JPH0767393B2 - ポリペプチドの発現方法 - Google Patents

ポリペプチドの発現方法

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JPH0767393B2
JPH0767393B2 JP3073905A JP7390591A JPH0767393B2 JP H0767393 B2 JPH0767393 B2 JP H0767393B2 JP 3073905 A JP3073905 A JP 3073905A JP 7390591 A JP7390591 A JP 7390591A JP H0767393 B2 JPH0767393 B2 JP H0767393B2
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    • C12N9/0089Oxidoreductases (1.) acting on superoxide as acceptor (1.15)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はポリペプチドの発現方法に関し、
さらに詳しくは、ラン藻細胞を宿主として用い、有用生
理活性を有するポリペプチドをコードする構造遺伝子を
含有する担体DNAで形質転換することにより、効率よ
く該ポリペプチドを発現させる方法に関する。
【0002】ラン藻(cyanobacteria シアノバクテリア
ともいう)は、大腸菌などと同様に、核膜をもたない原
核生物である。しかし、ラン藻は高等植物、特に紅藻の
光合成機構と類似しており、太陽からの光をエネルギー
源として、水及び二酸化炭素とわずかな無機塩類とから
有機物質を生合成し、独立栄養的に大量に増殖すること
が可能である。
【0003】また、ラン藻は古くから食用とされてきた
種も数多くあり[スピルリナ(Spirulina)、スイゼンジ
ノリ(Aphanothece)、ネンジユモ(Nostoc)など]、動物に
対しての病原性及び寄生性も報告されていない。従つ
て、ラン藻は遺伝子組換えのための宿主として適してお
り、安全性にも優れている。
【0004】上記のような特徴を持つラン藻に有用な生
理活性ペプチドをコードする遺伝子を導入し、大量に発
現できれば、農作物のように季節や天候に左右されずに
食料、機能性食品、飼料等をつくることが可能であり、
さらに、低コスト、省エネルギー、省資源的な医薬品、
医薬部外品、化粧品原料等の生産が可能となることが期
待できる。
【0005】近年、ラン藻を宿主とする宿主−ベクター
系の開発が急速に進展し、Anacystis nidulansR2(Syn
echococcus PCC 7942)、 Agmenellum quadruplicatum(S
ynechococcus PCC 7002)、 Synechocystis PCC 6803, An
abaena PCC 7120などの種を用いて、多くの異種タンパ
ク質遺伝子の発現が報告されている[ヒトのカーボニツ
ク・アンヒドラーゼおよび大腸菌lac IQ リプレツサー
タンパク質の発現についてはG.D.Price and M. R. Ba
dger, Plant Physiol、91:505−513(198
9);高等藻類(Cyanophoraparadoxa)のアロフイコシア
ニンの発現についてはR. de Lorimier et al., J. Bact
erol. 169:1830−1835(1987);Baci
llus amyloliquefaciens A50のα−アミラーゼの発
現についてはI. V. Elanskaya and I. B. Morzunova, M
ol. Genet. Mikrobiol. Virusol. 0(9):7−11
(1989);B. shaericus 1593Mの殺虫タンパ
ク質の発現についてはN. Tandeau de Marsac etal., Mo
l. Gen. Genet. 209:396−398(198
7);B. thuringiensis var. israelensis の130k
Da δ−エンドトキシンの発現についてはC. Angsuth
anasombat and S. Panyim, Appl. Environ. Microbid.
55:2428−2430(1989);B.subtilis
のレバンシユクラーゼの発現についてはY. Cai and C.
P.Wolk,J. Bacteriol, 172:3138−3145
(1990);Vibrio harveiおよびV. fischeriのルシ
フエラーゼの発現についてはG. Schmetterer et al.,
J. Bacteriol,167:411−414(1986);
大腸菌のβ−ガラクトシダーゼの発現についてはD. J.
Scanlan etal., Gene 90:43−49(1990)、
M. R. Schaefer and S. S. Golden, J. Bacteriol, 1
71:3973−3981(1989)及びJ. S. Buzb
y etal., Science 230:805−807(198
5);大腸菌のグルタミン酸デヒドロゲナーゼの発現に
ついてはD. A. Lightfoot et al., Plant Mol. Biol.1
1:335−344(1988);大腸菌のrecAタン
パク質の発現についてはR. C. Murphy et al., J. Bact
eriol, 172:967−976(1990);大腸菌
のMn−スーパーオキシドジスムターゼの発現について
はM. Y. Gruberet al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA8
7:2608−2612(1990);光合成細菌Rhod
ospirillum rubrumのRuBisCOの発現については
J. Pierce et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8
6:5753−5757(1989);バクテリオフア
ージーλのcIリプレツサータンパク質の発現について
はD.Friedberg and J. Seijffers, Mol.Gen. Genet, 2
03:505−510(1986)参照]。
【0006】しかし、上記報告の多くは、異種タンパク
質をコードする遺伝子の発現のために、その施主の遺伝
子自身の転写開始領域をそのまま用いており、目的のタ
ンパク質の発現量はごく微量である。また、大腸菌のt
acプロモーターやOLLプロモーターを用いて異種タ
ンパク質(ヒト−カーボニツク・アンヒドラーゼ、フア
ージ−λcIリプレツサー)を発現させた報告では、目
的タンパク質の発現量を増加させるために、それらのプ
ロモーターの制御タンパク質をコードする遺伝子も同一
ベクター上に導入するなどの工夫がなされているが、該
報告中に発現量が記載されているヒト−カーボニツク・
アンヒドラーゼでも、その発現量は可溶性タンパク質の
約0.3%という少量であり、期待されるほどの発現量
は得られていない。
【0007】一方、異種タンパク質(大腸菌のβ−ガラ
クトシダーゼ)の発現のための転写開始領域として宿主
ラン藻の転写開始領域を用いるという報告もなされてい
る[前出のGene 90:43−49(1990)及びJ.B
acteriol. 171:3973−3981(198
9)]。しかし、いずれの場合にも、ラン藻の構造遺伝
子中にβ−ガラクトシダーゼ遺伝子が導入されているた
め、融合タンパク質として発現されており、目的の異種
タンパク質の産生という点で問題がある。
【0008】そこで、本発明者らは、ラン藻細胞を宿主
として、生理活性を有するポリペプチドの効率的発現を
図るべく、まず、アナキステイス・ニデユランス(Anacy
stisnidulans)のRuBisCO遺伝子の転写開始領域
及び転写終止領域を発現させようとする構造遺伝子と連
結させ、ラン藻細胞中で機能するオペロンの作成につい
て鋭意研究を行った結果、RuBisCO転写開始領域
及び転写終止領域を用いることにより、構造遺伝子が効
率よく発現すること、また、作成したオペロンを導入す
るベクターの種類によつても、その発現量が影響するこ
とを見出した。そしてさらに、大腸菌などで報告のある
SD配列からATG(翻訳開始点)間の塩基数が構造遺
伝子の発現に影響を与えることを見い出し、塩基数の最
適化によつて発現量を著るしく高めることに成功し、本
発明を完成するに至った。
【0009】かくして、本発明によれば、生理活性を有
するポリペプチドをコードする構造遺伝子を含有する担
体DNAでラン藻細胞を形質転換することにより、ラン
藻細胞で該ポリペプチドを発現させる方法において、該
担体DNAとして、生理活性を有するポリペプチドをコ
ードする構造遺伝子と、該構造遺伝子の上流側に位置す
るアナキステイス・ニジユランスのRuBisCO遺伝
子の転写開始領域と、該構造遺伝子の下流側に位置する
該RuBisCO遺伝子の転写終止領域を含有する担体
DNAを使用することを特徴とするラン藻細胞での生理
活性を有するポリペプチドの発現方法が提供される。
【0010】以下、本発明の発現方法についてさらに細
胞に説明する。
【0011】[1] 担体DNAの造成 生理活性を有するポリペプチドをコードする構造遺伝子
(以下、便宜上「有用構造遺伝子」ということがある)
と、アナキステイス・ニデユランスのリブロース−1,
5−ジリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Ru
BisCO)の転写開始領域、SD様配列及び転写終止
領域[K. Shinozaki and M. Sugiura,Mol. Gen. Gene
t. 200:27−32(1985)、熊野正信・杉浦
昌弘、遺伝38(12):26−31(1984)等参
照]とが連結した担体DNAを調整するための具体的な
方法は後記実施例に示すとおりであり、以下、その基本
的操作について概説する。
【0012】(1) RuBisCOの転写開始(プロ
モーター)領域の調整 RuBisCOのプロモーターを含むDNA断片は、例
えばK. Shinozagiらの文献[Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 80:4050−4054(1983)]に記載の
プラスミドpANE18(pBR322のEcoRIサ
イトにRuBisCOプロモーター領域を含む約5.6
MDaのEcoRI断片が挿入されているもの)を常法
(T. Maniatis et al., Molecular cloning-A Laborator
y Manual-Cold Spring Horbor Laboratory刊)に従つ
て、制限酵素EcoRI、SacI及びPstIを用い
て切り出すことにより調製することができる。
【0013】(2) RuBisCOの転写終止(ター
ミネーター)領域の調製 RuBisCOのターミネーター領域は、例えばK. Shi
nozakiらの文献[Proc.Natl. Acad. Sci. USA 80:4
050−4054(1983)]に記載のプラスミドp
ANP1155(pBR322のPstIサイトにRu
