JPH0761958A - アミド化合物の製造方法 - Google Patents
アミド化合物の製造方法Info
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- JPH0761958A JPH0761958A JP5210082A JP21008293A JPH0761958A JP H0761958 A JPH0761958 A JP H0761958A JP 5210082 A JP5210082 A JP 5210082A JP 21008293 A JP21008293 A JP 21008293A JP H0761958 A JPH0761958 A JP H0761958A
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- manganese
- compound
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ニトリル化合物と水を液相で反応させてアミ
ド化合物を製造する。この際、2価のマンガン化合物水
溶液と硫酸を混合して生成した硫酸マンガンのスラリ−
を、過マンガン酸塩で酸化処理して製造した二酸化マン
ガンを触媒として使用する。 【効果】 マンガン酸化物の活性および寿命が大幅に改
善され、工業的に有利にアミド化合物を製造することが
できる。
ド化合物を製造する。この際、2価のマンガン化合物水
溶液と硫酸を混合して生成した硫酸マンガンのスラリ−
を、過マンガン酸塩で酸化処理して製造した二酸化マン
ガンを触媒として使用する。 【効果】 マンガン酸化物の活性および寿命が大幅に改
善され、工業的に有利にアミド化合物を製造することが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミド化合物の製造方
法に関するものである。
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニトリル化合物と水を反応させて対応す
るアミド化合物が製造できることは公知であり、例え
ば、アセトンシアンヒドリンと水を反応させて製造され
るα−ヒドロキシイソ酪酸アミドは、塗料、接着剤、成
形材料等の原料となるメタクリル酸メチルの前駆体とし
て有用であり、アクリロニトリルと水を反応させて製造
されるアクリルアミドは凝集剤、石油回収剤等の原料と
なり有用である。
るアミド化合物が製造できることは公知であり、例え
ば、アセトンシアンヒドリンと水を反応させて製造され
るα−ヒドロキシイソ酪酸アミドは、塗料、接着剤、成
形材料等の原料となるメタクリル酸メチルの前駆体とし
て有用であり、アクリロニトリルと水を反応させて製造
されるアクリルアミドは凝集剤、石油回収剤等の原料と
なり有用である。
【0003】このニトリル化合物と水を反応させるため
の触媒は種々知られている。米国特許第3,366,639 号に
開示されているマンガン酸化物もその一つである。ニト
リル化合物と水の反応に多用される銅含有触媒がアセト
ンシアンヒドリンなどのα−ヒドロキシニトリル化合物
と水の反応にまったく不充分な成績しか与えないのに反
して、マンガン酸化物は米国特許第3,366,639 号に開示
されているようにα−ヒドロキシニトリル化合物と水の
反応に対しても、かなりの成績を与えるという特徴があ
る。ニトリル化合物と水を反応させるためのマンガン酸
化物の調製方法としては、例えば、米国特許3,366,639
号には小過剰の苛性ソーダの存在下、硫酸マンガンと過
マンガン酸カリウムを反応させる方法や、特開平3-6844
7 号および特開平4-46145 号には酸性で硫酸マンガン水
溶液と過マンガン酸カリウムを反応させる方法が提案さ
れている。また、特開昭52-222号では 中性〜アルカリ
性の領域で20〜100℃ で 7価のマンガン化合物を還元し
て調製する方法が述べられており、特開昭63-57535号で
は 7価のマンガン塩をハロゲン化水素酸で還元する方法
が提案されている。さらに、J. Catalysis, 84巻, 267
(1983)では電解酸化によって製造したものが使用されて
いる。
の触媒は種々知られている。米国特許第3,366,639 号に
開示されているマンガン酸化物もその一つである。ニト
リル化合物と水の反応に多用される銅含有触媒がアセト
ンシアンヒドリンなどのα−ヒドロキシニトリル化合物
と水の反応にまったく不充分な成績しか与えないのに反
して、マンガン酸化物は米国特許第3,366,639 号に開示
されているようにα−ヒドロキシニトリル化合物と水の
