JP2007063061A - スラグのエージング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】堆積されたスラグの粒子間に大きな隙間が形成されるので蒸気の通りが良く、堆積された中心部付近のスラグに含まれる遊離CaOの水和反応も進行し易く、斑無くエージング処理でき品質のばらつきを少なくでき、またエージング時間を短くできるので蒸気の消費量も少なくランニングコストも低減でき生産性に優れ、またポゾラン反応によってエージングによるスラグの細粒化を防止できるとともに、エージングを促進できるスラグのエージング方法を提供することを目的とする。
【解決手段】製鋼スラグに高炉徐冷スラグを混合して混合スラグを得る混合工程と、前記混合スラグを、目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布になるように破砕して混合破砕スラグを得る混合スラグ破砕工程と、前記混合破砕スラグに蒸気を供給する蒸気処理工程と、を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶銑予備処理スラグや二次精錬スラグ等の製鋼スラグを強制的にエージングするスラグのエージング方法に関するものである。
従来より、溶銑予備処理スラグ、二次精錬スラグ等の製鋼スラグ(以下、スラグという)は、硬く、その表面が角張った形状をしているため、道路転圧時の噛み合せがよく、また潜在水硬性を有するため、路盤材や土木用の埋戻材等として利用されている。しかしながら、脱リン剤や脱硫剤として使用された生石灰の一部がスラグ中に遊離した状態(以下、遊離CaOという)で残存しているため、路盤材等としてそのまま用いた場合は、遊離CaOの水酸化・炭酸化によって経時的に膨張することが知られている。
そこで、路盤材や土木用材として使用する場合の前処理として、膨張現象を完了させて安定化させるためのエージング処理が行われている。エージング処理の方法としては、破砕した製鋼スラグ等を屋外に山積みして、スラグ中の遊離CaOを空気や雨水等に接触させることにより、Ca(OH)やCaCOに変化させ安定化させるものが知られている。また、温水中に浸したり蒸気を供給したりするエージング方法も提案されている。
しかしながら、スラグはエージングされると、スラグ塊の表面に存在する遊離CaOが水和反応によって膨張し、スラグ塊にクラックが入り、そのクラックから侵入した雨水や蒸気等がさらに内部の遊離CaOと反応してクラックが広がるため、スラグ塊が割れて細粒化するという問題がある。細粒化されたスラグが増加すると、スラグの強度が低下し路盤材として使用するのが困難になるという問題を有していた。
また、近年は高純度鋼が製造されるため、スラグの塩基度が上昇し遊離CaOが増加しており、これによってスラグの膨張量の増大とエージング時間が長期化するという問題を有していた。
このようなスラグの細粒化とエージング時間の長期化を防止する従来の技術として、(特許文献1)に「製鋼スラグや溶銑予備処理スラグに、シルト,高炉スラグのうち少なくとも1種または2種を、配合後の総質量の1〜30質量%となるように配合したものを蒸気及び/又は温水で処理するスラグの強制エージング方法」が開示されている。
(特許文献2)に「製鋼スラグや溶銑予備処理スラグに、セメントコンクリート廃材,高炉スラグ,石炭灰,シルト等のシリカ系物質を配合後の総重量に対し、30〜80%配合するスラグのエージング方法」が開示されている。
特開平7−223857号公報 特開平8−253349号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に記載された技術は、スラグ中の遊離CaOとシルト,高炉スラグの可溶性シリカが、ポゾラン反応によって、水の存在下で不溶性のCaO−SiO−HOゲル(以下、CSHゲルという)を生成して硬化が進行する。このCSHゲルが、遊離CaOが水と反応して体積が膨張する際に発生したクラックを塞ぐため、スラグの細粒化を抑制することができる。しかし、スラグに混合するシルトの平均粒径は0.01〜0.03mm、高炉水砕スラグの平均粒径は1.2〜2.5mm(公報の段落〔0018〕欄)と細かいので、堆積された製鋼スラグ等の粒子の間にシルト,高炉水冷スラグの粒子が入り込み粒子間の隙間が狭くなるので、エージングのための蒸気の通りが悪く、堆積された中心部付近のスラグの水和反応が進行し難く、エージング後のスラグの水浸膨張比に斑が生じ易いという課題を有していた。
