JPH076115B2 - 無杼織機の保全管理方法 - Google Patents

無杼織機の保全管理方法

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JPH076115B2
JPH076115B2 JP63028953A JP2895388A JPH076115B2 JP H076115 B2 JPH076115 B2 JP H076115B2 JP 63028953 A JP63028953 A JP 63028953A JP 2895388 A JP2895388 A JP 2895388A JP H076115 B2 JPH076115 B2 JP H076115B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、ウォータジェット・ルームやエアジェット・
ルームなどの無杼織機の効率的な保全管理方法に関する
ものである。
〔従来技術〕
従来、無杼織機におけるヨコ入れタイミングの調整方法
として、ストロボスコープを使用してヨコ糸が飛走する
瞬間の状態を観察しながら、そのヨコ入れタイミングの
異常検知と調整とを行うようにしたものがある。しか
し、この方法は非常に熟練を必要とし、かつ調整に時間
がかかると共に正確さにも欠けるという欠点があった。
また、1ピック当たりの連続的なヨコ糸飛走状態を知る
ことができないという欠点もあった。
そこで、ヨコ糸供給側のグリッパとノズルとの間でヨコ
糸張力を検知し、その検知信号を電磁オッシロスコープ
に記録することにより、ヨコ入れタイミングの調整を行
うようにする方法が考えられた(特開昭60-52653号公報
参照)。この方法は1ピック当たりのヨコ糸の飛走状態
を連続的に検知することはできるものの、そのバラツキ
具合を知ろうとする場合にデータ整理のために多大の労
力を使用しなければならないという欠点があった。ま
た、この方法では、ヨコ入れタイミング調整後のヨコ糸
飛走状態が、調整前と比較してどのように変化したかを
リアルタイムに知ることはできず、その変化を知るため
にはデータ取り,データ整理,調整結果の比較という作
業を繰り返し行わねばならなかった。したがって、その
調整が完全に終了するまでには、やはり或る程度の時間
を要するという欠点を余儀なくされていた。
また、特開昭60-52653号公報には、ヨコ糸フィーラで検
出されるヨコ糸有無の検出信号の変動に基づいて、停台
原因,ヨコ入れ性能を評価する装置が提案されている。
しかし、この装置では、ヨコ糸の有無の検出がされると
きだけの信号に基づき評価を行うため、ヨコ入れタイミ
ング条件,ポンプ条件,ノズル条件などの各種要因につ
いて高精度の評価を行うことは難しく、ましてリアルタ
イムに評価を正しく行うことは、なお難しいことであっ
た。
このように従来の保全管理方法では、リアルタイムに短
時間に調整をすることができないため、織機稼動前の初
期調整に時間がかかり、無杼織機が本来有する高い生産
性を十分に生かすことができなかったのが現状である。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上述のような従来技術の問題を解消
し、リアルタイムな保全調整を可能にし、それによって
生産性を大いに向上することができる無杼織機の保全管
理方法を提供することにある。
〔発明の構成〕
上記目的を達成する本発明の保全管理方法は、ヨコ糸供
給側のグリッパとノズルの間に張力検出器を設け、この
張力検出器により前記ノズルから噴射した飛走中のヨコ
糸の張力を連続的に検出すると共に、該張力を織機1回
転当たりの全クランク角に対応する波形曲線に変換する
に当たり、該波形曲線として少なくともヨコ入れ用機器
のヨコ入れタイミング条件,ポンプ条件及びノズル条件
の異常時に形成する異常波形曲線をそれぞれ予め求めて
おき、織機運転時における前記波形曲線を織機複数回転
分について重ねて比較することにより前記異常波形曲線
を見出し、この異常波形曲線をもたらしたヨコ入れタイ
