JPH0757791B2 - アミノシラン変性エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

アミノシラン変性エポキシ樹脂の製造方法

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JPH0757791B2
JPH0757791B2 JP5355988A JP5355988A JPH0757791B2 JP H0757791 B2 JPH0757791 B2 JP H0757791B2 JP 5355988 A JP5355988 A JP 5355988A JP 5355988 A JP5355988 A JP 5355988A JP H0757791 B2 JPH0757791 B2 JP H0757791B2
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aminosilane
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアミノシラン変性エポキシ樹脂の製造方法に関
するものである。アミノシラン変性エポキシ樹脂は、可
とう性、密着性に優れ、ICなどの封止剤、薄膜、特にガ
ラス板等の表面に形成された着色樹脂膜の保護膜、或い
は平滑層として有用なものである。
(従来の技術) ガラス板等の表面に形成された着色樹脂膜の保護膜は主
剤としてエポキシ樹脂を用いるものが多く、例えばポリ
グリシジルメタクリレート、フェノールノボラックのグ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂等が知られている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者等は、着色樹脂膜の保護膜として、種々のエポ
キシ樹脂と硬化剤を使用して、着色樹脂膜にオーバーコ
ートして保護膜の形成を試みた。しかし、着色樹脂膜或
いはガラス板との密着性がなかったり、レベリング性が
低く、均一な膜が得られなかったり硬度の不足、耐酸、
耐アルカリ性の不足、耐熱性不良、耐湿性の不足、光透
過性等の問題があった。これらは、着色樹脂膜、特にカ
ラーフィルター用の保護膜、或いは平滑層としての機能
が果せなかったり着色膜の機能を損なうことがある。そ
こで、本発明者等はこれらの問題を解決すべく検討した
結果、フェノールノボラック及び/又はクレゾールノボ
ラックのグリシジルエーテル化物とアミノシラン化合物
を反応させて得られるアミノシラン変性エポキシ樹脂を
熱硬化型エポキシ樹脂の主剤として用いることにより目
的を達成できることを見いだし、先に特許出願を行っ
た。(特願昭61−221999)本反応は、フェノールノボラ
ック及び/又はクレゾールノボラックのグリシジルエー
テル化物を加熱撹拌下、アミノシラン化合物を注加する
等の従来公知の方法で行いうる。しかし反応が極めて速
く、反応の制御が非常に難しく、過剰反応又は不均一反
応によりゲル化を起すことがある。ゲルが生成すると均
一な膜を得ることが困難になり、生成物の濾過が必要と
なる。又濾過そのものもフィルターの目づまりをを起
し、非常に困難になる。更に不均一反応により、濾過に
よっても除けないシリコン微粒子が生成されることがあ
り、これは透過光を散乱させる原因ともなる。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、これらの問題を解決すべく鋭意検討した
結果、下記の構造式(1)を有するアミノシラン化合物
(以下アミノシラン変性剤と略す) (但しXはメチル基又はフエニル基を表わし、かつメチ
ル基とフエニル基の数の比が10:1〜1:10であり、R1、R2
は炭素数2〜3のアルキレン基を表わし、nは10〜100
の好ましくは15〜80の値を示す平均重合度である。)と
フェノールノボラック及び/又はクレゾールノボラック
のグリシジルエーテル化物(以下エポキシ樹脂と略す)
とを、酸素原子をエーテル及びエステルの形で同一分子
