JPH0761879A - 金属部材とセラミック部材との接合方法 - Google Patents

金属部材とセラミック部材との接合方法

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JPH0761879A
JPH0761879A JP10093592A JP10093592A JPH0761879A JP H0761879 A JPH0761879 A JP H0761879A JP 10093592 A JP10093592 A JP 10093592A JP 10093592 A JP10093592 A JP 10093592A JP H0761879 A JPH0761879 A JP H0761879A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属部材とセラミック部材とをアルミニウム
部材用のろう材又ははんだを用いてろう付け又ははんだ
付けにより接合する方法を提供することである。 【構成】 アルミニウム及び銅を除く金属部材2及びセ
ラミック部材1の各接合部分2a、1aの表面に、予
め、銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、ケイ素、カドミウ
ム、スズ、及びこれらの1種以上を主成分とする合金、
の内から任意に選択した金属からなるめっき3、3aを
施しておき、このめっき3、3aを施した金属部材2及
びセラミック部材1の各接合部分2a、1aを溶融ろう
材中又は溶融はんだ中に浸漬し、超音波振動を加えて接
合部分にろう材又ははんだを付着させ、その後にろう付
け又ははんだ付けを行なうことを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属部材とセラミック
部材とをアルミニウム部材用のろう材又ははんだを用い
てろう付け又ははんだ付けにより接合する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】セラミックは多岐に渡って
使用されており、金属と接合して用いることも望まれて
いる。そのような接合を行なうには、一般に、ろう付け
が考えられるが、ろう付けでは、接合後にフラックスの
後処理等の手間がかかっていた。
【0003】
【発明の目的】本発明は、金属部材とセラミック部材と
をアルミニウム部材用のろう材又ははんだを用いてろう
付け又ははんだ付けにより接合する方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【目的を達成するための手段】本願の第1の発明の金属
部材とセラミック部材との接合方法は、アルミニウム及
び銅を除く金属部材と、セラミック部材とを、アルミニ
ウム部材用のろう材又ははんだを用いてろう付け又はは
んだ付けにより接合する方法であって、金属部材及びセ
ラミック部材の各接合部分の表面に、予め、銅、アルミ
ニウム、亜鉛、鉛、ケイ素、カドミウム、スズ、及びこ
れらの1種以上を主成分とする合金、の内から任意に選
択した金属からなるめっきを施しておき、このめっきを
施した金属部材及びセラミック部材の各接合部分を溶融
ろう材中又は溶融はんだ中に浸漬し、超音波振動を加え
て接合部分にろう材又ははんだを付着させ、その後にろ
う付け又ははんだ付けを行なうことを特徴とするもので
ある。本願の第2の発明の金属部材とセラミック部材と
の接合方法は、アルミニウム又は銅からなる金属部材
と、セラミック部材とを、アルミニウム部材用のろう材
又ははんだを用いてろう付け又ははんだ付けにより接合
する方法であって、セラミック部材の接合部分の表面
に、予め、銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、ケイ素、カド
ミウム、スズ、及びこれらの1種以上を主成分とする合
金、の内から任意に選択した金属からなるめっきを施し
ておき、このめっきを施したセラミック部材の接合部分
を溶融ろう材中又は溶融はんだ中に浸漬し、超音波振動
を加えて接合部分にろう材又ははんだを付着させ、その
後にろう付け又ははんだ付けを行なうことを特徴とする
ものである。
【0005】
【作用】上記選択された金属からなるめっきが施された
セラミック部材の接合部分に、ろう材又ははんだを付着
させる際においては、次のような反応が生じると考えら
れる。即ち、上記めっきとろう材又ははんだとの界面に
おいては、金属間化合物及び酸化物からなる層が形成さ
れる。この層は超音波振動に伴なうキャビテーションに
よって剥離していき、その際に、この層中のめっき成分
が、セラミック部材表面の酸化物から酸素を奪いなが
ら、ろう材中又ははんだ中に拡散していく。これによ
り、セラミック部材表面は活性化され、ろう材又ははん