(2)スラグを処理するエージングのための蒸気の通りが悪いので、堆積された中心部付近のスラグのエージングを終えるまでの時間が長くなり、蒸気が大量に必要となるため多大なランニングコストを要するという課題を有していた。
(3)シルト,高炉スラグの配合量が、配合後の総質量の1〜30質量%と少ないので、ポゾラン反応によって生成されるCSHゲルの生成量が少なく、スラグが細粒化し易いという課題を有していた。
(4)(特許文献2)に記載の技術は、製鋼スラグや溶銑予備処理スラグに、セメントコンクリート廃材,高炉スラグ,石炭灰,シルト等のシリカ系物質を配合後の総重量に対し、30〜80%配合するので、ポゾラン反応によって十分な量のCSHゲルが生成されるため、エージングによってスラグが細粒化されるのを防止できる。しかしながら、粒径範囲が5〜74μm(公報の段落〔0020〕欄)の細かなシルトを用いるので、堆積された製鋼スラグ等の粒子の間にシルト,高炉水冷スラグの粒子が入り込み粒子間の隙間が狭くなるので、エージングのための蒸気の通りが悪く、堆積された中心部付近のスラグの水和反応が進行し難く、製造された路盤材の水浸膨張比に斑が生じ易く、またエージング時間が長くなるので、蒸気が多量に必要となりランニングコストが増大するという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、堆積されたスラグの粒子間に大きな隙間が形成されるので蒸気の通りが良く、堆積された中心部付近のスラグに含まれる遊離CaOの水和反応も進行し易く、斑無くエージング処理でき品質のばらつきを少なくでき、またエージング時間を短くできるので蒸気の消費量も少なくランニングコストも低減でき生産性に優れ、またポゾラン反応によってエージングによるスラグの細粒化を防止できるとともに、エージングを促進できるスラグのエージング方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明のスラグのエージング方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のスラグのエージング方法は、製鋼スラグに高炉徐冷スラグを混合して混合スラグを得る混合工程と、前記混合スラグを、目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布になるように破砕して混合破砕スラグを得る混合スラグ破砕工程と、前記混合破砕スラグに蒸気を供給する蒸気処理工程と、を備えた構成を有している。
この構成によって、以下のような作用が得られる。
(1)目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布に破砕した混合破砕スラグに蒸気を供給するので、堆積されたスラグの粒子間に大きな隙間が形成され蒸気の通りが良く、堆積された中心部付近のスラグに含まれる遊離CaOの水和反応も進行し易く、斑無くエージング処理でき品質のばらつきを少なくできる。また蒸気の通りがよいため、エージング時間を短くできるので蒸気の消費量も少なくランニングコストも低減でき生産性に優れる。
(2)製鋼スラグに高炉徐冷スラグを混合して破砕した混合スラグに蒸気を供給するので、破砕された高炉徐冷スラグから溶出した可溶性シリカによるポゾラン反応によって、十分な量のCSHゲルが生成されるため、エージングによってスラグが細粒化されるのを防止できる。また水中のCa2+がCSHゲルの生成で消費されるため水中のCa2+を低濃度に維持できるので、遊離CaOの水和及び水和によって遊離CaOの表面に生成したCa(OH)の水中への溶解が促進され、その結果、遊離CaOの水和反応が促進されエージングが促進される。
