JPH10150984A - 抗体分子の製造方法 - Google Patents

抗体分子の製造方法

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JPH10150984A
JPH10150984A JP32211696A JP32211696A JPH10150984A JP H10150984 A JPH10150984 A JP H10150984A JP 32211696 A JP32211696 A JP 32211696A JP 32211696 A JP32211696 A JP 32211696A JP H10150984 A JPH10150984 A JP H10150984A
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Hideaki Hagiwara
秀昭 萩原
Yasumasa Takeshima
康誠 竹嶋
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所期の活性をもつ抗体分子を迅速に効率よく
製造する方法を提供すること。 【解決手段】 抗体重鎖遺伝子又は抗体軽鎖遺伝子を含
有する担体DNAでラン藻細胞を形質転換することによ
りラン藻細胞で抗体重鎖タンパク及び抗体軽鎖タンパク
のそれぞれを発現させ、次いで抗体重鎖タンパクと抗体
軽鎖タンパクを in vitro で会合せしめることを特徴と
する抗体分子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗体分子の製造方法
に関し、さらに詳しくは、ラン藻細胞を利用して、所期
の活性をもつ抗体分子を迅速に、効率よく製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】細胞融合あるいは細胞の不死化
によるモノクロナール抗体作製技術の開発などにより、
ヒトやマウス等で有用な抗体が得られるようになってき
た。それらの抗体を産生する細胞からそれらをコードす
る遺伝子が数多くクローニングされ、抗体分子中の抗原
との結合に関与する領域(CDR:Complementary Dete
rminingRegion)を遺伝子レベルで人為的に組換えるこ
とが可能となってきた。
【0003】しかし、ある特定の抗原に結合する特異的
な抗体分子を得ることは必ずしも容易ではない。コンピ
ューターグラフィックを用いたモデリングによって、C
DR領域を改変した抗体分子が目的の抗原に対して実際
にどのような反応性を示すかを調べるためには、なんら
かの細胞にその抗体分子を発現させる必要がある。動物
の培養細胞を宿主として抗体分子を発現させる場合、抗
体分子を発現するための系の構築が複雑であり、また、
必ずしも効率よく抗体分子を発現させることができると
は限らない。
【0004】本発明の目的はこのような問題を解決する
ための新しい手段を提供することにある。すなわち、本
発明の主たる目的は、ヒト、その他の動物、例えばマウ
ス等の抗体の重鎖又は軽鎖の遺伝子を組み込んだプラス
ミド又はDNA担体を構築し、これらのDNAをラン藻
細胞に導入して重鎖及び軽鎖を別々に発現させ in vitr
o において活性化させ、迅速に活性を持った抗体分子を
得ることにある。
【0005】
【発明の開示】本発明は、抗体重鎖遺伝子又は抗体軽鎖
遺伝子を含有する担体DNAでラン藻細胞を形質転換す
ることによりラン藻細胞で抗体重鎖タンパク及び抗体軽
鎖タンパクのそれぞれを発現させ、次いで抗体重鎖タン
パクと抗体軽鎖タンパクを invitro で会合せしめるこ
とを特徴とする抗体分子の製造方法を提供するものであ
る。
【0006】すなわち、本発明は、動物の培養細胞より
生育が速く、異種タンパクを効率よく容易に発現可能な
ラン藻細胞を宿主として用い、抗体の重鎖又は軽鎖をコ
ードする遺伝子を宿主の細胞で活性を持つプロモーター
及びターミネーター等と連結し、これらをDNA担体と
して又は宿主細胞中で複製可能なプラスミドに導入し、
ラン藻細胞を形質転換して宿主細胞中で効率よく抗体の
重鎖及び軽鎖タンパクを発現させ、該タンパクを in vi
tro で会合させることにより活性をもった抗体分子を調
製するものである。この方法により、動物の培養細胞を
用いた系に比べより迅速に、より効率よく且つ経済的
に、所期の活性をもった抗体分子をスクリーニングする
ことが可能となる。
【0007】以上、本発明の方法についてさらに詳細に
説明する。
【0008】(1) 担体DNAの造成 本発明に従いラン藻細胞を形質転換するために用いうる
担体DNAとしては、ヒト、その他の哺乳動物、例えば
マウス等の抗体の重鎖又は軽鎖をコードする構造遺伝子
と、宿主細胞中でプロモーター活性を有する転写開始領
域、SD様配列及び転写終止領域等とを連結することに
より造成することができる。
【0009】 抗体の重鎖又は軽鎖をコードする構造
遺伝子 本発明の方法に従い発現させうる抗体遺伝子としては特
に制限はなく、任意の抗体の重鎖又は軽鎖をコードする
構造遺伝子又はその一部分のアミノ酸配列をコードする
遺伝子を用いることができる。また、抗体遺伝子はcD
NA、RNA、合成DNAであることができるが、一般
にはcDNAが好適である。かかる抗体遺伝子の具体例
としては、例えば、特願平7−306424号明細書に
記載されているCLN−IgGモノクローナル抗体の重
鎖又は軽鎖をコードするcDNA、RNA又は合成DN
A等が挙げられる。これらの抗体遺伝子はそれを含むプ
ラスミド等から標準的方法により分離することができ
る。
