JPH0762182A - ポリ塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents
ポリ塩化ビニル樹脂組成物Info
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- JPH0762182A JPH0762182A JP21533293A JP21533293A JPH0762182A JP H0762182 A JPH0762182 A JP H0762182A JP 21533293 A JP21533293 A JP 21533293A JP 21533293 A JP21533293 A JP 21533293A JP H0762182 A JPH0762182 A JP H0762182A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 燃焼時における塩化水素の発生が少ないポリ
塩化ビニル組成物を提供すること。 【構成】 ポリ塩化ビニル樹脂に対して粒子径40μm
以下の水酸化カルシウムを含有すること。
塩化ビニル組成物を提供すること。 【構成】 ポリ塩化ビニル樹脂に対して粒子径40μm
以下の水酸化カルシウムを含有すること。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃焼時における塩化水素
の発生が少ないポリ塩化ビニル樹脂組成物に関する。
の発生が少ないポリ塩化ビニル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】通常塩
化ビニル樹脂といわれるポリ塩化ビニルは、熱可塑性樹
脂中ではポリエチレンと同じく生産量の多い工業樹脂の
一つであって、一般にはビニールという名称で親しまれ
ている。ポリ塩化ビニルは、電気的に絶縁抵抗が高く、
耐薬品性、耐水性が良好であり、成形性も良く、軟質の
ものはゴムに似た可塑性を有することから、電線被覆を
はじめ、ホース、シート材、包装材ボトル、床材、壁紙
等の成形材料として日常材料として日常生活に広く使用
されている。一方、硬質のものは波板やパイプなどの建
材の分野で多用されている。
化ビニル樹脂といわれるポリ塩化ビニルは、熱可塑性樹
脂中ではポリエチレンと同じく生産量の多い工業樹脂の
一つであって、一般にはビニールという名称で親しまれ
ている。ポリ塩化ビニルは、電気的に絶縁抵抗が高く、
耐薬品性、耐水性が良好であり、成形性も良く、軟質の
ものはゴムに似た可塑性を有することから、電線被覆を
はじめ、ホース、シート材、包装材ボトル、床材、壁紙
等の成形材料として日常材料として日常生活に広く使用
されている。一方、硬質のものは波板やパイプなどの建
材の分野で多用されている。
【0003】このように、ポリ塩化ビニールは優れた性
質を有して広く日常生活に使用されているが、燃焼時に
塩化水素が発生し、燃焼炉を損傷したり、大気汚染の原
因になることから、その対策が望まれていた。
質を有して広く日常生活に使用されているが、燃焼時に
塩化水素が発生し、燃焼炉を損傷したり、大気汚染の原
因になることから、その対策が望まれていた。
【0004】従来、ポリ塩化ビニルの燃焼時における塩
化水素の発生を抑制するために、成形時にポリ塩化ビニ
ール中に炭酸カルシウムや酸化アンチモンを充填すると
いう操作が行われてきた。
化水素の発生を抑制するために、成形時にポリ塩化ビニ
ール中に炭酸カルシウムや酸化アンチモンを充填すると
いう操作が行われてきた。
【0005】上記充填剤が充填されたポリ塩化ビニルは
該充填剤によって塩化水素が捕捉されて燃焼時における
塩化水素の発生がかなり少ないものになっていた。
該充填剤によって塩化水素が捕捉されて燃焼時における
塩化水素の発生がかなり少ないものになっていた。
【0006】しかし、最近の環境問題の高まりから、よ
り塩化水素の発生の少ない、燃焼炉にも与える影響が少
ない、環境に優しいポリ塩化ビニル樹脂成形物が求めら
れている。
り塩化水素の発生の少ない、燃焼炉にも与える影響が少
ない、環境に優しいポリ塩化ビニル樹脂成形物が求めら
れている。