ミング条件,ポンプ条件又はノズル条件を調整すること
を特徴とするものである。
本発明は上述のようにノズルから噴射されたヨコ糸の張
力をグリッパとノズルの間で検出するようにし、そのヨ
コ糸張力を織機1回転当たりのクランク角に対応した波
形曲線として取り出すようにしたことに特徴がある。こ
のようにクランク角に対応した波形曲線として取り出す
ことによって、1ピック当たりのヨコ糸飛走状態を連続
した変化として知ることができる。この波形曲線は、本
発明者等の知見によればヨコ入れ用機器におけるヨコ入
れタイミング条件,ポンプ条件,ノズル条件などに異常
が発生すると、これら条件毎にそれぞれ互いに異なった
異常波形曲線になる。したがって、これらの条件毎に異
常波形曲線を予め求めておき、この異常波形曲線を、織
機運転時において波形曲線を織機複数回転分について重
ねて比較することにより検出し、異常の発生を知るよう
にするのである。しかも、この異常波形曲線は条件毎に
異なっているので、上記のように予め形成しておいた複
数の異常波形曲線のなかから織機運転状態のどの部分に
異常個所があるかをリアルタイムに知ることができるよ
うになる。
本発明において、ヨコ糸張力は無杼織機のグリッパとノ
ズルとの間に設置した張力検出器によって検知すること
ができる。この張力検出器としては検出原理は特に限定
されないが、コンピュータで処理して上述したクランク
角に対応する波形曲線にするため、検出張力を電気信号
に変換するようなものを使用するのがよい。かかる張力
検出装置としては、従来走行糸の張力検出機構としてよ
く使用される複数レバーを用いた3点式のものや、第9
図に示すようにグリッパ4とノズル3との間を飛走する
ヨコ糸Ybに張力検出器10の検知レバー10aを屈曲状態に
なるように接触させるもの等が好ましく使用できる。
上記波形曲線を、織機複数回転分について重ね表示する
には、画像として表示装置の画面上に直接表示するよう
にすることが好ましい。これによって一層リアルタイム
な異常発見を行うこうとができる。また、このような複
数の波形曲線の表示は、プリンタによって紙上に印刷表
示するようにしてもよい。また、上記検知したデータは
装置電源を切っても消えないようにフロッピディスクや
磁気テープなどに保存しておくようにすることが望まし
い。
織機複数回転分の波形曲線を重ねることによって、表示
画面或いは印刷紙面には一定幅の張力バラツキをもった
帯状の波形曲線が形成される。この帯状のバラツキ幅は
織機運転状態が正常であるときはほヾ一定であるが、運
転条件のどこかに異常があるときは、クランク角に沿っ
た或る角度部分で他の部分より異常に張力バラツキの大
きな部分を生ずる。したがって、この異常に大きな張力
バラツキ部分から異常の有無を簡単に発見することがで
きる。
また、上述のようにして異常に張力バラツキの大きな部
分は、異常の原因毎に違った部分(クランク角)に発生
する。すなわち、異常原因としては、噴射開始角,グリ
ッパ開閉角,ヨコ糸カット角などのヨコ入れタイミング
条件、水量,水圧,スプリング弾性力などのポンプ条
件、噴射孔径,噴射方向などのノズル条件などがあり、
これらの条件毎に異常な張力バラツキ発生部分が異なっ
たものとなる。したがって、このような異常原因毎の張
力バラツキ形態を予め調べておくことにより、これら予
め調べた張力バラツキ形態と検査中の波形曲線とを比較
すれば、その異常の有無を簡単にリアルタイムに知るこ
とができることになる。
また、このように予め調べた異常原因毎の張力バラツキ
形態のデータをコンピュータのメモリに記憶させ、これ
を検査中の波形曲線と比較させるようにすれば、自動的
に異常の有無や異常個所を表示させることができる。
以下、図に示す実施例を参照することにより本発明を説
明する。
第1図は本発明の方法を実施するためのウォータジェッ
ト・ルームの一例を示すものである。このウォータジェ
ット・ルームにおいて、多数本の引き揃えられたタテ糸
Yaは、一定速度で引き出されながら一対の綜絖5,5の交
互の上下運動により、筬1の後方に杼口2を形成する。