【0010】 転写開始領域 担体DNAの造成に使用しうる転写開始(プロモータ
ー)領域は、宿主として用いるラン藻細胞の種類に応じ
て適合するものが選択される。具体的に、例えば、プロ
モーター領域としては、リブロース−1,5−二リン酸
カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ遺伝子のプロモータ
ー領域、シアノファージN1のプロモーターI、II、
psbAのプロモーター領域、K. Shinozagi らの文献
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80:4050−40
54(1983)]に記載のプラスミドpANE18
(pBR322のEcoRIサイトにRuBisCOプ
ロモーター領域を含む約5.6MDaのEcoRI断片
が挿入されているもの)を常法(例えば、T. Maniatis
et. al., Molecular cloning-A Laboratory Manual-Col
d Spring Horbor Laboratory 刊参照)に従って制限酵
素EcoRI、SacI及びPstIを用いて切り出す
ことにより調製することができるRuBisCo遺伝子
のプロモーター領域等が挙げられる。
【0011】 SD様配列 本発明において用いる担体DNAには、リボソーム認識
配列として、抗体遺伝子の上流側で且つプロモーター領
域の下流側にSD様配列が導入される。SD様配列とし
ては、宿主のラン藻のリボソーマルRNAと相捕的なも
のを使用するのが好ましく、ラン藻としてアナキスティ
ス・ニジユランス6301株を用いる場合のSD様配列
としてはGGAGなる塩基配列のものを使用することが
できるが、これに限られるものではなく、SD様配列と
して知られている他の塩基配列のものも同様に使用する
ことができる。そのようなSD様配列は塩基数が少ない
ので、通常、合成によってつくることが多い。
【0012】また、SD様配列は通常ATG(翻訳開始
点)の前に位置し、SD様配列からATGまでの長さ
(塩基数)は抗体遺伝子の発現に影響を与える可能性が
あるので、宿主の種類、抗体遺伝子の塩基配列等に応じ
て発現量が最適となるように調節することが望ましい。
その長さは宿主ラン藻の種類、抗体遺伝子の塩基配列等
により異なるが、一般には3〜10ベース程度であり、
最適の長さは抗体遺伝子の塩基配列等に応じて実験的に
決めることができる。
【0013】SD様配列を含むDNA断片の調製は、通
常、ATG(翻訳開始点)の前まで又はATGも含めて
行なうことができ、そのDNA断片の合成はそれ自体既
知の遺伝子操作技術[例えば、日本生化学会編「続生化
学実験講座1遺伝子研究法II」東京化学同人刊(19
87年)参照]によって容易に行なうことができる。 転写終止領域 担体DNAの造成に使用しうる転写終止(ターミネータ
ー)領域もまた、宿主として用いるラン藻の種類に応じ
て適合するものが選択される。具体的には例えば、Anab
aena PCC7120のpsbA遺伝子のターミネータ
ー領域、argC遺伝子のターミネーター領域、K. Shi
nozaki らの文献[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 8
0:4050−4054(1983)]に記載のプラス
ミドpANP1155(pBR322のPstIサイト
にRuBisCOのターミネーター領域を含む約1.5
MDaのPstI断片が挿入されているもの)を常法に
従って制限酵素EcoRlとPstIを用いて切り出す
ことにより調製することができる A. nidulans のRu
BisCO遺伝子のターミネーター領域が挙げられる。
【0014】 抗体遺伝子を含有する発現可能なオペ
ロンの作成 上記のようにして調製されるプロモーター領域、SD様
配列を含むDNA断片及びターミネーター領域は、抗体
遺伝子をコードする構造遺伝子と共に、(プロモーター
領域)−(SD様配列を含むDNA断片)−(翻訳開始
コドン、ATG)−(抗体遺伝子)−(翻訳終止コド
ン)−(ターミネーター領域)の順で、それ自体既知の
方法により連結され、ラン藻細胞で発現可能なオペロン
が造成される。
【0015】プロモーター及びSD配列はそれぞれ単一
である必要はなく、2つ又はそれ以上のプロモーターを
縦列させて用いたり及び/又は2つ又はそれ以上SD様
配列を縦列させて用いることも可能である。
【0016】上記の抗体遺伝子を含有するオペロンは、
宿主及び/又はオペロンの種類などによっては実質的に
そのままの状態で宿主を形質転換することも可能である
が、通常は宿主に適したベクター(プラスミド)に導入
して形質転換に用いられる。さらに、宿主細胞中で活性
を示すプロモーター領域及びターミネーター領域を用い
て本発明者らによって造成されたpARUB19[Take
shima et al., DNA Res.,1:181−189
(1994)、(プロモーター領域)−(SD様配列を
含むDNA断片)−(マルチクローニング領域)−(タ
ーミネーター領域)を有する]のような発現プラスミド
を用いれば、抗体の重鎖もしくは軽鎖をコードする遺伝
子をそのマルチクローニング領域、例えば、SphI部
位に導入することにより、ラン藻細胞で発現可能な抗体
遺伝子を含有するオペロンを構築することが可能であ
る。
【0017】 ベクター 前記の発現可能なオペロンを導入しうるベクターとして
は、ラン藻細胞中で用いられる広範囲の種類のベクター
を使用することができ、例えば、pUC104、pUC
105[C. J. Kuhlemeier et al., Mol. Gen. Genet.