反応に対しても、かなりの成績を与えるという特徴があ
る。ニトリル化合物と水を反応させるためのマンガン酸
化物の調製方法としては、例えば、米国特許3,366,639
号には小過剰の苛性ソーダの存在下、硫酸マンガンと過
マンガン酸カリウムを反応させる方法や、特開平3-6844
7 号および特開平4-46145 号には酸性で硫酸マンガン水
溶液と過マンガン酸カリウムを反応させる方法が提案さ
れている。また、特開昭52-222号では 中性〜アルカリ
性の領域で20〜100℃ で 7価のマンガン化合物を還元し
て調製する方法が述べられており、特開昭63-57535号で
は 7価のマンガン塩をハロゲン化水素酸で還元する方法
が提案されている。さらに、J. Catalysis, 84巻, 267
(1983)では電解酸化によって製造したものが使用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法で調製されたマンガン酸化物の活性および寿命は
十分とは言えず、工業的な規模で使用可能な性能を有す
る触媒製造方法の確立が望まれていた。
の方法で調製されたマンガン酸化物の活性および寿命は
十分とは言えず、工業的な規模で使用可能な性能を有す
る触媒製造方法の確立が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至ったものである。すなわち、本発明は、ニトリル化
合物と水を液相で反応させてアミド化合物を製造する方
法において、2価のマンガン化合物水溶液と硫酸を混合
して生成した硫酸マンガンのスラリーを、過マンガン酸
塩で酸化処理して製造した二酸化マンガン(以下触媒と
略称する。)の存在下に、反応させることを特徴とする
アミド化合物の製造方法である。
題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至ったものである。すなわち、本発明は、ニトリル化
合物と水を液相で反応させてアミド化合物を製造する方
法において、2価のマンガン化合物水溶液と硫酸を混合
して生成した硫酸マンガンのスラリーを、過マンガン酸
塩で酸化処理して製造した二酸化マンガン(以下触媒と
略称する。)の存在下に、反応させることを特徴とする
アミド化合物の製造方法である。
【0006】マンガン酸化物の調製法は従来から種々知
られている。その中で、ニトリル化合物と水の反応に活
性のあるマンガン酸化物も、前記したように種々知られ
ている。そこで本発明者らは、種々の方法で調製したマ
ンガン酸化物について検討したところ、J. Am. Chem. S
oc., 43巻, 1982 (1921)に記載されている一酸化炭素酸
化触媒の前駆体である二酸化マンガンが、ニトリル化合
物と水の反応に活性のある従来のマンガン酸化物に比較
し、アミド化合物を高収率で生成することを見いだし
た。本発明で使用する2価のマンガン化合物は、硫酸マ
ンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガン、
リン酸マンガン等であり、無水塩でも水和物でも使用す
ることができ、これらマンガン塩の二種以上を併用して
も良い。
られている。その中で、ニトリル化合物と水の反応に活
性のあるマンガン酸化物も、前記したように種々知られ
ている。そこで本発明者らは、種々の方法で調製したマ
ンガン酸化物について検討したところ、J. Am. Chem. S
oc., 43巻, 1982 (1921)に記載されている一酸化炭素酸
化触媒の前駆体である二酸化マンガンが、ニトリル化合
物と水の反応に活性のある従来のマンガン酸化物に比較
し、アミド化合物を高収率で生成することを見いだし
た。本発明で使用する2価のマンガン化合物は、硫酸マ
ンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガン、
リン酸マンガン等であり、無水塩でも水和物でも使用す
ることができ、これらマンガン塩の二種以上を併用して
も良い。
【0007】ところで、従来知られていたニトリル化合
物と水を反応させてアミド化合物を製造するために使用
する二酸化マンガンの調製法のうち、特開平3-68447 号
および特開平4-46145 号に記載されている方法では、水
中に溶解した2価のマンガン化合物を過マンガン酸塩に
より酸化処理を行う。これに対し、本発明に用いる二酸
化マンガンの調製法では、その調製工程で2価のマンガ
ン化合物水溶液と硫酸を混合して生成した硫酸マンガン
のスラリーを、過マンガン酸塩で酸化処理することが重
要であり、かかる調製工程を経ることで本発明のニトリ
ル化合物と水を反応させてアミド化合物を製造するに供
