JPH0757864B2 - 粘着付与剤樹脂がポリマーの粒子内に共存しているエマルジョン型感圧接着剤の製造法 - Google Patents

粘着付与剤樹脂がポリマーの粒子内に共存しているエマルジョン型感圧接着剤の製造法

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JPH0757864B2
JPH0757864B2 JP23114688A JP23114688A JPH0757864B2 JP H0757864 B2 JPH0757864 B2 JP H0757864B2 JP 23114688 A JP23114688 A JP 23114688A JP 23114688 A JP23114688 A JP 23114688A JP H0757864 B2 JPH0757864 B2 JP H0757864B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、粘着付与剤樹脂(タツキフアイヤー)(以
下、TRと略記)が生成ポリマーの粒子内に選択的に共存
しているエマルジョン型感圧接着剤の製造法に関する。
詳しくは、特にポリオレフイン樹脂(以下、PO−樹脂と
略記)に対する常態接着性、低温接着性に優れ、かつロ
ール塗工適性、分散安定性、三物性(接着力、粘着力及
び凝集力)のバランス等の極めて良好なエマルジョン型
感圧接着剤(感圧接着性エマルジョン)の製造法に関す
る。
<従来の技術> 近年、感圧接着剤の分野でも、無公害、安全衛生等の観
点から、無溶剤の要望が高まり、圧倒的な割合を占めて
いた有機溶剤型感圧接着剤が、水性エマルジョン型に置
き換りつつある。ところが、従来のエマルジョン型の場
合は、表面エネルギーの小さいPO−樹脂、例えばポリエ
チレンやポリプロピレン製の容器やフイルム等への常態
接着力、低温接着力等が実用的に充分でないという欠点
をもっており、その向上が強く要望されている。
アクリル系エマルジョン型感圧接着剤は、共重合させ
る、アクリル系単量体の種類を選択することにより、必
要な粘着力、凝集力、及び接着力のバランス(以下、三
物性バランスという)を、或る程度まで調節できるが、
凝集力、接着力が共に充分大きいものはアクリル系重合
樹脂のみでは得られ難い。
その常態接着力を向上させるために、TRのエマルジョン
をブレンドする方法が知られているが、この方法では、
アクリル系共重合体の粒子とTR粒子が均一に混合しない
ために、常態接着力を充分向上することができない。し
かも低温接着性も耐水性も低下する。また接着剤エマル
ジョン特有の構造粘性によってロール塗工機を使用する
場合の塗工性(いわゆるロール塗工適性)にも劣る。
この方法における耐水性を改善するために、TRをアクリ
ル系単量体の混合物に溶解した溶液又はこの溶液を乳化
剤水溶液中に乳化したプレエマルジョンのうち、その30
重量%以下を、水と乳化剤と重合触媒とを含有した重合
液にあらかじめ添加して、初期重合を行ない、次いでそ
の残部を連続的に添加しながら重合を行なって、TRを含
有したエマルジョン型接着剤を製造する方法(特開昭58
−185668号公報、英国特許第1257940号明細書)も公知
である。
しかしながら、この方法では、アクリル系ポリマーやビ
ニルエステル系ポリマーのような“重合の場”となり得
るシードポリマーが全く存在しない反応系中で、アクリ
ル系単量体の初期重合をTR共存下に行なうために、最終
的にTRと生成ポリマー粒子の多くが別個に水中分散して
いるエマルジョンを生成して、低温接着力を常態接着力
と同程度に充分向上することができない。また遊離した
TRの水中分散による、前記構造粘性(チクソトロピー)
の発現や分散安定性を改善することは難かしい。特にTR
の使用量が多くなると、安定な初期粒子が生成し難く重
合系が不安定になって、TRが凝集した粗粒子が多量析出
し、機械的安定性や、ロール塗工適性のわるいエマルジ
ョンを生成する。尚、このようなTR凝集物や含有してい
るエマルジョンや構造粘性の著しいエマルジョンでは、
ロールコーター中に塗りスジが入るとか、その存在に因
るタック面の凹凸から、美観上、印刷適性の点から好ま
しくないことは、よく知られている。
一方、PO−樹脂に対する常態接着性を向上させるため
に、エチレン−酢酸ビニル系共重合体(ビニルエステル
系重合体)のエマルジョンをシードとし、これにアクリ
ル系単量体のプレエマルジョンを滴下して、シード重合
を行なう方法(特開昭57−16082号公報)も公知であ
る。
この方法では、その第2頁に記述しているように、前記
シードポリマーがアクリル系モノマーの“重合の場”と
なり得る、前記シードポリマーが存在しているので高濃
度のエマルジョンを製造し得る反面、最終生成ポリマー
の粒子内にはTRが全く共存していないために、低温接着
性と常態接着性を充分向上することができず、しかも低
温接着力が常温接着力と同程度に大きい優れた感圧接着
性エマルジョンを得ることができない。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明者等は、従来技術の難点を悉く解消せんとして鋭
意広範囲な系統的研究を行なった結果、遂に本発明を完
成した。即ち、 (1)前記プレエマルジョンの中に、TRが共存していて
も、シードポリマーとしてのエステル基含有単量体(ビ
ニルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸エステル)
を主体として成るエマルジョンポリマーの粒子が、2段
目に反応させるアクリ酸エステルを主体とする単量体の
“安定な重合の場”となって、シード重合反応が円滑
(安定)に進行して、該単量体と共存していたTRの殆ど
総てが、選択的に重合生成ポリマーの粒子内に均一分散
した形態で共存しており、水相中にはTRが実質的に存在
(遊離、分散)していない、新規にして優れた下記特性
を有する高濃度(固形分濃度として60〜70重量%)の感
圧接着性エマルジョンが工業的容易に得られること。
(2)生成したこのエマルジョンポリマーの粒子は、適
度に硬い(Tgか適度に高い)前記シードポリマーとその
表面に重合生成した適度に軟い(Tgか適度に低い)アク
リル系ポリマーと更にその粒子内に均一分散している適
量のTRとから構成されているので、PO−樹脂等に対する
該エマルジョンの常態接着性と低温接着性が同程度に高
くかつ優れ、かつ接着力粘着力及び凝集力のバランスも
良好である。
(3)また、上記(1)の生成したエマルジョンは、均
質、安定で、TRの凝集物や生成ポリマーの凝集物、また
はそれらからなる粗大粒子を殆ど含有していないので、
機械的安定性、分散安定性、経日安定性が、良好であ
る。更にその水相中にはTRが実質的に遊離(分散)して
いないので、高濃度でも粘度が低く、TRのエマルジョン
のようなチクソトロピックの粘性を発現することなく、
ニュートニアンに近い粘性を示す。それ故ロール塗工適
性にも優れ、塗りスジが入らず、タック面が平滑で美観
上からも印刷適性の点からも好ましい。
本発明の第1の目的は、ポリオレフイン樹脂に対する常
態接着性と低温接着性が同程度に高く、かつ優れてお
り、分散安定性(機械的安定性等)、ロール塗工適性、
前記酸物性のバランス等が極めて良好なエマルジョン型
感圧接着剤を工業的有利に製造し得る製造法を提供する
ことにある。
本発明の第2の目的は、TRか選択的に生成ポリマーの粒
子内に均一分散した形態で共存しており、水相中には実
質的に存在(分散)していない、上記の新規なエマルジ
ョン型感圧接着剤(感圧接着性エマルジョン)を提供す
ることにある。
<問題を解決するための手段> 即ち、本発明は上記目的を達成するために、ビニルエス
テル及び(メタ)アクリル酸エステルの群から選択され
たエステル基含有単量体の少なくとも一つを主成分とし
てなる平均粒子径が0.15〜0.35μmの重合体(以下、シ
ードポリマーという)のエマルジョン(以下、シードエ
