JPH0759192B2 - 不安定に遺伝されたプラスミドの安定化法 - Google Patents

不安定に遺伝されたプラスミドの安定化法

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JPH0759192B2
JPH0759192B2 JP58503065A JP50306583A JPH0759192B2 JP H0759192 B2 JPH0759192 B2 JP H0759192B2 JP 58503065 A JP58503065 A JP 58503065A JP 50306583 A JP50306583 A JP 50306583A JP H0759192 B2 JPH0759192 B2 JP H0759192B2
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    • C12N15/68Stabilisation of the vector

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、遺伝子及びその産生物を製造するための組
換えDNAの技術分野で有用なプラスミドの安定化法に関
する。
技術背景 大部分の天然のプラスミドがたとえ選択圧(selection
pressure)(プラスミドを保持するこれら微生物だけが
成育するのを保証するフアクター、一例として抗生物質
に対する耐性を伝達する遺伝子を有するプラスミドの場
合の栄養培地中の抗生物質がある)がなくても維持し続
けるということは、プラスミド維持機能が発現されて、
これらの染色体外性要素(extrachromosomal element)
が高効率で存続しつづけるのを保証していることを示唆
している。このプラスミド維持機能は主として、細胞中
のプラスミド濃度を調節する遺伝子コントロール・サー
キツトを含む複製遺伝子で構成されている。成長細胞中
でこの複製コントロール・システムは、プラスミドのコ
ピー数を監視し、プラスミド複製の確率を増減させるこ
とによつて平均値からの偏差を修正する。しかし、いず
れの複製コントロール・システムも、プラスミドの著し
く少ないコピーもしくはひとつだけのコピーしかもたな
い細胞が生成するのを防止できない。したがつてかよう
な細胞からプラスミドのない娘細胞が生成する可能性が
あるということは明白である。この問題は勿論、低いコ
ピー数のプラスミドについて最も重大なことである。さ
らに細胞分裂時のプラスミド分子の受身分配(passive
distribution)によつて、ある程度の頻度でプラスミド
のない細胞が生成することは避けられない。細胞からの
プラスミド分子の喪失は不可逆なので、かような不安定
な状態の結末は、最終的には全集団にプラスミドがなく
なるということである。
細胞分裂時のプラスミドの不規則分配(random distrib
ution)のみならず、他のフアクターが、プラスミド維
持のためのセレクシヨンなしで培養される細胞の培養物
からのプラスミドの喪失速度に影響を与えるときがあ
る。例えばいくつかのプラスミドは2つの新たに複製さ
れた分子を分解するために特定の組換えシステムを要す
る(Austin et al.,Cell 25,1981pp.729〜36)。分解し
なければマルチマー(multimer)が形成され(組合わさ
れて)、このようにして、たとえ高いコピー数のプラス
ミドでさえも娘細胞への分配の段階で低コピー数のプラ
スミドとして出現することがある。というのはプラスミ
ドのない細胞が生成する確率は、マルチマー構造体に組
合わされるプラスミド分子の数が増すにつれて増大する
からである。組換えDNA技術にしばしばみられるもうひ
とつの現象は、DNAフラグメントを挿入したために安定
なクローニングベクター(cloning vector)が不安定な
ハイブリツドプラスミドに変換する現象である。そして
このDNAフラグメントが存在すると、プラスミドコピー
数の減少を起こすか又は細胞成長を消極的に妨害する有
害な産物を生成する。
かような場合はすべて、プラスミドの分離(segregatio
n)と喪失が、外部からでは容易に制御できない頻度
(高頻度もしくは低頻度)で起こる。
天然プラスミド、特に低コピー数プラスミドが安定なの
は、その複製コントロール・システムに加うるに、第2
セツトの維持機能が存在し、これが細胞分裂時のプラス
ミド分子の規則的な分配に積極的に関与しているという
ことを示唆している。かような機能は分配機能(partit
ioning function)と呼称されている。例えば、Meacock
et al.,Cell20,1980,pp.529〜42;Nordstrm et al.,P
lasmid 4,1980,pp.332〜49;Seelke et al.,Plasmid 7,1
982,pp.163〜79の研究は、これらの機能が少なくとも一
部分がプラスミド自体によつて〔par部位(par region
s)中に〕暗号とされているということを示した。かく
して、ある種のプラスミド欠失変異株は、通常の野生型
複製挙動を行うにもかかわらずその安定な維持性もしく
は遺伝を失ない、プラスミドの安定性を保証する特定の
機能が除去されたことを示したのである(上記Nordstr
m et al,の文献参照)。
組換えDNA技術におけるベクターとして用いられる多く
のプラスミドは、野生型親プラスミドに比べて多量のDN
Aを除去されているので、これらプラスミドは不安定に
遺伝されやすい。このことは、プラスミドが不安定なこ
とによつて結局プラスミドが細胞から完全になくなりか
ついずれの場合もプラスミドに暗号化された遺伝子の産
物の相対収率が減少するので、重大問題を提起する。こ
の問題は特に、セレクシヨン・プレツシヤー例えば抗生
物質の雰囲気下での微生物の培養は通常実施不可能でし
かも、環境面からみて少なくとも好ましくないことが多
く、その微生物は多数世代にわたつて培養される、大規
模生産時に特に著しい。少コピー/細胞で存在するにす
ぎないベクターは、不安定に遺伝されそれ故細胞から失
われやすい。プラスミドの相対的安定性を保証する比較
的高いコピー数を通常有するプラスミドでも、そのプラ
スミドに本来関しない(not naturally related;本来存
在していない)遺伝子を有するDNAフラグメントがその
中に挿入されると不安定になることが知られている。
発明の開示 この発明は、そのプラスミドには本来関しない単一もし
くは複数の遺伝子が挿入されて保持され、加うるに分配
機能を発揮するDNAフラグメントが挿入されて保持され
ているプラスミドに関する。“挿入される”という用語
は、その単一もしくは複数の遺伝子又はDNAフラグメン
トが、目的とするプラスミドの組立て工程中の一段階で
プラスミドに導入されたことを意味する。
これに関連して、“分配機能”という用語は、細胞分裂
時のプラスミド分子の定序分配(ordered distributio
n)を確実に行い、その機能を表現するプラスミドのタ
イプによつて、ひとつ以上の遺伝子も含有しうるプラス
ミドの部位によつて暗号化されている機能を意味する。
上記のようにかような部位は天然に生成する、すなわち
野生型プラスミドに見出されるが、Par+表現型(phenot
ype)を表現するすなわち分配遺伝子が存在し、そして
そのプラスミドには本来関しない単一もしくは複数の遺
伝子が挿入されて保持されているプラスミドは新規なも
のであると信じられる。かくして、プラスミドとは微生
物中に本来存在する染色体外性要素と定義され、その要
素はそのもの自体もしくはその誘導体として単離するこ
とができる。
この発明のプラスミドは、挿入された単一もしくは複数
の遺伝子によつて直接もしくは間接に伝達される工業も
しくは医学用の広範囲の産物、特にポリペプチド類、蛋
白類もしくはそのフラグメント、酵素類、酵素類の反応
による多数の非蛋白産物、ホルモン類のごとき低分子量
産物、及び核酸類を得ることを目的とする組換えDNA技
術分野におけるクローニング・ベクター又は産生ベクタ
ーとして用いることができる。そして真核遺伝子(euka
ryotic gene)ことに哺乳類遺伝子が特に重要である。
この発明の好ましい態様によれば、分配機能とは、野生
型耐性プラスミドR1の部位、したがつて以下にR1 par部
位(R1 par region)と記載される部位によつて実際に
発現される機能である。この発明によつて、かような部
位が、そのプラスミドには本来関しない単一もしくは複
数の遺伝子を保有する不安定なR1ミニプラスミドのみな
らず、そのプラスミドには本来関しない単一もしくは複
数の遺伝子を保有するプラスミドR1以外のしばしば分離
するプラスミドにも、いくらかのもしくは充分な安定性
を付与することが見出されたのである。特に有益な分配
機能のもうひとつの例は、その受容体プラスミド(reci
pient plasmid)に高い安定性を付与する野生型のプラ
スミドF(Seelke et al.上記文献)に見出されたとい
うことである。以下において、主としてR1 par機能(R1
par function)について述べられるが、R1 par機能に
関連する多くの現象は他のpar機能にも適用され、かつ
広い範囲のこの発明の一般思想がR1 par機能に限定され
ないということは理解されるべきである。
プラスミドR1の分配機能はいわゆるEcoR1-フラグメント
によつて発揮されるということはすでに提示された(No
rdstrm et al.,Plasmid 4,1980,pp.332〜49参照)。
この発明に至る研究過程において驚くべきことには約19
kbの長さ(19,000の塩基対)を有するEcoR1-Aフラグメ
ントが、その受容体プラスミドにPar+表現型を付与する
2つのしかも2つだけの異なつた部位からなることが見
出されたのである。これらの部位はEcoR1-Aフラグメン
トの両端に位置しており、またEcoR1-Aフラグメント中
の他のDNA配列はいずれも、プラスミドを安定化する機
能をなんら有していないと現在信じられている。このた
