JPH0761622A - 紙葉の吸着方法 - Google Patents

紙葉の吸着方法

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JPH0761622A
JPH0761622A JP5216068A JP21606893A JPH0761622A JP H0761622 A JPH0761622 A JP H0761622A JP 5216068 A JP5216068 A JP 5216068A JP 21606893 A JP21606893 A JP 21606893A JP H0761622 A JPH0761622 A JP H0761622A
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JP
Japan
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belt
charging
voltage
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sheet
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JP5216068A
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English (en)
Inventor
Kazunori Sakauchi
和典 坂内
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面が絶縁層の誘電体からなるベルトと、この
ベルトを回動させる駆動手段と、このベルトを帯電する
帯電手段を用い、見開かれたブック原稿の頁1枚や積載
された用紙から1枚の紙葉を分離するために吸着する方
法であって、高温高湿環境において紙葉の吸着力の低下
を防ぎ、温室度変化による紙葉の吸着力変化を小さく
し、紙葉の吸着分離、吸着搬送、ブック原稿の頁めくり
の装置の信頼性を向上させることのできる紙葉の吸着方
法を提供すること。 【構成】帯電手段(帯電器4、電圧印加手段50)によ
ってベルト1の表面上に局所的に不均一な帯電であり、
かつ、全体的には正負いずれかの極性に偏った帯電状態
をつくり、この帯電状態にある前記ベルトを紙葉に接近
又は接触させて該紙葉を前記ベルトに吸着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙葉の吸着方法に関し、
詳細には、紙葉を吸着分離する給紙装置、紙葉を吸着搬
送する搬送装置、頁めくり技術を応用した複写機やスキ
ャナー装置に適用することのできる紙葉の吸着方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】表面が絶縁層の誘電体からなるベルト
と、このベルトをその下面が原稿吸着のための平面部を
形成するように架張する手段と、このベルトを回動させ
る駆動手段と、このベルトを帯電する帯電手段を用い、
見開かれたブック原稿の頁1枚や積載された用紙から1
枚の紙葉を分離するためにベルトに紙葉を吸着する方法
がある。
【0003】例えば、図17において、図示省略の帯電
手段により、ベルト1の表面上に局部的には正負が不均
一で、全体的には正負のどちらにも偏らない状態での帯
電が行われる。そして、この帯電によって生じる電気力
線ELによる電界を用い、頁をベルト表面に吸着させて
いる。
【0004】図17に示す通常の環境時においては、原
稿Gの頁G1は前もって帯電はしておらず、又、体積抵
抗も十分大きいことから電荷注入もされない。そのた
め、頁G1は電気的に中性で、真電荷を持たない状態で
ある。
【0005】この吸着力を説明するために、電界により
物質に作用する静電力Fの一般式を以下に示す。
【0006】 F=(qE)−(1/2・E2・grad ε) 但し、q:電荷,E:電界,ε:誘電率 この式から、このときの、頁G1の吸着力は、第2項目
に起因しており、頁側には真電荷がなくても部分的な交