中に有する有機溶媒中で反応させることにより,ゲル化
やシリコン微粒子が生成されないアミノシラン変性エポ
キシ樹脂が得られることを見い出した。この樹脂を熱硬
化型エポキシ樹脂の主剤として用いることにより目的を
達成できることが判り、本発明を完成するに至った。
本発明のアミノシラン変性エポキシ樹脂の製造に用いら
れるエポキシ樹脂は、フェノールノボラック及び/又は
クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物で
あり、その平均分子量は300〜2000が好ましく、特に400
〜1000が好ましく、又、そのエポキシ当量(g/mol)
(以下WPEと略す)は、180〜220が望ましい。
本発明で用いられるアミノシラン変性剤は式(1)にお
いてメチル基とフエニル基の数の比が10:1〜1:1が望ま
しい。
本反応に用いられる酸素原子をエーテル及びエステルの
形で同一分子中に有する有機溶媒としては、エポキシ樹
脂及びアミノシラン変性剤を溶解し、反応を適当に規制
するものが好ましい。例えばメチルセロソルブアセテー
ト、エチルセロソルブアセテート、イソプロピルセロソ
ルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよいし、又2種以上
混合して用いてもよい。変性方法としてはエポキシ樹脂
を有機溶媒に2〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、
加熱撹拌下、溶解する。温度を60〜140℃、好ましくは8
0〜130℃にてアミノシラン変性剤をエポキシ樹脂に対し
て1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%注加し、0.5
〜10hr、好ましくは1〜6hr反応することにより、アミ
ノシラン変性エポキシ樹脂が得られる。アミノシラン変
性剤は、そのまま注加してもよいが、有機溶媒に溶解し
て注加するのが好ましい。本反応は常圧下、加圧下どち
らでも行うことができる。又、反応雰囲気は空気中でも
よいが、窒素下が好ましい。本発明はアミノシラン変性
エポキシ樹脂を得るため、反応を酸素原子をエーテル及
びエステルの形で同一分子中に有する有機溶媒中で行う
ことにより、反応温度を下げられる。又、原料のエポキ
シ樹脂、アミノシラン変性剤の分散が良好となり、溶媒
中の酸素原子がアミノシラン変性剤に配位することによ
りアミノシラン変性剤単独の重合が制限され、ゲル化が
起きない。このため0.1μmフイルターによる濾過にお
いても、目づまりを起さず、短時間で行なえる。更に薄
膜形成の際に樹脂を溶解する手間もいらず、工程が簡略
化される。又濾過液中には過剰反応等による高分子生成
物も少なくレベリング性が一段と向上し、ガラス板の表
面に形成された着色樹脂膜にも周辺部まで均一に塗布で
きる。更に保護膜或いは平滑層形成後の顕微鏡観察にお
いても透過光の散乱原因ともなるシリコン微粒子は確認
されず、非常に良好な膜が得られる。
(実施例) 実施例1 0−グレゾールノボラックのグリシジルエーテル化物
(日本化薬(株)製、EOCN−1020、WPE200、平均分子量
900)300gとエチルセロソルブアセテート700gを冷却器
付フラスコに入れ窒素ガスを注入しながら100℃が加熱
撹拌した。均一溶液になったところで、アミノシリコン
(信越化学工業(株)製、X−22−1660B−3、平均分
子量4,000、メチル基:フエニル基=2.6:1、式(1)に
おけるR1、R2は共に−CH2CH2CH2−である。)15gをエチ
ルセロソルブアセテートに溶かした溶液50gを20分かけ
て滴下した。その後3.0hr反応し、さらに温度を120℃に
上げて1.0hr反応させたところ1級アミンは検出され
ず、フラスコを冷却し反応を停止した。この反応液はWP
E700(エチルセロソルブアセテートを追出し後の固型分
のWPEは210)であった。反応液は濁りのない透明液であ
り、粘度7.0CPS(25℃)であった。これを直径90mm、孔
径0.1μmのメンブランフィルターにて1.0kG/cm2Gで加