(3)製鋼スラグに塊状の高炉徐冷スラグを混合し一緒に破砕するので、篩等の整粒装置が目詰まりする等の問題を起こさず作業性に優れ、混合スラグ破砕工程が終わった時点で略均一に混合されているので、直ちに蒸気処理工程によってエージングを行うことができ生産性に優れる。溶銑予備処理スラグは細粒の割合が多いので、それだけを破砕すると、篩等の整粒装置が目詰まりし易く作業性に欠けるとともに生産性に欠けるからである。
ここで、製鋼スラグとしては、製鋼工程において転炉,電気炉,混銑車等で発生したスラグを冷却・凝固させたものが用いられる。なかでも、本発明のエージング方法は、溶銑を転炉に装入する際の脱硫,脱リン等の処理をする際に生成する溶銑予備処理スラグ、転炉等から出鋼した溶鋼に脱硫,脱リン,脱ガス等の処理をする際に生成する二次精錬スラグに好適に適用される。溶銑予備処理スラグや二次精錬スラグは細粒粉の割合が多いため、堆積すると粒子間の隙間が狭くなり通気性が悪く、エージングのための蒸気の通りが悪いからである。
高炉徐冷スラグは、高炉で発生したスラグを溶融状態から徐冷処理したものであり、可溶性シリカを含有している。高炉徐冷スラグは、加圧水等で溶融状態から急冷処理した高炉水砕スラグよりも大きく塊状化しているため、高炉徐冷スラグ破砕工程において任意の粒度分布に調整でき自在性に優れ、さらに破砕して新たに形成された表面は活性化され、可溶性シリカの溶出量が多いため好適に用いられる。
混合工程においては、転炉,電気炉,混銑車等から取り出した破砕前の製鋼スラグと高炉徐冷スラグとを混合することができる。また、転炉,電気炉,混銑車等から取り出した後、ある程度の大きさに破砕した破砕途中の製鋼スラグと高炉徐冷スラグとを混合することもできる。
混合スラグ破砕工程においては、製鋼スラグと高炉徐冷スラグが混合された混合スラグが、所定の粒度分布の混合破砕スラグになるように破砕される。混合破砕スラグとしては、目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布にしたものが好適に用いられる。
目開き4.75mmの篩を通過する混合破砕スラグの量が30重量%より少なくなるにつれ、粒径の大きな高炉徐冷スラグの量が多く比表面積が小さくなるので、高炉徐冷スラグから溶出する可溶性シリカの量が少なくなりポゾラン反応の反応性が低下する傾向がみられるため好ましくない。60重量部より多くなるにつれ、粒径の小さなスラグの量が多く堆積されたスラグの粒子間の隙間が小さくなるので、エージングのための蒸気の通りが悪くなる傾向がみられるため好ましくない。
また、混合破砕スラグは、目開き31.5mmの篩を100重量%、目開き2.36mmの篩を20〜45重量%通過するような粒度分布にしたものが好適に用いられる。
目開き31.5mmの篩を通過する混合破砕スラグ等の量が100重量%未満になると、高炉徐冷スラグの比表面積が小さくなるのでポゾラン反応の反応性が低下する傾向がみられるため好ましくない。また、目開き2.36mmの篩を通過する混合破砕スラグ等の量が20重量部より少なくなるにつれ、高炉徐冷スラグの比表面積が小さくなるのでポゾラン反応の反応性が低下する傾向がみられるため好ましくない。45重量部より多くなるにつれ、堆積されたスラグの粒子間の隙間(充填空間)が小さくなりエージングのための蒸気の通りが悪くなる傾向がみられるため好ましくない。
蒸気処理工程としては、混合破砕スラグを蒸気中に一定時間保持してスラグ中の遊離CaOの水和を行うものが用いられる。
本発明の請求項2に記載のスラグのエージング方法は、高炉徐冷スラグを破砕して破砕スラグを得る高炉徐冷スラグ破砕工程と、製鋼スラグに前記破砕スラグを混合し、目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布に調整した粒度調整スラグを得る粒度調整工程と、前記粒度調整スラグに蒸気を供給する蒸気処理工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布に調整した粒度調整スラグに蒸気を供給するので、堆積されたスラグの粒子間に大きな隙間が形成され(充填空間が粗く)蒸気の通りが良く、堆積された中心部付近のスラグの水和反応も進行し易く、斑無くエージング処理でき品質のばらつきを少なくできる。またエージング時間を短くできるので蒸気の消費量も少なくランニングコストも低減でき生産性に優れる。