184:249−254(1981)参照];pLS1
03[L. A. Sherman and P. van de Putte, J. Bacter
iol., 150:410−413(1982)参照];p
DPL13[S. Gendel et al., J. Bacteriol., 15
6:148−154(1983)参照];pUC303
[C. J. Kuhlemeier et al., Plasmid 10:156−
163(1983)参照];pSG111[S. S. Gold
en and L. A. Sherman, J.Bacteriol., 155:966
−972(1983)参照];pPUC29[C.J. Kuh
lemeier et al., Gene 31:109−116(198
4)参照];pPLANBal[D. E. Laudenbach et
al., Mol. Gen. Genet., 199:300−305(1
985)参照];pBAS18[K. Shinozaki et al.,
Gene 19:221−224(1982)参照]などが
挙げられる。
【0018】また、そのようなベクターは、プラスミド
及びウイルスから必要に応じて誘導することができ、例
えば、アナキスティス・ニデュランス由来のプラスミド
pBA1の複製開始領域(OriA)と、プラスミドp
UCのマルチクローニング領域と、大腸菌ColE1系
プラスミドの複製開始領域(OriE)とから本発明者
らによって造成された大腸菌及びラン藻細胞内で複製可
能なシャトルベクターpBAS10、pBAS10R、
pBAX18、pBAX18R[Takeshima etal., D
NA Res.,1:181−189(1994)参
照];pBAX20[特開平4−281793公報参
照]なども有利に使用することができる。
【0019】 担体DNAの構築 上記で述べた抗体遺伝子を含有する発現可能なオペロ
ンは、それ自体既知の遺伝子操作技術によって、上記
で述べた如きベクター(プラスミド)に導入することが
できる。
【0020】例えば、モノクローナル抗体CLN−Ig
Gの重鎖をコードする構造遺伝子を用いて前記に述べ
た如くして調製されるオペロンは、例えばアナキスティ
ス・ニデュランス細胞中で複製可能なシャトルベクター
pBAX18、pBAS10、pBAX20などに例え
ばEcoRIを用いて開裂させ、おのおののDNA断片
を一緒にし、T4DNAリガーゼを作用させることによ
り挿入され、抗体遺伝子発現プラスミドが得られる。ベ
クターに挿入されるオペロンは一つである必要はなく、
同一方向であれば、2、3、4個又はそれ以上縦列させ
ることも可能である。
【0021】(2) 形質転換及び発現 本発明に従えば、以上の如くして造成される担体DNA
を用いてラン藻細胞が形質転換される。その際に使用し
うるラン藻細胞としては、例えば、アナキスティス・ニ
デュランス6301株(Synechococcus PCC630
1)、アナキスティス・ニデュランスR2株(Synechoc
occus PCC7942)、SynechococcusPCC700
2、Synechococcus PCC7418(Aphanothece halo
phytica)、Synechocystis PCC6803、Synechocy
stis PCC6714、Spirulinaplatensis、 Anabaena
PCC7120(Nostoc PCC7120)、Nostoc P
CC7119(Anabaena PCC7119)、Calothrix
PCC7601などのほか、本発明者らが水前寺苔か
ら単離した単細胞性のラン藻(Aphanothece sacrum、 特
願平8−191605号明細書参照)などが挙げられ
る。
【0022】前記の担体DNAによるこれらラン藻細胞
の形質転換はそれ自体既知の方法、例えば、R. D. Port
er[CRC Critical Reviews in Microbiology 13
(2):111−132(1985)]、D. A. Lightf
oot ら[J. General. Microbiology 134:1509
−1514(1988)]、S. S. Golden ら[J. Bact
eriology 158:36−42(1984)]、H. Dani
ell ら[Proc.,Natl. Acad. Sci. USA 83:2546
−2550(1986)]、T. Matsunaga ら[Appl. B
iochem. Biotechnol. 24/25:151−160(1
990)]、落合英夫[バイオサイエンスとインダスト
リー49:749−751(1991)]などの方法に
従って行うことができる。
【0023】例えば、抗体遺伝子発現プラスミドをアナ
キスティス・ニデュランスへ D. A.Lightfoot らの方法
で導入し形質転換することができる。得られる形質転換
体はアンピシリン耐性などにより選抜した後、イムノブ
ロッティング法、酵素結合免疫吸着法(ELISA)等
により所期の形質転換体が得られていることを確認する
ことができる。