マルジョンという)の中に、前記エマルジョンの固形分
重量を基準として3〜19倍量の(メタ)アクリル酸エス
テルを主成分とした単量体混合物と粘着付与剤樹脂と乳
化剤と水を含有しているプレエマルジョンを、逐次添加
して、重合触媒の存在下に乳化重合(以下、シード重合
という)を行なうという構成をとる。以下、本発明の実
施の態様を詳説する。前記のビニルエステル及び(メ
タ)アクリル酸エステルの群から選択されたエステル基
含有単量体の少なくとも一つを主成分として成る重合体
とは、該エステル基含有単量体から成る単独重合体、共
重合体又は該エステル基含有単量体の少なくとも一つを
主成分として成る共合体を意味する。シードポリマーと
しての前記重合体は、215〜303゜Kのガラス転位点(以
下、Tgと略記)を有する重合体が望ましい。
Tgが215゜Kよりも低いと、凝集力が著しく低下し、303
゜Kよりも高いと、粘着力が弱くなる傾向があるからで
ある。
前記のシートエマルジョンとしては、公知の乳化重合法
(例えば一次仕込み重合法、モノマー添加重合法、プレ
エマルジョン添加重合法あるいはそれらの組合せ等)に
よって製造されたものが好ましい。
シードエマルジョンにおけるシードポリマーの平均粒子
径は0.15〜0.35μm(好ましくは0.2〜0.3μm)であ
る。0.15μm未満では第2段目の乳化重合(シード重
合)によって粘度の高い、かつロール塗工適性のわるい
エマルジョンを生成し、0.35μmよりも大きいと生成す
る共重合体の粒子内におけるTRの分布が不規則になった
り、接着性能を充分向上させることができない。
またシードエマルジョンとしては、モノマーの重合転化
率が98%以上、(残存モノマー量が2%未満)のものが
望ましい。重合転化率の低い残存モノマー量の多い)、
重合体エマルジョンでは、前記の乳化重合(シード重
合)において反応系を不安定化(阻害)したり、TRが凝
集した粗大粒子を生成する場合がある。
シードポリマーとしては、Tgが215〜303゜Kの範囲内に
ある、前記のエステル基含有単量体から成る単独重合
体、共重合体、又はエステル基含有単量体の少なくとも
一つを主成分とし、これとエチレン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、エチレン性不飽和カルボン酸、架橋性単量
体、(α−メチル)スチレン、N−アルキル(メタ)ア
クリルアミド及び(メタ)アクリロニトリルの群から選
択された共重合可能な単量体の少なくとも一つとからな
る共重合体等が好ましい。上記共重合体の中で、エチレ
ン性不飽和カルボン酸及び/又は架橋性単量体を共重合
成分として成る上記の共重合体が最も好ましい。
前記のビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル
(以下、VACと略記)プロピオン酸ビニル(以下、VPと
略記)、ベオバ(シエルケミカル社の商標名、バーサチ
ック酸のビニルエステル)3級ノナン酸ビニル以下、3N
Vと略記)、ステアリン酸ビニル、モノクロル酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニル等を挙げることができ、一種又は二
種以上組合せて使用される。
前記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばア
クリル酸又はメタクリル酸のメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロヘキシ
ル、2−エチルヘキシル、イソノニル、ラウリル、ステ
アリル等(アルキル基の炭素数が1〜18)のアルキルエ
ステル、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族アル
コールの(メタ)アクリレート等を挙げることができ、
それらの一種又は二種以上組合せて使用される。前記の
エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸(無水マレイン酸)、アルキル基の炭素数が1〜12の
モノアルキルマレート、ヒドロキシエチル(プロピル)
モノマレート、モノフタレート、イタコン酸のモノアル
キル(炭素数1〜12)エステル等が挙げられ、一種又は
二種以上組合せて使用される。
前記の架橋性単量体としては、例えば、(メタ)アクリ
ル酸の2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル
エステル、3−ヒドロキシエチルエステル、ポリエチレ
ングリコール又はポリプロピレングリコールのモノ(メ
タ)アクリレート等の水酸基含有単量体、グリシジル
(メタ)アクリレートのようなエポキシ基含有単量体、
(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド
等の−CONH2基やメチロール基を有する単量体、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルシラン、ジアリルフタレート、シ
クロペンタジエン、メチレンビスアクリルアミド、ジア
リルマレート、テトラアリルオキシエタン等のエチレン
性不飽和結合を2個以上有する単量体を挙げることがで
きる。架橋性単量体も一種又は二種以上組合せて使用さ
れる。
前記のN−アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、
例えば、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−タ
ーシヤリーブチル(メタ)アクリルアミドのようなアル
キル基の炭素数が4〜12のものが挙げられる。
前記のシードポリマーにおけるビニルエステルを主成分
とする共重合体の好ましい共重合組成は下記の通りであ
る。
(A)ビニルエステル ……50重量%以上 (B)エチレン(以下、Eと略記) ……0〜49重量% (C)エチレン性不飽和カルボン酸 ……0〜7重量% (D)架橋性単量体 ……0〜10重量% (E)塩化ビニル(以下、VCと略記) 0〜35重量% (F)アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル
酸エステル ……0〜50重量% 上記ビニルエステル系共重合体を構成している単量体の
組合せとしては、例えば、VAC−ベオバ、VAC−VP、VAC
−E、VAC−ベオバ−アクリル酸(以下、AAと略記)、V
AC−E−AA、VAC−E−AA−グリシジルメタクリレート
(以下、GMAと略記)、VAC−AA−N−メチロールアクリ
ルアミド(以下、N−MAMと略記)、VAC−E−ベオバ、
VAC−E3NVVAC−2−エチルヘキシルアクレリレート(以
下、2−EHAと略記)、VAC−ステアリルアクリレート、
VAC−ブチルアクリレート(以下、BAと略記)、VAC−エ
チルアクリレート(以下、EAと略記)VAC−E−AA−N
−メチロールメタクリアミド(N−MMAMと略記)VAC−
E−VC、VAC−E−MMA−AA、VAC−E−AA−エチレング
リコールジメタクリレート(以下、EGDMと略記)VAC−
E−AA−GMA、VAC−ベオバ−2EHA、VAC−ベオバ−ステ
アリン酸ビニル、ベオバ−BA−MMAベオバ−2EHA・ベオ
バ−AA、ベオバ−VAC−AA、ベオバ−VAC−EA、VAC−VP
−AA、VAC−BA−AA等を挙げられる。但しこれらのもの
に限定されない。前記のシードポリマーにおける(メ
タ)アクリル酸エステルを主成分とする共重合体の好ま
しい共重合組成は、下記の通りである。
(A)アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル
酸エステル及び/又はベンジル(メタ)アクリレート…
…50重量%以上 (B)ビニルエステル ……0〜49重量% (C)エチレン性不飽和カルボン酸 ……0〜7重量% (D)架橋性単量体 ……0〜10重量% (E)(α−メチル)スチレン及び/又は(メタ)アク