する良好な性能の二酸化マンガンとなる。本発明では、
かかるスラリーとなる条件であれば2価のマンガン化合
物水溶液の濃度や硫酸の添加量は特に規定されないが、
通常2価のマンガン化合物水溶液の濃度は1〜6mol/
l 、硫酸と2価のマンガン化合物のモル比は3〜15が
常用される。2価のマンガン化合物を水に溶解させた水
溶液と硫酸の混合は、かかるマンガン水溶液に硫酸を添
加する又はその逆のいずれであってもよい。
物と水を反応させてアミド化合物を製造するために使用
する二酸化マンガンの調製法のうち、特開平3-68447 号
および特開平4-46145 号に記載されている方法では、水
中に溶解した2価のマンガン化合物を過マンガン酸塩に
より酸化処理を行う。これに対し、本発明に用いる二酸
化マンガンの調製法では、その調製工程で2価のマンガ
ン化合物水溶液と硫酸を混合して生成した硫酸マンガン
のスラリーを、過マンガン酸塩で酸化処理することが重
要であり、かかる調製工程を経ることで本発明のニトリ
ル化合物と水を反応させてアミド化合物を製造するに供
する良好な性能の二酸化マンガンとなる。本発明では、
かかるスラリーとなる条件であれば2価のマンガン化合
物水溶液の濃度や硫酸の添加量は特に規定されないが、
通常2価のマンガン化合物水溶液の濃度は1〜6mol/
l 、硫酸と2価のマンガン化合物のモル比は3〜15が
常用される。2価のマンガン化合物を水に溶解させた水
溶液と硫酸の混合は、かかるマンガン水溶液に硫酸を添
加する又はその逆のいずれであってもよい。
【0008】本発明で用いる過マンガン酸塩は、過マン
ガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン
酸バリウム等であり、これら過マンガン酸塩の二種以上
を併用しても良い。過マンガン酸塩と2価のマンガン化
合物のモル比は、0.5〜2.0であり、好ましくは、0.6〜
1.5である。0.5 より小さいと十分な酸化が起こらない
ため活性の高い二酸化マンガンとはならず、2.0 より大
きいと過マンガン酸塩の使用量が多過ぎて不経済とな
る。過マンガン酸塩による酸化処理は過マンガン酸塩を
かかるスラリーに固体のまま添加するか、又は水溶液と
して添加するいずれでもよい。また、過マンガン酸塩の
水溶液を使用する場合は、過マンガン酸塩の水溶液にか
かるスラリーを添加してもよい。かかる酸化処理後の二
酸化マンガン懸濁物は、通常、酸化処理を実施する温度
範囲で熟成を行う。熟成時間は 0.1〜48時間であり、好
ましくは 0.5〜24時間である。
ガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン
酸バリウム等であり、これら過マンガン酸塩の二種以上
を併用しても良い。過マンガン酸塩と2価のマンガン化
合物のモル比は、0.5〜2.0であり、好ましくは、0.6〜
1.5である。0.5 より小さいと十分な酸化が起こらない
ため活性の高い二酸化マンガンとはならず、2.0 より大
きいと過マンガン酸塩の使用量が多過ぎて不経済とな
る。過マンガン酸塩による酸化処理は過マンガン酸塩を
かかるスラリーに固体のまま添加するか、又は水溶液と
して添加するいずれでもよい。また、過マンガン酸塩の
水溶液を使用する場合は、過マンガン酸塩の水溶液にか
かるスラリーを添加してもよい。かかる酸化処理後の二
酸化マンガン懸濁物は、通常、酸化処理を実施する温度
範囲で熟成を行う。熟成時間は 0.1〜48時間であり、好
ましくは 0.5〜24時間である。
【0009】本発明において、2価のマンガン化合物水
溶液に硫酸を混合するときの温度は、常温又は加温のい
ずれでもよいが、硫酸と混合してマンガンの溶解度を低
下させることを考慮すれば、10゜ 〜90℃であり、好まし
くは20゜ 〜60℃である。また、かかるスラリーを過マン
ガン酸塩で酸化処理するときの温度は 20゜ 〜150℃であ
り、好ましくは40゜ 〜90℃である。20℃よりも低いと十
分な速度で酸化処理が進行せず、又 150℃よりも高いと
活性の高いマンガン酸化物とはならない。本発明におい
て、かかる酸化処理後の二酸化マンガンは、ニトリル化
合物と水を液相で反応させてアミド化合物を製造するに
当り実質的に使用可能であるが、例えば残存する硫酸イ
オンを除去するために水洗浄やアルカリで中和した後水
洗浄を行う処理を加えてもよい。
溶液に硫酸を混合するときの温度は、常温又は加温のい
ずれでもよいが、硫酸と混合してマンガンの溶解度を低
下させることを考慮すれば、10゜ 〜90℃であり、好まし
くは20゜ 〜60℃である。また、かかるスラリーを過マン
