JPH0762296A - ポリイミド樹脂塗料及びそれを用いた塗膜の形成方法 - Google Patents

ポリイミド樹脂塗料及びそれを用いた塗膜の形成方法

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JPH0762296A
JPH0762296A JP21566093A JP21566093A JPH0762296A JP H0762296 A JPH0762296 A JP H0762296A JP 21566093 A JP21566093 A JP 21566093A JP 21566093 A JP21566093 A JP 21566093A JP H0762296 A JPH0762296 A JP H0762296A
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JP
Japan
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polyimide
coating film
polyimide resin
resin coating
powder
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Withdrawn
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JP21566093A
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English (en)
Inventor
Takashi Yoshiyama
隆士 吉山
Shigeo Hasegawa
繁夫 長谷川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 取扱いが容易で耐熱性に優れたポリイミド樹
脂塗料及びそれを用いたポリイミド樹脂塗膜の形成方法
に関する。 【構成】 架橋反応が可能な不飽和結合を有する熱可塑
性のポリイミド前駆体を乾燥、粉砕した粉末よりなるポ
リイミド樹脂塗料及びこの塗料を金属などの基体の表面
に散布し、140〜220℃に加熱して連続被膜を形成
させたのち、250〜290℃に加熱して硬化させるポ
リイミド樹脂塗膜の形成方法 【効果】 塗装作業に際して有機溶媒を取扱う必要がな
く、取扱が容易で、金属材料などの基材の耐熱性を要求
される部位に、均一なポリイミド樹脂塗膜を形成するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は取扱いが容易で耐熱性に
優れたポリイミド樹脂塗料及びそれを用いたポリイミド
樹脂塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は最も耐熱性に優れた樹
脂の一つであり、排煙脱硫装置、ガス精製プラント、火
力発電プラントなどにおける機器配管など、耐熱性が要
求される部位の金属材料の塗装に使用される材料であ
る。従来、ポリイミド樹脂の塗膜を形成させる方法とし
ては、原料のポリカルボン酸化合物とポリアミン化合物
とを反応させ、アミド化及びイミド化の工程を経てポリ
イミド樹脂を製造する中間生成物あるいはモノマー原料
を、N−メチル─2─ピロリドンなどの溶剤に溶解させ
た塗料を、金属などの基体の表面に塗布し、250℃以
上の温度に加熱することによって硬化させ強固な被膜を
形成させる方法がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のポリイミド樹脂
を生成する中間物質を溶剤に溶解させたポリイミド樹脂
塗料を金属などの基体表面に塗布する場合、塗料の粘度
が高いため均一な塗膜を形成することが難しく、また加
熱硬化の際に塗膜は表面から硬化するため、N−メチル
─2─ピロリドンなどの溶剤が膜中に残って気泡とな
り、被膜に無数のボイドを発生させる。このボイドの発
生を避けるため、加熱速度を遅くすると、均一な被膜を
形成するためには長時間を必要とし、施工条件が難しく
なるため工業的にはほとんど適用されていないのが実状
である。本発明は、前記従来技術の問題点を解決し、簡
単な操作により優れた耐熱性と耐蝕性を有し、均一かつ
強固な塗膜が得られるポリイミド樹脂塗料及びポリイミ
ド樹脂塗膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)架橋反
応が可能な不飽和結合を有する熱可塑性のポリイミド前
駆体を乾燥、粉砕した粉末よりなることを特徴とするポ
リイミド樹脂塗料及び(2)架橋反応が可能な不飽和結
合を有する熱可塑性のポリイミド前駆体の粉末を基体の
表面に散布し、140〜220℃に加熱して連続被膜を
形成させたのち、250〜290℃に加熱して硬化させ
ることを特徴とするポリイミド樹脂塗膜の形成方法であ
る。
【0005】本発明で使用するポリイミド前駆体の粉末
は、次のようにして調製することができる。不飽和結合
を有するジカルボン酸化合物を含む芳香族テトラカルボ
ン酸類などのポリカルボン酸化合物及び芳香族ジアミン
類などのポリアミン化合物をN−メチル−2−ピロリド
ンなどの溶剤に溶解し、約110℃以下の温度に加熱し
て反応させてアミド化し、次いで約220℃以下の温度
に加熱してイミド化する。ここで得られるポリイミド化
合物もポリイミド樹脂ではあるが、溶剤可溶性で熱可塑
性を有し、さらに加熱することにより不飽和結合が架橋
して硬化し、耐熱性の優れたポリイミド樹脂となるの
で、本明細書においてはポリイミド前駆体と称する。
【0006】このポリイミド前駆体の溶液から溶剤を除
去して得られる固形物を粉砕し、ポリイミド前駆体の粉
末とする。ポリイミド前駆体の粉末の平均粒子径は50
0μm以下であれば均一な膜厚の被膜を得ることができ
る。平均粒径が500μmを超えると、被膜を形成する
ための溶融に長時間を要し、表面が波打ち、均一膜厚の
被膜を得にくくなるので好ましくない。一方、粒子径が
細かくなっても物性上は支障ないが、粒子径が余り細か
くなり過ぎると粉砕操作あるいは粉末の取扱が難しくな
るので、平均粒径は50〜500μmの範囲が好まし
く、100〜400μmの範囲が特に好ましい。
【0007】原料のポリカルボン酸化合物の例としては
