JPH0761918B2 - 結晶製造装置の自動運転における制御量の設定方法 - Google Patents

結晶製造装置の自動運転における制御量の設定方法

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JPH0761918B2
JPH0761918B2 JP63110867A JP11086788A JPH0761918B2 JP H0761918 B2 JPH0761918 B2 JP H0761918B2 JP 63110867 A JP63110867 A JP 63110867A JP 11086788 A JP11086788 A JP 11086788A JP H0761918 B2 JPH0761918 B2 JP H0761918B2
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大也 青木
幹雄 田辺
正二 中川
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国際電気株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体基板の素材として使用されるシリコン単
結晶など(以下結晶という)を製造する生産プロセスに
おいて、製造装置の運転をコンピュータ操作により行う
際のプロセス制御量の設定方法に関するもので、本方法
の特長とするところは操作の進行に際して、制御プログ
ラムによって実行されるべき各制御量を製造作業者の意
志によって随時変更することを可能ならしめるものであ
り、これによってコンピュータ操作に制御の最適化を行
うための学習効果を付与するものである。
〔従来の技術〕
シリコン単結晶製造方法として通常実施されているチョ
コラルスキープロセス(CZ法)における結晶製造の方法
は、第2図の結晶引上炉の装置構成に見るように、真空
容器1内に設置されたヒータ2によってるつぼ3内で溶
融されたシリコン融液4は結晶の生成に伴って一定形状
の単結晶5として連続的に上方に引き上げられる。
通常、結晶の製造に要する時間は前後操作を含めると、
長大結晶の場合には1回当たり20時間以上を要するもの
で、極めて長い製造サイクルを有する生産プロセスであ
る。
CZ法における結晶成長の操作としては、結晶の引上が連
続して進行している場合、引上炉内結晶周辺の融液温
度,結晶温度,容器内壁温度などの結晶成長を支配する
熱的条件はほぼ一定の条件に保持されていると見なすこ
とができる。このため結晶の成長速度は融液固化の潜熱
量と結晶表面などからの放熱量とが等価となる条件によ
って規定されるものと考えることが出来る。
従って、一定の直径の単結晶を引上げる場合には上記等
価条件を維持するように引上げ速度を直接的に制御する
ことは可能であるが、その前提となる結晶周辺各部の温
度を引上げ速度の凾数として直接的に制御することは困
難とされている。
既存の製造装置においては通常これらの結晶周辺部の温
度に影響を及ぼす操作要因をそれぞれ独立した制御変数
と見なし、運転結果として得られた各要因の適正制御量
を設定値とする自動制御系によって結晶周辺の熱的条件
を一定値に保持するような間接制御法が適用されてい
る。
結晶周辺部の熱的条件を支配する間接制御系の操作要因
としては第3図示のように前述のヒータ温度,容器内壁
温度のほかに、るつぼ位置,るつぼ回転数,結晶回転
数,炉内圧力,冷却ガス量など多数の独立制御要因(変
数)と、結晶成長に伴って変化する結晶界面位置,融液
残量,結晶表面積などの従属的な要因(変数)とがあ
り、装置制御のためにはこれらのすべてを制御要因とし
て取り扱わねばならない。
実際の製造作業においては、初期融液量(原料チャージ
量)および単結晶直径などの初期条件に対応する上記各
独立制御変数の制御量を従属変数の変化量に従って逐次
変化させることにより連続して結晶の引上げを行ってい
る。
このため結晶引上げ操作において、コンピュータ操作に
よる自動運転を行う場合には、初期条件に対応する前記
間接制御系の各制御変数を数値モデルとして設定し、結
晶成長に伴う熱的な条件変化の許容範囲毎に異なる数値
モデルを使用して制御量の設定を行う最適区分制御法が
考案されている。
また、他の方法としては経験的に得られたすべての制御
変数の適正値を予め制御プログラムとしてコンピュータ
に入力し、運転に際しては引上げ操作の進行に伴って各
操作条件を逐次自動設定するプログラム制御法がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、単結晶製造作業における各制御変数の制
御量は前述の初期条件によって大幅に変わるほか、結晶
方位および特性などの物性値の異なる各種の結晶品種に
よってもそれぞれ変わる。
従って多種類の結晶品種の製造を要求される場合、前者
の最適区分制御法にあっては数値モデルの適用範囲の制
約によって製造品種毎により個々の数値モデルを予め準
備することが必要であり、且つ制御量は数値モデルが決
定するので運転中制御量に修正の必要が生じても製造作
業者が修正操作のために介入することは極めて困難であ
る。
また、後者のプログラム制御法においては、予め製造品
種毎にすべての制御量の設定値の組み合わせを決定して
おくことが必要で、膨大な種類の制御プログラムを作成
しなければならない。
このため、これら従来の制御システムは製造品種を限定
した少品種多量生産には対応可能であると考えられる
が、近時、結晶製造装置機能として求められる多品種結
晶の製造に適用することには困難が多い。
