JPH076193Y2 - 鋼管矢板用チャック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は鋼管矢板を挾持してその圧入引抜を行う杭圧入
引抜機のチャックに関する。

（従来の技術） 鋼管矢板は、護岸橋梁工事などの永久構造物のみなら
ず、強度の点から鋼矢板でカバーできない山留や締切工
事などの仮設工事あるいは支持杭としても使用され、杭
圧入引抜機により圧入引抜が行われる。この杭の圧入引
抜作業は杭圧入引抜機の前端に取付けられたチャック装
置で行われる。

従来のチャック装置20は、第３図に示すように輪状のフ
レーム22に鋼管矢板７の挿入部を形成し、この挿入部の
内周に固定爪を設けると共に、先端に可動爪24を構成し
た流体圧シリンダ23を内設していた。

このチャック装置20を装備した杭圧入引抜機を使用して
鋼管矢板の圧入、引抜きを行うには、鋼管矢板７をフレ
ーム22内に挿入した後、第３図に示すように流体圧シリ
ンダ23を作動させて挾持板24で鋼管矢板７の外周を掴
み、チャック装置20全体を上下動させていた。

（考案が解決しようとする課題） しかし上記構成のチャック装置は、鋼管矢板をグリップ
を含めその全体をフレーム内に挿入するため、鋼管矢板
の直径に比べるとチャック装置が非常に大型化してい
た。そのため、このチャック装置を装備した杭圧入引抜
機は、チャック装置が杭圧入引抜機本体に比べて大きく
なり、バランスが悪く、また重量も大きなものとなって
いた。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決するため、チャック本体の前端
に、鋼管矢板の雄グリップ挿入用の挿入部を形成すると
共に、該挿入部と外部とを連通して雄グリップの連結板
を挿入する連通路を形成し、前記挿入部の奥部に流体圧
シリンダを内設すると共に、該流体圧シリンダに対向し
て固定爪を連通路の両側部に設け、前記流体圧シリンダ
の端部に設けた挟持爪を前進させて鋼管矢板の雄グリッ
プを挟持することを特徴とし、また鋼管矢板の雄グリッ
プ前方部と略同形状の雄グリップ用挿入部をチャック本
体前端から奥部まで連通して形成し、該挿入部の両側壁
部に流体圧シリンダを内設し、該流体圧シリンダの端部
に設けた挟持爪により鋼管矢板の雄グリップの連結板を
挟持することを特徴としている。

（作用） まず、チャック本体の挿入部に鋼管矢板の雄グリップと
連結板を挿入する。次に、この状態で流体圧シリンダを
作動させ、挾持爪で、鋼管矢板の雄グリップを挾持す
る。そしてチャック装置全体を上下動させて鋼管矢板の
圧入、あるいは引抜きを行う。

（実施例） 本考案の実施例を図面を参照しながら説明する。

本考案の第１実施例のチャック装置１は第１図に示すよ
うに、チャック本体２の前端に鋼管矢板７の雄グリップ
８を挿入する挿入部６と、この挿入部６とチャック２の
外部とを連通する連通路6aを構成している。前記挿入部
６の奥部のチャック本体２内部には流体圧シリンダ３が
内設され、この流体圧シリンダ３のロッド先端に挾持爪
４を構成する。さらに挾持爪４に対向する上記挿入部６
の壁面に固定爪５を形成する。

上記のように構成した本実施例の作用を説明する。ま
ず、チャック本体２の挿入部６に鋼管矢板７の雄グリッ
プ８を挿入し連通路6aに連結板９を挿入する。この状態
で流体圧シリンダ３を前進させ、挾持爪４と固定爪５で
雄グリップ８を挾持する。そして、既設鋼管矢板の雄グ
リップに圧入鋼矢板７の雌グリップ8aを係合させて、チ
ャック装置１全体を下降させて鋼管矢板７の圧入を行
う。引抜きはこれと逆の手順で行う。

本実施例を使用すれば、チャック本体２を小型軽量化で
き、鋼管矢板７の雄グリップ８を挾持することができ
る。そのため杭圧入引抜機Ａの軽量化を図ることができ
る。

本考案の第２実施例のチャック装置10は、第２図に示す
ように、チャック本体12の前端に鋼管矢板７の雄グリッ
プ８及び連結板９を挿入する挿入部16を構成し、前記挿
入部16の両側の壁部に一対の流体圧シリンダ13を対向し
て内設している。そして前記流体圧シリンダ13のシリン
ダ端部に挾持爪14を構成し、連結板９をその両側より挾
持可能な構成としている。

次に上記のように構成した本実施例の作用を説明する。
まず、チャック本体12の挿入部16に鋼管矢板７の雄グリ
ップ８とその連結板９を挿入する。そして流体圧シリン
ダ13を前進させて挾持爪14で連結板９を両側より挾持す
る。以下上記第１実施例と同様に圧入あるいは引抜作業
を行う。

本実施例を使用すれば、第１実施例同様チャック本体12
を小型軽量化できる。さらに挾持爪14が退縮すると挿入
部16が開放され、鋼管矢板７を上方に持ち上げずにチャ
ック本体12の正面から容易に投入できる。そのため杭圧
入引抜機Ａの軽量化を図ると共に、圧入引抜の建込み時
に鋼管矢板７を上方まで吊り上げる装置とその手間が不
要となる。

（考案の効果） 以上のように本考案のチャック装置は小型軽量であり、
鋼管矢板を確実に挾持できる。そのため、本考案を杭圧
入引抜機に装備することにより、その軽量化を図ること
ができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は第１実施
例の拡大平面図、第２図は第２実施例の拡大平面図、第
３図は従来例の拡大断面平面図である。 １、10…チャック装置 ２、12…チャック本体 ３、13…流体圧シリンダ ４、14…挾持爪、５…固定爪 ６、16…挿入部、6a…連通路 ７…鋼管矢板、８…雄グリップ 8a…雌グリップ、９…連結板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】チャック本体の前端に、鋼管矢板の雄グリ
   ップ挿入用の挿入部を形成すると共に、該挿入部と外部
   とを連通して雄グリップの連結板を挿入する連通路を形
   成し、前記挿入部の奥部に流体圧シリンダを内設すると
   共に、該流体圧シリンダに対向して固定爪を連通路の両
   側部に設け、前記流体圧シリンダの端部に設けた挟持爪
   を前進させて鋼管矢板の雄グリップを挟持する鋼管矢板
   用チャック装置。
2. 【請求項２】鋼管矢板の雄グリップ前方部と略同形状の
   雄グリップ用挿入部をチャック本体前端から奥部まで連
   通して形成し、該挿入部の両側壁部に流体圧シリンダを
   内設し、該流体圧シリンダの端部に設けた挟持爪により
   鋼管矢板の雄グリップの連結板を挟持する鋼管矢板用チ
   ャック装置。