JPH0758364A - 発光ダイオード及びその製造法 - Google Patents
発光ダイオード及びその製造法Info
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Abstract
ップが、ポリエーテルスルホン樹脂90〜99.9重量
部とフタル酸混基エステル10〜0.1重量部からな
り、320℃×2.16kgでのメルトフローインデッ
クスの値が20〜120g/10minであるポリエー
テルスルホン樹脂組成物で封止されていることを特徴と
する発光ダイオード。 【効果】本発明による発光ダイオードは、320℃×
2.16kgでのメルトフローインデックスの値が20
〜120g/10minであるポリエーテルスルホン樹
脂組成物で封止されているため為、金属リードの変形が
なく、透明性及び耐熱性、機械特性に優れ、さらに金属
リードフレームと樹脂との密着性にも優れている。
Description
テルスルホン樹脂組成物で封止されている発光ダイオー
ドに関する。
が接続された金属リードフレームに半導体チップをマウ
ントし、その後エポキシ樹脂等の封止用樹脂で封止し、
種々の形状に成形されている。これらの半導体チップの
樹脂封止方法としては、熱硬化性樹脂、即ちエポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、シリコーン等を用い絶縁封止する成
形法が良く知られている。しかし、これらの樹脂による
封止方法では封止の前工程に樹脂の予備硬化状態及び長
時間の硬化時間が必要であり、さらに後硬化も必要であ
り、極めて生産性が悪かった。
脂を用いる方法が試みられてきている。即ち、半導体チ
ップをインサートした金型に熱可塑性樹脂を直接、射出
成形することで生産性を高める試みである。さて、熱可
塑性樹脂を用いた発光ダイオードであるが、その要求特
性としては、特に高流動性、透明性及び耐熱性が挙げら
れる。 しかし、これまでは、上記の特性を十分満足さ
せてはいなかった。
ら、射出成形時に、金属リードの変形無しに成形でき、
透明性を有するが、耐熱性が十分ではなく240℃以上
の半田耐熱性を有していない。また、ポリフェニレンス
ルフィド樹脂を用いると、結晶性樹脂であるため、透明
性が著しく劣り、好ましくなかった。さらに、ポリエー
テルスルホン樹脂を用いると、透明性を有し、耐熱性は
十分であるが、成形加工性が十分ではなく、射出成形時
に金属リードの変形を伴うという問題があった。さらに
は、上記熱可塑性樹脂を用いた場合、金属リードフレー
ムとの密着性に関しても不十分であった。
体チップをインサートした金型にポリエーテルスルホン
樹脂組成物を直接、射出成形し、金属リードフレームの
変形のない、透明性及び耐熱性に優れ、さらには、優れ
た機械特性と金属リードフレームと樹脂組成物との密着
性が良好な発光ダイオード及びその製造方法を開発する
ものである。
を達成するために鋭意検討した結果、金属リードフレー
ムにマウントされた半導体チップが、ポリエーテルスル
ホン樹脂とフタル酸混基エステルとの混合物であり、且
つ特定のメルトフローインデックス値を有するポリエー
テルスルホン樹脂組成物で封止することにより、金属リ
ードの変形のない、透明性及び耐熱性に優れ、金属リー
ドフレームと樹脂組成物との密着性が良好な発光ダイオ
ードをえられることが可能であることを見出し、本発明
を完成した。
ウントされた半導体チップが、ポリエーテルスルホン樹
脂90〜99.9重量部とフタル酸混基エステル10〜
0.1重量部からなり、且つ320℃×2.16kgで
のメルトフローインデックスの値が20〜120g/1
0minであるポリエーテルスルホン樹脂組成物で封止
されていることを特徴とする発光ダイオードであり、さ
らには金属リードフレームに、成形温度300℃〜38
0℃、金型温度25〜170℃、射出圧力300〜15
00kg/cm2 の条件で、ポリエーテルスルホン樹脂
90〜99.9重量部と、フタル酸混基エステル10〜
0.1重量部からなり、且つ320℃×2.16kgで
のメルトフローインデックスの値が20〜120g/1
0minであるポリエーテルスルホン樹脂組成物で封止
することを特徴とする発光ダイオードの製造法でもあ
る。
加量は、ポリエーテルスルホン樹脂90〜99.9重量
部に対し、フタル酸混基エステル10〜0.1重量部で
ある。フタル酸混基エステルは、ポリエーテルスルホン
樹脂の成形加工性と金属リードフレームと樹脂組成物と
の密着性を改良させる点に効果を有する。フタル酸混基
エステルの添加量が0.1重量部を下回ると、成形加工
性の改良効果が乏しく、また10重量部を越えると、ポ
リエーテルスルホン樹脂の耐熱性を低下させる。またフ
タル酸混基エステルには、フタル酸ブチルベンジル、フ