本発明の目的は前記2者の制御法の問題を回避して、広
範囲な結晶品種の製造を最少の自動運転用制御プログラ
ムにより実行可能とするものであるが、同時に最近の結
晶製造の特徴とされる少量多品種の結晶製造にも容易に
対応し得るよう、製造作業者とコンピュータ動作との間
のマン・マシン対応に新規の発明を行って自動操作にお
ける学習機能を付加することにより適用機能の拡張を可
能とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明方法は上記の課題を解決し、上記の目的を達成す
るため、第1図示のように単結晶の製造装置の自動運転
を実行する際に、コンピュータによる自動操作と製造作
業者によって行われる手動操作とを随時並列に取り扱う
ことを可能とするために、製造工程の全操作を複数の単
位操作に区分し、それぞれの単位操作に含まれるすべて
の運転操作を時系列処理によって実行することを制御ル
ールとする製造装置の自動運転管理システムにおいて、
各製造品種毎の制御変数とその制御量の適正値に関する
データファイル6と、このデータファイル6によって単
位操作毎に各制御量の設定動作を時系列的に展開して、
それぞれの制御変数に関しての操作プログラムを作成す
る手段7と、この手段7により作成された操作プログラ
ムを製造作業者による修正処理に基づき単位操作毎の時
系列チャートに自動編集,表示する処理機能をもつ手段
8と、この手段8により修正イベント・チャートを作成
する手段9と、このチャートに記載された制御量に基づ
いて、逐次制御を実行する手段10とを具備せしめてなる
構成としたものである。
〔作用〕
データファイル6に登録された各製造品種毎の制御変数
とその制御量の適正値によって各製造品種に対する制御
量毎に設定時期と設定値との適正な組み合わせを手段7
により選択することで所定の結晶を製造するための操作
プログラムが作成される。この操作プログラムは製造作
業者による修正処理に基づき単位操作毎の時系列チャー
トとして手段8により自動編集され表示される。この手
段8により修正されたイベントチャートが手段9により
作成され、この修正イベントチャートに記載された制御
量に基づいてイベントの逐次制御が手段10により実行さ
れることになる。
〔実施例〕
以下図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明方法によるフローチャートで、6は各製
造品種毎の制御変数とその制御量の適正値に関するデー
タファイル、7はこのデータファイル6によって単位操
作毎に各制御量の設定動作を時系列的に展開して、それ
ぞれの制御変数に関しての標準操作プログラムを作成す
る手段、8はこの手段7により作成された操作プログラ
ムを製造作業者による修正処理に基づき単位操作毎の時
系列チャートに自動編集,表示する処理機能をもつ手
段、9はこの手段8により修正されたイベントチャート
を作成する手段、10はこの手段9により作成された修正
イベントチャートに記載された制御量に基づいて逐次制
御を実行・検定する手段である。
この発明における結晶製造装置自動運転のための制御量
設定の方法は、結晶製造プロセスの全工程を1つ又はそ
れ以上の単位操作に区分し、各単位操作内における操作
要因の計測値判定と制御量設定とを時系列処理によって
実行するものであるが、単位操作の区分と実行順位とは
全工程にわたって予め固定されているので、これによっ
て製造作業者とコンピュータ処理動作とは操作手順の進
行に関して常に共通の認識を維持することが出来る。こ
のための機構としては単位操作区分と実行順位とは装置
運転操作盤上に固定表示され、その進行は照光表示によ
って逐次示される。
本システムにおける自動運転の操作方法は、独立変数と
見なした各操作要因毎に装備された自動制御系に対し
て、適時制御量の決定を行うもので、運転に必要な制御
量の設定時期と設定値とが単位操作毎にデータファイル
6として登録されている。これによって各製造品種に対
する制御量毎に設定時期と設定値との適正な組み合わせ
を手段7により選択することで所定の結晶を製造するた
めの操作プログラムを作成することが出来るが、本法に
おいては運転作業者とコンピュータ処理動作との随時の
対話を可能とするために前記操作プログラムによる直接
の自動操作系制御は行わない。
本発明の第一の特長は、上記操作プログラムが作成され
た段階で、それぞれの単位操作内において各制御量に時
系列展開を行い、一定時期に処理される1つ又はそれ以
上の操作を1つのイベント(実行単位)と見なし、手段
8により各イベントにおいて実行される制御量の設定値
を各単位操作毎の時系列チャートとして自動編集して画
面表示する処理機能を有することで、第二の特長はこの
チャートに記載された設定値によって自動運転操作を実
行することである。
イベントの時系列チャート(以下イベントチャートと言
う)の自動編集・表示手段8の構成はイベントの実行時
期と操作対象となる制御変数とを行列として、各単位操
作毎に一画面に構成して表示されるものであり、表示さ
れた設定値は所定の操作により書替え処理が可能な機能
を有している。
これによってコンピュータは自動操作によって実行され
る制御の内容を製造作業者に告知して確認を求めるもの
で、若し製造作業者がイベントの実行内容について不適
当と判断した場合には、イベントチャート上の表示値を
製造作業者による書き替え操作によって修正すれば、修
正イベントチャートが手段9により作成され、運転は手
段10により修正条件によって実行されるので、製造作業
者は必要があればイベントチャートを介して随時コンピ
