JPH0762346A - スラグ路盤材の製造方法 - Google Patents

スラグ路盤材の製造方法

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JPH0762346A JP21254293A JP21254293A JPH0762346A JP H0762346 A JPH0762346 A JP H0762346A JP 21254293 A JP21254293 A JP 21254293A JP 21254293 A JP21254293 A JP 21254293A JP H0762346 A JPH0762346 A JP H0762346A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製鋼スラグを基本組成とする路盤材とその製造
方法を提供する。 【構成】 (1)製鋼過程で塩基度(CaO/SiO2) を重量比で
2.0〜5.0 に制御し、蛍石及び/又は塩化カルシウムを
添加したスラグを冷却後、大気圧下で自然エージング
し、この終了後破砕して粒度調整を行った後、再び大気
圧下で水蒸気を吹き込む強制エージングを施す製鋼スラ
グ路盤材の製造方法。この方法では、破砕と粒度調整を
自然エージングの前に行うことができる。また、これら
方法で製造された製鋼スラグ路盤材に、更に高炉スラグ
及び/又はコンクリート廃材を混合する方法で混合スラ
グ路盤材を製造することもできる。(2)上記(1) のいず
れかの方法で製造された路盤材。 【効果】製鋼スラグから路盤材を短期間で効率よく製造
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鋼スラグから路盤材
を製造する方法、特に、膨張崩壊が発生しない安定した
路盤材を短期間で安価に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製鋼スラグには、精錬時に添加される生
石灰の一部が未反応状態で残存した、いわゆる未滓化石
灰(フリーライム)が含まれている。未滓化石灰は水と
反応すると水浸膨張して崩壊する性質があり、このため
製鋼スラグをそのまま路盤材として用いることができな
い。さらに、スラグの冷却過程でCaO が晶出するのを避
けがたいため、この晶出CaO も存在し、同様の膨張崩壊
をもたらす。未滓化石灰と晶出CaO は、併せて遊離石灰
と称される。
【0003】従来、製鋼スラグの膨張崩壊性を消失させ
る方法として、自然エージング処理を行うのが最も一般
的である。この方法は、破砕した製鋼スラグを大気中に
山積みし、遊離石灰が自然に水浸膨張して安定化するの
を待つものである。しかしこの方法では、安定するまで
6〜12ケ月の長期間を要する上、その確実性に欠ける。
さらに、かなり広い処理スペースを必要とする。
【0004】このような問題を解決するために、エージ
ング処理期間を短縮するいくつかの方法が提案されてい
る。
【0005】特開昭57−57815 号公報には、破砕後の転
炉スラグを湿潤させ、山積みで15日間自然エージング処
理し、さらに飽水状態で30日間維持するエージング促進
方法が示されている。この方法では期間短縮は可能であ
るが、なお安定性に問題があり、特に製鋼スラグの冷却
過程で生じる晶出CaO の安定化に欠ける。
【0006】特開昭61−101441号公報には、破砕した後
山積み状態で水分を含有する高温度の蒸気を吹き込んで
加熱しながら、大気中で48時間以上暴露するエージング
促進方法が示されている。しかし、このような水蒸気エ
ージングのような方法のみでは、未滓化石灰の安定化は
できるものの、やはり晶出CaO の安定化は困難である。
【0007】本出願人は特開平4−202034号公報におい
て、自然エージング処理と蒸気エージング処理を組み合
わせる製鋼スラグの処理方法を示した。しかしこの方法
でも、上記と同様の問題があり、さらに処理前のスラグ
の性状や処理条件を明らかにする必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の特開
平4−202034号公報において示したエージング処理方法
をさらに改善することを課題としてなされたものであ
り、本発明の目的は、製鋼スラグから安定した路盤材を
