JPH076253Y2 - 鉄骨鉄筋コンクリート柱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、鉄骨鉄筋コンクリート（SRC）柱に係るもの
である。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 第３図、第４図に示すように、比較的階層の高いSRC造
の建物では柱鉄骨１にクロスＩ形鋼が用いられる。

この場合、柱・梁仕口部において、柱鉄骨１のフランジ
11…外面にＩ形鋼等の大梁鉄骨２が溶接され、該大梁鉄
骨のフランジ21,21に対応させて、柱鉄骨のフランジ11
…内面乃至ウエブ12に複数のダイヤフラム、スチフナ等
の水平補強材３…が溶接される。なお、図中、４は、柱
鉄筋、５は、打設コンクリートである。

しかし、次のような欠点がある。

応力的に鉄骨が必要でない場合もあり、柱鉄骨１の
全長にわたってフランジ11…を設けることは無駄とな
る。

柱・梁仕口部には、複数のダイヤフラム、スチフナ
等の補強材３…を要し、製作に時間がかかり、コストア
ップにつながっている。

柱・梁仕口部にダイヤフラム、スチフナ等の補強材
３…があるので、コンクリートの充填性が悪く、柱鉄筋
を多量に入れることが困難となる。

本考案は、斯る欠点を除去しようとするものである。

「課題を解決するための手段」 本考案は、柱鉄骨の周りに鉄筋を配筋し、コンクリート
を打設して成る鉄骨鉄筋コンクリート柱において、柱鉄
骨に十字形鋼を用い、該柱鉄骨の柱・梁仕口部に短い角
形鋼管を各内隅にて鉄骨四縁に嵌合させて接合し、該角
形鋼管の外隅に大梁鉄骨を接合させるよう構成して成
る。

「作用」 如上の構成であるから、柱・梁仕口部の角形鋼管は、大
梁鉄骨の水平応力の一部を伝達して補強材としての役割
を果たし、しかも、内部が上下に開通してコンクリート
の充填及び柱鉄筋の挿通を可能ならしめる。

「実施例」 第１図、第２図は、本考案の実施例を示し、図におい
て、６は、十字形鋼による柱鉄骨、７は、該柱鉄骨の柱
・梁仕口部に嵌合させて溶接した短い角形鋼管であり、
該角形鋼管は、内部の対角線方向の間隔を柱鉄骨１の幅
に適合させて、各内隅を柱鉄骨１の四縁に嵌合させると
ともに、各嵌合部を溶接している。

８…は、上記角形鋼管７の各外隅に溶接したＩ形鋼の大
梁鉄骨、９は、柱鉄筋であり、91…は、柱主筋、92…
は、フープ、93…は、上記角形鋼管７の内側に配した中
間筋である。

10は、打設コンクリートである。

「考案の効果」 本考案によれば、次の効果を奏する。

柱鉄骨にフランジを要しないので、鉄量を大幅に低
減でき、コストダウンできる。

柱鉄骨の柱・梁仕口部に接合した複数のダイヤフラ
ム、スチフナ等の水平補強材を一切必要とせず、製作時
間を短縮でき、コストダウンできる。

柱鉄骨の柱・梁仕口部にダイヤフラム、スチフナ等
の水平補強材がないので、コンクリートの充填性を大幅
に改善できる。

柱鉄骨の柱・梁仕口部にダイヤフラム、スチフナ等
の水平補強材がないので、多くの中間筋を支障なく配筋
でき、効率的な設計が可能となり、コストダウンを図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、本考案の実施例で、第１図は、柱・
梁仕口部における截断平面図、第２図は、鉄骨架構の要
部の側面図、第３図、第４図は、従来例を示し、第３図
は、柱・梁仕口部における截断平面図、第４図は、鉄骨
架構の要部の側面図である。 １…柱鉄骨 11…フランジ、12…ウエブ ２…大梁鉄骨 21…フランジ、22…ウエブ ３…水平補強材、４…柱鉄筋 ５…打設コンクリート ６…柱鉄骨、７…角形鋼管 ８…大梁鉄骨 81…フランジ、82…ウエブ ９…柱鉄筋 91…柱主筋、92…フープ 93…中間筋 10…打設コンクリート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】柱鉄骨の周りに鉄筋を配筋し、コンクリー
   トを打設して成る鉄骨鉄筋コンクリート柱において、柱
   鉄骨に十字形鋼を用い、該柱鉄骨の柱・梁仕口部に短い
   角形鋼管を各内隅にて鉄骨四縁に嵌合させて接合し、該
   角形鋼管の外隅に大梁鉄骨を接合させるよう構成したこ
   とを特徴とする鉄骨鉄筋コンクリート柱。