BisCOターミネーター領域を含む約1.5MDaの
PstI断片が挿入されているもの)を制限酵素Pst
I及びEco52Iを用いて切り出すことにより調製す
ることができる。
【0014】(3) SD様配列の調製 本発明において用いる組換えDNAには、リボソーム認
識配列として、有用構造遺伝子の上流側で且つプロモー
ター領域の下流側にSD様配列が導入される。SD様配
列としては、宿主のラン藻のリボソーマルRNAと相補
的なものを使用するのが好ましく、ラン藻としてアナキ
ステイス・ニジユランス6301株を用いる場合のSD
様配列としてはGGAGなる塩基配列のものが使用でき
るが、これに限られるものではなく、SD様配列として
知られている他の塩基配列のものも同様に使用すること
ができる。そのようなSD様配列は塩基数が少ないの
で、通常、合成によつてつくることが多い。
【0015】また、SD様配列は通常ATG(翻訳開始
点)の前に位置し、SD様配列からATGまでの長さ
(塩基数)は有用構造遺伝子の発現に影響を与える可能
性があるので、宿主の種類、構造遺伝子の塩基配列等に
応じて発現量が最適となるように調節することが望まし
い。その長さは宿主ラン藻の種類、構造遺伝子の塩基配
列等により異なるが、一般には3〜10ベース程度であ
り、最適の長さは宿主構造遺伝子の塩基配列等に応じて
実験的に決めることができる。
【0016】SD様配列を含むDNA断片の調製は通常
ATG(翻訳開始点)の前まで又はATGも含めて行な
うことができ、そのDNA断片の合成はそれ自体既知の
遺伝子操作技術[日本生化学会編「続生化学実験講座1
遺伝子研究法II」東京化学同人刊(1987年)]によ
つて容易に行なうことができる。
【0017】(4) 有用構造遺伝子の調製 本発明の方法により発現しうる生理活性を有するポリペ
プチド(以下、便宜上「有用ペプチド」ということがあ
る)は、特定のものに限定されるものではなく、本発明
の方法によれば、各種の有用ペプチドを効率よく発現さ
せることができる。
【0018】しかして、本発明の方法により発現させう
る有用ペプチドとしては、例えばヒト−SOD、インタ
ーロイキン(ヒト、マウスなど)、ヒトインターフエロ
ン−α,−β又は−γ、ヒト−インスリン、ヒト−腫瘍
壊死因子(TNF)、ヒト・コロニー刺激因子(CS
F)、ヒト−組織プラスミノーゲンアクテイベーター
(tPA)、ヒト−プロウロキナーセ、ウロキナーゼ、
ヒト−血液凝固因子(I〜V、VII〜XIII)、ヒト−
エリスロポエチン、ヒト−神経成長因子、ヒト−心房性
ナトリウム利尿ペプチド(α−hANP)、ヒト−膵分
泌性トリプシンインヒビター、成長ホルモン(ヒト、ウ
シ、ブタ、ニワトリ、魚類など)、成長ホルモン放出因
子、抗体(免疫グロブリン)、殺虫タンパク質(BT蛋
白質など)、種子貯蔵タンパク質(フアゼオリン、ゼイ
ン、グルテニン、グリシニン、ホルデインなど)など並
びにこれら有用ペプチドと実質的に同一のアミノ酸配列
を有するポリペプチドが挙げられる。
【0019】ここで有用ペプチドと実質的に同一のアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドとは、有用ペプチドそれ
自体並びにその有用ペプチドが本来もつ活性を実質的に
失なうことがない範囲内で該有用ペプチドのアミノ酸配
列の一部が他のアミノ酸と置き換つた有用ペプチドに類
縁するポリペプチドをも包含する意味で使用するもので
ある。
【0020】従つて、後記実施例で使用されているヒト
−SODを例にとつて言えば、「ヒト−SODと実質的
に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド」には、Ja
buschら[Biochemistry, 19:2310−2316(1
980)]及びBarraら[FEBS Letters120;53−
55(1980)]が報告したアミノ酸配列を有するh
SODポリペプチドの他に、hSODとしての酵素活性
を実質的に失なうことがない範囲内でアミノ酸配列の一
部(一般には5個以下、好ましくは2個以下)が他のア
ミノ酸と置き換つたhSODに類縁するポリペプチドを
も包含され、具体的には、 (a) hSOD (b) hSODの6番目のシステイン残基(Cys)
がアラニン残基(Ala)に置き換つたもの(特願昭6
3−311013号明細書参照)、 (c) hSODの111番目のシステイン残基(Cy
s)がセリン残基(Ser)に置き換つたもの(特公昭
62−130684号明細書参照)、 (d) hSODの6番目のシステイン残基(Cys)
がアラニン残基(Ala)に、そして111番目のシス
テイン残基(Cys)がセリン残基にそれぞれ置き換つ
たもの(特公昭63−273473明細書参照)等が挙
げられる。
【0021】上記の如き有用ペプチドをコードする有用
構造遺伝子の調製は、それ自体既知の遺伝子操作技術
[例えば、日本生化学会編 「続生化学講座1遺伝子研
究法II」 東京化学同人刊(1987年);村松正実編
「医学における遺伝子工学」東京化学同人刊(198
7年)等の実験書参照]によつて、有用ペプチドを産生
する能力をもつ動物、植物、微生物等の供給源細胞から
抽出クローニングしたり或いは化学的に合成することに
より行なうことができる。
【0022】(5) 有用構造遺伝子を含有する発現可
能なオペロンの造成 上記のようにして調製されるRuBisCOプロモータ
ー領域、SD様配列を含むDNA断片及びRuBisC
Oターミネーター領域は、生理活性を有するポリペプチ
ドをコードする有用構造遺伝子と共に、(プロモーター
領域)−(SD様配列を含むDNA断片)−(翻訳開始
コドン、ATG)−(有用構造遺伝子)−(翻訳終止コ
ドン)−ターミネーター領域)の順で、それ自体既知の
方法により連結され、ラン藻細胞中で発現可能なオペロ
ンが造成される。
【0023】プロモーター及びSD様配列はそれぞれ単
一である必要はなく、2つ又はそれ以上のプロモーター
を縦列させて用いたり及び/又は2つ又はそれ以上のS
D様配列を縦列させて用いることも可能である。
【0024】上記の有用構造遺伝子を含有するオペロン
は、宿主及び/又はオペロンの種類等によつては実質的
にそのままの状態で宿主を形質転換することも可能であ
るが、通常は宿主に適したベクター(プラスミド)に導
入して形質転換に用いられる。
【0025】(6) ベクター 前記の発現可能なオペロンを導入しうるベクターとして
は、ラン藻細胞中で用いられる広範囲の種類のベクター
を使用することができ、例えば、pUC104、pUC
105[C.J.Kuhlemeier et al., Mol. Gen. Genet.
184:249−254(1981)];pLS103
[L. A. Sherman and P. van de Putte,J. Bacteriol,
150:410−413(1982)];pDPL13
[S. Gendel et al., J. Bacteriol, 156:148−
154(1983)];pUC303[C. J. Kuhlemei
er et al., Plasmid 10:156−163(198
3)];pSG111[S. S. Golden and L. A. Sherm
an, J. Bacteriol, 155:966−972(198
3)];pPUC29[C. J. Kuhlemeier et al., Gen
e 31:109−116(1984)];pPLAN
Ba1[D. E. Landenbach et al., Mol. Gen Genet,
199:300−305(1985)];pBAS18
[K. Shinozaki et al., Gene19:221−224
(1982)]などが挙げられる。
【0026】また、そのようなベクターは、プラスミド
及びウイルスから必要に応じて誘導することができ、例
えばアナキステイス・ニデユランス由来のプラスミドp
BA1のOriA領域と、プラスミドpUCのマルチク
ローニング領域と、大腸菌ColE1系プラスミドのO
riE領域とから本発明者らによつて造成された大腸菌
及びラン藻細胞内で複製可能なシヤトルベクターpBA
X18、pBAX19、pBAX20なども有利に使用
することができる(後記実施例及び(平成3年3月8日
付で出願された同一出願人による発明の名称が「新規プ
ラスミド」の特許出願参照)。
【0027】(7) 担体DNAの構築 上記(5)で述べた有用構造遺伝子を含有する発現可能
なオペロンは、それ自体既知の遺伝子操作技術によつ
て、上記(6)で述べた如きベクター(プラスミド)に
導入することができる。
【0028】例えばhSODをコードする有用構造遺伝
子を用いて前記(5)に述べた如くして調製されるhS
ODオペロンは、例えばアナキステイス・ニデユランス
細胞中で複製可能なpBAS18又はpBAX18の例
えばEcoRI認識部位を制限酵素EcoRIを用いて
開裂させ、おのおののDNA断片を一緒にし、T4DN
Aリガーゼを作用させることにより挿入され、hSOD
発現用ベクターが得られる。ベクター中に挿入されるオ
ペロンは1つである必要はなく、同一方向であれば、
2、3、4個又はそれ以上縦列させることも可能であ
る。
【0029】このようにして得られるhSOD発現用ベ
クターは大腸菌で常法(T. Maniatiset al., Molecular
Cloning-A Laboratory Manual-Cold Spring Horbor Lab
oratory 刊)従つてクローリングすることができる。
【0030】[2] 形質転換 前述の如くして造成される担体DNAを用いて形質転換
することのできるラン藻細胞としては、例えば、次にも
のを例示することができる。
【0031】アナキステイス・ニデユランス6301株
(Synechococcus PCC 6301)、 アナキステイス・ニデユランスR2株(Synechococcus
PCC 7942)、 Synechococcus PCC 7002、 Synechococcus PCC 7418(Aphanothece halophiti
ca)、 Synechocystis PCC 6803、 Synechocystis PCC 6714、 Spirulina platensis、 Anabaena PCC 7120(Nostoc PCC 7120)、 Nostoc PCC 7119(Anabaena PCC 7119)、 Calothrix PCC 7601など。
【0032】前記の担体DNAによるこれら宿主ラン藻
細胞の形質転換はそれ場対既知の方法、例えば、R. D.
Porter[CRC Critical Reviews in Microbiology 13
(2):111−132]、D. A.lightfootら[J. Gen
eral, Microbiology 134:1509−1514(1
988)]、S. S. Goldenら[J. Bacteriol, 158:
36−42(1984)]、H. Daniellら[Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 83:2546−2550(198
6)]、T. Matsunagaら[Appl. Biochem. Biotechnol.
