れるスイッチ回路の各ブロックによって実現される。定
電流回路5は、図示の回路構成によって、バイアス電圧
発生回路の一部を形成しているが、これについては後述
する。比較回路1は、ラインl1,l2間にラインl1側を正
とする電源電圧Vccが印加される。ラインl1の電源電圧V
ccの電位は論理レベル「H」であり、ラインl2の接地電
位GNDは「L」である。
差動回路6は、前記第1入力信号Vb1がベースに印加さ
れる第1トランジスタQ1と、前記第2入力信号Vb2がベ
ースに印加される第2トランジスタQ2と、前記第1トラ
ンジスタQ1から導出されるエミッタ電流ie1がエミッタ
に流入する第3トランジスタQ5と、前記第2トランジス
タQ2から導出されるエミッタ電流ie2がエミッタに流入
する第4トランジスタQ6とで形成されている。第1トラ
ンジスタQ1と第2トランジスタQ2とは対をなし、第3ト
ランジスタQ3と第4トランジスタQ4は対をなし、第1ト
ランジスタQ1と第3トランジスタQ5、第2トランジスタ
Q2と第4トランジスタQ6は、それぞれ直列に接続されて
対称的に配置される。
第3トランジスタQ5と、第4トランジスタQ6は、ともに
コレクタ分割形トランジスタで実現され、一方の第3ト
ランジスタQ5は、等価的にコレクタおよびベースが共通
に接続され、コレクタC5aとコレクタC5bを個別に有する
2個のトランジスタと考えることができる。他方の第4
トランジスタQ6も同様にコレクタC6aとコレクタC6bを有
する2個のトランジスタと考えることができる。
第3トランジスタQ5と第4トランジスタQ6のベースはラ
インl3に共通に接続され、さらに前記分割されている各
一方のコレクタC5a,C6aが前記ラインl3にいわゆるダイ
オード接続されている。これによってたとえば第1トラ
ンジスタQ1のエミッタ電流ie1は、第3トランジスタQ3
のコレクタ電流ic5a,ic5bに分流される。同様に、他方
の第4トランジスタQ6に流入する第2トランジスタQ2の
エミッタ電流ie2は、第4トランジスタQ4のコレクタ電
流ic6a,ic6bに分流される。したがって定電流回路5に
は前記コレクタ電流ic5a,ic6aの和の電流isがラインl3
を介して流入し、これによってラインl3には一定のバイ
アス電圧、すなわちトランジスタQ5,Q6の各ベース・エ
ミッタ間電圧Vbe(Q5),Vbe(Q6)が生成されて印加さ
れる。このようにコレクタC5a,C6aと定電流回路5と
で、バイアス電圧発生回路が形成されている。なお参照
符C5b,C6bを、本件明細書中では、トランジスタと称す
ることもある。
予め定められる利得G1(G1>1)をもつ第1カレントミ
ラー回路7がラインl1と差動回路6間に介在し、予め定
められる利得G2(G2>1)をもつ第2カレントンミラー
回路8が差動回路6とラインl2間に介在して設けられて
いる。以下、ラインl1側に設けられるカレントンミラー
回路7を第1カレントンミラー回路7と称し、ラインl2
側に設けられるカレントンミラー回路8を第2カレント
ンミラー回路8と称する。第1カレントミラー回路7と
第2カレントミラー回路8は、いずれも対をなすトラン
ジスタQ3,Q4;Q7,Q8で形成されている。
前記第2トランジスタQ2のコレクタは、第1スイッチン
グトランジスタQ9のベースに接続され、前記第3トラン
ジスタQ5の一方のコレクタC5bは、第2スイッチングト
ランジスタQ10のベースに接続されている。第1スイッ
チングトランジスタQ9のエミッタはラインl1に接続さ
れ、第2スイッチングトランジスタQ10のエミッタはラ
インl2に接続され、2つのスイッチングトランジスタQ
9,Q10のコレクタは出力端子4に共通に接続されてい
る。スイッチングトランジスタQ9の導通時には出力端子
4には、電源の一方電位Vccであるハイレベルの出力信
号Voが導出され、スイッチングトランジスタQ10の導通
時には電源の他方電位GNDであるローレベルの出力信号V
oが導通される。また第1入力信号Vb1と第2入力信号Vb
