JPH0769653B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH0769653B2
JPH0769653B2 JP25904688A JP25904688A JPH0769653B2 JP H0769653 B2 JPH0769653 B2 JP H0769653B2 JP 25904688 A JP25904688 A JP 25904688A JP 25904688 A JP25904688 A JP 25904688A JP H0769653 B2 JPH0769653 B2 JP H0769653B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真複写機等の画像形成装置に装備さ
れ、転写材上に形成された加熱溶融性のトナー画像を加
熱定着処理する定着装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、この種の装置に用いられている定着装置は、所定
の温度に維持された加熱ローラと、弾性層を有して該加
熱ローラに圧接する加圧ローラとによって、未定着のト
ナー画像が形成された転写材を挟持搬送しつつ加熱する
ローラ定着方式が多用されている。しかしながら、この
種の装置では、加熱ローラにトナーが転移するいわゆる
オフセット現象を防止するために、加熱ローラを最適な
温度に維持する必要があり、加熱ローラあるいは加熱体
の熱容量を大きくしなければならなかった。すなわち、
加熱ローラの熱容量が小さい場合には、発熱体による供
給熱量との関係により通紙あるいは他の外的要因で加熱
ローラ温度が低温側あるいは高温側に大きく変動し易く
なる。低温側に変動した場合には、トナーの軟化溶融不
足によって、定着不良や低温オフセットを生じ、高温側
に変動した場合には、トナーが完全に溶融してしまいト
ナーの凝集力が低下するために、高温オフセットを生ず
る。
かかる問題を回避するために、加熱ローラの熱容量を大
きくすると、加熱ローラを所定の温度まで上昇するため
の時間が長くなり、装置の使用の際に待機時間が大きく
なるという別の問題が生ずる。
かかる問題を解決する方策として、米国特許第3,578,79
7号に開示されているように、 トナー像を加熱体でその融点へ加熱して溶融し、 溶融後、そのトナーを冷却して比較的高い粘性と
し、 トナーの付着する傾向を弱めた状態で加熱体ウェブ
から剥す。
という過程を経ることによって、オフセットを生せずに
定着する方法が知られている。
上記公知の方法では、これに加えて加熱体に対して、ト
ナー像及び転写材を加圧圧接することなしに加熱する方
式をとっているので、転写材を加熱する必要がなく他の
方法に比べてはるかに少ないエネルギーでトナーを溶融
できるとしている。しかしながら、周知のごとく加圧圧
接させることなく加圧体に接触した場合は、熱伝達効率
が低下し、トナーの加熱溶融に比較的長時間を要する。
そこで特願昭47−25896号では、これに公知の加圧圧接
技術を付加して熱伝達効率の向上を図りトナーの加熱溶
融を短時間でしかも十分に行うことが提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、この特願昭47−25896号では、トナーの
加熱を比較的短時間でしかも十分行えるようにするため
に、 一対の加熱体の間にトナー像及び転写材を加圧挟持
させて加熱し、 加熱を停止した後強制的に冷却する、 方式をとっているので、定着に要するエネルギーが大き
くなるという不都合を生ずる。
すなわち、一対の加熱体により加熱させることによりト
ナー像は上下から加熱されるので一見効率的に考えられ
るが、逆にトナー像を転写紙側から加熱するには、先づ
転写材を十分に加熱することが必要であり、そのために
かえって大きなエネルギーが必要となる。さらに、冷却
工程においてはトナー像を加熱する際に加熱昇温した転
写材をも冷却しなければ分離できず、強制的な冷却手段
が必要となっておりエネルギーの無駄が大きい。
以上のように、一旦加熱したトナーを冷却した後に分離
することにより、高温オフセットを生ずることなく定着
する方式が提案されているが、上記のごとくの欠点を伴
うために実用化されていない。
上記2つの提案例では加熱体は加熱ローラ及びこれによ
り送られるウェブと加熱ローラに内蔵された発熱源とに
よって構成されていて加熱はウェブを介して行われ、ウ
ェブの搬送ローラとしての機能を有している。このた
め、発熱源への給電方法や温度検知素子の当接支持の形
態が複雑化し、また、温度制御の精度も悪くなりがちで
あった。さらには、温度検知素子が加熱ローラと摺動す
る構成では断線による過昇温が生ずる等安全上の問題も
あった。しかも、上述2例の場合ともに比較的大きな熱
容量の加熱体を必要とするために、機内への放熱が増大
し、機内昇温が著しくなるという不都合もあった。
本発明は、上述の従来装置の有していた問題点を解決
し、定着不良やオフセットを生ずることなく加熱体の熱
容量を小さくすることを可能とし、その結果、待機時間
や消費電力、さらには画像形成装置の機内昇温を小さく
できる定着装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的を達成するための要旨とするところは、巾
方向に沿って延びる線状又は帯状の発熱体を有する加熱