24/25:151−160(1990)]などに従
つて行なうことができる。
【0033】例えば、hSOD発現ベクターをアナキス
テイス・ニデユランスへD.A.Lightfootらの方法で導
入し形質転換することができる。得られる形質転換体は
アンピシリン耐性などにより選抜した後、イムノブロツ
テイング法、オクテロニー法、ポリアクリルアミドゲル中
でのSOD活性染色、SOD活性の測定などにより、所
期の形質転換体が得られていることを確認することがで
きる。
【0034】このようにして得られる形質転換は、光
の照射下で宿細胞の増殖に応じたそれ自体既知の培地
で培養することにより生理活性を有するポリペプチドの
発現を行わせることができる。培地は形質転換体が選択
的に増殖するための適当量の薬剤、例えばアンピシリン
などを含むことが好ましい。
【0035】形質転換体宿主がアナキステイス・ニデユ
ランスの場合、培地としてはBG−11培地、MDM培
地などが適しており、また、培養条件として、培養温度
は一般に10〜35℃、好ましくは25〜30℃が適し
ている。さらに培地のpHは通常7〜8の範囲内及び照
度は500〜5000ルクスの範囲内が適している。こ
のような条件下に培養は5〜20日程度行なうことがで
きる。また、培養は静置又は撹拌下で行なうことができ
る。
【0036】以上に述べた本発明の方法によれば、有用
ペプチドの発現効率が極めて高く、ラン藻細胞中に産生
される有用ペプチドの分離回収は、培養物からそれ自体
既知の方法で行なうことができる。例えば、培養液から
遠心分離で細胞を集め、破砕したのち、通常知られてい
る方法、例えば塩析、透析、イオン交換クロマトグラフ
イー、ゲルろ過クロマトグラフイー、クロマトフオーカ
ツシング、ハイドロフオービツクインターラクシヨンク
ロマトグラフイー、アフイニテイークロマトグラフイ
ー、電気泳動などの操作を適宜組合せることにより分離
・回収することができる。
【0037】このようにして製造される生理活性を有す
るポリペプチドは、医薬品、医薬部外品、化粧料等に利
用することができる。
【0038】また、光照射下で培養された形質転換ラン
藻は、培養後、遠心分離などで集められ、そのまま食料
・飼料・機能性食品として利用することもできる。
【0039】なお、本発明における組換えDNAに用い
られるRuBisCOプロモーターは、その下流に位置
する有用構造遺伝子の発現を光の制御下で大量に誘導す
ることができ、大腸菌のlac, tac, trp プロモーターな
どを用いて発現を誘導させる場合に通常用いられる高価
な薬剤を使用しなくてもよいなどの利点がある。
【0040】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。
【0041】
【実施例1】I.発現調節領域の調製 (I−1) pANE18のクローニング pBR322のEcoRIサイトにAnacystis nidulans
6301株のリブロース−1,5−ジリン酸カルボキシ
ラーゼ/オキシゲナーゼ遺伝子のプロモーター領域を含
む5600bpの断片が挿入されたpANE18(K. Shin
ozakiら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4050
−4054(1983))40ng(1μl)を50mM C
aCl2処理したEscherichia coli HB101株の細胞
懸濁液100μlに加え、おだえかに混合した。混合液
を氷水中で30分間インキユベートした後、さらに42
℃で3分間インキユベートしてDNAを細胞中にとりこ
ませた。この懸濁液に1mlのLB medium(10g/l
バクトトリプトン、5g/l酵母抽出エキス、10g/
l NaCl)を加え、振盪しながら37℃で1時間イ
ンキユベートした。この細胞懸濁液を100μlおよび
200μlとりLB寒天培地(50μg/mlアンピシリ
ン、1.5%寒天を含む)上にプレートした。このプレ
ートを37℃で24時間インキユベートし、コロニーを
単離した。単離したコロニーを2mlの2YT液体培地
(16g/lバクトトリプトン、10g/l酵母抽出エ
キス、5g/l NaClおよび50μg/mlアンピシ
リンを含む)に白金耳で植え付け37℃で一晩培養し
た。培養液を1mlとり200mlの2YT液体培地(10
0μg/mlアンピシリンを含む)に加え、37℃で一晩
培養した。培養した細胞を8000rpm、10分間遠心
して集め、プラスミドDNAをSDS−アルカリ法(B.
Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning, p
273〜276、John Wileyand Sons Inc. 刊)により
大量に調製した。
【0042】(I−2) SacI−SphI断片の単
(図1参照) 大量調製したpANE18DNA10μl(10μg)
と10×Low buffer(100mM Tris-HCl(pH7.
5)、100mM MgCl2、10mMジチオスレイ
トール(DTT))10μl及びSacI(宝酒造
(株)製)50unitsに滅菌水を加えて100μlとし
たエツペンドルフチユーブ(1.5ml容)を37℃で3
時間反応させた。反応後、10×High buffer(500
mM Tris-HCl(pH7.5)、100mM MgC
2、10mM DTT、100mM NaCl)15
μl、SphI(宝酒造(株)製)50units及び滅菌
水30μlを加えてさらに37℃で3時間反応させた。
反応後、1/10容の3M酢酸ナトリウム(pH4.8)及
び2.5容のエタノールを加え、−20℃で2時間以上
放置した。生じた沈殿を15000rpm、4℃で10分
間遠心し、70%エタノールで洗浄後、減圧乾固させ
た。残渣を50μlのTE(10mM Tris−HC
l(pH8.0)、1mM EDTA)に溶解し、1/10
容の電気泳動用マーカー(0.25%ブロモフエノール
ブルー、0.25%キシレンシアノール、30%グリセ
ロール)を加え、1.5%アガロースゲルにのせTAEb
uffer(40mM Tris-acetate、2mM EDTA)
で50V、1.5時間電気泳動を行った。泳動後、ゲル
を0.5μg/mlのエチジウムブロマイド溶液(TAE
中)に15分間浸漬し、DNAの染色を行った。染色し
たゲルをトランスイルミネーター上にのせ、紫外線をあ
て目的とするDNAを含むバンドを切り出した。目的の
DNA断片(約1200bp)を、DNA精製用キツトGe
neciean(BIO101社製)を用いて精製した。
【0043】(I−3) SacI−SphI断片のpU
C18でのクローニング(図1参照) (1) pUC18のSacI−SphI消化 pUC18DNA10μl(10μg)と10×Low bu
ffer 5μl及びSacI 50unitsに滅菌水を加えて
50μlとしたエツペンドルフチユーブ(1.5ml容)
を37℃で3時間反応させた。反応後、10×High buf
fer7.5μl、SphI 50units及び滅菌水37.5
μlを加えてさらに37℃で3時間反応させた。この反
応液に等容のフエノール:クロロホルム:イソアミルア
ルコール(25:24:1)を加え激しく撹拌したのち
15000rpm、4℃、で4時間遠心して水層を分取し
た。この水層に1/10容の3M酢酸ナトリウム(pH
4.8)および2.5容のエタノールを加え、DNAをエ
タノール沈殿させた。沈殿を15000rpm、4℃、1
0分間遠心して集め、70%エタノールで洗浄し、減圧
乾固させた。残渣を20μlのTEに溶解し、次の実験
に使用した。
【0044】(2) SacI−SphI断片(120
0bp)のpUC18(SacI−SphI)への挿入
SacI−SphI断片DNA0.1μg(2μl)お
よびpUC18(SacI−SphI)0.5μg(1
μl)に24μlのTakara DNA ligation Kit A液
(宝酒造(株)社製)を加え、よく撹拌した。この溶液
に3μlのTakara DNA ligation Kit B液を加え
よく撹拌した後、16℃で1時間インキユベートした。
反応後、この溶液をE. coli JM109株の形質転換に
使用した。
【0045】(3) pARup18の大量調製 ligation溶液5μl(100μg)に50mM CaC
2で処理したE. coliJM109株の細胞懸濁液100
μlを加え、おだやかに混合した。混合液を氷水中で3
0分間インキユベートした後、さらに42℃で2分間イ
ンキユベートしてDNAを細胞中にとりこませた。この
懸濁液に1mlの2YT液体培地を加え、振盪しながら3
7℃で1時間インキユベートした。この細胞懸濁液を1
00および200μlとり2YT寒天培地(50μg/
mlアンピシリン、40mg/l5−ブロモ−4−クロロ−
3−インドリル−β−D−チオガラクトシド(X−ga
l)、23.83mg/lイソプロピル−β−D−チオガ
ラクトピラノサイド(IPTG)および1.5%寒天を含
む)上にプレートした。このプレートを37℃で24時
間インキユベートし、得られた白いコロニーを新しい2
YT寒天培地(50μg/mlアンピシリン、X−gal、
IPTG、1.5%寒天を含む)にスポツトして37℃