2のレベル差の絶対値|Vb1−Vb2|が一定値よりも小さい
ときには、スイッチングトランジスタQ9,Q10はともに遮
断され、出力端子4はハイインピーダンス状態になっ
て、出力端子4に接続される図示しない外部回路と比較
回路1との接続が断たれるのである。
第1カレントミラー7と第2カレントミラー8を形成す
る各一対のトランジスタQ3,Q4;Q7,Q8は、いずれもベー
スが共通に接続され、さらに一方のトランジスタQ3、Q8
には、コレクタがベースに結ばれたいわゆるダイオード
接続がなされている。カレントミラー回路はダイオード
接続された一方のトランジスタに流れる電流レベルを1
とすれば、他方のトランジスタにはそのG倍の電流が追
随して流れる回路である。Gはカレントミラー回路の利
得を表し、本実施例では第1カレントミラー回路7の利
得をG1、第2カレントミラー回路8の利得をG2とし、い
ずれも1より大きい利得としている。カレントミラー回
路の利得Gを変えるには種々の方法があるが、本実施例
ではたとえば対をなすトランジスタQ3,Q4とトランジス
タQ8,Q7のエミッタ面積比を1:2とすることによりG1,G2
を得るようにしている。
したがってたとえば第1カレントミラー回路7のトラン
ジスタQ3から第1電流ic3が流出すると、トランジスタQ
4からはその2倍の第2電流ic4が流出するように動作す
る。第2カレントミラー回路8についても同様である。
本実施例の第1カレントミラー回路7では、ダイオード
接続されたトランジスタQ3が入力端子2の側に接続され
ているのに対し、第2カレントミラー8ではトランジス
タQ8が入力端子3の側に接続されている。
以下、図面を参照しつつ、本実施例の動作を説明する。
差動回路6を構成するトランジスタQ1,Q2の各コレクタ
電流ic1,ic2は、トランジスタQ1,Q2の各エミッタ電流ie
1,ie2にほぼ等しく、第3トランジスタQ5と第4トラン
ジスタQ6に流入するエミッタ電流ie1,ie2は、各1/2分割
されたコレクタC5a,C6aと、コレクタC5b,C6bとによっ
て、それぞれ第3トランジスタQ3のコレクタ電流ic5a,i
c5bと、第4トランジスタQ4のコレクタ電流ic6a,ic6bに
各1/2ずつ分流される。したがって ic1≒ie1=ic5a+ic5b=2・ic5a ……(1) ic2≒ie2=ic6a+ic6b=2・ic6a ……(2) 一方、定電流回路5には、前記コネクタ電流ic5a,ic6a
の和電流 is=ic5a+ic6a=(ic1+ic2)/2 ……(3) が流入することによって、第3トランジスタQ5と第4ト
ランジスタQ6の各ベース・エミッタ間電圧Vbe(Q5),Vb
e(Q6)が生成される。すなわち前記各一方のコレクタC
5a,C6aによって形成されるダイオードと、定電流回路5
とによって、バイアス電圧発生回路が形成されている。
差動回路6には正レベルの入力信号Vb1,Vb2が入力され
るものとし、第1トランジスタQ1と、第2トランジスタ
Q2のベース・エミッタ間電圧を、それぞれVbe(Q1),Vb
e(Q2)とする。入力信号Vb1〜ベース・エミッタ間電圧
Vbe(Q1)〜Vbe(Q5)の経路と、入力信号Vbe(Q2)〜
ベース・エミッタ間電圧Vbe(Q2)〜Vbe(Q6)の経路に
着目すれば、次の式が成り立つ。
Vb1−Vbe(Q1)−Vbe(Q5) =Vb2−Vbe(Q2)−Vbe(Q6) ……(4) 一般に、トランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbe
と、コレクタ電流Icとは対数関係があり、両者は Vbe=(KT/q)・ln(Ic/Io) ……(5) ここにK:T:絶対温度 T:ボルツマン定数 q:電子の電荷 Io:コレクタ逆方向飽和電流 で表される。なお前記(3)式において、右辺の係数KT
/qは、一般にはトランジスタの熱電圧と呼ばれており、
記号VTなどで表される定数(常温で約26mV)である。
前記(5)式に基づいて、トランジスタQ1,Q2,Q4および