体と、該加熱体の加熱部近傍の温度を検出する温度検知
手段と、該加熱体に圧接しつつ回転する加圧ローラとの
間に加熱溶融性のトナー画像を担持した転写部材を挟持
せしめると共に、該トナー画像に該転写部材と等速度で
移動するシート面部材を密着せしめ、該加熱体の発熱体
に給電制御手段からパルス状通電を行なって発熱させ、
該加熱部において該シート面部材を介して該トナー画像
を溶融せしめ、該シート面部材を該加熱部から移動方向
下流側において冷却固化したトナー画像から分離する定
着装置であって、上記給電制御手段は、上記加熱部温度
の極大値が所定範囲となるように1周期当たりのパルス
巾を変えて1パルス当たりのエネルギー量を制御すると
共に、定着動作開始前に一定周期で仮通電を行ない、検
出温度情報から上記発熱体に対する定着時の適正加熱条
件を決定する制御加熱工程を行ない、決定した適正加熱
条件を記憶することを特徴とする定着装置にある。
〔実施例〕
以下、添付図面にもとづいて本発明の実施例を説明す
る。
実施例1 先ず、本実施例定着装置を装備した画像形成装置の概略
構造を第1図に基づいて説明すると、1はガラス等の透
明部材よりなる原稿載置台で、矢印a方向に往復動して
原稿を走査する。原稿載置台の直下には短焦点小経結像
素子アレイ2が配されていて、原稿載置台1上に置かれ
た原稿像Gは照明ランプ7によって照射され、その反射
光像は上記アレイ2によって感光ドラム3上にスリット
露光される。なおこの感光ドラム3は矢印b方向に回転
する。また4は帯電器であり、例えば酸化亜鉛感光層あ
るいは有機半導体感光層等を被覆された感光ドラム3上
に一様に帯電を行なう。この帯電器4により一様に帯電
されたドラム3は、素子アレイ2によって画像露光が行
なわれた静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像
器5により加熱で軟化溶融する樹脂等より成るトナーを
用いて顕像化される。一方、カセットS内に収納されて
いる転写材Pは、給送ローラ6と、感光ドラム3上の画
像と同期するようタイミングをとって上下方向で圧接し
て回転される対の搬送ローラ9によって、ドラム3上に
送り込まれる。そして、転写放電器8によって、感光ド
ラム3上に形成されているトナー像は、転写材P上に転
写される。その後、公知の分離手段によってドラム3か
ら分離された転写材Pは、搬送ガイド10によって定着装
置20に導かれて加熱定着処理された後にトレイ11上に排
出される。なお、トナー像を転写後、ドラム3上の残留
トナーはクリーナ12によって除去される。
第2図は本実施例の上記定着装置20の拡大図である。同
図において、21は加熱体で、アルミナ等の耐熱性でかつ
電気絶縁性の基材またはそれを含む複合部材より成る基
材の下面に、例えばTa2N等より成り、加熱部には搬送方
向に直角成分をもって配された線状もしくは帯状の発熱
体28を有し、さらにその表面に摺動保護層として例え
ば、Ta2O5が形成されている。加熱体21の下面は平滑で
ありかつ前後端部は丸味を帯びていて加熱部(加熱面)
をなしており後記の定着フィルム23との摺動を可能にし
ている。定着フィルム23は、PET(ポリエステル)を基
材とし、耐熱処理を施した例えば約6μm厚に形成さ
れ、矢印C方向へ送り出し可能にフィルム送り出し軸24
に巻回されている。上記定着フィルム23は加熱体21の表
面に当接し、曲率の大きな分離ローラ26を介してフィル
ム巻取り軸27に巻き取られる。
上記加熱体21の発熱体28は熱容量が小さく、パルス状に
通電されて、その都度瞬時に300℃前後まで昇温する。
搬送ガイド10上を移動する転写材Pの先端、後端を転写
紙検知レバー25及び転写紙検知センサー29で検出するこ
とにより、発熱体28はタイミングを取って必要時に通電
を受ける。その際、画像形成装置の給紙センサーなどに
よる転写紙の位置検知等を用いて、発熱体への通電を制
御しても良い。
一方、加圧ローラ22は、金属等より成る芯材上にシリコ
ンゴム等より成る弾性層を有するものであり、駆動源
(図示せず)により駆動されて、搬送ガイド10によって
導かれた未定着トナー画像Tを有する転写材Pを、該転
写材Pと同一の速度で移動する定着フィルム23を介して
加熱体に密着させている。ここで、加圧ローラ22の搬送
速度は、画像形成時の搬送速度とほぼ同一であることが
好ましく、定着フィルム23の移動速度は、それに準ずる
値で設定される。
本実施例においては、上記発熱体28は、瞬時に昇温する
ので、予備加熱が不要であり、非定着時における加圧ロ
ーラへの伝熱は少ない。また、定着時においても、定着
フィルム、トナー画像、転写材が発熱体28と加圧ローラ
22との間に介在し、かつ発熱時間が短いことによって温
度勾配を急激なものとすることができるため、加圧ロー
ラ22は昇温しにくく、実用上必要とされる温度の連続的
な画像形成を行ってもその温度はトナーの融点以下に維
持される。
かかる構成の本実施例定着装置にあっては、転写材P上
の加熱溶融性のトナーより成るトナー画像は先ず、定着
フィルム23を介して、加熱体21によって加熱溶融され、
特にその表層部は融点を大きく上回り完全に軟化溶融す
る。その際加圧ローラ22によって発熱体、定着フィル
ム、トナー画像、転写材は良好に密着されており効率的
に熱伝達される。
しかる後、発熱体28の発熱が停止するとともに、転写材