で一晩培養することにより白いコロニーを単離した。
【0046】単離した白いコロニーを2mlの2YT液体
培地(50μg/mlアンピシリンを含む)に白金耳で植
え付け37℃で一晩培養した。培養液を1mlとり1.5m
l容エツペンドルフチユーブに移し、15000rpm、3
0秒間遠心して細胞を集めた。集めた細胞を150μl
のSET buffer(20%シヨ糖、50mM Tris
−HCl(pH7.6)、50mM EDTA)に懸濁
し、5μlのRNase溶液(10mg/mlリボヌクレアーゼ
A、0.1M酢酸ナトリウム(pH4.8)、0.3mM
EDTA)を加えポルテツクスミキサーで十分混合し
た。これに350μlの溶菌液(1%SDS、0.2N
NaOH)を加え、チユーブを逆さにすることにより
おだやかに撹拌し、完全に溶菌させた。この溶菌液を氷
水中で10分間インキユベートした後、250μlの3
M酢酸ナトリウム(pH4.8)を加え、十分混合し、
さらに氷水中に30分間放置した。この混合液を150
00rpm、4℃で10分間遠心してSDSおよび染色体
DNAを沈殿させた。上清を別のエツペンドルフチユー
ブに移し、等量のイソプロピルアルコールを加えよく混
合し、15000rpm、4℃で7分間遠心してプラスミ
ドDNAを沈殿として集めた。沈殿を滅菌水に溶解し、
一部を制限酵素EcoRI、HindIII(ともに宝酒
造(株)社製)消化し、1.5%アガロースゲル電気泳
動を行い1200bpのSacI−SphI断片がpU
C18に挿入されていることを確認した。
【0047】SacI−SphI断片がpUC18に挿
入されていると確認されたコロニーを400mlの2YT
液体培地(100μg/mlアンピシリンを含む)に移
し、一晩培養した。培養した細胞を8000rpm、4℃
で10分間遠心して集め、プラスミドDNAをSDS−
アルカリ法により大量に調製した。
【0048】(I−4) EcoRI−PstI断片の
単離(図1参照) (1) EcoRI−HindII断片の単離 大量調製したpARup18DNA溶液10μl(10
μg)と10×K buffer(200mM Tris−H
Cl(pH8.5)、100mMMgCl2、10mM
DTT、1000mM KCl)20μl及びHind
III40unitsに滅菌水を加えて200μlとしたエツペ
ンドルフチユーブ(1.5ml容)を20本用意し、37
℃で3時間反応させた。反応後、フエノール−クロロホ
ルム処理し、DNAをエタノール沈殿して集め155μ
lの滅菌水に溶解した。この溶解に5×EcoRIbuffe
r(500mM Tris−HCl(pH7.5)、35
mM MgCl2、250mM NaCl、35mM
2−メルカプトエタノール、0.05%ウシ血清アルブ
ミン(BSA))40μlとEcoRI 40unitsを加え
200μlとしたエツペンドルフチユーブ(1.5ml
容)20本を37℃で3時間反応させた。反応後、同様
にフエノール−クロロホルム処理、エタノール沈殿を行
いDNAを回収した。目的のDNA断片(約1200b
p)を1.5%アガロースゲル電気泳動により分離し、
DNA−精製用キツトGenecleanを用いて精製した。 (2) EcoRI−PstI断片(約350bp)の
単離 精製したDNA断片40μg(86μl)に10×Hi
gh buffer 10μlとPstI(宝酒造(株)社
製)48unitsを加え、100μlとしたエツペンドル
フチユーブ(1.5ml容)を37℃で3時間反応させ
た。反応後、1.5%アガロースゲル電気泳動を行い目
的のDNA断片(約350bp)を分離した。DNAを
ゲルから電気的に溶出し、核酸精製用カートリツジNens
orb20(Dupond社製)を用いて精製した。(I−5) PstI−HindIII断片の合成 (1) オリゴヌクレオチドの合成および精製 Shine Dalgarno(S/D)配列を含む発現調節領域の合
成のために10個のオリゴヌクレオチド(図2参照)を
DNAシンセサイザー380A(アプライド・バイオシ
ステムズ・ジヤパン社製)を用いてホスホアミダイト法
により合成を行った。合成が終了したシリカゲルカラム
に2mlのアンモニア水(27%以上)を0.5mlずつ1
5分おきに加え、オリゴヌクレオチドをシリカ支持体よ
り切り出しバイアルに捕集した。このバイアルにさらに
1mlのアンモニア水を加え、キヤツプおよびパラフイル
ム等によりシールして55℃で8時間以上加温し、塩基
部分の保護基(アシル基)をはずした。恒温槽よりバイ
アルを取り出し室温に戻した後、キヤツプをはずして減
圧下で濃縮乾固した。乾固後、残渣を200μlの0.
01Mトリエチルアミン−酢酸溶液(TEAA、pH
7.5)に溶解し、AM−313−0DS(山村化学研
究所製)カラムを用いてHPLCでアセトニトリル、
0.1M TEAAの濃度勾配による溶出を行いメインピ
ークを分取した。分取したピークを減圧下で濃縮乾固し
た後、80%酢酸(アセトニトリル溶液)100μlを
加え、混合して室温に30分間放置することにより、
5’未満のジメチルトリチル(DMTr)基をはずし、
OH基に変換した。30分経過後、迅速に乾固し、残渣
を0.01M TEAA(pH7.5)200μlに溶解
し、等容のジエチルエーテルを加え、DMTr基を抽出
除去した。この溶液を減圧下で濃縮乾固した後、110
μlの0.01M TEAA(pH7.5)に溶解し、再
びHPLCを用いて、分取、精製を行った。分取したオ
リゴヌクレオチドを含む溶液を減圧下で乾固した後、T
Eに溶解し、次の実験に使用した。
【0049】(2) 合成オリゴヌクレオチドのキナー
ゼによるリン酸化 精製したオリゴヌクレオチド4μgをKinase buffer
(50mM Tris−HCl(pH7.6)、10m
M MgCl2、0.1mM EDTA、5mMDTT、
0.1mMスペルミジン、1.7μM ATP)120μ
lに混合し、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造
(株)社製)9unitsを添加し、37℃で15分間イン
キユベートした。次にATPを終濃度1mMになるよう
に加え、再度T4ポリヌクレオチドキナーゼ9unitsを添
加し、37℃で25分間インキユベートした。反応後、
90℃、5分間熱処理した酵素を失活させた。リン酸化
したオリゴヌクレオチドを核酸精製用カートリツジNens
orb20を用いて精製した。
【0050】(3) PstI−HindIII断片の作
製 4つの塩基数をかえたPstI−HindIII断片をT4
DNAリガーゼによるオリゴヌクレオチドの直結によつ
て行った(図3参照)。PstI−HindIII断片を構
成するオリゴヌクレオチドのうち下段のストランドの
5’未満に位置するオリゴヌクレオチド1.5μg、そ
の他のオリゴヌクレオチド1μgに5×ligation buffe
r(250mM Tris−HCl(pH7.6)、10
mM MgCl2)20μlと滅菌水を加えて80μl
とした。この溶液を90℃、5分間加熱した後、2時間
かけて4℃まで徐冷し、100mM DTTと10mM
ATPを10μlずつ加え、さらにT4 DNAリガ
ーゼ(宝酒造(株)社製)2.5unitsを添加して4℃で
15時間インキユベートした。反応液を等容のフエノー
ル−クロロホルムで処理し、DNAをエタノール沈殿し
て回収し次の実験に用いた。
【0051】(I−6) EcoRI−HindIII断
片の作成(図4参照) (1) EcoRI−PstI断片(プロモーター領
域)とPstI−HindIII断片の直結 前記(I−4)で単離したEcoRI−PstI断片
1.0μgに塩基数の異なる4つのPstI−HindI
II断片それぞれ0.5μgを5μlの0.3M NaCl
に混合し、さらにTakara ligation kit B液 5μlを
加えよく混合した。この溶液を26℃で1時間以上イン
キユベートした。反応後、溶液をフエノール−クロロホ
ルム処理し、常法どうりエタノール沈殿してDNAを回
収した。
【0052】(2) ligation反応物のHindIII−
EcoRI消化 回収したDNA残渣を14.5μlの滅菌水に溶解し、
5×HindIII buffer(50mM Tris−HC
l(pH7.5)、35mM MgCl2、300mM
NaCl)4μlおよびHindIII 12units(1.
5μl)を加え、37℃で1.5時間反応させた。反応
後、さらに5×EcoRI buffer 4μl、EcoR
I 12units(1.0μl)および滅菌水5μlを加え
37℃で1.5時間反応させた。反応液を等量のフエノ
ール−クロロホルムで処理し、DNAをエタノール沈殿
して回収した。
【0053】(I−7) 塩基数の異なる4つの発現調
節領域EcoRI−HindIII断片のpUC18によ
るクローニング(図4参照) (1) pUC18のEcoRI−HindIII消化 pUC18 25μgと10×K buffer(200mM
Tris−HCl(pH8.5)、100mM Mg
Cl2、10mM DTT、100mM KCl)10
μl及びHindIII 64units(8μl)に滅菌水を
加えて100μlとしたエツペンドルフチユーブ(1.