だのぬれが生じ、セラミック部材表面には、ろう材又は
はんだの成分とセラミック部材の成分とからなる化合物
層が形成されるとともに、その化合物層を介してろう材
又ははんだが強固に付着し、ろう材又ははんだからなる
めっき層が形成される。アルミニウム及び銅を除く金属
部材の接合部分に上記めっきが施されたものにおいて、
ろう材又ははんだを付着させる際においても、同様の反
応により、ろう材又ははんだが付着してろう材又ははん
だからなるめっき層が形成されると考えられる。なお、
ろう材又ははんだを強固に付着させるための化合物層
は、ろう材又ははんだの成分と金属部材の成分とからな
っていると考えられる。
【0006】
【実施例】以下、本願の第1の発明の実施例を図に基づ
いて説明する。なお、ここでは、アルミニウム部材用の
はんだを用い、予め施すめっきとして銅を用いている。
図1は本発明により接合する金属部材とセラミック部材
を示す縦断面図である。図1において、1はセラミック
部材、2はインバー合金(Fe−42%Ni合金)から
なる金属部材である。なお、金属部材2としては、アル
ミニウム及び銅を除く金属部材であればよく、例えばチ
タン、ステンレス等を用いることもできる。接合はセラ
ミック部材1の端部(接合部分)1aと金属部材2の凹
部(接合部分)2aとで行なわれる。
【0007】図2ないし図6は本発明の方法を工程順に
示す縦断面図である。まず、図2に示すように、セラミ
ック部材1の端部1aの表面に銅めっき層3を形成す
る。銅めっき層3は、下地処理、活性化、化学めっきの
工程を経て形成される。なお、下地処理は、サンドブラ
スト、はけ掛け、化学エッチング等を行なって、新しい
表面を形成することである。活性化は、中性洗剤等の界
面活性剤を含む溶液で洗浄した後、塩化パラジウム0.
1g/l水溶液に浸漬することである。化学めっきは、
例えば表1に示す電解浴中で無電解めっきを行なうこと
である。
【表1】
【0008】一方、金属部材2の凹部2aの内面にも、
銅めっき層3aを同様の方法により形成する。なお、そ
の際の電解浴組成及び電解条件は表2に示す通りであ
る。電解時間を約1〜3分とすることにより、数μmの
厚さの銅めっき層3、3aが得られた。
【表2】
【0009】次に、図3に示すように、銅めっき層3の
形成されたセラミック部材1の銅めっき層3の部分を、
溶融されたはんだ4中に浸漬し、超音波振動を適切なホ
ーンを通じてセラミック部材1又ははんだ浴7に加え
る。はんだ4としては、アルミニウム部材用のはんだで
あるZn−5%Alを用いる。この融点は380℃であ
る。超音波の周波数は約17.6KHzとする。超音波
振動を加えることにより、キャビテーションが生じる。
この際、次のような反応が生じると考えられる。即ち、
銅めっき層3とはんだ4との界面においては、金属間化
合物及び酸化物からなる層が形成される。この層は超音
波振動に伴なうキャビテーションによって剥離してい
き、その際に、この層中の銅が、セラミック部材1表面
の酸化物から酸素を奪いながら、はんだ4中に拡散して
いく。これにより、セラミック部材1表面は活性化さ
れ、はんだ4のぬれが生じ、セラミック部材1表面に
は、図5に示すように、はんだ4の成分とセラミック部
材1の成分とからなる化合物層5が形成されるととも
に、その化合物層5を介してはんだ4が強固に付着して
はんだめっき層6が形成される。
【0010】一方、図4に示すように、銅めっき層3a
の形成された金属部材2の銅めっき層3aの部分も、セ
ラミック部材1と同様に、溶融されたはんだ4中に浸漬
し、超音波振動を適切なホーンを通じて金属部材2又は
はんだ浴7に加える。これによっても、セラミック部材
1の場合と同様の反応が生じると考えられる。即ち、金
属部材2の表面が活性化され、はんだ4のぬれが生じ、
金属部材2表面には、図5に示すように、はんだ4の成
分と金属部材2の成分とからなる化合物層5aが形成さ
れるとともに、その化合物層5aを介してはんだ4が強
固に付着してはんだめっき層6aが形成される。
【0011】そして、図6に示すように、セラミック部
材1のはんだめっき層6と金属部材2のはんだめっき層
6aとを合わせ、両めっき層6、6aを溶融させるとと
もにセラミック部材1又は金属部材2に超音波振動を加
えることにより、セラミック部材1と金属部材2とを接
合させる。
【0012】以上のように、本発明の方法では、銅めっ
き層3、3aを形成したことにより化合物層5、5aが
形成され、化合物層5、5aを介することによってはん
だめっき層6、6aがセラミック部材1、金属部材2に
強固に付着する。従って、はんだめっき層6、6aを介
することによってセラミック部材1と金属部材2とがは
んだ付けにより接合されることとなる。なお、はんだめ
っき層6、6aを形成する際の温度は、はんだ4を溶融
させるための400℃程度である。