Q5の各ベース・エミッタ間電圧を求めれば Vbe(Q1)=(KT/q)・ln(ic1/Io) ……(6) Vbe(Q2)=(KT/q)・ln(ic2/Io) ……(7) Vbe(Q3)=(KT/q)・ln(ic5a/Io) ……(8) Vbe(Q4)=(KT/q)・ln(ic6a/Io) ……(9) ここにic1,ic2は、それぞれトランジスタQ1,Q2のコレク
タ電流である。ic5aおよびic6aはトランジスタQ5,Q6の
各コレクタC5a,C6aのコレクタ電流で、前述のようにバ
イアス電圧生成に寄与する電圧である。Ioはトランジス
タのコレクタ逆方向飽和電流である。Ioを等しいものと
して、(6)〜(9)式を前記(4)式に代入すれば Vb1−(KT/q)・ln(ic1/Io) −(KT/q)・ln(ic5a/Io) =Vb2−(KT/q)・ln(ic2/Io) −(KT/q)・ln(ic6a/Io) ……(10) (10)式を整理すればIoは消去されて Vb2-Vb1 =(KT/q)・ln(ic2/ic1)-(KT/q)・ln(ic6a/ic5a) ……(1
1) Vb1-Vb2 =(KT/q)・ln(ic1/ic2)+(KT/q)・ln(ic5a/ic6a) ……
(12) 前記(2),(3)式から、ic5a=ic1/2,ic6a=ic2/2
であるので、(11)式は Vb2−Vb1=2(KT/q)・ln(ic2/ic1) ……(13) (12)式は Vb1−Vb2=2(KT/q)・ln(ic1/ic2) ……(14) (13)式からコレクタ電流の電流比ic1/ic2は ic1/ic2=e(vb1−vb2)/(2KT/q) ……(15) と指数関数で表される。eは自然体数の底である。(1
5)式から電流比ic1/ic2は、第1入力信号Vb1と、第2
入力信号Vb2のレベル差によって定まり、第1入力信号V
b1と第2入力信号Vb2のレベルが等しいときは、第1ト
ランジスタQ1のコレクタ電流ic1と、第2トランジスタQ
2のコレクタ電流ic2は等しくなることがわかる。
一方、第1トランジスタQ1のコレクタ電流ic1は、第1
カレントミラー回路7のトランジスタQ3から出力される
第1電流ic3に対応し、第2トランジスタQ2のコレクタ
電流ic2は、第1カレントミラー回路7のトランジスタQ
4から出力される第2電流ic4に対応する。第1カレント
ミラー回路7が利得G1(G1>1)をもつことから、ic1
=ic3=ic4/G1の関係が成立しなければならない。しか
るに前記第2電流ic4は、第2トランジスタQ2のコレク
タ電流ic2となるから、2つの入力信号のレベルが等し
く、Vb1=Vb2、したがってic1=ic2のときは、前述の関
係が成立しなくなり、第2トランジスタQ2のコレクタ電
流ic2は第1カレントミラー回路7の第2電流ic4未満
(ic2<ic4)となって、第1スイッチングトランジスタ
Q9のベースにベース電極ib9を流すことができず、第1
スイッチングトランジスタQ9は遮断される。また第2カ
レントミラー8についても同様で、第3トランジスタQ5
のコレクタC5bのコレクタ電流ic5bよりも大きいので、
第2スイッチング回路のトランンジスタQ10も遮断され
る。結局、Vb1=Vb2のときには、出力端子4はハイイン
ピーダンスとなり、出力端子4と図示されない外部回路
との間の接続が遮断される。
次に第1カレントミラー回路7の利得はG1であるので、
図から ic1=ic3=ic4/G1 ……(16) これより(13)式は Vb2−Vb1=2(KT/q)・ln(G1・ic2/ic4) ……(17) ここで第1スイッチングトランジスタQ9にベース電流ib
9を流してONさせるための条件を求める。そのために
は、第2トランジスタQ2のコレクタ電流ic2は、少なく
ともic2=ib9+ic4でなければならない。したがってic2
>ic4、すなわち(ic2/ic4)>1でなければならない。
この関係を(17)式に入れると、 Vb2−Vb1>2(KT/q)・lnG1 ……(18) すなわち第2入力信号Vb2のレベルが、第1入力信号Vb1
