JPH0770209A - 多糖物質nps、その製造法および用途 - Google Patents

多糖物質nps、その製造法および用途

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JPH0770209A
JPH0770209A JP6146029A JP14602994A JPH0770209A JP H0770209 A JPH0770209 A JP H0770209A JP 6146029 A JP6146029 A JP 6146029A JP 14602994 A JP14602994 A JP 14602994A JP H0770209 A JPH0770209 A JP H0770209A
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nps
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polysaccharide substance
polysaccharide
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JP6146029A
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Yoshihiro Yamamoto
佳弘 山本
Shinji Murozaki
伸二 室▲崎▼
Shinichi Kayano
新市 栢野
Mutsumi Konyou
睦 昆陽
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SANKI SHOJI CO Ltd
Miki Trading Co Ltd
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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SANKI SHOJI CO Ltd
Miki Trading Co Ltd
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生理活性を有する新規多糖物質の提供。 【構成】 ラクトバチルス属の乳酸菌から単離された抗
炎症効果および骨髄細胞増殖促進効果を有し、明細書に
記載する理化学的性質を有する新規多糖物質NPSなら
びにNPS生産菌を培養するその製造法、NPSを含有
する抗炎症剤、骨髄細胞増殖促進剤およびBリンパ球増
殖抑制剤。 【効果】 抗炎症剤、骨髄細胞増殖促進剤、Bリンパ球
増殖抑制剤等として有用な、新規多糖物質が提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有用な生理活性を有す
る新規な多糖物質NPS、その製造法および用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、微生物の生産する多糖物質に
対する研究は数多くなされており、近年、乳酸菌の生産
する多糖物質の研究およびその生理活性についての報告
もいくつかなされている(特開昭58−198495
号、特開昭63−61002号およびAgric.Biol.Ch
em.47(7)1623〜1625,1983)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、食品中
の微生物の研究を進める中で、ソビエト連邦コーカサス
地方で古くから飲用されているナリネ発酵乳中の乳酸菌
であるラクトバチルス・ヘルベティカス MIKI−0
20(Lactobacillus helveticus MIKI−020)
が新規な多糖物質NPSを生産することを見出だし、こ
れを単離することに成功し、かくして単離されたNPS
の生理活性を研究したところ、顕著な抗炎症効果、骨髄
細胞増殖効果およびBリンパ球増殖抑制効果を示すこと
が判明した。
【0004】炎症は体内に微生物等が進入すると、微生
物等を処理するために起こる必要な生体反応であり健常
人においても常に誘起される反応である。この炎症が継
続すると生体に対してダメージを与え、老化、自己免疫
疾患、癌、動脈硬化を誘発する一因になると考えられて
いる。現在、抗炎症剤としては、非ステロイド系抗炎症
剤、ステロイド系抗炎症剤、免疫調整剤などが広く用い
られているが、いずれも胃腸障害、免疫機能低下などの
副作用を持ち、その用途は限られている。また、加齢に