【0024】このようにして得られる形質転換体は、宿
主細胞の増殖に適したそれ自体既知の培地で培養され
る。その際、形質転換体が選択的に増殖するための適当
な薬剤、例えばアンピシリン等を加えることが好まし
く、また、必要があれば発現を誘導するための薬剤の培
地中への添加あるいは温度や光等の培養条件を変更する
ことができる。
【0025】形質転換体宿主がアナキスティス・ニデュ
ランスの場合、培地としてはBG−11培地、MA培地
等が適しており、また、培養条件として、培養温度は一
般に10〜35℃、好ましくは25〜30℃の範囲内が
適している。さらに、培地のpHは通常7〜9の範囲内
及び照度は500〜5000ルクスの範囲内が適してい
る。このような条件下に培養は5〜20日程度行うこと
ができる。また、培養は静置又は撹拌下で行うことがで
きる。
【0026】(3) 抗体分子の in vitro 構築 上記の如くして得られる抗体重鎖タンパク及び抗体軽鎖
タンパクをそれぞれ含む画分は、そのまま重鎖タンパク
及び軽鎖タンパクの量がほぼ等しくなるような割合で混
合し、適当な温度、例えば、約4〜約40℃の温度でイ
ンキュベートし、そして場合によっては適当な緩衝液に
対する透析を行なって、抗体重鎖タンパクと抗体軽鎖タ
ンパクとを会合させ、目的とする活性のある抗体分子を
形成せしめる。
【0027】抗体分子の形成の確認は、通常のアッセイ
技術、例えば、該抗体分子に抗原性を示す分子を用いる
酵素結合免疫吸着法(ELISA)によって行なうこと
ができる。
【0028】このようにして再構築された抗体分子は、
通常の方法、例えば、塩析、透析、イオン交換クロマト
グラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、クロマトフ
ォーカシング、ハイドロフォービックインターラクショ
ンクロマトグラフィー、アフィニティ−クロマトグラフ
ィー、電気泳動などの物理学的手法あるいは生化学的手
法を適宜組合わせて用いることにより精製回収すること
ができる。
【0029】このようにして製造される抗体分子は、例
えば、目的の活性を持つ抗体をスクリーニングするため
に用いることができる。また、大量に回収することがで
きれば、ELISA等の免疫学的手法のための一次抗体
としても利用することができる。さらに、CLN−Ig
Gのような抗癌性ヒト モノクローナル抗体であれば、
ラン藻に発現させて製造された抗体分子を抗癌のための
ワクチンとして用いることも可能である。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。なお、実施例で用いるクローニングベクタ
ーは以下の如くして調製した。
【0031】クローニングベクターの調製 ヒト モノクローナル抗体CLN−IgGの重鎖(γ)
をコードするcDNAクローニングベクターpG611
(特願平7−306424号明細書参照)を有する大腸
菌JM109株及びCLN−IgGの軽鎖(κ)をコー
ドするcDNAクローニングベクターpK413(特開
平7−306424号明細書参照)を有する大腸菌JM
109株をおのおの50μg/mlのアンピシリンを含
む100mlの2YT培地(トリプトン18g/l、酵
母抽出エキス10g/l、塩化ナトリウム5g/l)を
加え、37℃で一晩振とうさせながら培養した。これら
の細胞をおのおの10000rpmで10分間遠心して
集め、30mlのSET(20%ショ糖、50mMトリ
ス−HCl、50mM EDTA、pH7.6)に懸濁
し、アルカリ−SDS法によりプラスミドDNAを調製
した。おのおのの細胞懸濁液に70mlの溶菌混合液
(1%SDS、0.2N水酸化ナトリウム)を加えて穏
やかに混合することにより大腸菌を溶菌させた。15分
間氷冷した後、3M酢酸カリウム(pH4.8)を加
え、穏やかに混ぜることにより変性したゲノムDNA、
タンパク質およびSDSを白沈させた。これらの溶液を
10000rpm、4℃で15分間遠心して上清を得、
得られたおのおのの上清に等量のイソプロパノールを加
えた。これらの混合液を10000rpm、4℃で10
分間遠心してプラスミドDNAを沈澱させた。上澄みを
捨て、おのおののペレットを6mlのTE(10mM
Tris、1mM EDTA、pH8.0)に溶解し、お
のおのの溶液に2mlの8M LiClを加えて氷浴中
でインキュベートした。4時間後、生じたRNAの沈澱
を15000rpm、4℃で15分間遠心しておのおの
上清を得た。得られた上清におのおの2倍量のエタノー
ルを加え、15000rpm、4℃で15分間遠心して
プラスミドDNAの沈澱を集めた。おのおののプラスミ
ドDNAを2mlのTEに溶解し、5μlの10mg/
ml RNaseをおのおの加えて37℃でインキュベ
ートした。2時間後、これらの溶液に等量のフェノー
ル:クロロホルム:イソアミル アルコール(25:2
4:1)を加え、ボルテックスでよく混合した後、15
000rpmで4分間遠心して水層をおのおの得た(2
回)。これらの溶液に等量のクロロホルム:イソアミル
アルコール(24:1)を加えよく撹拌し、15000