に定数2(KT/q)・lnG1を加えたレベルよりも高いとき
は、ベース電流ib9が流れて第1スイッチングトランジ
スタQ9はONする。このとき第2カレントミラー回路8の
トランジスタQ8には、第2トランジスタQ2のコレクタ電
流ic2のほぼ1/2に相当する電流ic8が流入するから、利
得G2をもつ第2カレントミラー回路8は、トランジスタ
Q7に電流ic8のG2倍の電流ic7を流そうとする。ところが
トランジスタQ7に流入する電流ic5bは、第1トランジス
タQ1のコレクタ電流ic1のほぼ1/2であり、ic5b<ic7と
なって、第2スイッチングトランジスタQ10にベース電
流ib10を与えることができない。このため第2スイッチ
ングトランジスタQ10は遮断される。これにより出力端
子4には電源電圧Vccにほぼ等しいハイレベル「H」が
出力信号Voとして導出される。
次に前述とは逆に、第2スイッチングトランジスタQ10
がONするための条件を求める。(1),(2)および
(12)式から Vb1−Vb2=(KT/q)・ln(2・ic5a/2・ic6a) +(KT/q)・ln(ic5a/ic6a) =2(KT/q)・ln(ic5a/ic6a) ……(19) ここでic5a=Ic5b,ic6a=ic6bc、またG2・ic8=G2・ic6
bだから、(19)式は Vb1−Vb2=2(KT/q)・ln(G2・ic5b/ic7)……(20) 第2スイッチングトランジスタQ10がONするための条件
は、ic5b>ic7のとき、すなわち ic5b/ic7>1 ……(21) のときに、ベース電流ib10が流れてONする。(20),
(21)式から Vb1−Vb2 =2(KT/q)・ln(G2・ic5b/ic7)>2(KT/q)・lnG2 ……
(22) すなわち入力信号Vb1のレベルが、入力信号Vb2のレベル
に定数2(KT/q)・lnG2を加えたレベルよりも高いとき
は、第2スイッチングトランジスタQ10はONする。この
とき第1スイッチングトランジスタQ9にはベース電流ib
9が与えられず、遮断されることは前述の場合と同様で
ある。これにより出力端子4は接地電位GNDほぼ等しい
ローレベル「L」が出力信号として導出される。
したがってスイッチングトランジスタQ9,Q10がともに遮
断され、出力端子4が外部回路(図示せず)に対してハ
イインピーダンスとなるのは、2つの入力端子Vb1,Vb2
のレベルの差の絶対値|Vb1−Vb2|が、第1カレントミラ
ー回路7の利得G1および第2カレントミラー回路8の利
得G2と、前記バイアス電圧とで定まる2つのレベルの差 2(KT/q)・lnG1−2(KT/q)lnG2 ……(23) よりも小さいときである。
ハイインピーダンス状態は入力信号に対して不感状態で
あることを示している。以上をまとめて第1表に示す。
第1表C欄は、本実施例に言う不感帯のレベル範囲を表
す。すなわち、2つの入力信号Vb1,Vb2のレベル差の絶
対値が一定範囲内のとき、出力端子4のハイインピーダ
ンス状態が現出する。したがって、カレントミラー回路
7,8のそれぞれの利得G1,G2を変えることによって、前記
不感帯の範囲を自由に設定することができる。したがっ
てたとえば或るレベル幅で別個にレベルが変化する二つ
の信号を入力端子2,3に接続すれば、比較回路1は上記
二つのレベルの大小関係で定まる出力「H」,「L」
を、前記不感帯の幅を挟んで出力し、レベル差が不感帯
の領域範囲内のときは出力はハイインピーダンスとな
る。
また一方の入力端子に予め基準電圧を与えておき、他方
の入力端子にレベルが変化する入力信号を加えると、比
較回路1は入力レベルと基準レベルとを比較し、たとえ
ば入力レベルが0から不感帯レベルの下限に達するまで
は「H」を出力し、それを過ぎると出力はオフ(ハイイ
ンピーダンス状態)し、不感帯レベルの上限に達してそ
れを越えると「L」を出力するコンパレータ動作を実行
する比較回路となる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、比較回路を構成するトラ