が搬送されて、発熱体位置から移動して離れるにつれ
て、トナー画像は放熱して再び冷却固化し、曲率の大き
な分離ローラ26を通過した後に定着フィルム23は転写紙
Pから離反される。その際、本実施例では加圧ローラ22
の温度はトナーの融点よりも低く維持されているので、
トナー画像の放熱を促進することが可能である。このた
め、冷却に要する時間が短くて済み、装置を小型化する
ことができる。
上述のように、トナーTは一旦完全に軟化溶融した後、
再び固化するので、トナーの凝集力は非常に大きくなっ
ていて、一団となって挙動することになる。また、加熱
されて軟化溶融された際に加圧ローラ22によって加圧さ
れるため、少なくともトナー像Tの一部は転写材表層に
浸透してそのまま冷却固化しているので、定着フィルム
23にオフセットすることなく転写材P上に定着される。
ここで、本明細書中で記述されるトナーの状態の表現に
関して注記する。
トナーの融点と便宜的に表現している温度は、トナーが
定着するために最低必要な温度を意味しており、その定
着下限温度で、溶融といえる程粘土が低下する場合や、
軟化といった程度の粘土の低下の場合がある。したがっ
て定着する際に溶融と便宜的に表現している場合でも実
際には軟化といった程度の粘度低下を示している場合が
ある。同様にトナーが冷却固化したと便宜的に表現して
いる場合も、トナーによっては固化とはいえず高粘度化
といった方が適切である場合が考えられる。
第3図は本実施例定着装置の加熱体21の構造を示してい
る。加熱体21は、基層54の下面にベークライト等の低熱
伝導耐熱性材料からなる断熱層53を形成し、その下面に
低熱容量の温度検知手段としてのサーミスタ55を設け、
さらに薄い絶縁層52を介してその下面前後に電極50,50
を設けていて、両電極50、50間には発熱層として巾lの
発熱体28がサーミスタ55に近接して形成され、それらの
表面には保護層51が施されている。そして、発熱体28で
の保護層51の表面に加熱部Hが形成される。
このように形成された定着装置における加熱体21におい
て、発熱体28に電極50,50を介してパルス状に通電した
時の加熱部Hの温度とサーミスタ55の検出温度を第4図
に示す。前者の温度は赤外放射温度計により非接触で測
定した測定値に基づき、後者の温度はサーミスタの出力
電力を温度に換算した値に基づいたものである。このグ
ラフを得た時のパルスの周期は約10msecであり、通電時
間は約2msecである。加熱部Hの温度は通電時に急速に
立ち上がった後、休止時に急速に立ち下がり、非通電時
間が通電時間より十分長く、また断熱層53が存在するた
め、パルス波形の極小値をとった時点では、加熱部Hの
温度が、その背面の発熱層28,絶縁体52,及びサーミスタ
55と略等温となる。本実施例で用いたサーミスタ55は、
10msecという短い周期のパルス状温度変化には追従でき
ず、パルス波形の略極小値を指示する。従って加熱部H
の表面温度の極小値の包絡線は、サーミスタ55の検知温
度曲線とほぼ一致する。
ところで、通電パルス巾を一定値τに固定して定着処
理を行なった場合の加熱部Hの表面温度の時間変化は、
第8図に示すように加熱部Hの温度は初期は定着温度T
H0近傍であるが、発熱体28周辺が温まり、極小温度が上
昇するにもかかわらず発熱量が一定であるため、加熱部
Hの温度は定着動作が進むにつれて定着温度TH0を大き
く超えてしまう。すると、無駄な電力を消費することに
なるうえ、機内昇温が大きくなるという問題がある。ま
た、連続して多くの定着処理動作を行なう場合、発熱体
がさらに著しく昇温し、ついには破損してしまう恐れも
ある。また、加熱部Hに圧接当接される定着フィルムも
熱変形してしまう虞れがある。
本発明はこのような問題を解消するために、発熱体28へ
の給電パルス巾を変えて常に定着温度TH0を維持するよ
うにしたもので、第5図に発熱体28への給電を行う給電
回路の基本的構成を示す。60はマイクロコンピュータを
含む制御回路であり、サーミスタ55の検知温度に応じ
て、パワーFET等のスイッチ手段73を制御し、発熱体28
への電源回路61からの給電のパルス巾を変えることで発
熱体28への供給電力を制御する。
本実施例で、上記のような電力制御をする理由を以下に
示す。本実施例では、加熱体21において発熱体28から基
板54への放熱を防止するために、断熱層53を設けてい
る。その目的は、無駄な放熱をなくし、エネルギー効
率を高めることで省エネルギー化をはかる。基板54か
らの放熱による機内昇温を低減する、の2点である。
ところで、発熱体28への供給電力を制御することなしに
単に断熱するだけだと、発熱量が放熱量を著しく上まわ
ることになり、発熱体28及び加熱部Hが異常に昇温し、
発熱体28及び定着フィルム23が熱により破損する虞れが
ある。そこで、断熱層53を設けた場合に加熱部Hの異常
昇温を防止するために、発熱体28への供給電力制御が有
効となるのである。
以下、本実施例の電力制御の方法を説明する。
本実施例のパルス加熱による定着方式では、前述のよう
にトナーをmsecオーダーの短い時間のみ加熱するので、
トナーの加熱時間よりもむしろ加熱部Hの温度が定着性
能に関し支配的であり、加熱部Hの最大到達温度に応じ
てトナー層が昇温する。すると、トナーが定着に十分な
状態にまで軟化するときの加熱部Hの温度をTH0とした
時、加熱部Hの極大温度が、定着処理中においてほぼT