(2)製鋼スラグに高炉徐冷スラグを破砕した破砕スラグを混合するので、破砕スラグから溶出した可溶性シリカによるポゾラン反応によって、十分な量のCSHゲルが生成されるため、エージングによってスラグが細粒化されるのを防止できる。また水中のCa2+がCSHゲルの生成で消費されるため水中のCa2+を低濃度に維持できるので、遊離CaOの水和及び水和によって遊離CaOの表面に生成したCa(OH)の水中への溶解が促進され、その結果、遊離CaOの水和反応が促進されエージングが促進される。
ここで、高炉徐冷スラグ、製鋼スラグとしては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
粒度調整工程においては、高炉徐冷スラグ破砕工程において高炉徐冷スラグを破砕した破砕スラグに、別に破砕した製鋼スラグを混合するものが用いられる。
粒度調整工程において得られる粒度調整スラグとしては、目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布にしたものが好適に用いられる。粒度調整スラグの粒度分布は、請求項1で説明した混合破砕スラグの粒度分布と同様なので、説明を省略する。
また、蒸気処理工程としては、請求項1で説明したものと同様なので説明を省略する。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のスラグのエージング方法であって、前記混合スラグの総重量100重量部に対し前記高炉徐冷スラグを40〜80重量部混合させた、又は、前記粒度調整スラグの総重量100重量部に対し前記破砕スラグを40〜80重量部混合させた構成を有している。
この構成によって、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)混合スラグの総重量100重量部に対し高炉徐冷スラグを40〜80重量部混合させ、又は、粒度調整スラグの総重量100重量部に対し破砕スラグを40〜80重量部混合させ、その後に蒸気処理を行うので、塩基度が高く遊離CaOの含有量が多いスラグであっても、高炉徐冷スラグや破砕スラグから溶出した可溶性シリカによるポゾラン反応によって、十分な量のCSHゲルが生成されるためエージングによってスラグが細粒化されるのを防止でき、さらに遊離CaOの水和反応を促進しエージングを促進して、路盤材の必要特性である水浸膨張比を小さくすることができる。
ここで、混合スラグの総重量100重量部に対し高炉徐冷スラグを40〜80重量部混合させ、又は、粒度調整スラグの総重量100重量部に対し破砕スラグを40〜80重量部混合させるが、混合スラグ又は粒度調整スラグの総重量100重量部に対し高炉徐冷スラグ又は破砕スラグの混合量が40重量部より少なくなるにつれ、高炉徐冷スラグから溶出する可溶性シリカの量が少なくなりポゾラン反応の反応性が低下する傾向がみられるため好ましくない。80重量部より多くなるにつれ、混合スラグや粒度調整スラグの固結が生じ易く蒸気処理工程後に再び破砕したりする必要が生じ、エージング処理の作業性が低下する傾向がみられるため好ましくない。
以上のように、本発明のスラグのエージング方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)堆積されたスラグの粒子間に大きな隙間が形成され蒸気の通りが良く、堆積された中心部付近のスラグに含まれる遊離CaOの水和反応も進行し易く、斑無くエージング処理でき品質のばらつきを少なくでき、また蒸気の通りがよいため、エージング時間を短くできるので蒸気の消費量も少なくランニングコストも低減でき生産性に優れたスラグのエージング方法を提供することができる。
(2)高炉徐冷スラグから溶出した可溶性シリカによるポゾラン反応によって、十分な量のCSHゲルが生成されるため、エージングによってスラグが細粒化されるのを防止でき、また遊離CaOの水和反応が促進されエージングを促進できるスラグのエージング方法を提供することができる。