圧濾過した。濾過時間は3分/であり濾過後のフィル
ター上にはゲル状物質は確認されなかった。
実施例2 実施例1においてもEOCN−1020の代りにフエノールノボ
ラックのグリシジルエーテル化物(油化シエルエポキシ
(株)製、EP−154、WPE178、平均分子量700)300gを使
用した他は実施例1と同様に反応した。この反応液はWP
E623(エチルセロソルブアセテート追出し後の固型分の
WEPは187)であった。反応液は濁りのない透明液であ
り、粘度5.5CPS(25℃)であった。これを実施例1と同
様濾過をし、結果も同様であった。
実施例3 実施例1においてアミノシリコン21gをエチルセロソル
ブアセテートに溶かした溶液70gを使用した他は実施例
1と同様に反応した。この反応液はWPE713(エチルセロ
ソルブアセテート追出し後の固型分のWPEは214)であっ
た。これを実施例1と同様に濾過をし、結果も同様であ
った。
実施例4 実施例1においてアミノシラン変性剤としてX−22−16
60B−4(信越化学工業(株)製、平均分子量4320、メ
チル基:フエニル基=9:1、式(1)におけるR1、R2
共に−CH2CH2CH2−である)9gをエチルセロソルブアセ
テートに溶かした溶液30gを使用した他は実施例1と同
様に反応した。この反応液はWPE687(エチルセロソルブ
アセテート追出し後の固型分のWPEは206)であった。こ
れを実施例1と同様に濾過をし、結果も同様であった。
参考例1 実施例1得られた反応液20gに、同様に濾過した0−ク
レゾールノボラック(平均分子量760)30重量%エチル
セロソルブアセテート溶液(以下CN溶液と略す)11.1g
と、触媒として1−シアノエチル−2−エチル−4−メ
チルイミダゾール0.06gを加えて15cm角のガラス板の表
面に形成された着色樹脂膜にスピンコート(1,000rpm×
20秒)により塗布した。溶媒を80℃×0.5hr、熱風乾燥
後、更に160℃×2.0hr熱処理して膜厚1.0μmのピンホ
ールもない均一な膜が得られた。この膜の中央部はもと
より、周辺部をX線マイクロアナライザーで走査したが
シリコン微粒子はまったく確認できなっかた。
参考例2 参考例1において、CN溶液の代りに、フエノールノボラ
ック(平均分子量710)30重量%エチルセロソルブアセ
テート溶液(以下PN溶液と略す)10.1gを使用した他は
参考例1と同様にして保護膜を形成した。得られた保護
膜の膜厚は0.95μmでありX線マイクロアナライザーの
走査結果も参考例1と同様であった。
参考例3 実施例2で得られた反応液20gに、参考例1と同様のCN
溶液12.5gを使用した他の参考例1と同様にして保護膜
を形成した。得られた保護膜の膜厚は1.05μmであり、
X線マイクロアナライザーの走査結果も参考例1と同様
であった。
参考例4 参考例3においてCN溶液の代りにPN溶液11.3gを使用し
た他は参考例3と同様にして保護膜を形成した。得られ
た保護膜の膜厚は1.0μmであり、X線マイクロアナラ
イザーの走査結果も参考例1と同様であった。
比較例1 実施例1で使用したEOCN−1020、300gをフラスコに入
れ、窒素ガスを注入しながら140℃に加温した。融解
後、撹拌下、実施例1で使用したアミノシリコン15gを3
0分かけて滴下し、更に30分反応させたところ1級アミ
ンは検出されず、フラスコを冷却し反応を停止した。こ
のようにして得られたアミノシラン変性エポキシ樹脂
(WPE210)300gをエチルセロソルブアセテート700gに溶
解した。溶液はやや濁りがあり、粘度7.3CPS(25℃)で
あった。この溶液を実施例1と同様に濾過した。濾過時
間は20分/であり、濾過後のフイルター上にはゲル状
物質が確認された。
比較例2 比較例1において、EOCN−1020の代わりにEP−154、300
gを使用した他は比較例1と同様に反応した。このよう
にして得られたアミノシラン変性エポキシ樹脂(WPE18
7)300gをエチルセロソルブアセテート700gに溶解し