rpmで3分間遠心して上層をおのおの得た。これらの
水溶液に200μlの5M塩化ナトリウム及び2.5容
のエタノールを加えよく混合して10分間放置した後、
おのおののプラスミドDNAの沈澱を15000rp
m、4℃で20分間遠心して集めた。おのおのの沈澱を
70%エタノールで洗浄し、真空デシケーター中で乾固
させた。おのおののDNAを50μlのTEに溶解し、
以下の実施例に用いた。
【0032】実施例1:抗体遺伝子発現プラスミドの構
築 (1−i) 抗体遺伝子の調製 1.5ml容エッペンドルフチューブに5μg(20μ
l)のヒトモノクローナル抗体CLN IgGの重鎖
(γ)をコードするcDNAクローニングベクターpG
611をとり、10μlの10XH緩衝液(500mM
トリス−塩酸、pH7.5、100mM MgCl2、1
0mMジチオスレイトール、1000mMNaCl)、
4μlのEcoRI(10units/μl)および滅
菌水を加えて100μlとした。このチューブを37℃
で4時間反応させた後、1/10容の3M酢酸カリウム
および3倍容のエタノールを加え、−80℃のフリーザ
ー中で冷却した。このチューブを15000rpmで1
0分間遠心してDNAを沈澱させた。上澄みを捨て、7
0%エタノールで洗浄した後、真空デシケーター中で乾
固させた。
【0033】残ったDNAを40μlの10mMトリス
−1mM EDTA(pH8.0、TE)溶解し、1%ア
ガロースゲルに載せ、50Vの電圧で電気泳動を行って
プラスミドDNAと抗体遺伝子(約1.7kb)とを分
離した。このゲルを臭化エチジウム(EtBr)で染色
し、トランスイルミネーター上で目的の大きさの断片を
含むバンドを切り出した。このゲルを細かく切り、2m
l容エッペンドルフチューブに入れ、このゲルの3倍容
の飽和ヨウ化ナトリウム溶液(DNA精製キット ジー
ンクリーンに含まれる、米国BlO 101社製)を加
えた。50℃でインキュベートして目的のDNAを含む
アガロースゲルを完全に溶解し、20μlのガラスミル
ク(ジーンクリーンに含まれる)を加えた。このチュー
ブを氷浴中で10分間インキュベートし、すぐに150
00rpmで30秒間遠心してガラスミルクを沈澱させ
た。このガラスミルクを300μlの飽和NaI溶液に
懸濁し、再び遠心することにより洗浄した。同様に50
0μlのNEW洗浄液(ジーンクリーンに含まれる)で
3回洗浄した。洗浄液を完全に除いた後、50μlの滅
菌水にガラスミルクを懸濁し、55℃で5分間インキュ
ベートした。インキュベート後、15000rpmで3
分間遠心して上澄みを得た。
【0034】次に、50μlのTEにガラスミルクを懸
濁し、55℃でのインキュベートおよび遠心により上澄
みをとり、前の操作で得た上澄みと合わせ1つにした。
この溶液に等量のフェノール(TEで飽和、pH8.
0)を加え、ボルデックスでよく混合した後、1500
0rpmで3分間遠心して水層を得た。この溶液に等量
のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)を
加えよく撹拌し、15000rpmで3分間遠心して上
層を得た。この水溶液に3.3μlの3M酢酸ナトリウ
ムおよび1μlのエタ沈メート(ニッポンジーン社製)
を加え、よく撹拌した後、2−2.5倍容のエタノール
を加え15000rpmで10分間遠心してDNAを沈
澱させた。沈澱を70%エタノールで洗浄し、真空デシ
ケーター中でDNAを乾固させた。DNAを8μlの滅
菌水に溶解し、DNA blunting kit(宝酒造社製)の
10X反応液1μlを加え70℃でインキュベートし
た。5分後、このチューブを37℃のインキュベーター
に移し、1μlのT4DNAポリメラーゼ(DNA blun
ting kit 含まれる)を加え5分間インキュベートし
た。90μlの50mMトリス−5mM EDTA(p
H8.0)を加え、激しくボルデックスすることにより
反応を停止させた。フェノール:クロロホルム、クロロ
ホルム抽出、エタノール沈澱してDNAを回収した。得
られたDNAを10μlのTEに溶解し、以下の実験に
用いた。
【0035】また、1.5ml容エッペンドルフチュー
ブにヒトモノクローナル抗体CLNIgGの軽鎖(κ)
をコードするcDNAのクローニングベクターpK41
3を5μg(20μl)とり、10μlの10XH緩衝
液、4μlのEcoRI(10units/μl)およ
び滅菌水を加えて100μlとした。このチューブを3
7℃で4時間反応させた後、DNAをエタノール沈澱し
て回収し、1%アガロースゲルに載せ電気泳動を行って
プラスミドDNAと抗体遺伝子(約1.0kb)とを分
離させた。このゲルをEtBrで染色した後、トランス
イルミネーター上で目的の大きさの断片を含むバンドを
切り出し、DNAをジーンクリーンを用いてアガロース
から溶出した。溶出したDNA(100μl)をフェノ
ール、クロロホルム抽出・エタノール沈澱により精製し
た。得られたDNAを8μlの滅菌水に溶解し、DNA
Blunting Kit を用いてこのDNAの両末端を平滑末端