伴い、骨髄細胞の増殖機能が衰え、微生物感染に対する
抵抗性が落ちることがよく知られている。これに対し
て、骨髄細胞の増殖を促進する物質として単球コロニー
刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子等が使われている
が、これらの物質は制癌剤との併用、骨髄移植における
骨髄細胞の回復促進を目的にしており、日常の摂取には
適していない。また、Bリンパ球の異常増殖を主因とす
る悪性リンパ腫、Bリンパ球の異常活性により産生され
る自己抗体を病因とする全身性エリテマトーデス、慢性
関節リウマチ等の自己免疫疾患に対しては、これらのB
リンパ球の増殖を抑制することが有効であるが、現在B
リンパ球の増殖を特異的に抑制する薬剤は使われていな
い。本発明の新規多糖物質NPSは、その抗炎症効果、
骨髄細胞増殖促進効果およびBリンパ球増殖抑制効果か
ら、すぐれた抗炎症剤や骨髄細胞増殖促進剤、Bリンパ
球増殖抑制剤となるものと考えられる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下に示す理
化学的性質を有する新規多糖物質NPSおよび該NPS
生産乳酸菌の培養物よりNPSを分離採取することを特
徴とするNPSの製造法を提供するものである。さら
に、本発明はNPSを有効成分とする抗炎症剤、骨髄細
胞増殖促進剤およびBリンパ球増殖抑制剤を提供するも
のである。
【0006】新規多糖物質NPSの理化学的性質 (1)元素分析値 (110℃、2時間、減圧乾燥品) C:40.2 ± 6 H: 6.3 ± 0.8 N: 1.3 ± 0.4 O:52.1 ±10 (2)分子量 (セファロースCL2Bによるゲル濾過法) 2,000,000〜100,000程度 (3)融点 270℃付近で黒褐色に分解する。 (4)赤外吸収スペクトル(KBr法) 3413,2925,1649,1550cm-1 (5)溶剤に対する溶解性 水に可溶、メタノール、エタノール、アセトン、エーテ
ルに不溶 (6)呈色反応 (a)モーリッシュ反応 + (b)アンスロン反応 + (c)システイン−硫酸反応 − (d)カルバゾール−硫酸反応 − (e)エルソン−モルガン反応 −(ただし塩酸加水分解後
+) (f)ニンヒドリン反応 −(ただし塩酸加水分解後
+) (7)塩基性、酸性、中性の別 0.5%水溶液はpH7.2を示す。 (8)物質の色 凍結乾燥品は白色繊維状である。 (9)構成糖の種類及び組成比 グルコース:ガラクトース:N−アセチルグルコサミン=
2.5〜3.5:2.5〜3.5:1
【0007】該新規多糖物質NPSは、NPS生産菌を
培養することにより得られる。該NPS生産菌の代表的
なものとしては、本発明者らが見出したラクトバチルス
属に属する乳酸菌であるラクトバチルス ヘルベティカ
ス MIKI−020(Lactobacillus helveticus
MIKI−020)が挙げられ、これは平成5年6月7
日に工業技術院生命工学工業技術研究所へ寄託されてお
り、その受託番号は、FERM P−13678であ
る。
【0008】ラクトバチルス・ヘルベティカス MIK
I−020(Lactobacillus helveticus MIKI−
020)の菌学的性質を以下に示す。 菌形態 桿菌 グラム染色 + 発酵形式 ホモ型 乳酸旋光性 DL GC含量(%) 40.4 カタラーゼ反応 − 15℃での発育 −
【0009】糖発酵性 アミグダリン − マンノース + アラビノース − メレジトース − ゼロビオース − メリビノース − エスクリン − ラフィノース − フルクトース + ラムノース − ガラクトース + リボース − グルコース + サリシン − グルコネート − ソルビトール − ラクトース + シュークロース − マルトース − トレハロース + マンニトール − キシロース −
【0010】以上の菌学的諸性質よりラクトバチルス・
ヘルベティカスに属する乳酸菌と同定された。ラクトバ
チルス属に属する多糖類生産菌は、他の微生物と同様
に、例えば、紫外線、エックス線、放射線などの照射、
種々の変異処理、その他の手段で変異させることがで
き、本発明においては、MIKI−020株に限らず、
この様な変異株あるいは自然に得られる突然変異株も含
め、NPSを生産する能力を有するものは、全て本発明
に利用し得る。
【0011】多糖物質NPSは、多糖物質NPS生産菌
を培地に培養した後、培養物より採取される。培養培地
としては、液状でも固状でもよいが、大量に処理すると