【0007】こうした事情から、本発明者らは、塩化水
素捕捉性に優れた充填剤及び充填効果の研究を行い、カ
ルシウム化合物が優れた塩化水素捕捉性を有することを
発見し、この知見に基づいて完成された発明を特願平4
−64665号において提案している。本発明は、本発
明者らがカルシウム化合物の塩化水素捕捉性について、
さらに鋭意研究を重ねた結果完成するに至ったものであ
る。即ち、本発明は、燃焼時における塩化水素の発生が
少ないポリ塩化ビニル組成物を提供することを目的とす
るものである。
素捕捉性に優れた充填剤及び充填効果の研究を行い、カ
ルシウム化合物が優れた塩化水素捕捉性を有することを
発見し、この知見に基づいて完成された発明を特願平4
−64665号において提案している。本発明は、本発
明者らがカルシウム化合物の塩化水素捕捉性について、
さらに鋭意研究を重ねた結果完成するに至ったものであ
る。即ち、本発明は、燃焼時における塩化水素の発生が
少ないポリ塩化ビニル組成物を提供することを目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するため、請求項1記載の発明は、ポリ塩化ビニル樹脂
に対して粒子径40μm以下の水酸化カルシウムを含有
することを特徴とするポリ塩化ビニル樹脂組成物をその
要旨とした。
するため、請求項1記載の発明は、ポリ塩化ビニル樹脂
に対して粒子径40μm以下の水酸化カルシウムを含有
することを特徴とするポリ塩化ビニル樹脂組成物をその
要旨とした。
【0009】請求項2記載の発明は、ポリ塩化ビニル樹
脂組成物が硬質であることを特徴とするポリ塩化ビニル
樹脂組成物をその要旨とした。
脂組成物が硬質であることを特徴とするポリ塩化ビニル
樹脂組成物をその要旨とした。
【0010】請求項3記載の発明は、ポリ塩化ビニル樹
脂組成物が軟質であることを特徴とするポリ塩化ビニル
樹脂組成物をその要旨とした。
脂組成物が軟質であることを特徴とするポリ塩化ビニル
樹脂組成物をその要旨とした。
【0011】請求項4記載の発明は、ポリ塩化ビニル樹
脂組成物がペースト加工により得られたものであること
を特徴とするポリ塩化ビニル樹脂組成物をその要旨とし
た。
脂組成物がペースト加工により得られたものであること
を特徴とするポリ塩化ビニル樹脂組成物をその要旨とし
た。
【0012】請求項5記載の発明は、ペースト加工によ
り得られたポリ塩化ビニル樹脂組成物であって、酸化カ
ルシウムを含有することを特徴とするポリ塩化ビニル樹
脂組成物をその要旨とした。
り得られたポリ塩化ビニル樹脂組成物であって、酸化カ
ルシウムを含有することを特徴とするポリ塩化ビニル樹
脂組成物をその要旨とした。
【0013】上記請求項1〜4のポリ塩化ビニル樹脂組
成物(以下単に樹脂組成物という)で使用されている水
酸化カルシウムはCa(OH)2で表され、従来の充填
剤として使用されている中性の炭酸カルシウムに比べて
アルカリ性が強く、酸性ガスである塩化水素と結合しや
すい。この水酸化カルシウム及び炭酸カルシウムの塩化
水素に対する反応式は次のごとくである。 2HCl+Ca(OH)2 → CaCl2+2H2O 2HCl+CaCO3 → CaCl2+H2O+CO
2
成物(以下単に樹脂組成物という)で使用されている水
酸化カルシウムはCa(OH)2で表され、従来の充填
剤として使用されている中性の炭酸カルシウムに比べて
アルカリ性が強く、酸性ガスである塩化水素と結合しや
すい。この水酸化カルシウム及び炭酸カルシウムの塩化
水素に対する反応式は次のごとくである。 2HCl+Ca(OH)2 → CaCl2+2H2O 2HCl+CaCO3 → CaCl2+H2O+CO
2
【0014】この水酸化カルシウムの分子量は74で、
炭酸カルシウムの100に比べて小さい。この分子量か
ら単純計算をすると、単位重量当りの塩化水素との結合
能力は従来の炭酸カルシウムに比べて1.35倍である
といえる。そして水酸化カルシウムは550℃で脱水
し、酸化カルシウムになって反応性を増すことと、アル
カリ性であることを勘案すると炭酸カルシウムに比べて
塩化水素の捕捉能は数段優れているといえる。