め、この二つの部位をそれぞれpar部位A(par region
A)とpar部位B(par region B)と命名し、それぞれpa
r A及びpar Bと略称した。
小さいフラグメントはプラスミドに挿入しやすくしかも
得られたプラスミドは宿主細胞に形質転換しやすいの
で、できるだけ小さいDNAフラグメントで作動させるの
が有利であることから、この発明はひとつの態様とし
て、プラスミドR1のEcoR1フラグメントより短かくてR1
par部位を有するDNAフラグメントが挿入されてこれを保
持するプラスミドを提供するものである。この挿入され
たDNAフラグメントは通常、その主な要素としてR1 par
部位A部位、R1 par部位B部位、又はR1 par部位AとR1
par部位Bの両者からなる。このことは、宿主プラスミ
ドに挿入されたDNAフラグメントのすべてが実質的に、
両方の部位のいずれか一つもしくは両者で構成されてい
ることを意味する。そのフラグメント上の残りのDNAは
主して適切な制限座位(restriction site)を提供する
ためのものであり、受容体プラスミド上の対応又は適合
性制限座位と容易に適合する所望の端部を有するDNAフ
ラグメントを提供する。かような端部もリンカーによつ
て提供できる。しかし、par部位AからなるDNAフラグメ
ント及びpar部位BからなるDNAフラグメントは、同じプ
ラスミドに別々にもしくは連続的に導入できて、そのプ
ラスミドは、同一DNAフラグメント上にあるpar部位Aと
par部位Bとを挿入することによつて表現型ParA+、ParB
+を樹立したプラスミドと表現型について同一であると
いうことに留意することが重要である。例えば、parB部
位のごときpar部位をすでに保持しているプラスミドを
さらに安定化したいならばそのプラスミドは適切な制限
酵素で制限して、そしてこの制限座位と適合性の端部を
有しかつparA部位のごとき他のpar部位を有するDNAフラ
グメントを挿入してもよい。また逆の方法すなわち、す
でにparA部位を有するプラスミドにparB部位を同様にし
て挿入する方法を採用してもよい。
したがつて興味あるプラスミドは、R1 par部位AとR1 p
arB部位とからなる挿入されたDNAフラグメントが約6kb
を超えない長さ、特に約4kbを超えない長さ、ことに3kb
を超えない長さを有するプラスミドである。挿入された
DNAフラグメントがR1 par部位Aを有するときは通常約4
kbを超えない長さを有し、特に約2.5kbを超えない長
さ、ことに約2kbを超えない長さを有する。挿入されたD
NAフラグメントがR1 parB部位からなるときは通常約2kb
を超えない長さを有し、特に約1.5kbを超えない長さ、
ことに約1kbを超えない長さを有する。上記の理由から
小さいDNAフラグメントを選択しているがEcoR1-Aフラグ
メント全体を挿入することによつてプラスミドの安定性
を得る可能性を除外するものではない。このことは例え
ば、安定化させるべきプラスミドの大きさが余り重要で
ない場合には許容することができる。フラグメント全体
が挿入される際は、抗生物質耐生を伝達する遺伝子を持
つDNAフラグメントを有することがスクリーニングする
のに有利である。しかしある種の理由からEcoR1-Aフラ
グメントの大きさを小さくしたい際は、EcoR1-Aフラグ
メントを制限酵素PstIで部分的に制限するか、又はその
大きなフラグメントから各R1 par部位を切除し次いで各
部位を同じDNAフラグメントに逐次転移させ、次いでこ
のフラグメントを安定化させるべきプラスミドに挿入さ
せるなどのごとき種々の方法で行うことができる。
この発明の原理にしたがつて安定化されるプラスミド
は、挿入されたR1 par部位によつて安定化されるR1ミニ
プラスミド(R1ミニプラスミドはオリジナルのR1 DNAの
多くが除去され、その結果通常R1 par部位を含有してい
ない)のごとき、挿入された分配部位と本来の関係(na
tural relation)を持つプラスミドであつてもよく、又
は分配機能と本来の関係を持たないプラスミドであつて
もよい。この発明に係る有用で有効な分配機能によつ
て、R1 par部位によつてR1ミニプラスミドを安定化する
場合のように本来の関係にあるプラスミドのみならず、
分配機能が本来の関係にないプラスミドについても充分
な安定性を保証しうるということは興味深いことであ
る。後者の例は、pMB1プラスミドもしくはその誘導体や
pBR322プラスミドもしくはその誘導体のごとき非R1プラ
スミドにR1 par部位を挿入するものである(これらのプ
ラスミドは通常安定であるが、そのプラスミドと本来関
係でない単一もしくは複数の遺伝子が挿入されると不安
定になりやすい)。一方の例は、そのプラスミドを有す
る細菌を培養中の少なくとも一段階において、低コピー
数で広い宿主域を有するプラスミド類(多くの異なつた
宿主菌株もしくは種中に複製できるプラスミド類であ
り、このクラスのものは2以上のタイプの微生物に複製
しうるいわゆるシヤトルベクターを含む)及びその誘導
体、例えばRK2のごとき、低コピー数例えば0.5〜5コピ
ー/細胞を有するある種のプラスミドの安定化にR1 par
部位を用いる場合である。R1とは別に、安定化を要する
不適合性(incompatibility)グループInc F IIの他の
プラスミドには例えばR100とR6が含まれる。不安定なプ
ラスミドF誘導体の安定化にR1 par部位を用いることも
この発明の範囲に含まれる。
この発明の安定化法が重要であるプラスミドのひとつの
例は条件ランアウエイ複製プラスミド(conditional ru
naway replication)である。すなわち、そのプラスミ
ドを有する宿主微生物がある条件下で培養される際に一
定の低いプラスミドコピー数を有し、またそのプラスミ
ドを有する宿主微生物がある異なる条件で培養される際
その複製のコントロールを失い、そのプラスミドコピー
数が、宿主細胞の成長が停止するまで指数関数的に増大
するプラスミド類である。この発明の安定化法が特に必
要なランアウエイ複製プラスミドは、約3〜5コピー/
細胞を超えないコピー数を有するランアウエイ複製プラ
スミドであり、特にかようなプラスミドはそのプラスミ
ドを有する微生物がかような低コピー数を保証する条件
下で培養されると、約0.5〜1コピー/細胞を超えない
コピー数を有し(0.5という数字は複製頻度が1/細胞周
期以下であることを意味すると理解される)、その宿主
微生物がプラスミドコピー数を実質的に増大するのを保
証するある異なる条件下で培養されると少なくとも約50
0〜1000コピー/細胞の範囲のコピー数を有するランア
ウエイ複製プラスミドである。
ある条件下(代表的には約30℃のような低温)で低プラ
スミドコピー数であるということは、プラスミドを、宿
主細胞に対して若干毒性もしくは致死性の産物の遺伝情
報を指定する外来遺伝子を挿入するためのベクターとし
て用いるときに望ましいことである。というのは、例え
ば低温でプラスミド複製速度が低いことからその遺伝子
はたとえ表現されるとしても少量表現されるだけである
ので、細胞は培養の増殖過程で損傷しないままで存続す
るからである。しかし、低温で細胞を培養するがごとき
増殖過程の条件下で上記のように極端に低いコピー数を
有するプラスミド中にpar部位がないと、このプラスミ
ドを3〜5コピー数/細胞を超えないような低コピー数
を保証する条件下で培養すると3〜5コピー/細胞を超
えないコピー数を有するプラスミドについて約1%/世
代の頻度で微生物集団からプラスミドが失われる結果に
なる。約0.5〜1コピー/細胞を超えないコピー数を有
するプラスミド喪失の頻度は約5%/細胞/世代であ
る。プラスミドを安定化する分配機能がなければ、その
プラスミドは、ランアウエイ複製を誘導するのに経済的
であるような栄養培地中の密度にその細胞が到達する前
に、その細胞から失われてしまうことは明白である。こ
のことは、量産規模の培養に到達するために何百世代も
の細胞培養を要する大量生産の場合に特に明白である。
かようなランアウエイ複製は、そのプラスミドの本来も
つている複製コントロール遺伝子(単一もしくは複数)
〔native replication control gene(s)〕の上流側
(upstream)に調節しうるプロモーター(regulatable
promoter)を挿入することによつて条件付きにすること
ができる(この現象の詳細な記載は、“Plasmids with
Conditional Uncontrolled Replication Behaviour"の
標題で本願と同じ日に出願された本願出願人の係続中の
出願にある)。ランアウエイ複製挙動を有するプラスミ
ドとしては多くの異なるタイプのものであつてもよい
が、好ましいランアウエイ複製プラスミドはR1タイプの
プラスミドである。
この明細書において“安定性”という用語(及び関連用
語)は、宿主細胞からのプラスミドの喪失の頻度が2×
10-4/細胞/世代より少ないことを意味するよう意図さ
れている。野生型プラスミドと同様に安定な、すなわち
遺伝子の突然変異率のレベルに相当する3×10-6/細胞
/世代より少ない喪失頻度を有するプラスミドを得るこ
とは、そのプラスミドにPar機能を組込むことによつて
可能なことは明白である。この後者の喪失頻度(freque
ncy of loss,LF)値は、EcoR1-Aフラグメントの全体が
プラスミド中に挿入されたときのようにR1 par部位Aと
R1 par部位Bの両方でプラスミドが安定化される際にみ
とめられる。
しかし、上記のように、プラスミドR1のPar+表現型はEc
oR1-Aフラグメントの各々別個のpar部位に位置してい
る。これらのpar部位は各々、安定化機能もしくは分配
機能を欠くプラスミドと定義される不安定なプラスミド
に安定化効果を与えることが見出された。Par-表現型の
かようなプラスミドは通常、高い頻度もしくは低い頻度
で宿主細胞から失われる。かくして、例えばそのpar部
位の欠失したプラスミドR1誘導体は、宿主細胞から約1.