きには液体培地を用いるのが適当である。培地には、当
該生産菌が資化し得る炭素源、窒素源、無機物質、微量
栄養素が適宜配合される。炭素源としては、グルコー
ス、ガラクトース、ラクトース、フルクトースなどが、
窒素源としては、酵母エキス、乾燥酵母、大豆タンパ
ク、各種タンパク加水分解物、その他が用いられる。さ
らにナトリウム、カリウム、カルシウムなどを含む塩
類、鉄、マンガンなどを含む金属塩類、リン酸、クエン
酸、酢酸などの塩類、その他、ビタミン類(例、B1、
B2、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸など)、核
酸類(例、プリン、ピリミジンなど)が適宜用いられる
が、脱脂粉乳、ミルクホエー、乳カゼインおよびその加
水分解物などの乳製品を含む培地はより好ましい。
【0012】培養条件としては、NPSを生産する条件
であればいかなる培養条件でもよく、培地のpHは、pH
4.5〜7.0特にpH5.0から6.5が好ましく、培養
温度は、20〜45℃で、1日から7日間の培養が好ま
しい。
【0013】培養物から目的とする多糖物質NPSを採
取するには、遠心分離、溶媒分画、ゲル濾過、イオン交
換クロマトグラフィー、透析等の微生物が生産する水溶
性多糖類の一般的な採取方法を単独あるいは適宜組み合
わせて行えば良い。例えば、多糖物質NPS生産菌の培
養物から遠心分離によって、上澄区分と沈澱区分を得
る。得られた液体区分にエチルアルコール、アセトン等
の有機溶媒を加えることにより沈澱物が得られる。ま
た、沈澱区分は、水、熱水等で抽出を行った後、遠心分
離によって上澄を得、この上澄液にエチルアルコール、
アセトン等の有機溶媒を加えて沈澱を得る。このように
して上澄区分と沈澱区分から得られた沈澱を水に再溶解
し、不溶物を遠心分離、濾過等の方法によって除去した
後、再度エチルアルコール、アセトン等の有機溶媒を加
え沈澱を得る。得られた沈澱は、トリス−塩酸緩衝液等
の適当な緩衝液に溶解し、同様の緩衝液で緩衝化された
ジエチルアミノエチルセルロース等のイオン交換体を充
填したカラムに負荷する。続いて同様の緩衝液を流し、
非吸着区分を分取し、イオン交換水中で透析を行い、透
析内液を凍結乾燥することにより、精製された多糖物質
NPSが得られる。
【0014】多糖物質NPSを人に用いる場合の投与量
は対象の疾患、投与経路、治療する患者個々の年齢およ
び疾病の程度によって変動し得るが、通常有効成分の投
与量は、1日約4mg〜40gとりわけ20mg〜4g、さら
に好ましくは300mg〜4gである。
【0015】製剤としての投与形態として、経口投与あ
るいは非経口投与が考えられる。経口投与に当たって
は、カプセル剤、錠剤顆粒剤、シロップ剤、散剤等の剤
形とし、多糖物質NPSと共に添加剤、例えば、賦形
剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、安定剤
等が含まれてもよい。それらの中には、澱粉、白糖、果
糖、乳糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、沈
降炭酸カルシウム、結晶セルロース、カルボキシメチル
セルロース、デキストリン、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク等があげられる。
【0016】非経口投与に当たっては、多糖物質NPS
を慣用の希釈剤中に溶解または懸濁し、液剤、エマルジ
ョン、懸濁液、坐剤およびその他適切な剤形として用い
ることができる。希釈剤としては、蒸留水、生理食塩
水、リンゲル液、ブドウ糖水溶液、等が含まれる。その
他医薬製剤には、添加剤として、乳化剤、懸濁化剤、溶
解補助剤、安定剤、保存剤、無痛化剤、等張化剤、緩衝
剤、pH調整剤、着色剤、皮覆剤等が含まれてもよい。
また、これらの製剤は、通常の方法で製造することがで
きる。
【0017】また、多糖物質NPSを各種食品、例え
ば、乳酸菌飲料、ヨーグルト、ドレッシング、粉末、顆
粒食品等の形態で提供することも可能である。その場
合、単離されたNPSを添加すること、及びNPS生産
菌培養液をそのまま利用することも可能である。
【0018】
【実施例】つぎに、本発明の実施例および試験例を示
し、本発明をさらに詳しく説明する。 実施例1 10%脱脂粉乳培地1kgにラクトバチルス・ヘルベティ
カス MIKI−020(FERM P−13678)を
接種し、38℃にて3日間培養を行った。得られた培養