化した。フェノール:クロロホルム、クロロホルム抽
出、エタノール沈澱してDNAを沈澱させた。得られた
DNAを10μlのTEに溶解し、以下の実験に用い
た。
【0036】(1ーii) 発現プラスミド構築のため
のベクターの調製 アナキスティス・ニデュランス6301株(Anacystis
nidulans 6301)のための発現ベクターpARUB
19(Takeshima ら、DNA Research 1:181−1
89、1994)5μgを1.5ml容エッペンドルフ
チューブに入れ、5μl 10XK緩衝液(200mM
トリス−塩酸、100mM MgCl2、10mMジチオ
スレイトール、1000mM KCl、pH8.5)、2
μl SphI(宝酒造社製、24ユニット)に滅菌水
を加えて50μlとし、37℃で4時間インキュベート
した。この反応液を1%アガロースゲルを用いた電気泳
動により、未消化のベクターDNAとSphIで消化さ
れたベクターDNAとを分離した。SphIで消化され
たベクターDNAをジーンクリーンを用いてアガロース
ゲルから溶出し、フェノール、クロロホルム抽出、エタ
ノール沈澱を行って精製した。精製したDNAを44μ
lの滅菌水に溶解し、5μlの10X反応液(500m
Mトリス−塩酸、10mM MgCl2、pH9.0)お
よび1μl(0.3units/μl)のアルカリホス
ファターゼ(大腸菌C75由来、宝酒造社製)を加え6
5℃でインキュベートした。1時間後、さらに1μlの
アルカリホスファターゼを加え37℃で1時間インキュ
ベートした。反応液に等量のフェノール:クロロホル
ム、クロロホルム抽出およびエタノール沈澱してDNA
を精製、回収した。回収したDNAを20μlのTEに
溶解し、次の実験に用いた。
【0037】(1−iii) 発現プラスミドの構築 実施例1−iおよび1−iiで調製したCLN IgG
の重鎖(γ)をコードするEcoRI断片0.1μg
(1μl)とSphI、ポリメラーゼおよびアルカリホ
スファターゼ処理したpARUB190.4μg(2μ
l)に Takara ligation kit のA液(15μl)を加
え混合した。さらに、B液(3μl)を加えよく混合し
た後、16℃で一晩インキュベートした。この反応液を
10μlとり大腸菌JM109株のコンピーテント細胞
液(ニッポンジーン社製:100μl)に加え穏やかに
混合し、直ちに氷浴中でインキュベートした。30分間
インキュベートした後、37℃の水浴に移して2分間放
置することにより、熱ショックを与えDNAを細胞中に
取り込ませた。熱ショックを与えた後、直ちに氷浴中に
移した。5分間放置した後、1mlの2YT培地(トリ
プトン18g/l、酵母抽出エキス10g/l、塩化ナ
トリウム5g/l)を加え、37℃でゆっくり振とうさ
せながら1時間インキュベートした。この細胞懸濁液を
50、100、150μlとり2YT寒天培地(50μ
g/mlアンピシリン、1.5%寒天を含む)におのお
の塗布した。
【0038】これらのプレートを37℃で一晩インキュ
ベートして、多数のコロニーを得た。得られたコロニー
を1.5mlの2YT培地(50μg/mlアンピシリ
ンを含む)に移植して、37℃で一晩振とうさせながら
培養した。培養液を2ml容エッペンドルフに移し、1
0000rpmで1分間遠心して細胞を集めた。上澄み
を捨てた後、残った細胞のペレットを150μlのSE
T(20%蔗糖、50mMトリス−塩酸、50mM E
DTA、pH7.6)に懸濁し、アルカリ−SDS法に
よりプラスミドDNAを調製した。細胞懸濁液に溶菌混
合液(1% SDS、0.2N水酸化ナトリウム)350
μlを加えて穏やかに混ぜることにより大腸菌を溶菌さ
せた。10分間氷冷した後、3M酢酸カリウム(pH
4.8)150μlを加え、変性したゲノムDNA、タ
ンパク質およびSDSを白沈させた。この溶液を150
00rpmで10分間遠心して上澄みを得、この上澄み
に等量のイソプロパノールを加えた。15000rpm
で10分間遠心してプラスミドDNAおよびRNAを沈
澱させた。上澄みを捨て、ペレットを100μlのTE
に溶解し、2μlのRNase(10mg/ml)を加
えて37℃でインキュベートした。2時間後、この溶液
をフェノール:クロロホルム、クロロホルム処理して得
られる上清に3倍容のエタノールおよび1/10容の3
M酢酸ナトリウム(pH4.8)を加えて15000r
pmで10分間遠心した。上澄みを捨て70%エタノー
ルでペレットを洗浄した後、真空デシケーター中でこの
ペレットを乾固させた。
【0039】得られたプラスミドDNAのペレットを2
5μlの滅菌水に溶解し、10XH緩衝液3μl及びS
alI(12units/μl、宝酒造社製)2μlを
加えて、37℃で4時間反応させた。得られたプラスミ
ドDNAのSalI消化物を1%アガロースゲルに載せ
電気泳動を行った。その結果、培養した28のクローン
のうち2つのクローンが、目的の遺伝子(CLN Ig
Gの重鎖(γ)をコード)を発現できる方向にインサー
トしたプラスミドを保持していることがわかった。これ
ら2つのクローンのうち1つを200mlの2YT培地
