JPH0762183B2 - 高純度チタンの精製方法 - Google Patents

高純度チタンの精製方法

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JPH0762183B2
JPH0762183B2 JP3031918A JP3191891A JPH0762183B2 JP H0762183 B2 JPH0762183 B2 JP H0762183B2 JP 3031918 A JP3031918 A JP 3031918A JP 3191891 A JP3191891 A JP 3191891A JP H0762183 B2 JPH0762183 B2 JP H0762183B2
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    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B34/00Obtaining refractory metals
    • C22B34/10Obtaining titanium, zirconium or hafnium
    • C22B34/12Obtaining titanium or titanium compounds from ores or scrap by metallurgical processing; preparation of titanium compounds from other titanium compounds see C01G23/00 - C01G23/08
    • C22B34/129Obtaining titanium or titanium compounds from ores or scrap by metallurgical processing; preparation of titanium compounds from other titanium compounds see C01G23/00 - C01G23/08 obtaining metallic titanium from titanium compounds by dissociation, e.g. thermic dissociation of titanium tetraiodide, or by electrolysis or with the use of an electric arc

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沃化物熱分解法による
高純度チタンの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のLSIの急速な集積度の増大によ
り、LSIに使用される電極材料は、より高純度で高強
度なものに移行しつつある。例えば、電極配線の細線化
による信号遅延を解決するために、従来多用されてきた
ポリシリコンに替わって、より低抵抗な高純度高融点金
属材料が注目を集めている。LSIの電極に使用される
高純度高融点金属材料としては、モリブデン,タングス
テン,チタンあるいはそれらのシリサイドがあり、なか
でもチタンは優れた比強度、加工性および耐食性を有す
ることから、特に有望とされている。
【0003】チタンが半導体用電極材料として使用され
るためには、高純度であることが必須である。高純度チ
タンを得るための精製方法としては、沃化物熱分解法
(沃土法とも呼ばれる)が代表的である。沃化物熱分解
法による従来の高純度チタン精製方法を図3により説明
する。
【0004】電気炉21内に収容された反応器22内の
軸心部に析出基体23が保持されると共に、析出基体2
3を取り囲むように粗チタン24が反応器22内に保持
される。この状態で、反応器22内をポンプ28により
真空排気した後、沃素容器26内の沃素を反応器22内
に導入する。これにより、反応器22内では式1および
式2の反応がおこる。この後、析出基体23を電源25
により加熱し、Ti析出を開始する。
【0005】
【式1】粗Ti+2I2 →TiI4 (合成反応)
【0006】
【式2】TiI4 →高純度Ti+2I2 (熱分解反応)
【0007】粗チタン24と沃素との合成反応は、粗チ
タン24が保持されている反応器22内の周辺部で進
み、反応温度は200〜400℃である。粗チタン24
と沃素との合成により得られた四沃化チタンの熱分解反
応は、反応容器22内の軸心部の析出基体23上で進
み、析出基体23上に高純度チタンを析出させる。熱分
解反応の反応温度は1300〜1500℃である。四沃
化チタンの熱分解で副生した沃素は、反応器22内の周