液を遠心分離し(7,000rpm、20分)上澄画分と沈澱
画分を得た。得られた沈澱画分にイオン交換水300ml
を加え、室温にて1時間攪拌して抽出を行い、その後、
遠心分離(7,000rpm、15分)を行った。得られた上
澄画分を培養液からの上澄画分と合わせた後、エチルア
ルコールを最終濃度50%になるように加えた。得られ
た沈澱物を遠心分離(10,000rpm、15分)によって
回収後、イオン交換水に溶解し不溶性物質を遠心分離
(10,000rpm、15分)によって除去した。この操作
を3回繰り返した後、再度、エチルアルコールを最終濃
度50%になるように加え沈澱を得た。得られた沈澱を
0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)に溶解し、同
緩衝液で緩衝化されたジエチルアミノエチルセルロース
カラムに負荷し、同緩衝液を流し非吸着画分を分取し
た。得られた非吸着面画分を、流水中で1日透析した
後、イオン交換水中で2日間透析を行った。得られた透
析内液を凍結乾燥し、精製NPSを200mg得た。
【0019】得られたNPSの理化学的性質はつぎのと
おりである。 (1)元素分析値(110℃、2時間、減圧乾燥品) C:38.1 H: 6.5 N: 1.2 O:54.2 (2)分子量 セファロースCL2Bによるゲル濾過法にて測定した分
子量は、2,000,000〜100,000程度の分子
量分布を示した。以下にカラム条件を示した。 カラム条件 カラムサイズ 2.5×100cm 温度 室温 溶出液 水 流速 20ml/hr (3)比旋光度
【0020】
【数1】
【0021】(4)融点 本物質は270℃付近で黒褐色に分解する。 (5)赤外吸収スペクトル(KBr法) 図1に示すとおりである。 (6)溶剤に対する溶解性 水に可溶、メタノール、エタノール、アセトン、エーテ
ルに不溶。 (7)呈色反応 (a)モーリッシュ反応 + (b)アンスロン反応 + (c)システイン−硫酸反応 − (d)カルバゾール−硫酸反応 − (e)エルソン−モルガン反応 −(ただし塩酸加水分解後
+) (f)ニンヒドリン反応 −(ただし塩酸加水分解後
+) (8)塩基性、酸性、中性の別 0.5%水溶液はpH7.2を示す。 (9)物質の色 凍結乾燥品は白色繊維状である。 (10)構成糖の種類および組成比 試料5mgに2N トリフルオロ酢酸を加えて、100℃
にて8時間加水分解後、減圧濃縮乾固してトリフルオロ
酢酸を除去した後、Asahipak NH2−P50(4.6
×250mm 旭化成工業社製)を用いたHPLCによっ
て分析を行った結果、グルコース:ガラクトース:N−ア
セチルグルコサミン=2.5〜3.5:2.5〜3.5:1の
割合で検出した。HPLCの条件を以下に示した。 条件:カラム温度 40℃ 溶離液 テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイト
−酢酸(pH10):アセトニトリル=20:80 流速 0.6ml/分
【0022】実施例2 10%脱脂粉乳溶液を2N塩酸でpH4.6に調整後10
0℃で30分間加熱し、生じた沈澱を濾別し、2N水酸
化ナトリウムでpH7.0に調整し、再度100℃で30
分加熱し、生じた沈澱を濾別後、2N塩酸でpH6.2に
調整してホエー溶液を得た。得られたホエー溶液10リ
ットルを培養培地としラクトバチルス・ヘルベティカス
MIKI−020(FERM P−13678)を接種
し、38℃にて3日間培養を行った。得られた培養液を
遠心分離し(7,000rpm、20分)上澄画分と沈澱画分
を得た。沈澱画分にイオン交換水2,000mlを加え、
1時間室温にて攪拌抽出を行った後、遠心分離(7,00
0rpm、15分)を行うことによって得られた上澄画分を
培養液からの上澄画分と合わせ、2N水酸化ナトリウム
でpH6.5に調製した。この溶液を、エバポールCEP
1(大川原製作所製)を用いて、40℃、1,500rpmに
て濃縮し、濃縮液3リットルを得た。得られた濃縮液に
エチルアルコールを最終濃度50%になるように加え
た。得られた沈澱物を遠心分離(10,000rpm、15
分)によって回収後、イオン交換水に溶解し、不溶性物
質を遠心分離(10,000rpm、15分)によって除去し
た。この操作を3回繰り返した後、再度、エチルアルコ
ールを最終濃度50%になるように加え、沈澱を得た。
得られた沈澱を0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.