炭酸カルシウムの100に比べて小さい。この分子量か
ら単純計算をすると、単位重量当りの塩化水素との結合
能力は従来の炭酸カルシウムに比べて1.35倍である
といえる。そして水酸化カルシウムは550℃で脱水
し、酸化カルシウムになって反応性を増すことと、アル
カリ性であることを勘案すると炭酸カルシウムに比べて
塩化水素の捕捉能は数段優れているといえる。
【0015】また、水酸化カルシウムの塩化水素捕捉反
応は固体と気体の反応であるので、固体の表面積が大き
い程塩化水素捕捉量は大きくなる。そのため、単位重量
当たりの表面積の大きい充填剤、即ち、粒子の小さい物
ほど、高い塩化水素捕捉能を持つことになる。
応は固体と気体の反応であるので、固体の表面積が大き
い程塩化水素捕捉量は大きくなる。そのため、単位重量
当たりの表面積の大きい充填剤、即ち、粒子の小さい物
ほど、高い塩化水素捕捉能を持つことになる。
【0016】水酸化カルシウムの粒度分布は製造方法に
よって異なり、一般に0.1〜150μmである。この
粒度分布のうち塩化ビニル樹脂への配合により十分な塩
化水素捕捉能を発揮するのは粒子径40μm以下のもの
である。塩化ビニル樹脂組成物の物性の向上、塩化水素
の捕捉能の向上の点から、好ましくは粒子径10μm以
下のものである。特に塩化水素の発生量の少ないことが
要求される製品にはさらに粒子径の小さな粒子径5μm
以下のものが良い。
よって異なり、一般に0.1〜150μmである。この
粒度分布のうち塩化ビニル樹脂への配合により十分な塩
化水素捕捉能を発揮するのは粒子径40μm以下のもの
である。塩化ビニル樹脂組成物の物性の向上、塩化水素
の捕捉能の向上の点から、好ましくは粒子径10μm以
下のものである。特に塩化水素の発生量の少ないことが
要求される製品にはさらに粒子径の小さな粒子径5μm
以下のものが良い。
【0017】上記粒子径の水酸化カルシウムを配合する
ことで当該樹脂組成物の塩化水素の発生を大幅に低下さ
せることができるが、その反面樹脂組成物の難燃性が低
下することになるので、難燃性低下防止のため、酸化ア
ンチモン等の難燃剤の配合が有用である。
ことで当該樹脂組成物の塩化水素の発生を大幅に低下さ
せることができるが、その反面樹脂組成物の難燃性が低
下することになるので、難燃性低下防止のため、酸化ア
ンチモン等の難燃剤の配合が有用である。
【0018】請求項2記載の樹脂組成物は硬質であり、
請求項3記載の樹脂組成物は軟質である。周知の如く硬
質の樹脂組成物の場合、ポリ塩化ビニル樹脂に鉛やスズ
等の金属有機化合物あるいはエポキシ系化合物などの安
定剤、それに着色顔料等を加え、混合、加熱してペレッ
トなどの成形材料とし、これを射出成形、押出成形など
の成形法によって成形する。一方、軟質の場合には、上
記配合剤に、さらに2−エチルヘキシルフタレートやn
−オクチルフタレートなどの可塑剤(DOP)をポリ塩
化ビニル樹脂に対して1/3〜1/2の割合で加え、混
合し、均一化して成形材料とし、これを射出成形、押出
成形などの成形法によって成形する。本発明の樹脂組成
物は、上記硬質または軟質の樹脂組成物の製造過程で、
ポリ塩化ビニル樹脂に対して粒子径40μm以下の水酸
化カルシウムを配合することで得られたものである。
請求項3記載の樹脂組成物は軟質である。周知の如く硬
質の樹脂組成物の場合、ポリ塩化ビニル樹脂に鉛やスズ
等の金属有機化合物あるいはエポキシ系化合物などの安
定剤、それに着色顔料等を加え、混合、加熱してペレッ
トなどの成形材料とし、これを射出成形、押出成形など
の成形法によって成形する。一方、軟質の場合には、上
記配合剤に、さらに2−エチルヘキシルフタレートやn
−オクチルフタレートなどの可塑剤(DOP)をポリ塩
化ビニル樹脂に対して1/3〜1/2の割合で加え、混
合し、均一化して成形材料とし、これを射出成形、押出
成形などの成形法によって成形する。本発明の樹脂組成
物は、上記硬質または軟質の樹脂組成物の製造過程で、
ポリ塩化ビニル樹脂に対して粒子径40μm以下の水酸
化カルシウムを配合することで得られたものである。
【0019】次に、請求項4記載の樹脂組成物について
説明する。この樹脂組成物は、ペースト加工により製造