効率的に製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の (1)
〜(4) の路盤材の製造方法と(5) の路盤材にある。
【0010】(1)製鋼過程でスラグ塩基度(CaO/SiO2)
を重量比で 2.0〜5.0 に制御し、蛍石および/または塩
化カルシウムを添加したスラグを冷却した後、大気圧下
で自然エージング処理し、この終了後破砕して粒度調整
を行った後、再び大気圧下で水蒸気を吹き込む強制エー
ジング処理を施すことを特徴とする製鋼スラグ路盤材の
製造方法。
【0011】(2)製鋼過程でスラグ塩基度(CaO/SiO2)
を重量比で 2.0〜5.0 に制御し、蛍石および/または塩
化カルシウムを添加したスラグを冷却した後、大気圧下
で自然エージング処理し、この終了後破砕して粒度調整
を行った後、再び大気圧下で水蒸気を吹き込む強制エー
ジング処理を施した製鋼スラグ路盤材に、さらに高炉ス
ラグおよび/またはコンクリート廃材を混合することを
特徴とする混合スラグ路盤材の製造方法。
【0012】(3)製鋼過程でスラグ塩基度(CaO/SiO2)
を重量比で 2.0〜5.0 に制御し、蛍石および/または塩
化カルシウムを添加したスラグを冷却した後、破砕して
粒度調整を行い、次いで後大気圧下で自然エージング処
理した後、再び大気圧下で水蒸気を吹き込む強制エージ
ング処理を施すことを特徴とする製鋼スラグ路盤材の製
造方法。
【0013】(4)製鋼過程でスラグ塩基度(CaO/SiO2)
を重量比で 2.0〜5.0 に制御し、蛍石および/または塩
化カルシウムを添加したスラグを冷却した後、破砕して
粒度調整を行い、次いで後大気圧下で自然エージング処
理した後、再び大気圧下で水蒸気を吹き込む強制エージ
ング処理を施した製鋼スラグ路盤材に、さらに高炉スラ
グおよび/またはコンクリート廃材を混合することを特
徴とする混合スラグ路盤材の製造方法。
【0014】(5)上記(1) から上記(4) までに記載のい
ずれかの方法で製造された路盤材。
【0015】
【作用】製鋼スラグの膨張崩壊は、その中に存在する遊
離石灰が次の、のような反応を起こし、体積膨張す
ることによって発生する現象である。
【0016】 CaO +H2O =Ca(OH)2 (水和反応)・・・ CaO +CO2 =CaCO3 (炭酸化反応)・・ 遊離石灰のうちの未滓化石灰(以下、未滓化CaO と記
す) は、製鋼過程で塩基度調整のために添加される生石
灰、生ドロマイトまたは軽焼ドロマイトなどに含有され
るCaO が反応せず、そのまま残存したものである。未滓
化CaO をなくすためには、製鋼過程でスラグの溶融、流
動化を十分に行わせる必要がある。このため、溶融を阻
害するCaO 表面の皮膜を取り除く目的で、滓化促進剤で
ある蛍石や塩化カルシウムを単独または複合で添加す
る。
【0017】ただし、この使用量が多いと製鋼炉の耐火
物溶損を促進し、炉寿命を著しく悪化させるので、少量
を添加することが望ましい。例えば、製鋼過程の精錬開
始前および/または途中で、蛍石と塩化カルシウムのど
ちらか一方、または合計量で、溶鋼トン当たり 0.1〜3.
0kg 、好ましくは 0.3〜1.0kg を添加する。
【0018】遊離石灰のうちの晶出CaO の発生を抑制す
るには、製鋼過程においてスラグ塩基度(CaO/SiO2) を
重量比で 2.0〜5.0 、好ましくは 2.0〜4.5 とする必要
がある。これは、 CaO/SiO2が5.0 を超えると初晶で生
成する3CaO・SiO2の量が多くなって、冷却過程で下記
式による変態が起こり、CaO として晶出する量が多くな
るためである。さらにこのような状況下では、冷却過程
でCaO の濃度が高いので、3CaO・SiO2や 2CaO ・SiO2
ならず、CaO の晶出が促進される。一方、 2.0未満で
は、鋼の精錬処理本来の目的である脱硫、脱燐が不十分
となる。
【0019】 3CaO・SiO2→ 2CaO ・SiO2+CaO ・・・・ しかし、上記の方法のみで未滓化CaO や晶出CaO を皆無
とすることは困難であるために、製鋼スラグを冷却した
後、さらにこれらの遊離石灰の安定化処理を行う必要が
ある。この確実な安定化処理方法として、自然エージン
グとその後のさらなる蒸気を吹き込む強制エージングを
併用する。併用する理由は、自然エージング処理のみで
は、前記式による水和反応または式による炭酸化反