5×10-2/細胞/世代の頻度で失われる。同様に、Par-
表現型のプラスミドp15誘導体は約1×10-2/細胞/世
代の頻度で失われ、いくつかのプラスミドpMB1(pBR32
2)誘導体(実施例3,3に記載した1例のごとき)は約6
×10-3/細胞/世代の頻度で失われることがある。逆に
parAもしくはparBだけで安定化されたR1プラスミドは約
10-4/細胞/世代のLF値を有し、これらのpar部位のい
ずれかを有するDNAフラグメントが不安定なベクターに
挿入されると100倍安定化されることに相当する。対応
するp15誘導体についての数値は約8×10-4(ParA+),1
×10-6(ParB+)であり、対応するpMB1誘導体について
の数値は5×10-5(ParB+)である。parAとparBの部位
の両者を有するプラスミドは約10-6/細胞/世代のLF値
すなわち104倍の安定性を有する。容易に参照するた
め、異なるオリジンの安定化されたレプリコンと不安定
なレプリコンについて得られた結果を第1表に示した。
これは各par部位が他のpar部位と独立して作動し、その
par部位は少なくともR1プラスミドとp15プラスミドを安
定化するのにほぼ同等に有効であり、またそれらの作動
もしくは効果は累積的であることを示している。この知
見は不安定なプラスミドを安定化するのに必要な度合を
決定するときに利用できる。余りにも著しい安定化を必
要としない場合、すなわち安定化されるべきプラスミド
が極端に不安定でないと評価された(10-2/細胞/世代
より小さいLF値を有する)場合は、充分な安定性を得る
ため、すなわち数百世代にわたる大量生産用細菌集団か
らプラスミドが徐々に失われるの防止するためには、pa
r部位のひとつを有するDNAフラグメントを挿入すれば充
分であろう。一方プラスミドが著しく不安定な場合は
(10-2よりも大きいLF値を有する)、そのプラスミドの
著しい安定性を保証するためには両方のpar部位を挿入
することが必要であるか又は少なくとも有利であろう。
これらの測定可能なLF値は、上記定義のタイプのいずれ
のプラスミドが、遺伝子産物の量産にベクターとして使
用できて、その結果そのプラスミドには本来存在しない
少なくともひとつの遺伝子を有すべきである場合に利用
できる。かくしてこの発明は別の態様として、上記特性
のいずれかを有するparで安定化されたプラスミドを有
する細菌を培養し次いでそのプラスミドの遺伝子産物を
その細菌培養物から収穫する、プラスミドDNAから遺伝
子産物を生産する方法を提供するものである。培養自体
は、問題の細菌種に最適なことが知られている通常の栄
養培地を含む通常の技術を用いて適切に行われる。その
安定化法について、特定の組成の栄養培地を要しないと
いうことは特筆に値する。また遺伝子産物の収穫は、製
造される特定の遺伝子産物の同一性(アイデンテイテ
イ)と性質、宿主細菌の性質などに適する公知の方法に
したがつて行われる。培養は細菌の少なくとも100世代
にわたつて続けられる。大量生産時、細菌を増殖するの
に必要な細胞世代数は100世代を超えてもよい。このよ
うな環境下において、プラスミドのLF値は、プラスミド
の喪失が2×10-4/細胞/世代より小さいように、その
中のpar部位の存在によつて選択される。このLF値はひ
とつのpar部位だけで通常得ることができる。しかしい
くつかの場合には、10-5/細胞/世代より小さい、特に
5×10-6/細胞/世代より小さいプラスミドのLF値を得
ることが好ましい。
これらの非常に小さなLF値は、いくつかの例ではひとつ
だけのpar部位(特にR1 par部位B)の挿入によつて得
ることができるが、通常両方のR1 par部位の存在が必要
である。
この発明は他の態様として上記定義のタイプのプラスミ
ドを有する細菌を提供するものである。プラスミド維持
を保証するのにいずれの特定の突然変異株もしくは菌株
を必要としないということはこの発明のプラスミド特有
の利点である。かくして、グラム陰性菌のごとくかよう
なプラスミドを保有しうる細菌の種と菌株のいずれをも
用いることができる。この発明のプラスミドが複製でき
てそれらの安定性を維持できる細菌の特例は大腸菌(エ
シエリヒア・コリ)である。
さいごにこの発明は主要素としてR1 par部位からなるDN
Aフラグメントを提供するものである。これは、宿主プ
ラスミドに挿入されたDNAフラグメントのすべてが実質
的に両方のpar部位のいずれかによつて構成され、そのD
NAの残りの部分は受容体プラスミドの適合性制限座位へ
の挿入用の適切な制限座位を備えている。R1 par部位A
とR1 par部位Bを有する挿入されたDNAフラグメント
は、この原理によつて約6kbを超えない長さであるべき
で特に約4kbを超えずことに3kbを超えない長さであるべ
きである。そのDNAフラグメントがR1 parAを含む際は、
通常約4kbを超えない長さを有し、特に約2.5kbを超えな
い長さことに約2kbを超えない長さを有する。そのDNAフ
ラグメントがR1 par部位Bを有する際は、通常約2kbを
超えない長さを有し、特に約1.5kbを超えない長さこと
に約1kbを超えない長さを有する。制限酵素マツピング
によつてparA部位が約1800bp(塩基対)の長さの部位に
狭められ、parB部位が約900bpに狭められた、小さくて
それ故に容易に挿入しうるDNAフラグメントがそれらの
安定化機能を保持していたということは驚くべき知見で
ある。Par+表現型を実際に有する単一もしくは複数の遺
伝子をさらに小さくすることが可能である。
Par+表現型を有する組立てハイブリツドプラスミド(co
nstruction hybrid plasmid)について重要な問題は、
この表現型をスクリーニングする早くて簡単な方法がな
いことであつた。一般に適正なハイブリツドプラスミド
は、セレクシヨン圧なしでのプラスミドの培養中のプラ
スミドの高い安定性をもたらすPar+表現型によつて同定
することができる。しかしこのタイプのスクリーニング
法は冗長であり、いずれの場合もその親プラスミドが不
安定に遺伝されているさいに適切であるに過ぎない。い
まや下記に概説するような別のスクリーニング法が開発
されたのである。
a)ParA+フラグメント挿入のためのスクリーニング法 ParA+部位をともに有している2つの異なるプラスミド
(別個の非適合性グループからの)が同じ細胞中に存在
すると、多分それらプラスミドが細胞中の分配装置を争
い合うからある頻度で互に排斥し合うものである。(不
適合性)。parによつて伝達された不適合性表現型のこ
のタイプのものはparハイブリツドをスクリーニングす
るのに利用できる。例えばParA+プラスミドはlac遺伝子
とparA+部位を持つ他のプラスミドを有するΔlacエシエ
リヒア・コリ菌株(例えばCSH50)に形質転換すること
ができる。通常入つてくるプラスミドはpar+で伝達され
た不適合性を常在性ParA+プラスミドに対して発揮す
る。常在性プラスミドのLac+表現型によつて、かような
不適合性は、もし形質転換細胞が入つてくるプラスミド
にだけ認められる耐性標識(resistance marker)に基
づいて選択されるならば容易に検出される。一方その常
在性プラスミドが存在するか否かはマツコンキイラクト
ースプレート(McConkey lactose plates)のような指
示基質(indicator substrates)にスコアされる。かよ
うなプレートから新しい同様なプレートへ移すレプリカ
平板法のコロニイは、Lac-細胞の発生を示す無着色のコ
ロニイとして、常在性プラスミドの転移のごく低いレベ
ルでも提示する。もうひとつの安定性試験もしくはより
広範囲の不適合性試験が潜在するparA+ハイブリツドプ
ラスミドの性質を試験するのに必要なときがある。この
ようにして入つてくるプラスミドと常在性プラスミドと
の適正な(適合性の)組合わせを行うことによつて、In
c+(Par+)フラグメントをプラスミドに挿入しプラスミ
ドが不安定か安定かを速やかにスクリーニングすること
が可能である。
b)parB+フラグメント挿入のためのスクリーニング法 またparB+部位をともに有する2つの無縁のプラスミド
が互に不適合であることも示されたので、parA+ハイブ
リツドの作製について述べられたのと同じスクリーニン
グ法がparB+ハイブリツドの作製に適合する。
c)parA+,B+フラグメント挿入のためのスクリーニン
グ法 Tn5を挿入されたEcoR1-Aフラグメントは上記記載によつ
てparA+ハイブリツドとparB+ハイブリツドの両者を移転
さすポテンシヤルを有するだけでなく、parA+,parB+
ラグメントを有するプラスミドの直接選択(KmR)を行
わせる。かくしてそのフラグメントが大きいにもかかわ
らず、極めて少数のハイブリツドでも容易に選択され
る。両方のpar+部位からなる小さい方のDNAフラグメン
トも勿論parA+プラスミドとparB+プラスミドの両者に対
して不適合性を示す。
図面の説明 図面について以下に説明する。
第1〜5図と第7〜17図は各実施例に記載のプラスミド
の制限マツプを示す。
第6図はR1からのPstI-Dフラグメントの詳細なマツプ
(比例尺に合わせて作図されていない)を示し、及び 第18図は異なるpar部位を有する異なるタイプのレプリ
コンをPar-レプリコンと比較した安定性曲線を示す。
第1-5図と第7-17図には各実施例に記載のプラスミドの
直線状制限マツプが示され、そのマツプに、プラスミド
の表現型と遺伝子型とが親プラスミドを示す水平線の上
に示されている。かくしてparAはプラスミドの維持を保
証するプラスミドR1の部位のうちのひとつを示し、parB
はプラスミドの維持を保証するプラスミドR1の他の部位
を示す。iceIはコリシンE1に対する免疫性を伝達する遺
伝子を示す。oriもしくはoriVはプラスミド複製のオリ
ジンを示す。blaはアンピシリンに対する耐性の遺伝情
報を指定する遺伝子を示す。IRはTn5上の逆方向反復構
造を示す。KmRはカナマイシン耐性を示す。CmRはクロラ
ムフエニコール耐性を示す。ApRはアンピシリン耐性を