番電界により誘電率の変化するところに働く静電力であ
る。
【0007】しかし、図18に示すように、高湿環境で
は、めくりベルト1の表面に誘電率が非常に高い分子
(水蒸気)が吸着し、交番電界が水分子内で閉じる。そ
の結果、頁G1には電界が作用せず、吸着力が著しく低
下した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】温湿度によって紙葉の
吸着力が大幅に変化し、特に高温高湿度環境において
は、紙葉の吸着力が大幅に低下してしまい、紙葉の吸着
分離、吸着搬送、ブック原稿の頁めくりの装置の信頼性
に欠けるとの問題があった。
【0009】従って、本発明は、高温高湿環境において
紙葉の吸着力の低下を防ぎ、温湿度変化による紙葉の吸
着力変化を小さくし、紙葉の吸着分離、吸着搬送、ブッ
ク原稿の頁めくりの装置の信頼性を向上させることので
きる紙葉の吸着方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成した。
【0011】(1).帯電手段によってベルト表面上に
局所的に不均一な帯電であり、かつ、全体的には正負い
ずれかの極性に偏った帯電状態をつくり、この帯電状態
にある前記ベルトを紙葉に接近又は接触させて該紙葉を
前記ベルトに吸着することとした(請求項1)。
【0012】(2).(1)において、帯電手段をベル
トに接触した1本の帯電ローラと、0ボルトを境に交番
し正負の絶対値が等しい電圧を発生する電圧印加手段に
より構成し、この電圧印加手段により、正の波形面積
と、負の波形面積とが等しくない交番電圧をベルトに印
加して紙葉をベルトに吸着することとした(請求項
2)。
【0013】(3).(1)において、帯電手段をベル
トに接触した1本の帯電ローラと、0ボルトを境に交番
し正負の絶対値が等しい電圧を発生する電圧印加手段に
より構成し、この電圧印加手段により、正の波形面積
と、負の波形面積とが等しい交番電圧に直流電圧を重畳
した電圧をベルトに印加して紙葉をベルトに吸着するこ
ととした(請求項3)。
【0014】(4).(1)において、帯電手段をベル
トに接触する円筒状の第1の帯電ローラと、ベルト回動
方向上前記第1の帯電ローラよりも下流側にて前記ベル
トに接触させて設けられた凹凸幅の等しいスパイラル若
しくは段付き溝を有する第2の帯電ローラと、正負極性
の電圧の絶対値が等しくしない直流電圧を各々の帯電ロ
ーラに印加する電圧印加手段により構成した(請求項
4)。
【0015】(5).(1)において、帯電手段をベル
トに接触する円筒状の第1の帯電ローラと、ベルト回動
方向上前記第1の帯電ローラよりも下流側にて前記ベル
トに接触させて設けられた凹凸幅の等しくないスパイラ
ル若しくは段付き溝を有する第2の帯電ローラと、正負
極性の電圧の絶対値が等しい直流電圧を各々の帯電ロー
ラに印加する電圧印加手段により構成した(請求項
5)。
【0016】
【作用】温湿度変化による紙葉の吸着力変化が小さくな
る。
【0017】
【実施例】
〈めくり部の構成〉紙葉を吸着するベルトは、ブック原
稿の頁をめくり、また、原稿を読み取る機能を有するめ
くり部の一部として構成されている。めくり部は、ブッ
ク原稿の表面にそって往復移動し、往動時に頁をめく
り、復動時に原稿を読み取る作業を連続して行う。
【0018】図1、図2、図3において、めくり用のベ
ルト1は、絶縁層の誘電体からなる二層構造の樹脂フィ
ルムからなる。具体的には、PET,PC,PVC,フ
ッ素樹脂等をベースに表面層は高抵抗(表面抵抗1014
Ω以上)フィルムを、裏面層は低抵抗(表面抵抗108
Ω以下)フィルムをそれぞれ使用している。
【0019】このベルト1を2本、並列に、駆動ローラ
2と従動ローラ3間に掛けまわしている。この掛けまわ
しの態様は、ベルトの下側の面が原稿を吸着するに必要
な大きさの平面部が形成されるような大きさを有するよ
うに設定されている。
【0020】駆動ローラ2は接地された金属ローラの表
面に導電性ゴムを被覆したローラからなっていて、これ
により、確実なベルト駆動と接地を実現する。駆動ロー
ラ2はベルト1の線速度をめくり部の移動速度と等しく
