JPH076870A - 電磁誘導加熱調理器用の非金属製容器 - Google Patents
電磁誘導加熱調理器用の非金属製容器Info
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- JPH076870A JPH076870A JP14356993A JP14356993A JPH076870A JP H076870 A JPH076870 A JP H076870A JP 14356993 A JP14356993 A JP 14356993A JP 14356993 A JP14356993 A JP 14356993A JP H076870 A JPH076870 A JP H076870A
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Abstract
が従来より薄く、しかも鍋本体の強度が低下することが
なく、従来のように空炊き状態の際の急激な熱膨張差に
よる熱膨張に起因して亀裂が生じて土鍋自体が破壊に到
ることのない電磁誘導式の加熱調理器において使用する
非金属製容器を提供する。 【構成】 ユークリプタイト又はペタライトを主成分と
するセラミックより構成される非金属製容器本体1の底
部外面に銀を主成分とする薄膜金属被膜3を形成してな
る電磁誘導加熱調理器用の非金属製容器において、非金
属製容器本体を、ユークリプタイト系又は低膨張性ペタ
ライト系セラミックを用いて、その線膨張率0.2%〜
−0.6%(室温〜1000℃)とし、かつその見掛気
孔率5〜8%とすることにより、非金属製容器本体の底
部の厚さを薄く形成するとともに、熱伝導性を良好なら
しめた電磁誘導加熱調理器用の非金属製容器である。
Description
器に使用するための土鍋などの非金属製の容器に関す
る。
用するための土鍋などの非金属製の容器としては、実開
昭60−145596号に開示されるように、器物本体
の底面に溶射法によりアルミニウムの溶射層を形成した
ものがある。
ん、肉、野菜などの調理物を入れて、電磁誘導式の加熱
調理器上で調理している場合に、調理物が焦げ付いた場
合には、アルミニウムの溶射層の温度が、アルミニウム
の融点である約660℃をはるかに超えた700℃近く
まで上昇してアルミニウムの溶断が生じて使用不能状態
となることがあった。
に、実公昭59−11436号に開示されるように、溶
融温度が約960℃と非常に高い銀の薄膜を、器物本体
の底面にペースト印刷法により被着形成するとともに、
該薄膜層上に非導電性で耐熱性のあるガラスコート層を
被着し、このような焦げ付きによる溶断を防止するよう
に構成したものがある。
では、その土鍋本体の材料として、実開昭60−145
596号に開示されるように、一般的にペタライト系の
セラッミクス材料からなる非金属製容器を用いるのが通
常であった。しかしながら、このペタライト(LiAl
Si4 O10)系のセラミック材料からなる非金属性容器
の線膨張率は、0.3〜1.0%(室温〜1000℃)
であり、本来的には急熱・急冷に対する熱衝撃には強い
材質ではあるが、例えば、土鍋本体の底面のみが急速に
加熱されるいわゆる空炊き状態においては、直接加熱さ
れる底面部と非加熱部分である側壁部分などとの間の熱
勾配が非常に大きくなり、その結果、熱膨張差による熱
膨張に起因して亀裂が生じて土鍋自体が破壊に到ること
があった。
に、精製された原料を使用して製造した、その線膨張率
が、従来のペタライト系のセラミック材料で作製したも
のに比較してさらに小さい0〜−6%(室温〜1000
℃)の線膨張率を有するユークリプタイト(LiAlS
iO4 )系のセラミック材料を使用した非金属製容器を
提案し、これにより、空炊き状態の際の急激な熱膨張差
においても十分に耐え、割れ等の破壊に到らない非金属
製容器を提供した(特開平1−157086号)。
のいずれの非金属製容器においても、土鍋本体は、熱膨
張率0.6%以上、見掛気孔率13〜18%、熱伝導率
0.077J/cm・sec・℃以下の多孔質で、底面
の厚さ6〜7mm程度のものが使用されるのが一般的で
ある。
状態で電磁誘導加熱調理器の上に載置して通電した場
合、渦電流の発生により土鍋底部の薄膜金属被膜の表面
温度が、約350〜370℃にまで上昇しても、土鍋本
体の熱伝導率が比較的低く且つ土鍋本体の厚さが比較的
厚いので、土鍋本体内の調理水などにより金属薄膜が冷
却されることがない。その結果、土鍋本体と金属被膜の
膨張差が発生し、そのために、金属被膜が損傷を受け、
電磁誘導式の加熱調理器において使用不可能となること
が多々あった。
く、且つその底面の厚さが比較的厚い土鍋では、土鍋底
部の薄膜金属被膜が冷却されることがないので、その表
面温度が約350℃以上の高温となり、その結果、加熱
調理器側に配設された過熱防止装置が作動して電流の開
閉が煩雑に繰り返されることとなる。従って、この場
合、底面温度の変動を招く結果となり、金属薄膜の耐久
