JPH0762279B2 - ステンレス鋼の中性塩電解脱スケール方法 - Google Patents
ステンレス鋼の中性塩電解脱スケール方法Info
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- JPH0762279B2 JPH0762279B2 JP3216459A JP21645991A JPH0762279B2 JP H0762279 B2 JPH0762279 B2 JP H0762279B2 JP 3216459 A JP3216459 A JP 3216459A JP 21645991 A JP21645991 A JP 21645991A JP H0762279 B2 JPH0762279 B2 JP H0762279B2
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Description
電解脱スケール方法に関し、とくにステンレス鋼の連続
焼鈍酸洗ラインに用いられる中性塩電解液の回収再利用
を図るための脱スケール技術について提案する。
鈍や焼入れなどを酸化性雰囲気中で行うので、鋼帯表面
に酸化スケールが生成し、そのためこの酸化スケールを
除去することが必要となる。その脱スケールのための処
理は、硫酸、塩酸、硝弗酸(硝酸と弗酸の混合酸)など
を用いた酸洗が一般的に用いられているが、ステンレス
鋼冷延鋼帯に形成される酸化スケールは緻密で強固であ
るので完全に脱スケールするのはなかなか困難である。
公報や特開平1−96398 号公報などに開示されているよ
うな、中性塩電解液によるステンレス鋼帯の脱スケール
方法が提案されている。これらの従来技術は、単に脱ス
ケール処理の効率や酸洗後の表面性状の向上を目指す技
術であり、中性塩電解液の管理を目的としたものではな
い。
スケール処理に当たって、環境問題を含めて安定した脱
スケール処理の実現のためには、その電解液の管理が重
要であることが判ってきた。この点、前記各従来技術
は、上述したように、このような電解液の管理技術は確
立されていないのが実情である。すなわち、これらの技
術における電解液の管理というのは、中性塩電解液中の
6価クロム濃度を制御することである。しかも、その管
理方法も実際には、電解液の一部を廃液したり新液を投
入することで、前記6価クロム濃度を制御していたにす
ぎない。しかも、この廃液された使用済み中性塩電解液
は、廃液処理場へ送液され、他廃液と混合して処理され
ていた。すなわち、従来は、かかる6価クロムを管理す
る必要のために、中性塩電解液を一定量ずつ廃棄する方
法を採用していたのである。
塩電解液中の6価クロムのイオン濃度を管理する理由
は、安定した脱スケールの継続を確保するためである。
すなわち、中性塩電解液中には、アノード反応で溶出し
た6価のCrイオンと3価のFeイオンが含まれており、こ
のような電解溶液中でのカソード反応では、水素ガス発
生反応以外にCr, Feなどの金属イオンが還元され、鋼帯
表面に析出し、スケール状の物質(Cr, Feなどの酸化物
あるいは水和酸化物と思われる。)が付着する反応が生
じる。また、脱スケールに要する電気エネルギーが多大
となり、かつ電解時間も長時間を要していた。
は、少なくとも中性塩電解溶液中の前記6価Crイオンの
濃度の管理が不可欠である。にも拘わらず、上述したよ
うに従来技術では、液濃度の調整を一定量ずつ廃液する
方法で対処していたにすぎないし、これは環境問題を惹
起するものであった。それに加え、液交換により廃液さ
れた電解液は、通常使い捨てとなっていたのでコスト高
となる他、この処理がバッチ式で行われているため、濃
度管理の精度も悪いという問題があった。
る問題点を解決する技術を確立することにあり、精度の
高い電解液濃度の管理, すなわち、この電解液を廃液に
することなく、中和, 濾過, 回収して再利用を図ること
により、資源の有効利用、電解処理コストの低減をもた
らし、そして効果的なスケール除去を実現することにあ
る。
鋭意研究する中で、発明者らは、電解液にCr,Feな
どの金属イオンの溶解濃度管理を確実に行う一方で、電
解液(Na2SO4)の消費量の節約や廃水処理の負担
を軽減するには、電解液のリサイクルが効果的であるこ
とを突き止めて、本発明方法を完成した。すなわち、本
発明は、中性塩水溶液中で電解することにより脱スケー
ルするに当たり、6価クロムを含む硫酸ソーダ電解液の
一部を連続的に抜き取り、この抜き取った電解液を、メ
タ重亜硫酸ソーダ溶液を用いて還元し、中和し、そして
濾過した後、その濾液を回収し、再び前記電解液として
使用することを特徴とするステンレス鋼の中性塩電解脱
スケール方法である。
硫酸ソーダ溶液にて3価のクロムに還元したのちのこの
電解液は、苛性ソーダ溶液にて中和することにより、そ
の3価クロムを水酸化クロムとして析出除去する。
ことにある。還元反応に用いるメタ重亜硫酸ソーダ(還
元剤)が、反応後は電解に必要な硫酸ソーダとなり、い
わゆるこの還元剤が電解液として何ら悪影響を及ぼさな
いことを知見して開発した技術である。
電解液とともに還元槽内に供給すると、この槽内では下
記のように反応して、溶液中の6価のクロムは3価クロ
ムに還元される。 4H2CrO4+6NaHSO3+3H2SO4 =2Cr2(SO4)3 +3Na2SO4+10H2O 2H2Cr2O7 +6NaHSO3+3H2SO4 =2Cr2(SO4)3 +3Na2SO4+8H2O
いは苛性ソーダの添加によりCr ,Fe の還元を終えた
溶解液(電解液)は、次に中和槽に導入して中和する。
この中和槽での反応は、下記のように3価クロムを水酸
化クロムに変化させるものである。 Cr2(SO4)3 +6NaOH → 2Cr(OH)3 +3Na2SO4
化クロムは濾過操作により系外に除去する。一方で、濾
液の方は、回収し再度電解液として利用するリサイクル
処理を行う。なお、6価のCrを還元することなく中和す
るだけの処理では、この6価のCrは液中に溶解している
ために有効に除去することができない。
ン内酸洗設備に本発明を適用した例を説明する。この実
施例においては、図1に示す通り、焼鈍を終えた鋼帯1
をオンラインタンク内に通板して酸洗する際、脱スケー
ルに使用した電解液をリザーブタンク2より連続的に一
定量抜き取り還元槽3に導入した。そして、この還元槽
3内には、PH調整用の硫酸(H2SO4) または苛性ソーダ
を添加し、液の pHを2〜5の間に調整した後メタ重亜