H0に保たれるように、発熱体28への給電を制御すれば、
無駄な電力を消費することなく、十分な定着性能を得る
ことができる。
加熱部Hの温度が基準温度T0であり、時間t0だけ一定電
圧Vが電極50に給電されたときに、加熱部Hの温度が定
着温度TH0まで到達するとするが(第6図参照)、発明
者らの実験によると、TH0、T0、t0の間には、 TH0=T0+A(1−e-Bto) (1) という関係があることが明らかになった。
なお、Aは発熱体28への給電電力によって決まる係数、
Bは加熱部Hからの放熱経路によって決まる係数であ
る。
そして、本発明者らの実験によると、 という関係があることが明らかになった。
なお、Vは発熱体28への給電電圧、Rは発熱体28の電気
抵抗、kは定数である。
加熱部Hの温度がTBのとき、これを定着温度TH0まで昇
温するのに必要なパルス状給電時間をτとすると、 となる。
B′は室温及び発熱体温度が一定範囲内であれば略一定
である。したがって、予め実験によって、式(1)を用
いて求めることができる。
したがって、B=B′。
A′は発熱体28への給電電圧V,発熱体28の電気抵抗Rが
一定であれば略一定である。したがって、予め標準電圧
V0,標準抵抗R0の条件で、実験によりAの値を求めてお
けば、VV0,RR0ならば、A′=Aである。
A′=A,B′=Bならば、式(3)は下記のようにな
る。
これらのことから、A,Bは実験により予め求まるので、
定着温度TH0を所定の値に設定したとき、TBをサーミス
タ55により測定し、式(4)により求めたパルス巾τ
だけパルスを通電すれば、発熱体の極大温度を定着温度
TH0まで昇温可能となる。
本実施例においては前述のように、発熱体28に十分小さ
いDuty比でパルス状通電をした場合、パルス状に変化す
る加熱部Hが極小温度を示す時、すなわち次のパルス通
電開始寸前において、加熱部Hの温度がほぼサーミスタ
55の検知温度と等しくなる。従ってこの時のサーミスタ
55の検知温度を用い、第5図の制御回路60において、式
(4)に従って次の通電時間を算出し、電源61により発
熱体28へ、算出した時間τだけ給電する。
第7図は、本実施例において、定着動作中の加熱部Hの
温度の時間変化を示すグラフを、発熱体28への給電のタ
イミング図と並べて示した図である。本実施例では発熱
体28への給電電圧Vは一定であり、通電パルスの周期τ
も一定である。加熱部Hの温度がT0の時に時刻t0で定着
動作を開始したとすると、加熱部Hの温度は、温度T0
ら一義的に定まるパルス巾τの通電により定着温度T
H0に達した後、τよりも十分長い非給電時間(τ−τ
)の間にT0より高温のT1まで低下する。次に、時刻t0
からパルス周期τだけ経た時刻t1において2回目の通電
を、τより短い温度T1より一義的に定まるパルス巾τ
だけ発熱体28に行なうことにより、加熱部Hの温度は
再びTH0まで上昇し、給電停止と共に低下する。以下同
様にして、通電開始後にパルス周期τごとにサーミスタ
55の温度を読み、検知温度によって式(4)により求ま
るパルス巾τで、発熱体28へ給電することにより、加
熱部Hの極大温度を定着温度TH0に保つことができる。
なお、A<TH0−T0の場合、パルス巾τの通電では加
熱部Hの温度が定着温度TH0に達しないが、数パルス、
すなわち数10msecのうちに定着温度TH0に達する。
また、A>TH0−T0の場合でも電源性能からくるパルス
巾の定格最大値が加熱部Hの温度を定着温度TH0に昇温
するのに必要なパルス巾より小さい場合も、A<TH0−T
0の場合と同様にごく短時間で加熱部Hの温度を定着温
度TH0に昇温可能である。
以上述べた如く本実施例の発熱体(加熱体)は、小型の
もので十分でありそのため熱容量が小さなり、予め加熱
体を昇温させる必要がないので、非画像形成時の消費電
力も小さくすることができ、また機内昇温も防止できる
こととなる。
また、かかる本実施例では、定着フィルム23として薄く
て安価なPET(ポリエステル)フィルムを基に耐熱処理
を施したものを用いることが可能なので、第9図のごと
く定着フィルム23は巻き取り方式で使用後に交換する形
態を採ることができる。すなわち、所定長さのシートを
巻いたロールをシート送り出し軸24にセットし、発熱体
28と加圧ローラ22及び分離ローラ26の間を通して巻取り
軸27にシートの先端を固着する。かかる方式を採った場
合は、定着フィルムセンサーアーム30とセンサー(図示
せず)で定着フィルムの残量を検出してシートが終端近
くなった場合に使用者に警告表示ないしは警告音で定着
フィルムの交換を促すようにするのがよい。そして、定
着フィルム23の交換の際には、発熱体28と加圧ローラ2
2、分離ローラ26とをそれぞれ離間させるように、回転
軸31を中心に第9図のごとく開閉可能にすることが望ま
れる。本実施例では、定着フィルム23を上記のごとく巻
取り交換方式で、定着フィルムの耐久性に関係なく、薄
膜化することが可能となり、低電力化することができ
る。
又、本実施例では前述の如く定着フィルムへのオフセッ
トが生じないので、定着フィルムの熱変形や劣化が小さ
ければ、巻取った定着フィルムを再び使用することが可
能であり、自動的に巻戻す、あるいは、巻取側と送出側
とを交換するなどして複数回使用しても良い。
また、本実施例では分離ローラ26を設けることにより、
該分離ローラまでの間加圧状態でのトナー像Tの冷却時