5ml容)を37℃で3時間反応させた。この反応液を等
容のフエノール−クロロホルムで処理し、エタノール沈
殿によりDNAを回収した。DNA残渣を75μlの滅
菌水に溶解し、5×EcoRI buffer 20μl及び
EcoRI 60units(5μl)を加え、37℃で3
時間反応させた。反応後、同様にフエノール−クロロホ
ルム処理、エタノール沈殿を行った。回収したDNAは
TEに0.25μg/μlになるように溶解し、次の実
験に用いた。
【0054】(2) 4つの発現調節領域EcoRI−
HindIII断片のpUC18(EcoRI−HindI
II)への挿入 4つのEcoRI−HindIII断片をそれぞれ60n
g(1μl)とpUC18(EcoRI−HindII
I)500ng(2μl)ずつをそれぞれエツペンドル
フチユーブに入れ、Takara ligation kit A液24μl
を加えよく混合した。これらの混合液に、さらにTakara
ligation kit B液3μlを加え、混合した後、16
℃で2時間以上反応させた。この溶液を次の実験に用い
た。
【0055】(3) pARup1、2、3および4の
大量調製 ligation溶液3μl(56ng)に50mM CaCl
2で処理したE. coliJM109株の細胞懸濁液100μ
lを加え、おだやかに混合した。混合液を氷水中で30
分間インキユベートした後、さらに42℃で2分間イン
キユベートしてDNAを細胞中に取りこませた。この懸
濁液に1mlの2YT液体培地を加え、37℃、1時間の
振盪培養後、2YT寒天培地(50μg/mlアンピシリ
ン、40mg/l X−gal、23.83mg/l IPTGおよ
び1.5%寒天を含む)にプレーテした。得られた白い
コロニーからプラスミドを調製し、制限酵素地図を解析
することによつて目的のプラスミドpARup1、2、
3および4)を保持しているコロニーをスクリーニング
した。
【0056】プラスミドpARup1、2、3および4
を保持しているそれぞれのコロニーを200mlの2YT
液体培地(100μg/mlアンピシリンを含む)で培養
し、それぞれのプラスミドDNAをSDS−アルカリ法
により大量に調製した。
【0057】(I−8) EcoRI−HindIII断
片の単離 大量調製したプラスミドDNA(pARup1、2、3
および4)を20μg(20μl)とり、10×K bu
ffer 20μl、 HindIII 120units(15μ
l)および滅菌水を加えて200μlとしたエツペンド
ルフチユーブを各々のプラスミドで6チユーブずつ用意
した。これらのチユーブを37℃で3時間インキユベー
トした。反応後、フエノール−クロロホルム処理し、D
NAをエタノール沈殿して集め、それぞれ150μlの
滅菌水に溶解した。これらのDNA溶液にそれぞれ5×
EcoRI buffer 40μl及びEcoRI 120
units(10μl)を加え37℃で3時間インキユベー
トした。反応後、DNAをエタノール沈殿して回収し
た。目的のそれぞれのDNA断片を1.5%アガロース
ゲル電気泳動により分離した。DNAをゲルから電気的
に溶出し、核酸精製用カートリツジNensorb20を用い
て精製した(ARup1、2、3および4)。
【0058】II.転写終止(ターミネーター)領域の調
製(図5参照) (II−1) pANP1155のクローニング pBR322のPstIサイトにAnacystis nidulans
6301株のリブロース−1,5−ジリン酸カルボキシ
ラーゼ/オキシゲナーゼ遺伝子のターミネーター領域を
含む約1500bpの断片が挿入されたpANP115
5(K. Shinozakiら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA
:4050−4054(1983))500ng
(0.5μl)を50mM CaCl2処理したE. coli
JM109株の細胞懸濁液100μlに加え、おだやか
に混合した。混合液を氷水中で30分間インキユベート
した後、さらに42℃で2分間インキユベートしてDN
Aを細胞中に取りこませた。この懸濁液に1mlのLB液
体培地を加え、37℃、1時間の振盪培養後、LB寒天
培地(12.5μg/mlテトラサイクリンおよび1.5%
寒天を含む)にプレートし、コロニーを単離した。
【0059】単離したコロニーを2.8リットルの2Y
T液体培地(25μg/mlテトラサイクリンを含む)で
培養し、プラスミドDNAをSDS−アルカリ法により
大量に調製した。
【0060】(II−2) Eco52I−PstI断片
の調製 (1) PstI断片の単離 大量調製したpANP1155DNA20μg(20μ
l)と10×Highbuffer 20μl、PstI 120
units(10μl)に滅菌水を加えて200μlとした
エツペンドルフチユーブ(1.5ml容)6本用意し、3
7℃で3時間インキユベートした。反応後、DNAをエ
タノール沈殿して回収し、目的のDNA断片(約150
0bp)を1.5%アガロースゲル電気泳動により分離
した。分離したDNAをGenecleanにより精製し、次の
実験に用いた。
【0061】(2) PstI断片のEco52I消化 PstI断片のDNA溶液64.5μl(約10μg)
に10×Eco52Ibuffer(100mM Tris−
HCl(pH9.0、30mM MgCl2、1000m
M NaCl、0.1% BSA)7.5μl及びEco
52I(東洋紡績(株)社製)18units(3μl)を
加え37℃で3時間インキユベートした。インキユベー
ト後、フエノール−クロロホルム処理、エタノール沈殿
してDNAを回収した。回収したDNAを8μlの滅菌
水に溶解した。
【0062】(II−3) pARut13の作製 (1) Eco52I−PstI断片の平滑末端化 II−2で調製したEco52I−PstI断片のDNA
溶液8μlにDNABlunting Kit(宝酒造(株)社製)
の×10 buffer 1μlを加え、70℃で5分間イン
キユベートした後、37℃の恒温槽に移した。この溶液
にDNA Blunting KitのT4DNA polymerase 1
μlを加え、ピペツテイングによりやだやかに混和し、
37℃で5分間反応させた。反応後、この溶液にDNA
Blunting Kit のDNA dilution buffer 40μlを
加え、ボルテツクスで激しく撹拌することにより酵素を
失活させた。
【0063】(2) pUC13のSmaI消化および
脱リン酸化 pUC13 DNA 20μg(20μl)に5×Sm
aI buffer(50mM Tris−HCl(pH8.
0)、35mM MgCl2、100mM KCl、3
5mM 2−メルカプトエタノール、0.05% BS
A)40μl、SmaI(宝酒造(株)社製)80unit
s(10μl)および滅菌水130μlを加え、30℃
で4時間反応させた。反応後、フエノール−クロロホル
ム処理、エタノール沈殿をしてDNAを回収した。回収
したDNAを100μlの0.1MTris−HCl
(pH8.0)に溶解し、10μlのアルカリフオスフ
アターゼ溶液(1.0unitsアルカリフオスフアターゼ
(AP、宝酒造(株)社製)、10mM Tris−H
Cl(pH7.5)、50mM NaCl、1mM Z
nSO4)を加え、37℃で2時間反応させた。反応
後、さらに10μlのアルカリフオスフアターゼ溶液を
加え65℃で30分間インキユベートした。反応液をフ
エノール−クロロホルム処理し、DNAをエタノール沈
殿して集め0.5μg/μlになるようにTEに溶解し
た。
【0064】(3)平滑化断片のpUC13(Sma
I、AP)への挿入 平滑末端化断片のDNA溶液2μl(約100ng)と
SmaI、アルカリフオスフアターゼ処理したpUC1
3のDNA溶液2μl(1.0μg)にTakaraligation
kit A液32μlを加え、よく撹拌した。この溶液にT
akara ligation kit B液4μlを加えよく撹拌した
後、16℃で1時間以上インキユベートした。反応後、
この溶液をE. coli JM109株の形質転換に使用し
た。
【0065】(II−4) BamHI−EcoRI断
片の調製 (1) pARut13の大量調製 ligation溶液1μl(約40ng)に50mM CaC
2で処理したE. coliJM109株の細胞懸濁液100
μlを加え、おだやかに混合した。混合液を氷水中で3
0分間インキユベートした後、さらに42℃で2分間イ
ンキユベートしてDNAを細胞中に取りこませた。この
懸濁液に1mlの2YT液体培地を加え、37℃、1時間
の振盪培養後、2YT寒天培地(50μg/mlアンピシ
リン、40mg/l X−gal、23.83mg/l IPTG
および1.5%寒天を含む)にプレートした。得られた
白いコロニーからプラスミドを調製し、制限酵素地図を
解析することによつて目的のプラスミドpARut13
を保持しているコロニーをスクリーニングした。スクリ
ーニングしたコロニーを400mlの2YT液体培地(1
00μg/mlアンピシリンを含む)で培養し、プラスミ
ドDNAをSDS−アルカリ法により大量に調整した。
【0066】(2) BamHI−EcoRI断片の単
離 大量調製したプラスミドDNA(pARut13)15
μg(15μl)に10×K buffer 20μl、Ba
mHI(宝酒造(株)社製)120units(10μl)
及び滅菌水を加えて200μlとしたエツペンドルフチ
ユーブ(1.5ml容)を8本用意した。これらのチユー
ブを30℃で3時間インキユベートした。反応後、フエ
ノール−クロロホルム処理し、DNAをエタノール沈殿
して集め、それぞれ110μlの滅菌水に溶解した。こ
れらのDNA溶液に5×EcoRI buffer 30μl
及びEcoRI 120units(10μl)を加え、3
7℃で3時間インキユベートした。反応後、DNAをエ
タノール沈殿して回収し、目的のDNA断片(約300
bp)を1.5%アガロースゲル電気泳動により分離し
た。ゲルからDNAを電気的に溶出し、核酸精製用カー
トリツジNensorb20を用いて精製した。
【0067】III.hオペロンの造成 (III−1)h遺伝子への転写終止領域の連結(図5参
照) (1) pUC13−h−SODのBamHI−Eco
RI消化 pUC13のHindIII−BamHIサイトにヒト−
スーパーオキシド・ジスムターゼをコードする完全鎖長
DNA断片(475bp)が挿入されたpUC13−h
−SOD(特願平1−210129号特許出願明細書の
実施例1参照)10μg(20μl)に5×EcoRI
buffer 40μl、EcoRI 120units(10
μl)及び滅菌水を加えて200μlとしたエツペンド
ルフチユーブを37℃で3時間インキユベートした。反
応後、フエノール−クロロホルム処理、エタノール沈殿
してDNAを集め、215μlの滅菌水に溶解した。こ
の溶液に10×K buffer 25μl及びBamHI
100units(10μl)を加え、30℃で3時間反応
させた。反応後、DNAをGenecleanを用いて精製した。 (2) 転写終止領域(BamHI-EcoRI)のpU
C13−h−SOD(BamHI−EcoRI)への挿
入 pUC13−h−SOD(BamHI−EcoRI)D
NA500ng(1μl)とIIで調製した転写終止領域6
0ng(0.4μl)にTakara ligation kit A液11.2
μlを加え、よく混合した。この溶液にTakara ligati
on kitB液1.4μlを加えよく撹拌した後、16℃で
30分間インキユベートした。反応後、この溶液をE. c
oli JM109株の形質転換に使用した。
【0068】(III−2) HindIII−EcoRI
(hSOD−terminater)断片の調製 (1) pUC13−hSODtの大量調製 ligation溶液2μl(約70ng)に50mM CaCl
2で処理したE. coliJM109株の細胞懸濁液100μ
lを加え、おだやかに混合した。この混合液を氷水中で
30分間インキユベートした後、さらに42℃で2分間
インキユベートしてDNAを細胞中に取りこませた。こ
の懸濁液に1mlの2YT液体培地を加え、37℃、1時
間の振盪培養後、2YT寒天培地(50μg/mlアンピ
シリン、40mg/l X−gal、23.83mg/l IPT
Gおよび1.5%寒天を含む)にプレートした。得られ
た白いコロニーからプラスミドを調製し、制限酵素地図
を解析することにより目的のDNA断片を保持している
コロニーをスクリーニングした。スクリーニングしたコ
ロニーを60mlの2YT液体培地(100μg/mlアン
ピシリンを含む)で培養し、プラスミドDNAをSDS
−アルカリ法により調製した。
【0069】(2) HindIII−EcoRI断片の
単離 調製したpUC13−hSODt DNA溶液50μl
(25μg)に10×K buffer 20μl、Hind
III 120units(15μl)及び滅菌水を加え、20
0μlとしたエツペンドルフチユーブ(1.5ml容)を
2本用意した。これらのチユーブを37℃で3時間イン
キユベートした。反応後、フエノール−クロロホルム処
理し、DNAをエタノール沈殿して集め、それぞれ15
0μlの滅菌水に溶解した。これらのDNA溶液に5×
EcoRI buffer 40μl及びEcoRI 120
units(10μl)を加え、37℃で3時間インキユベ
ートした。反応後、DNAをエタノール沈殿して回収
し、目的のDNA断片(約790bp)を1.5%アガ
ロースゲル電気泳動により分離した。DNAをGeneclea
nによつて精製した。(III−3) HindIII−EcoRI(hSOD−te
rminater)断片と発現調 領域ARup1、2、3および4)の連結(図6参照) 発現調節領域(ARup1、2、3および4)1.12
μg(2.1μl)とHindIII−EcoRI断片2.