リロニトリル ……0〜40重量% (F)N−アルキルアクリルアミド ……0〜25重量% 上記のアクリル系共重合体を構成している単量体の組み
合わせとしては、例えば2EHA−MMA、BA−VAC、BA−VA−
AA、BA−MMA、BA−MMA−AA、BA−AN、BA−2EHA−GMA、E
A−N−MAM−AA、EA−AN−N−MAM−AA、2EHA−スチレ
ン(以下、stと略記)、2EHA−MMA−MAA、2EHA−EA−A
A、2EHA−マレイン酸−MAA、2EHA−BA−マレイン酸−ジ
ビニルベンゼン(以下、DVBと略記)、2EHA−MAA−N−
MAM2EHA−BA−MAA−CN−MAM−VAC、2EHA−VAC−AA、2EH
A−VAC−AA−N−MAM、2EHA−EA−AA−GMA、2EHA−ベン
ジルメタクリレート−VAC−AA、2EHA−ベンジルメタク
リレート−AA、EA−2EHA−AA、2EHA−MMA−AN−N−MA
M、BA−VAC−MAA−DVB、BA−EA−AN−AA、BA−MMA−MAA
−GMA、BA−st−AA、2EHA−VAC−ベオバ−MAA、イソノ
ニルアクリレート−EA−MAA−DVB、2EHA−N−オクチル
アクリルアミド−N−MAM、2EHA−N−オクチルアクメ
タリルアミド等が挙げられる。本発明で使用する乳化剤
としては、乳化重合用の公知のものであればよく、前記
シードエマルジョンの製造(乳化重合)には、例えばア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル硫酸塩、
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スチレンスルホ
ン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリル
アルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン型界面
活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、オキシ
エチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等の非イ
オン形界面活性剤、両性型界面活性剤、部分鹸化又は完
全鹸化のポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセル
ローズ等の水溶性高分子からなる保護コロイドの一種又
は2種以上が使用される。前記のプレエマルジョン(第
2段目の重合)に使用される乳化剤としては主として、
前記の非イオン型界面活性剤、アニオン型界面活性剤又
は前記両者を組合せて使用される。
本発明における乳化剤の使用量は、通常0.5〜10重量%
の範囲内である。
重合触媒としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム、等の親水性触媒や過酸化物と還元剤との組合
せからなるレドックス、触媒系等が使用される。また必
要に応じて、四塩化炭素、アルキルメルカプタン等の重
合連鎖移動剤やPH調整剤等を兵用してもよい。
シードエマルジョンの製造時及び後記のシード重合時の
反応温度は限定されないが、通常50〜90℃の範囲内であ
る。
前記のシードエマルジョンは、予め製造しておいていた
該重合体エマルジョンを使用してもよく、また第1段目
の乳化重合により生成した該重合体エマルジョンを適用
し、連続して第2段目の乳化重合を行なってもよい。
シードエマルジョンの固形分濃度は通常40〜60重量%の
範囲内である。
前記のプレエマルジョンとしては、該単量体混合物に前
記TRを溶解した後、乳化剤水溶液と攪拌混合して乳化し
たプレエマルジョンは、乳化剤含有量(使用量)が少な
く、耐水性、安定性等の優れた感圧接着性エマルジョン
を容易に得られること等から好ましい。
シードエマルジョン中の該単量体混合物の含有量は前記
シードエマルジョンの固形分重量量を基準として、3〜
30倍量である。3倍量よりも少なくとPO−樹脂に対する
接着力の向上が認められなく、30倍量よりも多いと、乳
化重合安定性及び生成したエマルジョンの安定性がわる
くなるので好ましくない。
前記の単量体混合物は、重合するとTgが205〜245゜Kの
共重合体に成り得るものであることが望ましい。
Tgが205℃よりも低いと凝集力の低下が著しく、245゜K
よりも高くなると粘着性が低下する傾向があるからであ
る。
前記単量体混合物としては、炭素4〜18のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体と
し、これとエチレン性不飽和カルボン酸及び架橋性単量
体の群から選択された官能基含有単量体の少なくとも一
つと、又は更にビニルエステル、炭素数1〜3のアルキ
ル基を有する(メタ)アクリレート、(α−メチル)ス
チレン、及びベンジル(メタ)アクリレートの群から選
択された非イオン性単量体の少なくとも一つとを含有し
ているものが好ましい。特に好ましい単量体混合物の組
成は下記の通りである。
(1)炭素数4〜18のアルキル基を有する(メタ)アク
リレート ……55重量%以上 (2)エチレン性不飽和カルボン酸及び/又は架橋性単
量体 ……1〜15重量% (3)ビニルエステル ……0〜30重量% (4)炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アク
リレート ……0〜35重量% (5)(α−メチル)スチレン ……0〜10重量% (6)ベンジル(メタ)アクリレート……0〜10重量% (7)(メタ)アクリロニトリル ……0〜5重量% 上記単量体混合物における単量体の組合わせとしては、
例えば、MA−2EHA−CHA−AN−AA−GMA,2EHA−BA−AA−
N−MAM,2EHA−MA−AA−DVB−,2EHA−MA−AA−DVSi,2EH
A−MA−MAA,2EHA−VAC−AA,2EHA−AN−AA,2EHA−ST−A
A,BA−MA−AA,2EHA−MA−AA,2EHA−MAA−プロピレング
リコールンモノメタクリレート(以下、PPGMAと略記),
2EHA−AA−PPGMA,2EHA−MA−MAA−PPGMA,2EHA−BM−MAA
−N−MAM,2EHA−VAE−MAA,2EHA−VAC−AA−PPGMA,2EHA
−MA−MAA−2ヒドロキシエチルアクリレート,BA−2EHA
−VAC−MAM−MAA,2EHA−EMA−AM−MAA,BA−2EHA−AA−G
MA,CHA−2EHA−AA−GMA,CHA−2EHA−ジアルフタレート
−AA,BA−MMA−AA,2EHA−BA−AA−N−MAM等が挙げられ
る。また、前記のシードポリマーと、単量体混合物の少
なくと一方がエチレン性不飽和カルボン酸及び/又は架
橋性単量体を共重合体成分として含有している場合は最
も好ましい。
このような場合は、シード重合時又はシード重合後にポ
リマー間あるいは分子間に架橋結合を形成して、内部凝
集力が高くなり、粘着力、凝集力及び接着力のバランス
をより向上し得ると共に、粘着力、接着力(常態接着
力、低温接着力)の著しく優れた感圧接着性のエマルジ
ョンが容易に得られるからである。
TRの使用量は前記単量体混合物の重量を基準として、5
〜30重量%が望ましい。5重量%よりも少ないとPO−樹
脂への接着の向上が少なく、30重量%よりも多くなる
と、乳化重合安定性及び生成したエマルジョンの安定性
がわるくなりやすい。
本発明に使用し得るTRとしては、例えば、ロジン系樹
脂、ポリテルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系
石油樹脂、純モノマー共重合系石油樹脂、脂環族系石油
樹脂、キシレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹
脂、エラストマー等が挙げられる。これらの中でロジン
系樹脂、ポリテルペン系樹脂が最も好ましい。TRは一種
又は二重以上組合わせて、使用される。
ロジン系樹脂としては、生ロジン、水添ロジン、水添ロ
ジンエステル、不均化ロジン、不均化ロジネステル、重
合ロジンエステル、ポリテルペン系樹脂としてはα−ピ
ネン樹脂、β−ピネン系樹脂、ジペンテン系樹脂、テル
ペン−フェーノール樹脂、脂肪族系石油樹脂とはハイレ
ッツ(三井石油化学製)、クイントン(日本ゼオン
製)、タッキロール(住友化学製)、エステコレッツ10
00(エッソ化学製)、芳香族系石油樹脂としてはネオポ
リマーS(日本合成樹脂製)、ペトロジン(三井石油化
学製)、ペトライト(東洋ソーダ製)、純モノマー共重
合系石油樹脂としてはハイレジン(東邦石油化学製)、
タックエース(三井石油化学製)、エステコレッツ200
(エッソ化学製)脂環系石油樹脂としてはアルコン(荒
川化学製)、エステコレッツ(エッソ化学製)、ポリア
ミド系樹脂としてはトーマイド(富士化成工業)、エポ
キシ樹脂としては、エピコート(シェル化学製)、エポ
ミック(三井石油化エポキシ製)、エポトート(東都化
成等)、エラストマーとしては、天然ゴム、インプレン
ゴム、スチレンブタジェンゴム、スチレンソーブダジョ
ンブロックポリマー、スチレン−イソプレンブロックポ
リマー、エチレン−イソプレン−スチレンブロックポリ
マー等が例示される。
更に本発明の製造方法によれば、前記のシードエマルジ
ョン粒子が、第2段目に反応させるアクリル系単量体の
“重合反応の場”として提供されるので乳化剤の種類、
量及び接触の種類によって乳化重合開始時に必要なミセ
ル数を調節し、乳化重合終了時の粒子調節することが可
能である上に、水相中には遊離分散したTRが実質的に存
在しないので比較的粘度の低いかつ、固形分濃度が60〜
70重量%の高濃度の感圧接着性エマルジョンを容易に製
造することができる。更に、本発明の方法は、前記のシ
ードポリマーとプレエマルジョン中の単量体混合物の少
なくとも一方にエチレン性不飽和カルボン酸を共重合成
分として成る共重合体のエマルジョン中に、多価金属塩
の水溶液を配合して、金属架橋を形成させ、前記良好な
作用効果を更に向上し得る。
多価金属塩としては銅、マグネシウム、カルシウム、ベ
リウム、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム、錫、マン
ガン、鉄、等の塩化物、酢酸塩、硫酸塩、等が好まし
い。
多価金属塩水溶液は、酸基(例えば−COOH基、−SO3H基
等)含有共重合体エマルジョンの固形分重量を基準とし
て、多価金属塩が0.1〜10重量%になるように配合する
ことが好ましい。
本発明で得られた感圧接着性エマルジョンには、周知、
慣用の添加剤、例えば、増粘財、顔料、充填剤、可塑
剤、防腐剤、防バイ剤、防錆剤、凍結安定剤等を必要に
応じて添加することができる。
本発明の感圧接着性エマルジョンは、ロール塗工等の塗
工適性に優れているので紙やプラスチックフィルムを基
材とする粘着ラベル、粘着シート、粘着テープ等に幅広
く適用できる。
以下、本発明の好適な実施態様を整理して記しておく。
(特許請求範囲第(1)項から続く) (イ)前記の重合体(シードポリマー)が、215〜303゜
Kのガラス転移点を有しているものである、前記請求項
(1)[特許請求の範囲第(1)項]に記載の製造法。
(ロ)前記の単量体混合物(プレエマルジョン中の)
が、共重合すると205〜245゜Kのガラス転移点を有して
いる共重合体と成り得るものである前記請求項(1)記
載の製造法。
(ハ)前記の重合体が、ビニルエステル及び(メタ)ア
クリル酸エステルの群から選択された基含有単量体の少
なくとも一つを主成分とし、これとエチレン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、エチレン性不飽和カルボン酸架橋
性単量体、(α−メチル)スチレン及び(メタ)アクリ
ロニトリルの群から選択された共重合可能な単量体の少
なくとも一つとから成る、前記請求項(1)記載の製造
法。
(ニ)前記の重合体が、ビニルエステル50重量%以上、
エチレン0〜49重量%、エチレン性不飽和カルボン酸0
〜7重量%、架橋性単量体0〜10重量%、塩化ビニル0
〜35重量%及びアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)
アクリル酸エステル0〜35重量%からなるものである、
前記請求項(1)記載の製造法。
(ホ)前記重合体が、アルキル基の炭素数が1〜8の
(メタ)アクリル酸エステル及び/又はベンジル(メ
タ)アクリレート50重量%以上、ビニルエステル0〜49
重量%、エチレン性不飽和酸0〜7重量%、架橋性単量
体0〜10重量%、(α−メチル)スチレン及び/又は
(メタ)アクリロニトリル0〜40重量%及びN−アルキ
ルアクリルアミド0〜25重量%から構成されているもの
である。請求項(1)記載の製造法。
(ヘ)前記の単量体混合物が、炭素数1〜18のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成
分とし、これと、エチレン性不飽和酸及び架橋性単量体
の群から選択された官能基含有単量体の少なくとも一つ
と、又は更にビニルエステル、(α−メチル)スチレン
及びベンジル(メタ)アクリレートの群から選択された
非イオン性単量体の少なくとも一つを含有しているもの
である、前記請求項(1)の製造法。
(ト)前記の単量体混合物が、炭素数4〜18のアルキル
基を有する(メタ)アクリレート55重量%以上、エチレ
ン性不飽和カルボン酸及び/又は1〜15重量%、ビニル
エステル0〜30重量%、炭素数1〜3のアルキル基を有
する(メタ)アクリレート0〜35重量%、(α−メチ
ル)スチレン0〜10重量%、ベンジル(メタ)アクリレ
ート0〜10重量%及び(メタ)アクリロニトリル0〜5
重量%から構成されているものである、請求項(1)記
載の製造法。
(チ)前記の重合体(シードポリマー)と単量体混合物
の少なくとも一方が、エチレン性不飽和酸及び/又は架
橋性単量体を共重合成分として含有している、請求項
(1)の記載の製造法。
(リ)前記の共重合体エマルジョンが、単量体の重合転
化率が少なくとも98%である前記請求項(1)記載の製
造法。
(ヌ)前記の粘着付与剤樹脂が、前記単量体混合物の重
量を基準として5〜30重量%の範囲内でプレエマルジョ
ン中に含有している、前記期請求項(1)記載の製造
法。
(ル)前記の粘着付与剤樹脂が、ロジン系樹脂、ポリテ
ルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族石油樹脂、純
モノマー共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、キシレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂及びエラス
トマーの群から選択された少なくとも一つである、前記
請求項(1)記載の製造法。
(オ)前記の粘着性付与剤樹脂が、ロジン系樹脂及び/
又はポリテルペン系樹脂である、請求項(1)記載の製
造法。
(ワ)前記のエマルジョン型感圧接着剤が、固形分とし
て60〜70重量%の高濃度のものである、前記請求項
(1)記載の製造法。
(カ)前記の乳化重合を行なった後、乳化重合生成物の
中に多価金属塩の水溶液が配合される、前記請求項
(1)及び上記実施態様(ハ)、(ニ)(ホ)及び
(ヘ)の各項に記載の製造法。
(ヨ)多価金属液水溶液が、酸基含有共重合体エマルジ
ョンの固形分重量を基準として多価金属塩が0.1〜10重
量%になるように配合される、前記請求項(1)及び上
記実施態様(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)、(カ)の
各項記載の製造法。