(3)篩等の整粒装置が目詰まりする等の問題を起こさず作業性に優れ、混合スラグ破砕工程が終わった時点で略均一に混合されているので、直ちに蒸気処理工程によってエージングを行うことができ生産性に優れたスラグのエージング方法を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、
(1)堆積されたスラグの粒子間に大きな隙間が形成され蒸気の通りが良く、堆積された中心部付近のスラグの水和反応も進行し易く、斑無くエージング処理でき品質のばらつきを少なくでき、またエージング時間を短くできるので蒸気の消費量も少なくランニングコストも低減でき生産性に優れたスラグのエージング方法を提供することができる。
(2)高炉徐冷スラグから溶出した可溶性シリカによるポゾラン反応によって、十分な量のCSHゲルが生成されるため、エージングによってスラグが細粒化されるのを防止でき、また遊離CaOの水和反応を促進しエージングを促進するスラグのエージング方法を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)塩基度が高く遊離CaOの含有量が多いスラグであっても、破砕スラグから溶出した可溶性シリカによるポゾラン反応によって、十分な量のCSHゲルが生成されるためエージングによってスラグが細粒化されるのを防止でき、さらに遊離CaOの水和反応を促進しエージングを促進して、路盤材の必要特性である水浸膨張比を小さくすることができるスラグのエージング方法を提供することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
冷却させ凝固させた製鋼スラグとしての溶銑予備処理スラグ30重量部に高炉徐冷スラグ70重量部を混合し、この混合スラグを目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布になるように破砕し、混合破砕スラグを得た。混合破砕スラグの粒度分布は、表1に示すように目開き4.75mmの篩を46.5重量%通過するものであった。なお、表1の粒度分布は各目開きの篩を通過したスラグの重量%を記載したものである。
この混合破砕スラグに24時間蒸気を供給して蒸気エージングを行った。蒸気エージングが終了した後、JISA5015の規定に準拠した80℃温水膨張試験によりスラグの水浸膨張比(%)を測定した。
この結果、表1に示すように水浸膨張比は0.12%であった。
Figure 2007063061
(実施例2)
実施例1と同一ロットの溶銑予備処理スラグ50重量部に実施例1と同一ロットの高炉徐冷スラグ50重量部を混合し破砕し、表1に示すように目開き4.75mmの篩を53.3重量%通過するような粒度分布に調整した以外は、実施例1と同様にして、混合破砕スラグに24時間蒸気を供給して蒸気エージングを行った。水浸膨張比は、表1に示すように0.21%であった。
(実施例3)
実施例1と同じ混合破砕スラグに48時間蒸気を供給した以外は、実施例1と同様にして蒸気エージングを行った。水浸膨張比は、表1に示すように0.02%であった。
(実施例4)
実施例2と同じ混合破砕スラグに48時間蒸気を供給した以外は、実施例1と同様にして蒸気エージングを行った。水浸膨張比は、表1に示すように0.18%であった。
(実施例5)
実施例1とは別のロットの溶銑予備処理スラグ50重量部に、実施例1とは別のロットの高炉徐冷スラグ50重量部を混合し破砕し、表1に示すように目開き4.75mmの篩を59.3重量%通過するような粒度分布に調整した後、混合破砕スラグに48時間蒸気を供給した以外は、実施例1と同様にして蒸気エージングを行った。水浸膨張比は、表1に示すように0.19%であった。
(実施例6)
実施例5と同一ロットの溶銑予備処理スラグ30重量部に、実施例5と同一ロットの高炉徐冷スラグ70重量部を混合し破砕し、表1に示すように目開き4.75mmの篩を55.7重量%通過するような粒度分布に調整した後、混合破砕スラグに48時間蒸気を供給した以外は、実施例1と同様にして蒸気エージングを行った。水浸膨張比は、表1に示すように0.01%であった。