なるように時計まわりの向きに該ベルトを回転駆動させ
る。
【0021】ベルト1の上側部分に対向して、帯電手段
としての帯電器4が図示省略の部材に支持されている。
この帯電器4は帯電手段としての電圧印加手段50に接
続されている。電圧印加手段50は、後述するタイミン
グに合わせてベルト1の表面上に交番電界が生じる電圧
を印加する。かかる交番電界による帯電状態のベルト1
はブック原稿の頁に接触すると、そこに吸着力が発生す
る。
【0022】ベルト1及び従動ローラ3、帯電器4は一
体的に構成されていて、原稿を吸着するまではベルトは
水平状態を維持し、吸着後は駆動ローラ2の軸心を中心
にして、従動ローラ3が上動し、図1のようにベルトが
斜めに傾いた状態になって紙葉を吸着分離する。
【0023】図1において、ベルト1の回動方向上、帯
電器4よりも下流の位置には、めくり部頁検知センサ1
2が配置されている。このセンサは、ベルト1が頁G1
を吸着して持ち上げたときに、従動ローラ3の近傍で吸
着された頁の有無を検出するために設けたものである。
【0024】従動ローラ3の下側には、頁分離コロ5が
図示しない駆動手段により接離自在に設けられている。
この頁分離コロ5は、ベルト1が頁を吸着して持ち上げ
た状態時に、2点鎖線で示す離間位置から移動して従動
ローラ3に圧接される。
【0025】この圧接位置は、従動ローラ3と頁分離コ
ロ5の2つのローラの接点の法線方向がベルトの吸着面
にほぼ一致する位置である。不動部材であるラック8に
はアイドルギヤ7が噛み合い、このアイドルギヤ7はト
ルクリミッタ6に噛み合っていて、トルクリミッタ6の
出力軸に頁分離コロ5が設けられている。
【0026】よって、ラック8に対してめくり部が移動
すると、アイドルギヤ7がトルクリミッタ6を回転さ
せ、頁分離コロ5を回転させる。このときの頁分離コロ
5の回転方向は、吸着された頁G1の進入方向を阻む方
向になる。
【0027】この回転のトルクは、2枚以上の頁が進入
してきたときには、紙間のスリップにより紙の進入を阻
む向きに回転が可能でこれにより1枚分離を達成する
し、1枚の頁が進入してきたときには、頁の進入する力
に負けて、連れまわるようになっている。なお、このよ
うな機能を十分に達成させるため、頁分離コロ5が接触
する従動ローラ3の対応部分はエラストマー等の摩擦部
材により形成されている。 図1において、実線で示す
頁分離コロ5が従動ローラ3に対向している頁分離位置
の後方には、頁収納ガイド11と、このガイドの入り口
に頁を搬送する頁搬送コロ9と、このコロ9に対向圧接
して回転する加圧コロ10が設けられ、頁G1を頁収納
ガイド11内に搬送するようにしている。
【0028】更に、頁搬送コロ9の後方には、正常に頁
がめくられたことを判断するためのガイド部頁検出セン
サ13を配置している。
【0029】めくられる頁は、ブック原稿の綴じ部付近
では曲率があるため、めくり部がブック原稿の綴じ部付
近まで移動したとき、曲率の分だけ頁がたるんでしま
う。それを解消するため、頁搬送コロ5をめくり部の移
動速度より多少速くして、たるみ分を吸収するようにし
ている。
【0030】頁収納ガイド11が1頁分を収納した後、
更に当該めくり部を移動することにより収納した頁を頁
収納ガイドより排出するがこの排出時には、頁搬送コロ
9の駆動をクラッチをきることにより停止して、スムー
ズに頁が排出されるようにしている。
【0031】〈帯電手段の構成〉 実施例1(請求項1に対応する例).図1で説明したよ
うに、本例では、帯電手段を帯電器4と電圧印加手段5
0で構成している。電圧印加手段50は、ベルト表面上
に局所的に不均一な帯電であり、かつ、全体的には正負
いずれかの極性に偏った帯電状態をつくり得るような電
圧を発生させて帯電器4或は、以下の実施例2、実施例
3に述べる如き帯電手段に印加する。
【0032】これにより、ベルト1の表面上に交番電界
が生じ、かかる交番電界による帯電状態のベルト1をブ
ック原稿の頁に接触することにより、そこに吸着力が発
生して頁が吸着される。
【0033】実施例2(請求項2,3に対応する例).