タル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル等が用
いられる。
9.9重量部とフタル酸混基エステル10〜0.1重量
部からなるポリエーテルスルホン樹脂組成物の320℃
×2.16kgでのメルトフローインデックスの値が2
0〜120g/10minの範囲にあるものが、成形加
工性と金属リードフレームと樹脂組成物との密着性の改
良に効果を有する。メルトフローインデックスの値が2
0g/10minを下回ると、金属リードフレームの変
形を伴い、好ましくない。しかし400℃まで射出成形
温度を上げて溶融粘度を下げることにより、金属リード
フレームの変形を防ぐことはできるが、その際樹脂の分
解を伴うので好ましくない。更に、各種色素(例えば、
複素環系、アンスラキノン系等)を用いて、各種の色を
持つ発光ダイオードを得る場合には、高温の成形は色素
の分解を促進させ、特に好ましくない。また逆にメルト
フローインデックスの値が120g/10minを越え
ると、樹脂の機械的特性が著しく低下して好ましくな
い。
ーテルスルホン樹脂90〜99.9重量部と、フタル酸
混基エステル10〜0.1重量部からなり、320℃×
2.16kgでのメルトフローインデックスの値が20
〜120g/10minの範囲にあるポリエーテルスル
ホン樹脂組成物を用いて、成形温度300〜380℃、
金型温度25〜170℃、射出圧力300〜1500k
g/cm2 の条件で封止することにより、金属リードの
変形のない、透明性及び耐熱性に優れ、金属リードフレ
ームと樹脂組成物との密着性が良好な発光ダイオードを
製造できる。
細に説明する。 実施例1 320℃×2.16kgでのメルトフローインデックス
の値が5.0g/10minであるポリエーテルスルホ
ン樹脂とフタル酸ブチルベンジルを表1に示す配合量に
てドライブレンドし、330℃にて溶融押出を行い、ペ
レットを得た。ペレットの320℃×2.16kgでの
メルトフローインデックスの値は38.6g/10mi
nであった。その後、該ペレットを用いて、成形温度3
30℃、金型温度120℃、射出圧力500kg/cm2に
て、半導体チップをインサートした金型を使用し、射出
成形を行い、封止を行った。その後、得られた発光ダイ
オードの金属リードフレームの変形を観察した。また、
成形温度330℃、金型温度120℃、射出圧力700
kg/cm2の条件で、ASTM−790に準じた曲げ試験片
を成形した。この試験片を用いて、耐ハンダ性、光線透
過率及び曲げ強度の測定を行った。試験方法は以下に示
す方法によつた。
験片を10秒浸漬後、試験片の変形及び膨れの有無を観
察した。変形及び膨れのない場合を○印に、変形及び膨
れが若干ある場合を△印、さらに変形及び膨れがひどい
場合を×印とした。 光線透過率、JIS K−7105に準じて行った。 曲げ強度、ASTM−790に準じて測定した。 金属リードフレームと密着性、得られた発光ダイオー
ドを温度−30℃、150℃の環境下に各30分放置
し、10サイクル迄繰り返した後、封止部を固定し、リ
ードフレームを引っ張ることにより、封止部とリードフ
レーム間の密着性を評価した。このとき、リードフレー
ムの破断がおきたときを○印、封止部の破損がおきたと
きを△印、リードフレームと封止部間の界面剥離がおき
たときを×印とした。
の値が5.0g/10minであるポリエーテルスルホ
ン樹脂とフタル酸ブチルベンジルを表1に示す配合量に
てドライブレンドし、330℃にて溶融押出を行い、ペ
レットを得た。ペレットの320℃×2.16kgでの
メルトフローインデックスの値は27.3g/10mi
nであった。その後、該ペレットを用いて、成形温度3
30℃、金型温度150℃、射出圧力700kg/cm2に
て、半導体チップをインサートした金型を使用し、射出
成形を行い、封止を行った。その後、得られた発光ダイ
オードの金属リードフレームの変形を観察した。さらに
実施例1と同様の方法により、曲げ試験片を成形し、各
物性を実施例1と同様にして求めた。
の値が10.0g/10minであるポリエーテルスル
ホン樹脂とフタル酸ブチルベンジルを表1に示す配合量
にてドライブレンドし、330℃にて溶融押出を行い、
ペレットを得た。ペレットのメルトフローインデックス
の320℃×2.16kgでの値は40.0g/10m
inであった。その後、該ペレットを用いて、成形温度
330℃、金型温度150℃、射出圧力700kg/cm2に
て、半導体チップをインサートした金型を使用し、射出
成形を行い、封止を行った。その後、得られた発光ダイ
オードの金属リードフレームの変形を観察した。さらに
実施例1と同様の方法により、曲げ試験片を成形し、各
物性を実施例1と同様にして求めた。