た。溶液はやや濁りがあり、粘度5.7CPS(25℃)であっ
た。この溶液を実施例1と同様に濾過した。結果は比較
例1と同様であった。
比較例3 参考例1において反応液の代りに比較例1で得られた溶
液を使用した他は同様にして保護膜を形成した。この膜
の周辺部の一部にはシリコン微粒子が確認された。
比較例4 参考例2において反応液の代りに比較例1で得られた溶
液を使用した他は同様にして保護膜を形成した。結果は
比較例3と同様であった。
比較例5 参考例3において反応液の代わりに比較例2で得られた
溶液を使用した他は同様にして保護膜を形成した。結果
は比較例3と同様であった。
比較例6 参考例4において、反応液の代わりに比較例2で得られ
た溶液を使用した他は同様にして保護膜を形成した。結
果は比較例3と同様であった。
比較例7 実施例1においてエチルセロソルブアセテートの代りに
ジグライムを使用した他は実施例1と同様に反応、濾過
をした。フィルター上にはゲル状物質は確認されなかっ
ただ、この反応液を使用して、参考例1においてエチル
セロソルブアセテートの代りにジグライムを使用した他
は参考例1と同様にして保護膜を形成した。この膜の周
辺部の一部にはシリコン微粒子が確認された。
比較例8 実施例1においてエチルセロソルブアセテートの代りに
酢酸ブチルを使用した他は実施例1と同様に反応、濾過
した。フィルター上にはゲル状物質は確認されなかった
が、この反応液を使用して、参考例1においてエチルセ
ロソルブアセテートの代りに酢酸ブチルを使用した他は
参考例1と同様にして保護膜を形成した。この膜の周辺
部の一部にはシリコン微粒子が確認された。
実施例5 エチルセロソルブアセテートの代りにブチルセロソルブ
アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート又はメチルセロソルブアセテートを用い、そ
の他の実施例1及び参考例1と同様にして実験を行った
ところ、いずれの有機溶媒を用いた場合も、フィルター
上にはゲル状物質は確認されず、又、膜の中央部及び周
辺部にシリコン微粒子はまったく確認できなかった。
(発明の効果) 本発明方法によれば,アミノシラン変性エポキシ樹脂を
得るため、反応を、酸素原子をエーテル及びエステルの
形で同一分子中に有する有機溶媒中で行うことにより反
応温度を下げられる。又原料のエポキシ樹脂、アミノシ
ラン変性剤の分散が良好となり、溶媒中の酸素原子がア
ミノシラン変性剤に配位することにより、アミノシラン
変性剤単独の重合が制限され、ゲル化が起きない。この
ため0.1μmのフィルターによる濾過においても、目づ
まりを起さず非常に短時間で行なえる。更に薄膜形成の
際に樹脂を溶解する手間もいらず、工程が簡略化され
る。濾過液中には、過剰反応等による高分子生成物も少
なく、レベリング性が一段と向上し、ガラス板の表面に
形成された着色樹脂膜にも周辺部まで均一に塗布でき
る。更に保護膜或いは平滑層形成後の顕微鏡観察におい
ても、透過光の散乱原因ともなるシリコン微粒子は確認
されず非常に良好な膜が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノールノボラック及び/又はクレゾー
    ルノボラックのグリシジルエーテル化物と下記の構造を
    有するアミノシラン化合物 (但しXはメチル基又はフエニル基を表わし、かつメチ
    ル基とフエニル基の数の比が10:1〜1:10であり、R1、R2
    は炭素数2〜3のアルキレン基を表わし、nは10〜100
    の値を示す平均重合度である。) とを、酸素原子をエーテル及びエステルの形で同一分子
    中に有する有機溶媒中で反応させることを特徴とするア
    ミノシラン変性エポキシ樹脂の製造方法。
JP5355988A 1988-03-09 1988-03-09 アミノシラン変性エポキシ樹脂の製造方法 Expired - Lifetime JPH0757791B2 (ja)

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