性を損なう原因となっていた。
み、電力供給が、例えば200Vの電圧により高電圧供
給しようとする立法化も試みられている現状では、将来
的にも上述したような諸問題を解決することが求められ
るようになっている。
鍋本体の熱伝導率が高く、その底面の厚さが従来より薄
く、しかも鍋本体の強度が低下することがなく、さらに
は、従来のように空炊き状態の際の急激な熱膨張差によ
る熱膨張に起因して亀裂が生じて土鍋自体が破壊に到る
ことのない電磁誘導式の加熱調理器において使用する非
金属製容器を提供することを目的とする。
技術の課題及び目的を達成するために発明なされたもの
であって、その要旨とするところは、ユークリプタイト
又はペタライトを主成分とするセラミックより構成され
る非金属製容器本体の底部外面に銀を主成分とする薄膜
金属被膜を形成してなる電磁誘導加熱調理器用の非金属
製容器において、前記非金属製容器本体を、ユークリプ
タイト系又は低膨張性ペタライト系セラミックを用い
て、その線膨張率0.2%〜−0.6%(室温〜100
0℃)とし、かつその見掛気孔率5〜8%とすることに
より、前記非金属製容器本体の底部の厚さを薄く形する
とともに、熱伝導性を良好ならしめたことを特徴とする
電磁誘導加熱調理器用の非金属製容器である。
材料として、従来のように空炊き状態の際の急激な熱膨
張差による熱膨張に起因して亀裂が生じて土鍋自体が破
壊に到ることのないように、ユークリプタイト系又は低
膨張性のペタライト系セラミックを用いて、その線膨張
率を0.2%〜−0.6%(室温〜1000℃)の範囲
にしたのである。これは、線膨張率が−0.6%より小
さいと、薄膜金属被膜との膨張差が大きくなりすぎ、剥
離が起こり易くなるからであり、逆に0.2%を超える
と、急熱・急冷によって土鍋本体の破壊が起こり易くな
るからである。
上げて、土鍋本体の底部に被着された金属薄膜の温度上
昇を抑制するために、見掛気孔率を5〜8%と設定した
ものである。これは、見掛気孔率が5%より小さいと、
調理中に土鍋が空炊き状態になると、土鍋の釉薬が剥離
しやすくなるからであり、逆に8%を超えると、土鍋本
体の吸水量が多くなり、薄膜金属被膜の酸化が促進さ
れ、損傷原因となり、また、臭い発生の原因となるなど
の問題が発生するからである。
定することにより、土鍋本体の熱伝導率が、ユークリプ
タイト系では0.02J/cm・sec・℃、ペタライ
ト系では0.008J/cm・sec・℃と従来に比較
して高い熱伝導率が得られる。
とにより、組織が緻密となり、曲げ強度において、従来
のペタライト系のものが3〜4kg/cm2 であるのに
対して、本発明のものは、5〜6kg/cm2 とその機
械的強度が飛躍的に増大する。従って、土鍋本体の底面
の厚さを、従来の土鍋に比較して薄い構造、例えば、厚
さ3.0〜3.5mm程度とすることが可能となり、そ
の結果、土鍋本体内部の調理水の冷却によって薄膜金属
被膜が高温となるのを防止することが可能となる。
属製容器について、添付図面に基づいてより詳細に説明
する。
加熱調理器上に載置した状態を説明する縦断面図であ
る。
製容器を示しており、非金属製容器1は、基本的には、
線膨張率0.2%〜−0.6%(室温〜1000℃)の
範囲で、かつ見掛気孔率5〜8%のユークリプタイト系
又は低膨張性のペタライト系セラミックからなる土鍋本
体2と、土鍋本体2の底部の外面に被着形成された銀の
薄膜金属被膜層3とから構成されるものである。
は、目的とする非金属製容器1の使用目的などに応じて
適宜変更可能であるが、本発明では、土鍋本体2の底面
の厚さを、従来の土鍋に比較して薄い構造、例えば、厚
さ3.0〜3.5mm程度とするのが重要である。これ
は、前述したように、土鍋本体2の材質を見掛気孔率を
5〜8%と通常より低くすることにより、組織が緻密と
なり、曲げ強度などの機械的強度が飛躍的に増大するた
めに初めて可能となったのである。また、この土鍋本体
2の底部を従来の土鍋に比較して薄い構造とすることに
より、土鍋本体2内部の調理水の冷却によって薄膜金属
被膜の赤熱を防止することが可能となるのである。
器1は、図1に示したように、電磁誘導式過熱調理器4
のプレート5上に載置して使用するものであり、電源を
入れれると、加熱コイル6から磁力線が発生し、該磁力
線が、土鍋本体2の底部外面に形成された薄膜金属被膜
層3を流れることにより、「うず電流」が生じて薄膜金
属被膜層3が発熱し、土鍋本体2にその熱が伝達されて
土鍋本体2の内部に収容された調理水などが過熱される
ものである。
部外面に形成された薄膜金属被膜層3の外面を被うよう
に、電気絶縁性で耐熱性のあるガラスコート層を設ける
ことにより、薄膜金属被膜層3の酸化や剥離を防止する
ようにしても良いことは勿論である。
が、これ以外の非金属製容器、例えば、薬缶などにも応
用可能であることは勿論である。
ロクロ成形器により、口径270mm、底面形95m
m、高さ94mm、肉厚4mm程度の土鍋を成形し、乾