11μg(2.2μl)に5×ligation buffer(25
0mM Tris−HCl(pH7.6)、50mM
MgCl2)4μl、100mM DTT2μl、10
mM ATP2μl、T4DNA ligase(宝酒造
(株)社製)2.5units(1μl)及び滅菌水を加えて
20μlとしたエツペンドルフチユーブをそれぞれ用意
した。これらのチユーブを15℃で一晩インキユベート
した後、60℃で10分間熱処理して反応を止めた。こ
れらの溶液にそれぞれ5×EcoRI buffer 10μ
l、EcoRI 12units(1μl)及び滅菌水を加
え50μlとした。これらの溶液を37℃で3時間イン
キユベートした。反応後、目的のそれぞれのDNA断片
(図7参照それぞれ約1200bp)を2%アガロース
ゲル電気泳動によつて分離し、Genecleanを用いて精製
した。
【0070】(III−4) 4つのhSOD遺伝子発現
用DNA断片のクローニング (1) pUC18のEcoRI消化、アルカリフオス
フアターゼ処理 プラスミドpUC18DNA20μg(30μl)に5
×EcoRI buffer40μl、EcoRI 120un
its(10μl)に滅菌水を加えて200μlとしたエ
ツペンドルフチユーブを37℃で3時間インキユベート
した。反応後、フエノール−クロロホルム処理、エタノ
ール沈殿してDNAを集め、100μlの0.1M Tr
is−HCl(pH8.0)に溶解した。この溶液に1
0μlのアルカリフオスフアターゼ溶液を加え、37℃
で1時間インキユベートした。反応後、さらに10μl
のアルカリフオスフアターゼ溶液を加え65℃で30分
間インキユベートした。反応液をフエノール−クロロホ
ルム処理し、DNAをエタノール沈殿して集め0.16
μg/μlになるようにTEに溶解した。
【0071】(2) hSODオペロン断片のpUC1
8(EcoRI、AP処理)への挿入hSODオペロン
(Promoter-SOD−terminater1、2、3および4)
DNA100ng(1μl)とEcoRI、アルカリフオ
スフアターゼ処理したpUC18DNA320ng(2μ
l)にTakara ligation kit A液24μlをそれぞれ
加え、よく撹拌した。これらの溶液にTakara ligation
kit B液3μlずつ加え、よく撹拌した後、1℃で一
晩インキユベートした。
【0072】(3) pUC18−Rupt−hSOD
1、2、3及び4の大量調製 各々のligation溶液4μl(約50ng)に50mM C
aCl2で処理したE.coli JM109株の細胞懸濁液
200μlずつ加え、おだやかに混合した。これらの混
合液を氷水中で30分間インキユベートした後、さらに
42℃で2分間インキユベートしてDNAを細胞中に取
りこませた。これら懸濁液に1mlの2YT液体培地を各
々加え、37℃、1時間の振盪培養後、2YT寒天培地
(50μg/mlアンピシリン、40mg/ml X−ga
l、23.83mg/l IPTGおよび1.5%寒天を含
む)にプレートした。得られた白いコロニーからプラス
ミドを調製し、制限酵素地図を解析することにより目的
の各々のプラスミド(pUC18−Rupt−hSOD
1、2、3及び4を保持しているコロニーをスクリーニ
ングした。スクリーニングした各々のコロニーを200
mlの2YT液体培地(100μg/mlアンピシリンを含
む)で培養し、各々のプラスミドDNAをSDS−アル
カリ法により大量に調製した。
【0073】(4) EcoRI断片(約1200b
p)の単離 大量調製したプラスミド(pUC18−Rupt−hS
OD1、2、3及び4)DNA約20μg(20μl)
に5×EcoRI buffer 40μl、EcoRI 1
20units(10μl)及び滅菌水130μlを加え2
00μlとしたエツペンドルフチユーブを各々のプラス
ミドで3本ずつ用意した。これらのチユーブを37℃で
3時間インキユベートした。反応後、DNAをエタノー
ル沈殿して集め、各々のプラスミドごとに100μlの
TEに溶解した。目的の各々のDNA断片(約1200
bp)を1.5%アガロースゲル電気泳動によつて分離
し、Genecleanを用いて精製した。
【0074】IV.ラン藻用hSOD遺伝子発現ベクタ
ーの造成(図8参照)(IV−1) pBR322へのマルチクローニングサイ
ト(pUC18由来)の導入 (1) pBR322のEcoRI−HindIII消
化、アルカリフオスフアターゼ処理 pBR322DNA溶液20μl(10μg)に5×H
indIII buffer(50mM Tris−HCl(p
H7.5)、35mM MgCl2、300mMNaC
l)40μl、HindIII 80units(10μl)及
び滅菌水130μlを加え、37℃で2時間インキユベ
ートした。反応後、この溶液に5×EcoRI buffer
40μl、EcoRI 120units(10μl)及
び滅菌水50μlを加え、さらに37℃で2時間反応さ
せた。反応後、フエノール−クロロホルム処理、エタノ
ール沈殿してDNAを集め、100μlの0.1M Tr
is−HCl(pH8.0)に溶解した。この溶液に1
0μlのアルカリフオスフアターゼ溶液を加え、37℃
で1時間インキユベートした。反応後、10μlのアル
カリフオスフアターゼ溶液を加え、さらに65℃で30
分間インキユベートした。この溶液をフエノール−クロ
ロホルム処理し、エタノール沈殿してDNAを回収し
た。
【0075】(2) pUC18からマルチクローニン
グサイト(EcoRI−HindIII)の単離 pUC18DNA溶液30μl(20μg)に10×K
buffer 20μl、HindIII 80units(10μ
l)及び滅菌水140μlを加えたエツペンドルフチユ
ーブ2本用意し、37℃で3時間インキユベートした。
反応後、フエノール−クロロホルム処理し、エタノール
沈殿してDNA集め、112.5μlの滅菌水に溶解し
た。これらの溶液に5×EcoRI buffer 30μ
l、EcoRI 90units(7.5μl)を加え、37
℃で3時間インキユベートした。DNAをエタノール沈
殿して回収し、1.5%アガロースゲル電気泳動を行い
目的のDNA断片(約50bp)を分離した。DNAを
ゲルから電気的に溶出し、フエノール−クロロホルム処
理、エタノール沈殿して精製した。
【0076】(3) pBR322(EcoRI−Hi
ndIII消化)とマルチクローニングサイトの連結 pBR322(EcoRI−HindIII、AP処理)
DNA0.2μg(1μl)とマルチクローニングサイ
トDNA0.2μg(1μl)にTE1μl、Takara l
igation kit A液24μlを加え、よく撹拌した。こ
の溶液にTakaraligationkit B液3μlを加え16℃
で4時間インキユベートした。
【0077】(4) プラスミド pBR322Mのク
ローニング ligation溶液3μl(40ng)に50mM CaCl2
処理したE.coli HB101の細胞懸濁液200μl
を加え、おだやかに混合した。この混合液を氷水中で3
0分間インキユベートした後、さらに42℃で2分間イ
ンキユベートしてDNAを細胞中にとりこませた。この
懸濁液に1.8mlの2YT液体培地を加え、37℃で1
時間の振盪培養後、LB寒天培地(50μg/mlアンピ
シリンを含む)にプレートした。得られたコロニーから
プラスミドを調製し、制限酵素地図を解析することによ
り目的のプラスミド(pBR322M)を保持している
コロニーをスクリーニングした。スクリーニングしたコ
ロニーを200mlの2YT液体培地(100μg/mlア
ンピシリンを含む)で培養し、プラスミドDNAをSD
S−アルカリ法により大量に調製した。
【0078】(IV−2) PvuII−Eco47III
断片(2550bp)の単離 前記(IV−1)を調製したBR322MプラスミドD
NA10μg(10μl)に10×M buffer(100
mM Tris−HCl(pH7.5)、100mM
MgCl2、10mM DTT、500mM NaC
l)20μl、PvuII(宝酒造(株)社製)120un
its(10μl)および滅菌水を加え200μlとした
エツペンドルフチユーブ3本用意した。これらのチユー
ブを37℃で3時間インキユベートした。反応後、フエ
ノール−クロロホルム処理し、DNAをエタノール沈殿
して集め、174μlの滅菌水にそれぞれ溶解した。こ
れらの溶液に10×H buffer 20μlおよびEco
47III(宝酒造(株)社製)24unitsずつ加え、37
℃で3時間インキユベートした。DNAをエタノール沈
殿し回収し、目的のDNA断片(2550bp)を1.