図4(a)はベルト1及びその架張手段を上から見た部
分断面図であり、図4(b)はベルト1及びその架張手
段を側面から見た図である。これらの図に示すように、
帯電手段を帯電ローラ4−1とこのローラに電圧を印加
する電圧印加手段4−2aとで構成している。
【0034】ここで、電圧印加手段としては、パルス発
生手段及びその出力を増幅する手段からなる。帯電ロー
ラ4−1は実施例1における帯電器4に代えて設けられ
たもので、ベルト1の上側に接触している。この帯電ロ
ーラ4−1は、金属ローラに108〜1011Ωcmのゴ
ムを被膜したものを使用している。
【0035】頁などの紙葉の吸着に際しては、ベルト1
を駆動しながら、所定のタイミングでこの帯電ローラ4
−1に対し電圧印加手段4−2aにより交番する高電圧
を印加し、ベルト1上を不均一な帯電状態にする。この
ときの印加電圧波形は、図5、図6に示すような絶対値
の等しい正負電圧で、正の波形面積と負の波形面積とが
等しくないものとする(請求項2)。
【0036】或は、帯電手段の構成は同じでも電圧印加
手段4−2aにより帯電ローラ4−1に印加する電圧
を、図7、図8に示すように正の波形面積と負の波形面
積とが等しい状態のもとに、さらに、正負どちらかの直
流電圧成分を重畳した波形の電圧とする(請求項3)。
【0037】これら何れの場合においても、ベルト1の
表面上には局部的に不均一な帯電がなされ、全体的には
正負どちらかに偏った帯電となっている。この帯電によ
って生じる電界により、ベルト1に頁が接触すると、吸
着力が頁に働く。
【0038】実施例3(請求項4,5に対応する例).
図9(a)は、ベルト及びその架張手段を上から見た部
分断面図であり、図9(b)はベルト及びその架張手段
の側面図である。これらの図に示すように、帯電手段を
第1の帯電ローラ4−1a及び第2の帯電ローラ4−1
bとこれらのローラに電圧を印加する電圧印加手段4−
2bとで構成している。
【0039】これらの帯電ローラは実施例1における帯
電器4に代えて設けられたもので、ベルト1の上側に接
触している。これらの帯電ローラは、金属ローラに10
8〜1011Ωcmのゴムを被膜したものを使用してい
る。
【0040】第2の帯電ローラ4−1bは駆動ローラ2
に近い方、つまり、頁めくり時におけるベルト回転方向
下流側に位置するもので、段付きのローラで構成する。
或は、スパイラルで構成することもできる。第1の帯電
ローラ4−1aは第2の帯電ローラ4−1bの上流側に
配置している。
【0041】電圧印加手段4−2bは、各帯電ローラの
各々に極性の異なる高電圧を印加するもので、本例で
は、図9(b)に示すように、第1の帯電ローラ4−1
aに対しては+V1、第2の帯電ローラ4−1bに対し
ては−V1の電圧を印加する。
【0042】これら正負電圧(+V1,−V1)の絶対値
が等しい場合、図10に示すように段部の凸部の幅l1
と、段部の凹部の幅l2とは異ならせる(請求項5)。
【0043】又、前記正負電圧(+V1,−V1)の絶対
値が等しくない場合には、図11に示すように第2の帯
電ローラの段部を構成する凸部の幅l1と、段部の凹部
の幅l2とは等しくする(請求項4)。
【0044】このようにすることによって、ベルト1の
表面上には、局部的に不均一な帯電がなされ、全体的に
は正負どちらかに偏った帯電状態が得られる。この帯電
によって生じる電界により、ベルト1に頁が接触する
と、吸着力が頁に働く。
【0045】〈頁吸着の態様〉図12に示すように、本
発明の各実施例の帯電手段によって、ベルト1の表面上
は、局部的に不均一で全体的には正負どちらかに偏った
帯電状態にされる。この帯電により、偏った帯電と逆極
性の電荷が接地部からベルト1の裏面の導電層に誘導さ
れる。
【0046】又、ベルト表面近傍には、不均一な帯電に
より交番電界が発生している。通常環境時には、図17
に示した従来技術と同様に、図12に示す如く、交番電
界によって頁G1がベルト1に吸着される。
【0047】一方、高湿環境時には、ベルト表面に吸着
した水分子によって交番電界が閉じてしまい、前記静電
力Fの一般式の第2項に起因する力は頁に働かない。し
かし、高湿環境のため、抵抗が著しく低下している頁G
1を、このように帯電したベルトに接触させることによ
り、頁に接地部からベルト裏面の誘電層に誘導された電
荷量と略等しい電荷が誘導され、ベルト裏面に誘導され
た電荷は消失する。
【0048】このように、正負どちらかに偏った電荷を