されたものである。ペースト加工は、軟質の場合に比べ
て可塑剤の配合量を多くしてプラスチゾル、オルガノゾ
ルをつくり、このゾルを成形して製造する方法である。
この方法により得られた樹脂組成物は主に床材や壁材と
して用いられている。この樹脂組成物には、請求項1〜
3記載の樹脂組成物と同じくポリ塩化ビニル樹脂に対し
て粒子径40μm以下の水酸化カルシウムが配合されて
いる。
説明する。この樹脂組成物は、ペースト加工により製造
されたものである。ペースト加工は、軟質の場合に比べ
て可塑剤の配合量を多くしてプラスチゾル、オルガノゾ
ルをつくり、このゾルを成形して製造する方法である。
この方法により得られた樹脂組成物は主に床材や壁材と
して用いられている。この樹脂組成物には、請求項1〜
3記載の樹脂組成物と同じくポリ塩化ビニル樹脂に対し
て粒子径40μm以下の水酸化カルシウムが配合されて
いる。
【0020】ペースト加工では、割合低いゾル粘度で加
工される場合が多く、塩化水素捕捉能を持つ充填剤を配
合すればするほど塩化水素の発生は少なくなるが、反面
ゾル粘度が高くなって成形が困難になる。このため、充
填剤の配合量を増やさずに塩化水素の発生を減少させる
必要がある。前述した如く水酸化カルシウムは優れた塩
化水素捕捉能を有しており、この水酸化カルシウムの配
合はきわめて有効である。また、前述した如く水酸化カ
ルシウムは、粒子径の小さなものを配合することで単位
重量当りの塩化水素捕捉能は高くなる。しかしながら、
反面水酸化カルシウムの粒子表面で可塑性が吸着される
度合が高く、その結果、ゾル粘度が非常に高くなる。ま
た、水酸化カルシウムは製造方法、即ち、石灰石から酸
化カルシウムへの焼成方法、その後の水和方法によって
ゾル粘度への影響が異なる。このため、配合する水酸化
カルシウムは、粘度が低く、塩化水素捕捉性の高いもの
を選択するとよい。水酸化カルシウムの配合でゾル粘度
が著しく高くなる場合は、水酸化カルシウムに代えてゾ
ル粘度をそれほど上げない粒子の大きな炭酸カルシウ
ム、特に、重質炭酸カルシウムを併用すると良い。
工される場合が多く、塩化水素捕捉能を持つ充填剤を配
合すればするほど塩化水素の発生は少なくなるが、反面
ゾル粘度が高くなって成形が困難になる。このため、充
填剤の配合量を増やさずに塩化水素の発生を減少させる
必要がある。前述した如く水酸化カルシウムは優れた塩
化水素捕捉能を有しており、この水酸化カルシウムの配
合はきわめて有効である。また、前述した如く水酸化カ
ルシウムは、粒子径の小さなものを配合することで単位
重量当りの塩化水素捕捉能は高くなる。しかしながら、
反面水酸化カルシウムの粒子表面で可塑性が吸着される
度合が高く、その結果、ゾル粘度が非常に高くなる。ま
た、水酸化カルシウムは製造方法、即ち、石灰石から酸
化カルシウムへの焼成方法、その後の水和方法によって
ゾル粘度への影響が異なる。このため、配合する水酸化
カルシウムは、粘度が低く、塩化水素捕捉性の高いもの
を選択するとよい。水酸化カルシウムの配合でゾル粘度
が著しく高くなる場合は、水酸化カルシウムに代えてゾ
ル粘度をそれほど上げない粒子の大きな炭酸カルシウ
ム、特に、重質炭酸カルシウムを併用すると良い。
【0021】次に、請求項5記載の樹脂組成物について
説明する。この樹脂組成物は、前述したペースト加工に
より得られた樹脂組成物であり、かつ水酸化カルシウム
に代えて酸化カルシウムを配合し、塩化水素の発生を抑
制したものである。酸化カルシウムはCaOで表わさ
れ、水酸化カルシウムと同じくアルカリ性で塩化水素と
の反応性は高い。塩化水素との反応式は次の如く表され
る。 2HCl+CaO → CaCl2+H2O
説明する。この樹脂組成物は、前述したペースト加工に
より得られた樹脂組成物であり、かつ水酸化カルシウム
に代えて酸化カルシウムを配合し、塩化水素の発生を抑
制したものである。酸化カルシウムはCaOで表わさ
れ、水酸化カルシウムと同じくアルカリ性で塩化水素と
の反応性は高い。塩化水素との反応式は次の如く表され
る。 2HCl+CaO → CaCl2+H2O
【0022】この塩化水素2モルと結合するのは酸化カ