5%アガロースゲル電気泳動により分離した。分離した
DNA断片はGenecleanを用いて精製し、50μlの0.
1M Tris−HCl(pH8.0)溶液とした。こ
の溶液に5μlのアルカリフオスフアターゼ溶液を加
え、37℃で1時間インキユベートした。反応後、5μ
lのアルカリフオスフアターゼ溶液を加え、65℃で3
0分間さらにインキユベートした。反応後、フエノール
−クロロホルム処理し、エタノール沈殿してDNAを集
め、20μlのTEに溶解した。
【0079】(IV−3) pBAS18のA.nidulan
sにおける複製開始点の分離 pBR322のBamHIサイトにA.nidulans630
1株の内在性プラスミド(pBA1、BamHI消化)
を挿入した大腸菌とA.nidulansとの間のシヤトルベク
ターpBAS18(k. Shinozakiら、 Gene, 19:22
1−224(1982))をE.coli HB101に導
入し、LB液体培地(50μg/mlアンピシリンを含
む)で培養し、SDS−アルカリ法を用いて大量に調製
した。
【0080】調製したpBAS18DNA14μg(2
0μl)に10×K buffer 20μl、BamHI
100units(10μl)および滅菌水を加えて200
μlとしたエツペンドルフチユーブ3本用意し、30℃
で3時間インキユベートした。反応後、DNAをエタノ
ール沈殿して回収し、目的のDNA断片(pBA1、約
8.0kbp)を1%アガロースゲル電気泳動を行い分
離し、Genecleanにより精製した。
【0081】分離・精製したpBA1(BamHI消
化)DNA2μg(5μl)に10×K buffer 5μ
l、XhoI 24units(2μl)および滅菌水38
μlを加え、37℃で3時間インキユベートした。反応
後、フエノール−クロロホルム処理し、エタノール沈殿
してDNAを集めた。得られたpBA1のBamHI−
XhoI消化DNAの両末端をTakaraligation kitを
用いて平滑末端化した。
【0082】(IV−4) 小型化E.coli−A.nidula
nsシヤトルベクターpBAX18(6.9kbp)の造
(1) pBAX18(約6.9kb)の作成 平滑末端化DNA40ng(2μl)とPvuII−Eco
47III断片のDNA200ng(4μl)にTakara lig
ation kit A液48μlを加え、よく撹拌した後、B
液6μlを加え、16℃で4時間インキユベートした。
この溶液を用いE.coliHB101株を形質転換し、L
B寒天培地(50μg/mlアンピシリン、1.5%寒天
を含む)にプレートしてコロニーを得た。得られたコロ
ニーからプラスミドを調製し、制限酵素地図を解析する
ことにより目的のプラスミドpBAX18を保持するコ
ロニーをスクリーニングした。スクリーニングしたコロ
ニーを45mlの2YT液体培地(100μg/mlのアン
ピシリンを含む)で培養し、プラスミドDNAをSDS
−アルカリ法により調製した。
【0083】(2) pBAX19(約6.4kb)の
作成 上記(1)で調製したpBAX18DNA溶液5μl
(2.5μg)に10×M buffer 5μl、PvuII
(宝酒造(株)社製)2.5μl(30units)及び滅菌
水37.5μlを加え、37℃で3時間インキユベート
した。この反応液2μl(100ng DNA)にTE2
μl及びTakara ligation A液16μlを加えよく撹
拌した後、Takara ligation kit B液4μlを加
え、16℃で10分間インキユベートしたるこの溶液を
用いE.coli HB101株を形質転換し、LB寒天培
地(50μg/mlアンピシリン、1.5%寒天を含む)
にプレートしてコロニーを得た。得られたコロニーから
プラスミド(pBAX19)を保持しているコロニーを
スクリーニングした。スクリーニングしたコロニーを2
00mlの2YT液体培地(100μg/mlアンピシリン
を含む)で培養し、プラスミドDNAをSDS−アルカ
リ法により大量に調製した。
【0084】(3) pBAX20(約5.8kb)の
作成 前記(IV−3)で調製したBamHI−XhoI(平
滑末端化)DNA断片1μg(4μl)に10×M bu
ffer 2μl、PvuII 1μl(12units)及び滅
菌水13μl)を加え、37℃で3時間インキユベート
した。この反応液2μl(100ng)に(2)で調製し
たPvuII−Eco47DNA断片100ng(2μl)
及びTakara ligation kit A液16μlを加え、よ
く撹拌した後、さらに、B液4μlを加え、16℃で2
時間インキユベートした。反応後、この溶液を用いて
E.coli HB101株を形質転し、LB寒天培地(5
0μg/mlアンピシリン、1.5%寒天を含む)にプレ
ートしてコロニーを得た。得られたコロニーから目的の
プラスミド(pBAX20)を保持しているコロニーを
スクリーニングし、200mlの2YT液体培地(100
μg/mlアンピシリンを含む)で培養し、プラスミドD
NAをSDS−アルカリ法により調製した。
【0085】(IV−5) hSOD遺伝子発現用ベク
ターのクローニング (1) pBAX18のEcoRI消化、アルカリフオ
スフアターゼ(AP)処理 pBAX18DNA10μg(20μl)に5×Eco
RI buffer40μl、EcoRI 120units(1
0μl)および滅菌130μlを加え200μlとした
エンペンドルフチユーブ2本を用意した。これらのチユ
ーブを37℃で3時間インキユベートした後、DNAを
Genecleanにより精製し、100μlの0.1M Tri
s−HCl(pH8.0)に溶解した。この溶液に10
μlのアルカリフオスフアターゼ溶液を加え37℃、1
時間インキユベートした後、さらに10μlのアルカリ
フオスフアターゼ溶液を加え65℃で30分間インキユ
ベートした。反応後、フエノール−クロロホルム処理、
エタノール沈殿してDNAを回収した。
【0086】(2) hSODオペロンとpBAX18
(EcoRI、AP処理)の連結、大量調製 前記(III−4)で調製した4つのhSODオペロン
(約1.2kbp)0.25μg(1μl)にEcoR
I、AP処理したpBAX18 0.5μg(1μl)
をそれぞれに加え、Takara ligationkit を用いてligat
ionさせた。これらligation溶液を用いE. coli HB1
01株をそれぞれ形質転換し、それぞれLB寒天培地
(50μg/mlアンピシリンを含む)にプレートしてコ
ロニーを得た。得られたコロニーからプラスミドを調製
し、制限酵素地図を解析することにより目的の各々のプ
ラスミド(pBAXSOD6、pBAXSOD7、pB
AXSOD8、pBAXSOD9、pBAXSOD6−
4、pBAXSOD7−4及びpBAXSOD8−4)
を保持するコロニーをスクリーニングした。スクリーニ
ングした各々のコロニーを50mlのLB液体培地(10
0μg/mlアンピシリンを含む)で培養し、プラスミド
DNAをSDS−アルカリ法により調製した。
【0087】(3) pBAS18のEcoRI消化、
アルカリフオスフアターゼ(AP)処理 pBAS18DNA18μg(30μl)に5×Eco
RI buffer40μl、EcoRI 12units(10
μl)および滅菌水120μlを加え200μlとした
エツペンドルフチユーブを37℃で3時間インキユベー
トした。反応後、フエノール−クロロホルム処理、クロ
ロホルム処理し、DNAをエタノール沈殿して回収し
た。回収したDNAを100μlの0.1M Tris−
HCl(pH8.0)に溶解し、10μlのアルカリフ
オスフアターゼ溶液(1units/10μl)を加え、3
7℃で1時間インキユベートした。1時間後、10μl
のアルカリフオスフアターゼ溶液を加え、65℃で30
分間インキユベートした。反応後、フエノール−クロロ
ホルム、クロロホルム処理、エタノール沈殿してDNA
を精製・回収した。
【0088】(4) hSODオペロンとpBAS18
(EcoRI、AP処理)の連結、大量調製 前記(III−4)で調製した4つのhSODオペロン
(約1.2kb)それぞれ0.25μg(1μg)にEc
oRI、AP処理したpBAS18 1.5μg(2μ
l)をそれぞれ加え、Takara ligation kitを用いてlig
ationさせた。これらの反応液を用いE.coli HB101
株をそれぞれ形質転換し、それぞれLB寒天培地(50
μg/mlアンピシリン−1.5%寒天を含む)にプレー
トしてコロニーを得た。得られたコロニーからプラスミ
ドを調製し、制限酵素地図を解析することにより目的の
プラスミド(pBASOD6、pBASOD7、pBA
SSOD8、pBASOD9)を保持するコロニーをス
クリーニングした。スクリーニングした各々のコロニー
を200mlの2YT液体培地(100μg/mlアンピシ
リンを含む)で培養し、プラスミドDNAをSDS−ア
ルカリ法を用いて調製した。
【0089】V.hSOD遺伝子のラン藻Anacystis ni
dulans6301、R2による発現 (V−1) A. nidulans6301(Synechococcus PCC
6301)およびR2株(Synechococcus PCC794
2)の形質転換 100mlのBG−11液体培地で1〜5日間培養した細
胞を8000rpmで5分間遠心して集め、10mlの新鮮
な液体培地に懸濁した(108〜109cells/ml)。こ
の細胞懸濁液を1mlずつポリブロピレンチユーブ(Falco
n2059)に分注し、それぞれのチユーブに調製した
プラスミドDNAを0.1〜10μgの濃度で加えた。
これらのチユーブをそれぞれアルミホイルでおおい、3
0℃で一晩培養した後、おおつていたアルミホイルをは
ずし、光照射下(光源:白色光蛍光灯;1000〜20
00ルクス)、30℃でさらに6時間培養した。これら
の細胞懸濁液から100〜500μl取り、BG−11
寒天培地(1mMチオ硫酸ナトリウム、1〜5μg/ml
アンピシリン、1.5%寒天を含む)にプレートした。
これらのプレートを光照射下(光源;白色光蛍光灯;2
000〜3000ルクス)で4〜10日間培養した。
【0090】(V−2)培養 このようにして得られたコロニーを2mlのBG−11
(10μg/mlアンピシリンを含む)液体培地に移し、
光照射下(光源:白色光蛍光灯;2000〜3000ル