【0013】しかも、超音波振動を加えることにより、
フラックスを用いることなくはんだめっき層6、6aが
形成される。従って、フラックスの後処理は不要であ
り、またフラックスによってセラミック部材1や金属部
材2が腐食されることもない。
【0014】なお、セラミック部材1と金属部材2とを
接合する際に超音波振動を加えることは必ずしも必要で
はない。
【0015】次に、本願の第2の発明の実施例を図に基
づいて説明する。なお、ここでは、アルミニウム部材用
のはんだを用い、予め施すめっきとして銅を用いてい
る。図7は本発明により接合する金属部材とセラミック
部材を示す縦断面図である。図7において、1はセラミ
ック部材、12はアルミニウム合金(例えばA606
3、A1050)からなる金属部材である。なお、金属
部材12としては、他のアルミニウム合金や、アルミニ
ウム、銅を用いることもできる。接合はセラミック部材
1の端部(接合部分)1aと金属部材12の凹部(接合
部分)12aとで行なわれる。
【0016】本発明は、金属部材12に銅めっき層を形
成しない点において、第1の発明と異なっている。その
他は第1の発明と同様である。まず、セラミック部材1
の端部1aの表面に銅めっき層3を形成し、更に図8に
示すように化合物層5及びはんだめっき層6を形成す
る。これを行なう方法は、第1の発明の場合と同様であ
る。
【0017】一方、図9に示すように、金属部材12の
凹部12aの内面にもはんだ4からなるめっき層6bを
形成する。このめっき処理は図4に示す場合と同様に、
金属部材12を溶融されたはんだ4中に浸漬し、超音波
振動を金属部材12に加えて行なわれる。
【0018】そして、図10に示すように、セラミック
部材1のはんだめっき層6と金属部材12のはんだめっ
き層6bとを合わせ、両めっき層6、6bを溶融させる
とともにセラミック部材1又は金属部材12に超音波振
動を加えることにより、セラミック部材1と金属部材1
2とを接合させる。
【0019】以上のように、本発明の方法では、銅めっ
き層3を形成したことにより化合物層5が形成され、化
合物層5を介することによってはんだめっき層6がセラ
ミック部材1に強固に付着する。従って、はんだめっき
層6、6bを介することによってセラミック部材1と金
属部材12とがはんだ付けにより接合されることとな
る。
【0020】その他の作用効果は第1の発明と同様であ
る。即ち、はんだめっき層6の形成において、フラック
スが不要であるので、フラックスの後処理は不要であ
り、また、フラックスによってセラミック部材1や金属
部材12が腐食されることもない。
【0021】なお、セラミック部材1と金属部材12と
を接合する際に超音波振動を加えることは必ずしも必要
ではない。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本願の第1の発明によれ
ば、セラミック部材1、金属部材2に予め銅めっき層
3、3aを形成したので、化合物層5、5aを形成し
て、これを介することによってはんだめっき層6、6a
をセラミック部材1、金属部材2に強固に付着させるこ
とができる。このため、はんだめっき層6、6aを介す
ることによって、セラミック部材1と、アルミニウム及
び銅を除く金属からなる金属部材2とを、はんだ付けに
より接合することができる。フラックスを用いることな
くはんだめっき層6、6aを形成することができるの
で、フラックスの後処理を不要にでき、また、フラック
スによってセラミック部材1や金属部材2が腐食される
のを防止できる。このため、作業の簡易化、作業後のセ
ラミック部材1や金属部材2の品質の向上を図ることが
できる。
【0023】また、本願の第2の発明によれば、セラミ
ック部材1に予め銅めっき層3を形成したので、化合物
層5を形成して、これを介することによってはんだめっ
き層6をセラミック部材1に強固に付着させることがで
きる。このため、はんだめっき層6を介することによっ
て、セラミック部材1と、アルミニウム又は銅からなる
金属部材12とを、はんだ付けにより接合することがで
きる。フラックスを用いることなくはんだめっき層6、
6bを形成することができるので、フラックスの後処理
を不要にでき、また、フラックスによってセラミック部
材1や金属部材12が腐食されるのを防止できる。この
ため、作業の簡易化、作業後のセラミック部材1や金属
部材12の品質の向上を図ることができる。
【0024】
【別の実施例】本願の第1及び第2の発明の上記各実施
例では、アルミニウム部材用のはんだを用いているが、
アルミニウム部材用のろう材の範疇に含まれるものであ
れば、はんだに限らず用いることができる。更に、予め
施すめっきとしては銅を用いているが、次に列挙する金
属を用いることもできる。即ち、アルミニウム、亜鉛、
鉛、ケイ素、カドミウム、スズ、及びこれらの1種以上