(実施例) 以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。例中
の部とあるのは重量部を、%とあるのは重量%を意味す
る。また乳化剤量はいずれも純分換算の量である。さら
に下記の各物性値の測定は次の方法で行なった。
1.固形分濃度 (単位:%) JIS−K6839に準じ、105℃、3時間乾燥後に秤量した。
2.PH JIS−K6837に準じ、ガラス電極を用いて測定した。
3.粘度 (単位:CPS) JIS−K6838に準じ、特に記述のない限りBM型回転粘度計
を用い、回転速度60rpmにて測定した。
4.平均粒子径 (単位:μm) 試料エマルジョン中のポリマー粒子を、透過型電子顕微
鏡により観察しながら、該粒子の体積平均値を算出し、
これをもって平均粒子径とした。
5.グリット (単位:%) 試料エマルジョン100gを、200メッシュの金網で濾過し
た後の、金網に残留している凝集物の乾燥物の重量%を
もって表示した。
6.常態接着力(常温接着力)(単位:g/25mm) 厚みが50μmのポリエステルフイルムの片面に、該接着
剤試料を、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、
105℃で5分間乾燥して粘着テープを作成する。この粘
着テープの接着剤塗布面を、JIS−Z0237に準じてステン
レススチール板(以下、SS板と略記)の表面に接合した
後、180゜引きはがし接着力を、20℃65%RHの雰囲気下
で測定する。また被着体としての前記SS板の代りにポリ
エチレン板(以下、PE板と略記)、並びにポリプロピレ
ン板(以下、PP板と略記)を使用する他は、同様に行な
って、その接着力を常態接着力として表示した。
7.低温接着力 (単位:g/25mm) 常態接着力を測定するときの温度条件を0℃とする他
は、常態接着力の測定の場合と同様に行ない、その接着
力を低温接着力として表示した。
8.ボールタック(粘着力)(J.DOW法)(単位:玉NO) JIS−Z0237に従い、傾斜角30゜にて測定した。
9.保持力 (単位:落下時間=min) JIS−Z0237に準じ、荷重を1kgとし、20℃、65%RHの雰
囲気下で荷重が落下するまでの経過時間を測定して表示
した。尚、この保持力は凝集力の尺度になる。
10.機械的安定性(分散安定性) エマルジョンに高剪断力を一定時間与えた場合の機械的
安定性を調べるために、HAAKE社製の高速回転粘度計を
用いて、約100001/secの高剪断力を試料エマルジョンに
10分間加えた後の凝集物の発生状態及び粘度の変化を観
察し、その状況から機械安定性を評価した。評価は、良
好、ほぼ良好、やや不良、不良の4段階評価とした。
11.最終乳化重合生成物におけるポリマーとTRの共存状
態の観察 (1)方 法 エマルジョン中のポリマー粒子とTR粒子との分散状態及
びポリマー粒子内のポリマーとTRの共存状態を観察する
ために電子顕微鏡を用いた。
(観察):前処理として試料エマルジョンを蒸留水で稀
釈した後支持膜を張ったメッシュ上にスプレーで散布
し、風乾したものを透過型電子顕微鏡(日立H−500H)
にて3万倍で観察した。
(観察状態):ポリマーとTRとは電子線透過率に差があ
り、ポリマーはうすい灰色をしており、一方、TRはポリ
マーに比較して黒く撮影される。確認のため、通常のエ
マルジョン(TRを含有しないもの)に、TRのエマルジョ
ンを添加した場合、うすい灰色をしたポリマー粒子と黒
っぽいTRとが別個に存在して撮影された。
(2)ポリマーとTRの共存状態の表示 前記(1)により観察した結果を下記の如く表示した。
表 現 観察された状況 A……TRの粒子は水相に全く見られなく、そしてTRはポ
リマー粒子内に均一に分散して共存している場合。
A′……TRの粒子は水相に全く見られなく、そしてTRは
ポリマー粒子の周縁部に共存している場合。
B……TRの粒子は水相に若干見られるが、TRの殆どはポ
リマー粒子内に均一分散して、共存している場合。
C……TRの粒子は水相に多く見られ、TRの一部がポリマ
ー粒子内に共存している場合。
D……TRの粒子とポリマー粒子が水相において夫々別個
(独立)に存在している場合。
実施例1 (1)VAC−2EHA−AA−N−MAM共重合体エマルジョン
(シードエマルジョン)の製造 VAC30部、2EHA68部、AA2部及びN−MAM0.3部からなるモ
ノマー混合物を、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル硫酸ナトリウム1部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2部、ポリオキシンエチレンノニルフ
ェニルエーテル(HLB:約10)1部及び酢酸ナトリウム0.
3がイオン交換水30部に溶解している乳化剤水溶液の中
に添加し、そして攪拌してプレエマルジョンを作成し
た。
一方、攪拌機、温度計及び冷却筒を備えた反応容器の中
にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB:約10)1
部及び過硫酸カリウム0.3部が溶解している水溶液を仕
込み、その後、系内に窒素ガスを流しかつ攪拌しながら
内温を75℃に昇温し、前記プレエマルジョンの5%量を
添加して、30分間重合(初期重合)を行ない、次いで残
りの90%量を4時間にわたって滴下して重合を行なっ
た。
この間、内温を75〜80℃に保った。滴下終了後、更に2
時間内温を80℃に保持して後期重合を行なった。得られ
た前記のエマルジョンの固形分濃度は50.1%、粘度は10
0cps、PHは3.0平均粒子径は0.23μ、該共重合体のTgは
計算値で229゜Kであった。
(2)本発明のTR−共存型共重合体エマルジョンの製造 先づ、MA30部、2EHA58部及びAA2部からなるモノマー混
合物(共重合体のTgは228゜K)に、スーパーエステル
A−100(TR)10部を予め溶解した溶液(TR−モノマー
溶液)を、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸ナトリウム1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.3部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(HLB:約10)1部、酢酸ナトリウム0.4部が溶解
している乳化剤水溶液とを撹拌下に混合して乳化し、TR
−モノマープレエマルジョンを作製した。
次に、前記(1)で使用した反応容器の中に、前記のVA
C−2EHA−AA−N−MAM共重合体エマルジョン(シードエ
マルジョン)20部とイオン交換水18部を仕込み、撹拌下
に、系内に窒素ガスに流しながら昇温し、75%℃に保持
して、前記TR−モノマープレエマルジョンと過硫酸カリ
ウム0.3部がイオン交換水7部に溶解している触媒水溶
液を4時間にわたって滴下して、重合反応を行なった。
得られた共重合体エマルジョンは、固形分濃度が65.2
%、粘度が400cps、PHが3.5、平均粒子径が0.45μ、前
記のグリッドが0.0020%で極めて少なかった。そして機
械的安定性も良好で、凝集物の発生も、粘度変化も全く
認められなかった。尚、この共重合体エマルジョンを、
前記のようにして透過型電子顕微鏡で観察した結果、TR
がポリマー粒子内に均一に分散した状態で共存している
こと、遊離したTRの粒子が水相中に存在しないことが判
明した。更に、この共重合体エマルジョンを25%アンモ
ニア水で中和した後、ビースサーフ(花王株式会社製の
増粘剤)を配合して粘度を8000cpsに調整したものを、
3本リバースロールコーターにより、塗工速度80m/分
(剪断力は20000sec-1)でOPPテープに対して50g/m2
工を行なったところ、塗りすじやストリークの無い、均
一な塗工ができ、ロール塗工適性は良好であることが確
認された。
また、前記のように測定した常態接着力(g/25mm)は、