間を確保し、しかも上記分離ローラ26の曲率を大きくす
ることによって定着フィルム23と転写材Pとの分離を容
易にするとともに、前述の効果に相乗して分離部におけ
るオフセットを防止することができる。
ただし、本実施例では加圧ローラ22によりトナー像の冷
却が促進されるので、加熱部H及び定着フィルム23の熱
容量が十分小さく、かつ定着速度が小さい場合には、分
離ローラ26のごとき特別な手段を設けずとも、転写材P
が加熱部Hを通過後の短い範囲でトナー像Tは冷却する
ので、本実施例で示した分離ローラ26を省略しても、オ
フセットのない定着処理が可能となる。すなわち、トナ
ー像を一旦加熱し軟化溶融させた後再び放熱固化した後
に定着フィルムと転写材とを分離できればよい。
次に、本実施例装置による実施結果を具体的数値をもっ
て示す。室温20℃において約125℃で軟化定着するトナ
ーを用いて厚さ100μmの転写材Pにトナー画像Tを形
成し、パルス通電の周期10msecで、加熱部Hの極大温度
が300℃となるように、サーミスタ55の検知温度を用い
てパルス巾τを制御しつつ定着処理速度50mm/secで定
着テストを行なったところ、実用上全く問題のない画像
が得られた。本実施例では加熱部Hの熱容量が極めて小
さいので、発熱体28に前もって通電し加熱部Hを温める
ための待機時間は不要である。また、本実施例では定着
処理を進めてゆくにつれ、断熱層53の効果により加熱部
Hがある程度温まるので、パルス状通電時間がだんだん
短くなるため、平均消費電力が少なくてすむうえ、機内
昇温も実用上問題なかった。
第10図は本実施例の定着器を用いて表面にトナー層を有
する転写紙を搬送しつつ定着処理する場合の、トナー及
び転写紙、詳しくはそれぞれの断面方向の中央部の温度
の時間変化を求めた試験結果のグラフで、条件は以下の
通りである。
加熱条件:エネルギー密度25w/mm2で2ms加熱、トナーの
定着温度:125℃、フィルム:PET(厚さ6μm)、トナー
厚さ:20μm、転写紙の厚さ:100μm、室温:20℃ 本試験では、加熱部Hはトナーの定着温度125℃よりは
るかに高い約300℃まで昇温するので、トナーは定着温
度を超えて十分に加熱され良好な定着性が得られる。一
方、転写紙の昇温は極めて小さく、従来の熱ローラ定着
に比べてエネルギーの無駄が少ない。
さらに本試験では、加熱時間や加熱エネルギー密度が変
動して過剰なエネルギーが与えられた場合でも、高温オ
フセットの発生がなく、加熱制御の許容範囲が広いこと
が判る。
ところで、前記した式(2)における係数Aは、発熱体
28への印加電圧V,発熱体28の電気抵抗Rに依存している
ことから、印加電圧V,電気抵抗Rが標準値V0及びR0から
ずれると設定した定着温度TH0にすることができなくな
る。
本発明は、定着動作が行なわれる前に、係数Aを正しい
値に補正するための加熱昇温特性検知工程(以下制御加
熱工程と称す)を行い、係数Aが標準値 から変化した場合でも、正しい係数Aの値を求めて定着
動作を行うようにしている。
すなわち、発熱体28へある一定の時間、一定の周期・パ
ルス巾で通電した時の通電時間内におけるTBの上昇分を
ΔTBとすると、本発明者らの実験によればΔTBは発熱体
28への印加電力、V2/Rに対し正の相関があった。
(kは定数)なので、第13図に示すように、AとΔTB
正の相関がある。
したがって、ΔTBとAの関係を予め実験で求め、その関
係を給電回路の制御回路60に入力しておき、サーミスタ
55によりΔTBを測定することにより係数Aの補正を行う
ことができる。
すなわち制御加熱工程は、発熱体28にΔTBとA関係を求
めたのと同一条件で通電し、その時のTBの上昇量ΔTB
サーミスタ55により測定する。そして、制御回路60によ
りΔTBの測定値に応じて係数Aの値を決定する。
定着工程においては、制御加熱工程で求めた係数Aの値
を用い、式(4)に従ってパルス巾を求め、発熱体の極
大温度を所定の温度範囲に制御する。
第11図は本実施例の給電回路を示しており、交流電源70
を整流回路71、コンデンサ72により整流平滑化して発熱
体28へ給電する直流電圧Vを得る。100はRAMを有するメ
モリー回路で、制御加熱工程で定めた係数Aの値を書き
込み及び読み出し可能としている。
なお、交流電源70の電圧変動等により直流電圧Vのバラ
ツキは、0.85V0≦V≦1.15V0で、また本実施例に用いら
れる発熱体28の抵抗値のバラツキは、初期値の公差及び
経時変化を含めて、0.8R0≦R≦1.2R0である。
従ってAのバラツキの範囲は、 0.60A0≦A≦1.65A0 (5) となる。
前述のように、本実施例では定着工程前に制御加熱工程
を設け、そこで係数Aの値を補正するものであり、Aの
値が式(5)のように変動しても定着工程において常に
加熱部Hの極大温度と一定の温度範囲に収める適切な通
電加熱制御が可能となる。
なお、A値は室温、加熱体周辺の初期温度によっても変
化するが、制御加熱工程でこれらの要因によるA値の変
動も検出可能である。
〔比較例〕
本実施例において、制御加熱工程を設けず、A=A′=
一定として、式(4)より、パルス巾τを決定し、定
着工程を行なうと、以下のような不都合が生じる。
式(3′)よりワンパルスでの昇温(TH0−TB)は、A
に比例する。
従って、A<A0なら発熱体28の極大温度はTH0より低く