ガン酸塩で酸化処理するときの温度は 20゜ 〜150℃であ
り、好ましくは40゜ 〜90℃である。20℃よりも低いと十
分な速度で酸化処理が進行せず、又 150℃よりも高いと
活性の高いマンガン酸化物とはならない。本発明におい
て、かかる酸化処理後の二酸化マンガンは、ニトリル化
合物と水を液相で反応させてアミド化合物を製造するに
当り実質的に使用可能であるが、例えば残存する硫酸イ
オンを除去するために水洗浄やアルカリで中和した後水
洗浄を行う処理を加えてもよい。
【0010】本発明で使用する触媒は含水物又は乾燥し
たもののどちらでも使用することができる。また、本発
明に使用する反応器は特に限定はないが、通常、固定床
反応器又は懸濁床反応器を使用する。触媒を固定床反応
器に充填する場合には、通常、球状または円柱状に成型
するのがよく、代表長さが 2〜10mmに成型するのがよ
い。また、懸濁床槽型反応器で使用する場合には、通
常、16〜400 メッシュの粉末がよい。使用する触媒量
は、懸濁床槽型反応器では反応器内の触媒濃度が0.01〜
50重量%であり、更に好ましくは 0.1〜30重量%であ
る。
たもののどちらでも使用することができる。また、本発
明に使用する反応器は特に限定はないが、通常、固定床
反応器又は懸濁床反応器を使用する。触媒を固定床反応
器に充填する場合には、通常、球状または円柱状に成型
するのがよく、代表長さが 2〜10mmに成型するのがよ
い。また、懸濁床槽型反応器で使用する場合には、通
常、16〜400 メッシュの粉末がよい。使用する触媒量
は、懸濁床槽型反応器では反応器内の触媒濃度が0.01〜
50重量%であり、更に好ましくは 0.1〜30重量%であ
る。
【0011】本発明のニトリル化合物と水を液相で反応
させてアミド化合物を製造するために使用するニトリル
化合物は、一般式 R−CN(式中、Rはアルキル、シ
クロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アリー
ル、アルカリール、アラルキル又は複素環式のもので、
それぞれ、更にハロゲン、アルコキシ、ニトロ、エステ
ル、ケトン又は水酸基等を置換基として有していても、
又は有していなくてもよい。)で表される。また、ポリ
ニトリル類も本発明で使用される。
させてアミド化合物を製造するために使用するニトリル
化合物は、一般式 R−CN(式中、Rはアルキル、シ
クロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アリー
ル、アルカリール、アラルキル又は複素環式のもので、
それぞれ、更にハロゲン、アルコキシ、ニトロ、エステ
ル、ケトン又は水酸基等を置換基として有していても、
又は有していなくてもよい。)で表される。また、ポリ
ニトリル類も本発明で使用される。
【0012】一方、本発明において使用する水は、ニト
リル化合物の1モルに対し、通常1モル以上、好ましく
は 5〜30モルである。反応溶媒には、通常、水が用いら
れるが、ニトリル化合物が疎水性物質であるときは、水
との相溶性を高めるために、メチルアルコール、エチル
アルコール等の低級アルコール類、1,4-ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン等のケトン
類、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアミド、
N,N-ジメチルアセトアミド、N- メチルピロリドン等
が用いられる。特にニトリル化合物としてケトンシアン
ヒドリンを用いるときには、ケトンシアンヒドリンの分
解を抑制するために、上記の反応溶媒に加えてニトリル
化合物の構成ケトンを、ニトリル化合物の1モルに対
し、0.1〜3.0モルの範囲で存在させるのがよい。例え
ば、アセトンシアンヒドリンのようなα- ヒドロキシニ
トリル化合物の反応では、特開昭52-222号に開示されて
いるように、反応溶媒としてアセトンを添加するのがよ
い。
リル化合物の1モルに対し、通常1モル以上、好ましく
は 5〜30モルである。反応溶媒には、通常、水が用いら
れるが、ニトリル化合物が疎水性物質であるときは、水
との相溶性を高めるために、メチルアルコール、エチル
アルコール等の低級アルコール類、1,4-ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン等のケトン
類、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアミド、
N,N-ジメチルアセトアミド、N- メチルピロリドン等