を主成分とする合金。これらの場合においても、上記実
施例と同様の作用効果を奏する。即ち、上記列挙された
金属からなるめっきが施されたセラミック部材の接合部
分に、ろう材又ははんだを付着させる際においては、次
のような反応が生じると考えられる。即ち、上記めっき
とろう材又ははんだとの界面においては、金属間化合物
及び酸化物からなる層が形成される。この層は超音波振
動に伴なうキャビテーションによって剥離していき、そ
の際に、この層中のめっき成分が、セラミック部材表面
の酸化物から酸素を奪いながら、ろう材中又ははんだ中
に拡散していく。これにより、セラミック部材表面は活
性化され、ろう材又ははんだのぬれが生じ、セラミック
部材表面には、ろう材又ははんだの成分とセラミック部
材の成分とからなる化合物層が形成されるとともに、そ
の化合物層を介してろう材又ははんだが強固に付着し、
ろう材又ははんだからなるめっき層が形成される。一
方、アルミニウム及び銅を除く金属部材の接合部分に上
記めっきが施されたものにおいて、ろう材又ははんだを
付着させる際においても、同様の反応により、ろう材又
ははんだが付着してろう材又ははんだからなるめっき層
が形成されると考えられる。なお、ろう材又ははんだを
強固に付着させるための化合物層は、ろう材又ははんだ
の成分と金属部材の成分とからなっていると考えられ
る。このような作用に基づき、金属部材とセラミック部
材とは、ろう材又ははんだからなるめっき層によりろう
付け又ははんだ付けされることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の第1の発明により接合する金属部材と
セラミック部材を示す縦断面図である。
【図2】 第1の発明の方法の第1工程を示す縦断面図
である。
【図3】 第1の発明の方法の第2工程を示す縦断面図
である。
【図4】 第1の発明の方法の第3工程を示す縦断面図
である。
【図5】 第1の発明の方法の第4工程を示す縦断面図
である。
【図6】 第1の発明の方法の第5工程を示す縦断面図
である。
【図7】 本願の第2の発明により接合する金属部材と
セラミック部材を示す縦断面図である。
【図8】 第2の発明の方法の一工程を示す縦断面図で
ある。
【図9】 第2の発明の方法の一工程を示す縦断面図で
ある。
【図10】 第2の発明の方法の一工程を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1 セラミック部材 1a 端部(接合部分) 2、12 金属部材 3、3a 銅めっき層 4 (アルミニウム部材用の)はんだ 5、5a 化合物層 6、6a、6b はんだめっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 2/08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム及び銅を除く金属部材と、セ
    ラミック部材とを、アルミニウム部材用のろう材又はは
    んだを用いてろう付け又ははんだ付けにより接合する方
    法であって、金属部材及びセラミック部材の各接合部分
    の表面に、予め、銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、ケイ
    素、カドミウム、スズ、及びこれらの1種以上を主成分
    とする合金、の内から任意に選択した金属からなるめっ
    きを施しておき、このめっきを施した金属部材及びセラ
    ミック部材の各接合部分を溶融ろう材中又は溶融はんだ
    中に浸漬し、超音波振動を加えて接合部分にろう材又は
    はんだを付着させ、その後にろう付け又ははんだ付けを
    行なうことを特徴とする金属部材とセラミック部材との
    接合方法。
  2. 【請求項2】アルミニウム又は銅からなる金属部材と、
    セラミック部材とを、アルミニウム部材用のろう材又は
    はんだを用いてろう付け又ははんだ付けにより接合する
    方法であって、セラミック部材の接合部分の表面に、予
    め、銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、ケイ素、カドミウ
    ム、スズ、及びこれらの1種以上を主成分とする合金、
    の内から任意に選択した金属からなるめっきを施してお
    き、このめっきを施したセラミック部材の接合部分を溶
    融ろう材中又は溶融はんだ中に浸漬し、超音波振動を加
    えて接合部分にろう材又ははんだを付着させ、その後に
    ろう付け又ははんだ付けを行なうことを特徴とする金属
    部材とセラミック部材との接合方法。
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