辺部に拡散して粗チタン24と沃素との合成反応に循環
使用される。
【0008】析出基体23としては、高純度チタンから
なる外径が0.1〜2mmの細いワイヤフィラメントが通
常使用されるが、一部では、板状の析出基体も試みられ
ている(特開昭62−294175号公報および特開平
2−73925号公報)。原料チタンである粗チタン2
4については、スポンジチタン、ダライ状チタン等のチ
タンが粒塊状のままで、モリブデン網27等に収容され
て反応器22内に保持される。反応器22としては、石
英製や金属製のものが使用され、高温での沃素、沃化チ
タンによるガス腐食を防止するために、モリブデンライ
ニングを施す例は多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の沃化
物熱分解法による高純度チタンの精製では、次の3つの
問題があった。
【0010】第1の問題は、析出基体としてワイヤフィ
ラメントを用いることによる生産性の低下である。即
ち、析出基体として外径0.1〜2mmの細いワイヤフィ
ランメトを用いると、反応開始初期の析出基体表面積が
小さいために、析出速度が遅く、生産性が悪いのであ
る。また、ワイヤフィラメントは通電加熱でしか加熱で
きない。通電加熱では、反応の進行に伴ってフィラメン
ト径が増大することにより、電気抵抗が変化するため
に、全体的な温度コントロールが難しく、析出域での温
度均一化も難しい。そして、フィラメントの温度が低い
部分では、沃化チタンあるいは沃素によるエッチング現
象が発生し、断線のおそれがあった。特に、フィラメン
トと電極導入部との接続部分には、断線が多発した。逆
に、局所的に加熱した部分では、溶融による断線のおそ
れがあった。
【0011】なお、一部で試みられている板状の析出基
体を用いれば、反応開始期の析出基体表面積が増大し、
生産性の低さは解消される。しかし、板状の析出基体も
通電加熱でしか加熱されず、通電加熱に伴う温度管理の
困難は何ら解決されない。ワイヤ状、板状の析出基体が
通電加熱でしか加熱できないのは、析出基体が反応器内
の軸心部に保持されるために、析出基体へヒータの発生
熱を伝えることが不可能なためである。
【0012】第2の問題は、原料チタンである粗チタン
に関する問題である。粗チタンとしてはスポンジチタ
ン、ダライ状チタンが粒塊状のままで使用される。粒塊
状の粗チタンは、反応器内に装入される際、そのままで
は形状を保てないため、モリブデン等の耐食性金属から
なる網を用いて固定されるが、固定強度が弱く、崩壊の
おそれがある。そのため、反応器内へ大量に原料を装填
することが難しく、装置の大規模化に限度があった。
【0013】第3の問題は、反応器に関する問題であ
る。反応器の材質としては、従来より石英あるいはステ
ンレス、インコネル、ハステロイ等の金属が用いられて
いる。そして、高温での沃素、沃化チタンによるガス腐
食を防止するため、反応器の内面はモリブデン層でライ
ニングされるのが一般的であった。モリブデンは耐食性
に優れるが、粉末焼結のため脆くて割れやすく、反応炉
の組立て解体時に原料チタン等と衝突すると、破損のお
それがあり、繰り返し使用できない難点があった。
【0014】本発明は、上記問題を解決するもので、生
産性が高く、しかも、析出基体の温度制御が簡単で、制
御精度も高い高純度チタンの精製方法を提供することを
目的とする。本発明の他の目的は、原料チタンの大量装
填が可能な高純度チタンの精製方法を提供することにあ
る。本発明の更に他の目的は、反応器の繰り返し使用が
可能な高純度チタンの精製方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の高純度チタンの
精製方法は、沃化物熱分解法による高純度チタンの精製
において、高純度チタンを析出させる基体として管を用
ると共に、該管を隔壁として用いることにより、高純
度チタンの析出反応が行われる反応空間から隔離された
空間を形成し、その形成された空間に配設された間接加
熱手段により前記管を管内外のいずれかの側から加熱
し、反対側の管表面にのみ高純度チタンを析出させる
に特徴がある。
【0016】原料チタンとして使用する粗チタンは、粒
塊状チタンを圧縮成形したコンパクトチタンとするのが
よい。管と共に反応空間を形成する反応器は、反応ガス
との接触面にAu,Pt,Taのいずれかを被覆した構
造とするのがよい。
【0017】
【作用】析出基体を管とすることにより、管内外に独立
した空間を形成することができる。独立した空間の一方
を反応空間とし、他方の空間に、管を間接加熱するヒー
タ等の加熱手段を配設すれば、その間接加熱手段は、管
に全長にわたって近接され、しかも、反応空間からは隔