この杼口2の両側部にはカッタ12,12が設けられ、その
一方のカッタ12の外側にノズル3が設けられ、さらにそ
の外側にグリッパ4が設けられている。
ノズル3にはポンプ6が接続され、このポンプ6からヨ
コ入れ毎に圧水が供給され、それによってノズル3から
圧水と共にヨコ糸Ybが杼口2に向けて噴射される。杼口
2に噴射されたヨコ糸Ybは、飛走終了と同時に筬1によ
って布F側に打ち込まれ、同時に両耳部をカッタ12,12
によってカットされる。ヨコ糸Ybはパッケージ7から供
給ローラ8によって連続供給されるが、いったん負圧の
貯溜パイプ9に吸引貯溜される。その吸引貯溜されたも
のがヨコ入れ毎にノズル3によって引き出され、残余の
不足部分が供給ローラ8から直接供給されるようになっ
ている。
このような無杼織機において、上記グリッパ4とノズル
3の間には、飛走中のヨコ糸張力を検出するための張力
検出器10が設けられている。また、ノズル設置側と反対
側のヨコ糸Ybが到達する側には、その到達を検出するた
めのフィーラ11が設けられている。
第2図は本発明を実施するための保全管理装置20を概略
的に示すもので、上記無杼織機に設けた張力検出器10が
検出するヨコ糸張力から、クランク角に対応する波形曲
線を形成するコンピュータを内蔵している。この実施例
では、この保全管理装置20はフィーラ11の検出信号に基
づくフィーラ通電量をクランク角に対応した波形曲線と
しても形成するようにしている。
上記保全管理装置20は、入力部としてA/D(アナログ/
デジタル)コンバータ21を有し、またデータ処理部とし
て中央演算装置(CPU)22およびメモリ23を有してい
る。さらに中央演算装置22には、出力装置として表示装
置24とプリンタ25が接続され、またデータ保存用にフロ
ッピディスク26も接続されている。また、運転条件等を
入力するためのキーボード27が接続されている。
上記A/Dコンバータ21には、無杼織機側に設置した張力
検出器10とフィーラ11の信号が入力するようにそれぞれ
接続されている。張力検出器10は検出張力の大きさに応
じて電気信号を発生し、またフィーラ11はヨコ糸の到達
の有無を電気信号として発生する。このフィーラ11は一
対の電極からなり、水を含んだヨコ糸がブリッジしたと
き、電気を通電して信号を発生するようになっている。
このフィーラ11の信号は、制御盤30の増幅器28により増
幅されてA/Dコンバータ21に入力される。
また、無杼織機側にはフィーラタイミング検出鉄片31と
近接スイッチ32がクランク角検出器として設けられてい
る。フィーラタイミング検出鉄片31は織機の回転数と同
じ回転数で回転し、織機1回転につき1回ずつ近接スイ
ッチ32に近づくことにより近接スイッチ32にパルスを発
生させるもので、そのパルス信号は、制御盤30の増幅器
29を介して中央演算装置22に入力されるようになってい
る。
なお、上述のようなパルス信号を入力させるのは、織機
の回転毎にクランク角に同期させてヨコ糸張力変動曲線
を得るためである。したがって、このようなパルス信号
の発生手段自体は、フィーラタイミングの検出をベース
とした方法以外の方法で行ってもよく、例えばクランク
軸の回転や筬の位置を検出する等の手段によっても差し
支えない。
上述した保全管理装置20を使用して、織機の運転状態が
正常か否かを検査するには、まずキーボード27により、
その検査対象の織機の運転条件を中央演算装置22に入力
する。一方、張力検出装置10とフィーラ11が検出したヨ
コ糸張力信号とフィーラ信号とはA/Dコンバータ21にお
いてディジタル信号に変換され、中央演算装置22に入力
される。中央演算装置22はこれらの信号を近接スイッチ
32から入力するフィーラタイミング信号(回転信号)と
共に以下に説明するように処理し、その結果をクランク
角に対応する波形曲線として表示装置24,プリンタ25,フ
ロッピディスク26等に出力する。
第3図A,Bによって具体的に説明すると、キーボード27
により運転条件を入力した後、データサンプリングの開