の値が30.0g/10minであるポリエーテルスル
ホン樹脂とフタル酸ブチルベンジルを表1に示す配合量
にてドライブレンドし、330℃にて溶融押出を行い、
ペレットを得た。ペレットのメルトフローインデックス
の320℃×2.16kgでの値は90.1g/10m
inであった。その後、該ペレットを用いて、成形温度
300℃、金型温度100℃、射出圧力500kg/cm2に
て、半導体チップをインサートした金型を使用し、射出
成形を行い、封止を行った。その後、得られた発光ダイ
オードの金属リードフレームの変形を観察した。さらに
実施例1と同様の方法により、曲げ試験片を成形し、各
物性を実施例1と同様にして求めた。
の値が10.0g/10minであるポリエーテルスル
ホン樹脂とフタル酸ブチルラウリルを表1に示す配合量
にてドライブレンドし、330℃にて溶融押出を行い、
ペレットを得た。ペレットのメルトフローインデックス
の320℃×2.16kgでの値は38.8g/10m
inであった。その後、該ペレットを用いて、成形温度
330℃、金型温度120℃、射出圧力500kg/cm2に
て、半導体チップをインサートした金型を使用し、射出
成形を行い、封止を行った。その後、得られた発光ダイ
オードの金属リードフレームの変形を観察した。さらに
実施例1と同様の方法により、曲げ試験片を成形し、各
物性を実施例1と同様にして求めた。
の値が0.5g/10minであるポリエーテルスルホ
ン樹脂を用い、成形温度350℃、金型温度150℃、
射出圧力700kg/cm2にて、半導体チップをインサート
した金型を使用し、射出成形を行い、封止を行った。そ
の後、得られた発光ダイオードの金属リードフレームの
変形を観察した。さらに実施例1と同様の方法により、
曲げ試験片を成形し、各物性を実施例1と同様にして求
めた。
の値が80g/10minであるポリエーテルスルホン
樹脂を用い、成形温度300℃、金型温度100℃、射
出圧力500kg/cm2にて、半導体チップをインサートし
た金型を使用し、射出成形を行い、封止を行った。その
後、得られた発光ダイオードの金属リードフレームの変
形を観察した。さらに実施例1と同様の方法により、曲
げ試験片を成形し、各物性を実施例1と同様にして求め
た。
の値が10.0g/10minであるポリエーテルスル
ホン樹脂とフタル酸ブチルベンジルを表1に示す配合量
にてドライブレンドし、330℃にて溶融押出を行い、
ペレットを得た。ペレットのメルトフローインデックス
の320℃×2.16kgでの値は18.9g/10m
inであった。その後、該ペレットを用いて、成形温度
340℃、金型温度150℃、射出圧力700kg/cm2に
て、半導体チップをインサートした金型を使用し、射出
成形を行い、封止を行った。その後、得られた発光ダイ
オードの金属リードフレームの変形を観察した。さらに
実施例1と同様の方法により、曲げ試験片を成形し、各
物性を実施例1と同様にして求めた。
の値が10.0g/10minであるポリエーテルスル
ホン樹脂とフタル酸ブチルベンジルを表1に示す配合量
にてドライブレンドし、330℃にて溶融押出を行い、
ペレットを得た。ペレットのメルトフローインデックス
の320℃×2.16kgでの値は180.0g/10
minであった。その後、該ペレットを用いて、成形温
度300℃、金型温度100℃、射出圧力400kg/cm2
にて、半導体チップをインサートした金型を使用し、射
出成形を行い、封止を行った。その後、得られた発光ダ
イオードの金属リードフレームの変形を観察した。
の値が28g/10minであるポリカーボネート樹脂
を用い、成形温度320℃、金型温度100℃、射出圧
力700kg/cm2にて、半導体チップをインサートした金
型を使用し、射出成形を行い、封止を行った。その後、
得られた発光ダイオードの金属リードフレームの変形を
観察した。さらに実施例1と同様の方法により、曲げ試
験片を成形し、各物性を実施例1と同様にして求めた。
の値が30g/10minであるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂を用い、成形温度350℃、金型温度130
℃、射出圧力700kg/cm2にて、半導体チップをインサ
ートした金型を使用し、射出成形を行い、封止を行っ
た。その後、得られた発光ダイオードの金属リードフレ
ームの変形を観察した。さらに実施例1と同様の方法に
より、曲げ試験片を成形し、各物性を実施例1と同様に
して求めた。但し、得られた発光ダイオードは不透明性
の為、金属リードフレームの変形と密着性の試験は実施
しなかった。
実施例1〜5と比較例1との比較より、フタル酸混基エ
ステルを使用しないで、メルトフローインデックスの小