が用いられる。特にニトリル化合物としてケトンシアン
ヒドリンを用いるときには、ケトンシアンヒドリンの分
解を抑制するために、上記の反応溶媒に加えてニトリル
化合物の構成ケトンを、ニトリル化合物の1モルに対
し、0.1〜3.0モルの範囲で存在させるのがよい。例え
ば、アセトンシアンヒドリンのようなα- ヒドロキシニ
トリル化合物の反応では、特開昭52-222号に開示されて
いるように、反応溶媒としてアセトンを添加するのがよ
い。
【0013】本発明のアミド化合物とは、一般式 R−
CN(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニ
ル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、アラ
ルキル又は複素環式のもので、それぞれ、更にハロゲ
ン、アルコキシ、ニトロ、エステル、ケトン又は水酸基
等を置換基として有していても、又は有していなくても
よい。)を水和して製造されるもので、一般式RCO−
NH2(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケ
ニル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、ア
ラルキル又は複素環式のもので、それぞれ、更にハロゲ
ン、アルコキシ、ニトロ、エステル、ケトン又は水酸基
等を置換基として有していても、又は有していなくても
よい。)で表されるものである。
CN(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニ
ル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、アラ
ルキル又は複素環式のもので、それぞれ、更にハロゲ
ン、アルコキシ、ニトロ、エステル、ケトン又は水酸基
等を置換基として有していても、又は有していなくても
よい。)を水和して製造されるもので、一般式RCO−
NH2(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケ
ニル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、ア
ラルキル又は複素環式のもので、それぞれ、更にハロゲ
ン、アルコキシ、ニトロ、エステル、ケトン又は水酸基
等を置換基として有していても、又は有していなくても
よい。)で表されるものである。
【0014】反応温度は0゜ 〜200℃の範囲であるが、好
ましくは 30゜ 〜150℃であり、 0℃より低いと十分な活
性が得られず、 200℃より高いと副反応が進行し好まし
くない。反応圧力は、反応温度で反応物が液相を保持す
るに十分な圧力であれば減圧、大気圧又は加圧のいずれ
でもよい。固定床流通式反応器を使用する場合、液空間
速度は通常0.01〜40Hr-1であり、好ましくは0.1〜20Hr
-1 である。また懸濁床流通式反応器を使用する場合、
滞留時間は0.1〜50Hr であり、好ましくは 0.5〜30Hrで
ある。
ましくは 30゜ 〜150℃であり、 0℃より低いと十分な活
性が得られず、 200℃より高いと副反応が進行し好まし
くない。反応圧力は、反応温度で反応物が液相を保持す
るに十分な圧力であれば減圧、大気圧又は加圧のいずれ
でもよい。固定床流通式反応器を使用する場合、液空間
速度は通常0.01〜40Hr-1であり、好ましくは0.1〜20Hr
-1 である。また懸濁床流通式反応器を使用する場合、
滞留時間は0.1〜50Hr であり、好ましくは 0.5〜30Hrで
ある。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 触媒調製 水243gに硫酸マンガン 4〜5水和物154gを溶解し、温度
を50℃に保ちながら濃硫酸397gを徐々に滴下して、硫酸
マンガンのスラリーを調製した。次に、このスラリーに
過マンガン酸カリウム94g を添加し、添加終了後70℃で
4時間撹拌した。その後、濾過、1lの水で10回洗浄を
行い、110℃ で15時間乾燥して二酸化マンガン99g を得
た。 ニトリルの水和反応 ガラス製撹拌棒、還流冷却器および温度計を備えた内容
量 500mlのガラス製丸底フラスコ反応器に、前記のよう
に調製した二酸化マンガン4.0gとアセトンシアンヒドリ
ン、アセトンおよび水からなる原料を1:0.9:11のモル比
で300g仕込み、撹拌しながら70℃で5時間反応した。反
応液より触媒を濾別し、高速液体クロマトグラフにより
分析したところ、アセトンシアンヒドリンの転化率は86