燥、素焼き、旋釉の後、トンネル窯で焼成した。但し、
焼成温度は、従来品は1200℃、ユークリプタイト系
及び低膨張性のペタライト系は1230℃である。
スクリーン印刷法により、約70μmの厚さに塗布した
後、焼き付けて、薄膜導電被膜を形成した。
2,000Wの電磁誘導加熱調理器を用いて、出力18
00Wで土鍋の内部に水を入れて実験を行い、薄膜の温
度、薄膜が熔断するまでの経過時間を測定したその結果
を下記の表2に示した。
本願のように線膨張率を0.2%〜−0.6%(室温〜
1000℃)の範囲に適正化することにより、従来品よ
り金属薄膜被膜の寿命が格段に向上することがわかる。
響 比較試験1と同様にして、ユークリプタイト系セラミッ
ク及び低膨張性のペタライト系の底面厚さの異なる土鍋
を作製し、比較試験1と同様の方法で、土鍋の内部に水
を入れて実験を行い、薄膜の温度、薄膜が熔断するまで
の経過時間を測定したその結果を下記の表3に示した。
8%と従来より低くし、かつその底部の厚さも従来より
薄くしたものは、従来品及び底の厚さが厚いものに比較
して、金属薄膜導電被膜の温度も比較的低く、かつその
金属薄膜導電被膜の寿命が格段に向上する。
非金属製容器によれば、下記の作用効果を奏するもので
ある。すなわち、(1)土鍋本体の材料として、ユーク
リプタイト系又は低膨張性のペタライト系セラミックを
用いて、その線膨張率を0.2%〜−0.6%(室温〜
1000℃)の範囲にしたので、従来のように空炊き状
態の際の急激な熱膨張差による熱膨張に起因して亀裂が
生じて土鍋自体が破壊に到ることがない、(2)見掛気
孔率を5〜8%と設定したので、土鍋本体の熱伝導率が
上昇し、土鍋本体内部の調理水の冷却によって土鍋本体
の底部に被着された金属薄膜の温度上昇を抑制すること
ができる、(3)見掛気孔率を低くすることにより、組
織が緻密となり、曲げ強度などの機械的強度が増大し、
土鍋本体の底面の厚さを、従来の土鍋に比較して薄い構
造とすることが可能となり、その結果、土鍋本体内部の
調理水の冷却によって薄膜金属被膜が高温となるのを防
止することが可能となる、(4)このように、土鍋本体
内部の調理水の冷却によって、土鍋底部の薄膜金属被膜
が冷却されるので、その表面温度が約350℃以上の高
温となることがなく、加熱調理器側に配設された過熱防
止装置が作動して電流の開閉が煩雑に繰り返されること
もなく、その結果、金属薄膜の耐久性が損なうことな
く、非金属製容器の寿命が格段と向上する、などの幾多
の作用効果を奏する極めて優れた発明である。
熱調理器上に載置した状態を説明する縦断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ユークリプタイト又はペタライトを主成
分とするセラミックより構成される非金属製容器本体の
底部外面に銀を主成分とする薄膜金属被膜を形成してな
る電磁誘導加熱調理器用の非金属製容器において、 前記非金属製容器本体を、ユークリプタイト系又は低膨
張性ペタライト系セラミックを用いて、その線膨張率
0.2%〜−0.6%(室温〜1000℃)とし、かつ
その見掛気孔率5〜8%とすることにより、 前記非金属製容器本体の底部の厚さを薄く形成するとと
もに、熱伝導性を良好ならしめたことを特徴とする電磁
誘導加熱調理器用の非金属製容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5143569A JP2680979B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | 電磁誘導加熱調理器用の非金属製容器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH076870A true JPH076870A (ja) | 1995-01-10 |
JP2680979B2 JP2680979B2 (ja) | 1997-11-19 |
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JP5143569A Expired - Fee Related JP2680979B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | 電磁誘導加熱調理器用の非金属製容器 |
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Cited By (4)
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-
1993
- 1993-06-15 JP JP5143569A patent/JP2680979B2/ja not_active Expired - Fee Related
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