(100μg/mlアンピシリンを含む)に植え付け、
37℃で一晩培養した。細胞を10000rpmで10
分間遠心して集め、プラスミドDNAをアルカリ−SD
S法により細胞から抽出し、RNase処理、フェノー
ル(2回)、クロロホルム抽出及びエタノール沈澱して
精製した(pARUBH11−γ)。
【0040】他方、実施例1−iおよび1−iiで調製
したCLN IgGの軽鎖(κ)をコードするEcoR
I断片0.1μg(1μl)とSphI、ポリメラーゼ
およびアルカリホスファターゼ処理したpARUB19
0.4μg(2μl)に Takara ligation kit のA液
(15μl)を加え混合した。さらに、B液(3μl)
を加えよく混合した後、16℃で一晩インキュベートし
た。この反応液を用いて大腸菌JM109株のコンピー
テント細胞を形質転換し、細胞を塗布した。これらのプ
レートを37℃で一晩インキュベートして、2YT寒天
培地(50μg/mlアンピシリン、1.5%寒天を含
む)上に多数のコロニーを得た。得られたコロニーを
1.5mlの2YT培地(50μg/mlアンピシリン
を含む)に移植して、37℃で一晩培養した。培養液を
2ml容エッペンドルフに移し、10000rpmで1
分間遠心して細胞を集め、アルカリ−SDS法によりプ
ラスミドDNAを抽出した。
【0041】得られたプラスミドDNAをおのおの25
μlの滅菌水に溶解し、10XH緩衝液3μl及びPs
tI(12units/μl、宝酒造社製)2μlを加
えて、37℃で4時間反応させた。得られたプラスミド
DNAのPstI消化物を1%アガロースゲルに載せ電
気泳動を行った。その結果、培養した14のクローンの
うち2つのクローンが、目的の遺伝子(CLN IgG
の軽鎖(κ)をコード)を発現できる方向にインサート
したプラスミドを保持していることがわかった。これら
2つのクローンのうち1つを200mlの2YT培地
(100μg/mlアンピシリンを含む)に植え付け、
37℃で一晩培養した。細胞を10000rpmで10
分間遠心して集め、プラスミドDNAをアルカリ−SD
S法により細胞から抽出し、RNase処理、フェノー
ル(2回)、クロロホルム抽出及びエタノール沈澱して
精製した(pARUBH11−κ)。
【0042】実施例2:抗体遺伝子のラン藻アナキステ
ィス・ニデュランス6301株での発現 (2−i) 抗体遺伝子発現プラスミドによるアナキス
ティス・ニデュランス6301株の形質転換 アナキスティス・ニデュランス6301株を100ml
のBG−11液体培地(下記表1参照)中、30℃光照
射下で4日間培養し、10000rpmで8分間遠心し
て細胞を集めた。細胞のペレットを新しい培地に懸濁
し、細胞数を1×109 cells/ml(0.5 OD
730nm=5×108cells/ml)に調製した。実施
例1、(1−iii)で調製した発現プラスミドpAR
UBH11−γ及びpARUBH11−κをおのおの
0.5μg(5μl)とり、1×109cells/ml
に調製した細胞懸濁液(1ml)に加えた。穏やかに撹
拌した後、細胞の入ったチューブをアルミ箔で被い、ロ
ータリーシェーカー(大洋科学社製;RT−50)を用
いて室温で一晩回転培養した。アルミ箔をはずし、光照
射(約2000ルクス)下で6時間インキュベートし
た。これらの細胞懸濁液を一部(25、50、100μ
l)とり、BG−11寒天培地(1μg/mlアンピシ
リン、1mMチオ硫酸ナトリウム、1.5%寒天を含
む)に塗布した。これらのプレートを光照射下(約20
00ルクス)室温で7〜10日間インキュベートし、多
数のアンピシリン耐性コロニーを得た。
【0043】 表−1 G−11 成分 mg/1 NaNO3 1500 K2HPO4 40 MgSO7H2O 75 CaCl2H2O 36 Na2CO3 20 H3BO3 2.86 NnCl4H2O 1.81 ZnSO7H2O 0.222 CuSO5H2O 0.079 Co(NO3)2 6H2O 49.4μg Na2MoO2H2O 0.39 酒石酸第一鉄 6 EDTA 2Na 2H2O 10 クエン酸 6 pH 7.1 (2−ii) ELISAによる形質転換体に発現した
抗体の定量 プレート上に生育したおのおののコロニーを2mlのB
G−11液体培地(5μg/mlアンピシリンを含む)
に移し、ロータリーシェーカーを用いて光照射下(約2
000ルクス)、室温で約10日間培養した。これらの
培養液を100mlのBG−11液体培地(50μg/
mlアンピシリンを含む)におのおの移し、2週間培養
した。さらに、10LのBG−11液体培地(50μg
/mlアンピシリンを含む)を入れたスピンナー(12
L容)におのおの移し、20日間培養(10日目に50
μg/lになるようにアンピシリンを添加)した。おの
おのの細胞を10000rpmで10分間遠心して集
め、20mlの1mM PMSF(フッ化フェニルメチ
ルスルホニル)を含むPBS(Na2HPO4 5.75g
/l、KH2PO41.0g/l、塩化ナトリウム40g
/l及び塩化カリウム1.0g/l、pH6.7〜6.