始指令を中央演算装置22に送ると、第3図Aのデータ表
示フローはF6からF1に移り、第3図Bのデータサンプリ
ングフローを呼び出す。このデータサンプリングフロー
では、最初にデータカウンタを0にクリアし、S1で近接
スイッチ32からのフィーラタイミング信号(織機回転信
号)ハが中央演算装置22に入るのを待つ。
このフィーラタイミング信号ハが入ったらS2に移り、上
記ヨコ糸張力信号イおよびフィーラ信号ロをA/D変換
し、この変換したデータをS3で記憶する。次いで、S4で
織機2回転後のフィーラタイミング信号ハが入ったかど
うかをチェックする。この信号ハが入っていなかったら
S5に移り、データカウンタをインクリメントする。そし
て、次のフィーラタイミング信号ハが入ってくるまで
は、S2,S3,S4,S5,S2……のループを繰り返し、張力信号
イとフィーラ信号ロのA/D変換を続ける。この間の時間
は一定であるため、データカウンタは一定時間間隔でイ
ンクリメントされていくことになる。
そして、S4のチェックで、織機2回転後のフィーラタイ
ミング信号ハが入ったときS6に移り、呼び出したデータ
表示フローのF2に移る。このようにして、前のフィーラ
タイミング信号ハと織機2回転後のフィーラタイミング
信号ハとの間にサンプリングされたデータは、クランク
角に対応した波形曲線として形成されることになる。こ
こで、織機2回転分のデータをサンプリングするように
するのは、織機1回転分のデータでは、フィーラタイミ
ングから次のフィーラタイミングまでのデータしか取れ
ないため、クランク角0〜360°のデータを連続に得る
ことができないからである。ただし、クランク角0°を
別の検知器で検知するようにすれば、織機1回転分のデ
ータで0〜360°のデータを連続に得ることは可能であ
る。
データ表示フローのF2に移った後は、回転数が安定して
いるか否かをチェックする。これは織機の起動や停止時
の張力信号イやフィーラ信号ロは不安定なデータである
ので、これらのデータは検査用のデータから省くように
することが望ましいからである。したがって、F2でチェ
ックしたとき、もし回転数が安定していなければF6に戻
り、再度データを取り直すようにするのである。F2のチ
ェックで回転数が安定していればF3に移り、本発明に従
い重ね表示をするか、または前回のサンプリングデータ
波形の消去を行うか否かをチェックする。
本発明において重ね表示を行うのは、バラツキを観察す
るために極めて有効な手段である。1回、1回消去する
場合は、リアルタイムに調整結果を観察したいとき、例
えば運転中にポンプ水圧を調整して拘束移行開始角を所
望のクランク角に合わせるときなどに使うとよい。上記
チェックの結果重ね表示をしない場合はF4に移り、いっ
たん前回の波形を消去してF5に移り、新しいデータの波
形表示をするようにし、またチェックの結果重ね表示を
する場合はF5に移り、前回表示した波形の上に重ねて新
しいデータを表示する。
以下、F6,F1,F2,F3,(F4),F5,F6……のループを繰り返
す。この繰り返しによって必要な数だけデータを取った
ら、キーボード27からサンプリング終了の指令を入力し
て停止させる。この回数は運転しながら適宜指令しても
よいが、事前に表示回数を設定しておき、その表示回数
になったとき自動的に終了するようにしてもよい。
上述したように、上述保全管理装置20は、張力検出器10
で検出したヨコ糸Ybの張力信号と、フィーラタイミング
検出鉄片31および近接スイッチ32が織機1回転毎に発生
するフィーラタイミング信号(回転信号)により、クラ
ンク角に対応したヨコ糸張力の波形曲線を形成表示す
る。また、同時にフィーラ11が検知する通電量の信号に
より、同じくクランク角に対応した通電量の波形曲線を
形成表示する。
このうちヨコ糸張力の波形曲線は、ヨコ糸の飛走状態が
正常であるときは、例えば第4図に示すような波形曲線
になる。この波形曲線は、クランク角に対応してa,b,
b′,c,d,d′,e,e′の各位置でヨコ糸張力の顕著な変化
を有したものとなる。
ここで、aはヨコ糸カット時(ヨコ糸カット角)であ