離される。従って、析出基体の間接加熱が可能になり、
且つその間接加熱により、反応器の器壁および反応空間
を介さずに析出基体を効率よく加熱することかできる。
高純度チタンは、加熱側とは反対側の管表面に析出され
る。ヒータ等による間接加熱では、析出基体である管が
チタン析出量に影響されることなく加熱され、且つ、管
軸心方向の温度分布が均一化される。ヒータ等の間接加
熱手段が配設される加熱空間を真空排気すれば、析出チ
タンの不純物汚染が完全に防止される。
【0018】管は、これとは別に、直径および長が任意
に選択できるため、フィラメントに比して析出表面積を
格段に拡大できる。しかも、チタン析出に伴う管径の増
大(厚肉化)は、析出時間に対して緩やかであり、沃化
物反応を安定した反応条件下で行うことができる。ま
た、板状の析出基体と比べても次の利点がある。板状の
析出基体を加熱する際、場所ごとの温度不均一が発生
し、析出にムラが出来、場合によっては逆にエッチング
のおそれがある。また、析出進行に伴う抵抗の変化が大
きく温度コントロールが困難である。管にはこれらの問
題も生じない。更に、管の材質として、析出チタンとほ
ぼ同純度の高純度チタンを使用すれば、反応後のチタン
は全て製品として使用することもできる。
【0019】圧縮成形されたチタンコンパクトは、安定
性よく積み上げることができるので、反応空間に大量に
装填され得る。反応器の反応ガスとの接触面に被覆され
たAu,Pt,Taは、高温での沃素、沃化チタンに対
する耐食性に優れる上に、展延性に優れ、モリブデンの
ような割損等のおそれがない。
【0020】
【実施例】図1は本発明法の代表的な実施態様を示す模
式図である。
【0021】反応器1は、ステンレス、インコネル、ハ
ステロイ等からなる円筒状の気密容器で、加熱炉2内に
挿入されている。反応器1の内面にはAu、Pt、Ta
のいずれかが2mm以下の厚みに被覆されている。反応
器1には、捕集器3を介して真空ポンプ4が接続される
と共に、電気炉5内に収容された四沃化チタン容器6
が、バルブ12を介して接続されている。
【0022】析出基体としては、高純度のチタン管7が
用いられている。チタン管7はU状に湾曲されて、反応
器1内に挿入されている。チタン管7により、反応器1
内は管外の反応空間と管内の加熱空間とに分割される。
チタン管7の内部は、反応器1の上方に連結された排気
用のチャンバ8内に連通している。チャンバ8内は、真
空ポンプ9により反応器1内とは別に真空排気される。
チタン管7の内部には、間接加熱手段としてカーボンヒ
ータ等のヒータ10が挿通されている。ヒータ10は、
チャンバ8に支持され、外部電源11により温度コント
ロールされる。ヒータ10としては、長手方向に1段ま
たは多段に温度制御の行われるものを使用する。チタン
管7の測温は、放射温度計あるは熱電対等により間接的
にあるいは直接的に行う。
【0023】チタンの精製を行う際には、まず、反応器
1内に析出原料としての粗チタン13を装填する。粗チ
タン13としては、スポンジチタンをプレスにより円柱
状、ドーナツ状、円筒状あるいはそれらを多分割した形
状に圧縮成形したチタンコンパクトを使用する。チタン
コンパクトは、反応器1の内周面に沿って適当数積み重
ねられる。このとき、粗チタン13の固定の確実を期す
るため、モリブデン網等を用いて周囲を補強してもよ
い。粗チタン13とチタン管7との間には通常20〜2
00mm程度の間隙が確保される。
【0024】反応器1内に粗チタン13が装填される
と、チタンの精製を開始する。ここで行われるチタンの
精製は、本発明者らが先に開発した四沃化チタンを使用
するものである(特願平2−11089)。この精製方
法は、反応器内に粗チタンを保持し、その粗チタンに四
沃化チタンを反応させて低級沃化チタンを合成するとと
もに、合成された低級沃化チタンを熱分解して高純度チ
タンを析出させる。
【0025】低級沃化チタンとは、TiI2 ,TiI3
のことで、四沃化チタンと比べて合成反応温度が高く、
熱分解反応温度が低い。この精製方法では、低級沃化チ
タンの反応温度の低さを活用するために、反応器内で一
旦、粗チタンに四沃化チタンを反応させて低級沃化チタ
ンを合成し、この低級沃化チタンを介して高純度チタン
を得る。低級沃化チタンの反応機構は明確でないところ
があるものの、反応器内では一応式3および式4の反応
が進行していると推定される。
【0026】
【式3】粗Ti+TiI4 →TiI2 (合成反応)
【0027】
【式4】TiI2 →高純度Ti+TiI4 (熱分解反
応)
【0028】粗チタンと四沃化チタンとの反応による低
級沃化チタンの合成は、四沃化チタンの合成よりも高温