5)に溶解し、同緩衝液で緩衝化されたジエチルアミノ
エチルセルロースカラムに負荷し、同緩衝液を流し非吸
着画分を分収した。得られた非吸着画分を、流水中で1
日透析した後、イオン交換水中で2日間透析を行った。
得られた透析内液を凍結乾燥し、精製NPSを1.2g得
た。
【0023】実施例3 10%脱脂粉乳溶液(1kg)で38℃3日間培養したNP
S生産菌の培養液に、デキストリン等の賦形剤で固形分
を22%に調製後、スプレードライ、フリーズドライな
どの方法により粉末化してNPSを含有した発酵粉末を
得る。得られた発酵粉末を主体とし、以下の処方により
作成した顆粒状食品は、NPSを40mg%程度含有す
る。 発酵粉末 50.0g ラフィノース 30.0g ローヤルゼリー 1.7g エレウテロコックエキス 3.3g ぶどう糖 15.0g
【0024】実施例4 牛乳(500ml)および脱脂粉乳(50g)に水を加え、固
形分を10%に調製して均質化後、加熱滅菌した溶液で
NPS生産菌を38℃3日間培養する。得られたNPS
生産菌の培養液を用い、以下の処方で作成したサワーク
リームドレッシングはNPSを39mg%程度含有する。 培養液 100.00g 生クリーム 20.00g 砂糖 8.00g NPS 0.03g 食塩 1.00g グルタミン酸ソーダ 0.20g 5'−リボヌクレオタイドナトリウム 0.02g ホワイトペッパー 0.05g マスタードシーズニング 0.13g
【0025】実施例5 10%脱脂粉乳培地(40リットル)にてNPS生産菌を
38℃3日間培養して得られた溶液に、NPS、水、砂
糖、イソマルトオリゴ糖、2%ペクチン溶液、ヨーグル
トフレーバーを以下の割合で混合した溶液をホモジナイ
ザーにて150kg/cm2の均質化処理を行い、その後、
75℃、10分間加熱攪拌殺菌を行う。得られた無脂乳
固形分3%の乳製品乳酸菌飲料は、NPSを106mg%
程度含有する。 NPS 0.1kg 水 33.6kg 砂糖 7.0kg イソマルトオリゴ糖 4.0kg 2%ペクチン溶液 25.0kg ヨーグルトフレーバー 0.3kg NPS生産菌培養10%脱脂粉乳溶液 30.0kg
【0026】実施例6 以下に示した配合量にて、各成分をよく混合後、直接加
圧することにより錠剤を製造した。錠剤1錠(800mg)
当たりNPSを64mg程度含有する。 NPS 16 g 乳糖 175 g 結晶セルロース 1.2g タルク 8 g
【0027】試験例1 本試験例では、実施例1で得たNPSを用いて、実験的
に炎症を惹起させたマウスの炎症部位の好中球数に対す
るNPSの作用を調べることにより、NPSの抗炎症効
果を検証した。好中球は炎症部位において毒性物質を放
出することにより周囲の正常細胞や結合組織を無差別に
傷害するため、炎症部位の好中球を減少させる物質は抗
炎症作用を持つ。マウス(C3H/HeN、雌、7週齢、
1群20匹x2群)の1群には、実施例1で得たNPS1
6mgを蒸留水1mlに溶かした溶液を、別の1群には蒸留
水を各々1日1回、0.5ml/マウス当たりで3日間経
口投与した。経口投与開始6日目にホエー蛋白濃縮物
(以下、WPC(whey protein concentrate)と略記す
る)をマウス当たり10mg腹腔内投与した。WPC投与
前、投与後1、2およ3日目に各群5匹を屠殺し、マウ
ス1匹当たり5U/mlヘパリンおよび10%Nu Seru
mを含有するPBSを6ml腹腔に注入し、腹部を激しく
もんだ後、注入液を回収し、腹腔滲出細胞を得た。腹腔
滲出細胞数と腹腔滲出細胞中に含まれる炎症細胞である
好中球の割合をフローサイトメトリーにより測定し、好
中球数の変化を求めた。
【0028】図2は、その効果を示す棒図である。図
中、黒棒はNPS投与群を、白棒は非投与対照群を示