り、筬打ちとほぼ同時にカットされるためヨコ糸張力が
高くなっており、そのカット直後から急激に張力が低下
する。また、bは次のヨコ入れのためノズル3が噴射開
始したとき(噴射開始角)、b′は噴射開始によりヨコ
糸が水に引っ張られたことにより発生する張力ピーク
(噴射開始張力ピーク角)、cはノズル3からヨコ糸が
飛走開始したとき、(飛走開始角)、eはその飛走が終
了したとき(飛走終了角)、e′は飛走している糸がグ
リッパに挟まれ、飛走速度が急激に下がることにより張
力ピークが発生したとき(飛走終了張力ピーク角)であ
る。飛走開始角cと飛走終了角eの中間のdは、拘束開
始角といわれる。すなわち、cからdまでは貯溜パイプ
9内の貯溜分のヨコ糸が無拘束状態に引き出される過程
であり、その貯溜分が無くなって供給ローラ8に拘束さ
れつつ引き出され始める時点で上記拘束開始角dにな
る。上記b〜cの間を先行角、c〜dの間を自由飛走
角、d〜eの間を拘束飛走角といい、無拘束で引き出さ
れる自由飛走角ではヨコ糸張力は比較的低いが、拘束さ
れながら引き出される拘束飛走角では高くなる。また、
d′は自由飛走から拘束飛走に移行し、飛走速度が急激
に供給ローラ8の供給速度まで下がることにより張力ピ
ークが発生したとき(拘束飛走張力ピーク角)であり、
非常に大きなピークを作る。
このような波形曲線を織機複数回転分について表示装置
24又はプリンタ25によって重ね表示すると、それら複数
の波形曲線から描かれた曲線は、第5図,第6図,第7
図のように帯状にバラツキ幅をもったものになる。この
うち、第5図はヨコ糸飛走状態が安定しているときのも
のであり、第6図と第7図はそれぞれ運転条件に異常が
あり、ヨコ糸飛走状態が不安定になっているときのもの
である。具体的には、第6図の異常はポンプによる供給
水量が不足しているときであり、第7図の異常はポンプ
による供給水圧が不足しているときのものである。
第5図の正常状態のときの複数回分の波形曲線は、ヨコ
糸張力にバラツキはあるものの、そのバラツキは織機1
回転当たりのクランク角に対して、どの角度においても
ほヾ一定のバラツキ幅内に収まっている。
これに対し、第6図や第7図の異常状態のときは、ヨコ
糸張力は拘束飛走張力ピーク角d′や飛走終了張力ピー
ク角e′におけるバラツキの度合が、他の噴射開始張力
ピーク角b′や飛走開始角cに比べて異常に大きくなっ
たものとなる。したがって、このような異常なバラツキ
を見出すことにより、運転状態に異常のあることをリア
ルタイムに知ることができる。しかも、これらバラツキ
の形態は、第6図,第7図に示すように異常の原因によ
って異なった形になっており、ポンプの供給水量が不足
しているときは第6図のような形態であり、またポンプ
の水圧が不足しているときは第7図のような形態にな
り、飛走終了張力ピーク角e′でのヨコ糸張力が拘束飛
走張力ピーク角d′よりも異常に高くなっている。した
がって、このような異常時のバラツキ形態を予め得てお
けば、これとの比較により異常原因が何処にあるかを簡
単に知ることができる。
なお、この実施例では、異常波形曲線をポンプの水量不
足水圧不足の場合について例示したが、ヨコ入れタイミ
ング条件やノズル条件などについても同様の異常波形曲
線を作ることができ、これらを予め作っておくことによ
り上記同様の検知を行うことができる。
また、ヨコ糸の到達を検知するフィーラ11の通電量の信
号とフィーラタイミング検出鉄片31および近接スイッチ
32の回転信号からは、第8図のようなクランク角に対応
した波形曲線が形成される。この第8図において、拘束
開始角dに前後して表れる細幅のピークPWは、ヨコ糸に
先立って水だけがフィーラ11に到達したことを示し、ま
た飛走終了角eに前後して表れる大きな幅のピークP
Tは、水を含んだヨコ糸が到達したことを示している。
このような大きな幅のピークPTができないときは、ヨコ
糸の到達がないことを表している。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明の保全管理方法によれば、織機