硫酸ソーダを添加し、溶液中の6価クロムを3価クロム
に還元した。
計(PH計)、酸化還元電位計(ORP計)で投入薬液
量を調整しながら最適条件にて還元を行った。
ると共に、そこには苛性ソーダを添加して反応させるこ
とにより、3価クロムを水酸化クロムとし析出させた。
この苛性ソーダの投入量は、PH計で調整した。またこ
のとき、Crの外、Ni, Feも中和することにより水酸化ニ
ッケル, 水酸化鉄となり、析出する。
等の濾過器5を使用して固液分離を行い、濾液の方は回
収して前記リザーブタンク2に戻した。このようにして
回収した中性塩溶液は、再びオンラインタンクへ戻し、
循環再使用した。
る中性塩の追加供給(新液)については、濃度計により
液状で保存されている高濃度の中性塩溶液を前記リザー
ブタンク2に切り出すことにより行った。
還元時のPHは2〜5、ORP値は80〜200 、中和槽の
PHは5〜8であった。
収した中性塩電解液は、表1に示すとおり、回収液は充
分電解質溶液として使用できることが確認できた。
各組成を表2に示す。
の如きリサイクルによって6価のCrイオンが大きく減少
し、しかも得られた再生液を用いた酸洗によっても良好
な酸洗結果が得られることが判明した。
ば、中性塩電解液を還元・中和して循環使用することが
可能となるので廃液にすることがなくなり、それ故に中
性塩電解液の使用量を低減することができるだけでな
く、効果的なスケール除去も可能である。また、中性塩
中に含まれる固形物(SS)も濾過することで除去する
ことが可能であることから、従来電解槽内に堆積してい
たスラッジの処理も省略できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 中性塩水溶液中で電解することにより脱
スケールするに当たり、6価クロムを含む硫酸ソーダ電
解液の一部を連続的に抜き取り、この抜き取った電解液
を、メタ重亜硫酸ソーダ溶液を用いて還元し、中和し、
そして濾過した後、その濾液を回収し、再び前記電解液
として使用することを特徴とするステンレス鋼の中性塩
電解脱スケール方法。 - 【請求項2】 電解液中の6価クロムをメタ重亜硫酸ソ
ーダ溶液にて3価のクロムに還元したのちのこの電解液
は、苛性ソーダ溶液にて中和することにより、その3価
クロムを水酸化クロムとして析出除去するようにしたこ
とを特徴とする請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3216459A JPH0762279B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | ステンレス鋼の中性塩電解脱スケール方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3216459A JPH0762279B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | ステンレス鋼の中性塩電解脱スケール方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0539600A JPH0539600A (ja) | 1993-02-19 |
JPH0762279B2 true JPH0762279B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=16688827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3216459A Expired - Lifetime JPH0762279B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | ステンレス鋼の中性塩電解脱スケール方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0762279B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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AT406486B (de) * | 1998-12-22 | 2000-05-25 | Andritz Patentverwaltung | Verfahren zum beizen von edelstahl |
AT517710B1 (de) * | 2016-04-13 | 2017-04-15 | Andritz Ag Maschf | Verfahren zum elektrolytischen beizen von metallbändern |
Family Cites Families (5)
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JPS4915252A (ja) * | 1972-05-31 | 1974-02-09 | ||
JPS5057993A (ja) * | 1973-09-25 | 1975-05-20 | ||
JPS5129373A (en) * | 1974-05-17 | 1976-03-12 | Dainippon Toryo Kk | Rohaikyushitsueki no shorihoho |
JPS51137696A (en) * | 1975-05-26 | 1976-11-27 | Hitachi Seiko Ltd | Treatment method and apparatus of iron hydroxide sludge cont. hexavalent chromium |
AT387406B (de) * | 1987-05-07 | 1989-01-25 | Andritz Ag Maschf | Verfahren zum elektrolytischen beizen von chromhaeltigem edelstahl |
-
1991
- 1991-08-02 JP JP3216459A patent/JPH0762279B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0539600A (ja) | 1993-02-19 |
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