8)に懸濁した。おのおのの細胞を、超音波破砕装置
(ソニケーターModel W−220:Heat Systems-Ultra
sonic, Inc. 製)を用いて破砕し(15sec×5)、
15000rpm、4℃で20分間遠心しておのおのの
上清を得た。
【0044】得られたおのおのの細胞抽出液を用いて E
nzyme Linked Immuno Sorbent Assay(ELISA)に
より、形質転換ラン藻のおのおのの細胞中で抗体遺伝子
が発現しているかどうかを調べた。96ウェルプレート
(Nunc社製)の各ウェルに50μlの一次抗体液(おの
おの100倍にPBSで希釈:重鎖(γ)の測定にはア
フィニティー精製ヤギ抗ヒトIgG Fc;Corganon Te
knika N. V. 社製、軽鎖(κ)の測定にはヒト kappa l
ight chain に対するヤギ抗血清;kent Laboratories I
nc 社製)を入れ、37℃で30分間インキュベートし
た。一次抗体を捨て、各ウェルを200μlのゼラチン
緩衝液(3%ゼラチンを含むPBS)で3回洗浄した。
次に、各ウェルに200μlの1%BSAを含むPBS
を入れ、37℃で30分間インキュベートしてブロッキ
ングを行った。各ウェルを200μlのゼラチン緩衝液
で3回洗浄した後、50μlの希釈した細胞抽出液(1
0、50及び100倍)を入れ、37℃で1時間インキ
ュベートした。各ウェルを200μlのゼラチン緩衝液
で3回洗浄した後、次に50μlの二次抗体(おのおの
PBSで3000倍に希釈:重鎖(γ)の測定にはペル
オキシダーゼ標準抗ヒトIgGγ;The Binding Site L
TD 社製、軽鎖(κ)の測定にはペルオキシダーゼ標準
ヒト kappa light chain;The Binding Site LTD 社
製)を入れて37℃で30分間インキュベートした。各
ウェルを200μlのゼラチン緩衝液で5回洗浄した
後、オルト−フェニレンジアミン溶液(12mg/30
mlオルト−フェニレンジアミン及び6μl/30ml
過酸化水素水を含むクエン酸緩衝液、pH5.0)を入
れて37℃、暗所で30分間インキュベートした。イン
キュベート後、直ちに50μlの5N硫酸を各ウェルに
加えて反応を停止させた。反応を終えたプレートは、マ
イクロプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP
−32)を用いて490nmと660nmの二波長で比
色定量した。その結果、軽鎖のラン藻細胞中での発現量
は抗体の反応性が弱いためはっきりとした数値を求める
ことはできなかったが、重鎖の発現量は1.66μg
(細胞抽出液1 OD280nm当り)と高い値を示した。
【0045】実施例3:ラン藻に別々に発現させた抗体
の in vitro での再構築 CNL−IgGの重鎖及び軽鎖を発現しているそれぞれ
の細胞から調製した[実施例2、(2−ii)]おのお
のの抽出液の280nmにおける吸光度を測定し、この
値を基に濃度が1:1になるようにおのおのの抽出液を
混ぜ合わせた。この混合液(約40ml)を透析チュー
ブに入れて、変性溶液(50mMトリス−塩酸pH8.
0、10mM MgCl2、10mM KClを含む)に
対して60時間透析を行った。この液をプロテインAセ
ファロースカラム(HiTrapTM protein A,Pharmacia LK
B Biotechnology 社製)に通して、重鎖(γ)と軽鎖
(κ)の両分子が会合して完全な抗体に構築された抗体
分子(CLN IgG)をプロティンAに結合させた。
変性溶液でカラムを十分に洗浄した後、プロテインAに
結合した抗体分子を0.1Mグリシン−塩酸、0.5M塩
化ナトリウム(pH2.7)で溶出させた。溶出した抗
体溶液に1.0Mトリス−塩酸(pH9.0)を少量加え
て中和し、透析チューブに入れてPBSに対して一晩透
析を行った。この抗体溶液をウルトラフリー(M.W.3
0000、ミリポア社製)に入れ、遠心することにより
10倍に濃縮した。この溶液を用いて Laemmli(Natur
e,227:680、1970)の方法にしたがってS
DS−ポリアクリルアミド ゲル電気泳動を行い銀染色
(日本バイオラッド社製)することにより、ヒト−ヒト
ハイブリドーマの培養上清から得られたモノクローナル
抗体CLN−IgGと電気化学的性質を比較した。その
結果、ラン藻の抽出液から得られた抗体溶液を泳動させ
たレーンでは、プロテインAに結合しない抗体分子の軽
鎖と同じ移動度を示すバンドが検出された。
【0046】また、in vitro で再構築させた抗体分子
が活性を持っているかどうかを調べるために、マウスの
モノクローナル抗体イデオNo.33(CLN IgG
のイデオトープを認識、特開平07−101999号公
報参照)を一次抗体として、実施例2.(2−ii)と
同様にELISAを行った。その結果、in vitro で再
構築させた抗体溶液中には、84.5ng/0.022
OD280nmという値(0.38%)で活性化されたCL
N IgGが含まれていることがわかった。
【0047】以上の結果は、抗体の重鎖及び軽鎖をラン
藻細胞で別々に発現させて in vitro で再構築させるこ
とにより活性化できることを示しており、さらに、この
ことはラン藻細胞に抗体の重鎖及び軽鎖を同時に発現さ
せることにより、ラン藻細胞内において活性を持った抗
体を作らせることが可能であることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/08 C12R 1:89)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗体重鎖遺伝子又は抗体軽鎖遺伝子を含
    有する担体DNAでラン藻細胞を形質転換することによ
    りラン藻細胞で抗体重鎖タンパク及び抗体軽鎖タンパク
    のそれぞれを発現させ、次いで抗体重鎖タンパクと抗体
    軽鎖タンパクを in vitro で会合せしめることを特徴と
    する抗体分子の製造方法。
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