JPH0768254B2 - 1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−フエニルジシラン製造法 - Google Patents

1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−フエニルジシラン製造法

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JPH0768254B2
JPH0768254B2 JP62077319A JP7731987A JPH0768254B2 JP H0768254 B2 JPH0768254 B2 JP H0768254B2 JP 62077319 A JP62077319 A JP 62077319A JP 7731987 A JP7731987 A JP 7731987A JP H0768254 B2 JPH0768254 B2 JP H0768254B2
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disilane
dichloro
phenyldisilane
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均 小池
尚武 須藤
洋一郎 永井
濱夫 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、式〔I〕 で示される1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−フ
ェニルジシラン(以下、ジシラン〔I〕と称する)の製
造法に関するものであり、更に詳しくは、クロロトリメ
チルジフェニルジシラン(以下、ジシラン〔II〕と称す
る)と塩化水素とを、ルイス酸触媒の存在下に反応させ
ることからなるジシラン〔I〕製造法に関する。
(従来技術) ジシラン〔I〕製造法としては、本出願人が先に出願し
た、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリメチルジシラン
(以下、ジシラン〔III〕と称する)とフェニルリチウ
ムとを反応さる方法(特願昭61−32808号)、ジシラン
〔III〕とフェニルマグネシウムハライドとをコバルト
触媒の存在下に反応させる方法(特願昭61−32809号)
のように、ジシラン〔III〕の1−位のクロロ基1個の
みにフェニル基を選択的に導入する方法、1,1−ジクロ
ロ−1,2,2−トリメチル−2−フェニルジシランをルイ
ス酸の存在下に不均化させる方法、およびジシラン〔II
I〕と置換基として2個以上のフェニル基を有するジシ
ランとをルイス酸の存在下に反応させる方法が存する。
(発明が解決すべき問題点) ジシラン〔III〕へ1個のフェニル基を選択的に導入す
る方法は、本出願人が先に出願した特願昭61−32808号
および特願昭61−32809号に示すように、ジシラン〔II
I〕にフェニルリチウムまたはフェニルマグネシウムハ
ライドを反応させるが、これらフェニル化試薬がジシラ
ン〔III〕に対して過剰になると2個以上のフェニル基
が導入され、逐次反応生成物が副生する、あるいはジシ
ラン〔I〕の異性体である1,1−ジクロロ−1,2,2−トリ
メチル−2−フェニルジシランが副生するため、厳しい
反応条件の制御が要求される。
(問題を解決するための手段) 本発明者らは、ジシラン〔II〕を原料としてジシラン
〔I〕を選択的に製造する方法について検討を重ねた結
果、ジシラン〔II〕と塩化水素とをルイス酸触媒の存在
下に反応させることとにより所期の目的を達成すること
を見い出し、本発明を完成したものである。
本発明で用いるジシラン〔II〕は、メチルクロライドと
金属ケイ素とからジクロロジメチルシランを合成するさ
いに副生するジシラン留分より得られるジシラン〔II
I〕に、2倍モルのフエニルマグネシウムハライドを反
応させることで容易に得られるもので、1−クロロ−1,
2,2−トリメチル−1,2−ジフェニルジシラン、1−クロ
ロ−1,1,2−トリメチル−2,2−ジフェニルジシランおよ
びこれらの混合物が使用できる。
本発明の代表的な反応式を示すと のように1当量のジシラン〔II〕と1当量の塩化水素を
反応させることにより1当量のジシラン〔I〕を生成す
る。塩化水素の過剰量を用いると更に逐次反応が進行
し、トリクロロトリメチルジシランが副生するので、塩
化水素の過剰量の使用は好ましくない。
本発明において触媒として用いるルイス酸としては、非
プロトン性ルイス酸である塩化アルミニウム(AlC
l3)、リチウムクロロアルミネート(LiAlCl4)、三塩
化ホウ素(BCl3)、ナトリウムクロロボレート(NaBC
l4)、三塩化ガリウム(GaCl3)、塩化第二鉄(FeC
l3)、塩化第二スズ(SuCl4)、塩化亜鉛(ZnCl2)、な
どのほか、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化第二鉄(F
e2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化
コバルト(CoO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化銅
(CuO)、酸化ケイ素(SiO2)などの金属酸化物が例示
されるが、特に塩化アルミニウム、リチウムクロロアル
ミネート、酸化アルミニウムが好適である。
本発明のジシラン〔I〕の製造法は、ジシラン〔II〕と
塩化水素を、ジシラン〔II〕に対して1〜50モル%、好
ましくは5〜30モル%のルイス酸とともに非プロトン性
溶媒たとえばヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、エチル
エーテル、ブチルエーテル、クロロホルム、四塩化炭
素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどの溶媒
中、あるいは溶媒を用いることなく反応させる。
反応温度は0〜200℃特に0〜120℃が好適であり、通常
は塩化水素の導入速度にもよるが、1〜5時間で反応は
完結する。反応終了後は常法の精製法により精製して高
純度のジシラン〔I〕を得る。
(効果) 本発明は、ジシラン〔II〕と塩化水素とをルイス酸触媒
の存在下に反応させることにより、電気伝導体、フォト
レジスト、光情報記憶材料等としての機能を有するポリ
シランの中間体として有用な化合物であるジシラン
〔I〕を得るものである。また原料であるジシラン〔II
I〕は、メチルクロライドと金属ケイ素とからジクロロ
ジメチルシランを合成するさいに10〜20%副生するジシ
ラン留分より得られるもので、現在このジシラン留分は
未利用のまま貯蔵または廃棄されており、本発明はかか
る未利用資源の有効利用をもはかるものである。
(実施例) 以下、実施例により説明する。
実施例1 冷却管、温度計、撹拌機およびガス導入管を備えた300m
l四つ口フラスコに1−クロロ−1,2,2トリメチル−1,2
−ジフェニルジシラン11.6g(40ミリモル)、トルエン1
00mlおよび無水塩化アルミニウム0.53g(4ミリモル)
を仕込み、30〜35℃で乾燥塩化水素ガス1.5g(41ミリモ
ル)を2時間を要して徐々に導入し反応させた。終了後
アセトン0.3mlを加えて無水塩化アルミニウムを失活さ
せたのち、溶媒を留去し、引続き減圧蒸留により89〜90
℃/3.0mmHgの留分を単離して、1.2−ジクロロ−1,2,2−
トリメチル−1−フェニルジシラン8.0gを得た。収率80
%。
沸 点 89〜90℃/3.0mmHg マススペクトル(GC−MS、EI 70eV) 248(M+,4%)、155(55%)、135(100%)、120(32
%)、105(25%)、91(17%)、63(27%) プロトンNMRスペクトル(60MHz、CCl4):δppm a:7.1〜7.7(m,5H) b:0.8(s,3H) 0.6(s,3H) 0.5(s,3H) 赤外吸収スペクトル(NaCl):cm-1 3050,2950,1420,1400,1250,1110 なお、反応生成物の同定のため、反応生成物の少量をリ
チウムアルミニウムハライドで還元し、還元生成物の1H
−NMRスペクトル(C6D6)を測定した結果、下記のよう
にaの水素は確認されたが、bの水素は確認されなかっ
た。
a:δppm=3.6〜4.4(m) b:検出されず 従って、この反応で得られた1,2−ジクロロ−1,2,2−ト
リメチル−1−フェニルジシランであることを確認し
た。
実施例2 冷却管、温度計、撹拌機およびガス導入管を備えた1
四つ口フラスコに1−クロロ−1,2,2−トリメチル−1,2
−ジフェニルジシランと1−クロロ−1,1,2−トリメチ
ル−2,2−ジフェニルジシランの混合物(95:5)266g
(0.91モル)、クロロホルム600mlおよび、無水塩化ア
ルミニウム6.7g(0.05モル)を仕込み、25〜30℃で乾燥
塩化水素ガスを徐々に導入し反応した。ガスクロ分析に
より反応を追跡し、原料のジシランが消失したところで
塩化水素の導入を止め反応を終了させた。塩化水素の導
入時間は5時間を要し、導入量は34g(0.93モル)であ
った。終了後実施例1と同様の後処理を行い。蒸留によ
り単離することにより1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメチ
ル−1−フェニルジシラン197gを得た。収率86% 沸 点 89〜90℃/3.0mmHg マススペクトル(GC−MS、EI 70eV) 248(M+,4%)、155(55%)、135(100%)120(32
%)、105(25%)、91(17%)、63(27%) プロトンNMRスペクトル(60MHz、CCl4):δppm a:7.1〜7.7(m,5H) b:0.8(s,3H) 0.6(s,3H) 0.5(s,3H) 赤外吸収スペクトル(NaCl):cm-1 3050,2950,1420,1400,1250,1110