さいポリエーテルスルホン樹脂を用いた場合、溶融粘度
が大きく、金属リードフレームの変形を伴い、さらに樹
脂と金属リードフレームとの接着性が劣ることがわか
る。実施例1〜5と比較例2との比較より、フタル酸混
基エステルを使用しないで、メルトフローインデックス
の大きいポリエーテルスルホン樹脂を用いた場合、強度
低下が著しく、かつ樹脂と金属リードフレームとの接着
性が劣っていることがわかる。
タル酸混基エステルの添加量が小さいと、金属リードフ
レームの変形およびフレームと樹脂の密着性が劣ること
がわかる。実施例1〜5と比較例4との比較より、フタ
ル酸混基エステルの添加量が大きいと、耐熱性の低下が
著しいことがわかる。さらに、実施例1〜5と比較例5
との比較より、ポリカーボネート樹脂では耐熱性が十分
ではないことが明白である。最後に、比較例6のポリフ
ェニレンスルフィド樹脂では、不透明であり、本発明の
用途には不適である。
された半導体チップが、320℃×2.16kgでのメ
ルトフローインデックスの値が20〜120g/10m
inであるポリエーテルスルホン樹脂組成物で封止され
ている発光ダイオードは、金属リードフレームの変形が
なく、耐熱性、透明性に優れ、さらに、機械特性および
金属リードフレームと樹脂組成物の接着性にも優れてい
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属リードフレームにマウントされた半
導体チップが、ポリエーテルスルホン樹脂90〜99.
9重量部とフタル酸混基エステル10〜0.1重量部か
らなり、且つ320℃×2.16kgでのメルトフロー
インデックスの値が20〜120g/10minである
ポリエーテルスルホン樹脂組成物で封止されていること
を特徴とする発光ダイオード。 - 【請求項2】 金属リードフレームに、成形温度300
℃〜380℃、金型温度25〜170℃、射出圧力30
0〜1500kg/cm2 の条件で、ポリエーテルスル
ホン樹脂90〜99.9重量部と、フタル酸混基エステ
ル10〜0.1重量部からなり、且つメルトフローイン
デックスの320℃×2.16kgでの値が20〜12
0g/10minであるポリエーテルスルホン樹脂組成
物で封止されていることを特徴とする発光ダイオードの
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5201398A JPH0758364A (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | 発光ダイオード及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5201398A JPH0758364A (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | 発光ダイオード及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0758364A true JPH0758364A (ja) | 1995-03-03 |
Family
ID=16440434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5201398A Pending JPH0758364A (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | 発光ダイオード及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0758364A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010074038A1 (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-01 | 旭硝子株式会社 | 発光素子モジュールおよびその製造方法 |
-
1993
- 1993-08-13 JP JP5201398A patent/JPH0758364A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010074038A1 (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-01 | 旭硝子株式会社 | 発光素子モジュールおよびその製造方法 |
JPWO2010074038A1 (ja) * | 2008-12-24 | 2012-06-14 | 旭硝子株式会社 | 発光素子モジュールおよびその製造方法 |
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