(実施例7)
冷却させ凝固させた製鋼スラグとしての二次精錬スラグ50重量部に、実施例1と同一ロットの高炉徐冷スラグ50重量部を混合し、この混合スラグを目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布になるように破砕し、混合破砕スラグを得た。混合破砕スラグの粒度分布は、表1に示すように目開き4.75mmの篩を53.6重量%通過するものであった。
この混合破砕スラグに48時間蒸気を供給して蒸気エージングを行った。表1に示すように、水浸膨張比は0.18%であった。
(実施例8)
実施例7と同一ロットの二次精錬スラグ30重量部に、実施例1と同一ロットの高炉徐冷スラグ70重量部を混合し、表1に示すように目開き4.75mmの篩を52.4重量%通過するような粒度分布に調整した後、48時間蒸気を供給した以外は、実施例1と同様にして蒸気エージングを行った。水浸膨張比は、表1に示すように実施例7より小さく0.09%であった。
(比較例1)
実施例1と同一ロットの溶銑予備処理スラグ50重量部に実施例1と同一ロットの高炉徐冷スラグ50重量部を混合し、この混合スラグを目開き4.75mmの篩を60重量%より多く通過するような粒度分布になるように細かく破砕し、混合破砕スラグを得た。混合破砕スラグの粒度分布は、表1に示すように目開き4.75mmの篩を69.0重量%通過するものであった。
得られた混合破砕スラグに48時間蒸気を供給し、実施例1と同様にして蒸気エージングを行った。実施例1よりエージング時間が長かったにもかかわらず、水浸膨張比は、表1に示すように実施例1より大きく0.36%であった。
(比較例2)
実施例5と同一ロットの溶銑予備処理スラグ70重量部に実施例5と同一ロットの高炉徐冷スラグ30重量部を混合し、この混合スラグを目開き4.75mmの篩を60重量%より多く通過するような粒度分布になるように細かく破砕し、混合破砕スラグを得た。混合破砕スラグの粒度分布は、表1に示すように目開き4.75mmの篩を62.9重量%通過するものであった。
得られた混合破砕スラグに48時間蒸気を供給し、実施例1と同様にして蒸気エージングを行った。水浸膨張比は、表1に示すように0.31%であった。
(比較例3)
高炉徐冷スラグを混合せずに、実施例1と同一ロットの溶銑予備処理スラグに48時間蒸気を供給し、実施例1と同様にして蒸気エージングを行った。なお、溶銑予備処理スラグの粒度分布は、表1に示すように、目開き4.75mmの篩を62.4重量%通過するものであった。
エージングを終了したスラグの水浸膨張比は、表1に示すように0.52%であった。
(比較例4)
高炉徐冷スラグを混合せずに、実施例7と同一ロットの二次精錬スラグに48時間蒸気を供給し、実施例1と同様にして蒸気エージングを行った。なお、二次精錬スラグの粒度分布は、表1に示すように、目開き4.75mmの篩を61.6重量%通過するものであった。
エージングを終了したスラグの水浸膨張比は、表1に示すように0.72%であった。
以上のように実施例1〜4の結果から、高炉徐冷スラグの混合割合が増えるにつれ、24時間の蒸気エージングで水浸膨張比を低下させることができ、少ない蒸気量でエージングを促進できることが明らかになった。またロットの異なる溶銑予備処理スラグや高炉徐冷スラグを用いた場合も、目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布になるように調整することで、実施例5及び6に示すように、エージングを促進し水浸膨張比を低下させることが明らかになった。特に、溶銑予備処理スラグ30重量部に高炉徐冷スラグを70重量部混合した実施例3、実施例6の場合に、水浸膨張比を著しく小さくできることが明らかになった。これは、エージング時の蒸気の通りが良く遊離CaOの水和反応が進行し易くなることに加え、ポゾラン反応によってエージングが促進されたためであると推察された。