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロトリメチルジフェニルジシランと、
    塩化水素とを、ルイス酸触媒の存在下に反応させること
    を特徴とする1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−
    フェニルジシランの製造法。
  2. 【請求項2】クロロトリメチルジフェニルジシラン1当
    量に対し、塩化水素1当量を反応させるものである特許
    請求の範囲第1項記載の1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメ
    チル−1−フェニルジシランの製造法。
  3. 【請求項3】クロロトリメチルジフェニルジシランが1
    −クロロ−1,2,2−トリメチル−1,2−ジフェニルジシラ
    ンである特許請求の範囲第1項または第2項記載の1,2
    −ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−フェニルジシラ
    ンの製造法。
  4. 【請求項4】クロロトリメチルジフェニルジシランが1
    −クロロ−1,2,2−トリメチル−2,2−ジフェニルジシラ
    ンである特許請求の範囲第1項または第2項記載の1,2
    −ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−フェニルジシラ
    ンの製造法。
  5. 【請求項5】クロロトリメチルジフェニルジシランが1
    −クロロ−1,2,2−トリメチル−1,2−ジフェニルジシラ
    ンと1−クロロ−1,2,2−トリメチル−2,2−ジフェニル
    ジシランの混合物である特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の1,2−ジクロロ−1,2,2−トリメチル−1−フ
    ェニルジシランの製造法。
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