応が遅いため、処理に長期間を要するからである。ま
た、蒸気を吹き込む強制エージング処理のみでは、スラ
グ表面近傍の水和反応は速いが、蒸気は比容積(m3/kg)
が水と比較してはるかに大きいため、たとえ水和しても
スラグ粒の中心部まで浸透しがたく、確実な安定化処理
方法にはなり得ないからである。
【0020】冷却後のスラグの処理工程には、基本的に
次の(a) 、(b) の二とおりの方法がある。
【0021】(a) 冷却後、大気圧下で山積みして自然エ
ージング処理し、これを破砕して粒度調整を施した後、
さらに大気圧下で蒸気を吹き込んで強制エージング処理
する方法。図1(a) はこの工程を示す図である。
【0022】(b) 冷却後、まずこれを破砕して粒度調整
を施した後、大気圧下で山積みして自然エージング処理
し、さらに大気圧下で蒸気を吹き込んで強制エージング
処理する方法。図1(b) はこの工程を示す図である。
【0023】図1(a) の方法では、自然エージング処理
は、大気圧下で1〜4ケ月、好ましくは2〜3ケ月山積
みして放置し、特に大気中の水分と未滓化CaO との水和
反応を起こさせ、スラグに亀裂を発生させる。この際、
スラグ中の水分が少ない場合は、散水して水分を十分供
給することが望ましい。
【0024】図2は、山積み自然エージング処理の際の
ひと山の形状の例を示す図である。
【0025】図2(a) は平面図、図2(b) は図2(a) の
線S−S方向の縦断面図である。図示するように、製鋼
スラグ1のひと山の形状は、底辺と上辺の長さが、それ
ぞれ20m 程度、10m 程度、高さが3.5m程度の四角錘台状
とすることが望ましい。これは、表面積をできるだけ大
きくするためと、ロット管理上の利便性のためである。
【0026】このような短期間処理でよいのは、後述す
る図4に示すように、塩基度を本発明で定める範囲に制
御し、適量の滓化促進剤を添加した場合には、遊離石灰
量が抑制され、未エージング状態でも水浸膨張量が小さ
く、このため、少なくとも2ケ月間程度の上記自然エー
ジング処理で、平均値としての水浸膨張量はJIS規格
値に略々到達するからである。
【0027】その後、強制エージング処理時の反応表面
積を増大させ、かつ、スラグの表面から中心部までの距
離を小さくするために、粒径30mm以下に極力小さく破砕
し、次いで所定の粒度に調整する。ただし、路盤材の粒
度はJIS−A5015に規定されているため、この規定範
囲を満足するように破砕することが望ましい。したがっ
て、破砕時の最大粒径は、強制エージング処理による粒
度の変化を考慮して上記JISに規定される最大粒径よ
りも、10〜20%大きくするのがよい。
【0028】遊離石灰の水和反応が最大となる温度は、
200 ℃であることがわかっており(前記特開平4−1752
50号公報参照)、さらに大気圧下で蒸気を吹き込んで強
制エージング処理を施せば、仮にまだ十分安定化されな
い遊離石灰が残存していても、上記のスラグの亀裂を介
して蒸気がスラグの中心部まで浸透し、遊離石灰は完全
に水和するので、確実な安定化処理を達成することがで
きるのである。温水を用いる強制エージング処理ではこ
のような効果は得られない。すなわち、温水は蒸気に比
べてエンタルピがはるかに低いため、特に晶出CaO の安
定化の面で効果が著しく小さくなる。
【0029】この強制エージング処理の期間は、2〜4
日の範囲とすることが望ましい。2日未満では、部分的
にエージング効果が乏しくなり、膨張量のバラつきが大
きくなる。一方、4日を超えるとエージング効果が飽和
するとともに、蒸気原単位が増加し、経済的にも不利と
なる。
【0030】処理日数を具体的に決めることは、前記の
自然エージング処理期間中にサンプリングを行って強制
エージング処理前の水浸膨張量を把握し、残りの水浸膨
張量を推定することで行うことができる。したがって、
適切な処理日数とし、蒸気使用量を最小限に抑制してコ
ストを低減することも容易である。
【0031】図3は、蒸気による強制エージング処理に
用いる装置の例を示す図である。図3(a) は平面図、図
3(b) は図3(a) の線T−Tにおける縦断面図である。
図示する装置では、三辺をコンクリート製擁壁2、一辺
(図3(a) では下方)を製鋼スラグ1の搬入、搬出ゲー
トとした四角形の処理槽の底部に蒸気噴射管5を備え
る。図中、符号3は蒸気供給本管、4は蒸気供給弁、6