ルシウム1モル、即ち、分子量56であり、単純計算す
ると、従来の炭酸カルシウムに比べて約1.8倍の塩化
水素と結合する能力を持つといえる。
ルシウム1モル、即ち、分子量56であり、単純計算す
ると、従来の炭酸カルシウムに比べて約1.8倍の塩化
水素と結合する能力を持つといえる。
【0023】この酸化カルシウムは石灰石を焼成して造
られる。焼成温度により結晶度が異なるものが得られ、
ゾル粘度への影響が異なる。配合する酸化カルシウムと
しては、特に限定されないが、焼成温度の高い硬焼のも
のの場合、ゾル粘度が低くなり、成形が容易になるの
で、この硬焼のものの使用が有用である。しかし反面、
硬焼のものを用いた場合、塩化水素捕捉能が低下するこ
とになるので、硬焼のものを使用するかどうかの決定に
際しては使用量、用途を考慮するとよい。また、この酸
化カルシウムのゾル粘度が高くなり成形が難しくなる場
合は、前記と同じように重質炭酸カルシウムと配合する
とよい。
られる。焼成温度により結晶度が異なるものが得られ、
ゾル粘度への影響が異なる。配合する酸化カルシウムと
しては、特に限定されないが、焼成温度の高い硬焼のも
のの場合、ゾル粘度が低くなり、成形が容易になるの
で、この硬焼のものの使用が有用である。しかし反面、
硬焼のものを用いた場合、塩化水素捕捉能が低下するこ
とになるので、硬焼のものを使用するかどうかの決定に
際しては使用量、用途を考慮するとよい。また、この酸
化カルシウムのゾル粘度が高くなり成形が難しくなる場
合は、前記と同じように重質炭酸カルシウムと配合する
とよい。
【0024】酸化カルシウムは空気中の水分と容易に反
応して水酸化カルシウムになる性質があり、この反応が
成形後起こり、体積の膨張を伴うので、寸法安定性を必
要とするものについては、膨張の少ないものを選択し配
合するとよい。
応して水酸化カルシウムになる性質があり、この反応が
成形後起こり、体積の膨張を伴うので、寸法安定性を必
要とするものについては、膨張の少ないものを選択し配
合するとよい。
【0025】また、酸化カルシウムの塩化水素捕捉反応
は水酸化カルシウムと同様に固体と気体の反応であるの
で、固体の表面積が大きい程塩化水素捕捉量は大きくな
る。そのため、単位重量当たりの表面積の大きい充填
剤、即ち、粒子の小さい物ほど、高い塩化水素捕捉能を
持つことになる。
は水酸化カルシウムと同様に固体と気体の反応であるの
で、固体の表面積が大きい程塩化水素捕捉量は大きくな
る。そのため、単位重量当たりの表面積の大きい充填
剤、即ち、粒子の小さい物ほど、高い塩化水素捕捉能を
持つことになる。
【0026】
1.電線仕様 表1に示すような配合に従って各種成分を100〜13
0℃に保持されたロールに投入してロール混練を行い、
混練後180℃に保持されたプレス機で約10分間加熱
圧縮、1mmの厚さのシートに成形した。
0℃に保持されたロールに投入してロール混練を行い、
混練後180℃に保持されたプレス機で約10分間加熱
圧縮、1mmの厚さのシートに成形した。
【0027】
【表1】 尚、表1中 配合単位は重量部とした。
【0028】塩化水素の測定はNBS発煙性試験機を用
い、発煙箱の中で試料を燃焼させ、発生した塩化水素は
発煙箱の中に入れている検知管でその濃度を測定した。
この測定値単位はppmで、これを電線業界でよく用い
られる試料1g当りの発生量mg/gに変換して表示し
た。
い、発煙箱の中で試料を燃焼させ、発生した塩化水素は
発煙箱の中に入れている検知管でその濃度を測定した。
この測定値単位はppmで、これを電線業界でよく用い
られる試料1g当りの発生量mg/gに変換して表示し
た。
【0029】表1から明かなとおり、本発明に係る実施
例1〜3では比較例1に比べて大幅に塩化水素の発生量
が低くなる。特に粒子の小さい水酸化カルシウムを配合
した実施例2、3については比較例1の1/3程度に落
ち、塩化水素発生の低減化に非常に効果があることがわ
かる。
例1〜3では比較例1に比べて大幅に塩化水素の発生量
が低くなる。特に粒子の小さい水酸化カルシウムを配合
した実施例2、3については比較例1の1/3程度に落