もつベルト1と、その電荷と逆極性の電荷をもつ頁G1
間には、図13に示すように、前記静電力Fの一般式の
第1項目の静電力が働き、ベルト1に頁G1が吸着され
る。
【0049】この第1項目の静電力は、ベルト表面に吸
着している水分子には影響されにくい。この為、頁吸着
力と湿度との関係を説明した図14において、本発明に
係る実施例では特性曲線xで示される特性を呈し、従来
技術に係る例では特性曲線yで示される特性を呈する。
【0050】これらの特性曲線が示すように、本発明に
よれば従来技術に比べて、湿度の変化に対して頁吸着力
の変化が少なく、湿度が増しても湿度が低い場合と略同
様の吸着力を得、ブック原稿の自動頁めくり、読み取り
手段に適用することができる。
【0051】さらに、この原理を、紙葉を吸着分離する
給紙装置や、紙葉を吸着搬送する搬送装置等に応用する
こともできる。なお、ベルトの構成として、一層の絶縁
層からなるベルトの裏面に接触する導電性の別部材を設
けても同様の吸着特性を得る。〈めくり動作〉図1、図
2、図15、図16により、めくり動作について説明す
る。図1において、ベルト1及びその周辺部材と、頁収
納ガイド11及びその周辺部材と、図示を省略した読み
取り部とは一体的に構成されて走査ユニットをなす。
【0052】この走査ユニットは、初期の段階では、本
体の左端であるホームポジションにいる。このホームポ
ジションにいた走査ユニットは、めくり開始とともに、
右行を開始し、読み取り手段により左頁、右頁の順に原
稿の読み取りを行う。
【0053】右頁の端まで読み終えると、走査方向を逆
転し、左行動作の過程でめくり動作を行う。実施例で
は、めくり動作を120mm/sの速度で行った。ここ
で、走査方向の逆転と共に図示省略の駆動手段によりベ
ルト1の下側の平坦面が水平になるように、ベルト1全
体を駆動ローラ2を中心に回動させる。つまり、ベルト
の下側の平坦面が原稿Gの面と略平行になる。
【0054】この走査方向の逆転と同時に、電圧印加手
段に高電圧の電源を入れて、帯電器、帯電ローラ等に電
圧を印加する。
【0055】めくり走査方向にユニットが移動(左行)
することにより、ベルト1上には帯電パターンが形成さ
れる。又、めくり走査開始とともに、走査ユニットに設
けたCCDによりブック原稿台面を読み込み始め、ブッ
ク原稿端部の位置を探し、位置を決定する。ここで、ブ
ック原稿の端部と原稿台との見分けをやり易くするた
め、原稿台の色は黒色としている。
【0056】ブック原稿の端部を検知したら、走査ユニ
ットを、ベルト1による吸着分離走査に十分な所定の距
離だけ移動させ、この過程でベルトに頁G1を吸着させ
て走査ユニットを移動を停止する。この停止位置は図1
に示す位置であり、この位置をめくり位置と称する(ス
テップP1)。
【0057】このとき、頁と対応するベルト1の対応面
部に、吸着に必要とされる十分な帯電パターンを形成す
るために、次の条件を満たすようにする。つまり、図2
において、実線で示す走査ユニットの逆転位置における
駆動ローラの最下点の位置からブック原稿の端部までの
距離をL1とし、帯電開始時において帯電器4がベルト
1と対応している位置から駆動ローラ2の最下点の位置
までの距離をL2としたとき、距離L1を距離L2と等
しいか、或は距離L2以上とする。
【0058】このようにすれば、ベルト1の帯電部分が
必ず頁部分に対応することになる。距離L2と距離L1
の関係が逆の場合は、読み取り走査の後半より帯電を開
始する。
【0059】このように最上頁を吸着した状態で、駆動
ローラ2の軸心を中心ににして、従動ローラ3を持ち上
げ、図1の状態を得る(ステップP2)。このとき、原
稿端部検知の精度が悪く、ベルト1を持ち上げる位置が
ブック原稿綴じ部の方に寄りすぎる可能性がある。
【0060】そのような状態のもとで、めくり走査を続
行したときは、吸着した頁の先端部が頁分離コロ5と従
動ローラ3との間に入らないため、頁が頁収納ガイド1
1に入らず、頁G1を折ったり破いたりして原稿を破損
してしまう。
【0061】そのため、ベルト1を持ち上げた状態の従
動ローラ3の近傍に配置しためくり部頁検出センサ12
を用いて、めくられた頁の有無を検知して有りなら、原
稿破損防止対策を行う(ステップP3)。
【0062】この原稿破損防止の手順は、頁を検知した
場合、前記の状態を想定し、めくり不良と判断してめく
り動作を中断し、めくり走査方向とは逆方向に走査ユニ