示す。TcRはテトラサイクリン耐性を示す。repAはR1複
製に必要な蛋白の合成の遺伝情報を指定する遺伝子を示
す。lacZ、lacY及びlacAは挿入されたlacオペロンを示
し、そのlacZはβ‐ガラクトシダーゼの遺伝情報を指定
し、lacYはパーミアーゼの遺伝情報を指定し、lacAはト
ランスアセチラーゼの遺伝情報を指定する。repA-lacZ
はrepA遺伝子とlacZ遺伝子間の融合体(fusion)を示
す。copBはrepAプロモーター(R1プラスミドの)からの
転写を抑制するポリペプチドの遺伝情報を指定する遺伝
子を示す。copAはRepA-RNAの翻訳を抑制するRNA分子の
遺伝情報を指定する遺伝子を示す。OI857はλPRプロモ
ーターの活性を制御する感熱性入リプレツサー合成の遺
伝情報を指定する遺伝子を示す。Pdeoはdeoプロモータ
ーを示す。矢印は転写の方向を示し、三角形はDNAの挿
入を意味する。フイルドイン部分とブランク部分は挿入
された遺伝子を示す。点線は欠失を示す。
水平線の下に制限酵素に対する座位が示され、EはEcoR
1を意味し、PはPstIを意味する。B1は第1図と第5図
を除いてBamHIを意味し、これらの図においてTn5DNAを
除いてB1はBakIを意味する。H1はHpaIを意味する。EV
EcoRVを意味する。B2はBglIIを意味し、S1はSalIを意味
する。H3はHindIIIを意味しOはOlaIを意味する。
第6図において、PstI-Dフラグメントがさらにマツピン
グされた。水平線より上の数字は制限座位間の塩基対の
数を示す。水平線の下に、制限酵素のための座位が示さ
れ、R1はRsaIを、PはPstIを、H1はHpaIを示す。
第18図に、実施例において作製され試験されたR1、p15
及びpBR322それぞれの誘導体の安定性曲線が示す。各曲
線は100世代以上続けた少なくとも2つの液体培養物に
ついて平均したものを示す。この図から、parAとparBの
両方を含むプラスミドは著しく安定に遺伝されているこ
とが分かる。またparBだけを含むプラスミド及びparAだ
けで安定化されたミニ‐R1プラスミドの場合も同様であ
る。
Par-プラスミドの曲線から、一定の喪失速度のために、
予想どおりに、プラスミドを保有する細胞の頻度が最初
から指数函数的に減少することが分かる。後の段階で、
プラスミド保有細胞の頻度はプラスミドのない細胞の成
長速度がわずかに早くなつたことから明らかにより急速
に減少している(実線で示す)。点線はこのより早い成
長速度について調整され喪失の実際の頻度を示す曲線を
示す。
対照的に、表現型的にPar-であるプラスミド類は、すな
わちR1プラスミドは1.5×10-2/細胞/世代の頻度で、p
15プラスミドは1×10-2/細胞/世代の頻度で、いくつ
かのpBR322プラスミド類(実施例3,3に記載の例)は6
×10-3/細胞/世代の頻度で喪失する。事実、p15Par-
誘導体とpBR322Par-誘導体の喪失頻度は、これらのベク
ターのコピー数を考慮すると驚くほど高い。例えばp15
のコピー数は15-20/細胞のオーダーであり、プラスミド
が二項分布すると仮定するなら10-9/細胞/世代の喪失
速度が予想される。それにもかかわらず高い喪失速度が
観察されるのは、p15レプリコンが、多分loxP様の分解
機能(loxP-like resolution function)を欠いている
ので、recA依存のコーインテグレイト(recA dependent
cointegrates)を形成するという事実(Austin et a
l.,Cell25,1981,pp.729〜36)によつて容易に説明され
る。またpBR322誘導体はコーインテグレイトを形成する
ことが知られており、そしてコピー数が例えば大きなク
ローン化されたフラグメント(large cloned fragmen
t)のために減少すると、かなり不安定になる。
原料と方法 用いたエシエリヒア・コリk-12菌株はOSH50である(△p
ro-lao,rpsL;J.Miller:Experiments in Molecular Gene
tics,Cold Spring Harbor,New York,1972参照)。いく
つかのプラスミドとバクテリオフアージを使用した(第
2表)。
用いた実験技術は微生物遺伝学(J.Miller:Experiments
in Molecular Genetics,Cold Spring Harber,New Yor
k,1972)及び遺伝子操作(Davis,Botstein and Roth:A
manual for genetic engineering;Advanced Bacterial
Genetics,Cold Spring Harbor,New York,1980)の各分
野に用いられる標準技術である。
すべての細胞は、0.2%グルコースと1μg/mlのチアミ
ンを含有するLB培地(Bertani,J.Bact 62,1951,p.293)
又は0.2%グルコースと1%カサミノ酸を補充したA+Bミ
ニマル培地(Clark and Mlφe,J.Mol.Biol.23,1967,
p.99)中で培養した。用いたプレートはLB培地と1.5%
の寒天を含有するLAプレートである。
マツコンキイラクトース指示プレートは製造メーカー
(Difco)が推せんするとおりにして作製した。そしてx
-galプレートは、20-40μg/mlの5-ブロモ‐4-クロロ‐
インドリル‐β‐D-ガラクトシドを、0.2%のグルコー
スと1μg/mlのチアミンを補充したA+Bミニマル培地に
添加することによつて作製した。
物理化学的方法 透明な溶解物(lysate)はClewell and Helinski,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 62,1969,pp.1159〜66に記載の方法
にしたがつて作製された。
プラスミドDNAの小規模製造はBirnboim et al., Nucl.A
cids Res.7,1979,pp.1513-23の方法で行つた。
プラスミドDNAの大規模製造と分析は、Stougaad and Mo
lin,Anal.Biochem.118,1981,p.181にしたがつてdye boy
ant density gradient centrifugationを用いて行つ
た。
DNA調製物のポリアクリルアミドゲル電気永動法とアガ
ロースゲル電気永動法による分析は特にMolin and Nord
strm,Methods in Plasmid Biology,Odense Universit
y 1982に記載のとおりにして行つた。
制限エンドヌクレアーゼ類は、製造メーカー(Boehring
er,Mannheim or Biolabs,New England)の説明書にした
がつて37℃で用いた。二重及び三重のダイジエスト(di
gest)は、最低の塩濃度を要する酵素で開始し次の酵素
を添加する前に緩衝液を添加して調整することによつて
行つた。
エクソヌクレアーゼBal31での処理は次のように行つ
た。0.1単位のBal31を50μgの線状DNAに添加し、試料
として1分、2分、4分、8分、16分、32分及び60分後
に60mM EDTA中に採取しフエノールで抽出しエタノール
で沈澱とし、次いで20μl TE緩衝液に再度懸濁させた。
20μlの半量を適切な制限酵素でダイジエストし、アガ
ロースゲル電気永動法に付して欠失したDNAの欠失部の
平均サイズを測定した。一方の半量には適切なリンカー
を添加し、その混合物を過剰のT4DNAリガーゼとともに4
8時間連結反応に付した。
制限されたプラスミドDNAの連結反応は、ブラントエン
ドの連結反応を除いては製造メーカーの推せんするとお
りに、過剰のT4DNAリガーゼとATPを添加して行つた。
微生物学的方法 分配試験(partioning test)I:Lac+ベクターの作製に
よつて、非選択的マツコンキイ・ラクトースプレートも
しくはX-galプレート上に単にストリークすることによ
つてプラスミドのPar+表現型の測定が可能になつた。こ
れらのプラスミドを有する細菌(Δlac)は、その指示
プレート上に着色コロニーとして容易にスコアされるLa
c+表現型を伝達する。一方プラスミドのない細胞はLac-
表現型を有し、無着色コロニーとして出現する。
分配試験II:(Lac-プラスミドに用いる):選択プレー
ト(抗生物質を含有するプレート)からのコロニーをも
うひとつの選択プレート上にストリークした。このプレ
ートから、ひとつのコロニイをLAプレート上にストリー
クし単集落を形成させた。このLAプレートからの約10の
コロニイを1mlの0.9%NaCl中に懸濁させ、10-4と10-5
のそれぞれの希釈率まで希釈した。0.1mlづつの10-4
釈液と10-5希釈液をLAプレート上にひろげた。これらの
プレートから50コロニイの耐性パターン(弱い不安定性
が予想される際は200コロニイ)は適切な選択プレート
上で試験された。次いで喪失頻度(LF値)が式: LF=1−(ν)(1/27) (式中、νはプラスミドを有する細胞の頻度であり、ひ
とつのコロニイが27世代の間に成長すると想定してい
る) に基づいて計算される。この方法に特有なのは統計的揺
動(statistioal fluctuation)が大きいことである。
分配試験III:Lac+プラスミドとLac-プラスミドの安定性
の定量法。ひとつの完全コロニイ(complete colony)
を選択プレートから採取し、1mlの0.9%NaClに再懸濁し
て108細胞/mlの濃度とする。その10-3希釈液の2×0.1m
lを2×10mlのLB培地への接種に用い、30℃で振動させ
ながら培養された。約5×108細胞/mlの細胞密度におい
て、その培養物は104倍と105倍とに希釈された。104
釈液の0.1ml(5×103細胞)が新しいLB培地の10mlに接
種するのに用いられ、105希釈液はマツコンキイラクト
ースプレート上にひろげた。そしてこれらのプレートを
30℃で一夜培養した。5×108/mlから5×102/mlへの希
釈は増殖の20世代(220)に相当する。その結果ひとつ