す。WPCの腹腔内投与により炎症が誘引され、WPC
腹腔投与1日目に炎症細胞である好中球数が両群とも増
加し、NPS群は正常の免疫応答を示したが、NPS群
の好中球数はその後速やかに減少し、WPC腹腔内投与
2日目の好中球数はNPS群が有意に少なく、NPSの
抗炎症効果が認められた。
【0029】試験例2 本試験例では、実施例1で得たNPSを用いて、実験的
に白血球数を減少させたマウスの白血球数の回復に対す
るNPSの作用を調べることにより、NPSの骨髄細胞
増殖促進効果を検証した。白血球は全て骨髄細胞を起源
としており、減少した後に回復する白血球数は骨髄細胞
の分化増殖能に比例する。マウス(ICR、雌、7週
齢、1群12匹x2群)に5−フルオロウラシル(以下5
FUと略記する)を体重1kg当たり150mg腹腔内投与
し、投与翌日より、1群には実施例1で得たNPS16
mgを蒸留水1mlにとかした溶液を、別の1群には蒸留水
を、各々1日1回0.5ml/マウス当たりで3日間経口
投与した。5FU投与前、投与後4、7、11および1
4日目にマウスの眼窩静脈叢より血液を20マイクロリ
ットル採取し、自動血球計数装置により白血球数を測定
した。図3はその結果を示す線図である。図中、黒丸は
NPS投与群を、白丸は非投与対照群を示す。5FU投
与により白血球数が減少したが、NPS群の減少は僅か
であり、5FU投与4日目の白血球数はNPS群が有意
に多く、NPSの骨髄細胞増殖促進効果が認められた。
【0030】試験例3 本試験例では、実施例1で得たNPSを用いて、マウス
脾臓リンパ球増殖反応に対するNPSの作用を調べるこ
とにより、NPSのBリンパ球増殖抑制効果を検証し
た。マウス(C57BL/6、雌、10週齢)から無菌
的に脾臓を摘出し、RPMI 1640培地中で脾臓を
押しつぶし、#200メッシュに通し脾臓細胞浮遊液を
得た。脾臓細胞浮遊液の細胞数を自動血球数装置により
測定した後、細胞数を1×107/mlの濃度にRPM
I 1640培地で調製し、24穴組織培養プレートに
1穴当たり200マイクロリットルを播種した。Tリン
パ球増殖刺激物質のコンカナバリンAを8マイクログラ
ム/mlの濃度でRPMI 1640培地に溶解した
液、Bリンパ球増殖刺激物質のリポポリサッカライドを
200マイクログラム/mlの濃度でRPMI 164
0培地に溶解した液、あるいはRPMI 1640培地
を、それぞれ1穴当たり200マイクロリットル播種し
た脾臓細胞浮遊液に加えて、Tリンパ球刺激群、Bリン
パ球刺激群、無刺激群とした。この3群にRPMI 1
640培地(対照)あるいはNPSを8mg/mlの濃
度でRPMI 1640培地に溶解した液をそれぞれ1
穴当たり400マイクロリットル加え、37℃の5%炭
酸ガス培養器内で3日間培養した。培養を終わる3時間
前に臭化3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−
2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウムを5mg/m
lの濃度でRPMI 1640培地に溶解した液を1穴
当たり40マイクロリットル加え、培養終了時に20%
ドデシル硫酸ナトリウム溶液を1穴当たり200マイク
ロリットル加え、37℃で1日放置後、脾臓細胞の増殖
反応を培養液の吸光度570nmを測定することにより
求めた。表1は、その結果を示す表である。Tリンパ球
増殖反応に及ぼすNPSの影響は僅かであったが、NP
SはBリンパ球増殖反応を顕著に抑制し、NPSのBリ
ンパ球増殖抑制効果が認められた。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、すぐれた抗炎症作用、
骨髄細胞増殖促進効果およびBリンパ球増殖抑制効果を