の700〜900℃程度で行われ、低級沃化チタンが直
接ガス状で得られる。また、低級沃化チタンの合成温度
では、未反応および熱分解に伴って生成した四沃化チタ
ンもガス状態に維持される。従って、反応器内の沃化ガ
ス(低級沃化チタンおよび四沃化チタン)が粗チタン表
面を覆うおそれがなく、その合成反応が安定して継続さ
れる。合成された低級沃化チタンは、四沃化チタンより
も熱分解が容易で、熱分解温度を1100〜1300℃
程度に下げることができる。従って、チタン析出ガス源
としての低級沃化チタンに含まれる金属不純物の熱分解
が阻止され、金属不純物が析出チタンに混入するおそれ
がなくなる。
【0029】反応中に反応器内へ四沃化チタンを連続的
あるいは間欠的に供給する一方で、反応器内より沃化チ
タン(四沃化チタンおよび低級沃化チタン)を連続的あ
るいは間欠的に排出すれば、粗チタンより沃化チタンガ
ス中へ放出した金属不純物あるいはガス不純物が逐一反
応器外へ排出され、反応器内の沃化チタンガス中に金属
不純物あるいはガス不純物が濃縮されるおそれがなくな
る。
【0030】このような方法でチタンの精製を行うため
には、まず反応器1内を真空ポンプ4により10-1〜1
-3Torrに真空排気する。次いで、反応器1内を加
熱炉2により700〜900℃程度に加熱すると共に、
10-1〜10-3Torrに真空排気する。そして、チタ
ン管7の内部を10-4〜10-5Torrに真空排気しな
がらチタン管7を内側から1100〜1300℃に間接
加熱した後、四沃化チタン容器6より反応器1内に四沃
化チタン蒸気を供給する一方、反応器1内が10-3〜1
-1Torrに維持されるよう反応器1内の真空排気を
続ける。
【0031】これにより、反応器1内に下部より導入さ
れた四沃化チタンは、反応器1内の周辺部に保持された
粗チタン13と反応して低級沃化チタン(TiI2 ,T
iI3 )に合成される。合成された低級沃化チタンは、
ガス拡散により反応器1内の中心部に到達して、高純度
チタンをチタン管7の表面上に析出させる。この熱分解
により生じた沃素あるいは四沃化チタンは、再び粗チタ
ン13と反応して低級沃化チタンに合成される。この反
応を繰り返しながら四沃化チタン及び低級沃化チタンの
各ガス体は、反応器1内を上昇し、チタン管7に高純度
チタンを析出させ続けると共に、最終的には、四沃化チ
タンの凝縮温度以下に冷却された捕集器3にて凝縮捕集
される。捕集された沃化チタンは、四沃化チタンと低級
沃化チタン(TiI2 ,TiI3 )の混合物であるが、
低級沃化チタンは沃素と反応させることにより四沃化チ
タンに再生、リサイクルすることが可能である。
【0032】このようなチタンの精製では、析出基体と
してチタン管7が用いられている。チタン管7は、直径
及び長さが任意に選択できるため、析出表面積をフィラ
メントに比べ非常に大きくすることが可能である。ま
た、チタン析出によるチタン管7の直径変化(厚肉化)
は、析出時間に対し緩やかであり、沃化物反応を安定し
た反応条件下で行うことが可能である。チタン管7の純
度として、析出チタンはほぼ同純度のものを使用するこ
とにより、反応後のチタン管7は全て製品として使用で
きる。
【0033】チタン管7は、またヒータ10により間接
加熱される。このため、析出基体の温度コントロールが
容易であり、析出領域の均温化についても多段温調によ
り簡単に行われる。また、従来の通電加熱法に多発する
フィラメントの断線は原理的に発生しない。
【0034】チタン管10は、更に内部が反応器1内と
は独立に高真空排気される。これにより、ヒータ10か
らの金属、酸素等の不純物や、赤熱したチタン管7から
のチタン蒸気が速やかに外部へ排気され、析出チタンへ
の不純物汚染が防止される。チタン管7の温度測定は、
放射温度計や熱電対により高精度に行われる。
【0035】粗チタン13は圧縮成形されたコンパクト
チタンである。このため、粗チタン13がばらけず、反
応器1内への装填作業が非常に容易となる。また、プレ
ス圧力を変化させることにより、保持強度の調整が可能
となり、大きさは任意のものが製作可能である。大量の
原料チタンを充填できるため、装置の大型化が可能とな
る。
【0036】反応器1は内面に高温耐食性の優れたA
u,Pt,Taが2mm以下の厚みでライニングされて
いる。Au,Pt,Taは展延性に優れており、割損等
のおそれがなく、装置の大型化に対応できる。また、沃
化チタン、沃素に対し良好な耐食性を有し、この結果、
析出チタン中にAu,Pt,Taが混入する可能性はな
い。An,Pt,Taの被覆厚を2mm以下としたの
は、2mm超では加熱時の反応器壁と同被覆の熱膨張係
数の差によるゆがみが大きくなること及び非常に高価な