ち、塩化水素発生の低減化に非常に効果があることがわ
かる。
【0030】2.床材仕様 表2に示すような配合に従って各種成分をニーダーに投
入して混練を行ってプラスチゾルとした後、金型に入
れ、乾燥機で180℃,15分間処理を行い、2,5m
mの厚さのシートに成形した。尚、ゾル粘度の測定はB
形粘度計を用いた。また、塩化水素の測定方法は前記の
通りである。
入して混練を行ってプラスチゾルとした後、金型に入
れ、乾燥機で180℃,15分間処理を行い、2,5m
mの厚さのシートに成形した。尚、ゾル粘度の測定はB
形粘度計を用いた。また、塩化水素の測定方法は前記の
通りである。
【0031】
【表2】 尚、表2中 配合単位は重量部とした。
【0032】表2から明かなとおり、本発明に係る実施
例4〜6ではゾル粘度を一定にした場合、比較例2の配
合に比べて塩化水素の発生が大幅に低い値になり、塩化
ビニル樹脂の塩化水素の低減化に非常に効果があること
がわかる。
例4〜6ではゾル粘度を一定にした場合、比較例2の配
合に比べて塩化水素の発生が大幅に低い値になり、塩化
ビニル樹脂の塩化水素の低減化に非常に効果があること
がわかる。
【0033】
【発明の効果】上記構成を採ったことにより、請求項1
記載の樹脂組成物にあっては、従来の炭酸カルシウムな
どの充填剤に比べて大幅に有毒な塩化水素の発生が少な
いことから、防災上きわめて有効であり、かつ該組成物
を焼却する場合においても塩化水素発生が少なく、環境
衛生上きわめて有用である。
記載の樹脂組成物にあっては、従来の炭酸カルシウムな
どの充填剤に比べて大幅に有毒な塩化水素の発生が少な
いことから、防災上きわめて有効であり、かつ該組成物
を焼却する場合においても塩化水素発生が少なく、環境
衛生上きわめて有用である。
【0034】請求項2記載の樹脂組成物にあっては、硬
質の樹脂組成物の製造過程で水酸化カルシウムを配合す
ることにより塩化水素の発生を著しく少なくしたもので
あり、防災上、環境衛生上きわめて有用である。
質の樹脂組成物の製造過程で水酸化カルシウムを配合す
ることにより塩化水素の発生を著しく少なくしたもので
あり、防災上、環境衛生上きわめて有用である。
【0035】請求項3記載の樹脂組成物にあっては、軟
質の樹脂組成物の製造過程で水酸化カルシウムを配合す
ることにより塩化水素の発生を著しく少なくしたもので
あり、防災上、環境衛生上きわめて有用である。
質の樹脂組成物の製造過程で水酸化カルシウムを配合す
ることにより塩化水素の発生を著しく少なくしたもので
あり、防災上、環境衛生上きわめて有用である。
【0036】請求項4記載の樹脂組成物にあっては、ペ
ースト加工において、水酸化カルシウムを配合すること
により塩化水素の発生を著しく少なくしたものであり、
防災上、環境衛生上きわめて有用である。
ースト加工において、水酸化カルシウムを配合すること
により塩化水素の発生を著しく少なくしたものであり、
防災上、環境衛生上きわめて有用である。
【0037】請求項5記載の樹脂組成物にあっても、ペ
ースト加工において、酸化カルシウムを配合することに
より塩化水素の発生を著しく少なくしたものであり、防
災上、環境衛生上きわめて有用である。
ースト加工において、酸化カルシウムを配合することに
より塩化水素の発生を著しく少なくしたものであり、防
災上、環境衛生上きわめて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 松波 勝 岐阜県揖斐郡揖斐川町脛永392−1 (72)発明者 木方 宏和 岐阜県岐阜市加納新本町2丁目20番地
Claims (5)
- 【請求項1】ポリ塩化ビニル樹脂に対して粒子径40μ
m以下の水酸化カルシウムを含有することを特徴とする
ポリ塩化ビニル樹脂組成物。 - 【請求項2】ポリ塩化ビニル樹脂組成物が硬質であるこ
とを特徴とする請求項1記載のポリ塩化ビニル樹脂組成
物。 - 【請求項3】ポリ塩化ビニル樹脂組成物が軟質であるこ
とを特徴とする請求項1記載のポリ塩化ビニル樹脂組成
物。 - 【請求項4】ポリ塩化ビニル樹脂組成物がペースト加工
により得られたものであることを特徴とする請求項1記