有する新規多糖物質NPSが提供される。該多糖物質は
NPS生産菌の培養液より容易に単離採取することがで
きる。単離されたNPSは、製剤の形態、あるいは、無
色無臭の物質であるため、味、外観等を損なうこと無く
既存の食品に添加することが可能であり、さらには、N
PS生産菌培養液の形態で既存の食品等に利用できるた
め、炎症に起因する老化、自己免疫疾患、癌、動脈硬化
等の発症予防および治療に対して好適なものである。さ
らに、加齢に伴う免疫機能の低下予防及び治療に用いる
ことができ、また、Bリンパ球の異常増殖、ならびに異
常活性に起因する悪性リンパ腫、自己免疫疾患等の発症
予防及び治療に対して好適な物であり、Bリンパ球等へ
の研究用試薬として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多糖物質NPSの赤外吸収スペクト
ル図を示す図面である。
【図2】 WPCを投与した後の腹腔好中球数を示す棒
図。
【図3】 5FUを投与した後の白血球数を示す線図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 19/04 C12R 1:225) (72)発明者 栢野 新市 兵庫県西宮市鳴尾浜3丁目12番4号 三基 商事株式会社総合研究所内 (72)発明者 昆陽 睦 兵庫県西宮市鳴尾浜3丁目12番4号 三基 商事株式会社総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の理化学的性質を有する多糖物質NP
    S。 (1)元素分析値 C:40.2 ± 6 H: 6.3 ± 0.8 N: 1.3 ± 0.4 O:52.1 ±10 (2)分子量 2,000,000〜100,000程度 (3)融点 270℃付近で黒褐色に分解する。 (4)赤外吸収スペクトル(KBr法) 3413,2925,1649,1550cm-1 (5)溶剤に対する溶解性 水に可溶、メタノール、エタノール、アセトン、エーテ
    ルに不溶 (6)呈色反応 (a)モーリッシュ反応 + (b)アンスロン反応 + (c)システイン−硫酸反応 − (d)カルバゾール−硫酸反応 − (e)エルソン−モルガン反応 −(ただし塩酸加水分解後
    +) (f)ニンヒドリン反応 −(ただし塩酸加水分解後
    +) (7)塩基性、酸性、中性の別 0.5%水溶液はpH7.2を示す。 (8)物質の色 凍結乾燥品は白色繊維状である。 (9)構成糖の種類及び組成比 グルコース:ガラクトース:N−アセチルグルコサミン=
    2.5〜3.5:2.5〜3.5:1
  2. 【請求項2】 ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属
    するNPS生産菌を培地に培養し、培養物中に多糖物質
    NPSを生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴と
    する多糖物質NPSの製造法。
  3. 【請求項3】 ラクトバチルス属に属するNPS生産菌
    が、ナリネ発酵乳より分離したラクトバチルス・ヘルベ
    ティカス MIKI−020(Lactobacillus helveti
    cus MIKI−020)である請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 多糖物質NPSを有効成分とする抗炎症
    剤。
  5. 【請求項5】 多糖物質NPSを有効成分とする骨髄細
    胞増殖促進剤。
  6. 【請求項6】 多糖物質NPSを有効成分とするBリン
    パ球増殖抑制剤。
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