ものとなるからである。この被覆は、反応器1における
反応ガスとの接触面に少なくとも行う。
【0037】内径400mm、高さ800mmの反応
器、外径60mm、内径56mm、長さ1500mmの
チタン管を用い、粗チタン80kg、その加熱温度90
0℃、チタン管の加熱温度1200℃、四沃化チタンの
供給量100g/h、反応器内の圧力約10-2Torr
の条件で、チタンを実際に精製した。100時間の反応
で16kgの精製高純度チタンが得られた。比較のため
に、チタン管およびその内部のヒータを高純度チタンの
ワイヤフィラメントに換えて同様の精製を行った。10
0時間の反応で3.3kgの精製高純度チタンしか得られ
なかった。
【0038】図2は本発明の別の実施態様を示す模式図
である。チタン管7は、上下一対の分割型反応器1,1
の間に挟まれ、反応器の一部を構成している。粗チタン
13は、チタン管7内に保持され、空冷等により温度制
御される。チタン管7を加熱するヒータ10は、チタン
管7の外側に設けられている。ヒータ10は、反応空間
の加熱手段を兼ね、チタン管7と共にチャンバ8内に収
容されている。本実施態様では、チタン管7の内面に高
純度チタンが析出される。
【0039】なお、本発明法では、チタン管7への通電
加熱によりその内外面にチタンを析出させることもでき
る。また、チタン管に代えて、石英管等にチタンと反応
しにくいTa,Mo等の金属をコーティングした管等も
使用することができる。管形状はU状、直管状あるいは
その他の形状を適宜選択することができる。析出反応と
しては、以前より行われている沃素使用の反応も使用で
きる。
【0040】
【発明の効果】本発明の高純度チタンの精製方法は、析
出基体として管を用いると共に、その管を隔壁とするこ
とにより、反応空間から隔離された加熱空間を形成し
て、管を間接加熱するため、加熱効率が高く、また反応
開始時よりチタンの析出表面積が大きく、生産性を多く
することが可能である。反応進行時の表面積の変化が従
来のワイヤ析出に比べて比較的小さいため、析出条件を
一定にしやすい。ヒータ等による間接加熱が可能であ
り、これにより通電加熱に比べ、温度制御が容易で且
つ、均温化が可能であり、通電加熱法で多発する断線は
発生しない。間接加熱手段が収容される加熱空間を反応
空間に対して独立に真空排気することができる。これに
より、間接加熱手段からの金属、酸素等の不純物及び高
温加熱された析出基体からの蒸発ガスが常に排気され、
析出チタンへの不純物汚染が皆無となる。
【0041】粗チタンとして圧縮成形したコンパクトチ
タンを用いる場合には、容器内への原料装填が容易であ
り、強度も非常に強いので、大量に装填が可能となる。
この結果、装置の大型化が可能となる。展延性に優れた
Au,Pt,Taのいずれかで反応器を被覆した場合に
は、Moのような割損等の現象がなく、反応器の繰り返
し使用か可能になる。また、反応器の組立解体時の作業
性が大幅に向上し、反応器を大型化することも可能とな
る。更に、高温での沃素、沃化チタンガスに対する耐食
性も優れ、析出チタンの純度低下がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の一実施態様を示す概略図である。
【図2】本発明法の他の実施態様を示す概略図である。
【図3】従来法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 反応器 6 四沃化チタン容器 7 チタン管 10 ヒータ 13 粗チタン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沃化物熱分解法による高純度チタンの精
    製において、高純度チタンを析出させる基体として管を
    用いると共に、該管を隔壁として用いることにより、高
    純度チタンの析出反応が行われる反応空間から隔離され
    た空間を形成し、その形成された空間に配設された間接
    加熱手段により前記管を管内外のいずれかの側から加熱
    し、反対側の管表面にのみ高純度チタンを析出させる
    とを特徴とする高純度チタンの精製方法。
  2. 【請求項2】 間接加熱手段が配設された空間を真空排
    気することを特徴とする請求項1に記載の高純度チタン
    の精製方法。
  3. 【請求項3】 間接加熱手段がカーボンヒータ等のジュ
    ール熱ヒータであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の高純度チタンの精製方法。
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