の希釈から次の希釈までのプラスミド保有細胞の頻度の
変化は、増殖の20世代の間に起こる変化に相当する。よ
り一般的に、LE値は次のように計算することができる。
(式中νとνはそれぞれ、g1及びg2世代後のプラス
ミド保有細胞の頻度であり、LFは喪失頻度/細胞/世代
である。その結果次のようになる。
この式を用いることによつて、最初に接種する細胞数の
揺動が原因の誤差は回避される。この式のより簡便な近
似式は LF=1n(ν/ν)/(g2‐g1)である。
不適合性試験 挿入されたpar部位を有すると信じられるプラスミド
は、同じpar部位を有し、他の点では適合性のレプリコ
ンが互いに不適合性であり選択圧がないと2つのうちの
いずれかが喪失するに至るという観察事実を利用するこ
とによつてスクリーニングされた。この試験は、試験す
べきプラスミドを他のプラスミドを保有する細菌株に形
質転換し、両プラスミドを二重選択プレート上で選択す
ることによつて行われる。二重選択プレート(2つの異
なる抗生物質を有するプレート)上にストリークした
後、不適合性が定性的もしくは定量的に測定される。
不適合性の定性試験のために、二重選択プレートからの
コロニイをLAプレート上にストリークし単集落(単コロ
ニイ)を形成させた。このプレートから得た約10のコロ
ニイを0.9%NaCl溶液の0.1mlに溶解し10-4と10-5のそれ
ぞれに希釈した。10-4希釈液と10-5希釈液の0.1mlづつ
をLAプレート上にひろげた。これらのプレートから、50
コロニイ(もしくは弱い不適合性が予想される際は200
コロニイ)が適切な選択プレート上で試験された。Lac+
プラスミドが検体中に含まれている場合、マツコンキイ
・ラクトースプレートが選択プレート上でのレプリカプ
レート法の代りに用いられる。Lac+プラスミドの場合、
そのスクリーニングはかくして、サスペクトされたpar+
プラスミドを、Lac+表現型を伝達するPar+ハイブリツド
プラスミドをすでに有する菌株に形質転換することによ
つて行われる。プラスミド不適合性及びその結果入つて
くるプラスミドの特定のPar+表現型のプルーフは、マツ
コンキイプレート上のLac-コロニーをスクリーニングし
常在性Par+プラスミドが不安定化されたことを示すこと
によつて容易に検出される。このスクリーニング手順の
1例が実施例4に記載されている。
不適合性の定量測定は、上記のごとく異種のプラスミド
集団を樹立した後のLac+プラスミドの喪失頻度を測定す
ることによつて行われる。そのLF値は“分配試験III"に
記載されたのと同様にして測定した。
遺伝子技術 細菌の形質転換は、Cohen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA62,1972,pp.2110-2114にしたがつて行われ、低い形
質転換頻度が予想されるとき、コンピテント細胞の氷上
におけるDNAでの処理を数時間延長し、熱シヨツクの
後、その細胞を再び氷上で5〜30分間冷却するという改
変がなされた。この処理によつて形質転換頻度が著しく
増加した。
バクテリオフアージλによる感染は0.2%のマルトース
を補充したLB培地中で(λ受容体であるmalB蛋白を誘導
するため)振盪しながら一夜10mlの培養物を培養するこ
とによつて行つた。その細胞を0.9%NaCl溶液で洗浄し2
mlの0.01MMgSO4中に再懸濁し1時間培養した。λ懸濁物
の希釈物(100、10-1、10-2)を作製し、そのフアージ
希釈液の0.1mlを用いて飢餓細胞の懸濁液の0.2mlに感染
させた。この感染混合物の100、10-1及び10-2希釈液を
選択プレート上にひろげた。
Tn5(KmR)を有するプラスミドをトランスポーズさせる
ためのソースはフアージλb221::Tn5であり、その付着
部位が削除されていたので、それは溶原化できず、その
フアージの懸濁液が、トランスポジシヨン(transposit
ion)の望まれるプラスミド含有細胞に感染させるため
に用いられた。感染は上記のようにして行われ、カナマ
イシン耐性細胞が選択された。数千のKmRコロニーが採
取され、これらの10-2希釈液の0.1mlを用いて100mlLB培
地に接種した。培養物は一夜培養され、この細胞混合物
からプラスミドDNAが製造され、E.Coli K12菌株CSH50を
カナマイシン耐性に形質転換するのに用いられた。
実施例1 R1から得られるEcoR1-AフラグメントへのTn5(KmR)の
挿入プラスミドpKN184、すなわちプラスミドpSF2124
と、プラスミドR1(Nordstrm et al.,Plasmid 4,198
0.p.322)からの19kb EcoR1-Aフラグメント(parA部位
とparB部位を持つ)とで構成されたプラスミドを有する
E.Coli K-12菌株CSH50の細胞を“原料と材料”の項で述
べたようにしてバクテリオフアージλb211::Tn5の懸濁
液で感染させた。200μg/mlのカナマイシン含有のLAプ
レート上でカナマイシン耐性を選択した後、コロニーを
採取し混合した。これらの10-2希釈液の0.1mlを用いて1
00mlのLB培地に接種した。その培養物を一夜培養した。
その培養物から得られたプラスミドDNAを用いて、200μ
g/mlのカナマイシン含有のプレート上でカナマイシン耐
性を選択するE.coli K-12菌株に形質転換した。
このようにして、カナマイシンに対する耐性を伝達し、
約5kb(5000塩基対)に相当するフアージDNAの挿入され
たプラスミドpOU1が見出された。このプラスミドは、プ
ラスミドDNAを作製しアガロースゲル上で分析すること
によつて測定される大きさが34kbのひとつの分子量を有
し、またKmR、ApR、ParA+及びParB+の表現型を有する。
プラスミドDNAはpOU1から作製され、そしてそのプラス
ミドは、そのプラスミドDNAを精製し単一もしくは複数
の制限酵素で切断し得られたフラグメントをアガロース
ゲル電気永動法で分析することによつて、制限酵素でマ
ツピングされた(第1図参照)。このようにして、pKN1
84のEcoR1-Aフラグメントに挿入されたλ::Tn5フラグメ
ントはKmRの遺伝情報を指定する遺伝子を有することが
同定されまたそのフラグメントの位置が第1図に示すよ
うに決定された。プラスミドpOU1は他の分析やプラスミ
ド組立てにも用いられた。
E.Coli OSH50/pOU1の菌株は、ドイツの(Deutsche Samm
lung Von Mikroorganismen,Grisebach-strasse 8,D-340
0 Gttingen、以下DSMと略称)に寄託番号(Acession
No.)2712で寄託されている。
実施例2 par+フラグメントのクローニングに有用なプラスミドの
組立て プラスミドpJL99(Light and Molin,Mol.Gen,Genet.18
4,1981,pp.56-61)は、プラスミドR1からのrepA遺伝子
とlacオペロンとの融合体を有し、そのプラスミドはLac
+表現型を伝達する。repA-lac融合体を有するPstI-SalI
フラグメントはpJL99から切り取られてp15レプリコンで
あるpGA46に挿入され(An and Friesen,J.Bact.140,197
9,pp.400-407)、プラスミドpJL124が組立てられる。こ
のプラスミドのマツプを第2図に示す。プラスミドpJL1
24もマツコンキイラクトース指示プレート上にLac+表現
型を伝達する。しかしpJL124のPstI座位に、プロモータ
ー活性をわずかにもしくは全くもたないDNAフラグメン
トを挿入すると、repAプロモーターの活性を妨害し、こ
れらのハイブリツドはマツコンキイのラクトース指示プ
レート上にLac+としてもはや出現しないということが見
出された。しかしより鋭敏なX-gal指示プレート上で、
形質転換細胞のコロニーは、β‐ガラクトシダーゼの表
現型発現が減少するがそのハイブリツド中で全く抑制さ
れているわけではないということを指示するLac+であ
る。それ故にpJL124は、ハイブリツドプラスミドがマツ
コンキイラクトース指示プレート上でLac-形質転換細胞
として容易に検出されるから、PstIフラグメントをクロ
ーンするのに用いることができる。さらにpJL124は、p1
5レプリコンでありしたがつて不安定なので(このプラ
スミドは、そのプラスミドの喪失した細胞がセレクシヨ
ン圧なしでラクトース指示プレート上に無着色のコロニ
イを形成するから容易に検出される)、pJL124を安定化
しうるPstIフラグメントはX-galプレート上でスクリー
ニングできる。
したがつてPstI-par+フラグメントを単離する手順は次
の工程で構成される。
1)PstIで制限されたpJL124と他のプラスミドからのPs
tIフラグメントとの連結反応 2)クロラムフエニコール含有のマツコンキイーラクト
ースプレート上でプレーテイングするOSH50への形質転
換 3)X-gal指示プレート上のLac+表現型の安定した遺伝
の代りにマツコンキイーラクトースプレート上のLac-
して出現するクロンの試験(“原料と方法”の項参照) E.Coli OSH50/pJL124菌株はDSMに寄託番号2760で寄託さ
れている。
実施例3 不安定なプラスミドをparA部位とparB部位とで安定化す
る方法 1.ミニ‐R1レプリコン プラスミドPOU71(DSM寄託番号2471)、すなわちプラス
ミドR1の基本的レプリコン、フアージEDλからのλPR
プロモーターとcI857レプレツサー遺伝子、Tn3トランス
ポゾンからのβ‐ラクタマーゼの遺伝情報を指定する遺
伝子及び特異なEcoR1座位(pOU71の組立てに関する詳細
な記載は、“Plasmids with Conditional Uncontrolled
Replication Behaviour"という標題で本願と同じ日に
出願された本願出願人の関連出願中にある)とからな
る、プラスミドpKN1562のランアウエイ複製誘導体をEco
R1で制限した。そしてpOU1からのEcoR1-A::Tn5フラグメ
ント(実施例1参照)を挿入した。次いで連結反応、E.