の運転状態をリアルタイムに把握することができ、異常
のあるときにはその原因も確実に把握することができ
る。そのため、従来方法のように調整作業のために深い
経験は不要になり、簡単かつ迅速に作業することができ
る。また、定量的な調整が可能になるので、複数台の織
機の運転条件を正確に合わせることもできる。また、こ
の本発明の保全管理方法は、本発明による装置によって
実施可能となる。
したがって、本発明によれば効率的な無杼織機の保全管
理を可能にし、無杼織機が本来有する高い生産性を一層
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するための無杼織機(ウォータジ
ェット・ルーム)の概略斜視図、第2図は同無杼織機に
装備した保全管理装置のブロック図、第3図A,Bは、そ
れぞれ同保全管理装置を運転するためのデータ流れ図
(第3図A)とデータサンプリング流れ図(第3図B)
である。第4図は同保全管理装置によって形成されるヨ
コ糸張力のクランク角に対応する波形曲線図、第5図〜
第7図は織機複数回転分の波形曲線を重ね表示したとき
の図で、第5図は正常運転時のもの、第6図および第7
図は異常運転時のものである。第8図は同保全管理装置
によって形成されるタテ糸フィーラが検出する通電量の
クランク角に対応する波形曲線図である。第9図は張力
検出器の一例を示す斜視図である。 Ya……タテ糸、Yb……ヨコ糸、2……杼口、3……ノズ
ル、4……グリッパ、6……ポンプ、10……張力検出
器、11……フィーラ、20……保全管理装置、21……A/D
コンバータ、22……中央演算装置、23……メモリ、24…
…表示装置、25……プリンタ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヨコ糸供給側のグリッパとノズルの間に張
    力検出器を設け、この張力検出器により前記ノズルから
    噴射した飛走中のヨコ糸の張力を連続的に検出すると共
    に、該張力を織機1回転当たりの全クランク角に対応す
    る波形曲線に変換するに当たり、該波形曲線として少な
    くともヨコ入れ用機器のヨコ入れタイミング条件,ポン
    プ条件及びノズル条件の異常時に形成する異常波形曲線
    をそれぞれ予め求めておき、織機運転時における前記波
    形曲線を織機複数回転分について重ねて比較することに
    より前記異常波形曲線を見出し、この異常波形曲線をも
    たらしたヨコ入れタイミング条件,ポンプ条件又はノズ
    ル条件を調整することを特徴とする無杼織機の保全管理
    方法。
  2. 【請求項2】織機複数回転分の波形曲線を表示装置の画
    面上に重ねて表示する請求項1記載の無杼織機の保全管
    理方法。
  3. 【請求項3】織機複数回転分の波形曲線をプリンタによ
    り紙上に重ねて印刷表示する請求項1記載の無杼織機の
    保全管理方法。
  4. 【請求項4】ヨコ糸供給側のグリッパとノズルの間に張
    力検出器を設け、この張力検出器により前記ノズルから
    噴射した飛走中のヨコ糸の張力を連続的に検出すると共
    に電気信号に変換し、この電気信号をA/Dコンバータに
    よりコンピュータに取り込み、織機1回転当たりの全ク
    ランク角に対応する波形曲線として表示装置に表示する
    に当たり、前記波形曲線として少なくともヨコ入れ用機
    器のヨコ入れタイミング条件,ポンプ条件及びノズル条
    件の異常時に形成する異常波形曲線をそれぞれ予め求め
    ておき、織機運転時における前記波形曲線を織機複数回
    転分について重ねて表示比較することにより前記異常波
    形曲線を見出し、この異常波形曲線をもたらしたヨコ入
    れタイミング条件,ポンプ条件又はノズル条件を調整す
    ることを特徴とする無杼織機の保全管理方法。
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