SS板で2500、PP板で2000、低温接着力(g/25mm)は、SS
板で2500、PE板で1400、PP板で1900、ボールタック(玉
NO)は16、保持力(min)は150であった。
このように、本発明の方法で得られた、該感圧接着剤
は、機械的安定性、塗工性等が良好で、粘着力、接着
力、凝集力の物性バランスが向上しており、しかも、ポ
リオレフイン等に対する常態接着力、低温接着力が大き
い。
比較例1(TRを使用しない場合) 実施例1の(2)において、スーパエステルA−100(T
R)を使用せずかつ反応容器に仕込むイオン交換水を8
部とする他は、実施例1と同様にシード、重合を行なっ
て、比較の共重合体エマルジョンを製造した。得られた
該エマルジョンは、固形分濃度が65.1%、粘度800cps、
PH3.5、平均粒子径は0.42μ、グリッドは0.0025%、機
械的安定性は良好であった。しかしその常態接着力(g/
25mm)は、SS板で700、PE板で250、PP板で300、低温接
着力(g/25mm)は、SS板で700、PE板で200、PP板では30
0であって、何れの接着力も、実施例1(本発明)のそ
れに比較して、著しく低く、またボールタック(玉NO)
は10、保持力(min)は1000以上であって、粘着力、接
着力、凝集力の物性バランスの向上も満足できる程度で
はなかった。
比較例2(シードエマルジョンの非存在下にTR−含有、
プレエマルジョンを滴下して重合する場合) 実施例1の(2)において、該シードエルジョンを全く
使用せず、かつTR−モノマープレエマルジョンの5%量
を仕込み、内温75℃で30分間、初期重合を行ない、その
後95%(残量)量を滴下して重合する他は、実施例1と
同様に行なって、比較の共重合体エマルジョンを製造し
た。
得られたエマルジョンは、固形分濃度が50%、粘度80cp
s、PH3.0、平均粒子径0.26μm、グリットは、0.04%
で、多量生成していた。このエマルジョンを、前記のよ
うに透過型電子顕微鏡で観察したところ、一部のポリマ
ー粒子には、TRが内部に分散して共存しているものもあ
ったが多くのくのポリマー粒子には、TRが全く存在して
おらず、TRの多くは水中に分散していた。
次に、このエマルジョンの機械的安定性をしらべた結
果、高剪断力を加えた後、5分後に凝集物が生成し、エ
マルジョンが破壊して、機械的安定性に劣っていること
が確認された。尚、製造直後の前記エマルジョンの常態
接着力(g/25mm)は、SS板で2300、PE板で1400、PP板で
1800、低温接着力(g/25mm)は、SS版で2000、PE板で12
00、PP板で1600、ボールタック(玉NO)は14、保持力
(min)は200であって、粘着力、接着力及び凝集力の物
性バランスの向上も、充分満足し得る程度ではなかっ
た。
比較例3(シードポリマーの平均粒子径が小さい場合) 実施例1の(1)において、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムを0.4部、酢酸ナトリウムを0.4部夫々使用
し、そして、反応容器に予め仕込む、モノマープレエマ
ルジョンの量を10%量とする他は、同様に重合反応を行
なって、得られた平均粒子径が0.12μm(本発明の下限
平均粒子径よりも小さい)、粘度2000cps、PH3.1、固形
分濃度50%のVAC−2EHA−AA−N−MAM−共重合体CTg=2
29゜k)エマルジョンをシードエマルジョンとして使用
して、同様にシード重合を行なった。
得られたエマルジョンは、固形分濃度が65%、粘度9000
cps、PH3.6、平均粒子約0.32um,グリットは0.0450%で
多量生成していた。また機械的安定性はわるく、凝集物
の生成、粘度変化が観察された。また、常態接着力(g/
25mm)はSS板で2000、PE板で1200、PP板で1600、低温接
着力(g/25mm)はSS板で1900、PE板で1100、PP板で1400
であって、実施例1に比較すると低く、ボールタック
(玉No.)は14、保持力(min)は150であった。また、
エマルジョンの中の一部のポリマー粒子内にはTRが共存
しているものもあったが、多くのポリマー粒子内にはTR
が存在していなかった。そしてTRの多くは水中に分散し
ており、強い構造粘性を示した。それ故ロール塗工適性
も不良であった。
比較例4(共重合体エマルジョンとTRエマルジョンを混
合する方法) 比較例1で得られた共重合体エマルジョン(固形分濃度
65.1%)100部と、市販のTRエマルジョン(荒川化学製
のスーパーエステルE720:TRはスーパーエステルA−100
で、その固形分濃度50%)14部を充分撹拌、混合して均
質なエマルジョン混合物からなる。感圧接着剤を得た。
このエマルジョン混合物の常態接着力(g/25mm)は、SS
板で1000、PE板で400、PP板で500、低温接着力(g/25m
m)は800、PE板で200、PP板で300であって、接着力は小
さくかつ劣っていた。そして、ボールタック(玉No.)
は8、保持力(min)は700であって物性バランスの向上
は低かった。またこのエマルジョン混合物を透過型電子
顕微鏡で観察した結果、ポリマー粒子とTR粒子が融合
(一体化)することなく、夫々別個(独立)に存在して
いた。尚、ロール塗工適性も不良であった。
比較例5(シードエマルジョンの非存在下に、TR−共存
プレエマルジョンを重合する場合) YSポリマー#2130(TR)を50部、2EHA25部、シクロヘキ
シルアクリレート20.5部、AN2.5部、AA1.5部、及びGMA
0.5部を予め溶解したTR−モノマー混合物を、ポリオキ
シアルキルフェ=ルエーテル硫酸アンモニウム塩1.5
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB
約17)1部及びイオン交換水25部からなる乳化剤水溶液
と混合し、乳化してTR−今有プレエマルジョンを作製し
た。
実施例1の反応容器にポリオキシエリレンノニルフェニ
ルエーテル(HLB約17)1部をイオン交換水25部に溶解
した乳化剤水溶液を仕込み、窒素ガスを流しながら、内
温を75℃に昇温し、前記のプレエマルジョンの10%量
と、イオン交換水10部に過硫酸アンモニウムを1部溶解
した重合触媒水溶液を添加して30分間初期重合を行な
い、次いで該プレエマルジョンの90%量(残り)と、イ
オン交換水10部に過硫酸アンモニウムを溶解した重合触
媒水溶液とを4時間滴下して重合反応を行なった。得ら
れたエマルジョン(該感圧接着剤)は、固形分濃度が55
%、粘度110cps、PH2.0、平均粒子径0.3umで、グリツト
は0.08%と多く、ロール塗工適性もまた機械的安定性
も、わるく、高剪断力を加えてから2分後に凝集物が生
成し、エマルジョンが破壊した。尚、高剪断力を加えな
い上記のエマルジョンでは、透過型電子顕微鏡により、
ポリマー粒子とTR粒子が夫々別個に水中に存在している
ことが確認された。またその常態接着力(g/25mm)は、
SS板で2000、PE板で1200、PP板で1300であったが、低温
接着力(g/mm)は、SS板で1600、PE板で800であって比
較的小さい。ボールタック(玉No.)は12、保持力(mi
n)は1000以上で、物性バランスの向上も満足しうる程
度ではなかった。
比較例6(EVA共重合体エマルジョンの中でアクリル系
モノマーを、共重合した場合) (1)エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体エマルジ
ョンの製造 撹拌機を備えたオートクレーブに、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム0.9部、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル(HLB約15)0.54部、部分鹸化ポリビ
ニルアルコール0.18部、酢酸0.06部、酢酸ナトリウム0.