Coli菌株CSH50への形質転換、50μg/mlのカナマイシン
含有のLAプレート上でのカナマイシン耐性細胞の選択が
行われた。
これら形質転換細胞は、50μg/mlのカナマイシン含有の
LAプレート上にストリークし42℃で培養することによつ
て、pOU71のランアウエイ複製表現型についてのスクリ
ーニングがなされた。ランアウエイ複製プラスミド含有
細胞は、これら条件下では最後に成育を停止する。この
ようにしてプラスミドpOU71-184が同定され。これは25.
5kbの大きさで、ParA+、ParB+、ApR、KmRの表現型を有
する。
このプラスミドは実施例1に記載のようにして制限酵素
でマツピングを行つた(第3図参照)。その制限マツプ
からEcoR1-A::Tn5フラグメントがpOU71のEcoR1座位に正
しく挿入されていることが分かる。
このプラスミドを有する細胞は、選択圧なしで、すなわ
ち抗生物質を含むプレート上で培養することなしで、LA
プレート上で100世代培養された。“原料と方法”に記
載の方法(分配試験II)の方法にしたがつてその細胞を
測定したところ、プラスミドを喪失していないことが観
察された。一方、pOU71は同様な条件下で培養された細
胞から1%/世代の頻度で喪失した。かくしてpOU71-18
4は約10-6/細胞/世代の喪失頻度で安定に遺伝されて
いることが測定された。
E.Coli CSH50/pOU71-184の菌株は、寄託番号2763でDSM
に寄託されている。
2.p15レプリコン Par-p15レプリコンであるプラスミドpJL124(実施例2
参照)を制限酵素PstIで切断し、PstIで部分的に制限さ
れたプラスミドpKN184(実施例1参照)と混合され次い
で連結反応に付した。この連結反応混合物は、50μg/ml
のクロラムフエニコール含有のマツコンキイラクトース
指示板上でクロラムフエニコール耐性を選択するE.Coli
菌株OSH50に形質転換された。
1以上のPstIフラグメントを持つpJL124を有する細胞
(実施例2参照)は、X-galプレート上Lac+表現型の安
定した遺伝について試験がなされた。安定に遺伝したプ
ラスミドのひとつがparA部位とparB部位の両者を有する
ことが分かつた。このプラスミドpOU2は24kbのサイズ
で、CmR、Lac+、ParA+、ParB+の表現型を有する。
このプラスミドは実施例1に記載のようにして制限酵素
でマツプ化された(第4図参照)。この制限マツプから
PstIフラグメントがEcoR1-Aフラグメントから削除され
ていることが分かる。
このプラスミドを有する細胞は、選択圧なしで100世代X
-galプレート上で成育した。pOU2には、0.5〜1%/細
胞/世代の頻度で細胞から喪失するpJL124と対照的に10
-6/細胞/世代より小さいLF値で安定して遺伝されてい
ることが測定された。
E.Coli OSH50/pOU2菌株は寄託番号2713でDSMに寄託され
ている。
3.pMB1レプリコン プラスミドpF1403-11(第2表参照)はプラスミドFか
らの遺伝子とlaoオペロンとの融合体を有するpBR322の
不安定に遺伝された誘導体(pMB1レプリコン)である。
このプラスミドはApR、Lac+表現型を伝達する。プラス
ミドpOU1からのEcoR1-A::Tn5フラグメント(実施例1)
を、上記遺伝子融合体のすぐ上流にある(immediately
upstream)プラスミドpF1403-11の特異なEcoR1座位に挿
入し、次いで連結反応と、5μg/mlのアンピシリン含有
のプレート上でApRを、50μg/mlのカナマイシン含有の
プレート上でKmRを、マツコンキイ指示プレート上でLac
+をそれぞれ選択するE.Celi菌株CSH50への形質転換を行
つた。
得られたプラスミドpOU10は実施例1に記載と同様にし
て制限酵素でマツプ化し(第5図参照)、EcoR1-A::Tn5
フラグメントの挿入が確認された。このプラスミドは34
kbの大きさでありKmR、ApR、Lac+、ParA+、ParB+の表現
型を有する。
このプラスミドは実施例3.1に記載したのと同様にして
安定な遺伝について試験した。その結果、pOU10が10-6
/細胞/世代より小さいLF値で安定に遺伝されており、
一方pF1403-11は6×10-3/世代の頻度で細胞から喪失
していることが示された。
E.Coli CSH50/pOU10は寄託番号2714でDSMに寄託されて
いる。
実施例4 pJL124を安定化するEcoR1-AフラグメントからのPstIフ
ラグメントのクローニング EcoR1-Aフラグメントを多数の制限酵素で制限し、得ら
れた物理的地図を第1図に示した。この図から分かるよ
うに、このフラグメントは多数のPstIフラグメントで構
成されている。Par+表現型を伝達するフラグメントの大
きさを小さくするために、スクリーニングベクターpJL1
24中の1以上のPstIフラグメント上に多分保有されるpa
r部位をサブクローンする(subclone)することを試み
た(実施例2参照)。正しい表現型‐マツコンキイラク
トースプレート上のLac-と選択圧なしでの安定した遺伝
‐で多数のクローンを分析した結果、PstI-Dフラグメン
ト(第1図参照)がこの表現型を伝達していることを示
した。他のいずれの単一のPstIフラグメントもpJL124を
安定化することはできなかつた。1.8kbのPstIフラグメ
ント中に位置する、pJL124安定化の原因である部位をpa
rBと名付けた。
さらにPstI-Dフラグメントを分析するために、このフラ
グメントをpOU93に生成する、pBR322のbla遺伝子中の特
異なPstI座位にクローンされた(第7図参照、このプラ
スミドは寄託番号2724でDSMに寄託されている)。この
プラスミドのマツピングによつて、そのPsrI-Dフラグメ
ントが3つのRsaI座位を有することが示された(第6図
参照)。RsaIはブラントエンドを生成し、それ故にその
900 bp RsaIフラグメントが次のようにしてプラスミドp
HP34のSmaI座位(Prentki et AL.,Gene17,1982,pp.189-
96)に挿入された。pOU93がRsaIで制限され、SmaIで制
限されたpHP34と混合され、次いで連結反応に付され
た。連結反応混合物はすでにプラスミドpOU94(表現型
的にLac+とParB+であるp15の誘導体,第8図参照、この
プラスミドは寄託番号2725号でDSMに寄託されている)
を有し、50μg/mlのアンピシリン含有のプレート上でア
ンピシリン耐性を選択しているE.Coli菌株に形質転換し
た。
異なるプラスミドに保有されているParB+部位によつて
表現される不適合性によつて、pOU94は、表現型がParB+
である他のプラスミドがE.Coli細胞に導入されると失わ
れる。したがつてマツコンキイプレート上にその細胞を
ストリークし、無着色コロニー(Lac-)をスクリーニン
グすることによつて正しい挿入と形質転換細胞を選択す
ることが可能になる。900bp RsaIフラグメントを含むこ
とが見出されたひとつの不適合性プラスミドpHP34誘導
体をpOU13と命名した。このプラスミドは5.3kbのサイズ
で、次の表現型TcR、ApR、ParB+を有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素によつてマツピングした(第9図参照)。このマ
ツピングによつてRsaIグラグメントは、pHP34のSmaI座
位が2つのEcoR1座位の側にあるので900bp EcoR1フラグ
メントに変換された。
E.Coli CSH50/pOU13の菌株は寄託番号2716号でDSMに寄
託されている。
pOU13からの900bp EcoR1フラグメントが、cat遺伝子(C
mRの遺伝情報を指定する遺伝子)中に特異なEcoR1座位
を有する、ApR、CmRランアウエイミニR1誘導体であるpO
U101のEcoR1座位に(pOU101の組立ての説明は“Plasmid
s with Conditional Uncontrolled Replication Behaui
our"の標題で本願と同じ日に出願された本願出願人の関
連出願中にある。)挿入され、8.2kbの大きさでCmS、Ap
R、parB+の表現型を有するプラスミドpOU14を組立て
た。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素によつてマツプ化した(第10図参照)。
このプラスミドは実施例3.1に記載したのと同様にして
安定な遺伝について試験した。その結果、30℃において
pOU14は1×10-4/細胞/世代より小さいLF値を有し安
定に遺伝され、一方pOU101は1%/世代の頻度で細胞か
ら失われることが示された。