クス)で10日間培養した。次に、これらの培養液を1
00mlのBG−11(10μg/mlアンピシリンを含
む)液体培地に移し、光照射下(2000〜3000ル
クス)で20日間培養した。さらに、これらの培養液を
それぞれ10mlずつとり、100mlのBG−11(50
μg/mlアンピシリンを含む)液体培地にそれぞれ移
し、光照射下で20日間培養した。細胞を8000rp
m、4℃で10分間遠心して集め、1mM Hepes buffe
r(pH7.0)に再懸濁し、遠心することによつて洗浄
した。洗浄後、細胞は実験使用時まで−20℃で保存し
た。
【0091】(V−2)hSODの検出 (1) h−SOD活性染色 リボフラビンを加えた光重合法[蛋白質核酸酵素11
744(1966)]で作成したアクリルアミドゲルを
用い、電気泳動を行った。泳動後、ゲルを50mMリン
酸カリウム(pH7.8)−0.5mM EDTAで2〜
3回(5分)洗浄し、ニトロブルーテトラゾリウム(N
BT)溶液(2.5mM NBT、50mMリン酸カリ
ウム、0.5mM EDTA、pH7.8)に7分間浸し
た。次にリボフラビン溶液(100μMリボフラビン、
30mMテトラメチルエチレンジアミン、50mMリン
酸カリウム、0.5mMEDTA、pH7.8)に浸し、
ゲル中のコントラストができるまで白色光中で発色させ
た。その結果を9図に示す。この図においてSOD活性
のある部分は発色せず、他の部分は紫となるが、これか
らわかるように、アナキステイス・ニデユランス自身が
持つFe−SOD以外に、形質転換体ではhSODの活
性が検出された。
【0092】(2) 抗ヒト−SOD抗体による検出 (2−1) ウエスタンブロツテイング 20%SDS−ポリアクリルアミドゲルを用いて、Laem
mliら(Nature、237、680(1970))の条件
下、還元状態で電気泳動を行った。泳動後、ゲル中のタ
ンバク質をニトロセルロース膜(アマシヤム社製、Hybo
nd(C)に電気的に移した。この膜を0.3% H22
を含む50%メタノールに20分間浸し、内性のペルオ
キシダーゼを失活させた後、5%スキムミルク、0.1
% Tween20を含むTBS(20mM Tris−H
Cl、0.9% NaCl、pH7.4)に37℃で2時
間浸した(ブロツキング)。ブロツキング処理した膜を
洗浄液(0.05% Tween20を含むTBS)で5分間
洗い、1/1000抗体ヒト−SOD(ヤギIgG、Bi
nding Site社製)、0.1% Tween20を含むTBSに
37℃で2時間インキユベートした。膜を洗浄液で20
分間(5分×4)洗浄した後、10mgジアミノベンチジ
ン(DAB)及び15μlの32% H22を含む40
mlの0.1M Tris−HCl(pH7.4)で染色さ
せた。
【0093】その結果、形質転換体から抽出した抽出液
を泳動したレーン上に、標準試料のhSOD(シグマ社
製)と同じ位置に、褐色に染色されたバンドが検出され
た(図10)。
【0094】(2−2) オクテローニー法(免疫学実
験入門p74〜77、学会出版センター刊)1.2% a
garose溶液(10mMリン酸buffer(pH7.2)、0.
15MNaCl及び0.1% NaN3を含む)をシヤー
レ(Falcon1029)に厚さ2〜3mmになるように固
め、適当な位置に穴を開ける。中央の穴に抗ヒト−SO
D抗体を10μl、その回りの穴には形質転換体の抽出
液(10μl)、コントロールとしてA. nidulans R2
(非形質転換体)の抽出液(40μl)及び標準試料の
hSODを入れ、4℃で一晩インキユベートした。イン
キユベート後、寒天プレートをシヤーレより取り出し、
PBS(10mMリン酸buffer、pH7.2、0.15M
NaCl)に浸し、十分に除タンパクした(PBSを
数回交換、2〜3日間)。このプレートを0.5%アミ
ドプラツク溶液(90mlメタノール、10ml氷酢酸)に
浸し、染色した。その結果、抗ヒト−SOD抗体と標準
試料のhSOD、形質転換体の抽出液(6−4、8−
4)との間に沈降線が形成されるのがわかつた。さら
に、その沈降線は一本の線(コの字)として現われ、形
質転換体中に標準試料のhSODと同じ抗原(ヒト−S
OD)がつくられていることが確認された(図11)。
【0095】(3) h−SOD活性の検出 ラン藻アナキステイス・ニデユランスは内性のSOD
(Fe−SOD)をもつているが、hSOD(Cu・Z
n−SOD)とは1mM KCNによつて阻害されるか
どうかによつて活性を区別して測定することが可能であ
る。光学セル(1ml用)に50mMリン酸カリウム(p
H7.8)、0.1mM EDTA、0.1mMキサンチ
ン、10μMチトクロムC(ウマ心臓Type III シグマ
社製)及びサンプル(SOD)を入れ、全容を980μ
lとする。これにキサンチン酸化酵素(ベーリンガーマ
ンハイム社製)を20μl加え、反応を開始し、チトク
ロームC還元を550nmの吸光度増加の初速(30〜6
0秒)を求め、この値をνとする。SODサンプルを加
えないときのチトクロームC還元速度をvとした。この
条件下でのチトクロームC還元を50%阻害するSOD
を1/3unitとし、(v/ν−1)からサンプル中の総uni
t数を求めた(植物酵素・蛋白質研究法p373浅田浩
二、共立出版)。またνを測定した反応液に100mM
KCl(10μl)を加え、チトクロームC還元速度
ν’を求め、unit数を求めた(v/ν’−1)。アナキ
ステイス・ニデユランスの細胞中に生成されたhSOD
の活性{(v/ν−1)−(v/ν’−1)}を求め
た。
【0096】その結果、形質転換体から得られた粗抽出
液の比活性(1A280unitあたりの活性)は0.7〜12
units/A280という高い値を示した(表1)。
【0097】
【表1】 また、これらの比活性は基となるベクターの種類及び
SD様配列とATGと間の塩基数によつて強く影響を受
け、量も比活性が高かったのはpBAXSOD8(pB
AX18を基にし、SD〜ATG間の塩基数が8塩基)
であつた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はアナキステイス・ニデユランスRuBi
sCO発現調節領域(EcoRI−PstI断片)の調
製のための工程図である。
【図2】図2はSD様配列を含む領域(PstI−Hi
ndIII断片)を合成するために化学合成した10個の
オリゴヌクレオチドの塩基配列である。
【図3】SD様配列を含む領域(PstI−HindII
I断片)の調製のための工程図である。
【図4】RuBisCO発現調節領域(EcoRI−H
indIII断片)の調製のための工程図である。
【図5】RuBisCO転写終止領の調製およびpuC
−h SODtプラスミドの構築図である。
【図6】hSODオペロンの造成図である。
【図7】hSODオペロン(SOD7)の塩基配列であ
る。
【図8】ベクタープラスミド pBAX18、19およ
び20の構築図である。
【図9】SODの活性染色の結果を示す図である。
【図10】ウエスタンブロツテングの結果を示す図であ
る。
【図11】オクテロニーの結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:89) (C12P 21/02 C12R 1:89)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理活性を有するポリペプチドをコード
    する構造遺伝子を含有する担体DNAでラン藻細胞を形
    質転換することにより、ラン藻細胞で該ポリペプチドを
    発現させる方法において、該担体DNAとして、生理活
    性を有するポリペプチドをコードする構造遺伝子と、該
    構造遺伝子の上流側に位置するアナキステイス・ニジユ
    ランスのRuBisCO遺伝子の転写開始領域と、該構
    造遺伝子の下流側に位置する該RuBisCO遺伝子の
    転写終止領域を含有する担体DNAを使用することを特
    徴とするラン藻細胞での生理活性を有するポリペプチド
    の発現方法。
  2. 【請求項2】 該担体DNAが、生理活性を有するポリ
    ペプチドをコードする構造遺伝子と、該構造遺伝子の上
    流側に位置するアナキステイス・ニジユランスのRuB
    isCO遺伝子の転写開始領域と、該構造遺伝子の下流
    側に位置する該RuBisCO遺伝子転写終止領域から
    なるオペロンが導入されたベクタープラスミドである請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ベクタープラスミドがプラスミドpBA
    S18、pBAX18、pBAX19又はpBAX20
    である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 生理活性を有するポリペプチドがヒト−
    SODと実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプ
    チドである請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 ヒト−SODと実質的に同一のアミノ酸
    配列を有するポリペプチドをコードするヒト−SOD構
    造遺伝子と、その上流側に位置するアナキステイス・ニ
    ジユランスのRuBisCO遺伝子の転写開始領域と、
    該ヒト−SOD構造遺伝子の下流側に位置する該RuB
    isCO遺伝子の転写終止領域からなるヒト−SODオ
    ペロン。
  6. 【請求項6】 請求項記載のヒト−SODオペロンが
    導入されたベクタープラスミドpBAS18又はpBA
    X18よりなるヒト−SOD発現ベクター。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のヒト−SOD発現ベクタ
    ーで形質転換されたラン藻細胞。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のラン藻細胞を培地で培養
    し、その培養物からヒト−SODを採取することを特徴
    とするヒト−SODの製造方法。
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