載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。 - 【請求項5】ペースト加工により得られたポリ塩化ビニ
ル樹脂組成物であって、酸化カルシウムを含有すること
を特徴とするポリ塩化ビニル樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21533293A JPH0762182A (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | ポリ塩化ビニル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21533293A JPH0762182A (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | ポリ塩化ビニル樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0762182A true JPH0762182A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16670547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21533293A Pending JPH0762182A (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | ポリ塩化ビニル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0762182A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005036230A (ja) * | 2003-07-14 | 2005-02-10 | Clariant Gmbh | 改善された難燃性を有する弾性被覆材及びそれの製造法 |
JP2005097342A (ja) * | 2003-09-22 | 2005-04-14 | Toppan Printing Co Ltd | カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート |
JP2005126632A (ja) * | 2003-10-27 | 2005-05-19 | Toppan Printing Co Ltd | インキ、それを用いたカード及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-08-31 JP JP21533293A patent/JPH0762182A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005036230A (ja) * | 2003-07-14 | 2005-02-10 | Clariant Gmbh | 改善された難燃性を有する弾性被覆材及びそれの製造法 |
JP2005097342A (ja) * | 2003-09-22 | 2005-04-14 | Toppan Printing Co Ltd | カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート |
JP4547884B2 (ja) * | 2003-09-22 | 2010-09-22 | 凸版印刷株式会社 | カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート |
JP2005126632A (ja) * | 2003-10-27 | 2005-05-19 | Toppan Printing Co Ltd | インキ、それを用いたカード及びその製造方法 |
JP4599825B2 (ja) * | 2003-10-27 | 2010-12-15 | 凸版印刷株式会社 | インキ、それを用いたカード及びその製造方法 |
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