E.Coli CSH50/pOU14菌株は寄託番号2717でDSMに寄託さ
れている。
実施例5 parBフラグメントによるミニ‐R1プラスミドの安定化 プラスミドpOU90、すなわちプラスミドR1の基本的レプ
リコン、フアージEDλ4からのλPRプロモーターとcI
857リプレツサー、Tn3トランスポゾンからのβ‐ラクタ
マーゼの遺伝情報を指定する遺伝子、及びpKN184からの
EcoR1-Aフラグメントからなる、pKN1562のランアウエイ
複製誘導体(pOU90の組立ての詳細な説明は、“Plasmid
s with Conditional Uncontrolled Replication Behavi
our"の標題で本願と同じ日に出願された本願出願人の関
連出願中にある)にはpKN184からのEcoR1-Aフラグメン
トが挿入されているが、このプラスミドをSalIで制限し
連結反応に付してプラスミドpOU61を作製した。このプ
ラスミドをマツコンキイプレート上でLac-表現型を選択
するE.Coli OSH50菌株に形質転換させた。
pOU61を実施例1に記載したのと同様にして制限酵素で
マツピングした(第11図参照)。この制限地図からpOU6
1はその右端部にparB部位を持つ3.6kbのサイズのEcoR1-
Aフラグメントを有することが分かる。このプラスミド
は安定な遺伝について実施例3.1に記載したのと同様に
して試験した。その結果、pOU61は1×10-4/細胞/世
代よりも小さいLF値を有し安定に遺伝されていることを
示した。
E.Coli CSH50/pOU61菌株は寄託番号2723でDSMに寄託さ
れている。
実施例6 parBフラグメントによるプラスミドpF1403-11の安定化 プラスミドpOU1(実施例1参照)をSdlIで制限し、SalI
ですでに制限されたプラスミドpF1403-11と混合し、次
いで連結反応に付し、マツコンキイラクトース指示プレ
ート上アンピシリン耐性コロニーを選択するE.Coli菌株
CSH50に形質転換した。これらLac+クローンのいくつか
を、原料と方法の項に記載したのと同様にして、マツコ
ンキイプレート上でLac+表現型が安定に遺伝されている
ものをスクリーニングした。
この安定に遺伝されたプラスミドを実施例1に記載した
のと同様にして制限酵素で地図化した(第12図参照)。
この制限地図から、このプラスミドはparB部位が入つて
いるpOU1のSalIフラグメントを有していることが分か
る。pF1403-11とpOU1からのSalIフラグメントで構成さ
れるこのプラスミドをpOU12と命名した。これは16kbの
大きさで、ParB+、Lac+、ApRの表現型を有する。pOU12
は5×10-5/細胞/世代より小さいLF値を有し安定に遺
伝されていた。
E.Coli CSH50/pOU12菌株は寄託番号2715でDSMに寄託さ
れている。
実施例7 parAフラグメントによるp15プラスミドの安定化 プラスミドpMC903(Casadaban et al.,J.Bact.143,198
0,p.971)をEcoR1で制限し、プラスミドpOU43(第13図
参照、DSM寄託番号2720)からの、parA部位を有するEco
R1フラグメントを挿入し、次いで連結し、E.Coli菌株CS
H50に形質転換した。得られたプラスミドはpOU45と命名
され、13.4kbのサイズでParA+、Lac-、ApR、KmRの表現
型を有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素で地図化した(第14図参照)。この制限地図か
ら、parA部位が、その挿入によつて不活化されるlacオ
ペロン中に挿入されたことが分かる。
原料と方法の項に記載したのと同様にして安定性を試験
したところ、このプラスミドが8×10-4/細胞/世代の
LF値で安定に遺伝されていることが分かつた。一方pMC9
03は1%/細胞/世代のLF値を有する。
E.Coli CSH50/pOU45菌株は寄託番号2721号でDSMに寄託
されている。
実施例8 parA部位によるミニ‐R1プラスミドの安定化 pOU43からのEcoR1フラグメントを、ミニ‐R1プラスミド
のpOU82(DSM寄託番号2482号)に挿入した。このプラス
ミドはプラスミドR1の基本的レプリコン、フアージEDλ
4からのλPRプロモーターとcIリプレツサー遺伝子、Tn
3トランスポゾンからのβ‐ラクタマーゼの遺伝情報を
指定する遺伝子、pVH1424からのdecプロモーターとlacZ
遺伝子のアミノターミナル端(aminoterminal end)、
及びpSKS104からの残余のlacオペロンとからなる(pOU8
2組立ての詳細な説明は、“Plasmids with Conditional
Uncontrolled Replication Behaviour"の標題で本願と
同じ日に出願された本願出願人の関連出願中にある)。
プラスミドpOU82はApRとLac+表現型を伝達し、EcoR1フ
ラグメントをクローンするのに有用である特異なEcoR1
座位を有する。このプラスミドは選択圧なしで1%/世
代の頻度で喪失される。
2.4kbのEcoR1フラグメントが1配向に挿入されたプラス
ミドをpOU47と命名した。このプラスミドは14kbのサイ
ズで、ParA+、Lac+、ApRの表現型を有する。
pOU47を実施例1に記載したのと同様にして制御酵素で
地図化した(第15図参照)。
E.Coli CSH50/pOU47菌株は寄託番号2722号でDSMに寄託
されている。
ParA部位を有するEcoR1フラグメントを、エクソヌクレ
アーゼBal31によつて400bpまでさらに小さくした。この
削除処理は、pOU47の特異なBamHI座位を利用し、“原料
と方法”の項に記載したのと同様にして行つた。組立て
られたプラスミドはpOU472と命名された。このプラスミ
ドは13kbのサイズでParA+、Lac+、ApRの表現型を有す
る。
pOU472を実施例1に記載したのと同様にして制御酵素で
マツピングした(第16図参照)。この制限マツプからpO
U472はBal31での削除によつて生成した2.0kbのEcoR1フ
ラグメントを有することが分かる。
“原料と方法”の項に記載したのと同様にして安定性を
試験した結果、このプラスミドが全parA部位が2.0kb Ec
oR1フラグメントに含まれていることを意味し安定に遺
伝されていることが分かつた。
E.Coli CSH50/pOU472菌株は寄託番号2726号でDSMに寄託
されている。
実施例9 parA部位を有するミニ‐R1プラスミドの組立て プラスミドpOU90(実施例5参照)を、BamHIで切断しそ
してSau3Aで部分的に切断してEcoR1-Aフラグメントの一
部を切りとり、左端の6kbが保持され連結反応に付され
た。得られたプラスミドのpOU91はE.Coli菌株CSH50に形
質転換された。pOU91は18.75kbのサイズでParA+、ApR
Lac+の表現型を有する。このプラスミドを実施例1の記
載と同様にして制限酵素で地図化された(第17図参
照)。
プラスミド安定性は、pOU91含有細胞を(対照としてpOU
82含有細胞を用い)マツコンキイプレート上選択圧なし
で30℃で25世代培養することによつて測定された。pOU9
1で形質転換された細胞は赤いコロニーを生成したが(L
ac+)、一方pOU82で形質転換された細胞は赤と白の両方
のコロニーを生成し、これは選択がない期間はpOU82が
いくつかの細胞から失われたことを示す。
E.Coli OSH/pOU91菌株は寄託番号2483でDSMに寄託され
ている。
実施例10 parA+、parB+ミニ‐R1プラスミドの組立て プラスミドpOU82(実施例8参照)がEcoR1で制限され、
次いでparA部位を有する、pOU43からのEcoR1フラグメン
ト(実施例7と第13図参照)が挿入される。このEcoR1
フラグメントは、エクソヌクレアーゼBal31によつて左
端部の500bpが切りとられ、ひとつのEcoR1を有してい
る。このプラスミドの特異的EcoR1座位に、pOU13からの
EcoR1フラグメント(実施例4と第9図参照)が挿入さ
れる。得られたプラスミドは、ParA+、ParB+の表現型を
伝達するが、次いでプラスミドpOU94をすでに有してい
るE.Coli菌株CSH50に形質転換でき、またこのpOU82誘導
体は、マツコンキイラクトース指示プレート上で培養す
ると、このプラスミドのみを有する細胞のコロニーが中
心部に赤色を呈し、周縁部が無色を呈することを意味す
る弱いLac+表現型を伝達すること以外は、実施例4に記
載したのと実質的に同様にスクリーニングできる。
実施例11 parA+、parB+ミニ‐R1プラスミドの組立て プラスミドpOU61(実施例5参照)をEcoR1で制限し、pa