ンジスタのバイアス電圧と、2つのカレントミラー回路
の利得とに基づいて2つの一定レベルを設定し、入力さ
れる2つの入力信号のレベルの差を前記2つの一定レベ
ルの各一方と比較することによって、出力端子に電源端
子のいずれかの電位または遮断状態の3種類の出力態様
を現出させるようにしている。出力端子の遮断状態は、
2つの入力信号のレベル差が一定のレベルの範囲内にあ
るときに現出されるので、いずれかの電位を現出する2
つの出力態様の間に一定幅の入力不感帯を設けることが
でき、したがって出力端子に接続される外部回路に対す
る各種制御をスムーズに行うことができる。前記不感帯
レベル幅は、所望の値に設定でき、しかも本発明による
比較回路は、従来技術と異なって簡単な回路構成で実現
可能であり、産業上の効果大なるものである。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例の比較回路1の構成を示す電気
回路図である。 1……比較回路、2,3……入力端子、4……出力端子、
5……定電流電源、6……差動回路、7、8……カレン
トミラー回路、Q1〜Q8……トランジスタ、Q9,Q10……ス
イッチングトランジスタ、Vb1,Vb2……入力信号レベ
ル、Vo……出力レベル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1および第2の入力信号が個別にベース
    に入力される一対の第1および第2のトランジスタQ1,Q
    2と、 前記第1トランジスタおよび第2トランジスタQ1,Q2に
    それぞれ直列に接続され、各ベースは共通に接続されて
    いる一対の第3および第4のトランジスタC5b,C6bと、 予め定められる第1の利得G1(G1>1)をもち、第1電
    流と、そのG1倍の第2電流とを前記第1および第2のト
    ランジスタQ1,Q2に対して個別に供給する第1カレント
    ミラー回路7と、 予め定められる第2の利得G2(G2>1)をもち、第4電
    流と、そのG2倍の第3電流とを前記第4および第3のト
    ランジスタC6b,C5bに対して個別に供給する第2カレン
    トミラー回路8と、 前記ベースが共通に接続されている第3トランジスタお
    よび第4トランジスタQ5,Q6に、バイアス電圧を与える
    バイアス電圧発生回路C5a,C6a,5と、 互いに逆の導電形式を有する第1および第2のスイッチ
    ングトランジスタQ9,Q10が直列接続されて直列回路が構
    成され、第1スイッチングトランジスタQ9のベースは前
    記第1カレントミラー回路7の第2電流の出力端子に接
    続され、第2スイッチングトランジスタQ10のベースは
    前記第2カレントミラー回路8の第3電流の出力端子に
    接続され、この直列回路の両端が電源の両電位間Vcc,GN
    Dに接続されるスイッチ回路と、 前記第1スイッチングトランジスタQ9と第2スイッチン
    グトランジスタQ10の接続点に接続される出力端子4と
    を含み、 前記第1入力信号と第2入力信号のレベル差が、前記第
    1の利得G1と前記バイアス電圧とによって定まる第1の
    レベルよりも大きいときには、前記第1スイッチングト
    ランジスタQ9を導通させ、 前記第1入力信号と第2入力信号のレベル差が、前記第
    2の利得G2と前記バイアス電圧とによって定まる第2の
    レベルよりも大きいときには、前記第2スイッチングト
    ランジスタQ10を導通させ、 前記第1入力信号と第2入力信号のレベル差の絶対値
    が、前記第1のレベルと第2のレベルの範囲内のとき
    は、前記第1および第2のスイッチングトランジスタQ
    9,Q10はともに遮断されることを特徴とする比較回路。
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