なり、A>A0なら発熱体28の極大温度はTH0より高くな
る。
TH0=300℃、TB=50℃の場合、TH0−TB=250℃で (I):A=0.60A0(電力最小時)の時は、加熱部Hのピ
ーク温度が200℃までしか昇温しない。そのため、加熱
部Hにより、厚さ0.6μmの定着フィルムを介して加熱
されるトナーの温度は融点125℃に達せず、定着不良を
生じる。
(II):A=1.65A0(電力最大時)の時は、加熱部Hのピ
ーク温度が400℃に達する。そのため、定着フィルム23
が熱変形、さらには溶断時の損傷を受け、また加熱体が
損傷を受ける虞れもある。
次に本実施例の定着装置を装備した画像形成装置におけ
る動作シーケンスを第12図に基づいて説明する。
時刻t0で画像形成装置本体の主電源をオンする。
時刻t1で複写枚数の設定を不図示の入力手段により行な
う。仮に複写枚数を3枚と設定したとして以下の説明を
行なう。
時刻t2で不図示のコピーボタンをオンしてコピー動作を
開始させる。
時刻t3で制御加熱工程の開始。
時刻t4で制御加熱工程の終了。
この時刻t3とt4の間の制御加熱工程で、制御回路60によ
り適切な係数Aの値を決定し、その値をメモリー回路10
0に書き込む。
時刻t5〜t6で1枚目の複写画像の定着工程を実施する。
時刻t7〜t8で2枚目の複写画像の定着工程を実施する。
時刻t9〜時刻t10で3枚の目の複写画像の定着工程を実
施する。
時刻t11でコピー動作を停止する。
なお、時刻t6〜t7、時刻t8〜t9では制御加熱工程は行な
わない。
すなわち、1回の連続する複写動作中において、加熱体
21の発熱体28の抵抗変化及び交流電源の電圧変動は充分
小さい。したがって、1回の連続する複写動作中におけ
る係数Aの値は略一定として良く、最初の1枚目の複写
動作に先立って制御加熱工程を行ない、得られた適正な
係数A値をメモリー回路100に書き込み、連続する複写
動作中は、常にこのメモリーされた係数A値を用い、式
(4)に従って通電パルス巾(τ)を求め、発熱体28
の極大温度を設定した定着温度TH0に制御することにな
る。
このことから、定着不良や、定着装置の損傷等の問題は
発生せず、しかも2枚目以降のコピーでの制御加熱工程
を実施する必要はなく、その分電力の節約ができ、また
発熱体28の耐久性も向上する。
実施例2 本実施例は、画像形成装置本体の主電源をオンし、時刻
t3〜t4で一度制御加熱工程を行なうと以後はメモリーし
た係数A値を使用するようにしたものである。
例えば、第15図に示すように、時刻t0で画像形成装置本
体の主電源をオンし、時刻t1で3枚複写の設定を行な
い、時刻t2でコピーボタンを押して複写動作の開始を指
示し、時刻t3〜t4で制御加熱工程を行なって制御回路60
により適正な係数A値を求め、メモリー回路100に書き
込む。そして、時刻t5〜時刻t6で3枚連続の定着工程を
行ない、時刻t7で複写動作を終了する。その後複写動作
が行なわれず、時刻t8で2枚の連続複写を設定し、時刻
t9でコピーボタンを押しても、制御加熱工程を行なうこ
となく時刻t10で1枚目の定着動作を開始し、時刻t11
2枚目の定着動作が終了し、時刻t12で複写動作が終了
する。
このように、1回目の連続複写を行ない、その後2回目
の連続複写を行なう場合でも、制御加熱工程を1回目の
連続定着処理工程前にのみ行ない、2回目の連続定着処
理工程にもそのままメモリーされている係数A値を用い
るのは以下の理由による。
1回目の連続複写工程に伴う定着処理工程と、2回目の
連続複写工程に伴う定着処理工程では、加熱体21の発熱
体28の抵抗変化は殆どなく、また交流の電源電圧に関し
ても同一の電源から給電を受けている以上大きな変動は
ない。
したがって、最初の連続複写のコピー動作に先立って制
御加熱を行ない、適切な係数A値を定め、この値をメモ
リー回路100に書き込み、以後本体電源がオンしている
かぎり、この係数A値で定着処理工程における加熱制御
を行なえば良いことになる。
ここで、2枚目以降も定着工程に先立って必ず制御加熱
工程を設けた場合、以下に述べる問題があった。
3枚目の定着工程前は、加熱体21及びその周辺の雰囲気
が1、2枚目の定着工程により昇温しており、そのため
に1枚目の定着工程前の制御加熱工程と同じ条件で制御
加熱を行なってもTBの上昇度合いが小さい。
このような状態で係数A値を定めると、適切な値よりも
小さすぎる係数A値を検出してしまい、このような適正
な値よりも小さい係数A値で定着工程の加熱制御を行な
うと、式(4)より明らかなように、適正なパルス巾よ
り広いパルス巾で発熱体へ通電され、加熱部のピーク温
度が適正な定着温度より高くなる。すると、無駄な電力
を消費するばかりか、加熱体21の過昇温で定着フィルム
23が損傷を受ける虞れがある。
したがって、制御加熱工程を電源のオン後、最初の複写
動作に先立って1回行なえば良いということは、その後
に無駄な制御加熱工程を行なう必要がないため省電力化
が図れ、しかも得られる画質や装置の耐久性に実用上問
題が生じない。
実施例3 上記した実施例2では、画像形成装置本体の主電源をオ
フすると、メモリー回路100に書き込まれた係数A値は
消去されることになり、例えば誤って主電源をオフした
り、ジャム等の他のトラブル等で一時的に主電源をオフ
すると、その後に主電源をオンした場合には、再度制御
加熱工程を行なうことになるが、この場合加熱体21が常