rA部位を有する、pOU43からのEcoR1フラグメントを挿入
し連結した。得られたプラスミドは、ParA+、ParB+表現
型を伝達するが、すでにプラスミドpOU2を有するE.Coli
菌株OSH50に形質転換できそして実施例4に記載の方法
に対応するしかたでスクリーニングできる。所望のプラ
スミドを有する細胞のコロニーはマツコンキイラクトー
スプレート上で無着色コロニー(Lac-)として出現す
る。
(この明細書及び請求の範囲を通じて、par-、Par-、pa
r+又はPar+は特別に指示がない場合、parとParの用語は
分配機能の表現を意味する。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 微生物の受託番号 DSM 2724 微生物の受託番号 DSM 2725 微生物の受託番号 DSM 2720 微生物の受託番号 DSM 2482 微生物の受託番号 DSM 2712 微生物の受託番号 DSM 2760 微生物の受託番号 DSM 2763 微生物の受託番号 DSM 2713 微生物の受託番号 DSM 2714 微生物の受託番号 DSM 2716 微生物の受託番号 DSM 2717 微生物の受託番号 DSM 2723 微生物の受託番号 DSM 2715 微生物の受託番号 DSM 2721 微生物の受託番号 DSM 2722 微生物の受託番号 DSM 2726 微生物の受託番号 DSM 2483 (56)参考文献 IVA−PM NO.3(March 1982)P.75〜83 Plasmid Vol.4 P.215 〜227

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グラム陰性菌中で複製し、プラスミドR1の
    par部位A、par部位B又はpar部位Aとpar部位Bとの両
    者から本質的になるDNAフラグメントを挿入することに
    よって安定化され、前記DNAフラグメントは長さが19キ
    ロ塩基対より短く、プラスミドに本来関係のない単一も
    しくは複数の遺伝子からなるプラスミド。
  2. 【請求項2】R1par部位AとR1par部位Bとからなる挿入
    されたDNAフラグメントが約6kbを越えない長さ、特に約
    4kbを越えない長さ、ことに3kbを越えない長さを有する
    請求の範囲第1項のプラスミド。
  3. 【請求項3】R1par部位Aからなる挿入されたDNAフラグ
    メントが約4kbを越えない長さ、特に約2.5kbを越えない
    長さ、ことに約2kbを越えない長さを有する請求の範囲
    第2項のプラスミド。
  4. 【請求項4】R1par部位Bからなる挿入されたDNAフラグ
    メントが約2kbを越えない長さ、特に約1.5kbを越えない
    長さ、ことに約1kbを越えない長さを有する請求の範囲
    第3項のプラスミド。
  5. 【請求項5】抗生物質耐性を伝達する遺伝子を追加して
    有する請求の範囲第1〜4項のいずれか1つによるプラ
    スミド。
  6. 【請求項6】分配機能を発揮する挿入されたDNAフラグ
    メントがない場合、不安定に遺伝される請求の範囲第1
    〜5項のいずれか1つによるプラスミド。
  7. 【請求項7】p15プラスミドもしくはその誘導体、又は
    高いコピー数で宿主範囲の広いプラスミドもしくはその
    誘導体である請求の範囲第6項のプラスミド。
  8. 【請求項8】そのプラスミドには本来関連のない単一も
    しくは複数の遺伝子からなるDNAフラグメントを有する
    ことから、不安定に遺伝される請求の範囲第6項のプラ
    スミド。
  9. 【請求項9】pBR322プラスミドもしくはその誘導体のご
    ときpMB1プラスミドもしくはその誘導体である請求の範
    囲第8項のプラスミド。
  10. 【請求項10】そのプラスミドを有する細菌を培養中の
    少なくとも一段階において、低いコピー数を有する請求
    の範囲第6項のプラスミド。
  11. 【請求項11】約0.5〜5コピー/細胞のコピー数を有
    する請求の範囲第10項のプラスミド。
  12. 【請求項12】R1とその誘導体を含む不適合性グループ
    IncFIIのプラスミド、Fとその誘導体、及び低コピー数
    で宿主範囲の広いプラスミドとその誘導体から選択され
    る請求の範囲第10項もしくは第11項のプラスミド。
  13. 【請求項13】条件ランアウエイ複製プラスミドである
    請求の範囲第10項もしくは第11項のプラスミド。
  14. 【請求項14】そのプラスミドを有する宿主微生物があ
    る種の条件下で培養される際約3〜5コピー/細胞を越
    えないコピー数を有し、その宿主微生物がある種の異な
    る条件下で培養される際少なくとも約500〜1000コピー
    /細胞の範囲のコピー数を有する請求の範囲第13項のプ
    ラスミド。
  15. 【請求項15】ひとつの温度で約3〜5コピー/細胞を
    越えないプラスミドコピー数を有し、そしてより高温で
    は少なくとも約500〜1000コピー/細胞の範囲のプラス
    ミドコピー数を有する請求の範囲第14項のプラスミド。
  16. 【請求項16】約3〜5コピー/細胞を越えないプラス
    ミドコピー数が約0.5〜1コピー/細胞の範囲にある請
    求の範囲第14項もしくは第15項のプラスミド。
  17. 【請求項17】調節しうるプロモーターが、そのプラス
    ミドの本来もっている単一もしくは複数の複製抑制遺伝
    子の上流側に挿入された請求の範囲第1、14、15又は16
    項のプラスミド。
  18. 【請求項18】R1型プラスミドである請求の範囲第14〜
    16項のいずれか1つによるプラスミド。
  19. 【請求項19】グラム陰性菌中で複製し、プラスミドR1
    のpar部位A、par部位B又はpar部位Aとpar部位Bとの
    両者から本質的になるDNAフラグメントを挿入すること
    によって安定化され、前記DNAフラグメントは長さが19
    キロ塩基対より短く、プラスミドに本来関係のない単一
    もしくは複数の遺伝子からなるプラスミドを有する細
    菌。
  20. 【請求項20】グラム陰性菌である請求の範囲第19項の
    細菌。
  21. 【請求項21】エシエリヒア・コリである請求の範囲第
    20項の細菌。
  22. 【請求項22】プラスミドR1のpar部位A、par部位B又
    はpar部位Aとpar部位Bとの両者から本質的になり、19
    キロ塩基対より短いDNAフラグメント。
  23. 【請求項23】R1par部位AとR1par部位Bとからなり、
    そして約6kbを越えない長さ、特に約4kbを越えない長
    さ、ことに3kbを越えない長さをもつ請求の範囲第22項
    のDNAフラグメント。
  24. 【請求項24】R1par部位Aからなり、約4kbを越えない
    長さ、特に約2.5kbを越えない長さ、ことに約2kbを越え
    ない長さを有する請求の範囲第22項のDNAフラグメン
    ト。
  25. 【請求項25】R1par部位Bからなり、約2kbを越えない
    長さ、特に約1.5kbを越えない長さ、ことに約1kbを越え
    ない長さを有する請求の範囲第22項のDNAフラグメン
    ト。
  26. 【請求項26】挿入されたDNAフラグメントを有すると
    思われるプラスミドを、同じDNAフラグメントを有しか
    つ適当な培地上で認識しうる表現型を伝達する他の無関
    係のプラスミドをすでに有する細菌に形質転換し、その
    形質転換された細菌を前記培地上で培養し、そしてDNA
    フラグメントの正しい挿入を上記表現型の喪失として同
    定する、プラスミドR1のpar部位A、par部位B又はpar
    部位Aとpar部位Bとの両者から本質的になるDNAフラグ
    メントのプラスミド中への正しい挿入をスクリーニング
    する方法。
  27. 【請求項27】認識しうる表現型が抗生物質耐性である
    請求の範囲第26項の方法。
  28. 【請求項28】認識しうる表現型がLac+である請求の範
    囲第26項の方法。
  29. 【請求項29】前記他のプラスミド上のDNAフラグメン
    トがparAからなる請求の範囲第26項の方法。
  30. 【請求項30】前記他のプラスミド上のDNAフラグメン
    トがparBからなる請求の範囲第26項の方法。
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