%、α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの選択率は95%であ
った。
る。 実施例1 触媒調製 水243gに硫酸マンガン 4〜5水和物154gを溶解し、温度
を50℃に保ちながら濃硫酸397gを徐々に滴下して、硫酸
マンガンのスラリーを調製した。次に、このスラリーに
過マンガン酸カリウム94g を添加し、添加終了後70℃で
4時間撹拌した。その後、濾過、1lの水で10回洗浄を
行い、110℃ で15時間乾燥して二酸化マンガン99g を得
た。 ニトリルの水和反応 ガラス製撹拌棒、還流冷却器および温度計を備えた内容
量 500mlのガラス製丸底フラスコ反応器に、前記のよう
に調製した二酸化マンガン4.0gとアセトンシアンヒドリ
ン、アセトンおよび水からなる原料を1:0.9:11のモル比
で300g仕込み、撹拌しながら70℃で5時間反応した。反
応液より触媒を濾別し、高速液体クロマトグラフにより
分析したところ、アセトンシアンヒドリンの転化率は86
%、α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの選択率は95%であ
った。
【0016】実施例2 濃硫酸267gを滴下すること以外は実施例1と同様の方法
で触媒を調製した。次に、この触媒を用いて、実施例1
と同様の方法でアセトンシアンヒドリンと水の反応を行
った。アセトンシアンヒドリンの転化率は82%、α−ヒ
ドロキシイソ酪酸アミドの選択率は93%であった。
で触媒を調製した。次に、この触媒を用いて、実施例1
と同様の方法でアセトンシアンヒドリンと水の反応を行
った。アセトンシアンヒドリンの転化率は82%、α−ヒ
ドロキシイソ酪酸アミドの選択率は93%であった。
【0017】比較例1 水243gに硫酸マンガン 4〜5水和物154gを溶解し、温度
を50℃に保ちながら濃硫酸119gを徐々に滴下して、硫酸
マンガンが溶解した酸性水溶液を調製した。次に、この
酸性水溶液に過マンガン酸カリウム94g を添加し、添加
終了後70℃で 4時間撹拌した。その後、濾過、1lの水
で10回洗浄を行い、110℃ で15時間乾燥して二酸化マン
ガン91g を得た。次に、この触媒を用いて、実施例1と
同様の方法でアセトンシアンヒドリンと水の反応を行っ
た。アセトンシアンヒドリンの転化率は43%、α−ヒド
ロキシイソ酪酸アミドの選択率は87%であった。
を50℃に保ちながら濃硫酸119gを徐々に滴下して、硫酸
マンガンが溶解した酸性水溶液を調製した。次に、この
酸性水溶液に過マンガン酸カリウム94g を添加し、添加
終了後70℃で 4時間撹拌した。その後、濾過、1lの水
で10回洗浄を行い、110℃ で15時間乾燥して二酸化マン
ガン91g を得た。次に、この触媒を用いて、実施例1と
同様の方法でアセトンシアンヒドリンと水の反応を行っ
た。アセトンシアンヒドリンの転化率は43%、α−ヒド
ロキシイソ酪酸アミドの選択率は87%であった。
【0018】実施例3 ガラス製撹拌棒、還流冷却器および温度計を備えた内容
量 200mlのガラス製丸底フラスコ反応器に、実施例1で
調製した二酸化マンガン5.0gとアクリロニトリルおよび
水からなる原料を1:39のモル比で73g 仕込み、撹拌しな
がら70℃で5時間反応した。反応液より触媒を濾別し、
高速液体クロマトグラフにより分析したところ、アクリ
ロニトリルの転化率は68%、アクリルアミドの選択率は
81%であった。
量 200mlのガラス製丸底フラスコ反応器に、実施例1で
調製した二酸化マンガン5.0gとアクリロニトリルおよび
水からなる原料を1:39のモル比で73g 仕込み、撹拌しな
がら70℃で5時間反応した。反応液より触媒を濾別し、
高速液体クロマトグラフにより分析したところ、アクリ
ロニトリルの転化率は68%、アクリルアミドの選択率は
81%であった。
【0019】比較例2 比較例1で調製した触媒を用いて、実施例3と同様の方
法でアクリロニトリルと水の反応を行った。アクリロニ
トリルの転化率は29%、アクリルアミドの選択率は71%
であった。 実施例4 ガラス製撹拌棒、温度計、原料供給口およびガラスボー
ルフィルター付きの液出口を備える内容量 500mlのガラ
ス製丸底フラスコ反応器に、実施例1で調製した二酸化
マンガン10g と水300gを充填した後、内温を60℃まで上
げ、この温度に保持した。次にアセトンシアンヒドリ
ン、アセトンおよび水からなる原料液(アセトンシアン
ヒドリン:アセトン:水のモル比が1:1.2:15)を 34ml/
hrの流量で定量ポンプにより連続的に供給した。反応器
内の温度は58゜ 〜62℃に維持しながら10日間連続反応を