8部ロンガリット0.58部及びイオン交換水64部からなる
水溶液を仕込み、撹拌下で窒素ガス及びエチレン置換を
行なった。次ぎに系内温度を50℃に加熱し酢酸ビニル72
部及び過硫酸アンモニウム1.2部と水18.2部からなる水
溶液を4時間で滴下した。この間の反応温度は50℃に調
節し、エチレンを供給した。重合中のエチレン圧は50kg
/cm3に調節した。重合終了後、アンモニア水を用いてPH
5.5に中和した。得られた共重合体エマルジョンは固形
分濃度53.6%、粘度250cps、PHは5.5、平均粒子径0.3u
m、ポリマー共重合組成はVAC60%、エチレン40%、Tgは
243゜Kであった。
(2)アクリル系モノマーのシード重合(TRが共存して
いない場合。) 上記(1)EVA共重合体エマルジョンをシードエマルジ
ョンとして実施例1の反応容器中に仕込み、撹拌しなが
ら60℃になった時、2EHA50部、BA46.5部、AA3部、N−M
AM0.5部、(このモノマー混合物の共重合体のTg213゜K
ポリオキシエチレナルキルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウム1.75部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル(HLB約15)1.75部及びイオン交換水44部からなるプ
レエマルジョンのうちその10%を添加した。10分間経過
後、ターシヤリーブチルパーオキサイド0.6部、ポリオ
キシエリレンノニルフェニルエーテル(HLB約15)0.1部
及びイオン交換水からなる重合触媒分散液のうち10%の
量及び10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液のうち夫々10%
の量を添加し30分間初期重合を行ない、ついで残りのプ
レエマルジョンを連続して、重合触媒分散液及び亜硫酸
水素ナトリウム水溶液の残り90%量を15分間隔で4時間
にわたって滴下した。更に、1時間撹拌を続けて重合を
完結させた。得られた共重合体エマルジョンは固形分濃
度62.1%、粘度8000cps、PHは3.0平均粒子径0.52umで、
ギリットは0.008%で少なく、機械的安定性も良好であ
った。しかしながら、常態接着力(g/25mm)はSS板で16
00、PE痛手1000、PP板で、1100、低温接着力(g/25mm)
はSS板で1600、PE板で900、PP板に対して1000であっ
て、実施例1と比較すると、ボールタック(玉No.)は1
4、保持力(min)は200であって、粘着力、接着力、凝
集力のバランスも満足し得る程度ではなかった。
実施例2〜7(TRの種類を変化した場合) 実施例1の(2)において、TRのスーパーエステルA−
100(荒川化学製、不均化ロジンエステル)(実施例
2)、YSレジンTO−105(安原油脂製、変性テルペン)
(実施例3)、エスコレツツ1310(エッソ化学製、C5
石油樹脂)(実施例4)、ネオポリマーS(日本合成樹
脂製、C9系石油樹脂)(実施例5)、FTR6100(三井石
油化学製、純モノマー共重合系石油樹脂)(実施例6)
アルコールP−100(荒川化学製、脂環族系石油樹脂)
(実施例7)の各単独を夫々使用とする他は、同様にシ
ード重合を行なって、本発明のTR−共存型共重合体エマ
ルジョンを得た。その物性及び特性を第1表に示した。
この結果から明らかなように、本発明に使用し得る第1
表に示すTRの中では、不均化ロジンエステルが最も好ま
しい。
実施例8〜13(シード連合において架橋性モノマーを変
化した場合) 実施例1の(2)のTRを溶解するモノマー混合物に、下
記の架橋性モノマーを夫々添加する他は、実施例1と同
様に行なった。得られたTR−共存型共重合体エマルジョ
ンの物性及び特性を第2表に示した。
この結果から、TR含有プレエマルジョンの乳化重合時に
架橋性モノマーを共重合させると、TR−共存型共重合体
エマルジョンの粘着力を阻害することなく、凝集力を大
きくすることができ、そして、接着力、粘着力及び凝集
力の物性バランスをより向上し得る。
尚、これらの試料エマルジョンのロール塗工適性は実施
例1と同様に良好であった。
実施例14〜19(プレエマルジョンの中のモノマー組成の
変化) 実勢例14は、実施例1のTR−含有プレエマルジョンにお
けるAAの代わりにMAAを使用した場合。実施例15〜19
は、実施例1のTR含有プレエマルジョンにおけるアクリ
ル酸エステル等のモノマーの種類と、共重合量を変化し
た場合の結果を示す実施例である。
この結果からも明らかなように、(1)TR−モノマープ
レエマルジョンに、おける、AAをMAAに代賛しても、優
れたTR−共存型共重合体エマルジョンが得られる。
(2)2EHAやBAのような、アルキル基の炭素数のアクリ
ル酸エステルの共重合体を多くしかつ、MMA、VAC、AN、
Stのような硬いポリマーを生成し得る単量体を少量共重
合体重合せしめることによっても、実施例1の該共重合
体エマルジョン略々同程度の良好な機械的安定性、常態
接着性低温接着性を示し、前記物性バランスの向上した
高固形分の(高濃度)のTR−共存型共重合体エマルジョ
ンが得られる。尚、これらのエマルジョン中のポリマー
粒子内にはTRが均一に分散して共存しており、水相には
遊離したTRは見られなかった。(実施例1と同じ)。
実施例20〜25(TRの使用量変化及びTRの2種併用) 実施例20〜22は、実施例1のTR含有プレエマルジョンの
中のTRの量を増量しかつ単量体量を減量して同様に行な
った場合であり、実施例23〜25はTRを2種類使用した場
合である。これらの結果を第4表に示した。
TRの使用量は、プレエマルジョンとして使用する単量体
混合物の重量を基準として5〜30重量%である。30重量
%よりも多くなると機械的安定性及びロール塗工適性の
わるいエマルジョンを生成し、5%未満の場合はTR使用
による改善効果は認められない。尚、本発明においてTR
を2種以上併用してもよい。
実施例26〜31及び比較例4〜5(単量体混合物/シード
ポリマーの量比変化) 実施例1のシードエマルジョンの使用量を増減する等レ
イプレジョンに使用する、単量体混合物/シードポリマ
ーの量比較変化の影響をしらべた。
上記の結果からも明らかなように、プレエマルジ ョンにおける前記単量体混合物の使用量は、シードエマ
ルジョンの中の固形分重量の3〜30倍量(重量)であ
る。3倍量未満ではP0−樹脂に対する接着力の向上がみ
とめられないし30倍技術的安定性、ロール塗工適性等も
わるくなる。
実施例30(架橋性単量体を共重合体していないシードポ
リマーのエマルジョンを使用した場合) 実施例1の(1)のシードエマルジョンの製造時に架橋
性モノマーのN−MAMを使用せず、かつイオン交換水を
増量する他は、同様に重合して生成したVAC−2EHA−AA
共重合体(Tg ゜K)のエマルジョン(平均粒子径0.