ットを走査させる(ステップP13)。
【0063】この走査中にめくり部頁検出センサ12に
より、めくられた頁の端部を検出できた場合、その検出
位置からベルト1を持ち上げる位置を再度計算して記憶
しておき(ステップP12)、めくり走査開始位置まで
戻る(ステップP11)。
【0064】その後、めくり走査を再開し、記憶したベ
ルト持ち上げ位置で停止して同様なめくり動作を行う
(ステップP11)。
【0065】また、ステップP11において、めくり走
査方向とは逆方向に走査ユニットを走査させ、この走査
中にめくり部頁検出センサ12により、めくられた頁の
端部を検出できなかった場合は、めくり走査開始位置ま
で戻り、めくり走査をやり直す(ステップP10)。
【0066】最上頁を吸着した状態でベルト1を持ち上
げたときに、めくり部頁検出センサ12で頁を検出でき
なかった場合には、ステップP3において、正常なめく
り動作が進行中と判断して、0.5秒の停止後、めくり
方向に走査ユニットを走査し始める(ステップP4)。
ここで、以下に説明する頁分離を確実にするために、こ
のときの速度は40mm/sとした。
【0067】その後、めくり走査が「ある距離」を進む
間にベルト1に頁が吸着していれば、頁端部がめくり部
頁検出センサ12に進入し、頁端部が検出されるはずで
ある。この判断をステップP5において行う。
【0068】頁端部がめくり部頁検出センサ12に進入
せず頁端部を検出できないときは、ベルト1に頁が吸着
しておらず、めくり不良と判断してめくり不良と判断し
てめくり走査を中断し(ステップP14)、めくり走査
開始位置まで走査ユニットを戻し、再度同様なめくり走
査を行う(ステップP10)。
【0069】ここで、「ある距離」とは、駆動ローラ2
がブック原稿平面と接している位置からめくり部頁検知
センサ12による検出位置までの長さである。
【0070】ここで、この装置で可能な最小原稿の規定
値を、綴じ部から頁端までの長さが前記「ある距離」以
上の長さとする。ステップP10において、頁端部が検
出されたならば、そのタイミングで図示省略の駆動手段
により、頁分離コロ5を従動ローラ3に圧接させる(ス
テップP6)。
【0071】頁先端部が頁収納ガイド11に入りかけた
ら、図示省略の駆動手段により、頁分離コロ5を従動ロ
ーラ3から離間させる(ステップP7)。
【0072】前記「ある距離」を進む間に頁の端部を検
出し頁の分離が終了したとき、走査ユニットのめくり走
査速度を120mm/sに戻し(ステップP8)、1枚
の頁を頁収納ガイド11内に導き、該収納ガイド後方の
ガイド部頁検出センサ13で頁端部を検出し、その位置
をもとに2枚目のめくり停止位置を決定し、記憶してお
く。
【0073】さらにめくり走査が進み、原稿綴じ部中央
付近から収納された頁が頁収納ガイド11から排出し始
め、ガイド部頁検出センサ13により頁端部が再度検出
されると、頁めくりが完了したことが確認される。
【0074】その後、走査ユニットは読み取り開始位置
まで移動して2枚目の読み取り走査の開始に備える(ス
テップP9)。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、高温高湿環境下におい
て、紙葉の吸着力の低下を防ぎ、温湿度変化による紙葉
の吸着力変化を小さくし、紙葉の吸着分離、吸着搬送、
ブック原稿の頁めくりの装置の信頼性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブック原稿にベルトを吸着させるための構成を
説明した図である。
【図2】ブック原稿にベルトを吸着させるための構成を
説明した図である。
【図3】ブック原稿にベルトを吸着させるための構成を
説明した図である。
【図4】帯電手段の構成を説明した図である。
【図5】帯電手段による印加電圧の波形図である。
【図6】帯電手段による印加電圧の波形図である。
【図7】帯電手段による印加電圧の波形図である。
【図8】帯電手段による印加電圧の波形図である。
【図9】帯電手段の構成を説明した図である。
【図10】段状に形成した帯電ローラの正面図である。
【図11】段状に形成した帯電ローラの正面図である。
【図12】通常環境時における吸着の原理を説明した図
である。
【図13】高湿環境時における吸着の原理を説明した図
である。
【図14】頁吸着力と湿度との関係を説明した図であ
る。
【図15】走査ユニットの速度線図及びタイミングチャ