ュータの行う自動運転に介入することが出来る。なお、
当初入力の操作プログラムは運転終了後、イベント実行
内容の変更部分が修正され、運転記録としてデータファ
イル6に登録される。
(実施例1) 単位操作区分毎にコンピュータ中の手段8が表示するイ
ベントチャートの告知内容に対して、製造作業者が介入
の意志を表示しなければ、イベントは逐次自動的に手段
10により実行されるので、製造装置は単位操作の実行順
位に従って連続的に自動運転を継続することが出来る。
(実施例2) 類似した品種の結晶を製造する際、予め新しい操作プロ
グラムを作成することなく、既存の類似品種の操作プロ
グラムを使用し、イベントチャート上で手段8により予
め必要箇所の修正を行えば、容易に目的とする品種の結
晶を自動運転によって製造することが出来る。
(実施例3) 所定品種の結晶を製造する際に、製造業者が自らの知験
に基づき、製造操作条件の改善を行おうとする場合、イ
ベントチャート上には手段8により単位操作区分内のイ
ベント制御量がすべて同時に表示されているので、これ
によって各制御量間の整合性を阻害することなく、改善
条件を入力することが出来る。
(実施例4) 実施例2および3において修正されたイベントの実行内
容は自動運転終了後、修正操作プログラムとしてデータ
ファイル6に登録されるので、修正結果が良好であれ
ば、そのまま次回の製造運転用操作プログラムとして使
用することが出来る。これによって修正の効果は逐次操
作プログラムに取込まれるので、自動操作プログラムに
学習効果を付加することが出来る。
〔発明の効果〕
従来の結晶製造装置の自動操作系における制御量の表示
は各制御変数単独又は限定された変数のみについて行わ
れているので、製造作業者の介入に際しては、他の制御
量との整合性を確認することは必ずしも容易ではなく、
このため特に運転中の介入には制約が多い。
しかし本発明方法による運転者管理システムにおいて
は、各単位操作毎に自動操作の対象となる制御量とその
設定時期が手段8によりすべて一括して表示されるの
で、製造作業者は自動運転の進行状況を容易に認識する
ことが出来ると同時に各制御変数間の整合性を確認しつ
つ必要な制御量の修正を手段8により行うことが可能で
あり、またイベントの実行は時系列処理されているので
この修正が自動運転を阻害することもない。
従って、熟練作業者は自らの知験を随時自動操作プログ
ラムに負荷することが可能であり、これによって修正さ
れた操作プログラムを標準プログラムとすることによ
り、非熟練者も熟練者と同様の結晶を製造することがで
きる。
本発明の方法に基づき前項例を実施することにより第1
図に示す如く多品種結晶の製造管理における自動運転の
エキスパートシステムを構築すことが容易に可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法によるフローチャート、第2図は結
晶引上げ炉の構成説明図、第3図は制御変数の構成例を
示す説明図である。 6……データファイル、7……(標準)操作プログラム
の作成手段、8……イベントチャート自動編集・表示す
る手段、9……修正イベントチャートの作成手段、10…
…イベント実行(検定)手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−130516(JP,A) 特開 昭55−140796(JP,A) 特開 昭62−46997(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶の製造装置の自動運転を実行する際
    に、コンピュータによる自動操作と製造作業者によって
    行われる手動操作とを随時並列に取り扱うことを可能と
    するために、製造工程の全操作を複数の単位操作に区分
    し、それぞれの単位操作に含まれるすべての運転操作を
    時系列処理によって実行することを制御ルールとする製
    造装置の自動運転管理システムにおいて、各製造品種毎
    の制御変数とその制御量の適正値に関するデータファイ
    ル6と、このデータファイル6によって単位操作毎に各
    制御量の設定動作を時系列的に展開して、それぞれの制
    御変数に関しての操作プログラムを作成する手段7と、
    この手段7により作成された操作プログラムを製造作業
    者による修正処理に基づき単位操作毎の時系列チャート
    に自動編集,表示する処理機能をもつ手段8と、この手
    段8により修正イベント・チャートを作成する手段9
    と、このチャートに記載された制御量に基づいて、逐次
    制御を実行する手段10とを具備せしめてなる結晶製造装
    置の自動運転における制御量の設定方法。
JP63110867A 1988-05-06 1988-05-06 結晶製造装置の自動運転における制御量の設定方法 Expired - Lifetime JPH0761918B2 (ja)

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JPS55140796A (en) * 1979-04-21 1980-11-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Automatic crystal growing method
JPH0699232B2 (ja) * 1985-08-26 1994-12-07 株式会社東芝 化合物半導体単結晶の製造装置

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