5−ノルボルネン−2,3ジカルボン酸モノメチルエス
テル、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸ジメチルエステルなどがあげられる。また、
ポリアミン化合物の例としては4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタンなどの芳香族ジアミン類があげられる。
【0008】このようにして得られたポリイミド前駆体
の粉末を、炭素鋼などの金属基体表面に均一に散布し、
140〜220℃に加熱するか、予め加熱した金属基体
表面に粉末を散布することによりポリイミド前駆体は溶
融し連続被膜が形成される。管内に付着させる場合に
は、加熱した管に粉体を投入し、一定速度で回転させる
と、溶融した樹脂分が管内に均一の厚みで付着させるこ
とができる。また、溶射方や流動浸漬法によっても曲面
や管に熱融着により均一な厚みで付着させることができ
る。このようにして均一の厚みに付着させた被膜を、さ
らに250〜290℃に加熱して硬化させることにより
ポリイミド樹脂塗膜が得られる。
【0009】
【作用】ポリイミド樹脂は、反応性モノマーであるポリ
カルボン酸化合物と芳香族ジアミンとをN−メチル─2
─ピロリドンなどの溶剤に溶解させ、加熱していくこと
により、次の3段階の反応を経て形成される。 (1)室温から110℃付近に加熱する段階で起こるア
ミド化反応 (2)110℃付近から220℃付近までの範囲で起こ
るイミド化反応 (3)250℃以上の温度で起こる架橋反応 この反応の途中段階の(2)で得られるポリイミド化合
物(本発明でいうポリイミド前駆体)は、熱可塑性を示
す樹脂であり、さらに加熱することによりポリイミド樹
脂となって硬化する。
【0010】本発明の方法においては、ポリイミド樹脂
生成の中間段階で得られるポリイミド前駆体を、一旦溶
剤から分離して十分乾燥、粉砕した粉末を金属基体表面
に散布し140〜220℃に加熱、溶融させて連続被膜
を形成させるか、予め加熱した金属基体表面に粉末を散
布し、散布と同時に溶融させて連続被膜を形成させたの
ち、250〜290℃に加熱して硬化させることによ
り、強固で均一なポリイミド樹脂の塗膜を得ることがで
きる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法をさらに具
体的に説明する。 (実施例1)5−ノルボルネン−2,3ジカルボン酸モ
ノメチルエステル5重量部、3,3′,4,4′−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸ジメチルエステル5重量部
及び4,4′−ジアミノジフェニルメタン5重量部をN
−メチル─2─ピロリドン100重量部に溶解し、11
0℃で4時間加熱してアミド化し、次いで220℃で4
時間加熱してイミド化反応を進めたのち、溶剤を除去し
乾燥、粉砕した。この粉砕物を50μm以下、50μm
を超え200μm以下、200μmを超え500μm以
下、及び500μmを超え800μm以下の4段階にふ
るい分けし、平均粒径の異なる4種類の粉末(塗料)を
得た。
【0012】この粉末(塗料)を、脱脂洗浄した縦15
0mm、横70mm、厚さ3mmの炭素鋼の表面に散布
し、150℃に加熱して連続被膜を形成させたのち、2
70℃に加熱して硬化させ、膜厚100μmのポリイミ
ド樹脂塗膜を形成させた。さらに、同様の方法により膜
厚150μm及び200μmのポリイミド樹脂塗膜を形
成させ、これらの供試体の塗装面を観察した結果を表1
に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1の結果から、平均粒径が500μmを
超える粉末を使用した供試体No.10〜12では塗装
面が不均一となり表面性の低下が認められるが、平均粒
径が500μm以下の粉末を使用した供試体No.1〜
9では均一で良好な塗膜が得られていることがわかる。
【0015】
【発明の効果】本発明の塗料及びそれを用いたポリイミ
ド樹脂塗膜の形成方法は、塗装作業に際して有機溶媒を
取扱う必要がなく、取扱が容易で、金属材料などの基材
の耐熱性を要求される部位に、均一なポリイミド樹脂塗
膜を形成することができ、その工業的価値は大きいもの
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋反応が可能な不飽和結合を有する熱
    可塑性のポリイミド前駆体を乾燥、粉砕した粉末よりな
    ることを特徴とするポリイミド樹脂塗料。
  2. 【請求項2】 ポリイミド前駆体の粉末の平均粒径が5
    00μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    ポリイミド樹脂塗料。
  3. 【請求項3】 架橋反応が可能な不飽和結合を有する熱
    可塑性のポリイミド前駆体の粉末を基体の表面に散布
    し、140〜220℃に加熱して連続被膜を形成させた
    のち、250〜290℃に加熱して硬化させることを特
    徴とするポリイミド樹脂塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 ポリイミド前駆体の粉末の平均粒径が5
    00μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の
    ポリイミド樹脂塗膜の形成方法。
JP21566093A 1993-08-31 1993-08-31 ポリイミド樹脂塗料及びそれを用いた塗膜の形成方法 Withdrawn JPH0762296A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004523894A (ja) * 2000-12-29 2004-08-05 ラム リサーチ コーポレーション 低汚染プラズマチャンバ構成部品とその製造方法
WO2013015336A1 (ja) * 2011-07-28 2013-01-31 富士フイルム株式会社 ガス分離複合膜、その製造方法、それを用いたガス分離モジュール、ガス分離装置およびガス分離方法

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