は安定した通気性を確保するための砕石層、7は保温用
シートである。反応効率の面から、製鋼スラグの高さは
約2 mとするのが望ましい。
【0032】図1(b) の方法では、図1(a) の方法にお
ける破砕、粒度調整を自然エージング処理に先立って施
す。その他の方法は図1(a) の場合と同じである。しか
しこの工程では、破砕により反応表面積を増大させた後
に自然エージング処理を施すから、水和反応が促進され
やすく、処理期間は1ケ月程度にさらに短縮される。
【0033】もし、図1(a) の方法と図1(b) の方法と
で、同じ自然エージング処理期間とすれば、後者の方法
による場合が、最終的に残存する遊離石灰は少なくな
る。
【0034】上記の方法で製造された製鋼スラグ路盤材
は、そのまま使用することができるが、資源の有効利用
の観点から、高炉スラグおよび/またはコンクリート廃
材をさらに混合した混合スラグ路盤材として用いてもよ
い。特に、上層路盤材で水硬性粒度調整スラグ(HM
S)として使用する際は、製鋼スラグ路盤材に高炉水砕
スラグを数重量%、好ましくは5〜10重量%混合するの
がよい。
【0035】
【実施例】300t転炉から発生したスラグを用いて、表1
および表2に示す条件で製鋼スラグ路盤材を製造した。
【0036】製鋼過程では、スラグ塩基度(CaO/SiO2)
は、溶銑Siと出鋼時のSiとの差からSiO2を、媒溶剤中の
CaO含有率から CaOを、それぞれ求めて計算した。滓化
促進剤には蛍石を用い、溶鋼トン当たり0〜5.0kg の範
囲で精錬開始前に添加した。
【0037】転炉で発生したスラグを冷却した後、直ち
にサンプリングし、スラグ表面を研磨して、SEMおよ
びEPMA定量分析により、鉱物組成を判定した。さら
に研磨スラグをエチレングリコールに浸し、遊離石灰の
形態を調査した。この結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示すように、 CaO/SiO2が5.2 の場
合(試験E)では、未滓化CaO は少ないものの晶出 CaO
が多く認められた。蛍石添加なしで CaO/SiO2が3.0
(試験F)と同じく 3.5(試験G)の場合では、未滓化
CaO と晶出CaO がともに多く認められた。一方、本発明
で定める範囲の CaO/SiO2で、蛍石を溶鋼トン当たり
0.5〜2.8kg 添加した試験A〜Dでは、未滓化CaO はほ
とんど認められず、かつ、晶出CaO も少なかった。
【0040】上記の冷却スラグを表2に示す条件でエー
ジングした後、それぞれのエージング段階で、ひと山か
ら12ケ所サンプリングし、JIS−A5015に規定される
方法で水浸膨張量を比較することで、エージングの効果
を評価した。なお、比較のために、いずれの試験におい
ても、未エージング状態、自然エージング2ケ月後、自
然エージングなしで蒸気による強制エージング4日後の
各スラグについても同様の水浸膨張量を測定した。これ
らの結果を表2に併せて示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から明らかなように、本発明で定める
CaO/SiO2を満たした製鋼スラグに、自然エージングと
蒸気による強制エージングを施した場合の水浸膨張量
は、最大値と最小値の差が非常に小さく安定しており、
全てJIS規格を満足した。蒸気による強制エージング
のみの場合の水浸膨張量は、平均値ではJIS規格を満
足しているものの、最大値と最小値の差が大きく、JI
S規格の範囲を外れるものがあった。また、 CaO/SiO2
が高すぎるもの(試験E)および CaO/SiO2が適正であ
っても蛍石を添加しないもの(試験F、G)では、自然
エージングと蒸気による強制エージングを併用しても、
水浸膨張量が大きく、JIS規格を満足しなかった。
【0043】図4は、表1に示す製鋼スラグ(試験A〜
G)の場合の、自然エージング処理のみによる処理期間
と水浸膨張量との関係を示す図である。図示するよう
に、本発明で定める CaO/SiO2の範囲で、かつ蛍石を添
加した試験A〜Dの場合においても、自然エージング処
理のみでJIS規格を満足する水浸膨張量(平均値)を
得るには、少なくとも8ケ月間の長期エージング処理が
必要であることがわかる。
【0044】図5は、2ケ月間の自然エージング処理後
の上記製鋼スラグの水浸膨張量に及ぼす強制エージング