ートである。
【図16】めくり動作のフローチャートである。
【図17】従来方式による、通常環境時における吸着の
原理を説明した図である。
【図18】従来方式による、高湿環境時における吸着の
原理を説明した図である。
【符号の説明】
1 ベルト 4 帯電手段としての帯電器 50 帯電手段としての電圧印加手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面が絶縁層の誘電体からなるベルトと、
    このベルトをその下面が原稿吸着のための平面部を形成
    するように架張する手段と、このベルトを回動させる駆
    動手段と、このベルトを帯電する帯電手段を用い、見開
    かれたブック原稿の頁1枚や積載された用紙から1枚の
    紙葉を分離するために吸着する方法であって、 前記帯電手段によって前記ベルト表面上に局所的に不均
    一な帯電であり、かつ、全体的には正負いずれかの極性
    に偏った帯電状態をつくり、この帯電状態にある前記ベ
    ルトを紙葉に接近又は接触させて該紙葉を前記ベルトに
    吸着することを特徴とする紙葉の吸着方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、帯電手段をベルトに接
    触した1本の帯電ローラと、0ボルトを境に交番し正負
    の絶対値が等しい電圧を発生する電圧印加手段により構
    成し、この電圧印加手段により、正の波形面積と、負の
    波形面積とが等しくない交番電圧をベルトに印加して紙
    葉をベルトに吸着することを特徴とする紙葉の吸着方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1において、帯電手段をベルトに接
    触した1本の帯電ローラと、0ボルトを境に交番し正負
    の絶対値が等しい電圧を発生する電圧印加手段により構
    成し、この電圧印加手段により、正の波形面積と、負の
    波形面積とが等しい交番電圧に直流電圧を重畳した電圧
    をベルトに印加して紙葉をベルトに吸着することを特徴
    とする紙葉の吸着方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、帯電手段をベルトに接
    触する円筒状の第1の帯電ローラと、ベルト回動方向上
    前記第1の帯電ローラよりも下流側にて前記ベルトに接
    触させて設けられた凹凸幅の等しいスパイラル若しくは
    段付き溝を有する第2の帯電ローラと、正負極性の電圧
    の絶対値が等しくない直流電圧を各々の帯電ローラに印
    加する電圧印加手段により構成したことを特徴とする紙
    葉の吸着方法。
  5. 【請求項5】請求項1において、帯電手段をベルトに接
    触する円筒状の第1の帯電ローラと、ベルト回動方向上
    前記第1の帯電ローラよりも下流側にて前記ベルトに接
    触させて設けられた凹凸幅の等しくないスパイラル若し
    くは段付き溝を有する第2の帯電ローラと、正負極性の
    電圧の絶対値が等しい直流電圧を各々の帯電ローラに印
    加する電圧印加手段により構成したことを特徴とする紙
    葉の吸着方法。
JP5216068A 1993-08-31 1993-08-31 紙葉の吸着方法 Pending JPH0761622A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7682016B2 (en) 2002-11-26 2010-03-23 Ricoh Company, Ltd. Stably operable image-forming apparatus with improved paper conveying and ejecting mechanism

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7682016B2 (en) 2002-11-26 2010-03-23 Ricoh Company, Ltd. Stably operable image-forming apparatus with improved paper conveying and ejecting mechanism

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