温の状態になく昇温しているために前述した如く制御加
熱工程での係数A値の測定精度が悪くなる。
本実施例は第16図に示すように、メモリー回路100に、
本体電源オフ時でもRAMをバックアップするリチウム電
池等のバックアップ電源101を設け、また制御回路60に
本体電源オフ時からの時間をカウントする時間検知回路
を設け、該時間検知回路が本体電源オフ時から一定の時
間例えば30分カウントしている間は電源をオフする前の
係数A値をメモリーさせておき、その間に再度電源がオ
ンすると、制御加熱工程を実施することなくメモリーし
ておいた係数A値で定着処理に伴う加熱制御を行なわせ
る。
すなわち、一時的に画像形成装置の主電源がオフし、短
時間後に再度主電源をオンするような場合と、長時間使
用しない場合とを時間検知回路で判別し、長時間の不使
用の場合のみ再度制御加熱工程を行なうので、定着処理
に伴う加熱制御の精度が向上する。
なお、時間検知回路は本体電源のオフでも動作するよう
になっており、水晶発信子を用いたタイマー、一定時間
設定用のコンデンサ、主電源の電圧を検知する電圧検知
回路等から構成されている。
実施例4 上記した実施例3では長時間の休止後、電源オンを行な
うと再度制御加熱工程を行なうことになるが、その際温
度検知素子55からの温度情報TBを一瞬読み込むので、温
度情報TBが変動していたりすると適正な係数A値が得ら
れなくなる。また、温度情報TBが一定の範囲以上であっ
たりしても同様に適正な係数A値が得られなくなる。
本実施例は装置本体の電源オン時に、制御回路60におい
て、温度検知素子55からの温度情報TBを例えば数msecの
一定時間読み、加熱部の温度が一定範囲以上であった
り、一定時間内の温度変化が大きい場合には、制御加熱
工程を行なわず、メモリーしている係数A値を用いて定
着処理工程の加熱制御を行なう。
したがって、長時間休止後においても適正な定着が可能
となる。
なお、この場合の加熱部の温度検知は加熱体21に内蔵さ
れる温度検知素子55によらず、別に温度センサーを設け
て検知するようにしてもよい。
実施例5 上記した各実施例では制御加熱工程時において一旦係数
A値を決定すると、途中で係数A値の変更は行なわない
が、本実施例では定着処理時において、制御加熱工程を
行ない、上昇量ΔTBが変化すると係数A値を連続的に可
変させるようにしたものである。
すなわち定着処理工程において、加熱体21の発熱体28へ
のワンパルス通電毎に、上昇量ΔTBを測定し、つぎのパ
ルス通電の巾τを式(4)にしたがって制御回路60で
演算し決定する。
実施例6 本実施例は、制御加熱工程において、第14図に示すよう
に、係数A値を加熱部の温度に応じて予め5つ設定し、 ΔT1≦ΔTB<ΔT2ならA=A1 ΔT2≦lTB<ΔT3ならA=A2 ΔT3≦ΔTB<ΔT4ならA=A3 ΔT4≦ΔTB<ΔT5ならA=A4 ΔT5≦ΔTB<ΔT6ならA=A5 に夫々係数A値を設定するようにしたものである。
なお、係数A値の設定個数は5つに限定されることはな
く、2つ以上であれば良い。
また、上記した5つの係数A値に対し、式(4)にした
がってTB、VS、τの比較テーブルを作成してこれを制
御回路60にメモリーしておく。
すなわち、定着工程においてTBの測定値に対し、式
(4)にしたがって毎回演算しつぎのパルス巾τを求
めるのではなく、メモリーしているテーブルにしたがっ
てパルス巾τを決定するようにしても良い。
さらに、ワンパルス毎にTBを測定するのではなく、複数
パルス或は複数パルス相当時間毎にTBを測定してパルス
巾τを決定するようにしても良く、この場合は温度検
知素子の応答性で有利となる。
したがって、本実施例によれば制御回路の演算が簡略化
可能となる。
(発明の効果) 以上のように本発明は、加熱体に発熱体が一体的に形成
された例えば線状の加熱部を設け、パルス状に通電発熱
を繰り返し、かつ制御加熱工程で求めた適正加熱条件に
基づき定着処理時における通電パルス巾を制御し加熱部
の極大温度が一定となることとしたので、転写部材の加
熱を極力抑えるとともにトナー画像を効率的に加熱溶融
することが可能となり、省エネルギー化を図れる、特に
定着装置が装備される画像形成装置の主電源をオンし一
度制御加熱工程を行なえば、その後は定着動作に間隔が
あっても最初に記憶した適正加熱条件を用いるので、最
初に定着処理における加熱温度で、時間をおいて行なっ
た定着処理を行なうことができるという効果をもたら
す。
また、定着不良がオフセットを発生することなく、加熱
体の熱容量を小さくすることが可能となり、その結果、
装置使用時の待機時間や、消費電力、機内昇温の小さな
画像形成装置を得ることができ、さらには、発熱体及び
定着フィルムの破損防止を図れるという効果をも奏す
る。
また、記憶している適正加熱条件をバックアップするこ
とで定着装置が装備される画像形成装置の主電源を切っ
ても、適正加熱条件が消去されることはなく、一定の時
間内で主電源をオンする場合には記憶している適正加熱
条件をそのまま用いることができ、制御加熱工程を省略
できて省電力化を図れ、しかも定着温度を高精度に維持
することができる。
さらに、加熱部の温度が一定の範囲よりも大きかった
り、一定時管内の温度変化が大きかったりすると、適正
加熱条件の設定が正しくできないが、このような場合に
記憶している適正加熱条件を使用することで定着温度を
高精度に維持することができる。