24um、固形分濃度50%PH3.1)を実施例1の(2)のシ
ードエマルジョンに代替し、同様に乳化重合して得られ
たTR共存型−共重合体エマルジョンの特性等を第6表に
示した。
実施例31(シードエマルジョンの代替した場合) 実施例1の(2)のシードエマルジョンの代りに、VAC1
5部、BA83部、MAA2部、DVB0.2部を、ジオクチルスルフ
オコハク酸ナトリウム0.5部ポリオキシエリレンニルフ
ェニルエーテル(HLB:約18)1部、トリリン酸0.3部及
びイオン交換水30部からなる乳化剤水溶液に混合して乳
化したプレエマルジョンを実施例1の(1)と同様に重
合して得られた共重合体(Tg=263゜K)のエマルジョ
ン(平均粒子径0.22um、固形分濃度50%)を使用する他
は同様に行なった。得られたTR共存径共重合体エマルジ
ョン物性、特性を第6表に示した。
実施例32(シードエマルジョンを代替した場合) 実施例1の(2)のシードエマルジョンの代りに、前記
比較例6のEVA共重合体(Tg=237゜K)のエマルジョン
を使用する他は、同様に行ない得られた本発明のTR共存
型−共重合体エマルジョンの物性及び特性を第6表に示
した。
実施例33(シードエマルジョンを代替した場合)AAをオ
ートオクーブ内に仕込む他は、前記比較例6の(1)と
同様にして製造したエチレン−VAC−AA共重合体(重量
共重合比率=15:84.5:0.5)(Tg=270゜K)_のエマル
ジョン)平均粒子径=0.28um、固形分濃度52.1%、PH5.
5)を実施例1の(2)のシードエマルジョンと代替し
て、(2)同様に乳化重合を行なった。得られた本発明
のTR共存型−共重合体エマルジョンの物性及び特性を第
6表に示した。
実施例34(シードエマルジョンを代替した場合) AAとGMAをオートクレーブ内に、仕込み、部分鹸化PVAを
使用せず、エチレン圧を13Kg/cm3にする他は上記比較例
6の(1)と同様にして製造したエチレン−VAC−GMA−
AA共重合体(重量共重合比率=10:85.5:3:1.5)(Tg=2
28゜K)のエマルジョン(平均粒子径0.30um、固形分濃
度50%、PH3.1)を実施例1の(2)のシードエマルジ
ョンと代替してその(2)と同様に乳化重合を行なっ
た。得られた本発明のTR共存型−共重合体エマルジョン
の物性及び特性を第6表に示した。
実施例35(シードエマルジョンを代替した場合) 特公昭57−38543号広報の製造例1(第2頁)の記載に
準じて製造した、VAC−ベオバ(前出)共重合体(重量
共重合比率=77:23)Tg=293゜K)のエマルジョン(平
均粒子径0.31um、固形分濃度50%、PH3.2)を実施例1
の(2)のシードエマルジョンの代りに使用し、同様に
乳化重合を行なった。得られた本発明のT R共存型−共重合体エマルジョンの物性及び特性を第6
表に示した。
実施例36(TR共存型共重合体エマルジョンに金属架橋剤
を配合した場合) 実施例1の(2)で得られたTR共存型共重合体エマルジ
ョンの100部に、10%酢酸アルミニウム水溶液(金属架
橋剤)の1部を攪拌下に添加し、均一に混合した。得ら
れたこのエマルジョンの常態接着力(g/25mm)は、SS板
で2200、PE板で1300、PP板で1800、低温接着力(g/25m
m)はSS板で2200、PE板で、1300、PP板で1800であっ
て、低温接着力が常態接着力と同じで、著しく優れてい
た。また保持力(min)は、1000以上で、実施例1の
(2)のTR共存型共重合体エマルジョン(酢酸アルミニ
ウム水溶液を添加していない)に比較するとより大であ
った。またボールタック(玉No.)は14でありポリマー
粒子とTRの存型状態はAであって、いずれも同じであっ
た。
尚、前記平均粒子径は0.45μ、グリットは0.002%、機
械的安定性は良好、ロール塗工適性は良好であって、物
性、特性も実質的に同じであった。
実施例37(シードエマルジョンの製造とTR共存型共重合
体エマルジョンの製造を連続して行なう場合) (1)ポリ酢酸ビニルエマルジョン(シードエマルジョ
ン)の製造 実施例1の反応容器の中に、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル0.1部と過硫酸カリウム0.3部を水10倍
に溶解した水溶液を仕込み、その後、系内に窒素ガスを
流しかつ撹拌しながら内温を75℃に昇温し、酢酸ビニル
を10部添加して120分間重合を行なって、ポリ酢酸ビニ
ルエマルジョンを得られた。
このエマルジョンにおける固形分濃度は、64.5%、モノ
マーの重合転化率は98.3%、ポリマーの平均粒子径は0.
25umであった。
(2)TR共存型共重合体エマルジョンの製造 上記(1)の重合反応120分間後に、実施例1の(2)
で使用した同一のTR−モノマープレエマルジョン(同
量)と触媒水溶液(同量)を4時間を要して滴下して、
共重合体反応(シード重合)を行なった。得られた共重
合体エマルジョンは、固形分濃度が64.5%粘度が450cp
s、平均粒子径が0.55um、グリットが0.002%、機械的安
定性及びロール塗工適性は夫々良好であった。またこの
エマルジョンの常態接着力(g/25mm)はSS板で2000、PE
板で1100、PP板で1500、ボールタック(玉No.)は、1
4、ポリマー粒子とTRの共存状態はAであった。
(発明の効果) 前記の如く本発明の製造法によれば、TRが重合系に共存
していも、アクリル系又はビニルエステル系のシードポ
リマーが“安定な重合の場”となって、アクリル系共重
合単量体のシード重合が円滑(安定)に進行して、TR粒
子や凝集物が遊離していない、安定性(機械的安定性、
経日安定性)ロール塗工適性、P0−樹脂に対する常態接
着性、低温接着性に優れ、接着力、粘着力及び凝集物の
物性バランスの極めて良好な感圧接着性エマルジョン
(TR共存型共重合体のエマルジョン)を工業的容易に製
造することができると共に、このエマルジョンに多価金
属塩水溶液を配合する場合は前記良好な特性をより向上
し得る等、作用効果の特異性は著しい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニルエステル及び(メタ)アクリル酸エ
    ステルの群から選択されたエステル基含有単量体の少な
    くとも一つを主成分として成る、平均粒子径が0.15〜0.
    35μmの重合体のエマルジョンの中に、前記エマルジョ
    ンの固形分重量を基準として3〜30倍量の(メタ)アク
    リル酸エステルを主成分とした単量体混合物と粘着付与
    剤樹脂と乳化剤と水を含有しているプレエマルジョン
    を、逐次添加して、重合触媒の存在下に乳化重合を行な
    うことを特徴とする、粘着付与剤樹脂が選択的にポリマ
    ーの粒子内に共存している、エマルジョン型感圧接着剤
    の製造法。
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