行った。得られたα−ヒドロキシイソ酪酸アミド生成液
中のα−ヒドロキシイソ酪酸アミド収率の経日変化を表
1に示した。
法でアクリロニトリルと水の反応を行った。アクリロニ
トリルの転化率は29%、アクリルアミドの選択率は71%
であった。 実施例4 ガラス製撹拌棒、温度計、原料供給口およびガラスボー
ルフィルター付きの液出口を備える内容量 500mlのガラ
ス製丸底フラスコ反応器に、実施例1で調製した二酸化
マンガン10g と水300gを充填した後、内温を60℃まで上
げ、この温度に保持した。次にアセトンシアンヒドリ
ン、アセトンおよび水からなる原料液(アセトンシアン
ヒドリン:アセトン:水のモル比が1:1.2:15)を 34ml/
hrの流量で定量ポンプにより連続的に供給した。反応器
内の温度は58゜ 〜62℃に維持しながら10日間連続反応を
行った。得られたα−ヒドロキシイソ酪酸アミド生成液
中のα−ヒドロキシイソ酪酸アミド収率の経日変化を表
1に示した。
【0020】比較例3 比較例1で調製した触媒を用いて、実施例4と同様の方
法でアセトンシアンヒドリンと水の連続反応を行った。
得られたα−ヒドロキシイソ酪酸アミド生成液中のα−
ヒドロキシイソ酪酸アミド収率の経日変化を表1に示し
た。
法でアセトンシアンヒドリンと水の連続反応を行った。
得られたα−ヒドロキシイソ酪酸アミド生成液中のα−
ヒドロキシイソ酪酸アミド収率の経日変化を表1に示し
た。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明により、ニトリル化合物と水を液
相で反応させてアミド化合物を製造する際に使用するマ
ンガン酸化物の活性および寿命が、2価のマンガン化合
物水溶液と硫酸を混合して生成した硫酸マンガンのスラ
リーを、過マンガン酸塩で酸化処理して製造した二酸化
マンガンを用いることで大幅に改善され、工業的に有利
にアミド化合物を製造することができ、産業上極めて価
値がある。
相で反応させてアミド化合物を製造する際に使用するマ
ンガン酸化物の活性および寿命が、2価のマンガン化合
物水溶液と硫酸を混合して生成した硫酸マンガンのスラ
リーを、過マンガン酸塩で酸化処理して製造した二酸化
マンガンを用いることで大幅に改善され、工業的に有利
にアミド化合物を製造することができ、産業上極めて価
値がある。
フロントページの続き (72)発明者 徳満 政弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山本 貞明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 ニトリル化合物と水を液相で反応させて
アミド化合物を製造する方法において、2価のマンガン
化合物水溶液と硫酸を混合して生成した硫酸マンガンの
スラリーを、過マンガン酸塩で酸化処理して製造した二
酸化マンガンの存在下に、反応させることを特徴とする
アミド化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5210082A JPH0761958A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | アミド化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5210082A JPH0761958A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | アミド化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0761958A true JPH0761958A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16583525
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5210082A Pending JPH0761958A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | アミド化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0761958A (ja) |
-
1993
- 1993-08-25 JP JP5210082A patent/JPH0761958A/ja active Pending
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