また、比較例1のように溶銑予備処理スラグ50重量部に高炉徐冷スラグ50重量部を混合した混合スラグを、目開き4.75mmの篩を60重量%より多く通過するような粒度分布になるように細かく破砕した場合は、高炉徐冷スラグの混合割合が同じ実施例4よりも水浸膨張比が大きくなることがわかった。また、比較例2のように、溶銑予備処理スラグ70重量部に高炉徐冷スラグ30重量部を混合した混合スラグを目開き4.75mmの篩を60重量%より多く通過するような粒度分布になるように細かく破砕した場合も、水浸膨張比が大きくなることがわかった。これは、エージング時の蒸気の通りが悪く、堆積された中心部付近のスラグに含まれる遊離CaOの水和反応が進行し難いからであると推察された。
また、高炉徐冷スラグを混合していない比較例3の場合は、実施例1〜6や比較例1,2の場合よりも水浸膨張比が著しく大きく、蒸気エージングの効果に欠けることがわかった。
同様の傾向は、二次精錬スラグを用いた実施例7〜8、比較例4の場合にもみられ、高炉徐冷スラグを混合していない比較例4の場合は、実施例7〜8の場合よりも水浸膨張比が著しく大きく、蒸気エージングの効果に欠けることがわかった。
以上のように本実施例によれば、堆積された溶銑予備処理スラグや二次精錬スラグの粒子間に大きな隙間が形成されるので蒸気の通りが良く、堆積された中心部付近のスラグに含まれる遊離CaOの水和反応も進行し易く、またエージング時間を短くできるので蒸気の消費量も少なくランニングコストも低減でき生産性に優れ、またポゾラン反応によってエージングを促進できることが明らかになった。
なお、溶銑予備処理スラグや二次精錬スラグと高炉徐冷スラグを混合した混合スラグを破砕するのではなく、溶銑予備処理スラグや二次精錬スラグと高炉徐冷スラグを別々に破砕し、破砕した各スラグを混合し所定の粒度分布に調整した粒度調整スラグについて同様の実験を行ったところ、同様の傾向が得られた。
以上のことから、本実施例によれば、溶銑予備処理スラグや二次精錬スラグ等の製鋼スラグと高炉徐冷スラグを混合し破砕する順序、スラグの種類に関わらず、エージングを促進できることが明らかになった。
本発明は、溶銑予備処理スラグや二次精錬スラグ等の製鋼スラグを強制的にエージングするスラグのエージング方法に関し、堆積されたスラグの粒子間に大きな隙間が形成されるので蒸気の通りが良く、堆積された中心部付近のスラグに含まれる遊離CaOの水和反応も進行し易く、斑無くエージング処理でき品質のばらつきを少なくでき、またエージング時間を短くできるので蒸気の消費量も少なくランニングコストも低減でき生産性に優れ、またポゾラン反応によってエージングによるスラグの細粒化を防止できるとともに、エージングを促進できるスラグのエージング方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 製鋼スラグに高炉徐冷スラグを混合して混合スラグを得る混合工程と、
    前記混合スラグを、目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布になるように破砕して混合破砕スラグを得る混合スラグ破砕工程と、
    前記混合破砕スラグに蒸気を供給する蒸気処理工程と、
    を備えていることを特徴とするスラグのエージング方法。
  2. 高炉徐冷スラグを破砕して破砕スラグを得る高炉徐冷スラグ破砕工程と、
    製鋼スラグに前記破砕スラグを混合し、目開き4.75mmの篩を30〜60重量%通過するような粒度分布に調整した粒度調整スラグを得る粒度調整工程と、
    前記粒度調整スラグに蒸気を供給する蒸気処理工程と、
    を備えていることを特徴とするスラグのエージング方法。
  3. 前記混合スラグの総重量100重量部に対し前記高炉徐冷スラグを40〜80重量部混合させた、又は、前記粒度調整スラグの総重量100重量部に対し前記破砕スラグを40〜80重量部混合させたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスラグのエージング方法。
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