の効果と蒸気原単位を示す図である。図示するように、
本発明の方法によれば、2日間の強制エージングでJI
S規格を略々十分に満足する水浸膨張量を達成すること
ができ、蒸気原単位も低くて済む。
【0045】次に、図1に示す本発明の方法で製造され
た製鋼スラグ路盤材と、これに高炉スラグおよび/また
はコンクリート廃材を混合した混合スラグ路盤材(HM
S−25)との物性比較を実施した。これらの混合条件と
物性値の測定結果を表3に示す。比較のために、高炉徐
冷スラグの物性値を併記した。高炉徐冷スラグはMS−
25(JIS−A5015に規定される呼称で、粒度が25〜0
mmのもの)を、高炉水砕スラグは水砕のままの状態のも
のを、コンクリート廃材は25〜0mmに破砕した粒度のも
のを、それぞれ用いた。
【0046】
【表3】
【0047】表3に示すように、本発明の方法による混
合スラグ路盤材は、全てJIS規格を満足する良好な物
性値であった。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法によれば、製鋼スラグから
優れた物性値を有する路盤材を短期間で効率よく製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の基本製造工程を示す図である。
【図2】本発明の方法で用いる自然エージング処理の際
の山積みの形状の例を示す図である。
【図3】本発明の方法で用いる強制エージング処理装置
の例を示す図である。
【図4】自然エージング処理のみの処理期間と水浸膨張
量との関係を示す図である。
【図5】2ケ月間の自然エージング処理後の水浸膨張量
に及ぼす強制エージングの効果と蒸気原単位を示す図で
ある。
【符号の説明】
1:製鋼スラグ、2:コンクリート製擁壁、3:蒸気供
給本管、4:蒸気供給弁、5:蒸気噴射管、6:砕石
層、7:保温用シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製鋼過程でスラグ塩基度(CaO/SiO2) を重
    量比で 2.0〜5.0 に制御し、蛍石および/または塩化カ
    ルシウムを添加したスラグを冷却した後、大気圧下で自
    然エージング処理し、この終了後破砕して粒度調整を行
    った後、再び大気圧下で水蒸気を吹き込む強制エージン
    グ処理を施すことを特徴とする製鋼スラグ路盤材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】製鋼過程でスラグ塩基度(CaO/SiO2) を重
    量比で 2.0〜5.0 に制御し、蛍石および/または塩化カ
    ルシウムを添加したスラグを冷却した後、大気圧下で自
    然エージング処理し、この終了後破砕して粒度調整を行
    った後、再び大気圧下で水蒸気を吹き込む強制エージン
    グ処理を施した製鋼スラグ路盤材に、さらに高炉スラグ
    および/またはコンクリート廃材を混合することを特徴
    とする混合スラグ路盤材の製造方法。
  3. 【請求項3】製鋼過程でスラグ塩基度(CaO/SiO2) を重
    量比で 2.0〜5.0 に制御し、蛍石および/または塩化カ
    ルシウムを添加したスラグを冷却した後、破砕して粒度
    調整を行い、次いで後大気圧下で自然エージング処理し
    た後、再び大気圧下で水蒸気を吹き込む強制エージング
    処理を施すことを特徴とする製鋼スラグ路盤材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】製鋼過程でスラグ塩基度(CaO/SiO2) を重
    量比で 2.0〜5.0 に制御し、蛍石および/または塩化カ
    ルシウムを添加したスラグを冷却した後、破砕して粒度
    調整を行い、次いで後大気圧下で自然エージング処理し
    た後、再び大気圧下で水蒸気を吹き込む強制エージング
    処理を施した製鋼スラグ路盤材に、さらに高炉スラグお
    よび/またはコンクリート廃材を混合することを特徴と
    する混合スラグ路盤材の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4までに記載のいずれ
    かの方法で製造された路盤材。
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