また、制御加熱工程での検知温度の上昇割合が変化する
場合も適正加熱条件の設定が正しくできないが、このよ
うな場合、定着工程で1パルスの通電毎に加熱部温度を
検知し、次のパルス通電のパルス巾を決めることで加熱
部温度を適正な温度に制御できる。
さらに、加熱部の温度状態に応じて予め複数のお適正加
熱条件を設定したり、設定した適正加熱条件に応じて通
電パルス巾を予め設定することで、給電制御手段の構成
を一層簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による定着装置の一実施例を装備した画
像形成装置の概略図、第2図は第1図の定着装置の拡大
断面図、第3図は加熱体の拡大断面図、第4図はパルス
状通電による加熱の原理を示す図、第5図は給電回路の
基本的構成を示す図、第6図は電極への1パルス給電時
の加熱部での温度変化を示す図、第7図はパルス巾を変
えたときの加熱部の温度変化を示す図、第8図は比較例
の温度変化を示す図、第9図は第2図装置の定着フィル
ム交換時における断面図、第10図は一定条件下での加熱
工程における各部の温度変化を示す図、第11図は給電回
路の回路図、第12図は実施例1のシーケンスチャート、
第13図は制御加熱工程を説明する図、第14図は実施例6
における係数A値と温度範囲との関係を示す図、第15図
は実施例2のシーケンスチャート、第16図は実施例3の
給電回路の回路図である。 20……定着装置、21……加熱体 22……加圧ローラ、23……定着フィルム 28……発熱体 55……温度検知素子(サーミスタ) 60……制御回路、P……転写材 T……トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−77775(JP,A) 特開 平1−263683(JP,A) 特開 昭59−68766(JP,A) 特開 昭59−157678(JP,A) 特開 昭63−313182(JP,A) 特開 平1−187582(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巾方向に沿って延びる線状又は帯状の発熱
    体を有する加熱体と、該加熱体の加熱部近傍の温度を検
    出する温度検知手段と、該加熱体に圧接しつつ回転する
    加圧ローラとの間に加熱溶融性のトナー画像を担持した
    転写部材を挟持せしめると共に、該トナー画像に該転写
    部材と等速度で移動するシート面部材を密着せしめ、該
    加熱体の発熱体に給電制御手段からパルス状通電を行な
    って発熱させ、該加熱部において該シート面部材を介し
    て該トナー画像を溶融せしめ、該シート面部材を該加熱
    部から移動方向下流側において冷却固化したトナー画像
    から分離する定着装置であって、 上記給電制御手段は、上記加熱部温度の極大値が所定範
    囲となるように1周期当たりのパルス巾を変えて1パル
    ス当たりのエネルギー量を制御すると共に、定着動作開
    始前に一定周期で仮通電を行ない、検出温度情報から上
    記発熱体に対する定着時の適正加熱条件を決定する制御
    加熱工程を行ない、決定した適正加熱条件を記憶するこ
    とを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】前記給電制御手段の記憶情報をバックアッ
    プするバックアップ電源を有することを特徴とする請求
    項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】前記給電制御手段は装備される画像形成装
    置本体の主電源がオフした後、一定時間内に主電源がオ
    ンしたことを検知すると、制御加熱工程を行なうことな
    く記憶している適正加熱条件で加熱体の発熱体への給電
    制御を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    定着装置。
  4. 【請求項4】前記温度検知手段で検知した加熱部の温度
    が一定温度範囲以上又は一定時間内の温度変化が大きい
    ときは制御加熱工程を行なうことなく記憶している適正
    加熱条件で加熱体の発熱体への給電制御を行なうことを
    特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】前記給電制御手段は、加熱部の検知温度の
    上昇割合が変化していると、定着工程において1パルス
    の通電毎における加熱部温度を測定し、次の給電パルス
    巾を適正加熱条件で通電するように制御することを特徴
    とする請求項1に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】前記給電制御手段は、加熱部の温度状態に
    応じて予め複数の適正加熱条件を設定していることを特
    徴とする請求項1に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】前記給電制御手段は、設定された適正加熱
    条件に応じて通電パルス巾を予め設定していることを特
    徴とする請求項6に記載の定着装置。
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